(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記吸熱部は、前記高温パートとして空気圧縮器と加湿器を連結する空気供給ラインに設置されることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システムの圧縮空気冷却装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、空気圧縮器から燃料電池スタックに供給される高温の圧縮空気を簡単な構成により冷却できるようにした燃料電池システムの圧縮空気冷却装置を提供すること、及び、燃料電池スタックの高出力運転条件で圧縮空気の温度を能動的に制御することができ、圧縮空気の急激な温度上昇時にも速い応答性で空気冷却性能を向上させるようにした燃料電池システムの圧縮空気冷却装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態による燃料電池システムの圧縮空気冷却装置は、空気圧縮器により圧縮された高温の圧縮空気を燃料電池スタックに供給する空気供給系統の高温パートに設置される吸熱部と、燃料電池システムの前記燃料電池スタックに循環する冷却水を冷却させるスタック冷却系統の低温パートに設置される放熱部と、前記吸熱部と放熱部を連結し、内部に冷媒が充填されているヒートパイプと、を含み、前記吸熱部はヒートパイプの冷媒が前記放熱部から前記吸熱部に流動されるように前記放熱部より相対的に低い位置に配置されることを特徴とする。
【0007】
前記放熱部に連結され、冷媒を貯蔵する冷媒リザーバと、前記冷媒リザーバと前記吸熱部を実質的に連結し、前記吸熱部に前記冷媒リザーバの冷媒を選択的に供給する冷媒供給ユニットと、をさらに含むことを特徴とする。
【0008】
前記吸熱部は、前記高温パートとして空気圧縮器と加湿器を連結する空気供給ラインに設置されることを特徴とする。
【0009】
前記放熱部は、前記低温パートとしてラジエータモジュールに設置されることを特徴とする。
【0010】
前記放熱部は、前記低温パートとしてラジエータモジュールのスタック冷却水流動経路に設置されることを特徴とする。
【0011】
前記冷媒供給ユニットは、前記冷媒リザーバと吸熱部および/またはヒートパイプを連結する冷媒供給ラインを有し、
前記冷媒供給ラインに設置され、冷媒を圧送するように構成されたことを特徴とする。
【0012】
前記冷媒供給ユニットは、前記冷媒リザーバと吸熱部および/またはヒートパイプを連結する冷媒供給ラインと、
前記冷媒供給ラインに設置される流路開閉器具としてアクチュエータと、
を含むことを特徴とする。
【0013】
前記圧縮空気の温度を感知し、その感知信号を制御器に出力する温度センサーをさらに含み、
前記制御器は前記温度センサの感知信号に基づいて前記アクチュエータに制御信号を印加することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、空気圧縮器により圧縮された高温の圧縮空気を燃料電池スタックに供給する空気供給系統の高温パートに設置される吸熱部と、
燃料電池スタックに循環する冷却水を冷却させるスタック冷却系統の低温パートに設置される放熱部と、
前記吸熱部と放熱部を連結し、内部に冷媒が充填されているヒートパイプと、
前記高温パートと前記ヒートパイプを連結し、前記ヒートパイプ内部の蒸発された冷媒ガスに圧力を印加する圧力印加ユニットとして、前記空気供給ラインに連結される空気流路と、
前記空気流路に連結され、ピストンが備えられたシリンダー部材と、
前記シリンダー部材のピストンに連結される連結ロッドと、
前記連結ロッドに連結されるベローズ管と、
前記ベローズ管と前記ヒートパイプを連結する冷媒ガス流路とを含む圧力印加ユニットと、を含むことを特徴とする。
【0015】
前記吸熱部は、前記高温パートとして空気圧縮器と加湿器を連結する空気供給ラインに設置され、
前記圧力印加ユニットは、前記空気供給ラインと前記ヒートパイプに連結されることを特徴とする。
【0016】
