【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成25年7月23日 「インデックスマップ」および「インデックスマップforモバイル」のセミナーによる公開。 [刊行物等]平成25年7月23日以降 「インデックスマップ」および「インデックスマップforモバイル」のパンフレットによる公開 [刊行物等]平成25年7月23日以降 「インデックスマップ」および「インデックスマップforモバイル」のパンフレットの配布を伴う顧客提案・営業による公開。 [刊行物等]平成25年9月3日 「インデックスマップ」のウェブ公開。掲載アドレスhttp://www.jon.co.jp/services/im.html [刊行物等]平成25年9月3日 「インデックスマップforモバイル」のウェブ公開。掲載アドレス http://www.jon.co.jp/services/imm.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1の実施形態]
以下においては、本発明の第1の実施形態に係る不動産情報表示システム1についての説明をする。
【0020】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る不動産情報表示システム1の機能的構成を示す図である。同図で示されるように、本実施形態の不動産情報表示システム1は、サーバ装置2と1又は複数の携帯端末装置3とを含んで構成されて、サーバ装置2と携帯端末装置3は、インターネットなどのネットワークを介して相互にデータ通信可能に接続されている。
【0021】
本実施形態の不動産情報表示システム1は、例えば、不動産の売買や管理等を仲介する不動産会社によって採用されるものとなっており、サーバ装置2は、当該不動産会社における特定の拠点等にて設置され、各携帯端末装置3は、見込み客に様々な提案を行う営業要員によって所有されるものとなっている。また、サーバ装置2は、登記申請情報記憶部R1と登記情報記憶部R2に接続され、本実施形態では、登記申請情報記憶部R1と登記情報記憶部R2は上記の不動産会社とは別の組織から提供されるものとなっている。
【0022】
本実施形態のサーバ装置2および携帯端末装置3は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の記憶素子、ならびにハードディスク等によって構成される記憶領域と、CPU(Central Processing Unit)等のプログラム制御デバイスを含むことによって実現される。サーバ装置2および携帯端末装置3では、ハードディスク等の記憶領域に格納されたプログラムをCPUが実行することによって各機能が実現される。
【0023】
携帯端末装置3では、液晶表示パネル等の表示手段や、タッチパネル等の入力手段を含んで構成されるものとなっており、CPUの制御に基づいて画像データや地図データ等を表示手段に対して出力し、入力手段を介して操作者からの情報を取得するものとなっている。
【0024】
図2は、第1の実施形態の携帯端末装置3における表示画面の一例を説明するものとなっており、地図上の複数の不動産に対して不動産マーカーが配置されている様子を示すものとなっている。この不動産マーカーは、携帯端末装置3の操作者がタッチパネルを介して地図上に配置可能な目印であり、本実施形態ではバルーン状の形状をしたポインタとなっている。
【0025】
また、
図3は、携帯端末装置3の操作者が配置をした不動産マーカーに関する情報を入力する画面となっており、不動産マーカーを配置することで同図のようなウィンドウが立ち上がるようになっている。同図において示されるように、不動産マーカーの位置に対応して別途取得された住所を示す情報が位置情報としてウィンドウ内に表示され、さらに、不動産マーカーの対象となった不動産が「更地」、「空家」、「古家」、「駐車場」のいずれの状態であるかを示す付属情報の入力(選択)や、操作者による付加的な情報(メモ)の入力を受け付けるようになっている。また、操作者によって「更地」や「駐車場」の入力がされた場合には、「土地」に対応する不動産マーカーとなり、「空家」や「古家」の入力がされた場合には、「建物」に対応する不動産マーカーとなるため、「更地」、「空家」、「古家」、「駐車場」の選択肢を入力することで、操作者が着目している不動産が「土地」であるのか「建物」であるのかを入力するものとなっている。なお、不動産マーカーを配置する際に、「土地」や「建物」といった入力を促すものであってもよい。
