(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記把持手段は、前記プッシャーカテーテルとは別体で、前記プッシャーカテーテルの先端部に装着されている請求項1〜4のいずれか1つに記載のステントデリバリー装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、
図1〜10を参照して、本発明のステントデリバリー装置の、一実施形態について説明する。
【0021】
図1に示すように、このステントデリバリー装置10(以下、単に「デリバリー装置10」という)は、チューブステント20と、プッシャーカテーテル30と、インナーカテーテル40と、接続部材25と、該接続部材25の他端を把持する把持手段とを有している。
【0022】
前記チューブステント20は、合成樹脂製で形成された円筒状をなしており、その両端側の外周からは、管状器官や体腔等の内壁に係合するための、フラップ21がそれぞれ形成されている。各フラップ21は、チューブステント20の対応する端部側に位置する一端がチューブステント20に連結され、他端が湾曲して外方に突出した自由端とされた形状をなしている。なお、チューブステント20としては、この形状に限らず、管状器官等への係止手段を備えた各種の形状が採用できる。このようなチューブステント20は周知のものであるので、詳細な説明は省略する。そして、このデリバリー装置10におけるチューブステント20は、その基端側の周壁に、長孔状の挿通孔22が形成されている。
【0023】
上記チューブステント20の挿通孔22には、紐状の接続部材25が挿通され、その両端部を連結されて、環状のループをなして取付けられている。この接続部材25は、上記態様でその一端(挿通孔22に係止された端部)をチューブステント20に連結され、その他端を後述する態様でプッシャーカテーテル30に着脱可能に連結されて、チューブステント20とプッシャーカテーテル30とを開放可能に連結するためのものである。
【0024】
また、接続部材25の長さは、その他端がプッシャーカテーテル30の把持手段により把持されたときに(
図5参照)、チューブステント20の基端を、プッシャーカテーテル30の先端面に位置させて支持することが可能な長さとされている。なお、接続部材25が長すぎると、プッシャーカテーテル30を引いたときに、チューブステント20とプッシャーカテーテル30との間に大きな隙間が生じるので、チューブステント20の基端が、プッシャーカテーテル30の先端面に、0〜5mmの隙間を介して配置されるような長さに調整されることが好ましい。
【0025】
また、この実施形態における接続部材25は、上記のようにチューブステント20の挿通孔22に挿通された環状の紐状体となっているが、例えば、他端側に孔を設けた帯状やストリップ状等として、その一端を、チューブステント20に接着剤や溶着等で固着するようにしてもよく、特に限定はされない。
【0026】
上記チューブステント20の基端側には、同チューブステント20を必要に応じて所定方向に押し込むための、プッシャーカテーテル30が配置されている。
図1及び
図6に示すように、このプッシャーカテーテル30は、円筒状とされて所定長さで伸びていると共に、その基端部に把持や操作のためのハブ32が取付けられている。
【0027】
また、
図1及び
図6に示すように、上記プッシャーカテーテル30及び前記チューブステント20の内周には、インナーカテーテル40が挿脱可能に挿入されている。そして、チューブステント20内に、インナーカテーテル40が挿入されることで、チューブステント20が支持されるようになっている。
【0028】
この実施形態におけるインナーカテーテル40は、前記プッシャーカテーテル30と同様に、円筒状とされて所定長さで伸びており、その基端部に把持や操作用のハブ42が取付けられた構造をなしている。なお、インナーカテーテル40の内周には、ガイドワイヤ1が挿通されるようになっている(
図6参照)。
【0029】
なお、用途によって異なるが、例えば、胆管狭窄部へのチューブステントの留置等の用途に用いる場合、プッシャーカテーテル30の内径A(
図4参照)は、1.5〜4mmであることが好ましく、1.8〜2.5mmであることがより好ましい。また、インナーカテーテル40の外径B(
図4参照)は、1.3〜3.8mmであることが好ましく、1.6〜2.3mmであることがより好ましい。更に、前記プッシャーカテーテル30の内径Aとインナーカテーテル40の外径Bとの差(クリアランス)は、インナーカテーテル40の摺動性や安定性を考慮すると、0.1〜3mmであることが好ましく、0.1〜0.3mmであることがより好ましい。