前記ベローズ管は、前記ピストンにより圧縮され、前記冷媒ガス流路を通じて前記ヒートパイプ内部の冷媒ガスを加圧することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、空気圧縮器により圧縮された高温の圧縮空気を燃料電池スタックに供給する空気供給系統の高温パートに設置される吸熱部と、
燃料電池スタックに循環する冷却水を冷却させるスタック冷却系統の低温パートに設置される放熱部と、
前記吸熱部と放熱部を連結し、内部に冷媒が充填されているヒートパイプ、および前記高温パート、放熱部およびヒートパイプを連結し、前記ヒートパイプ内部の液体冷媒に圧力を印加する圧力印加ユニットとして、 前記空気供給ラインに連結される空気流路、前記空気流路に連結され、ピストンが備えられたシリンダー部材、前記シリンダー部材のピストンに連結される連結ロッド、前記連結ロッドに連結されるベローズ管、前記ベローズ管と前記放熱部を連結する第1冷媒液体流路、前記ベローズ管と前記ヒートパイプを連結する第2冷媒液体流路、
からなる圧力印加ユニットと、
を含むことを特徴とする。
【0018】
前記吸熱部は、前記高温パートとして空気圧縮器と加湿器を連結する空気供給ラインに設置され、
前記圧力印加ユニットは、前記空気供給ライン、放熱部およびヒートパイプに連結されることを特徴とする。
【0019】
前記ベローズ管は、
前記第1冷媒液体流路を通じて前記放熱部の液体冷媒を供給され、
前記ピストンにより圧縮され、前記第2冷媒液体流路を通じて前記ヒートパイプ内部に液体冷媒を供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、吸熱部と放熱部を連結するヒートパイプの簡単な構成により空気圧縮器から燃料電池スタックに供給される高温の圧縮空気を冷却させて、圧縮空気の過度な温度上昇を抑制することができる。
したがって、圧縮空気の熱による燃料電池スタックの損傷を防止して、燃料電池スタックの正常な運転に適した圧縮空気の温度条件を満足することができる。
また、高温の圧縮空気が加湿器に供給されることを抑制して、加湿器の加湿効率および燃料電池スタックの運転性能の低下を防止することができる。
そして、吸熱部と放熱部を連結するヒートパイプの簡単な構成により高温の圧縮空気を冷却して、燃料電池システムのパッケージをコンパクトに実現することができる。
【0021】
本発明によれば、温度センサーにより感知された圧縮空気の温度に基づいて放熱部から吸熱部に供給される冷媒の量を冷媒供給ユニットを通じて調節することによって、高温パートでの圧縮空気の温度をコントロールすることができる。
したがって、燃料電池スタックの高出力運転条件で圧縮空気の温度を能動的に制御して、圧縮空気の急激な温度上昇による速い応答性で空気冷却性能を向上させることができる。
【0022】
一方、圧縮空気を冷却する過程に圧力印加ユニットを通じてヒートパイプ内部の蒸発された冷媒ガスに圧縮空気の圧力を印加するため、ヒートパイプでの冷媒ガスの移動を活性化することができる。
また、圧縮空気を冷却する過程にその圧縮空気の圧力を利用して圧力印加ユニットを通じてヒートパイプの内部に液体冷媒を供給し、その内部の液体冷媒を加圧することによって、ヒートパイプでの液体冷媒の移動を加速化させることができる。
したがって、本発明の実施形態では、別途の電気的な制御手段なしに空気供給ラインを流動する圧縮空気の圧力を利用してヒートパイプの冷媒循環を活性化することによって、圧縮空気の冷却性能を改善することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の第1実施形態が適用される燃料電池システムを概略的に示したブロック構成図である。
図1に示す通り、本発明の第1実施形態による圧縮空気冷却装置100は、燃料と酸化剤の電気化学的な反応により電気エネルギーを生産する燃料電池システム101に適用される。
例えば、前記燃料電池システムは、燃料と酸化剤の電気化学反応により生産された電気エネルギーで電気モータを駆動させる燃料電池車両に適用される。
燃料電池システム101は、燃料電池スタック1と、燃料電池スタック1に燃料としての水素ガスを供給するための燃料供給系統3と、燃料電池スタック1に酸化剤としての空気を供給するための空気供給系統5と、燃料電池スタック1で発生する熱を冷却させるための冷却系統7とを含む。
