特許第6243742号(P6243742)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243742
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】ベルト脱水機
(51)【国際特許分類】
   B01D 33/04 20060101AFI20171127BHJP
   B01D 24/38 20060101ALI20171127BHJP
   B01D 33/70 20060101ALI20171127BHJP
   C02F 11/12 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   B01D33/04 AZAB
   B01D33/38
   C02F11/12 D
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-9241(P2014-9241)
(22)【出願日】2014年1月22日
(65)【公開番号】特開2015-136650(P2015-136650A)
(43)【公開日】2015年7月30日
【審査請求日】2016年5月13日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507036050
【氏名又は名称】住友重機械エンバイロメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100197022
【弁理士】
【氏名又は名称】谷水 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100102635
【弁理士】
【氏名又は名称】浅見 保男
(72)【発明者】
【氏名】柄澤 俊康
【審査官】 目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−069446(JP,A)
【文献】 特開2010−069447(JP,A)
【文献】 特公昭42−018318(JP,B1)
【文献】 実開昭63−111905(JP,U)
【文献】 特開2009−247982(JP,A)
【文献】 特開昭56−089810(JP,A)
【文献】 特開平10−314513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D33/00−33/82
C02F11/00−11/20
B30B9/00−9/32
E03F1/00−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体を含有する液体から固体を分離するベルト脱水機において、
前記固体を含有する液体を、濾液と残渣に分離する濾過部と、
前記濾過部の下に設けられ、前記濾液を収集する濾液受け部と、
前記濾液受け部に、ベルト進行方向手前側の濾液とベルト進行方向奥側の濾液とを分離する仕切り板を設け、
前記奥側の濾液を清澄水、前記手前側の濾液を汚水として回収し、
前記清澄水を洗浄水として用い、
前記仕切り板は、前記汚水が流下する方向に対して傾斜することを特徴とするベルト脱水機。
【請求項2】
前記濾液受け部は、前記汚水が流下するよう傾斜した底部を備えることを特徴とする、請求項1に記載のベルト脱水機。
【請求項3】
前記仕切り板は移動可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のベルト脱水機。
【請求項4】
前記仕切り部を2以上備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のベルト脱水機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無端状の濾布により固体を含有する液体を処理して、濾液と残渣に分離するベルト脱水機において、濾液を濾布の洗浄液として利用するベルト脱水機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上側及び下側の無端ベルト状の濾布間に汚泥等の被処理物を供給して加圧脱水するベルトプレス型の加圧脱水機を備えた汚泥脱水装置では、濾布が目詰まりを起こすために、濾布に洗浄水を噴射する洗浄ノズルを設けて濾布を洗浄する。この洗浄水として、重力脱水により得られた脱水濾液を回収して利用することが知られている。
【0003】