【0026】
すなわち、不動産マーカーには、不動産の位置に対応する位置情報や、その活用の状況や状態を示す付属情報等が関連づけられており、携帯端末装置3にて操作者が不動産マーカーを配置すると、不動産マーカー配置情報が生成されてサーバ装置2に送信される。不動産マーカー配置情報は、当該不動産マーカーが配置された携帯端末装置3の識別情報と、上記の位置情報および付属情報を含んで構成されるものとなり、サーバ装置2は、携帯端末装置3からの不動産マーカー配置情報を受け付けてこれを保持・管理する。そしてサーバ装置2は、不動産マーカー配置情報に対応する不動産の登記情報の少なくとも一部の内容を含む登記関連情報を取得して携帯端末装置3に返信する。携帯端末装置3では、返信された登記関連情報により、操作者が配置した不動産マーカーに対応する登記関連情報が表示されるようになっている。
【0027】
本実施形態の不動産情報表示システム1では、上記のようにして営業要員が着目・配置をした不動産マーカーが一元的に管理されることとなり、さらに、携帯端末装置3に不動産マーカーに対応した登記関連情報が送信されることで、各営業要員が効率的に不動産の登記に関する情報を把握することができるようになる。
【0028】
以下においては、本実施形態の不動産情報表示システム1におけるサーバ装置2と携帯端末装置3についてさらに詳しく説明をする。
【0029】
図1にて示されるように、まず、携帯端末装置3は、地図表示部GMと不動産マーカー配置部MKと登記関連情報表示部DRと、送信手段TRおよび受信手段RCとを含んで構成される。
【0030】
地図表示部GMは、携帯端末装置3の使用者の操作等によって決定された表示範囲における地図を画面上に表示するように制御する。地図表示部GMとしては、インターネット等のネットワークを介して地図表示用のデータをサーバ装置2あるいは他のサーバから受信し、これによって携帯端末装置3が存在する周辺地域の地図を表示するようにしても良いし、携帯端末装置3にて予め保持された地図表示用のデータにしたがって地図表示を行うのであっても良い。また、携帯端末装置3による地図表示の機能としては、表示画面内の一部に地図が表示されるようにして、ピンチアウト操作等を入力することにより地図の縮尺が変化するようにしてもよいし、ドラッグ操作にて上下左右(東西南北)にスクロールするようにしてもよい。また、地図表示部GMとしては、携帯端末装置3が備えたGPS(Global Positioning System)機能と連動して、当該携帯端末装置3が存在する位置に対応する緯度・経度の地図表示を行なうようにするようにしてもよい。
【0031】
不動産マーカー配置部MKは、操作者による入力を受け付けて上述の不動産マーカーを地図上の任意の位置に生成する機能ブロックとなっており、例えば、地図表示部GMによって表示された地図上の所定位置にダブルタップ操作等を入力することで配置されるようになっている。不動産マーカー配置部MKとしては、ダブルタップ操作等が入力された地図上の座標に対応する住所を位置情報として取得すると共に、
図3に示されるような入力画面を表示して不動産の付属情報を受け付ける。そして不動産マーカー配置部MKは、付属情報に対応する符号(「更」、「空」、「古」、「駐」等)が付された不動産マーカーを地図上に表示しつつ、位置情報と、付属情報と、携帯端末装置3の識別情報とを包含する不動産マーカー配置情報を生成する。
【0032】
送信手段TRは、上記の不動産マーカー配置部MKによって生成された不動産マーカー配置情報をサーバ装置2へと送信する。また、受信手段RCは、送信した不動産マーカー配置情報に対応する登記関連情報をサーバ装置2から受信をする。送信手段TRおよび受信手段RCは、例えば、LANカードによって実現される。
【0033】
登記関連情報表示部DRは、受信手段RCにて受信をした登記関連情報を表示するように制御する機能ブロックとなっている。本実施形態における登記関連情報としては、不動産の所在と地番(又は家屋番号)を示す情報によって構成されて対象となる不動産を特定するための物件特定情報と、当該不動産の所有者を示す所有者情報とを含むものとなっており、登記関連情報表示部DRによってこれらが表示されるものとなっている。具体的には、サーバ装置2からの登記関連情報を受信後に携帯端末装置3の操作者が不動産マーカーにタッチすると、後述の
