【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の実施例のベルト脱水機を備えた汚泥処理システム1の構成を示す概略説明図である。
汚泥処理システム1は、汚泥貯留槽2、汚泥供給ポンプ3、高分子溶解槽4、薬注ポンプ5、混和槽6、汚泥脱水装置7、洗浄水槽8、給水ポンプ9、雑用水槽10で構成される。
下水処理等で発生した汚泥は、汚泥貯留槽2に蓄積され、汚泥供給ポンプ3により混和槽6に供給される。また、凝集剤等の薬剤は、高分子溶解槽4で調製され、薬注ポンプ5により混和槽6に供給されて汚泥と混合される。凝集剤と混合された汚泥は、凝集剤の働きにより凝集フロックを形成する。凝集した汚泥は、汚泥脱水装置7に送液されて脱水処理される。
【0017】
汚泥脱水装置7は、重力濾過により汚泥を濃縮するベルト脱水機11、及び、加圧により強制脱水する加圧脱水機12を備えている。
ベルト脱水機11は、濾布で形成された無端ベルト11aを有しており、汚泥は、汚泥供給部13よりベルト脱水機7の無端ベルト11a上に供給され、無端ベルト11aで移送される間に重力濾過により濾液と残渣に分離される。なお、ベルト脱水機11の詳細な構成については後述する。
【0018】
加圧脱水機12では、2つの濾布の無端ベルト11a、12a及び複数の加圧ロール12bを有しており、2つの無端ベルトは2枚の濾布が重なるように設置されて、ベルトプレス型の加圧脱水機を構成している。ベルト脱水機11で濃縮された残渣は、2枚の濾布に狭まれた状態で複数の加圧ロール12bを通過し、加圧されて強制脱水される。ここで、本発明の実施例のベルトプレス型の加圧脱水機12では、2つの濾布の無端ベルトのうち1つの無端ベルト11aとして、前記ベルト脱水機11の無端ベルト11aを利用した構成であるが、ベルト脱水機11の無端ベルト11aとは別に2つの無端ベルトを設けてベルトプレス型の加圧脱水機12を構成してもよい。
【0019】
強制脱水された残渣は、脱水ケーキとして脱水ケーキ排出部14より排出される。脱水ケーキは、乾燥や炭化等の処理を経て、セメント材料、肥料、燃料等として利用される。
【0020】
また、汚泥脱水装置7には、濾布に詰まった固形分を洗浄するための洗浄ノズル15が設けられている。洗浄水は、洗浄水槽8から給水ポンプ9により洗浄ノズル15に供給され、濾布に向かって噴射される。
本発明の実施例の汚泥脱水装置7では、洗浄水として、ベルト脱水機7の濾液から得られた清澄水を利用する。また、洗浄水として清澄水の回収量が不足している場合には、雑用水槽10より、雑用水が供給されて洗浄水を補充する。
【0021】
図2は、本発明の実施例のベルト脱水機11の構成を示す概略側面図である。
本発明のベルト脱水機11は、汚泥等の被処理物を濾液と残渣に分離する濾過部16と、濾過部16の下に設けられた濾液受け部17を備えている。
【0022】
濾過部16は、濾布16a及び2つの緊張ロール16bを有し、緊張ロール16bは回転可能であり、濾布16aを移送することができる。汚泥等の被処理物は、濾布16aの進行方向手前側に供給され、進行方向奥側に進む間に液体が濾液として落下し、固体が残渣として濾布16a上に残り移送される。残渣は、加圧脱水等の次処理に供される。
ここで、本発明の濾過部16は、略水平方向に進行するベルト状の濾過装置であればよく、濾布16a及び緊張ロール16bの構成に代えて、複数のパンチングプレートの無端コンベアや、複数のワイヤ又は金属プレートが隙間を空けて形成された無端コンベア等としてもよい。
濾布16aの材質は、特に限定されないが、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維、綿、ステンレス等の金属メッシュが挙げられる。
濾布は、軽量で取り扱いやすく、また、もう一つの無端ベルトと協働して加圧脱水に利用できることから好ましい。
濾布16aは、水平方向に進行するように設置してもよいし、上方に向けて傾斜するように設置してもよい。
【0023】
濾液受け部17は、濾過部16の下方に設置された濾液受槽17aからなり、濾液受槽17aは、濾布16aを透過した濾液を回収する。
【0024】
図3(a)は、本発明の第1の実施例のベルト脱水機の構成を示す概略平面図である。また、
図3(b)は、本発明の第1の実施例のベルト脱水機の濾液受け部の構成を示す概略平面図、及び、汚水と清澄水の流れを説明する概略説明図である。
