【実施例1】
【0013】
実施例1は、請求項1・2を示す。
図1は、本発明の実施例の荷役物運搬機の総体図である。荷役物運搬機1は、旋回台2と、本体部3と、台座4と、第1アーム5と、第2アーム6と、第1アーム5の先端付近に配設された加速度検出器7と、操作部8と、操作レバー9と、吊り具10と、本体部3内にエアーシリンダー(図示せず)と、本体部3内に演算部(図示せず)と、本体部3内に速度検出器(図示せず)とで構成している。よって、作業者11が操作部8及び操作レバー9を操作することにより、吊り具10に吊られた荷役物12を3次元に運搬できる。吊り具10は、後述する把持装置である。
【0014】
図2は、制御を示すブロック図である。荷役物運搬機1は、本体部3と、第1アーム5と、第2アーム6と、第1アーム5の先端付近に配設された加速度検出器7と、操作部8と、操作レバー9と、吊り具10と、本体部3内にエアーシリンダー13と、本体部3内に演算部14と、本体部3内に速度検出器15と、本体部3内に電気・空気圧変換器16と、支点17、力点18で構成している。本体部3に、エアーシリンダー13が固着されている。エアーシリンダー13のロッド19の先端に、力点18が支承されている。電源20は演算部14に供給されている。演算部14は、操作部8と加速度検出器7と速度検出器15と電気・空気圧変換器16と電線で繋がれている。エアー源21は電気・空気圧変換器16に供給されている。電気・空気圧変換器16は、エアーシリンダー13とエアー配管で繋がれている。
電気・空気圧変換器16は、演算部14からの電気信号を基にエアーシリンダー13へのエアーの圧力に変換する。演算部14では、後述する
図3・4・5・7の制御をしている。
【0015】
図3は、制御を示すチャート図である。把持装置の把持操作22、エアー圧を上げる23、加速度検出器の加速度検出24、加速度検出の検出値に応じてエアー圧を調整25、地切り判定26、加速度検出器の検出値に応じた値を下げる27、終了28、のステップで構成されている。
【0016】
図4は、加速度検出器の検出値とエアーシリンダーのエアー圧のグラフである。上図が加速度検出器7の加速度検出値のグラフであり、X軸に時間、Y軸に加速度を表記してある。下図がエアーシリンダー13のエアー圧のグラフであり、X軸に時間、Y軸にエアーシリンダー13のエアー圧を表記してある。区間A・B・C・D・E・F・G・H・J・Kは、制御の中の区切りである。区間Aと区間Bの切り替わり時点は、吊り具10である把持装置の把持操作をして荷役物12を把持した時点である。
区間Hと区間Jの切り替わり時点は、荷役物12が地切りした時点である。上図のX軸は右に行くにつれて時間が経過し、Y軸は上に行くにつれ加速度が大きくなる。下図のX軸は右に行くにつれて時間が経過し、Y軸は上に行くにつれエアーシリンダー13のエアー圧がが大きくなる。点線29・30は、閾値である。上の点線29以上は、後述する
図5の区間Nである。上の点線29未満で、下の点線30以上は、後述する
図5の区間Mである。下の点線30未満は、後述する
図5の区間Lである。
【0017】
図5は、加速度と指令シリンダー圧の上げ量のグラフである。X軸に加速度検出器7の検出値である加速度を表記してある。指令シリンダー圧の上げ量は、言い換えると、その時点のエアーシリンダー13のエアー圧に加算するエアー圧である。Y軸に指令シリンダー圧の上げ量を表記してある。区間L・M・Nは、加速度の変化の幅である。X軸は、右に行くにつれて、加速度が大きくなる。Y軸は、上に行くにつれ、指令シリンダー圧の上げ量が大きくなる。
【0018】
図6は、アームの撓みのイメージ図である。符号は、
図2と同様である。実線の第1アーム5は、エアーシリンダー13のエアー圧を上げる前である。点線の第1アーム5は、エアーシリンダー13のエアー圧を急速に上げた後である。荷役物12の全重量が着地している状態から、エアーシリンダー13へ急速にエアー圧を高めると、ロッド13が矢印方向に動き、その時、第1アーム5が撓む。第1アーム5が撓む動きは、第1アーム5に配設された加速度検出器7も矢印方向に動き、加速度が検出される。力点18の下がる量は、説明しやすい様に、大きくしている。点線の湾曲は、説明しやすい様に、湾曲を大きくしている。
【0019】
図1・2・3・4・5・6とで、制御を説明する。作業者11が、操作レバー9を操作して、吊り具10である把持装置を荷役物12が把持できる位置に停止させる。荷役物10を把持できる位置で停止している間が区間Aである。次に、操作部8の把持ボタン(図示せず)を押して吊り具10で荷役物12を把持する。荷役物12を把持する操作が