また、脱水濾液及び濾布洗浄排水を清澄化して洗浄水として利用する汚泥脱水装置も知られている。例えば、特許文献1では、脱水濾液及び濾布洗浄排水を回収して、この回収水を回収水清澄化装置により積極的に清澄化する汚泥脱水装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−263889
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
重力脱水により得られた脱水濾液には、濾布を通過する固体分が多く含まれており、脱水濾液をそのまま洗浄水として利用すると洗浄ノズルを詰まらせる等の問題がある。そのため、現実的には、脱水濾液をそのまま洗浄液として長期間使用することはできない。
また、特許文献1に記載された汚泥脱水装置では、清澄化された洗浄水は洗浄ノズルを詰まらせることを防止できるものの、回収水清澄化装置が必要であるために、装置が複雑化及び長大化する。さらには、回収水清澄化装置を稼働するための動力も必要であり、運転コストが高いという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、鋭意検討した結果、固体を含有する液体をベルト脱水機で処理すると、ベルトの進行方向手前側の濾液は固形分が多く含まれ、奥側の濾液には固形分が少ないことを見いだし、奥側の濾液を洗浄水として利用することにより本発明を完成させた。
具体的には、本発明は、以下のベルト脱水機を提供するものである。
【0007】
(本願第1発明)
上記課題を解決するための本願第1発明の構成は、固体を含有する液体から固体を分離するベルト脱水機において、前記固体を含有する液体を、濾液と残渣に分離する濾過部と、前記濾過部の下に設けられ、前記濾液を収集する濾液受け部と、前記濾液受け部に、ベルト進行方向手前側の濾液とベルト進行方向奥側の濾液とを分離する仕切り部を設け、前記奥側の濾液を清澄水、前記手前側の濾液を汚水として回収し、前記清澄水を洗浄水として用いることを特徴とするベルト脱水機である。
(本願第2発明)
上記課題を解決するための本願第2発明の構成は、前記仕切り部は仕切り板であることを特徴とする、本願第1発明に記載のベルト脱水機である。
(本願第3発明)
上記課題を解決するための本願第3発明の構成は、前記濾液受け部は、前記汚水が流下するよう傾斜した底部を備え、前記仕切り板は、前記汚水が流下する方向に対して傾斜することを特徴とする、本願第2発明に記載のベルト脱水機である。
(本願第4発明)
上記課題を解決するための本願第4発明の構成は、前記仕切り板は移動可能であることを特徴とする、本願第2又は3に記載のベルト脱水機である。
(本願第5発明)
上記課題を解決するための本願第5発明の構成は、前記仕切り部を2以上備えたことを特徴とする、本願第1〜3発明のいずれかに記載のベルト脱水機である。
(本願第6発明)
上記課題を解決するための本願第6発明は、固体を含有する液体から固体を分離するベルト脱水機の運転方法において、前記固体を含有する液体を、濾液と残渣に分離する濾過工程と、前記濾液をベルト進行方向手前側の濾液とベルト進行方向奥側の濾液とに分離する工程と、前記奥側の濾液を清澄水、前記手前側の濾液を汚水として回収し、前記清澄水を洗浄水として用いることを特徴とするベルト脱水機の運転方法である。
【発明の効果】
【0008】
本願第1発明のベルト脱水機によれば、仕切り部で濾液を清澄水と汚水に分けて回収して、得られた清澄水を洗浄水として利用することにより、洗浄ノズルが詰まるという課題を解決することができる。
また、本願第1発明のベルト脱水機には、回収水清澄化装置等の濾液を清澄化するための装置を設ける必要がないため、装置の構成が簡潔なものとなり、装置を小さくすることができる。
さらには、回収水清澄化装置の動力も必要なく、電力消費量も節約することができる。また、洗浄水として濾液を使用することができるため、雑用水の使用量を低減することができる。
【0009】
本願第2発明のベルト脱水機によれば、複数の濾液受け部を設けることなく、一つの濾液受け部に仕切り板を設けることにより、簡単に汚水と清澄水を分離回収することができる。
【0010】
本願第3発明のベルト脱水機によれば、濾液受け部の底部が傾斜していることにより、ポンプ等の動力を要することなく濾液を濾液受け部から排出することができる。
また、仕切り板を汚水の流下する方向に対して傾斜させて設置することにより、汚水中の固形分が仕切り板に滞留することを防止し、スムーズに濾液受け部から汚水を排出することができる。
【0011】
本願第4発明のベルト脱水機によれば、仕切り板をベルト進行方向の前後に移動させることにより、濾液を分配して得られる汚水と清澄水の量を調整することができる。
