(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来から、圧力容器の口部に取り付けられる弁装置が知られている。例えば、特許文献1には、
図8に示すような弁装置100が開示されている。この弁装置100は、圧力容器110の口部に係合するハウジング120と、ハウジング120の先端に取り付けられたソレノイド130を含む。
【0003】
具体的に、ハウジング120では、バルブブロック121、筒状のブッシュ122および筒状のガイド123により弁体空間125が規定されている。そして、この弁体空間125内に、弁体141およびプランジャ142が配置されている。以下では、説明の便宜上、圧力容器110の口部の軸方向を前後方向(
図8の左側を前方、右側を後方)という。
【0004】
ソレノイド130は、弁体空間125を閉塞する固定磁極131と、固定磁極131および上述したガイド123の周囲に配置されたボビン132と、ボビン132に巻き回されたコイル133と、ボビン132の前方に配置された継鉄部材134を含む。上述したブッシュ122の周囲にはスペーサ150が配置されており、このスペーサ150がバルブブロック121の後端面と継鉄部材134の間に介在している。また、ソレノイド130は、ボビン132、コイル133および継鉄部材134を収容するケース135を含む。
【0005】
さらに、弁装置100では、ソレノイド130とバルブブロック121の間に位置するスペーサ150の外側に温度センサ160が設けられている。バブルブロック121には、当該バルブブロック121の後端面から突出するようにソケット161が埋め込まれており、このソケット161に温度センサ160が保持されている。バルブブロック121には、導電線を挿通するための配線用通路170が設けられている。ソケット161は、大気圧である配線用通路170と高圧である圧力容器110の内部とを遮断する役割を果たす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、圧力容器内に貯留されるガスの高圧化に伴い、強度面およびコスト面から圧力容器の口部の小型化が進んでいる。コストに関しては、圧力容器の口部は炭素繊維で補強されるため、口部が小さくなれば、用いられる炭素繊維の量も少なくなる。そのため、圧力容器の口部に取り付けられる弁装置についても、よりいっそうの小型化が求められる。
【0008】
しかしながら、
図8に示す弁装置100では、温度センサ160を保持するソケット161が弁体空間125の脇でバルブブロック121に埋め込まれているので、ハウジング120の軸部の直径を小さくすることが困難である。
【0009】
そこで、本発明は、小型化が可能な温度センサ付の弁装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明の弁装置は、圧力容器の口部に取り付けられる弁装置であって、前記圧力容器の外側に位置する基部、および前記圧力容器内に挿入される、弁体空間を有する軸部、を含むハウジングと、前記弁体空間内に配置された弁体と、前記弁体空間に対して前記ハウジングの基部と反対側に配置された固定磁極、前記固定磁極の周囲に配置されたボビン、および前記ボビンに巻き回されたコイル、を含むソレノイドと、前記ボビンにおける前記ハウジングの基部と反対側の端部に取り付けられた温度センサと、前記弁体空間に対して前記ソレノイドと反対側の位置で前記ハウジング内に配置された気密端子と、前記ハウジングの内部および前記コイルの内側または外側を通って前記気密端子と前記温度センサとを接続する導電線と、を備える、ことを特徴とする。
【0011】
上記の構成によれば、圧力容器の口部の軸方向において、気密端子が弁体空間と重なり合わない位置でハウジング内に配置されている。このため、ハウジングの軸部の直径を小さくすることができる。しかも、温度センサが弁装置の先端に配置されているので、圧力容器内のガスの温度を正確に検出することができる。
【0012】
前記ボビンは、筒状の支持壁および前記支持壁の両端部から突出する一対の挟持壁を有するボビン本体と、前記ボビン本体から前記ハウジングと反対側に離間するフランジと、を含み、前記温度センサは、前記フランジに設けられた穴に部分的に挿入された状態で前記フランジに固定されていてもよい。この構成によれば、温度センサをフランジに十分な保持力で保持させることができる。
【0013】
前記ボビン本体には、前記支持壁の外周面よりも窪む溝が形成されており、この溝の中に前記導電線が配置されていてもよい。この構成によれば、ボビンを導電線の保持部材として利用することができる。
