(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記芯層を形成しているポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン系樹脂であり、前記被覆層を形成しているポリエチレン系樹脂がメタロセン重合触媒存在下に重合して得られた直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂であり、前記占有面積率が60%以上である請求項1又は2に記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体製車両用内装材。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体製車両用内装材は、ポリオレフィン系樹脂から形成される発泡状態の芯層と、該芯層を被覆するポリエチレン系樹脂から形成される被覆層とから構成されているポリオレフィン系樹脂発泡粒子(以下単に「発泡粒子」という場合がある。)を型内成形してなる発泡粒子成形体製の車両用内装材であって、前記芯層を形成しているポリオレフィン系樹脂の曲げ弾性率が600〜1600MPaであり、前記発泡粒子成形体の表面における前記発泡粒子の被覆層成分による占有面積率が50%以上であり、発泡粒子成形体の50%圧縮応力が0.10〜0.55MPaであることを特徴とする。
【0013】
本発明において、車両用内装材の車両には、自動車、鉄道車両等が含まれる。
また、本発明において内装材とは、自動車用内装材としては、ツールボックス、ラゲッジボックスなど車載容器、フロアスペーサ、ティビアパッドなどのフロア材、その他、ドアトリム、ヘッドライナ、アームレスト、各種ピラー、シートバック、ヘッドレスト、シート嵩上げ材、側突パッド、コンソールボックス、コンソールリッド、パーティションボード、トランクリッドなどが含まれ、鉄道車両では、ドア、シートおよび天井の部材などが含まれる。
【0014】
本発明において、芯層に用いられるポリオレフィン系樹脂とは、次の(a)〜(e)のいずれかに該当する樹脂を意味する。(a):エチレンや、プロピレン、1−ブテン等のα−オレフィン(以下、これらを総称して単にオレフィンという)の単独重合体。(b):2種以上のオレフィンから選ばれる共重合体。(c):上記オレフィン成分とスチレンなどの他のモノマー成分とからなる共重合体であって、かつ共重合体のオレフィン成分単位が15重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の共重合体。(d):上記(a)、(b)及び(c)の群から選ばれる2種以上の混合樹脂組成物。(e):上記(a)、(b)、(c)及び(d)の群から選ばれる1種又は2種以上と、上記(a)、(b)、(c)及び(d)とは異なる他の重合体との混合樹脂組成物であって、該組成物中のオレフィン系樹脂成分が15重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の混合樹脂組成物。
【0015】
また、本発明においてポリプロピレン系樹脂とは、次の(f)〜(i)のいずれかに該当する樹脂を意味する。(f):プロピレン単独重合体。(g):プロピレンと他のモノマーとからなる共重合体であって、かつプロピレン成分が15重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上で、特に好ましくは90重量%以上である共重合体。(h):上記(f)および(g)の群から選ばれる2種以上の混合樹脂組成物。(i):上記(f)、(g)および(h)の群から選ばれる1種又は2種以上と、上記(f)、(g)又は(h)とは異なる他の重合体との混合樹脂組成物であって、該混合樹脂組成物中のポリプロピレン系樹脂成分が15重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である混合樹脂組成物。
【0016】
前記(a)は具体的には、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂等であり、(b)は具体的には、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体であり、これら共重合体はブロック共重合体、ランダム共重合体いずれでもよい。
【0017】
前記の(e)または(i)における他の重合体は、例えば、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−アクリルゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンエラストマー、スチレン−イソプレン−スチレンエラストマー、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンエラストマー、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンエラストマー等が例示される。