【0025】
このうち、空気供給系統5は、空気を圧縮しその圧縮空気を燃料電池スタック1に供給するための空気圧縮器11と、空気圧縮器11と燃料電池スタック1の間に設置される加湿器13とを含む。
空気圧縮器11は、燃料電池スタック1の高出力運転条件で比較的に高温(ほぼ120℃)の圧縮空気を空気供給ライン12を通じて加湿器13に供給する。 加湿器13は、燃料電池スタック1で発生した水で圧縮空気を加湿し、その加湿空気を燃料電池スタック1に供給する。
そして、冷却系統7は、燃料電池スタック1を循環しながら温められた冷却水を冷却させるラジエータモジュール15を含む。ラジエータモジュール15には、ラジエータ16と冷却ファン17が備えられ、ラジエータ16には冷却水流動経路18が備えられる。
【0026】
前述のように構成される燃料電池システム101には、空気圧縮器11から空気供給ライン12を通じて加湿器13に供給される高温の圧縮空気を冷却させるための圧縮空気冷却装置100が備えられる。
圧縮空気冷却装置100は、空気圧縮器11から加湿器13を通じて燃料電池スタック1に供給される高温の圧縮空気をヒートパイプの構成を適用して冷却させることができる。
また、燃料電池スタック1の高出力運転条件で圧縮空気の温度を能動的に制御することができ、圧縮空気の急激な温度上昇による速い応答性で空気冷却性能を向上させることができる燃料電池システムの圧縮空気冷却装置100を提供する。
【0027】
図2は、本発明の第1実施形態による燃料電池システムの圧縮空気冷却装置を概略的に示した図面である。
図1および
図2に示す通り、本発明の第1実施形態による燃料電池システムの圧縮空気冷却装置100は、基本的に、吸熱部20と、放熱部30と、ヒートパイプ40と、冷媒リザーバ50と、冷媒供給ユニット60とを含む。
これと異なる構成であるとしても、実質的に冷媒が放熱部30から吸熱部20に流動することができる構成であれば、本発明の技術的思想が適用される。
たとえば、本発明の第1実施形態による燃料電池システムの圧縮空気冷却装置は、冷媒リザーバ50及び冷媒供給ユニット60がなくても構成される。
【0028】
吸熱部20は、燃料電池システム101で空気圧縮器11により圧縮された高温の圧縮空気を燃料電池スタック1に供給する空気供給系統5の高温パート21に設置される。吸熱部20は、後述するヒートパイプ40内部の冷媒を高温パート21の熱で蒸発させる機能を果たす。
ここで、高温パート21とは、高温の圧縮空気を加湿器13に供給する空気供給ライン12と定義することができる。
即ち、吸熱部20は、
図3に示すように、空気圧縮器11と加湿器13を連結する空気供給ライン12に設置される。この場合、吸熱部20は、
図4に示すように、加湿器13の圧縮空気入口14側に備えられ、その加湿器13と吸熱部20は一つのモジュールとして形成される。
【0029】
一方、吸熱部20には、圧縮空気の温度を感知し、その感知信号を制御器90に出力する温度センサー25が設置される。このような温度センサー25は当業界で広く知られた公知技術であるため、本明細書でより詳細な説明は省略する。
放熱部30は、燃料電池システム101で燃料電池スタック1に循環する冷却水を冷却させる冷却系統7の低温パート31に設置される。放熱部30は、吸熱部20で蒸発された冷媒ガスを凝縮させながら潜熱を放出し、液体に凝縮された冷媒を収容する機能を果たすものである。
ここで、低温パート31とは、燃料電池システム101で燃料電池スタック1を循環しながら温められた冷却水を冷却させるラジエータモジュール15部位と定義することができる。
【0030】
放熱部30は、
図5に示すように、ラジエータモジュール15のラジエータ16と冷却ファン17の間でその冷却ファン17に近接するように設置される。代案として、放熱部30は、
図6に示すように、ラジエータ16の冷却水流動経路18に設置することもできる。
前述のような吸熱部20と放熱部30において吸熱部20は、放熱部30よりも相対的に低い位置に配置される。これは放熱部30に収容された液体冷媒を重力によりヒートパイプ40を通じて吸熱部20に移動させるためである。
図1および