この発明のベルト脱水機では、固体を含有する液体の状態に応じて、汚水と清澄水の分配量を変えることができる。そのため、清澄水に含まれる固形分の濃度を洗浄ノズルが詰まらないようにしつつ、清澄水の回収量を適切に調整することが可能である。
【0012】
本願第5発明のベルト脱水機によれば、複数の仕切り部を設けることにより、濾液を固体分濃度の異なる複数の液体に分けることができる。得られた複数の液体を適宜混合して、洗浄ノズルが詰まらない濃度となるように清澄水を調製することが可能である。
【0013】
本願第6発明によれば、洗浄ノズルが詰まることなく、安定して脱水処理をすることができる。
さらには、この発明によれば、濾液を清澄化する工程も必要なく、電力消費量も削減することができる。また、洗浄水として濾液を使用することができるため、雑用水の使用量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例のベルト脱水機を備えた汚泥処理システムの構成を示す概略説明図である。
図2】本発明の実施例のベルト脱水機の構成を示す概略側面図である。
図3】(a)本発明の第1の実施例のベルト脱水機の構成を示す概略平面図である。(b)本発明の第1の実施例のベルト脱水機の濾液受け部の構成を示す概略平面図、及び、汚水と清澄水の流れを説明する概略説明図である。
図4】(a)図3(b)のX−X断面斜視図である。(b)本発明の第1の実施例のベルト脱水機の汚水と清澄水の流れを説明する概略説明図である。
図5】本発明の第1の実施例のベルト脱水機の構成を示す分解組み立て図である。
図6】(a)本発明の第2の実施例のベルト脱水機の構成を示す概略平面図である。(b)本発明の第2の実施例のベルト脱水機の濾液受け部の構成を示す概略平面図、及び、汚水と清澄水の流れを説明する概略説明図である。
図7】(a)図6(b)のY−Y断面斜視図である。(b)本発明の第2の実施例のベルト脱水機の汚水と清澄水の流れを説明する概略説明図である。
図8】本発明の第2の実施例のベルト脱水機の構成を示す分解組み立て図である。
図9】(a)本発明の第3の実施例のベルト脱水機の構成を示す概略平面図である。(b)本発明の第3の実施例のベルト脱水機の濾液受け部の構成を示す概略平面図、及び、汚水と清澄水の流れを説明する概略説明図である。
図10】(a)図9(b)のZ−Z断面斜視図である。(b)図10(a)のZ−Z断面斜視図の内部の構成を示す断面斜視図である。
図11】本発明の第3の実施例のベルト脱水機の水と清澄水の流れを説明する概略説明図である。
図12】本発明の第3の実施例のベルト脱水機の構成を示す分解組み立て図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の「固体を含有する液体」(以下、「被処理物」という。)とは、液体中に固体が分散したものであり、固体の濃度が低く粘度の低い液体から固体濃度が高い泥状物まで含まれる。具体的には、下水処理場の下水汚泥、排水処理場等の余剰汚泥、製紙工場の製紙スラッジ、浚渫汚泥、ヘドロ等が挙げられる。
以下の実施例では、汚泥処理システム及びこの汚泥処理システムに設けられた本発明のベルト脱水機について説明する。
なお、図中の装置の構成において、破線を用いて描写した部分については透過図を意味している。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の実施例のベルト脱水機を備えた汚泥処理システム1の構成を示す概略説明図である。
汚泥処理システム1は、汚泥貯留槽2、汚泥供給ポンプ3、高分子溶解槽4、薬注ポンプ5、混和槽6、汚泥脱水装置7、洗浄水槽8、給水ポンプ9、雑用水槽10で構成される。
下水処理等で発生した汚泥は、汚泥貯留槽2に蓄積され、汚泥供給ポンプ3により混和槽6に供給される。また、凝集剤等の薬剤は、高分子溶解槽4で調製され、薬注ポンプ5により混和槽6に供給されて汚泥と混合される。凝集剤と混合された汚泥は、凝集剤の働きにより凝集フロックを形成する。凝集した汚泥は、汚泥脱水装置7に送液されて脱水処理される。
【0017】
汚泥脱水装置7は、重力濾過により汚泥を濃縮するベルト脱水機11、及び、加圧により強制脱水する加圧脱水機12を備えている。
ベルト脱水機11は、濾布で形成された無端ベルト11aを有しており、汚泥は、汚泥供給部13よりベルト脱水機7の無端ベルト11a上に供給され、無端ベルト11aで移送される間に重力濾過により濾液と残渣に分離される。なお、ベルト脱水機11の詳細な構成については後述する。
【0018】