図6にて示されるように、不動産マーカーに対応する物件特定情報と所有者情報が表示されるようになっている。
【0034】
登記関連情報表示部DRとしては、第1の表示部D1と、第2の表示部D2と、地番等表示部D3とを含んで構成される。第1の表示部D1は、登記関連情報に基づいて、1または複数の所有者の名称とその住所または居所の文字情報による表示を発生させるように制御し、第2の表示部D2は、不動産マーカーが配置された地図とは別の地図を表示するブラウザウィンドウを立ち上げて、当該別の地図上にて、1または複数の各所有者の住所(居所)に対応して新たに所有者マーカーを表示するものとなっている。したがって第2の表示部D2によって、不動産マーカーを配置した不動産および当該不動産の所有者の位置関係を視覚的に把握することが出来るようになる。また、地番等表示部D3は、所有者の名称や住所等を含んで構成される所有者情報が表示されたブラウザウィンドウ(第1の表示部D1によって立ち上げられたブラウザウィンドウ)と同一のウィンドウにおいて、不動産マーカーが配置された不動産の位置を特定する物件特定情報を表示するように制御するものであり、具体的には、「都道府県名」「市区町村名」「大字・町名」「字名・丁目」「地番及び家屋番号」を表示するように制御する。なお、これらの詳細については後述をするものとする。
【0035】
次に、
図1において示されるように、サーバ装置2は、登記関連情報記憶部R3と、マーカー配置情報保持部R4と、登記申請情報取得部RAと、登記情報取得部RIと、登記変化判定部VFと、登記関連情報取得部IGと、登記関連情報更新部IRとを含んで構成される。
【0036】
サーバ装置2は、携帯端末装置3から送信される不動産マーカー配置情報をマーカー配置情報保持部R4にて保持し、1または複数の営業要員が配置・設定をした不動産マーカーを一元的に管理するものとなっている。またサーバ装置2は、登記情報記憶部R2から登記情報を取得する等により、マーカー配置情報保持部R4にて保持された各不動産マーカーに対応する登記関連情報を生成・記憶し、携帯端末装置3へと出力するものとなっている。また、生成・記憶された登記関連情報は、登記申請情報に基づいて更新されて、その更新を契機としても携帯端末装置3に出力されるものとなっている。
【0037】
登記関連情報取得部IGは、第1取得部IG1と第2取得部IG2と地番等取得部IG3を含んで構成される。
【0038】
まず、地番等取得部IG3は、不動産マーカー配置情報に含まれる位置情報(住所)を、登記簿に記載される物件の所在・地番(家屋番号)の情報に対応する物件特定情報に変換する。そして次に、第1取得部IG1は、携帯端末装置3から受信をした不動産マーカー配置情報に対応する登記関連情報を、地番等取得部IG3によって変換された物件特定情報をキーとして、登記関連情報記憶部R3から検索をすることにより抽出をする。この際、登記関連情報記憶部R3において、不動産マーカー配置情報に対応する登記関連情報が存在しない場合には、第1取得部IG1は、登記情報取得部RIに外部の登記情報記憶部R2にアクセスさせて物件特定情報に基づいて登記情報を取得し、さらに取得された登記情報から登記関連情報を生成(取得)して登記情報記憶部R3に記憶させる。なお、地番等取得部IG3における変換処理としては、例えば、サーバ装置2が別途保有する住所と物件特定情報とを関連づけたデータベースを用いることにより実行するようにしてもよいし、外部のデータベースにアクセスすることにより実行するようにしてもよい。
【0039】
また、第2取得部IG2は、不動産マーカー配置情報に対応して記録された登記関連情報が、登記申請情報取得部RAによって取得される登記申請情報に基づいて更新される場合に、更新された登記関連情報を取得するものとなっている。サーバ装置2は、第1取得部IG1や第2取得部IG2によって取得された登記関連情報を、携帯端末装置3に出力するように制御する。
【0040】
なお、本実施形態の不動産情報表示システム1が、複数の携帯端末装置3を含んで構成される場合には、不動産マーカーを配置した操作者の携帯端末装置3のみならず、各携帯端末装置3に登記関連情報を出力するようにして、不動産マーカーとそれに対応する登記関連情報を各営業要員にて共有するようにしてもよい。また、不動産マーカー配置情報に含まれる携帯端末装置3の識別情報に基づいて、不動産マーカーを配置した操作者の携帯端末装置3のみに登記関連情報を出力するようにしてもよい。