【0030】
そして、上記プッシャーカテーテル30の先端部には、前記接続部材25の他端を開放可能に把持するための、把持手段が設けられている。
【0031】
この実施形態では、プッシャーカテーテル30の先端部に、プッシャーカテーテル30とは別体の、合成樹脂からなる把持部材50が装着されている。
【0032】
図2〜5に示すように、この把持部材50は、前記プッシャーカテーテル30の外径に適合する内径とされ、その基端側を、プッシャーカテーテル30の先端部外周に接着や溶着等の手段により接合された円筒状の外壁部51と、この外壁部51の内側に設けられた舌片55とを有している。前記外壁部51の周方向の所定位置には、長方形状の挿入孔51aが外壁部51を貫通して形成されている。この挿入孔51aは、円形や楕円形等であってもよく、特に限定はない。
【0033】
前記外壁部51は、その外径が前記チューブステント20の内径よりも大きく、内径が前記チューブステント20の外径よりも小さく形成され、把持手段で接続部材25の他端を把持した状態で、
図5に示すように、外壁部51の先端面に、チューブステント20の基端面が当接又は近接して配置され、プッシャーカテーテル30を押し出すと、外壁部51の先端面がチューブステント20の基端面を押して、チューブステント20を押し込むことが可能となっている。
【0034】
また、前記舌片55は、外壁部51の奥方に位置する基端側が外壁部51の内側に連結されていると共に、外壁部51の開口側に位置する先端側が自由端とされ、外壁部51の内方に向けて撓み可能とされている。この実施形態では、外力がない状態では、舌片55は、外壁部51の内部に向けて開くように付形されており、内側にインナーカテーテル40が挿入されて、内側から押圧されることによって、その自由端側が閉じて外壁部51に向けて押圧されるようになっている。
【0035】
この場合、舌片55の内側にインナーカテーテル40が挿入されたとき、舌片55が外壁部51に押圧されるように、インナーカテーテル40の外径や、舌片55が閉じたときの内側面の位置を調整するようにする。
【0036】
また、舌片55の自由端側であって、外壁部51側の面には、前記外壁部51に形成された挿入孔51aに、挿脱可能に挿入される突部57が突設されている。この実施形態の突部57は、前記挿入孔51aよりもやや小さい大きさで設けられた、長方形の凸状をなしていると共に、その長手方向両端部はR状に丸みを帯びた形状となっている(
図3及び
図4参照)。そのため、この突部57は、挿入孔51aに挿入されやすく、且つ、抜けやすくなっている。なお、上記突部57の形状は一例であり、円柱状や、半球状、楕円形、小判状等であってもよく、特に限定はない。
【0037】
そして、舌片55と外壁部51との間で、前記接続部材25の他端を把持可能となっている。すなわち、この実施形態では「舌片55」と「外壁部51」とが、本発明における上記「把持手段」をなしている。
【0038】
また、この把持部材50は、この実施形態の場合、射出成形によって、外壁部51と舌片55とが互いに離れた状態で、一体形成された樹脂成形品とされており(
図4参照)、舌片55が、外壁部51から離れる方向に付形されている。なお、把持部材50の材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリオキシメチレン、ポリプロピレン、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド樹脂などを採用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
更に
図2に示すように、前記舌片55の幅W(プッシャーカテーテル30の軸方向に直交する距離)は、0.5〜4mmであることが好ましく、1〜3mmであることがより好ましい。また、
図4に示すように、前記舌片55の長さL1(プッシャーカテーテル30の軸方向に沿った距離)は、3〜15mmであることが好ましく、4〜10mmであることがより好ましい。
【0040】
上記のような構造をなす把持部材50は、外壁部51の基端側を、プッシャーカテーテル30の先端部の外周に被せて、舌片55の基端部にプッシャーカテーテル30の先端が当接する位置まで差し込み、この状態で接着剤や溶着等によって固着することで、プッシャーカテーテル30の先端部に、舌片55及び外壁部51からなる把持手段が設けられるようになっている(
図4及び
図5参照)。
【0041】