【0018】
本発明の芯層を構成するポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂などが挙げられるが、耐熱性と機械的物性のバランスに優れることから、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体が好ましく、これら共重合体はブロック共重合体、ランダム共重合体いずれでもよい。
また、芯層を構成するポリオレフィン系樹脂には、曲げ弾性率が600〜1600MPaであり、800〜1600MPaが好ましく、900〜1400MPaが更に好ましい。該樹脂の曲げ弾性率は、JIS K 7171(2008)に基づき、射出成形にて試験片(試験片寸法;長さ80mm、幅10mm、厚さ4mm)を作製して、求めることができる。
【0019】
本発明において前記ポリプロピレン系樹脂を使用する場合には、重合する際に用いる重合触媒は特に限定されるものではなく、重合触媒としての性能を有した有機金属錯体を用いることができる。一般的にはチーグラー・ナッタ系触媒といわれるチタン、アルミニウム、マグネシウムなどを核元素とし、一部または全部をアルキル基で修飾した有機金属錯体、及びメタロセン系触媒または均一系触媒といわれるジルコニウム、チタン、トリウム、ルテチウム、ランタン、鉄などの遷移金属または硼素を核元素とし、シクロペンタン環などで修飾した有機金属錯体単体、或いは前記有機金属錯体とメチルアルモキサンとの併用系などを使用することができる。
【0020】
ポリプロピレン系樹脂の中でも、メタロセン系重合触媒により重合されたポリプロピレン系樹脂(以下、mPPという。)が特に好ましく、mPPは、一般的なチーグラー・ナッタ系触媒により重合されたポリプロピレン系樹脂(以下、zPP)と比べると、同融点のポリプロピレン系樹脂同士を比較した場合に機械的強度が高く、得られる発泡粒子が機械的強度に優れたものになる。
【0021】
前記芯層を構成する結晶性ポリオレフィン系樹脂としては、型内成形の熱加工性と耐熱性を両立させるという観点から、融点(Tm)が120℃〜165℃のものが好ましく、130℃〜150℃のものがより好ましい。
【0022】
上記融点(Tm)は、JIS K7121(1987)に記載の「一定の熱処理を行った後、融解温度を測定する場合」を採用し(試験片の状態調節における加熱速度及び冷却速度はいずれも10℃/分とする。)、DSC装置により加熱速度10℃/分で昇温してDSC曲線を描かせた際に、該DSC曲線上の樹脂の融解に伴う吸熱ピークの頂点温度として求められる値である。なお、DSC曲線上に複数の吸熱ピークが存在する場合には、吸熱ピークの面積が最も広い吸熱ピークの頂点を融点とする。測定装置としては、例えば、ティー・エイ・インスツルメント社製DSCQ1000などを使用することができる。
【0023】
また本発明において被覆層を構成するポリエチレン系樹脂は、樹脂中のエチレン成分単位が50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である樹脂をいい、エチレンの単独重合体、又はエチレンと炭素数3〜6のα−オレフィンとの共重合体が好ましく用いられる。より具体的には、例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、さらにこれらの2種以上の混合樹脂が挙げられる。
これらの中では、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂が好ましい。さらに、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂の中では、発泡粒子の型内成形時の発泡粒子相互の融着性や発泡粒子成形体の擦れ音防止性能に特に優れる観点などから、メタロセン系重合触媒を使用して重合された直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(以下、mLLDPEという。)が好ましい。
【0024】
本発明においては、前記のとおり融点が好ましくは120℃〜165℃、より好ましくは140℃以上であるポリプロピレン系樹脂からなる発泡状態の芯層と、融点が概ね140℃以下、好ましくは90℃〜130℃、より好ましくは95℃〜125℃であるポリエチレン系樹脂を被覆層とする組合せが特に望ましい。また、この場合、芯層のポリプロピレン系樹脂の融点よりも被覆層のポリエチレン系樹脂の融点の方が低いことが好ましく、更に該ポリエチレン系樹脂は該ポリプロピレン系樹脂よりも融点が15℃以上低いことが好ましい。
