特許第6243679号(P6243679)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243679
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】引戸連動装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 17/00 20060101AFI20171127BHJP
   E06B 3/46 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   E05F17/00 A
   E06B3/46
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-197755(P2013-197755)
(22)【出願日】2013年9月25日
(65)【公開番号】特開2015-63823(P2015-63823A)
(43)【公開日】2015年4月9日
【審査請求日】2016年4月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】504374849
【氏名又は名称】株式会社泉陽商会
(74)【代理人】
【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
(72)【発明者】
【氏名】田井 博康
【審査官】 渋谷 知子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−020861(JP,A)
【文献】 特開昭60−026790(JP,A)
【文献】 特開2013−087592(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2011−0060692(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 17/00
E06B 3/42−3/46
E05D 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1引戸(1)と第2引戸(2)と第3引戸(3)を開閉移動自在に設け、
固定枠(F)に固定ラック(10)を取着すると共に上記第1引戸(1)に第1移動ラック(11)を、上記第2引戸(2)に第2移動ラック(12)を、上記第3引戸(3)に第3移動ラック(13)を、夫々に取着し、かつ、第1連結機構(15)によって連動連結された前後一対の第1シンクロ歯車(31A)(31B)を上記第1引戸(1)に取付け、第2連結機構(16)によって連動連結された前後一対の第2シンクロ歯車(32A)(32B)を上記第2引戸(2)に取付けて、
上記第1シンクロ歯車(31A)(31B)の前方の歯車(31A)を上記第2移動ラック(12)に噛合させると共に後方の歯車(31B)を上記固定ラック(10)に噛合させ、かつ、上記第2シンクロ歯車(32A)(32B)の前方の歯車(32A)を上記第3移動ラック(13)に噛合させると共に後方の歯車(32B)を上記第1移動ラック(11)に噛合させ、上記第1引戸(1)と上記第2引戸(2)と上記第3引戸(3)が差動しつつ連動して開閉移動するように構成されたことを特徴とする引戸連動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引戸連動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ワイヤを用いた連動装置を備える3連式の引戸が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−280994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の引戸連動装置は、ワイヤが緩んで故障する虞れがあった。従って、故障を防止するために定期的にワイヤの張りを調整するメンテナンスが必要となり、このようなメンテナンスは、厄介な作業であり、多大な手間と時間を浪費していた。
【0005】