図3の把持装置の把持操作22である。把持した瞬間が区間Aと区間B切り替わり時点である。次に、エアーシリンダー13のエアー圧を急速に上げる。エアーシリンダー13のエアー圧を急速に上げるのが区間Bであり、
図3のエアー圧を上げる23である。次に、エアーシリンダー13の圧力が急速に上がるので、エアーシリンダー13のロッド19が下がり力点18が下がる。荷役部12が着地しているので、ロッド19が下がる量はごく僅かである。ごく僅かに力点18が下がるので、第1アーム5が撓む。第1アーム5が撓んだ状態が
図6である。第1アーム5が撓んで加速度検出器7が動くので、第1アーム5に配設された加速度検出器7が加速度を検出し、
図3の加速度検出器の加速度検出24である。次に、加速度に応じてエアーシリンダー13のエアー圧が調整される。
図3の加速度検出器に検出値に応じてエアー圧を調整25である。調整とは、エアーシリンダー13のエアー圧を上げる、エアー圧を下げる、エアー圧をそのまま維持を含むが、実施例1では、上げるで説明する。エアーシリンダー13のエアー圧を上げる量は、加速度に応じて可変させる。可変させる量は、
図5である。区間Cから区間Hの地切りまで、加速度に応じてエアーシリンダー13のエアー圧を上昇させる。加速度が小さい場合は指令シリンダー圧の上げ量を大きく、加速度が大きい場合は指令シリンダー圧の上げ量を小さくすることで、地切り後の跳ね上がりを抑制する。加速度検出器7の検出値に応じて指令シリンダー圧の上げ量を可変させるので、
図4の上図の様に加速度が変化する。また、加速度が変化すので、
図4の下図のようにエアーシリンダー13のエアー圧のグラフ線が一直線にならない。次に、速度検出器の検出値が閾値を超えた場合は、地切りと判定する。
図4の地切りの箇所である。
図3では、地切り判定26である。地切りしていない場合は、
図3のNOの矢印の通り、加速度検出器の加速度検出24に戻る。次に、地切り判定した直後に、加速度検出値に応じた値を下げて、荷役物12の跳ね上がりを抑止する。その区間が区間Jである。
図3では、速度検出値に応じた値を下げる27である。そして、地切りの制御は終了する。
図3の終了28である。
図3の制御サイクルは、0.5msであり、地切り完了まで繰り返される。加速度が大きくなって跳ね上がり量が大きくなりそうになると、指令シリンダー圧を小さくする。また、加速度が小さくなったら、指令シリンダー圧を大きくする。地切りまでの第1アーム5の動きを加速度検出器7で検出することで、この地切りまでの細かな制御を行い、スムースで跳ね上がりを抑制した地切りが可能である。荷役物12が着地している状態から操作部8で上昇指令を出して荷役物12が地切りする前の間の第1アーム5の動きを加速度検出器7で検出し、加速度検出器7の電気信号を基に演算部14で演算し、エアーシリンダー13へのエアー圧を可変させて、荷役物12の地切りを行っている。その制御には、把持装置の把持操作22のステップと、把持操作の後にエアー圧を上げる23ステップと、加速度検出器の加速度検出24するステップと、加速度検出器の検出値に応じてエアー圧を調整25するステップを有し、荷役物12が地切りするまで加速度検出器7の加速度に応じてエアー圧を調整するステップ25を繰り返す。
【実施例2】
【0020】
実施例2は、請求項1・3を示す。
図7は、制御を示すチャート図である。操作レバーの可変量に応じエアー圧の上げ量を演算31、エアー圧を上げる32、加速度検出器の加速度検出33、加速度検出の検出値に応じてエアー圧を調整34、地切り判定35、加速度検出器の検出値に応じた値を下げる36、終了37、のステップで構成されている。吊り具10は、引掛け式の実施例である。よって、荷役物12を吊り上げる場合は、操作レバー9を上昇方向に力を入れる。吊り具10が引掛け式であるため、
図7の操作レバー9の可変量に応じエアー圧の上げ量を演算をしている。操作レバー9の可変量に応じエアー圧の上げ量を演算31以降は、実施例1と同様である。
【0021】
荷役物12が着地している状態から操作部レバー9で上昇指令を出して荷役物12が地切りする前の間の第1アーム5の動きを加速度検出器7で検出し、加速度検出器7の電気信号を基に演算部14で演算し、エアーシリンダー13へのエアー圧を可変させて、荷役物12の地切りを行っている。その制御には、操作レバーの可変量に応じてエアー圧の上げ量を演算31するステップと、操作レバーの操作後にエアー圧を上げる32ステップと、加速度検出器の加速度検出33するステップと、加速度検出器の検出値に応じてエアー圧を調整34するステップを有し、荷役物12が地切りするまで加速度検出器7の加速度に応じてエアー圧を調整34するステップを繰り返す。