そして、このデリバリー装置10においては、プッシャーカテーテル30内にインナーカテーテル40が挿入され、把持部材50の舌片55の内側にインナーカテーテル40が配置されると、舌片55が押圧されて閉じて、接続部材25の他端を舌片55と外壁部51との間で挟持し(
図5参照)、一方、インナーカテーテル40が舌片55の内側から抜き出されると、舌片55が外壁部51から離れて開き、接続部材25の他端を開放可能となるように構成されている(
図4参照)。
【0042】
なお、この実施形態において、前記インナーカテーテル40は、一定径の円筒状をなしているが、例えば、
図7に示すような形状としてもよい。すなわち、プッシャーカテーテル30にインナーカテーテル40を挿入したときに、インナーカテーテル40の、舌片55に対応する部分を、他の部分よりも太く形成された大径部44として、この大径部44で前記舌片55を押圧するようにしてもよい。
【0043】
次に、上記構成からなる本発明のデリバリー装置10の使用方法の一例について説明する。
【0044】
図8に示すように、十二指腸V1の下部には、乳頭Nが設けられており、この乳頭Nから胆管V2及び膵管V3が分岐して伸びている。ここでは、乳頭Nを通して、胆管V2に生成された狭窄部Sに、チューブステント20を留置する際の手順について説明する。なお、このデリバリー装置10は、例えば、膵管、尿管、気管等の管状器官や、その他の人体の体腔内に、チューブステントを移動させる際に用いることもでき、上記態様に限定されるものではない。
【0045】
まず、
図4に示すように、インナーカテーテル40を舌片55の内側から抜き出し、チューブステント20に連設された接続部材25の他端のループ内側を、把持部材50の舌片55及び外壁部51の間に配置する。
【0046】
この状態で、
図5に示すように、プッシャーカテーテル30内にインナーカテーテル40を挿入すると、舌片55がインナーカテーテル40により押圧されて、外壁部51側に向けて閉じる。その結果、舌片55の自由端側に設けた突部57が、外壁部51の挿入孔51aに挿入されると共に、接続部材25の他端のループ内側が舌片55と外壁部51との間で挟み込まれて保持されるので、接続部材25の他端のループが舌片55の突部57に係合して、プッシャーカテーテル30とチューブステント20とを接続することができる。
【0047】
そして、インナーカテーテル40内にガイドワイヤ1を挿入すると共に、内視鏡5の図示しないルーメンに、チューブステント20、プッシャーカテーテル30及びインナーカテーテル40を収容する。
【0048】
この状態で周知の方法によって、内視鏡5を口腔から胃等を通して十二指腸V1まで移動させ、内視鏡先端の開口5aからガイドワイヤ3を挿出し、X線透視下で位置を確認しながら、乳頭Nを通過して胆管V2に挿入する。そして、
図8に示すように、ガイドワイヤ1の先端部を、胆管V2内の狭窄部Sを通り越えた位置に至るまで挿入する。
【0049】
その後、ガイドワイヤ1に沿って、インナーカテーテル40、プッシャーカテーテル30及びチューブステント20を押し込んでいく。このとき、チューブステント20は、その内側にインナーカテーテル40を挿入されて支持されると共に、その基端面にプッシャーカテーテル30の把持部材50の外壁部51の先端面が当接して押し込まれることになる。そして、チューブステント20を、乳頭Nを介して胆管V2に挿入し、狭窄部Sを通過させて、先端側のフラップ21が狭窄部Sから抜け出る位置まで押し込む。
【0050】
なお、ガイドワイヤ1を先行して胆管V2に挿入し、その先端部を所望位置まで到達させ、その後、ガイドワイヤ1の基端側にインナーカテーテル40を挿入して、チューブステント20やプッシャーカテーテル30を移動するようにしてもよい。
【0051】
そして、このデリバリー装置10においては、接続部材25を介してプッシャーカテーテル30とチューブステント20とが接続されているので、プッシャーカテーテル30によりチューブステント20を押し込み過ぎて、所望の位置から位置ずれした場合でも、プッシャーカテーテル30を手元側に引き戻すことで、接続部材25を介してチューブステント20を引き戻して、所望の位置に留置することができる。
【0052】
なお、この実施形態では、チューブステント20の先端側のフラップ21が、胆管V2の狭窄部Sよりも奥方の内壁に係止し、基端側のフラップ21が乳頭Nの周縁に係止して、チューブステント20が留置され、狭窄部Sが内方から押し広げられるようになっている。
【0053】