図2に示す通り、ヒートパイプ40は、吸熱部20と放熱部30を連結するパイプであって、作動流体としての冷媒を内部に充填している。
ヒートパイプ40は、高温パート21の吸熱部20で蒸発し、低温パート31の放熱部30で凝縮される冷媒の相変化の時に発生する潜熱を利用して発熱密度が高い部分から低い部分に熱を伝達する熱伝達装置である。
【0031】
ヒートパイプ40は、熱伝導性を有するパイプ形態の密閉容器と、その密閉容器内に形成されたウィック(wick)(図示せず)と、密閉容器の内部に充電された冷媒とから構成される。
したがって、吸熱部20と放熱部30をヒートパイプ40で連結するため、冷媒は高い位置にある放熱部30からヒートパイプ40を通じて低い位置にある吸熱部20に移動する。
吸熱部20では高温パート21の熱により冷媒を蒸発させ、その蒸発された冷媒ガスはヒートパイプ40を通じて低温パート31の放熱部30に移動し、その放熱部30では冷媒ガスを液体に凝縮させながら潜熱を放出し、その放熱部30で凝縮された液体冷媒は再びヒートパイプ40を通じて吸熱部20に移動する。
この原理により高温パート21で発生する熱を低温パート31に伝達して外部に放出させることによって、本発明の実施形態では高温パート21での高温圧縮空気を一定の温度に冷却させることができる。
【0032】
図1および
図2に示す通り、冷媒リザーバ50は放熱部30と連結され、その放熱部30で凝縮された冷媒を一時的に貯蔵する。冷媒リザーバ50は放熱部30に直接に連結することも、別のラインを通じて連結することもできる。
冷媒供給ユニット60は、放熱部30から吸熱部20に供給される冷媒の量を調節して高温パート21での圧縮空気温度をコントロールするためのものである。冷媒供給ユニット60は、冷媒リザーバ50と吸熱部20を実質的に連結し、その吸熱部20に冷媒リザーバ50の冷媒を選択的に供給する。
冷媒供給ユニット60は、冷媒リザーバ50と吸熱部20を連結する冷媒供給ライン61と、冷媒供給ライン61に設置される可動手段70とを含む。
ここで、可動手段70は、冷媒リザーバ50に貯蔵された冷媒を吸熱部20に圧送したり冷媒供給ライン61の流路を開放して冷媒リザーバ50に貯蔵された冷媒を重力により冷媒供給ライン61を通じて吸熱部20に供給するためのものである。
【0033】
可動手段70は、
図7に示すように、冷媒供給ライン61に設置され、冷媒リザーバ50に貯蔵された冷媒を吸熱部20に圧送するポンプ等の冷媒圧送器具71を含む。
そして、可動手段70は、
図8に示すように、冷媒供給ライン61の流路を選択的に開閉するアクチュエータとしてのソレノイドバルブ等の流路開閉器具72を含む。
即ち、流路開閉器具72は、冷媒供給ライン61を開放することによって冷媒リザーバ50に貯蔵された冷媒を重力により吸熱部20に供給できる。
可動手段70は、温度センサー25の感知信号、即ち、温度センサー25により感知された圧縮空気の温度に基づいて制御器90から電気的な制御信号の印加を受けて作動する。
本発明の実施形態では、可動手段70をポンプとソレノイドバルブ以外にアクチュエータにより駆動するピストンシリンダー、一般的なバルブなどとすることもできる。
【0034】
次に、本発明の第1実施形態による燃料電池システムの圧縮空気冷却装置100の作用を
図1および
図2を参照して詳細に説明する。
まず、本発明の実施形態では、燃料電池システム101の運転時、燃料供給系統3を通じて燃料としての水素ガスを燃料電池スタック1に供給し、空気供給系統5の空気圧縮器11を通じて酸化剤としての圧縮空気を燃料電池スタック1に供給する。
ここで、空気圧縮器11で発生した圧縮空気は、空気供給ライン12を通じて加湿器13に供給され、加湿器13は、燃料電池スタック1で発生した水で圧縮空気を加湿し、その加湿空気を燃料電池スタック1に供給する。
燃料電池スタック1は、水素と酸素の電気化学的な反応を通じて電気エネルギーを発生させ、その過程で副産物としての水と熱を発生させる。
【0035】
燃料電池システム101の冷却系統7では、燃料電池スタック1に冷却水を循環させ、その燃料電池スタック1で発生する熱を冷却させる。
そして、燃料電池スタック1を循環しながら温められた冷却水はラジエータモジュール15に供給され、そのラジエータモジュール15で冷却された状態で再び燃料電池スタック1に供給される。