濾液受槽17aは、仕切り板19を有しており、汚水受け領域及び清澄水受け領域に分けられている。ベルト脱水機の濾過部を透過した濾液は、濾布16aの進行方向手前側では固体分濃度が高く、進行方向奥側では固体分濃度が低い。この仕切り板19により、進行方向手前側の濾液と奥側の濾液とを分離して回収し、奥側の濾液を清澄水として洗浄水に利用することを特徴とする。
【0025】
仕切り板19は、濾布16aの進行方向手前側の濾液と奥側の濾液を分ける仕切り部であればどのような構成でもよい。例えば、濾液受槽が一つの槽で構成され、仕切り板により濾布16aの進行方向手前側の濾液と奥側の濾液を分ける構成や、濾液受槽が複数の槽で構成されていてもよい。仕切り板を用いると、濾液受槽の構成が簡易なものとなるので好ましい。また、濾液受槽を複数の槽で構成すると、洗浄やメンテナンス等の作業の際に、それぞれの槽を分けて作業することができる。
【0026】
汚水受け領域に収集された汚水は、汚水排出口17dより排出され、濾液受槽17aの外側に設けられた汚水流路18を通って回収される。回収された汚水の処理については限定されないが、例えば、汚泥貯留槽2に戻され、再度、混和槽6で凝集剤と混合される。
【0027】
一方、清澄水受け領域に収集された清澄水は、清澄水排出路17cを通って、清澄水排出口17bより排出される。清澄水は、洗浄水槽8に回収され、洗浄水として利用される。
【0028】
図4(a)は、
図3(b)のX−X断面斜視図である。また、
図4(b)は、本発明の第1の実施例のベルト脱水機の汚水と清澄水の流れを説明する概略説明図である。
仕切り板19は、仕切り板保持部20を有しており、仕切り板保持部20には、保持部孔20aが設けられている。また、濾液受槽17aの側壁17eには、複数の側壁孔17hが設けられている。仕切り板19を設置する際、側壁孔17hと保持部孔20aを連通するようにネジ等の固定部材を挿通して、仕切り板保持部20を側壁17eに固定する。
仕切り板19を濾液受槽17aに固定する手段は、特に限定されるものではなく、例えば、側壁孔17hと保持部孔20aを挿通する固定手段に代えて、上部から仕切り板保持部20と側壁17eを狭持する固定部材により固定してもよいし、仕切り板保持部20と側壁17eにそれぞれ嵌合片及び嵌合溝を設けて嵌合するようにしてもよい。
【0029】
側壁孔17hは、濾布16aの進行方向に沿って複数設けられている。保持部孔20aと固定する側壁孔17hとして、いずれかの孔を選択することにより、仕切り板19を濾布16aの進行方向前後に移動させることができる。この構成により、被処理物の種類を変える場合や、被処理物の固体濃度に変化があった場合に、仕切り板を進行方向前後に移動させて洗浄水として利用可能な適切な清澄水を調製することができる。
仕切り板を移動する手段は、実施例に限定されるものではなく、例えば、レール及び電動モータを設けて自動制御により移動させてもよい。
【0030】
濾液受槽17aの底部17gは、汚水及び清澄水が流下するように傾斜している。これにより、自然落下により汚水及び清澄水を排出することができる。
濾液受槽17aの最下部に清澄水排出路17cを有しており、清澄水受け領域中の清澄水は、清澄水排出路17cに集められて清澄水排出口17bより排出される。
【0031】
一方、汚水受け領域の汚水は最下部に向かって底部を流下する途中、仕切り板19に遮られる。仕切り板19は、汚水の流下する方向に対して傾斜するように設置されており、汚水を汚水排出口17dに誘導する。この構成により、仕切り板19に汚水中の固形分が溜まることを防止することができる。汚水排出口17dに誘導された汚水は、汚水流路18を通って回収される。
【0032】
図5は、本発明の第1の実施例のベルト脱水機の構成を示す分解組み立て図である。
濾液受槽17aと、仕切り板19及び仕切り板保持部20は、取り外しが可能な構成であり、側壁孔17hの位置を変えて、仕切り板19の位置を移動することができる。
【実施例2】
【0033】
図6(a)は、本発明の第2の実施例のベルト脱水機の構成を示す概略平面図である。また、
図6(b)は、本発明の第2の実施例のベルト脱水機の濾液受け部の構成を示す概略平面図、及び、汚水と清澄水の流れを説明する概略説明図である。
第2の実施例では、第1の実施例の汚水流路18に代えて、濾液受槽17a内に汚水の流路領域を設けた構成である。これにより、汚泥受槽17aがより簡単な構成となり、また、汚泥受槽17aの外側に汚水流路18を設ける必要がないため、よりコンパクトな構成となる。
【0034】