【0041】
登記申請情報取得部RAは、外部のネットワークを介して定期的に(例えば、1ヶ月毎に)登記申請情報記憶部R1にアクセスして、登記申請情報を取得する機能ブロックとなっている。本実施形態における登記申請情報取得部RAは、登記申請情報記憶部R1にて検索をすることにより、登記関連情報記憶部R3に記憶された各不動産に対応する登記申請情報を抽出する。
【0042】
具体的には、登記関連情報記憶部R3に記憶される各レコード(登記関連情報)は、不動産を特定するための物件特定情報を含んで構成されており、この物件特定情報をキーとして、登記申請情報記憶部R1に前回アクセスした日付から今回アクセスした日付までの受付年月日に対応する登記申請情報を検索して取得をするようになっている。
【0043】
図4は、第1の実施形態における登記申請情報取得部RAによって取得される登記申請情報の例を示す図となっており、登記申請情報記憶部R1に記録される登記申請情報も同様である。以下においては、同図を用いて登記申請情報を説明するものとする。
【0044】
図4において示されるように、登記申請情報の1レコードは、その登記申請が行われた受付年月日、その申請を特定する受付番号、登記の目的、用途のほかに、登記申請された対象物件を特定するための情報(物件特定情報)としての都道府県名、市区町村名、大字・町名、地番及び家屋番号を含んで構成されるものとなっており、登記申請情報は、登記の申請があったことを示すものとなっている。また、登記申請が行われた不動産が存在する位置は、物件特定情報によって特定されることとなる。また地番および家屋番号については、登記申請の対象物件が「土地」の場合には「地番」であり、「建物」や「区分建物」の場合には「家屋番号」となる。また、
図4における受付番号が第98230号の「家屋番号」は、親番「150」と、枝番「1」と、部屋番号「3006」を含んで構成されるものとなっている。また、「家屋番号」には、枝番が含まれないものが存在することがある。
【0045】
また
図4において、「用途」のフィールドにおける「区建」とは、独立して住居等の用途に供することができる構造上区分された数個の部分(専有部分)を有した区分建物のことをいい、例えば、マンションやアパートのような土地に定着した集合住宅がこれに該当する。また、「建物」とは、区分建物ではない家屋を示す建造物のことをいう。
【0046】
また、「登記の目的」のフィールドにおける「所有権の移転(売買)」は、所有権の移転かつ売買を示す情報に対応しており、「所有権の移転(相続)」は、所有権の移転かつ相続を示す情報に対応している。
【0047】
また
図4における受付番号第98226号と第98227号は、物件特定情報に含まれる不動産の位置を示す情報が同一となる「土地」と「建物」の所有権が同時に移転されたことが読み取れる登記申請情報となっており、受付番号第98228号と第98229号は、建物が取り壊されて更地となった状態の土地の所有権が移転されたことを読み取ることが出来る登記申請情報となっている。またさらに、受付番号第98230号の登記申請情報は、区分建物(例えば、マンションの一室)の所有権が相続によって移転されたことを読み取れるものとなっており、受付番号第98232号の登記申請情報は、土地の所有権が相続によって移転されたことを、受付番号第98233号と第98234号の登記申請情報は、土地と建物の所有権が相続によって同時に移転されたことを読み取ることが出来るものとなっている。
【0048】
登記変化判定部VFは、登記申請情報取得部RAが取得をした登記申請情報、あるいは、登記情報取得部RIが取得した登記情報に基づいて、所定の条件を満たす変化が登記情報に生じているか否かを判定する。本実施形態における登記変化判定部VFは、具体的には、登記申請情報に含まれる物件特定情報によって特定される不動産の所有者が、登記申請情報における「登記の目的」の内容から変化しているか否かを判定するものであり、登記の目的が「所有権の移転(売買)」や「所有権の移転(相続)」等となっている場合に、所定の条件を満たす変化が生じているものと判定する。
【0049】
登記情報取得部RIは、本実施形態では、登記変化判定部VFによって不動産の所有者が変化していると判定された場合に、登記情報記憶部R2にアクセスをして登記情報を取得する。また、上述したように、登記情報取得部RIは、不動産マーカー配置情報に対応する登記関連情報が登記関連情報記憶部R3において存在しない場合にも登記情報を取得する。