【0014】
前記ボビンは、前記支持壁の内周面と連続する面を形成するように前記ボビン本体から前記ハウジングと反対側に延びる周壁を含み、前記周壁の厚さは、前記支持壁の厚さよりも薄く設定されており、前記溝は、前記周壁の外周面まで窪んでいてもよい。この構成によれば、溝の底面と周壁の外周面との間で段差をなくすことができ、導電線の敷設作業を良好に行うことができる。
【0015】
前記ソレノイドは、前記ボビンおよび前記コイルを収容するケースを含み、前記温度センサは、前記ケースを貫通するように前記ボビンの軸方向に延びていてもよい。この構成によれば、温度センサの一部分のみをケースから露出させ、その他の部分を保護することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、温度センサ付の弁装置を小型化することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
図1および
図2に、本発明の第1実施形態に係る弁装置1を示す。この弁装置1は、高圧ガスを貯留する圧力容器10の口部に取り付けられるものである。ただし、弁装置1が対象とする流体は、必ずしも高圧ガスである必要はなく、低圧ガスであってもよい。
【0019】
具体的に、弁装置1は、圧力容器10の口部に係合するハウジング2と、ハウジング2の先端に取り付けられたソレノイド5を含む。以下では、説明の便宜上、圧力容器10の口部の軸方向を前後方向(圧力容器10の外側を向く方向(
図1,2の左側)を前方、圧力容器10の内側を向く方向(
図1,2の右側)を後方)という。
【0020】
ハウジング2は、圧力容器10の外側に位置する基部2aと、基部2aから突出して圧力容器10内に挿入される軸部2bを含む。本実施形態では、軸部2bが、基部2a側の大径部と先端側の小径部とで構成されており、大径部の直径は圧力容器10の口部の内径とほぼ等しい。
【0021】
軸部2bの大径部の外周面には、圧力容器10の口部と螺合するネジ山が形成されている。また、軸部22の大径部には、ネジ山の後方に、圧力容器10との隙間をシールするシール部材11が装着されている。
【0022】
軸部2bは、内部に、大径部と小径部とに跨る弁体空間30を有している。弁体空間30内には、当該弁体空間30を前側の作動室31と後側のパイロット室32とに仕切る弁体41が配置されている。また、パイロット室32内には、プランジャ42が配置されている。さらに、軸部2bには、作動室31の周囲に、環状の貯留室33が形成されている。貯留室33は、後述する貫通穴23aを通じて作動室31と連通している。
【0023】
本実施形態では、軸部2bに、貯留室33から斜めに延びて圧力容器10の内部空間に開口する一次通路3aが形成されている。また、軸部2bおよび基部2aには、作動室31から前方に延びて圧力容器10の外部に開口する二次通路3bが形成されている。一次通路3a、貯留室33、貫通穴23a、作動室31および二次通路3bは、主通路3を構成する。二次通路3bの作動室31に対する開口の周囲には、弁座25が形成されている。
【0024】
より詳しくは、ハウジング2は、オンタンク部およびインタンク部を有する断面略T字状のバルブブロック21を含むとともに、弁体空間30を規定するシートピース22、ブッシュ23およびガイド24を含む。上述したハウジング2の基部2aは、バルブブロック21のオンタンク部で構成されている。一方、ハウジン2の軸部2bは、バルブブロック21のインタンク部、シートピース22、ブッシュ23およびガイド24で構成されている。
【0025】
バルブブロック21のインタンク部には、後端面から窪む凹部が設けられており、その凹部の底に管状のシートピース22が配置されている。シートピース22には、バルブブロック21との隙間をシールするシール部材12が装着されている。ブッシュ23は、前後方向に延びる筒状をなしており、前端部がシートピース22に当接し、後端部がバルブブロック21の後端面から突出するように前記凹部に挿入されている。ブッシュ23の前端部には、貯留室33と作動室31とを連通させる複数の貫通穴23aが設けられている。また、ブッシュ23の中間部の外周面には、バルブブロック21と螺合するねじ山が形成されている。ガイド24は、前後方向に延びる筒状をなしており、その前端部がブッシュ23の後端部に溶接等により接合されている。
【0026】