一方、空気圧縮器11は、燃料電池スタック1の高出力運転条件で比較的に高温(ほぼ120℃)の圧縮空気を空気供給ライン12を通じて加湿器13に供給する。
前述の過程で、高温の圧縮空気が通過する空気供給系統5の高温パート21、即ち、空気供給ライン12に設置された吸熱部20ではその高温パート21の熱で冷媒を蒸発させる。
【0036】
そうすると、吸熱部20で蒸発した冷媒ガスは、ヒートパイプ40を通じて低温パート、即ち、冷却系統7のラジエータモジュール15側の放熱部30に移動する。そこで、放熱部30では冷媒ガスを液体に凝縮させながら潜熱を放出し、その放熱部30で凝縮された液体冷媒は再びヒートパイプ40を通じて吸熱部20に移動する。
このように放熱部30の液体冷媒がヒートパイプ40を通じて吸熱部20に移動することは、放熱部30が吸熱部20よりも高い位置に配置されることで可能となる。
【0037】
したがって、本発明の実施形態では、このような過程を経ながら高温パート21で発生する熱を低温パート31に伝達して外部に放出させることにより、高温パート21での高温圧縮空気を一定の温度、例えば燃料電池スタック1の正常的な運転温度である60〜80℃に冷却させることができる。
これにより、本発明の実施形態では、空気圧縮器11で燃料電池スタック1に供給される圧縮空気の過度な温度上昇を抑制して燃料電池スタック1の燃料電池を保護し、燃料電池スタック1の正常な運転に適した圧縮空気の温度条件を充足させることができる。
また、本発明の実施形態では、高温の圧縮空気が加湿器13に供給されることを抑制できるため、加湿器13の加湿効率および燃料電池スタック1の運転性能の低下を防止できる。
【0038】
また、本発明の実施形態では、吸熱部20と放熱部30を連結するヒートパイプ40の簡単な構成により高温の圧縮空気を冷却できるため、燃料電池システム101のパッケージをコンパクトに実現できる。
一方、前記過程で温度センサー25は、圧縮空気の温度を感知し、その感知信号を制御器90に出力する。
そうすると、制御器90は、温度センサー25の感知信号に基づいて圧縮空気の温度が設定された温度以上であると判断すると、本発明の実施形態による冷媒供給ユニット60の可動手段70に電気的な信号を印加する。
【0039】
そこで、可動手段70としての冷媒圧送器具71(
図7参照)または流路開閉器具72(
図8参照)を作動させて冷媒リザーバ50に貯蔵された冷媒を吸熱部20に圧送し、あるいは、冷媒供給ライン61の流路を開放して冷媒リザーバ50に貯蔵された冷媒を冷媒供給ライン61を通じて吸熱部20に供給することができる。
したがって、温度センサー25により感知された圧縮空気の温度に基づいて放熱部30から吸熱部20に供給される冷媒の量を冷媒供給ユニット60を通じて調節することによって、高温パート21での圧縮空気の温度をコントロールすることができる。
これによって、本発明の実施形態では、燃料電池スタック1の高出力運転条件で圧縮空気の温度を能動的に制御でき、圧縮空気の急激な温度上昇による速い応答性で空気冷却性能を向上させることができる。
【0040】
図9は、本発明の第2実施形態による燃料電池システムの圧縮空気冷却装置を概略的に示した図面である。
図9に示す通り、本発明の第2実施形態による燃料電池システムの圧縮空気冷却装置200は、吸熱部120、放熱部130およびヒートパイプ140を基本的に備えながら、冷媒リザーバ150に貯蔵された冷媒をヒートパイプ140に選択的に供給する冷媒供給ユニット160を構成することができる。
冷媒供給ユニット160は、冷媒リザーバ150とヒートパイプ140を連結する冷媒供給ライン161と、冷媒供給ライン161に設置される可動手段170とを含んでいる。
ここで、可動手段170は、冷媒リザーバ150に貯蔵された冷媒をヒートパイプ140に圧送したり冷媒供給ライン161の流路を開放して冷媒リザーバ150に貯蔵された冷媒を重力により冷媒供給ライン161を通じてヒートパイプ140に供給するためのものである。
【0041】
可動手段170は、
図10に示すように、冷媒供給ライン161に設置され、冷媒リザーバ150に貯蔵された冷媒をヒートパイプ140に圧送するポンプ等の冷媒圧送器具171を含む。