【0050】
登記情報取得部RIによって取得される登記情報は、一般的に、「表示部」と、「権利部(甲区)(所有権に関する事項)」と、「権利部(乙区)(所有権以外の権利に関する事項)」、「共同担保目録」といった内容の情報を含んで構成され、登記情報取得部RIは、登記情報記憶部R2からPDF形式のファイルにて取得してテキスト化処理を施すものとなっている。
【0051】
登記関連情報更新部IRは、登記変化判定手段VFによって登記情報に前記所定の条件を満たす変化が生じていると判定される場合に取得される登記情報に基づいて、当該登記情報に対応する登記関連情報記憶部R3に記憶された登記関連情報を更新する。具体的には、登記情報取得部RIによって取得された登記情報の「権利部(甲区)(所有権に関する事項)」から、最新の所有者情報(所有者の名称を示す情報と、その住所又は居所を示す情報等)や受付年月日等を抽出し、当該登記情報と物件特定情報が共通となる登記関連情報におけるフィールドの内容を更新する。
【0052】
図5は、サーバ装置2の登記関連情報記録部R3に記録される登記関連情報の一例を示す図であり、携帯端末装置3に送信される登記関連情報も同様のものとなっている。
【0053】
同図で示されるように、登記関連情報記憶部R3における登記関連情報の各レコードは、物件特定情報と、用途を示す情報と、登記申請を受付けた受付年月日を示す情報と、登記の目的を示す情報と、その所有者の名称や所有者の住所等の情報とが関連づけられている。登記関連情報更新部IRは、所定の条件を満たす変化が生じた登記情報における物件特定情報をキーとして登記関連情報記憶部R3を検索し、物件特定情報が合致するレコードを、所定の条件を満たす変化が生じて新たに取得された登記情報の内容に基づいて更新する。なお、「*」印は、表記を省略しているに過ぎず、同一の文字や数字に対応することを意味するものではない。
【0054】
なお、登記申請情報記憶部R1は、ハードディスク等によって構成されて、複数の登記申請情報を記憶するものとなっており、例えば、法務局から紙媒体ベースで登記申請情報の記載された不動産登記受付簿が取得され、これらの記載内容をデータ化して蓄積することによって登記申請情報記憶部RMを構成することができる。
【0055】
なお、登記情報記憶部R2は、例えば、財団法人民事法務協会によるインターネット登記情報提供サービスを利用して実現することが出来る。登記情報記憶部R2およびサーバ装置2は、インターネットを介して情報通信をし、登記情報記憶部R2は、サーバ装置2から要求された登記情報を送信する。
【0056】
次に
図6を用いて、本実施形態の携帯端末装置3の表示手段にて、不動産マーカーに対応する登記関連情報が表示される様子を説明する。操作者が、ディスプレイの中央下部の「空」の不動産マーカーをタッチすると、同図で示されるように登記関連情報のポップアップと、各所有者の住所の位置関係を示すポップアップとが立ち上がるようになっている。
【0057】
登記関連情報のポップアップでは、中央下部の「空」の不動産マーカーの物件特定情報と、当該物件における1又は複数の所有者の名称とその住所が、文字情報にて表示されるようになっている。また、各所有者の住所のポップアップでは、当該物件における1又は複数の所有者の住所等に対応する位置に、バルーン形状の所有者マーカーが配置されるものとなっている。なお、各所有者の住所のポップアップにて表示される地図上では、
図6のように不動産マーカーの表示が省略されていてもよいし、省略されていなくてもよい。
【0058】
すなわち所有者マーカーは、不動産マーカーが配置された物件の所有者の住所又は居所を示す目印・ポインタとなっており、所有者名称や、所有者の住所または居所に関連付けられるものとなっている。
【0059】
図6のようにして、不動産マーカーが配置された物件の所有者の住所等が表示されることで、営業要員による見込み客へのアプローチが効率化されることとなる。また、例えば、物件の全ての所有者が遠方に居住しているような場合であれば、当該物件の管理・活用・処分(以下、「管理等」ともいうものとする)の潜在的なニーズが想定され、このようなケースは、物件の管理等を提案する不動産営業の機会として好適であり、営業要員による提案内容を洗練させることもできることとなる。本実施形態の不動産情報表示システム1を用いることにより、不動産マーカーが配置された物件の所有者の住所等が表示され、これにより、営業要員が上記のようなニーズを視覚的に把握することができて効率的な営業をすることができることとなる。