そこで、本発明は、面倒なメンテナンスを省略して長期間使用できる引戸連動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る引戸連動装置は、第1引戸と第2引戸と第3引戸を開閉移動自在に設け、固定枠に固定ラックを取着すると共に上記第1引戸に第1移動ラックを、上記第2引戸に第2移動ラックを、上記第3引戸に第3移動ラックを、夫々に取着し、かつ、第1連結機構によって連動連結された前後一対の第1シンクロ歯車を上記第1引戸に取付け、第2連結機構によって連動連結された前後一対の第2シンクロ歯車を上記第2引戸に取付けて、上記第1シンクロ歯車の前方の歯車を上記第2移動ラックに噛合させると共に後方の歯車を上記固定ラックに噛合させ、かつ、上記第2シンクロ歯車の前方の歯車を上記第3移動ラックに噛合させると共に後方の歯車を上記第1移動ラックに噛合させ、上記第1引戸と上記第2引戸と上記第3引戸が差動しつつ連動して開閉移動するように構成されたものである
【発明の効果】
【0007】
発明の引戸連動装置によれば、ラックとピニオン(歯車)が確実に噛合して引戸を連動して開閉することができ、故障が極めて少なく、耐久性を向上できる。よって、面倒なメンテナンスを省略できる。また、構造がシンプルで、製造・設置が容易となり、コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に関係のある参考例の全開状態を示した簡略平面図である。
図2】本発明に関係のある参考例の半開半閉状態を示した簡略平面図である。
図3】本発明に関係のある参考例の閉鎖状態を示した簡略平面図である。
図4】戸尻側から見た参考例の要部拡大断面側面図である。
図5】本発明の実施形態の全開状態を示した簡略平面図である。
図6】本発明の実施形態の半開半閉状態を示した簡略平面図である。
図7】本発明の実施形態の閉鎖状態を示した簡略平面図である。
図8】要部拡大断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態及び参考例を示す図面に基づき本発明を詳説する。
図1図3に示すように、本発明に関係のある参考例の引戸連動装置は、住宅、ビル、倉庫、物置等の出入口に設置され、3枚以上の引戸1,2,3を開閉移動自在に設け、複数本のラック10,11,12,13と複数個のピニオン21,22の噛合によって、引戸1,2,3が差動しつつ連動して開閉可能としている。
【0010】
図1図3に於て、第1引戸1と、第2引戸2と、第3引戸3とを、開閉移動自在に設け、固定枠Fに固定ラック10を取着すると共に、第1引戸1に第1移動ラック11を、第2引戸2に第2移動ラック12を、第3引戸3に第3移動ラック13を、夫々に取着している。また、第1引戸1に第1ピニオン21を取付け、第2引戸2に第2ピニオン22を取付けている。そして、第1ピニオン21を固定ラック10と第2移動ラック12に噛合させ、かつ、第2ピニオン22を第1移動ラック11と第3移動ラック13に噛合させ、第1引戸1と第2引戸2と第3引戸3が差動しつつ連動して開閉移動するように構成されている。
【0011】
固定ラック10と、第1移動ラック11・第2移動ラック12・第3移動ラック13は、角柱状の金属又は硬質樹脂から成り、一方面にギア歯が形成されている。平面視に於て、固定ラック10は、固定枠Fの第1引戸1と対面する側に取着され、固定枠Fの前端から突出状に配設されている。第1移動ラック11は、第1引戸1の第2引戸2と対面する側に取着され、第1引戸1の前端から突出状に配設されている。また、第2移動ラック12は、第2引戸2の第1引戸1と対面する側に並設されている。また、第3移動ラック13は、第3引戸3の第2引戸2と対面する側に並設されている。
第1ピニオン21は、平歯車から成り、第1引戸1の前端部上面に回転自在に取付けられている。図1の全開状態で、第1ピニオン21は、固定ラック10の後端部に噛合し、その反対側で、第2移動ラック12の前端部に噛合している。
第2ピニオン22は、平歯車から成り、第2引戸2の前端部上面に回転自在に取付けられている。図1の全開状態で、第2ピニオン22は、第1移動ラック11の後端部に噛合し、その反対側で、第3移動ラック13の前端部に噛合している。
なお、第1ピニオン21と第2ピニオン22の歯数は同一とし、第1移動ラック11と第2移動ラック12と第3移動ラック13のギア歯のピッチは同一とする。
【0012】