そして、チューブステント20を所望位置に留置した後、プッシャーカテーテル30を把持固定して、インナーカテーテル40を手元側に引き戻して、舌片55の内側からインナーカテーテル40を引き抜く。すると、舌片55が撓み可能となって外壁部51から離れて内側に開き、接続部材25の他端が開放されるので(
図4参照)、チューブステント20を、狭窄部Sを押し広げた位置に留置しつつ、プッシャーカテーテル30を引き抜くことができる。併せて、インナーカテーテル40や、ガイドワイヤ1、内視鏡5を体内から引き抜くことで、
図10に示すように、チューブステント20のみを体内の所望位置に留置することができる。
【0054】
このとき、このデリバリー装置10においては、インナーカテーテル40を舌片55の内側から抜き出すことで、外壁部51に対して舌片55が開いて、接続部材25の他端が開放されるので、接続部材25がプッシャーカテーテル30に引っ掛かって、一旦所望位置に留置したチューブステント20が位置ずれしてしまうことを防止して、チューブステント20を所望位置に正確に留置することができる。
【0055】
また、この実施形態においては、把持部材50は射出成形により、外壁部51と舌片55とが一体的に形成され、舌片55は外壁部51から離れる方向に付形されているので、舌片55の内側からインナーカテーテル40を引き抜くと、舌片55が外壁部51から離れる方向に積極的に開き、接続部材25の他端をより確実に開放することができる。
【0056】
更に、この実施形態においては、舌片55の、外壁部51側の面に突部57が設けられているので、舌片55の内側にインナーカテーテル40が配置され、舌片55が押圧されて閉じたときに、接続部材25の他端を、舌片55と外壁部51との間に、より確実に保持することができる。ここでは、環状の紐状体をなす接続部材25の他端が、突部57に引っ掛かるので、舌片55と外壁部51との間から抜け外れることを、確実に防止することができる。その結果、チューブステント20の留置位置を修正すべく、プッシャーカテーテル30を手元側に引き戻すときに、確実に移動させることができ、その位置ずれをより精度よく行うことができる。
【0057】
また、この実施形態においては、舌片55に設けた突部57に対応して、外壁部51に、同突部57が挿脱する挿入孔51aが形成されており、舌片55がインナーカテーテル40により押圧されて閉じたときに、突部57が挿入孔51aに挿入されるようになっているので、接続部材25を外れにくくすることができる。
【0058】
更にこの実施形態では、把持手段は、プッシャーカテーテル30とは別体で、プッシャーカテーテル30の先端部に装着される把持部材50からなっている。そのため、プッシャーカテーテル30とは、別に把持部材50のみを製造することができ、例えば、上述したように、舌片55と外壁部51を射出成形により一体成形することができるので、微少なサイズの舌片55やそれを覆う外壁部51を、比較的容易に製造することができる。
【0059】
また、
図7に示すように、インナーカテーテル40の、舌片55に対応する部分を、他の部分よりも太く形成された大径部44として、この大径部44で前記舌片55を押圧するようにした場合には、次のような効果が得られる。
【0060】
すなわち、インナーカテーテル40の舌片55に対応する部分である大径部44が、他の部分よりも太く形成されているので、舌片55を外壁部51に向けてより強く押圧することができ、舌片55と外壁部51との間で、接続部材25の他端を、更に確実に保持することができる。また、インナーカテーテル40の、舌片55に対応する大径部44以外は、細く形成されているので、プッシャーカテーテル30内でインナーカテーテル40を移動させる際の、摺動抵抗の増大を抑制することができる。
【0061】
図11〜15には、本発明のステントデリバリー装置の、他の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0062】
この実施形態のステントデリバリー装置10a(以下、単に「デリバリー装置10a」という)は、把持手段の構造が前記実施形態と異なっている。
【0063】
すなわち、この実施形態においては、プッシャーカテーテル30の先端から、互いに平行な一対のスリット33,33が形成されており、該一対のスリット33,33を介して、撓み可能な舌片35が形成され、プッシャーカテーテル30の先端部に、直接的に舌片35が設けられている。
【0064】