【0060】
なお、所有者マーカーとしては、不動産マーカーが配置されている地図とは別の地図を表示するブラウザウィンドウ等にて配置されるようになっていてもよいし、不動産マーカーが配置される地図と同一の地図上に配置されるようになっていてもよい。
【0061】
次に、
図7〜
図9を用いて、本実施形態の不動産情報表示システム1が実行する処理のフローについて説明をする。本実施形態の不動産情報表示システム1では、サーバ装置2および携帯端末装置3の記憶領域において保持されたプログラムによって下記の処理が実行されるようになっている。
【0062】
図7(a)は、不動産情報表示システム1の携帯端末装置3において、不動産マーカーを配置する処理のフローを示しており、
図7(b)は、サーバ装置2から登記関連情報を受信した携帯端末装置3の処理のフローを示すものとなっている。また、
図8は、不動産マーカー配置情報を受信したサーバ装置2における処理のフローを示すものとなっており、以下の説明では、
図7(a)、
図8、
図7(b)の順番に説明をするものとする。
【0063】
まず
図7(a)に示されるように、S101では、不動産情報表示システム1の携帯端末装置3は、地図表示部GMによって表示された地図上にて不動産マーカーの配置操作が入力されたか否かを検出する。そして、配置操作が検出された場合(YESの場合)には、S102に進んで、その配置箇所に対応する位置情報を取得する。本実施形態においては、位置情報の取得は、地図表示部GMによって用いられた地図データに含まれる住所を示す情報となっている。
【0064】
S103では、携帯端末装置3は、付属情報入力ウィンドウを表示するように制御し(
図3参照)、さらにS104では、付属情報入力ウィンドウにて適正な入力操作が行われたか否かを判断する。そして、適正な入力操作がなされた場合(S104においてYESの場合)には、S105に進んで、不動産マーカー配置情報を生成してサーバ装置2へと送信する。
【0065】
次に
図8にて示されるように、S201において、サーバ装置2が不動産マーカー配置情報を受信すると、S202に進んで、当該不動産マーカー配置情報に対応する不動産の登記関連情報を、サーバ装置2の登記関連情報記憶部R3において保持ししているか否かを判定する。
【0066】
登記関連情報記憶部R3において、不動産マーカー配置情報に対応する不動産の登記関連情報が存在する場合(YESの場合)には、S203に進んで、登記関連情報記憶部R3から登記関連情報を取得し、携帯端末装置3へと送信する(S204)。また、登記関連情報記憶部R3において、不動産マーカー配置情報に対応する不動産の登記関連情報が存在しない場合(NOの場合)には、S205に進んで登記情報記憶部R2から登記情報を取得し、さらに、S206に進んで、取得された登記情報から登記関連情報を生成して、登記関連情報記憶部R3に新たなレコードとして記録する。また、S206にて新たに生成された登記関連情報は、S204により、携帯端末装置3へと送信する。
【0067】
なお、S202の処理では、不動産マーカー配置情報に含まれる位置情報を、登記簿に記載される物件特定情報に変換し、この物件特定情報をキーとして登記関連情報記憶部R3を検索し、不動産マーカー配置情報に対応する登記関連情報の有無を判定する。また、登記関連情報記憶部R3における各レコードにて、住所に対応する位置情報が含まれるようにしても良いし、携帯端末装置3から送信される不動産マーカー配置情報に含まれる位置情報が、登記簿に記載される物件特定情報となるようにしてもよい。
【0068】
そして
図7(b)で示されるように、S301では、サーバ装置2から送信された登記関連情報を携帯端末装置3にて受信をする。登記関連情報が受信されると、携帯端末装置3では、不動産マーカーや不動産マーカー配置情報と関連づけて登記関連情報を保持するようにし、地図表示部GMによって表示された地図上の不動産マーカーを操作者が選択することで、関連づけられている登記関連情報を表示するように制御する(S302、S303)。具体的には、操作者が不動産マーカーを選択すると、
図6のようにして、所有者情報を含む登記関連情報が表示されるようになっている。