そして、可動手段170は、
図11に示すように、冷媒供給ライン161の流路を選択的に開閉するソレノイドバルブ等の流路開閉器具172を含む。
流路開閉器具172は、冷媒供給ライン161を開放することによって冷媒リザーバ150に貯蔵された冷媒を重力によりヒートパイプ140に供給できる。
このような可動手段170は、温度センサー125の感知信号に基づいて、即ち、温度センサー125により感知された圧縮空気の温度に基づいて制御器190から電気的な制御信号の印加を受けて作動する。
【0042】
したがって、圧縮空気の温度を温度センサー125を通じて感知し、制御器190を通じて圧縮空気の感知温度が予め設定された温度以上であると判断されると、冷媒供給ユニット160の可動手段170に電気的な信号を印加する。
そこで、可動手段170としての冷媒圧送器具171または流路開閉器具172を作動させて冷媒リザーバ150に貯蔵された冷媒をヒートパイプ140に圧送し、あるいは、冷媒供給ライン161の流路を開放して冷媒リザーバ150に貯蔵された冷媒を冷媒供給ライン161を通じてヒートパイプ140に供給することができる。
本発明の第2実施形態による燃料電池システムの圧縮空気冷却装置200のその他の構成および作用効果は、前記実施形態と同一であるため、より詳細な説明は省略する。
【0043】
図12は、本発明の第3実施形態による燃料電池システムの圧縮空気冷却装置を概略的に示した図面である。
図12に示す通り、本発明の第3実施形態による燃料電池システムの圧縮空気冷却装置300は、前記実施形態のように、吸熱部220、放熱部230およびヒートパイプ240を基本的に備えるとともに、圧縮空気を冷却する過程にヒートパイプ240内部の蒸発された冷媒ガスに圧力を印加する圧力印加ユニット280を構成する。
吸熱部220、放熱部230およびヒートパイプ240は前記実施形態の構成と同一であるため、より詳細な説明は省略する。
圧力印加ユニット280は、高温パート221としての空気供給ライン212とヒートパイプ240を連結したものであって、別の電気的な制御手段なしに空気供給ライン212を流動する圧縮空気の圧力を利用してその圧縮空気の冷却性能を改善することができる。
【0044】
このような圧力印加ユニット280は、空気供給ライン212に連結される空気流路281と、空気流路281に連結され、ピストン283が備えられたシリンダー部材284と、シリンダー部材284のピストン283に連結される連結ロッド285と、連結ロッド285に連結されるベローズ管287と、ベローズ管287とヒートパイプ240を連結する冷媒ガス流路289とを含む。
空気流路281は、空気供給ライン212に連結され、圧縮空気の圧力を受ける。シリンダー部材284は、空気流路281と連結され、圧縮空気の圧力によりピストン283を移動させる。連結ロッド285は、ピストン283に連結され、そのピストン283が移動することによって共に移動することができる。ベローズ管287は、蛇腹管形態からなり、連結ロッド285が移動することによって圧縮される。冷媒ガス流路289は、ヒートパイプ240と連結され、そのヒートパイプ240内部の冷媒ガスが流入する。
【0045】
ここで、ベローズ管287は、ピストン283の移動によって連結ロッド285により圧縮され、冷媒ガス流路289を通じてヒートパイプ240内部の冷媒ガスを加圧する。
圧縮空気冷却装置300によると、吸熱部220、放熱部230およびヒートパイプ240を利用して空気供給ライン212を通過する圧縮空気を冷却させる過程で、その圧縮空気は圧力印加ユニット280の空気流路281に流入する。
そうすると、シリンダー部材284のピストン283は圧縮空気の圧力により移動するようになり、連結ロッド285も移動するようになる。そこで、ベローズ管287は連結ロッド285により圧縮され、冷媒ガス流路289を通じてヒートパイプ240内部の冷媒ガスを加圧する。
【0046】
したがって、圧縮空気を冷却する過程で圧力印加ユニット280を通じてヒートパイプ240内部で蒸発した冷媒ガスに圧縮空気の圧力を印加するため、ヒートパイプ240での冷媒ガスの移動を活性化させることができる。