前記プッシャーカテーテル30の先端外周には、円筒状をなした外壁部37が装着されて、前記舌片35の外側に配置されており、舌片55と外壁部51との間で、接続部材25の他端を把持可能となっている。外壁部37としては、例えば、ウレタン等の熱収縮性チューブとし、これをプッシャーカテーテル30の先端部外周に被せて熱収縮によって装着することができる。但し、外壁部37は、プッシャーカテーテル30に樹脂チューブを接着剤等で接着したり、溶着したりして形成することもでき、形成方法は特に限定されない。
【0065】
図13に示すように、前記舌片35を形成するためのスリット33の長さL2は、4〜16mmであることが好ましく、5〜11mmであることが好ましい。また、舌片35の幅Wは、1〜5mmであることが好ましく、1.5〜4mmであることが好ましい。
【0066】
更に、この実施形態における前記舌片35は、外壁部37から離れる方向に付形されている。例えば、外壁部37から離れた状態の舌片35の内側に、接着剤を塗布してその形状に維持したり、「への字」状に形成された樹脂部材を、舌片35の内側に付着したり、等の手段によって舌片35を付形することができる。
【0067】
また、舌片35の自由端側であって、外壁部37側の面には、突部36が突設されている。
図12及び
図14に示すように、この突部36は、舌片35の先端から一定高さで突設すると共に、その基部側(プッシャーカテーテル30の基端側)が次第に低くなる斜面36aが形成されている。なお、この突部36は、舌片35に対して、別体の樹脂成形品を固着したり、舌片35に樹脂をポッティングしたり等の方法により設けることができる。
【0068】
そして、この実施形態においては、プッシャーカテーテル30内にインナーカテーテル40を挿入すると、
図15に示すように、舌片35がインナーカテーテル40に押圧されて閉じ、突部36が外壁部37に当接して、接続部材25の他端が舌片35と外壁部37との間で挟み込まれて保持される。一方、プッシャーカテーテル30内からインナーカテーテル40を引き抜くと、
図14に示すように、インナーカテーテル40が舌片35の内側から抜き出されて、舌片35が外壁部37から離れて開き、接続部材25の他端が開放される。
【0069】
また、この実施形態では、プッシャーカテーテル30の先端部に、一対のスリット33,33を介して舌片35を設けるようにしたので、比較的容易に舌片35を形成することができ、製造コストの低減を図ることができる。
【0070】
図16〜18には、本発明のステントデリバリー装置の、更に他の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0071】
この実施形態のステントデリバリー装置10b(以下、単に「デリバリー装置10b」という)は、把持手段の構造が前記実施形態と異なっている。
【0072】
すなわち、この実施形態においては、
図16(a)に示すように、プッシャーカテーテル30の先端から軸方向に沿って、細長い切欠き38が形成されており、この切欠き38に把持部材50aが装着されるようになっている(
図16(b)参照)。
【0073】
前記把持部材50aは、前記切欠き38に適合する細長い板状をなした外壁部52を有しており、この外壁部52の内側に、薄肉ヒンジ56aを介して舌片56が撓み可能に連結されている。また、外壁部52の基端側からは、細長板状の支持板52aが延設されている。
【0074】
そして、把持部材50aの外壁部52を前記切欠き38に差し込むと共に、プッシャーカテーテル30の外周に前記支持板52aを配置して、更に同支持板52aの外周に、熱収縮性チューブや樹脂成形品等からなる円筒状の押え部材39を配置し、これを熱収縮や接着剤等でプッシャーカテーテル30に固着することにより、プッシャーカテーテル30の先端部に把持部材50aが装着されるようになっている。
【0075】
この実施形態においては、プッシャーカテーテル30内にインナーカテーテル40を挿入すると、
図18に示すように、舌片56がインナーカテーテル40に押圧されて閉じ、その突部57が外壁部52に当接して、接続部材25の他端が舌片56と外壁部52との間で挟み込まれて保持される。一方、プッシャーカテーテル30内からインナーカテーテル40を引き抜くと、
図17に示すように、インナーカテーテル40が舌片56の内側から抜き出されて、舌片56が外壁部52から離れて開き、接続部材25の他端が開放される。
【0076】
また、この実施形態では、把持部材50aが、細内板状の外壁部52a、舌片56、支持板52aから構成されているので、把持部材50aを比較的コンパクトなサイズに形成することができ、外径の小さいプッシャーカテーテル等であっても容易に適用することができると共に、製造コストの低減を図ることができる。