また、この場合においても被覆層を形成するポリエチレン系樹脂としては、mLLDPEが好ましい。通常、ポリエチレン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂とは熱接着しにくい傾向にあるが、mLLDPEの場合には、ポリプロピレン系樹脂との熱接着性にすぐれている。そのため、複合構造を有する発泡粒子を製造する際に、芯層と被覆層との間で剥離し難いという効果をもたらす。これらの理由は定かではないが、メタロセン系重合触媒による重合体の分子量分布の幅が狭いこと、特に低分子量成分を含有しないか又は含有しても極微量であることに起因しているものと推測される。なお、mLLDPEの密度は、通常、0.880〜0.935g/cm
3の範囲のものであり、0.890〜0.920g/cm
3の範囲のものが好ましい。
【0025】
本発明の車両用内装材に用いられる発泡粒子を構成する樹脂粒子は、上記のポリオレフィン系樹脂からなる芯層と、ポリエチレン系樹脂からなる被覆層の重量比率を、芯層による高い機械的物性と被覆層による耐擦れ性、摩擦性及び前記融着性とのバランスの観点から、97:3〜75:25、更に95:5〜80:20、更に93:7〜83:17とすることが好ましい。なお、該発泡粒子は、本発明の目的、効果が達成できる範囲において、例えば、芯層と被覆層との間に中間層を有していてもよいが、発泡粒子は被覆層の厚みを調整する観点から単純に芯層と被覆層とからなることが好ましい。また、芯層を被覆する被覆層は、芯層の周囲全面を覆っていなくてもよく、例えば、被覆層が縞状に芯層を被覆するものであってもよい。
上記のポリオレフィン系樹脂からなる芯層と、ポリエチレン系樹脂からなる被覆層の重量比率は、発泡粒子を得るための芯層及び被覆層からなる樹脂粒子を後述する方法にて製造する際の各々の層を形成する樹脂の共押出成形時の吐出量にて調整できる。また、発泡粒子からポリオレフィン系樹脂からなる芯層と、ポリエチレン系樹脂からなる被覆層の重量比率を求めるためには、各々の層を形成している樹脂の密度と各々の層の樹脂体積との積から各々の層の重量を求めることにより算出できる。
【0026】
芯層を構成するポリオレフィン系樹脂或いは被覆層を構成するポリエチレン系樹脂には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、難燃剤、金属不活性剤、顔料、染料、核剤、あるいは気泡調整剤等の慣用されている添加剤を添加することができる。
また、上記の添加剤は、被覆層に添加することが、添加量と機能発現性の観点から効率的であり、低コスト化を図ることができる。
【0027】
本発明の車両用内装材は、上記の特定の原料を用いた芯層及び被覆層からなる樹脂粒子(以下、「複層樹脂粒子」ということがある。)の造粒工程、発泡工程、養生工程を経て得られた、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を、内装材に対応する所定の金型に充填して型内成形して得られる。
【0028】
本発明の芯層と被覆層とからなる複層樹脂粒子は、それ自体公知の方法、例えば、特公昭41−16125号公報、特公昭43−23858号公報、特公昭44−29522号公報、特開昭60−185816号公報等に記載された共押出法により製造することができる。一般的には、芯層形成用押出機と被覆層形成用押出機を用い、共押出ダイに連結する。芯層形成用押出機で所要の樹脂成分と、必要に応じて添加剤とを溶融混練すると共に、被覆層形成用押出機においても所要の樹脂成分と、必要に応じて添加剤とを溶融混練する。それぞれの溶融混練物を前記ダイ内で合流させて円柱状の芯層と、芯層の外側表面を被覆する被覆層とからなる複層構造として、押出機先端のダイ出口に付設された口金の細孔からストランド状に押出し、ペレタイザーで樹脂粒子の重量が所定重量となるように切断することにより複層樹脂粒子が製造される。
【0029】
本発明において用いる複層樹脂粒子の外形形状としては、例えば、円柱状、ラグビーボール状、球状などが挙げられる。かかる複層樹脂粒子を発泡して得られる発泡粒子は、発泡前の樹脂粒子形状に応じて外形形状が略円柱状、略ラグビーボール状、略球状となる。なお、発泡粒子の外形形状は所期の目的を達成する上で略円柱状であることが好ましい。発泡粒子の形状は、更に優れた擦れ音や軋み音の低減効果や消音効果が期待できる観点から、上記形状のものに貫通口を有する筒形状のものであることが好ましい。したがって、発泡粒子の形状は、貫通孔を有する略円筒状のであることが特に好ましい。
【0030】
複層樹脂粒子の1個当たりの平均重量は0.05〜10.0mg、特に0.5〜5.0mgであることが好ましい。なお、発泡粒子の平均重量は、発泡粒子を得るための樹脂粒子の1個当たりの平均重量を目的とする発泡粒子の1個当たりの平均重量に合わせることにより調整することができる。樹脂粒子の1個当たりの平均重量が上記範囲内であることにより取扱性、生産性、発泡効率において優れたものとなる。前記理由に加えて優れた型内成形性の観点からも、発泡粒子の1個当たりの平均重量も、0.05〜10.0mg、特に0.5〜5.0mgであることが好ましい。