【0069】
図9は、本実施形態の不動産情報表示システム1における登記関連情報の更新処理について説明をするためのフローである。
【0070】
まずサーバ装置2は、登記申請情報記憶部R1にアクセスをして、登記関連情報に対応する登記申請情報を取得する(S401)。S401においては、登記関連情報記憶部R3に記憶された登記関連情報に対応する登記申請情報であって、前回アクセスした日付から今回アクセスした日付までの受付年月日となるものを検索し、登記申請情報記憶部R1から抽出することで取得をする。
【0071】
そしてS402においては、S401で取得された登記申請情報のそれぞれにつき、所有者等の登記変化が生じたか否かを、登記申請情報における登記の目的のフィールドに格納された情報から判断し、当該変化が生じたと判断される登記申請情報を特定する。S403では、S402にて特定をした登記申請情報に対応する登記情報を、登記情報記憶部R2にアクセスすることにより取得し、S404では、S403で取得された登記情報から登記関連情報を生成することにより、登記関連情報記憶部R3に記憶された登記関連情報を更新する。
【0072】
なお、S401において登記申請情報が取得される場合に、登記情報取得部RIが、当該登記申請情報に対応する登記情報を登記情報記憶部R2から一律に取得し、さらに、登記変化判定部VFが、一律に取得された登記情報のそれぞれについて所定の条件を満たす登記変化が生じているか否かを判定するようにしてもよい。また、このような場合において、所定の条件を満たす登記変化が登記情報に生じている場合に、当該登記情報に対応する登記関連情報を更新するように制御する。
【0073】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態にかかる不動産情報表示システム1について説明をする。
図10は、第2の実施形態に係る不動産情報表示システム1の機能的構成を示す図であり、
図11は、第2の実施形態に係る不動産情報表示システム1において、不動産マーカーが配置された不動産の所有者が所有する他の不動産を表示する様子を示す図である。
【0074】
図10で示されるように、第2の実施形態における携帯端末装置3は、所有者不動産検索受付け部PAと、所有者不動産表示部PDをさらに含んで構成され、サーバ装置2は、所有者不動産検索部PSをさらに含んで構成される。第2の実施形態の不動産情報表示システム1では、例えば、第1の実施形態における携帯端末装置3の
図6の表示画面において、所有者1〜所有者3のそれぞれに対応するボタンがさらに表示されて、いずれかの所有者を選択することができるようになっており、当該ボタンを押下することで、選択された所有者が所有する他の不動産を表示することができるようになっている。
【0075】
所有者不動産検索受付け部PAは、不動産マーカーに対応する不動産における1又は複数の所有者のいずれかが選択されることにより、当該選択された所有者の名称、および、住所又は居所を示す情報(すなわち所有者情報)をキーとして、サーバ装置2にて登記関連情報記憶部R3の検索を行う旨の検索指示を受け付けるように制御する。また、所有者不動産検索受付け部PAは、操作者による所有者の選択に基づいて、所有者不動産を検索する旨の指示に所有者情報を関連づけて、送信手段TRを介してサーバ装置2に送信するように制御する。なお、所有者不動産検索受付け部PAとしては、上述のように、所有者に対応するボタンを介して所有者の選択を受付けるようにしてもよいし、例えば、所有者情報が表示されている領域にてタッチ操作を入力することにより所有者の選択を受付けるようにしてもよい。
【0076】
所有者不動産検索部PSは、携帯端末装置3からの検索指示に基づいて、登記関連情報記憶部R3の検索を行う。この際、所有者不動産検索部PSは、所有者の名称が記載されたフィールド、および、所有者の住所が記載されたフィールドの内容が、検索指示に結び付けられて送信された所有者情報と合致するか否かを判断することにより、不動産マーカーに対応する不動産とは別に所有される不動産の検索をする処理を実行する。
【0077】
所有者不動産表示部PDは、所有者不動産検索部PSによって検索された所有者情報が合致する不動産の検索結果を取得し、携帯端末装置3の表示手段にて表示するように制御する。
【0078】
具体的には、