第1移動ラック11と第2移動ラック12と第3移動ラック13と、第1引戸1と第2引戸2と第3引戸3は、平面視に於て略同一の長さ寸法に形成され、その大きさは、出入口の幅寸法Wの1/3倍より僅かに大きく設定されている。即ち、図1の全開状態で、固定枠Fの幅寸法の約3倍という広大な開放量(出入口の幅寸法W)を確保し、第1引戸1と第2引戸2と第3引戸3は、出入口の幅寸法Wの約1/3倍の奥行きを有する戸袋4に収納可能である。また、図3に示すように、戸袋4から第1引戸1・第2引戸2・第3引戸3を引き出して、閉鎖状態とし、広大な出入口を閉鎖可能としている。なお、第3引戸3の前端近傍には、手引き用のハンドル6が付設され、さらに、第3引戸3の前端縁に、戸当りとの衝撃を緩和するためのクッション部材18が設けられている。
【0013】
図4に示すように、階段状に形成された支持枠(上枠)50の鉛直面に、3本のガイドレール40,40,40が固着され、このガイドレール40,40,40にスライド自在の吊車41,41,41によって、第1引戸1と第2引戸2と第3引戸3が吊り下げられている。
第1ピニオン21と第2ピニオン22は、所定の高低差をもって上下方向にずらして配設されている。言い換えると、第1ピニオン21が固定ラック10と第2移動ラック12に噛合する高さ位置と、第2ピニオン22が第1移動ラック11と第3移動ラック13に噛合する高さ位置とが、互いに異なり、この構成により、第1移動ラック11と第2移動ラック12がぶつかることなく移動する。
【0014】
上述した本発明に関係のある参考例の引戸連動装置の使用方法(作用)について説明する。
図1の全開状態から図2の半開半閉状態のように、第3引戸3を矢印Cのように引き出して移動させると、第3移動ラック13に噛合する第2ピニオン22が反時計方向に回転する。第2ピニオン22は、第1移動ラック11上で転動して、第2引戸2が第3引戸3に遅れて差動しつつ移動する。
第2引戸2の移動に伴って、第2移動ラック12に噛合する第1ピニオン21が反時計方向に回転する。第1ピニオン21は、固定ラック10上で転動して、第1引戸1が第2引戸2に遅れて差動しつつ移動する。
第1引戸1と第2引戸2の関係は、第1引戸1の移動量(走行代)寸法Lと、第2引戸2の移動量寸法Lの比が、1対2となる。
【0015】
また、第2引戸2と第3引戸3の関係については、第1引戸1が動かないと仮定した場合には、その移動量の比は1対2となる。しかし、第1移動ラック11は、第1引戸1と共に移動し、第2引戸2と第3引戸3の移動量に第1引戸1の移動量寸法Lの影響を考慮して計算すると、第2引戸2の移動量寸法Lと、第3引戸3の移動量寸法Lの比は、2対3となる。
即ち、第1引戸1の移動量寸法Lと、第2引戸2の移動量寸法Lと、第3引戸3の移動量寸法Lの比は、1対2対3となる。言い換えると、第3引戸3の移動速度に対し、第2引戸2は2/3倍の速度で移動し、第1引戸1は1/3倍の速度で移動する。
【0016】
このようにして、第1引戸1の第1ピニオン21を固定ラック10と第2移動ラック12に噛合させ、第2引戸2の第2ピニオン22を第1移動ラック11と第3移動ラック13に噛合させることで、第1引戸1と第2引戸2と第3引戸3が1対2対3の速度比をもって差動し、連動して開閉移動する。
従って、第1引戸1と第2引戸2と第3引戸3の3枚の引戸をもって、固定枠Fのほぼ3倍の幅寸法Wを有する広大な出入口の開閉を行うことができる。
【0017】
次に、本発明の引戸連動装置の実施形態について説明する。
図5図8に示すように、第1引戸1と第2引戸2と第3引戸3を開閉移動自在に設け、固定枠Fに固定ラック10を取着すると共に第1引戸1に第1移動ラック11を、第2引戸2に第2移動ラック12を、第3引戸3に第3移動ラック13を、夫々に取着している。なおかつ、第1連結機構15によって連動連結された前後一対の第1シンクロ歯車31A,31Bを第1引戸1に取付け、第2連結機構16によって連動連結された前後一対の第2シンクロ歯車32A,32Bを第2引戸2に取付けて、第1シンクロ歯車31A,31Bの前方の歯車31Aを第2移動ラック12に噛合させると共に後方の歯車31Bを固定ラック10に噛合させ、かつ、第2シンクロ歯車32A,32Bの前方の歯車32Aを第3移動ラック13に噛合させると共に後方の歯車32Bを第1移動ラック11に噛合させ、第1引戸1と第2引戸2と第3引戸3が差動しつつ連動して開閉移動するように構成されている。
【0018】
固定ラック10は、固定枠Fの第1引戸1と対面する側に取着され、固定枠Fの前端から突出することなく配設されている。第1移動ラック11は、第1引戸1の第2引戸2と対面する側に並設されている。また、第2移動ラック12は、第2引戸2の第1引戸1と対面する側に並設されている。また、第3移動ラック13は、第3引戸3の第2引戸2と対面する側に並設されている。なお、第1移動ラック11と第2移動ラック12と第3移動ラック13のギア歯のピッチは同一とする。