【0031】
本発明の車両用内装材に用いられるポリオレフィン系発泡粒子は、前記の芯層と被覆層とからなる複層樹脂粒子を、加圧可能な密閉容器(例えばオートクレーブ)中で水性媒体(通常は水)中に分散させ、所望により分散剤を添加し、所要量の発泡剤を圧入し、加温下で撹拌して樹脂粒子に発泡剤を含浸させた後、加圧容器中から水性媒体と共に内容物を容器内圧よりも低圧域(大気圧下)に放出して発泡させることにより製造される(この方法を、以下、分散媒放出発泡方法という)。この放出時に容器内に背圧をかけて放出することが好ましい。
【0032】
また、特に高発泡倍率の発泡粒子を得るに際しては、上記の方法で得られた発泡粒子を通常行われる大気圧下での養生した後、加圧可能な密閉容器に充填し、空気などの不活性気体により加圧処理して発泡粒子の内圧を高める操作を行った後、該発泡粒子を該容器内から取り出し、スチームや熱風を用いて加熱することにより、高い発泡倍率の発泡粒子を得ることができる(これを以下二段発泡という)。
【0033】
本発明において発泡剤は物理発泡剤が用いられ、特に制限されないが、例えば、n−ブタン、i−ブタンおよびこれらの混合物、n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、トリクロロフルオロメタン、ジクロロフルオロメタン、テトラクロロジフルオロエタン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素等の有機系物理発泡剤、二酸化炭素、窒素、空気、水等の無機系物理発泡剤を、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
これらの発泡剤のうち、二酸化炭素、窒素、空気等の無機系物理発泡剤を主成分とする発泡剤を用いることが好ましく、より好ましくは二酸化炭素が用いられる。本発明において、上記無機系物理発泡剤を主成分とするとは、全物理発泡剤100モル中に無機系物理発泡剤が50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上含有していることを意味する。
その他の有機系物理発泡剤を使用する場合には、ポリオレフィン系樹脂との相溶性、発泡性の観点から、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタンを使用することが好ましい。
【0034】
上記の物理発泡剤の添加量は、ポリオレフィン系樹脂の種類や発泡剤の種類、目的とする発泡粒子の見かけ密度等に応じて適宜選択されるもので一概には特定することは難しいが、例えば、物理発泡剤として二酸化炭素を用いた場合、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜15重量部、より好ましくは1〜10重量部が使用される。
【0035】
また分散剤としては、酸化アルミニウム、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、酸化亜鉛、カオリン、マイカなどの水に難溶性の無機物質、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルセルロースなどの水溶性高分子系保護コロイド剤等が挙げられる。またドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤などを使用することができる。
【0036】
上記分散媒放出発泡方法における温度条件としては、複層樹脂粒子を水性媒体に分散させて加熱する際に、芯層のポリオレフィン系樹脂の融解終了温度(Tce)以上とならないように昇温し、該樹脂の融点より20℃以上低い温度以上、融解終了温度(Tce)未満の範囲内の任意の温度(Ta)にて十分な時間、好ましくは10〜60分程度保持し、その後、融点より15℃低い温度から融解終了温度(Tce)+10℃の範囲の任意の温度(Tb)に加熱して複層樹脂粒子を密閉容器内から低圧下に放出して発泡させることが好ましい。通常、前記発泡工程における昇温速度は0.5〜5℃/分が採用される。
【0037】
なお、以上説明した樹脂粒子の発泡時の温度調整範囲は、発泡剤として無機系物理発泡剤を使用した場合の適切な温度範囲である。有機系物理発泡剤が併用された場合には、その種類や使用量に応じてその適切な温度範囲は上記温度範囲よりもそれぞれ低温側にシフトする傾向がある。
【0038】
上記の方法により得られる本発明の車両用内装材に用いられる発泡粒子は、微細な気泡を有する発泡状態の芯層部と、その表面に被覆層部が形成された複層構造を有する。該被覆層部は非発泡状態であることが好ましい。ここで、非発泡状態とは、層中に気泡が全く存在しない状態(一旦形成された気泡が溶融破壊されて気泡が消滅した状態も包含する)のみならず、ごく微小な気泡が僅かに存在する実質的に非発泡状態である場合も包含する。