弁体41は、ブッシュ23に前後方向に摺動可能にガイドされており、プランジャ42は、ガイド24に前後方向に摺動可能にガイドされている。弁体41は、弁座25に着座したり弁座25から離間したりすることにより、二次通路3bを開閉する。
【0027】
弁体41とブッシュ23の間には、微小な環状隙間(図示せず)が設けられている。この環状隙間は、作動室31とパイロット室32の間で圧力差を生じさせる絞りとして機能する。ただし、環状隙間に代えて、弁体41の外周面とブッシュ23の内周面の一方に、作動室31とパイロット室32の間で圧力差を生じさせる絞りとして機能する溝を形成してもよい。
【0028】
弁体41には、中心軸上に、パイロット室32から二次通路3bまで延びるパイロット通路45が設けられている。パイロット通路45には、パイロット室32側の端部に絞り46が設けられている。
【0029】
プランジャ42は、パイロット通路45を開閉する。プランジャ42には、中心軸上の縦穴47と、この縦穴47と交わる横穴48が形成されており、これらの縦穴47および横穴48により、パイロット室32におけるプランジャ42の後方空間と前方空間とが連通している。
【0030】
パイロット室32におけるプランジャ42の後方空間には、プランジャ42を前方に付勢するスプリング44が配置されている。すなわち、プランジャ42は、スプリング44の付勢力により弁体41に押し付けられてパイロット通路45を閉じる。
【0031】
プランジャ42と弁体41とは、それらの軸方向と直交する方向に延びるピン43によって連結されている。プランジャ42には、ピン43に挿通される横穴42aが形成されており、弁体41には、ピン43の両端部を支持する支持穴41aが形成されている。本実施形態では、横穴42aがピン43と隙間なく嵌合しており、支持穴41aの内周面とピン43の間に隙間が形成されている。このため、プランジャ42は、その隙間分だけ弁体41から離間することができる。なお、本実施形態とは逆に、支持穴41aがピン43と隙間なく嵌合しており、横穴42aの内周面とピン43の間に隙間が形成されていてもよい。
【0032】
ソレノイド5は、後述するコイル52に電流が流れたときに励磁力を発生し、プランジャ42をスプリング44の付勢力に抗して後方に移動させる。これにより、パイロット通路45が開かれる。すなわち、プランジャ42は、ソレノイド5により駆動される可動鉄心としても機能する。
【0033】
具体的に、ソレノイド5は、プランジャ42を吸引する固定磁極51と、固定磁極51および上述したガイド24の周囲に配置されたボビン6と、ボビン6に巻き回されたコイル52を含む。固定磁極51は、ガイド24の後端部に溶接等により接合されており、弁体空間30を閉塞している。換言すれば、固定磁極51は、弁体空間30に対してハウジング2の基部2aと反対側に配置されている。さらに、ソレノイド5は、ボビン6と上述したバルブブロック21の間に配置された継鉄部材53と、固定磁極51、ボビン6およびコイル52を収容するケース54を含む。なお、ケース54は、ボルト16により固定磁極51に固定されている。
【0034】
ソレノイド5に電力が供給されていないときは、弁体41が二次通路3bを閉じ、プランジャ42がパイロット通路45を閉じている。このため、パイロット室32の圧力は、作動室31の圧力と等しい。ソレノイド5に電力が供給されると、まず、プランジャ42がピン43回りの隙間分だけ弁体41から離間する。これにより、作動室31、図略の環状隙間、パイロット室32およびパイロット通路45の順にガスが流れる。環状隙間は絞りとして機能するため、パイロット室32の圧力は作動室31の圧力よりも低くなる。このパイロット室32と作動室31の圧力差によって弁体41が後向きの力を受け、弁体41がプランジャ42の移動開始とほぼ同時に後方へ移動し、二次通路3bを開く。
【0035】
ソレノイド5への電力の供給が停止されると、スプリング44の付勢力によってプランジャ42がパイロット通路45を閉じる。これにより、パイロット室32の圧力が作動室31の圧力と等しくなり、パイロット室32と二次通路3bの圧力差により弁体41が前向きの力を受けて前方へ移動し、二次通路3bを閉じる。
【0036】
さらに、本実施形態では、弁装置1の先端に温度センサ7が配置されている。以下、この温度センサ7に関する構成を詳しく説明する。
【0037】