具体的には、濾液受槽17aの内部に、濾液が流下する方向と平行に流路区分板21を備え、側壁17eの汚水排出口17dを濾液受槽17aの最下部に形成した構成である。この流路区分板21と側壁17eの間に流路領域が形成される。汚水受け領域の汚水は、仕切り板19により流路領域に誘導され、流路領域を流下して最下部に形成された汚水排出口17dから排出される。
清澄水は、第1の実施例と同様に、清澄水排出口17bより排出される。
【0035】
図7(a)は、
図6(b)のY−Y断面斜視図である。また、
図7(b)は、本発明の第2の実施例のベルト脱水機の汚水と清澄水の流れを説明する概略説明図である。
流路区分板21には、濾布16aの進行方向に向かって並列した複数の流路区分板孔21aが形成されている。第1の実施例と同様に、これらの流路区分板孔21aと、仕切り板保持部20の保持部孔20aを固定部材により固定して、仕切り板19の位置を設定する。
【0036】
図8は、本発明の第2の実施例のベルト脱水機の構成を示す分解組み立て図である。
第1の実施例と同様、仕切り板19及び仕切り板保持部20は取り外しが可能な構成である。また、流路区分板21も濾液受槽17aに取り付けることが可能な構成となっている。これにより、従来使用していた濾液受槽17aに流路区分板21並びに仕切り板19及び仕切り板保持部20取付けることができる。そして、濾液受槽17aに汚水排出口17dを形成する加工をすることにより、新たな濾液受槽17aを作製することなく、従来使用していた濾液受槽17aに本願発明を適用することが可能である。
【実施例3】
【0037】
図9(a)は、本発明の第3の実施例のベルト脱水機の構成を示す概略平面図である。また、
図9(b)は、本発明の第3の実施例のベルト脱水機の濾液受け部の構成を示す概略平面図、及び、汚水と清澄水の流れを説明する概略説明図である。
第3の実施例では、濾液受槽17aは、複数の仕切り板19を有する構成である。また、複数の仕切り板19により形成されたすべての領域において、両側の側壁e及び側壁fに、それぞれ汚水排出口17d及び清澄水排出口17bを形成し、その外側に汚水流路18及び清澄水流路22を設けている。さらに、これらの汚水排出口17d又は清澄水排出口17bを閉塞するための閉塞板23を、各領域に一つずつ有している。
具体的な構成について、
図10(a)、(b)、
図11を参照して説明する。
【0038】
図10(a)は、
図9(b)のZ−Z断面斜視図である。また、
図10(b)は、
図10(a)のZ−Z断面斜視図の一部を透過図とし、内部の構成を説明する断面斜視図である。さらに、
図11は、本発明の第3の実施例のベルト脱水機の水と清澄水の流れを説明する概略説明図である。
濾液受槽17aは、3枚の仕切り板19a、19b、19cが固定されている。これらの仕切り板は、汚水及び清澄水が流下する方向に対して垂直方向となるように並べられている。そして、仕切り板19a、19b、19cにより形成された領域の側壁e及び側壁fには、それぞれ汚水排出口17e及び清澄水排出口17bが形成されている。さらに、これらの汚水排出口17e又は清澄水排出口17bを閉塞するために、各領域にそれぞれ閉塞板23a、23b、23cが取り外し可能に設置される。
各領域において、閉塞板23a、23b、23cが、汚水排出口17e又は清澄水排出口17bのいずれかを閉塞することにより、各領域を汚水受け部又は清澄水受け部のいずれかに選択することが可能である。
【0039】
例えば、
図11の一例では、仕切り板19a及び19bで形成された領域において、閉塞板23aを用いて汚水排出口17dを閉塞し、仕切り板19b及び19cで形成された領域、並びに、仕切り板19c及び濾液受槽17aで形成された領域において、閉塞板23b、23cを用いて清澄水排出口17bを閉塞している。
これにより、仕切り板19a及び19bで形成された領域は、清澄水受け領域となり、一方、仕切り板19b及び19cで形成された領域、並びに、仕切り板19c及び濾液受槽17aで形成された領域は、汚水受け領域となる。
そして、清澄水受け領域の清澄水は、清澄水排出口17bから排出され、清澄水流路22を通って洗浄水槽8に回収される。また、汚水受け領域の汚水は、汚水排出口17dから排出され、汚水流路18を通って回収される。
【0040】
図12は、本発明の第3の実施例のベルト脱水機の構成を示す分解組み立て図である。
第3の実施例では、仕切り板19a、19b、19cは固定されており、取り外し可能な閉塞板23a、23b、23cを用いて、汚水排出口17d又は清澄水排出口17bのいずれかを閉塞することにより、汚水受け領域と清澄水受け領域の位置を調整する。