【0039】
前記発泡粒子は見かけ密度は、通常15g/L〜300g/Lの範囲であり、得られる発泡粒子成形体の物性等の面から好ましくは20g/L〜150g/L、更に好ましくは25g/L〜130g/L、更に好ましくは30g/L〜100g/Lである。
前記発泡粒子の見かけ密度は下記により測定される。水を入れたメスシリンダー内に重量W(g)の発泡粒子群を、金網などを使用して沈め、水位の上昇分から発泡粒子群の体積V(L)を求め、発泡粒子群の重量を発泡粒子群の体積で除す(W/V)ことにより求められる。
【0040】
また、本発明の車両用内装材に用いられるポリオレフィン系発泡粒子は、外形形状が略円柱状の場合、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の長さLと直径Dとの比L/Dが1.2以上とすることが得られる発泡成形体の密度、物性、及び発泡成形体における被覆層成分による占有面積率を50%以上とする点から好ましい。また、L/Dの上限は、概ね4であり、好ましくは3であることが、発泡成形体の密度、物性を適切な範囲に維持する観点から好ましい。
なお、L/Dにおいて、Lは発泡粒子の最長部の長さ、DはL方向と垂直な断面における最大径Dmaxと最小径Dminの平均値であり、下記式にて計算される。
D=(Dmax+Dmin)/2
【0041】
L方向に垂直な断面形状は、円、楕円等の凹部のない閉じた曲線であり、DmaxおよびDminはL方向に沿って略一定の値をとることが好ましい。外形形状が円柱状の発泡粒子の具体例としては、真円柱形状や楕円柱形状が挙げられる。外形形状が略円柱状の発泡粒子のL/Dを1.2以上4以下とすることにより、型内成形時の発泡粒子の金型充填性も確保され、且つより多くの被覆層を成形体表面に出すことができるため好ましい。
【0042】
発泡粒子のL/Dを1.2以上4以下とするには、複層樹脂粒子から発泡粒子を製造する際の加熱処理により、複層樹脂粒子は残留歪の緩和を起こすため、延伸方向に収縮が発生することを考慮して調整される。従って、複層樹脂粒子製造に際しては、延伸方向の収縮を考慮に入れ、目的とするL/Dの発泡粒子が得られる複層樹脂粒子形状としておく必要がある。具体的には、目的とする発泡粒子のL/Dに対して、より大きなL/Dの複層樹脂粒子としておく必要がある。製造すべき複層樹脂粒子のL/Dは、使用するポリオレフィン系樹脂のMI、分子量分布、複層樹脂粒子製造の際の延伸度合い等によって異なり一概には規定できないが、概ね2〜8の範囲である。
【0043】
本発明の車両用内装材に用いられるポリオレフィン系発泡粒子の平均気泡径は、50〜900μmであることが、発泡粒子の2次発泡性、金型転写性などの観点から好ましい。更に、該平均気泡径は80μm以上であることが好ましく、より好ましくは100μm以上、150μm以上であることがさらに好ましい。一方、得られる発泡成形品の圧縮応力に対する強度、外観平滑性などの観点から該平均気泡径は500μm以下が好ましく、350μm以下がより好ましく、さらには250μm以下が好ましい。
【0044】
発泡粒子の平均気泡径の測定は、発泡粒子を二等分した断面を顕微鏡下にて断面全体が入るように拡大して断面を撮影する。撮影された写真上で断面が凡そ二等分となるように直線を引き、発泡粒子の周縁から対向する周縁までの線分の長さを該線分と交差する全ての気泡の数で除した値を一つの発泡粒子の平均気泡径とし、同様にして無作為に抽出した20個の発泡粒子について測定し、その相加平均値を発泡粒子の平均気泡径とする。
【0045】
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体製車両用内装材に用いられるポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体の製造方法は、それ自体公知の型内成形方法により製造することができる。
例えば、従来の発泡粒子を型内成形する一対の成形型を用い、大気圧下又は減圧下で発泡粒子を成形型キャビティ内に充填し、型閉めして成形型キャビティ体積を5〜50%減少するように圧縮し、ついで型内にスチーム等の熱媒を供給して加熱し、発泡粒子を加熱融着させるクラッキング成形法による方法(例えば、特公昭46−38359号公報)。
また、発泡粒子を空気等の加圧気体により予め加圧処理して発泡粒子内の圧力を高めて、発泡粒子の2次発泡性を高めて2次発泡性を維持しつつ、大気圧下又は減圧下で発泡粒子を成形型キャビティ内に充填し型閉めし、ついで型内にスチーム等の加熱媒体を供給して発泡粒子を加熱融着させる加圧成形法(例えば、特公昭51−22951号公報)などにより成形することができる。また、圧縮ガスにより大気圧以上に加圧したキャビティ内に、当該圧力以上に加圧した発泡粒子を充填した後、キャビティ内にスチーム等の加熱媒体を供給して発泡粒子を加熱融着させる圧縮充填成形法(例えば、特公平4−46217号公報)により成形することもできる。その他に、2次発泡性の高い発泡粒子を、大気圧下又は減圧下の一対の成形型のキャビティ内に充填した後、ついでスチーム等の加熱媒体を供給して加熱し発泡粒子を加熱融着させる常圧充填成形法(例えば、特公平6−49795号公報)、または上記の方法を組み合わせた方法(例えば、特公平6−22919号公報)などによっても成形することができる。
