特許第6243693号(P6243693)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243693
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/73 20060101AFI20171127BHJP
   H01R 13/623 20060101ALI20171127BHJP
   H01R 13/625 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   H01R13/73 B
   H01R13/623
   H01R13/625
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-209850(P2013-209850)
(22)【出願日】2013年10月7日
(65)【公開番号】特開2015-76149(P2015-76149A)
(43)【公開日】2015年4月20日
【審査請求日】2016年9月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】森 茂生
(72)【発明者】
【氏名】片岡 真之
(72)【発明者】
【氏名】杉山 史憲
(72)【発明者】
【氏名】石原 孝
【審査官】 竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−257725(JP,A)
【文献】 実開平07−014583(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/623
H01R 13/625
H01R 13/646 − 13/6599
H01R 13/73
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状に形成され端末部に端子が設けられた電線が内部に挿通されるハウジングと、このハウジングの外周側に配置されるシールドシェルと、前記ハウジングと前記シールドシェルとが組付けられ前記端子が配置される取付部材とを備えたコネクタであって、
前記取付部材には、前記ハウジングと前記シールドシェルとの径方向間に挿入され前記ハウジングの端面に当接される筒状部が設けられ、
前記シールドシェルは、前記ハウジングに固定される固定部と、この固定部に対して回動可能に連結され前記取付部材の筒状部の外周に配置される可動部とを有し、
前記ハウジングは、前記シールドシェルの固定部と、前記電線とを絶縁性樹脂によりモールド成形され、
前記シールドシェルの可動部と前記取付部材の筒状部との径方向間には、前記可動部の回動により前記ハウジングの端面を前記筒状部に向けて移動させ、前記筒状部と前記ハウジングの端面とが密着した状態で、前記ハウジングと前記シールドシェルとを前記取付部材に固定させる固定手段が設けられていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタであって、
前記固定手段は、ねじ部からなることを特徴とするコネクタ。
【請求項3】
請求項1記載のコネクタであって、
前記固定手段は、前記シールドシェルの可動部と前記取付部材の筒状部とのうちいずれか一方に設けられた突部と、他方に設けられ前記突部が係合される溝部とからなることを特徴とするコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コネクタとしては、円筒状に形成され端末部に端子が設けられた電線が内部に挿通されるハウジングと、このハウジングの外周側に配置されるシールドシェルと、ハウジングとシールドシェルとが組付けられ端子が配置される取付部材とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなコネクタでは、防水性を確保するために、ハウジングと電線との間、ハウジングと端子との間、ハウジングと取付部材との間にシール部材が設けられている。また、ハウジングには、ハウジングと電線との間に配置されたシール部材の脱落を防止するために、リヤホルダが組付けられている。
【0004】
さらに、ハウジングの外周には、電磁波のシールド性を確保するために、シールドシェルが組付けられている。このシールドシェルは、ボルト締結工具などの治具によって締結されるボルトを介して取付部材に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−151067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1のようなコネクタでは、防水性やシールド性などの各機能を確保するために、部品点数が非常に多くなっているので、組付性の低下や高コスト化などを引き起こしていた。加えて、各部品の配置スペースを確保する必要があり、コネクタの小型化が困難であった。
【0007】
また、シールドシェルは、ボルトを介して取付部材に固定されているので、ボルト締結工具などの治具の配置スペースを確保する必要があり、さらにコネクタの小型化が困難であると共に、ボルトも複数本締結しなければならず、さらに組付性が低下していた。
【0008】