加圧脱水機12では、2つの濾布の無端ベルト11a、12a及び複数の加圧ロール12bを有しており、2つの無端ベルトは2枚の濾布が重なるように設置されて、ベルトプレス型の加圧脱水機を構成している。ベルト脱水機11で濃縮された残渣は、2枚の濾布に狭まれた状態で複数の加圧ロール12bを通過し、加圧されて強制脱水される。ここで、本発明の実施例のベルトプレス型の加圧脱水機12では、2つの濾布の無端ベルトのうち1つの無端ベルト11aとして、前記ベルト脱水機11の無端ベルト11aを利用した構成であるが、ベルト脱水機11の無端ベルト11aとは別に2つの無端ベルトを設けてベルトプレス型の加圧脱水機12を構成してもよい。
【0019】
強制脱水された残渣は、脱水ケーキとして脱水ケーキ排出部14より排出される。脱水ケーキは、乾燥や炭化等の処理を経て、セメント材料、肥料、燃料等として利用される。
【0020】
また、汚泥脱水装置7には、濾布に詰まった固形分を洗浄するための洗浄ノズル15が設けられている。洗浄水は、洗浄水槽8から給水ポンプ9により洗浄ノズル15に供給され、濾布に向かって噴射される。
本発明の実施例の汚泥脱水装置7では、洗浄水として、ベルト脱水機7の濾液から得られた清澄水を利用する。また、洗浄水として清澄水の回収量が不足している場合には、雑用水槽10より、雑用水が供給されて洗浄水を補充する。
【0021】
図2は、本発明の実施例のベルト脱水機11の構成を示す概略側面図である。
本発明のベルト脱水機11は、汚泥等の被処理物を濾液と残渣に分離する濾過部16と、濾過部16の下に設けられた濾液受け部17を備えている。
【0022】
濾過部16は、濾布16a及び2つの緊張ロール16bを有し、緊張ロール16bは回転可能であり、濾布16aを移送することができる。汚泥等の被処理物は、濾布16aの進行方向手前側に供給され、進行方向奥側に進む間に液体が濾液として落下し、固体が残渣として濾布16a上に残り移送される。残渣は、加圧脱水等の次処理に供される。
ここで、本発明の濾過部16は、略水平方向に進行するベルト状の濾過装置であればよく、濾布16a及び緊張ロール16bの構成に代えて、複数のパンチングプレートの無端コンベアや、複数のワイヤ又は金属プレートが隙間を空けて形成された無端コンベア等としてもよい。
濾布16aの材質は、特に限定されないが、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維、綿、ステンレス等の金属メッシュが挙げられる。
濾布は、軽量で取り扱いやすく、また、もう一つの無端ベルトと協働して加圧脱水に利用できることから好ましい。
濾布16aは、水平方向に進行するように設置してもよいし、上方に向けて傾斜するように設置してもよい。
【0023】
濾液受け部17は、濾過部16の下方に設置された濾液受槽17aからなり、濾液受槽17aは、濾布16aを透過した濾液を回収する。
【0024】
図3(a)は、本発明の第1の実施例のベルト脱水機の構成を示す概略平面図である。また、図3(b)は、本発明の第1の実施例のベルト脱水機の濾液受け部の構成を示す概略平面図、及び、汚水と清澄水の流れを説明する概略説明図である。
濾液受槽17aは、仕切り板19を有しており、汚水受け領域及び清澄水受け領域に分けられている。ベルト脱水機の濾過部を透過した濾液は、濾布16aの進行方向手前側では固体分濃度が高く、進行方向奥側では固体分濃度が低い。この仕切り板19により、進行方向手前側の濾液と奥側の濾液とを分離して回収し、奥側の濾液を清澄水として洗浄水に利用することを特徴とする。
【0025】
仕切り板19は、濾布16aの進行方向手前側の濾液と奥側の濾液を分ける仕切り部であればどのような構成でもよい。例えば、濾液受槽が一つの槽で構成され、仕切り板により濾布16aの進行方向手前側の濾液と奥側の濾液を分ける構成や、濾液受槽が複数の槽で構成されていてもよい。仕切り板を用いると、濾液受槽の構成が簡易なものとなるので好ましい。また、濾液受槽を複数の槽で構成すると、洗浄やメンテナンス等の作業の際に、それぞれの槽を分けて作業することができる。
【0026】
汚水受け領域に収集された汚水は、汚水排出口17dより排出され、濾液受槽17aの外側に設けられた汚水流路18を通って回収される。回収された汚水の処理については限定されないが、例えば、汚泥貯留槽2に戻され、再度、混和槽6で凝集剤と混合される。
【0027】
一方、清澄水受け領域に収集された清澄水は、清澄水排出路17cを通って、清澄水排出口17bより排出される。清澄水は、洗浄水槽8に回収され、洗浄水として利用される。
【0028】
図4(a)は、図3(b)のX−X断面斜視図である。また、図4(b)は、本発明の第1の実施例のベルト脱水機の汚水と清澄水の流れを説明する概略説明図である。