【0046】
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体製車両用内装材に用いられるポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体の50%圧縮応力は、車両用内装材であること及び擦れ音防止の観点から0.10〜0.55MPaであることを要し、0.15〜0.40MPaであることがさらに好ましい。50%圧縮応力が0.10MPa未満であると成形体自体が柔軟すぎて接触対象物体との接触面積が増して、摺動摩擦力が増加して、異音発生が増加の傾向があり、0.55MPaを超えると、剛性が高すぎて、クッション性が低下したり、製品重量が重くなるなど、車両用内装材として要求特性を満たさない場合が生じる。本発明において、前記特定の被覆層成分の存在と上記特定の発泡粒子成形体の圧縮物性による構成が相俟って、所期の目的が達成される。
なお、50%圧縮応力は後述の方法により測定した。
【0047】
さらに、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体製車両用内装材に用いられるポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体の密度は、車両用内装材であるという観点から、15g/L〜60g/Lの範囲であることが好ましく、より好ましくは20g/L〜55g/L、特に好ましくは25g/L〜45g/Lである。
なお、発泡粒子成形体の密度は、該成形体から切り出した試験片の重量(g)を該試験片の外形寸法から求められる体積(L)で除すことにより算出される。
【0048】
また、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体製車両用内装材に用いられるポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体は、該成形体表面において、発泡粒子の被覆層成分による占有面積率が50%以上であることを要する。発泡粒子の被覆層成分による占有面積率が50%以上であれば、ポリエチレン系樹脂の特性である、低摩擦係数による良摺動性のため、車両用内装材として例えば塩ビレザー(シート)と接触した場合に、不快な擦れ音(キューキュー音)の発生を低減することができる。発泡粒子の被覆層成分による占有面積率は60%以上であることがより好ましく、65%以上であることがさらに好ましい。
【0049】
ポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体の表面における、発泡粒子の被覆層成分による占有面積率は、発泡粒子成形体の表面をナノシステム株式会社製 NS2K−Proなどの画像解析ソフトを用いて画像解析することにより得ることができる。具体的には、発泡粒子成形体のできるだけ平らな表面を適宜広範囲で写真撮影し当該写真において、発泡粒子の被覆層成分が発泡粒子成形体の表面に存在している部分と、発泡粒子の芯層成分が発泡粒子成形体の表面に存在している部分とを画像解析ソフトにて黒と白に二値化処理して、各々の部分の占有面積を求め、発泡粒子の被覆層成分による占有面積率は次式により求まる値である。
発泡粒子の被覆層成分による占有面積率(%)=発泡粒子の被覆層成分による占有面積/(発泡粒子の被覆層成分による占有面積+発泡粒子の芯層成分による占有面積)×100
なお、発泡粒子成形体の表面の発泡粒子の被覆層が露出している部分が見分け難い場合は、被覆層を形成する樹脂を着色することにより、画像解析を容易に行うことができる。
【実施例】
【0050】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、本発明は、擦れ音のレベルなど、以下の実施例に記載されるものに権利範囲が限定されるものではない。
【0051】
なお、樹脂発泡粒子、発泡粒子成形体、及び擦れ音の評価は、以下の方法により測定した。
(融点)
被覆層樹脂融点及び芯層樹脂の融点は、既述の方法で測定した。
(芯層樹脂の曲げ弾性率)
既述の方法で測定した。
(発泡粒子の見かけ密度)
既述の方法により求めた。
(発泡粒子のL/D)
既述の方法により求めた50個の発泡粒子のL/Dの算術平均値とした。
【0052】
(成形体融着性)