【0019】
図8に示すように、第1シンクロ歯車31A,31Bは、相互に同期して回転する2つの平歯車から成り、第1引戸1上面の前後端部に回転自在に取付けられている。図5では、第1シンクロ歯車31A,31Bの前方の歯車31Aは、第2移動ラック12の前端部に噛合し、後方の歯車31Bは、固定ラック10の後端部に噛合している。
第1連結機構15は、第1シンクロ歯車31A,31Bを枢支するシャフト17,17の上端に取着され第1シンクロ歯車31A,31Bと一体状に鉛直軸心廻りに回転自在のかさば歯車19,19と、このかさば歯車19,19に噛合し水平軸心廻りに回転自在のかさば歯車20,20と、かさば歯車20,20を相互に連結する連結軸14と、から成る。即ち、第1連結機構15は、第1シンクロ歯車31A,31Bを同じ回転方向に、同一の回転数で同調(シンクロ)して回転させるように構成されている。なお、連結軸14は、ケーシング25の側壁部に枢着され、第1連結機構15は、ケーシング25内に収納されてユニット化されている。
【0020】
第2シンクロ歯車32A,32Bは、相互に同期して回転する2つの平歯車から成り、第2引戸2上面の前後端部に回転自在に取付けられている。図5では、第2シンクロ歯車32A,32Bの前方の歯車32Aは、第3移動ラック13の前端部に噛合し、後方の歯車32Bは、第1移動ラック11の後端部に噛合している。
第2連結機構16は、第1連結機構15と同様の構成とし、第2シンクロ歯車32A,32Bを同じ回転方向に、同一の回転数で同調(シンクロ)して回転させるように構成されている。
なお、第1シンクロ歯車31A,31Bを構成する2つの平歯車と、第2シンクロ歯車32A,32Bを構成する2つの平歯車の歯数は同一とするのが好ましい。
【0021】
図5図7に示すように、第3引戸3を引き出して移動させると、第3移動ラック13に噛合する歯車32Aが反時計方向に回転し、歯車32Aにシンクロする歯車32Bが、第1移動ラック11上で転動して、第2引戸2が第3引戸3に遅れて差動しつつ移動する。
第2引戸2の移動に伴って、第2移動ラック12に噛合する歯車31Aが反時計方向に回転し、歯車31Aにシンクロする歯車31Bが、固定ラック10上で転動して、第1引戸1が第2引戸2に遅れて差動しつつ移動する。
第1引戸1と第2引戸2の関係は、第1引戸1の移動量(走行代)寸法Lと、第2引戸2の移動量寸法Lの比が、1対2となる。また、第2引戸2の移動量寸法Lと、第3引戸3の移動量寸法Lの比は、2対3となる。即ち、第1引戸1の移動量寸法Lと、第2引戸2の移動量寸法Lと、第3引戸3の移動量寸法Lの比は、1対2対3となる。言い換えると、第3引戸3の移動速度に対し、第2引戸2は2/3倍の速度で移動し、第1引戸1は1/3倍の速度で移動する。
【0022】
このようにして、第1シンクロ歯車31A,31Bの前方の歯車31Aを第2移動ラック12に噛合させると共に後方の歯車31Bを固定ラック10に噛合させ、かつ、第2シンクロ歯車32A,32Bの前方の歯車32Aを第3移動ラック13に噛合させると共に後方の歯車32Bを第1移動ラック11に噛合させることで、第1引戸1と第2引戸2と第3引戸3が1対2対3の速度比をもって差動し、連動して開閉移動する。
従って、第1引戸1と第2引戸2と第3引戸3の3枚の引戸をもって、固定枠Fのほぼ3倍の広大な出入口の開閉を行うことができる。
【0023】
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、引戸の枚数を、3枚以上とし、4枚,5枚…と増して、上述のラック・歯車で連動連結したものであって良い。引戸の枚数が増加すれば、その分だけより広大な開放量を得ることができる。
また、図示省略するが、各引戸の下端に戸車を設け、床面に敷設したレール部材上を移動自在に走行し、上述のラック・歯車によって相互に連動連結して開閉するように構成するも好ましい。
第1連結機構15・第2連結機構16は、図8に図示したようなかさば歯車19,20を、ウォームギアに置換した構造としても良い(図示省略)。
【0024】