温度センサ7は、ソレノイド5のボビン6の後端部(すなわち、ハウジング2の基部2aと反対側の端部)に取り付けられている。一方、ハウジング2内には気密端子15が配置されている(本実施形態では、埋め込まれている)。気密端子15は、弁体空間30に対してソレノイド5と反対側の位置に位置している。すなわち、圧力容器10の口部の軸方向において、気密端子15が弁体空間30と重なり合わない位置にある。図例では、気密端子15が基部2aと軸部2bの境界上に配置されているが、気密端子15は、弁体空間30よりも前方であれば、軸部2bと基部2aのどちらに埋め込まれていてもよい。
【0038】
本実施形態では、気密端子15から温度センサ7まで、ハウジング2の内部およびソレノイド5のコイル52の内側を通るように導電線14が敷設されている。そして、導電線14により、気密端子15と温度センサ7が接続されている。
【0039】
より詳しくは、ハウジング2のバルブブロック21およびソレノイド5の継鉄部材53には、気密端子15から後方に向かって軸部2bの中心軸と平行に延びる配線用通路13が設けられている。そして、この配線用通路13内に導電線14の前側の略半分が挿通されている。気密端子15は貫通電極を有しており、この貫通電極の一端に導電線14の一端がつながっている。貫通電極の他端には、外部からの電力供給線がつなげられる。
【0040】
ボビン6は、コイル52を支持する断面略コ字状のボビン本体61を含む。このボビン本体61は、前後方向に延びる筒状の支持壁61aと、支持壁61aの両端部から径方向外側に突出する一対のリング状の挟持壁61b,61cを有している。さらに、ボビン6は、ボビン本体61から前方に向かって階段状に拡大する拡径部62と、拡径部62の前端部から径方向外側に広がる第1フランジ63と、ボビン本体61から後方(すなわち、ハウジング2と反対側)に延びる周壁64と、周壁64の後端部から径方向外側に広がる第2フランジ(本発明のフランジに相当)65を含む。換言すれば、第1フランジ63は、ボビン本体61から前方に離間しており、第2フランジ65は、ボビン本体61から後方に離間している。これにより、ボビン本体61の挟持壁61cと第2フランジ65との間には、導電線14と温度センサ7(そのリード線72)又は後述するソケット端子81とを接合させる接合空間が設けられるため、接合作業を良好に行えることができる。
【0041】
拡径部62の中間部(厚さが最も厚い部分)および後端部(厚さが最も薄い部分)ならびに周壁64の夫々の内周面は、ボビン本体61の支持壁61aの内周面と連続する面を形成している。本実施形態では、拡径部62の後端部および周壁64の厚さは、支持壁61aの厚さよりも薄く設定されている。すなわち、支持壁61aの外周面は、拡径部62の後端部および周壁64の外周面よりも径方向外側に位置している。
【0042】
継鉄部材53は、ケース54に対する蓋のような前後方向に扁平な板状をなしている。第1フランジ63は、継鉄部材53の後面と面接触している。
図2に示すように、第1フランジ63には、配線用通路13と対応する位置に貫通穴63aが設けられており、この貫通穴63aに、導電線14が挿通されている。
【0043】
図3に示すように、ボビン本体61には、支持壁61aの外周面よりも窪む溝61dが形成されている。この溝61dは、挟持壁61b、61cに、径方向外側に開口するスリットを形成する。本実施形態では、溝61dが周壁64の外周面まで窪んでいる。換言すれば、溝61dの底面は、周壁64の外周面とほぼ同じ高さ位置にある。そして、
図1および
図2に示すように、溝61dの中に導電線14が配置されている。
【0044】
図3および
図4に示すように、ボビン本体61の後側の挟持壁61cと対向する第2フランジ65は、径方向に扁平な板状部(本体部)と、この板状部から後方に突出するボス66を含む。また、第2フランジ65には、ボス66を管状とする穴65aが設けられている。本実施形態では、穴65aは、第2フランジ65を貫通している。温度センサ7は、穴65aに部分的に挿入された状態でボス66に固定されている。
【0045】
より詳しくは、ボス66は、ケース54の底壁近くまで突出している。温度センサ7は、ケース54の底壁を貫通するようにボビン61の軸方向に延びている。
【0046】
温度センサ7は、前方に開口する細長い容器74と、容器74の底に配置されたサーミスタ素子71を含む。容器74の中間部には、ボス66の先端に当接する突起75が設けられており、容器74の突起75よりも前側部分は、ボス66および貫通穴65a内に挿入(本実施形態では、圧入)されている。サーミスタ素子71から前方へはリード線72が延びており、このリード線72に導電線14がつながれている。容器74内には、ポッティング樹脂73が充填されている。
【0047】