図11で示されるように、不動産マーカーが配置された不動産の所有者が所有する不動産が表示されるようになっており、所有者不動産表示部PDとしては、まず、ブラウザウィンドウを立ち上げつつ当該所有者が所有する各不動産の物件特定情報を表示する。
図11の例では、所有者1は、不動産マーカーが配置された不動産とは別に、3箇所の土地と、その3箇所の土地に建築された家屋を含めて6つの不動産の所有者となっており、所有者1が所有する各不動産の情報がブラウザウィンドウ内に表示される(
図11のブラウザウィンドウ内には3つの不動産のみが表示されている)。なお、ブラウザウィンドウ内に表示される各不動産の情報としては、住所等の情報が含められるようにしてもよい。また、さらに所有者不動産表示部PDは、各不動産の物件特定情報(あるいは住所)に対応して、地図上にバルーン形状の所有者不動産マーカー(
図11の「1」のバルーン)を表示するように制御する。
図11においては、不動産マーカーが配置された不動産とは別に、所有者1が所有する不動産に対応する3つの箇所に対応して所有者不動産マーカーが配置されている。なお、所有者不動産マーカーとしては、不動産マーカー配置部MKによって不動産マーカーが配置される地図と同一の地図上に配置されてもよいし、不動産マーカーが配置される地図とは異なる地図上に配置されてもよい。また、「土地」の不動産に対応する所有者不動産マーカーと、「家屋」の不動産に対応する所有者不動産マーカーとが別々に配置されてもよい。
【0079】
以上のように、第2の実施形態における不動産情報表示システム1は、不動産マーカーが操作者によって配置された不動産の所有者をキーとして、さらに、登記関連情報記憶部R3の検索を実行するものとなっており、これにより、不動産マーカーが配置された不動産の所有者が所有する他の物件についての情報が得られるものとなっている。不動産情報表示システム1がこのような機能を備えていることで、営業の対象となる見込み客の更なる情報を効率的に仕入れることが出来、見込み客のニーズに合致した管理等の提案が可能となって利便性が向上することとなる。
【0080】
図12は、第2の実施形態の不動産情報表示システム1における所有者不動産検索処理のフローを示す図である。同図で示されるように、まず、携帯端末装置3は、登記関連情報の結果として表示された不動産の所有者の選択を受付ける(S501)。所有者の選択が為されると(YESの場合)、携帯端末装置3はその旨をサーバ装置2へと送信し、サーバ装置2は、S501にて選択された所有者の名称・住所等をキーとして登記関連情報記憶部R3を検索する処理を実行する(S502)。そして、S502における検索結果は、サーバ装置2から携帯端末装置3へと送信されて、
図11で示されたように、不動産マーカーに対応する不動産の所有者が、当該不動産マーカーに対応する不動産以外で所有する不動産を表示する(S503)。
【0081】
なお、上述した各実施形態の不動産情報表示システム1においては、例えば、登記申請情報記憶部R1や、登記情報記憶部R2は、サーバ装置2にて構築されてもよいし別のサーバにて構築されてもよい。また、不動産情報表示システム1としては、携帯端末装置3を含まないようにし、
図1等における携帯端末装置3の各機能を、サーバ装置2を兼ねたデスクトップ型のコンピュータにて備えるようにしてもよく、地図表示手段GMや不動産マーカー配置手段MK、登記関連情報表示手段DRが当該デスクトップ型のコンピュータによって構成されるようにしてもよい。また、携帯端末装置3としては、タッチパネルが採用されておらずともよいし、例えば、可搬型のノート型パソコン等によって構成されていてもよい。
【0082】
なお、
図2においては、不動産マーカーの他に丸型のオブジェクトが配置されているが、当該丸型のオブジェクトをクリックすることにより、その箇所に対応する公図を確認することができるようにしてもよい。このような場合には、携帯端末装置3の所有者としては、不動産マーカーを配置する対象の不動産等の物件特定情報を迅速に確認することが出来るようになる。また、上記の各実施形態では、不動産マーカー配置情報に含まれる位置情報が住所に対応する情報となっているが、操作者による物件特定情報の入力を受け付けて位置情報とするようにしてもよい。
【0083】
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能であり、各実施形態を適宜組み合わせた構成としてもよいことは言うまでもない。