そこで、この発明は、防水性を確保しつつ、部品点数を削減し、小型化することができると共に、組付性を向上することができるコネクタの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、円筒状に形成され端末部に端子が設けられた電線が内部に挿通されるハウジングと、このハウジングの外周側に配置されるシールドシェルと、前記ハウジングと前記シールドシェルとが組付けられ前記端子が配置される取付部材とを備えたコネクタであって、前記取付部材には、前記ハウジングと前記シールドシェルとの径方向間に挿入され前記ハウジングの端面に当接される筒状部が設けられ、前記シールドシェルは、前記ハウジングに固定される固定部と、この固定部に対して回動可能に連結され前記取付部材の筒状部の外周に配置される可動部とを有し、前記ハウジングは、前記シールドシェルの固定部と、前記電線とを絶縁性樹脂によりモールド成形され、前記シールドシェルの可動部と前記取付部材の筒状部との径方向間には、前記可動部の回動により前記ハウジングの端面を前記筒状部に向けて移動させ、前記筒状部と前記ハウジングの端面とが密着した状態で、前記ハウジングと前記シールドシェルとを前記取付部材に固定させる固定手段が設けられていることを特徴とする。
【0010】
このコネクタでは、ハウジングがシールドシェルの固定部と、電線とを絶縁性樹脂によりモールド成形されるので、ハウジングと電線との間に配置されるシール部材を削減でき、ハウジングと電線との間の防水性を確保することができる。加えて、シール部材を配置させるための配置スペースを削減でき、コネクタを小型化することができる。
【0011】
また、シールドシェルの可動部と取付部材の筒状部との径方向間には、可動部の回動によりハウジングの端面を筒状部に向けて移動させ、筒状部とハウジングの端面とが密着した状態で、ハウジングとシールドシェルとを取付部材に固定させる固定手段が設けられている。
【0012】
このため、シールドシェルを取付部材に固定させるために、別部材としてのボルトを用いるボルト締結を廃止することができ、さらに部品点数を削減することができると共に、組付性を向上することができる。加えて、ボルト締結工具などの治具を配置させるための配置スペースを削減でき、さらにコネクタを小型化することができる。
【0013】
また、固定手段は、筒状部とハウジングの端面とが密着した状態で、ハウジングとシールドシェルとを取付部材に固定させるので、ハウジングと取付部材との間に配置されるシール部材を削減でき、ハウジングと取付部材との間の防水性を確保することができる。
【0014】
従って、このようなコネクタでは、ハウジングのモールド成形や固定手段によって、防水性を確保しつつ、部品点数を削減し、小型化することができると共に、組付性を向上することができる。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のコネクタであって、前記固定手段は、ねじ部からなることを特徴とする。
【0016】
このコネクタでは、固定手段がねじ部からなるので、シールドシェルの可動部の回動によりハウジングとシールドシェルとを取付部材に固定させることができ、ボルト締結箇所を削減しつつ、ボルト締結と同等の固定強度を得ることができる。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のコネクタであって、前記固定手段は、前記シールドシェルの可動部と前記取付部材の筒状部とのうちいずれか一方に設けられた突部と、他方に設けられ前記突部が係合される溝部とからなることを特徴とする。
【0018】
このコネクタでは、固定手段がシールドシェルの可動部と取付部材の筒状部とのうちいずれか一方に設けられた突部と、他方に設けられ突部が係合される溝部とからなるので、固定手段を簡易化してハウジングとシールドシェルとを取付部材に固定させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、防水性を確保しつつ、部品点数を削減し、小型化することができると共に、組付性を向上することができるコネクタを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施形態に係るコネクタの分解斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るコネクタの断面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るコネクタの要部拡大断面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るコネクタのハウジングをモールド成形したときの断面図である。
図5】本発明の第2実施形態に係るコネクタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1図5を用いて本発明の実施の形態に係るコネクタについて説明する。
【0022】
(第1実施形態)
図1図4を用いて第1実施形態について説明する。
【0023】
本実施の形態に係るコネクタ1は、円筒状に形成され端末部に端子3が設けられた電線5が内部に挿通されるハウジング7と、このハウジング7の外周側に配置されるシールドシェル9と、ハウジング7とシールドシェル9とが組付けられ端子3が配置される取付部材11とを備えている。
【0024】
また、取付部材11には、ハウジング7とシールドシェル9との径方向間に挿入されハウジング7の端面に当接される筒状部13が設けられている。
【0025】