以上説明したように、本実施形態の弁装置1では、前後方向において、気密端子15が弁体空間30と重なり合わない位置でハウジング2内に配置されている。このため、ハウジング2の軸部2bの直径を小さくすることができる。しかも、温度センサ7が弁装置1の先端に配置されているので、圧力容器10内のガスの温度を正確に検出することができる。
【0048】
また、本実施形態では、温度センサ7が、ボビン6の第2フランジ65に設けられた穴65aに部分的に挿入された状態でボス66に固定されているので、温度センサ7をボビン6の第2フランジ65に十分な保持力で保持させることができる。
【0049】
さらに、本実施形態では、ボビン本体61に形成された溝61の中に導電線14が配置されているので、ボビン6を導電線14の保持部材として利用することができる。また、その溝61dは、周壁64の外周面まで窪んでいるので、溝61dの底面と周壁64の外周面との間で段差をなくすことができ、導電線14の敷設作業を良好に行うことができる。
【0050】
また、本実施形態では、温度センサ7がケース54を貫通しているので、温度センサ7の一部分のみをケース54から露出させ、その他の部分を保護することができる。
【0051】
<変形例>
温度センサ7のボス66への固定方法は、種々な方法が選択可能である。例えば、
図5に示すように、温度センサ7は筒状の圧入部材83によりボス66へ固定されていてもよい。また、
図5に示すように、温度センサ7の前端部には、ピン端子82が設けられていてもよい。この場合、第2フランジ65には、ピン端子82が嵌まり込むソケット端子81が取り付けられ、このソケット端子81に導電線14がつながれてもよい。
【0052】
あるいは、温度センサ7は、圧入によるのではなく、
図6に示すように、袋ナット84を用いてボス66に固定されてもよい。
【0053】
(第2実施形態)
次に、
図7を参照して、本発明の第2実施形態に係る弁装置を説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と同一構成要素には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0054】
本実施形態では、導電線14がソレノイド5のコイル52の外側を通るように敷設されている。すなわち、ボビン本体61には、溝61dが設けられていない。その代わりに、ボビン本体61の挟持壁61b,61cには、導電線14を挿通させるための開口61eが設けられている(前側の挟持壁61bの開口61eについては図示を省略)。図例では、開口61eが挟持壁61b,61cを貫通する貫通穴であるが、開口61eは、挟持壁61b,61cの端面から窪む切欠きであってもよい。
【0055】
本実施形態でも、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0056】
(その他の実施形態)
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0057】
例えば、ブッシュ23は省略可能であり、一次通路3aが直接的に作動室31につながっていてもよい。
【0058】
また、パイロット室32およびプランジャ42は必ずしも必要ではなく、弁体41がソレノイド5によって直接的に駆動されてもよい。
【0059】
また、弁体41とブッシュ23の間には、作動室31とパイロット室32の間で圧力差を生じさせる絞りとして機能する環状隙間や溝が必ずしも設けられている必要はなく、例えば、比較的に大きな溝によって作動室31とパイロット室32が連通していてもよい。この場合、パイロット室32の圧力は作動室31の圧力と同じになるが、プランジャ42によりパイロット通路45が開かれた後に二次通路3bとパイロット室32との圧力差が小さくなれば、ソレノイド5の励磁力によって弁体41を後方に移動させることができる。
【0060】
あるいは、弁体41の外周面を全周に亘ってブッシュ23の内周面に面接触させるとともに、例えば、ブッシュ23に、貯留室33とパイロット室32を連通させるパイロット通路を設けてもよい。このパイロット通路は、絞りを有していてもよいし、絞りを有していなくてもよい。
【0061】
また、ソレノイド5のケース54は、
図8に示す従来の弁装置100と同様に、固定磁極51を収容していなくてもよい。すなわち、固定磁極51がケース54を貫通して延びており、固定磁極51におけるケース54から露出する部分に螺合するナットによってケース54が固定されていてもよい。この場合、固定磁極51に一次通路3aが設けられていてもよい。