仕切り板19は、仕切り板保持部20を有しており、仕切り板保持部20には、保持部孔20aが設けられている。また、濾液受槽17aの側壁17eには、複数の側壁孔17hが設けられている。仕切り板19を設置する際、側壁孔17hと保持部孔20aを連通するようにネジ等の固定部材を挿通して、仕切り板保持部20を側壁17eに固定する。
仕切り板19を濾液受槽17aに固定する手段は、特に限定されるものではなく、例えば、側壁孔17hと保持部孔20aを挿通する固定手段に代えて、上部から仕切り板保持部20と側壁17eを狭持する固定部材により固定してもよいし、仕切り板保持部20と側壁17eにそれぞれ嵌合片及び嵌合溝を設けて嵌合するようにしてもよい。
【0029】
側壁孔17hは、濾布16aの進行方向に沿って複数設けられている。保持部孔20aと固定する側壁孔17hとして、いずれかの孔を選択することにより、仕切り板19を濾布16aの進行方向前後に移動させることができる。この構成により、被処理物の種類を変える場合や、被処理物の固体濃度に変化があった場合に、仕切り板を進行方向前後に移動させて洗浄水として利用可能な適切な清澄水を調製することができる。
仕切り板を移動する手段は、実施例に限定されるものではなく、例えば、レール及び電動モータを設けて自動制御により移動させてもよい。
【0030】
濾液受槽17aの底部17gは、汚水及び清澄水が流下するように傾斜している。これにより、自然落下により汚水及び清澄水を排出することができる。
濾液受槽17aの最下部に清澄水排出路17cを有しており、清澄水受け領域中の清澄水は、清澄水排出路17cに集められて清澄水排出口17bより排出される。
【0031】
一方、汚水受け領域の汚水は最下部に向かって底部を流下する途中、仕切り板19に遮られる。仕切り板19は、汚水の流下する方向に対して傾斜するように設置されており、汚水を汚水排出口17dに誘導する。この構成により、仕切り板19に汚水中の固形分が溜まることを防止することができる。汚水排出口17dに誘導された汚水は、汚水流路18を通って回収される。
【0032】
図5は、本発明の第1の実施例のベルト脱水機の構成を示す分解組み立て図である。
濾液受槽17aと、仕切り板19及び仕切り板保持部20は、取り外しが可能な構成であり、側壁孔17hの位置を変えて、仕切り板19の位置を移動することができる。
【実施例2】
【0033】
図6(a)は、本発明の第2の実施例のベルト脱水機の構成を示す概略平面図である。また、図6(b)は、本発明の第2の実施例のベルト脱水機の濾液受け部の構成を示す概略平面図、及び、汚水と清澄水の流れを説明する概略説明図である。
第2の実施例では、第1の実施例の汚水流路18に代えて、濾液受槽17a内に汚水の流路領域を設けた構成である。これにより、汚泥受槽17aがより簡単な構成となり、また、汚泥受槽17aの外側に汚水流路18を設ける必要がないため、よりコンパクトな構成となる。
【0034】
具体的には、濾液受槽17aの内部に、濾液が流下する方向と平行に流路区分板21を備え、側壁17eの汚水排出口17dを濾液受槽17aの最下部に形成した構成である。この流路区分板21と側壁17eの間に流路領域が形成される。汚水受け領域の汚水は、仕切り板19により流路領域に誘導され、流路領域を流下して最下部に形成された汚水排出口17dから排出される。
清澄水は、第1の実施例と同様に、清澄水排出口17bより排出される。
【0035】
図7(a)は、図6(b)のY−Y断面斜視図である。また、図7(b)は、本発明の第2の実施例のベルト脱水機の汚水と清澄水の流れを説明する概略説明図である。
流路区分板21には、濾布16aの進行方向に向かって並列した複数の流路区分板孔21aが形成されている。第1の実施例と同様に、これらの流路区分板孔21aと、仕切り板保持部20の保持部孔20aを固定部材により固定して、仕切り板19の位置を設定する。
【0036】
図8は、本発明の第2の実施例のベルト脱水機の構成を示す分解組み立て図である。
第1の実施例と同様、仕切り板19及び仕切り板保持部20は取り外しが可能な構成である。また、流路区分板21も濾液受槽17aに取り付けることが可能な構成となっている。これにより、従来使用していた濾液受槽17aに流路区分板21並びに仕切り板19及び仕切り板保持部20取付けることができる。そして、濾液受槽17aに汚水排出口17dを形成する加工をすることにより、新たな濾液受槽17aを作製することなく、従来使用していた濾液受槽17aに本願発明を適用することが可能である。
【実施例3】
【0037】
図9(a)は、本発明の第3の実施例のベルト脱水機の構成を示す概略平面図である。また、図9(b)は、本発明の第3の実施例のベルト脱水機の濾液受け部の構成を示す概略平面図、及び、汚水と清澄水の流れを説明する概略説明図である。