さらに、シールドシェル9は、ハウジング7に固定される固定部15と、この固定部15に対して回動可能に連結され取付部材11の筒状部13の外周に配置される可動部17とを有する。
【0026】
そして、ハウジング7は、シールドシェル9の固定部15と、電線5とを絶縁性樹脂によりモールド成形され、シールドシェル9の可動部17と取付部材11の筒状部13との径方向間には、可動部17の回動によりハウジング7の端面を筒状部13に向けて移動させ、筒状部13とハウジング7の端面とが密着した状態で、ハウジング7とシールドシェル9とを取付部材11に固定させる固定手段19が設けられている。
【0027】
また、固定手段19は、ねじ部21からなる。
【0028】
図1図4に示すように、ハウジング7は、絶縁性の合成樹脂材料からなり、円筒状に形成されている。このハウジング7の内部には、端末部に端子3が接続された電線5が挿通され、この電線5の外周を編組などのシールド部材(不図示)で覆うことにより、ノイズなどの侵入や漏洩を防止することができる。
【0029】
このようなハウジング7は、電線5の外周にシールドシェル9を配置した状態で、ハウジング材料としての絶縁性樹脂により電線5と、シールドシェル9の固定部15とを一体的にモールド成形して円筒状に形成される。
【0030】
シールドシェル9は、導電性材料からなり、固定部15と、可動部17とを備えている。固定部15は、筒部23と、鍔部25とからなる。
【0031】
筒部23は、ハウジング7の電線5の引き出し側の外周に配置される。この筒部23の外周には、電線5の外周に配置されるシールド部材の端末部が配置され、リング27を加締めることにより、シールドシェル9とシールド部材とが電気的に接続され、電線5に対するノイズなどの侵入や漏洩を防止するシールド回路を形成する。
【0032】
鍔部25は、筒部23の端部から径方向の外方に向けて筒部23と連続する一部材で延設されている。この鍔部25は、ハウジング7の形成時に、絶縁性樹脂によりハウジング7にモールド成形され、シールドシェル9をハウジング7に対して隙間なく密着して固定させる。
【0033】
このような鍔部25の外径側には、周方向に溝が連続して形成され、可動部17に設けられた溝に係合する突起とで連結部29を構成し、この連結部29を介して可動部17が固定部15に対して回動可能に連結されている。
【0034】
可動部17は、円筒状に形成され、固定部15の鍔部25に連結部29を介してハウジング7の外周に対して回動可能に連結されている。この可動部17とハウジング7との径方向間には、取付部材11の筒状部13が挿入される。
【0035】
取付部材11は、端子3が接続される機器や電源などを収容するケースからなり、壁部に内部に連通された筒状部13が外部側に向けて突設されている。この筒状部13は、ハウジング7とシールドシェル9とを取付部材11に組付ける際に、シールドシェル9の可動部17とハウジング7との径方向間に挿入され、ハウジング7のシールドシェル9の固定部15の鍔部25がモールド成形された部分の端面に密着して当接される。
【0036】
このように筒状部13にハウジング7とシールドシェル9とが組付けられた状態では、電線5に接続された端子3が取付部材11の内部側に配置され、端子3と機器や電源などとを電気的に接続することができる。
【0037】
このように筒状部13の外周側に配置されるシールドシェル9の可動部17と筒状部13との径方向間には、ハウジング7とシールドシェル9とを取付部材11に固定させる固定手段19が設けられている。
【0038】
固定手段19は、筒状部13の外周面と可動部17の内周面とにそれぞれ設けられたねじ部21からなる。この固定手段19は、取付部材11の筒状部13をシールドシェル9の可動部17とハウジング7との径方向間に挿入した状態で、可動部17を筒状部13の周方向に沿って回動させることにより、ハウジング7の固定部15が位置する端面を筒状部13の端面に向けて移動させ、筒状部13の端面とハウジング7の固定部15が位置する端面とが隙間なく密着するまで可動部17を回動させて固定を完了する。
【0039】
この固定手段19による固定状態では、取付部材11の筒状部13の端面とハウジング7の固定部15が位置する端面とが隙間なく密着しているので、ハウジング7と取付部材11との間をシールするシール部材を設ける必要がない。
【0040】
加えて、固定手段19は、ねじ部21であるので、複数のボルトを締結する構造と同等の固定強度を得ることができ、ハウジング7とシールドシェル9とを安定して取付部材11に固定させることができる。
【0041】
このようなコネクタ1では、ハウジング7がシールドシェル9の固定部15と、電線5とを絶縁性樹脂によりモールド成形されるので、ハウジング7と電線5との間に配置されるシール部材を削減でき、ハウジング7と電線5との間の防水性を確保することができる。加えて、シール部材を配置させるための配置スペースを削減でき、コネクタ1を小型化することができる。
【0042】
また、シールドシェル9の可動部17と取付部材11の筒状部13との径方向間には、可動部17の回動によりハウジング7の端面を筒状部13に向けて移動させ、筒状部13とハウジング7の端面とが密着した状態で、ハウジング7とシールドシェル9とを取付部材11に固定させる固定手段19が設けられている。
【0043】