上述した参考例の引戸連動装置は、3枚以上の引戸1,2,3を開閉移動自在に設けた引戸連動装置であって、複数本のラック10,11,12,13と複数個のピニオン21,22の噛合によって、引戸1,2,3が差動しつつ連動して開閉可能としたので、ラック10,11,12,13とピニオン21,22が確実に噛合して引戸1,2,3を連動して開閉することができ、故障が極めて少なく、耐久性を向上できる。よって、面倒なメンテナンスを省略できる。また、構造がシンプルで、製造・設置が容易となり、コストを低減できる。
【0025】
また、第1引戸1と第2引戸2と第3引戸3を開閉移動自在に設け、固定枠Fに固定ラック10を取着すると共に第1引戸1に第1移動ラック11を、第2引戸2に第2移動ラック12を、第3引戸3に第3移動ラック13を、夫々に取着し、かつ、第1引戸1に第1ピニオン21を取付け、第2引戸2に第2ピニオン22を取付けて、第1ピニオン21を固定ラック10と第2移動ラック12に噛合させ、かつ、第2ピニオン22を第1移動ラック11と第3移動ラック13に噛合させ、第1引戸1と第2引戸2と第3引戸3が差動しつつ連動して開閉移動するように構成されたので、第1ピニオン21と固定ラック10及び第2移動ラック12、第2ピニオン22と第1移動ラック11及び第3移動ラック13が、確実に噛合して3枚の引戸1,2,3を連動して開閉することができ、故障が極めて少なく、耐久性を向上できる。よって、面倒なメンテナンスを省略できる。また、構造がシンプルで、製造・設置が容易となり、コストを低減できる。第1引戸1と第2引戸2と第3引戸3の3枚の引戸をもって、固定枠Fのほぼ3倍の広大な開閉量を確保できる。
【0026】
そして、本発明に係る引戸連動装置は、第1引戸1と第2引戸2と第3引戸3を開閉移動自在に設け、固定枠Fに固定ラック10を取着すると共に第1引戸1に第1移動ラック11を、第2引戸2に第2移動ラック12を、第3引戸3に第3移動ラック13を、夫々に取着し、かつ、第1連結機構15によって連動連結された前後一対の第1シンクロ歯車31A,31Bを第1引戸1に取付け、第2連結機構16によって連動連結された前後一対の第2シンクロ歯車32A,32Bを第2引戸2に取付けて、第1シンクロ歯車31A,31Bの前方の歯車31Aを第2移動ラック12に噛合させると共に後方の歯車31Bを固定ラック10に噛合させ、かつ、第2シンクロ歯車32A,32Bの前方の歯車32Aを第3移動ラック13に噛合させると共に後方の歯車32Bを第1移動ラック11に噛合させ、第1引戸1と第2引戸2と第3引戸3が差動しつつ連動して開閉移動するように構成されたので、第1シンクロ歯車31A,31Bと固定ラック10及び第2移動ラック12、第2シンクロ歯車32A,32Bと第1移動ラック11及び第3移動ラック13が、確実に噛合して3枚の引戸1,2,3を連動して開閉することができ、故障が極めて少なく、耐久性を向上できる。よって、面倒なメンテナンスを省略できる。また、構造がシンプルで、製造・設置が容易となり、コストを低減できる。第1引戸1と第2引戸2と第3引戸3の3枚の引戸をもって、固定枠Fのほぼ3倍の広大な開閉量を確保できる。固定枠Fに固定ラック10を固着して戸袋4に収納でき、第1引戸1に第1移動ラック11を確実に固着でき、故障を確実に防止できる。また、第1引戸1と第2引戸2と第3引戸3の間に歪みやズレが生じた場合であっても、第1シンクロ歯車31A,31Bの取着位置を微調整して固定ラック10と第2移動ラック12に確実に噛合させ、第2シンクロ歯車32A,32Bの取着位置を微調整して第1移動ラック11と第3移動ラック13に確実に噛合させることができ、設置が容易となり、施工効率を向上できる。第1シンクロ歯車31A,31Bの前方の歯車31Aが第2移動ラック12に噛合し、後方の歯車31Bが固定ラック10に噛合して、2個の歯車31A,31Bで負荷を分担して、耐久性を向上でき、長期間使用できる。第2シンクロ歯車32A,32Bの前方の歯車32Aが第3移動ラック13に噛合し、後方の歯車32Bが第1移動ラック11に噛合して、2個の歯車32A,32Bで負荷を分担して、耐久性を向上でき、長期間使用できる。
【符号の説明】
【0027】
1 第1引戸
2 第2引戸
3 第3引戸
10 固定ラック
11 第1移動ラック
12 第2移動ラック
13 第3移動ラック
15 第1連結機構
16 第2連結機構
21 第1ピニオン
22 第2ピニオン
31A,31B 第1シンクロ歯車
32A,32B 第2シンクロ歯車
F 固定枠
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8