第3の実施例では、濾液受槽17aは、複数の仕切り板19を有する構成である。また、複数の仕切り板19により形成されたすべての領域において、両側の側壁e及び側壁fに、それぞれ汚水排出口17d及び清澄水排出口17bを形成し、その外側に汚水流路18及び清澄水流路22を設けている。さらに、これらの汚水排出口17d又は清澄水排出口17bを閉塞するための閉塞板23を、各領域に一つずつ有している。
具体的な構成について、図10(a)、(b)、図11を参照して説明する。
【0038】
図10(a)は、図9(b)のZ−Z断面斜視図である。また、図10(b)は、図10(a)のZ−Z断面斜視図の一部を透過図とし、内部の構成を説明する断面斜視図である。さらに、図11は、本発明の第3の実施例のベルト脱水機の水と清澄水の流れを説明する概略説明図である。
濾液受槽17aは、3枚の仕切り板19a、19b、19cが固定されている。これらの仕切り板は、汚水及び清澄水が流下する方向に対して垂直方向となるように並べられている。そして、仕切り板19a、19b、19cにより形成された領域の側壁e及び側壁fには、それぞれ汚水排出口17e及び清澄水排出口17bが形成されている。さらに、これらの汚水排出口17e又は清澄水排出口17bを閉塞するために、各領域にそれぞれ閉塞板23a、23b、23cが取り外し可能に設置される。
各領域において、閉塞板23a、23b、23cが、汚水排出口17e又は清澄水排出口17bのいずれかを閉塞することにより、各領域を汚水受け部又は清澄水受け部のいずれかに選択することが可能である。
【0039】
例えば、図11の一例では、仕切り板19a及び19bで形成された領域において、閉塞板23aを用いて汚水排出口17dを閉塞し、仕切り板19b及び19cで形成された領域、並びに、仕切り板19c及び濾液受槽17aで形成された領域において、閉塞板23b、23cを用いて清澄水排出口17bを閉塞している。
これにより、仕切り板19a及び19bで形成された領域は、清澄水受け領域となり、一方、仕切り板19b及び19cで形成された領域、並びに、仕切り板19c及び濾液受槽17aで形成された領域は、汚水受け領域となる。
そして、清澄水受け領域の清澄水は、清澄水排出口17bから排出され、清澄水流路22を通って洗浄水槽8に回収される。また、汚水受け領域の汚水は、汚水排出口17dから排出され、汚水流路18を通って回収される。
【0040】
図12は、本発明の第3の実施例のベルト脱水機の構成を示す分解組み立て図である。
第3の実施例では、仕切り板19a、19b、19cは固定されており、取り外し可能な閉塞板23a、23b、23cを用いて、汚水排出口17d又は清澄水排出口17bのいずれかを閉塞することにより、汚水受け領域と清澄水受け領域の位置を調整する。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明のベルト脱水機は、洗浄水を利用する濾過装置に利用することができる。例えば、本発明の実施例のベルトプレス型の加圧脱水機を備えた汚泥脱水装置だけではなく、スクリュープレス型の濾過装置等の前処理としても本発明のベルト脱水機を利用することができる。
また、本発明の実施例のベルト脱水機は重力濾過によるものであるが、真空濾過によるベルト脱水機にも利用することができる。
【0042】
濾過装置が利用される分野としては、下水処理場、排水処理場、食品工場、製紙工場、医薬品工場、浚渫作業現場等があり、これらの分野において、洗浄水を洗浄ノズルから噴射してフィルタを洗浄する場合には、本発明のベルト脱水機を利用することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 汚泥処理システム、2 汚泥貯留槽、3 汚泥供給ポンプ、4 高分子溶解槽、5 薬注ポンプ、6 混和槽、7 汚泥脱水装置、8 洗浄水槽、9 給水ポンプ、10 雑用水槽、11 ベルト脱水機、11a 無端ベルト、12 加圧脱水機、12a 無端ベルト、12b 加圧ロール、13 汚泥供給部、14 脱水ケーキ排出部、15 洗浄ノズル、16 濾過部、16a 濾布、16b 緊張ロール、17 濾液受け部、17a 濾液受槽、17b 清澄水排出口、17c 清澄水排出路、17d 汚水排出口、17e,17f 側壁、17g 底部、17h 側壁孔、18 汚水流路、19,19a,19b,19c 仕切り板、20 仕切り板保持部、20a 保持部孔、21 流路区分板、21a 流路区分板孔、22 清澄水流路、23,23a,23b,23c 閉塞板
図1
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図12