これによって、吸熱部220で蒸発した冷媒ガスが放熱部230により早く到達するため、冷媒の循環がより活性化し、圧縮空気の冷却性能をより向上させることができる。
即ち、別の電気的な制御手段なしに空気供給ライン212を流動する圧縮空気の圧力を利用してヒートパイプ240の冷媒循環を活性化することによって、圧縮空気の冷却性能を改善することができる。
【0047】
図13は、本発明の第4実施形態による燃料電池システムの圧縮空気冷却装置を概略的に示した図面である。
図13に示す通り、本発明の第4実施形態による燃料電池システムの圧縮空気冷却装置400は、吸熱部320、放熱部330およびヒートパイプ340を基本的に備え、圧縮空気を冷却する過程にヒートパイプ340内部の液体冷媒に圧力を印加する圧力印加ユニット380を構成する。
吸熱部320、放熱部330およびヒートパイプ340は、前記実施形態の構成と同一であるため、より詳細な説明は省略する。
圧力印加ユニット380は、高温パート321としての空気供給ライン312、放熱部330およびヒートパイプ340を連結したものであって、別の電気的な制御手段なしに空気供給ライン312を流動する圧縮空気の圧力を利用してその圧縮空気の冷却性能を改善することができる。
【0048】
このような圧力印加ユニット380は、空気供給ライン312に連結される空気流路381と、空気流路381に連結され、ピストン383が備えられたシリンダー部材384と、シリンダー部材384のピストン383に連結される連結ロッド385と、連結ロッド385に連結されるベローズ管387と、ベローズ管387と放熱部330を連結する第1冷媒液体流路388と、ベローズ管387とヒートパイプ340を連結する第2冷媒液体流路389とを含む。
空気流路381は、空気供給ライン312に連結され、圧縮空気の圧力を受ける。シリンダー部材384は、空気流路381と連結され、圧縮空気の圧力によりピストン383を移動させる。連結ロッド385は、ピストン383に連結され、そのピストン383が移動することによって共に移動する。ベローズ管387は、蛇腹管形態からなり、連結ロッド385が移動することによって圧縮される。
【0049】
そして、第1冷媒液体流路388は、ベローズ管387と放熱部330を連結し、その放熱部330から重力により提供される液体冷媒をベローズ管387に供給する。第2冷媒液体流路389は、ベローズ管387とヒートパイプ340を連結し、そのベローズ管387内部の液体冷媒をヒートパイプ340の内部に供給する。
即ち、ベローズ管387は、第1冷媒液体流路388を通じて放熱部330の液体冷媒の供給を受け、圧縮空気の圧力によりピストン383が移動することによって連結ロッド385により圧縮され、第2冷媒液体流路389を通じてヒートパイプ340の内部に液体冷媒を供給してその内部の液体冷媒を加圧することができる。
【0050】
したがって、圧縮空気を冷却する過程で、その圧縮空気の圧力を利用して圧力印加ユニット380を通じてヒートパイプ340の内部に液体冷媒を供給し、その内部の液体冷媒を加圧することによってヒートパイプ340での液体冷媒の移動を加速化させることができる。
これによって、放熱部330で凝縮された液体冷媒が吸熱部320により早く到達するため、冷媒の循環がより活性化し、圧縮空気の冷却性能をより向上させることができる。
即ち、別の電気的な制御手段なしに空気供給ライン312を流動する圧縮空気の圧力を利用してヒートパイプ340の冷媒循環を活性化することによって圧縮空気の冷却性能を改善することができる。
【0051】
以上、本発明の実施形態が燃料電池システムに適用されることを例として説明したが、本発明の保護範囲が必ずしもこれに限定されるものと理解してはいけない。本発明の実施形態らは当業者によって電装冷却システムを含む車両の全ての冷却系統にも適用されることはもちろんである。
以上で本発明の実施形態らについて説明したが、本発明の技術的な思想は本明細書で提示される実施形態に制限されず、本発明の技術的な思想を理解する当業者は同一の技術的な思想の範囲内で、構成要素の付加、変更、削除、追加などにより他の実施形態を容易に提案することができ、これも本発明の権利範囲内に属すると言える。