発泡成形体融着性は、発泡粒子成形体を破断した際の破断面に露出した発泡粒子のうち、材料破壊した発泡粒子の数の割合(融着率)に基づいて行った。具体的には、発泡粒子成形体を、カッターナイフで発泡粒子成形体の厚み方向に約10mmの切り込みを入れた後、切り込み部から発泡粒子成形体を破断させた。次に、破断面に存在する発泡粒子の個数(n)と、材料破壊した発泡粒子の個数(b)を測定し、(b)と(n)の比(b/n)を百分率で表して融着率(%)とし、融着率70%以上を「○」、70%未満40%以上を「△」、40%未満を「×」とした。
【0053】
(表面平滑性)
発泡成形体の表面平滑性は、発泡成形体の表面凹凸の程度を目視により観察して次の3段階で評価した。
◎:表面凹凸のほとんどないもの
○:表面凹凸が若干あるもの
×:表面凹凸が多いもの
(成形体の密度)
発泡粒子成形体の密度は、次のように測定した。
温度23℃、相対湿度50%の環境下で24時間以上放置した発泡粒子成形体の外形寸法から体積(L)を求めた。次いで該発泡粒子成形体の重量(g)を精秤した。発泡粒子成形体の重量を体積にて除して発泡粒子成形体の密度(g/L)求めた。
【0054】
(発泡成形体の50%圧縮応力)
発泡成形体の剛性の尺度として、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体から、縦50mm×横50mm×厚み25mmのテストピースをスキン層がないように切り出し、JIS K 6767:1999に基づいて、10mm/分の速度で圧縮した際の50%ひずみ時の圧縮応力(MPa)を測定した。
【0055】
(擦れ音評価)
まず、温度23℃、相対湿度50%の恒温室内に、厚さ25mmの発泡粒子成形体を24時間放置した。次いで、この発泡粒子成形体をバンドソーで縦100mm×横100mm×成形体厚みにカットして評価用試料とした。
次いで、
図2(a)及び(b)に示した評価装置1を用いて擦れ音を測定した。
同図に示すごとく、評価装置1は、内寸585×430×350mm、厚さ50mmのアルミ製容器10と、アルミ製容器10の側面に埋設されたマイクロホン14(騒音計14)と、発泡粒子成形体2(評価用試料2)を保持する可動部11と、可動部11に連結し往復運動可能なエアシリンダ12とを備えている。アルミ製容器10の底面には、評価用試料2と接触させる他部材としての被接触物3が固定され、アルミ製容器10の側面および上面には、厚さ20mmのフェルト13が貼り付けられている。本例において、被接触物3は、厚さ1mmの軟質塩化ビニルシートである。評価用試料2は、被接触物3上に配置され、評価用試料2上にはさらに1kgの錘4が配置される。
擦れ音の評価にあたっては、評価装置1においてエアシリンダ12を作動させ、可動部4に固定された評価用試料2をストローク200mmで往復運動させて被接触物3(軟質塩化ビニルシート)上で摺動させる。このとき、評価用試料2を速度200mm/sで5秒間動かし、発生する音を擦り合わせ場所から5cm離れたところに設置したマイクロホン14で測定し、8000Hzの騒音値を擦れ音として測定した。この測定には株式会社 小野測器製の「LA−5110」を用いて周波数と音圧レベルを解析し、擦り合わせはじめから10秒間の測定における周波数8000Hzの音圧レベル(A1音)と、擦り合わせる前の空運転の音圧レベル(B1音)測定し、以下の式で、成形品の擦れ音レベルを求めた。
成形品の擦れ音レベル(dB)=A1(dB)−B1(dB)
擦れ音評価基準として、以下のように判断した。
◎ :成形品擦れ音レベルが30dB未満
○ :成形品擦れ音レベルが30dB以上45dB未満
× :成形品擦れ音レベルが45dB以上
【0056】
<芯層及び被覆層の樹脂成分>
(芯層用ポリオレフィン系樹脂)
1)PP1:メタロセン触媒重合;ポリプロピレンエチレン−プロピレンランダム共重合体(融点125℃、エチレン含有量3.5重量%、MFR7g/10分)
2)PP2:チーグラー・ナッタ触媒重合;エチレン−プロピレンランダム共重合体(融点138℃、エチレン含有量3.4重量%、MFR6g/10分)
3)PP3:チーグラー・ナッタ触媒重合;エチレン−プロピレンランダム共重合体(融点142℃、エチレン含有量2.8重量%、MFR5g/10分)
4)PP4:チーグラー・ナッタ触媒重合;エチレン−プロピレンランダム共重合体(融点156℃、エチレン含有量1.0重量%、MFR7g/10分)
5)LLDPE:チーグラー・ナッタ触媒重合;直鎖状低密度ポリエチレン(融点123℃、密度0.93g/cm
3、MFR1.8g/10分)
(被覆層用ポリエチレン系樹脂)
1)mLLDPE:メタロセン系触媒存在下で重合した直鎖状低密度ポリエチレン(融点102℃、密度0.90g/cm
3、MFR10g/10分)
2)PP5:チーグラー・ナッタ触媒重合;エチレン−プロピレンランダム共重合体(融点131℃、エチレン含有量4.0重量%、MFR6g/10分)
3)LLDPE:チーグラー・ナッタ触媒重合;直鎖状低密度ポリエチレン(融点123℃、密度0.93g/cm