このため、シールドシェル9を取付部材11に固定させるために、別部材としてのボルトを用いるボルト締結を廃止することができ、さらに部品点数を削減することができると共に、組付性を向上することができる。加えて、ボルト締結工具などの治具を配置させるための配置スペースを削減でき、さらにコネクタ1を小型化することができる。
【0044】
また、固定手段19は、筒状部13とハウジング7の端面とが密着した状態で、ハウジング7とシールドシェル9とを取付部材11に固定させるので、ハウジング7と取付部材11との間に配置されるシール部材を削減でき、ハウジング7と取付部材11との間の防水性を確保することができる。
【0045】
従って、このようなコネクタ1では、ハウジング7のモールド成形や固定手段19によって、防水性を確保しつつ、部品点数を削減し、小型化することができると共に、組付性を向上することができる。
【0046】
また、固定手段19は、ねじ部21からなるので、シールドシェル9の可動部17の回動によりハウジング7とシールドシェル9とを取付部材11に固定させることができ、ボルト締結箇所を削減しつつ、ボルト締結と同等の固定強度を得ることができる。
【0047】
(第2実施形態)
図5を用いて第2実施形態について説明する。
【0048】
本実施の形態に係るコネクタ101は、固定手段103は、取付部材11の筒状部13に設けられた突部105と、シールドシェル9の可動部17に設けられ突部105が係合される溝部107とからなる。
【0049】
なお、第1実施形態と同一の構成には、同一の記号を記して構成及び機能説明は第1実施形態を参照するものとし省略するが、第1実施形態と同一の構成であるので、得られる効果は同一である。
【0050】
図5に示すように、固定手段103は、取付部材11の筒状部13とシールドシェル9の可動部17との間に設けられ、取付部材11の筒状部13に設けられた突部105と、シールドシェル9の可動部17に設けられ突部105が係合される溝部107とからなる。
【0051】
突部105は、取付部材11の筒状部13に周方向等間隔に2箇所(図5では1箇所のみ図示)設けられ、筒状部13の外周面から外方に向けて突設されている。この突部105は、筒状部13がシールドシェル9の可動部17とハウジング7との径方向間に挿入されるときに、溝部107内に挿入される。
【0052】
溝部107は、シールドシェル9の可動部17に周方向等間隔で、ハウジング7及びシールドシェル9の組付方向に対して傾斜するように対称形状に2箇所(図5では1箇所のみ図示)設けられ、開口端がそれぞれ突部105に対応して設けられている。
【0053】
この溝部107の底部には、凹状に形成され、ハウジング7及びシールドシェル9が取付部材11に完全に組付けられた状態、すなわち、筒状部13の端面とハウジング7の固定部15(図3参照)が位置する端面とが隙間なく密着された状態で、突部105が係止されハウジング7及びシールドシェル9を保持する係止部109が設けられている。
【0054】
このような溝部107は、ハウジング7及びシールドシェル9を組付けるときに、開口から突部105が挿入される。この突部105が溝部107に挿入された状態で、取付部材11の筒状部13をシールドシェル9の可動部17とハウジング7との径方向間に挿入させることにより、突部105が溝部107に沿って係合されながら移動される。この突部105の溝部107内の移動により、シールドシェル9の可動部17が回動され、突部105が溝部107の係止部109に係止されることによって、ハウジング7及びシールドシェル9が取付部材11に固定される。
【0055】
この固定手段103による固定状態では、取付部材11の筒状部13の端面とハウジング7の固定部15が位置する端面とが隙間なく密着しているので、ハウジング7と取付部材11との間をシールするシール部材を設ける必要がない。
【0056】
このようなコネクタ101では、固定手段103が取付部材11の筒状部13に設けられた突部105と、シールドシェル9の可動部17に設けられ突部105が係合される溝部107とからなるので、固定手段103を簡易化してハウジング7とシールドシェル9とを取付部材11に固定させることができる。
【0057】
なお、本発明の実施の形態に係るコネクタでは、端末部に端子が設けられた電線がハウジングにモールド成形されているが、これに限らず、電線と端子との接続部などのように端子の一部がハウジング内に配置される構造においては、端子の一部をハウジングにモールド成形してもよい。
【0058】
また、突部と溝部とからなる固定手段では、取付部材の筒状部に突部が設けられ、シールドシェルの可動部に溝部が設けられているが、これに限らず、取付部材の筒状部に溝部を設け、シールドシェルの可動部に突部を設けてもよい。
【0059】
さらに、突部と溝部とからなる固定手段では、突部と溝部とが2箇所設けられているが、これに限らず、1箇所、或いは2箇所以上であってもよい。加えて、溝部の形状は、傾斜形状に限らず、L字形状など、ハウジングとシールドシェルとの固定を行える形状であれば、どのような形状であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
1,101…コネクタ
3…端子
5…電線
7…ハウジング
9…シールドシェル
11…取付部材
13…筒状部
15…固定部
17…可動部
19,103…固定手段
21…ねじ部
105…突部
107…溝部
図1
図2
図3
図4
図5