3、MFR1.8g/10分)
【0057】
実施例1
<ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造>
(複層樹脂粒子の製造)
内径65mmの芯層形成用押出機および内径30mmの被覆層(外層)形成用押出機を併設し出口側で多数本の複層ストランド状の共押出が可能なダイを付設した共押出機を用いた。
芯層形成用押出機に芯層樹脂組成物として表1に「PP1」として示すエチレン−プロピレンランダム共重合体を85重量%、被覆層形成用押出機に被覆層樹脂組成物として表1に[mLLDPE]として示すメタロセン触媒存在下に重合した直鎖状低密度ポリエチレンを15重量%の割合で供給し、溶融混練した。
その溶融混練物は、芯層/被覆層の重量比が85/15で、ダイ内で合流し、押出機先端に取り付けた口金の細孔から、芯層の外周を円環状に被覆する被覆層が形成された複層ストランドとして多数本共押出し、共押出されたストランドを水冷し、ペレタイザーで重量が略0.8mgとなるように切断し、乾燥して複層樹脂粒子(樹脂粒子段階でのL/Dは4.6)を得た。
なお、芯層のポリプロピレン系樹脂には気泡調整剤としてホウ酸亜鉛を含有量が1000重量ppmとなるようにマスターバッチで供給した。
【0058】
(発泡粒子の製造)
次いで、前記複層樹脂粒子を用いてポリプロピレン系樹脂発泡粒子を作製した。
まず、前記のようにして得られた複層樹脂粒子1kgを分散媒としての水3Lと共に撹拌機を備えた5Lの密閉容器内に仕込み、更に分散媒中に、分散剤としてカオリン0.3重量部、界面活性剤(商品名:ネオゲンS−20F、第一工業製薬社製、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)を有効成分量として0.004重量部、発泡剤としての二酸化炭素をドライアイスとして仕込んだ。
次いで、撹拌下で芯層温度の融点より5℃低い温度まで昇温し、その温度で15分間保持した。その後、芯層温度の融点(発泡温度)まで昇温し、その温度で15分間保持した。
その後、二酸化炭素にて背圧を加えながら内容物を大気圧下に放出して表1に示す嵩密度のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得た。
【0059】
<ポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体の製造>
上記で得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子を用いて発泡粒子成形体を作製した。
まず、発泡粒子を、縦300mm×横250mm×厚さ60mmの平板成形型に充填し、スチーム加熱による加圧成形により型内成形を行なって板状の発泡粒子成形体を得た。加熱方法は両面の型のドレン弁を開放した状態でスチームを5秒間供給して予備加熱(排気工程)を行った後、本加熱圧力より0.04MPa(G)低い圧力で一方加熱を行い、さらに本加熱圧力より0.02MPa(G)低い圧力で逆方向から一方加熱を行った後、成形蒸気圧力0.18MPa(G)で加熱した。
加熱終了後、放圧し、成形体の発泡力による表面圧力が0.04MPa(G)に低下するまで水冷した後、型を開放し成形体を型から取り出した。得られた成形体は80のオーブン内にて12時間養生し、徐冷することにより発泡粒子成形体を得た。
得られた成形体の物性を表1に示した。このようにして、厚さ60mmの発泡粒子成形体を得た。
【0060】
得られた発泡粒子成形体について、前述の方法で成形融着性、表面平滑性、圧縮応力、成形体密度、および成形体表面における被覆層成分の占有面積率を測定した。
実施例1の発泡粒子、発泡粒子成形体の組成、構成、特性、評価結果等についてまとめて表1に示す。
【0061】
実施例2〜6
芯層を形成する樹脂を表1に示すものに変更し、実施例2、4については更に複層樹脂粒子のL/Dを調整した以外は、前記した実施例1の発泡粒子の製造方法と同様にして、表1に示す芯層樹脂及び被覆層樹脂の組み合わせと発泡粒子のL/Dの異なる実施例2〜6の発泡粒子を得、更に実施例1と同様にして発泡粒子成形体を得て、実施例1と同様に評価した。
実施例2〜6の発泡粒子、発泡粒子成形体の組成、構成、特性、評価結果等についてまとめて表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
比較例1〜3
芯層および被覆層を形成する樹脂を表2に示すものに変更し、更に複層樹脂粒子のL/Dを調整した以外は、前記した実施例1の発泡粒子の製造方法と同様にして、表2に示す芯層樹脂及び被覆層樹脂の組み合わせと発泡粒子のL/Dの異なる比較例1〜3の発泡粒子を得、更に実施例1と同様にして発泡粒子成形体を得て、実施例1と同様に評価した。
比較例1〜3の発泡粒子、発泡粒子成形体の組成、構成、特性、評価結果等についてまとめて表2に示す。
【0064】
【表2】