特許第6243759号(P6243759)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243759
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】水浄化装置
(51)【国際特許分類】
   A01K 63/04 20060101AFI20171127BHJP
   C02F 1/30 20060101ALI20171127BHJP
   C02F 1/72 20060101ALI20171127BHJP
   B01J 35/02 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   A01K63/04 F
   C02F1/30
   C02F1/72 101
   B01J35/02 J
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-49704(P2014-49704)
(22)【出願日】2014年3月13日
(65)【公開番号】特開2015-173600(P2015-173600A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2017年2月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100011
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 省三
(72)【発明者】
【氏名】片野 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】北園 卓也
(72)【発明者】
【氏名】落合 昭文
【審査官】 門 良成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−255701(JP,A)
【文献】 特開2001−136862(JP,A)
【文献】 特開平7−78(JP,A)
【文献】 特開平10−218601(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0027387(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 63/00
A01G 31/00
B01J 35/02
C02F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源の近傍に設けられた有機物分解光触媒層と、
前記有機物分解光触媒層の前記光源と反対側に設けられた酸素発生光触媒層と
を具備する水浄化装置。
【請求項2】
前記有機物分解光触媒層は有機物分解光触媒が塗布されたガラス球を含む有機物分解光触媒ボール層を具備し、
前記酸素発生光触媒層は酸素発生光触媒が塗布されたガラス球を含む酸素発生光触媒ボール層を具備する請求項1に記載の水浄化装置。
【請求項3】
前記有機物分解光触媒ボール層及び前記酸素発生光触媒ボール層のガラス球のサイズは、前記光源より離れる程、大きくなり、前記有機物分解光触媒ボール層及び前記酸素発生光触媒ボール層のガラス球の密度は、前記光源より離れる程、小さくなる請求項2に記載の水浄化装置。
【請求項4】
前記有機物分解光触媒ボール層及び前記酸素発生光触媒ボール層は所定形状にブロック化されている請求項2に記載の水浄化装置。
【請求項5】
前記有機物分解光触媒ボール層及び前記酸素発生光触媒ボール層のガラス球は2次元的に棒状部材で結合されている請求項2または3に記載の水浄化装置。
【請求項6】
前記有機物分解光触媒ボール層のガラス球及び前記酸素発生光触媒ボール層のガラス球は3次元的に棒状部材で結合されている請求項2または3に記載の水浄化装置。
【請求項7】
前記有機物分解光触媒層は有機物分解光触媒が塗布された平行な複数のガラス棒を含む少なくとも1つの層よりなる有機物分解光触媒柱状層を具備し、
前記酸素発生光触媒層は酸素発生光触媒が塗布された平行な複数のガラス棒を含む少なくとも1つの層よりなる酸素発生光触媒柱状層を具備し、
前記有機物分解光触媒柱状層と前記酸素発生光触媒柱状層とが積層され、上下に隣り合う前記ガラス棒の方向が相異なる請求項1に記載の水浄化装置。
【請求項8】
前記有機物分解光触媒柱状層及び前記酸素発生光触媒柱状層のガラス棒のサイズは、前記光源より離れる程、大きくなり、前記有機物分解光触媒柱及び前記酸素発生光触媒柱状層のガラス棒の密度は、前記光源より離れる程、小さくなる請求項7に記載の水浄化装置。
【請求項9】
前記光源は、
外部光源と、
前記外部光源に接続された複数の光ファイバと、
前記各光ファイバの先端に接続された複数の光拡散部と
を具備する請求項1に記載の水浄化装置。
【請求項10】
前記光源は、
複数の電気配線と、
前記各電気配線に接続された複数の防水光源と
を具備する請求項1に記載の水浄化装置。
【請求項11】
前記光源はガラス球光源を具備し、
前記有機物分解光触媒ボール層のガラス球は前記ガラス球光源上に設けられ、
前記酸素発生光触媒ボール層のガラス球は前記有機物分解光触媒ボール層のガラス球上に設けられた請求項2に記載の水浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は観賞魚用水槽等に用いられる水浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
観賞魚用水槽等に用いられる水浄化装置は、不純物ろ過機能及びエアレーション(酸素発生)機能の2つの機能を必要とする。
【0003】
第1の従来の水浄化装置は、水槽の上部に設けられた上部フィルタと、上部フィルタ内に水を送込むためかつエアレーション用のポンプとによって構成されている(参照:非特許文献1)。上部フィルタでは、ウールマット、スポンジ等によって魚類の糞、水草の枯葉等をこし取る物理ろ過を行う。また、フィルタ内で繁殖したバクテリアによってアンモニア分解する生物ろ過を行い、さらに、アンモニア、有害物質をゼオライト、活性炭等によって吸着する吸着ろ過を行う。
【0004】
第2の従来の水浄化装置は、水槽の上部に設けられ、紫外光源を含み光触媒によって浄化する上部フィルタと、上部フィルタに水を送込むためかつエアレーション用のポンプとによって構成されている(参照:特許文献1)。つまり、紫外光を光触媒に吸収させて光触媒を励起し、汚染物質(有機物)を分解する。
【0005】
第3の従来の水浄化装置は、水槽内の底部に設けられた下部フィルタ及びコーナフィルタと、下部フィルタ及びコーナフィルタに水を送込むためかつエアレーション用のポンプとによって構成されている(参照:非特許文献2)。この場合、下部フィルタは水槽底面で広く生物ろ過を行い、また、コーナフィルタは物理ろ過及び生物ろ過を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−319812号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】http://www.nisso-int.co.jp/aquarium/Filter/60cmFilter.htm
【非特許文献2】http://www.suisaku.com/items01_02_02.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の第1の従来の水浄化装置においては、フィルタへの水送込み及びエアレーションのためにポンプを必要とするので、騒音があるという課題がある。また、上部フィルタにおいては、水が効率よく循環しない場所あるいは水位の変化で徐々に乾燥してくる壁面等にかびが生えるという課題もある。さらに、フィルタ交換が必要であり、フィルタ交換を怠ると浄化能力が低下して水槽に有害物質が増加するという課題もある。このようなかび及び有害物質の増加による水槽の汚染は魚類に対して悪影響を与える可能性がある。
【0009】
また、上述の第2の従来の水浄化装置においては、光触媒を用いた上部フィルタの交換は不要であり、従って、浄化能力の低下がない。しかしながら、フィルタへの水送込み及びエアレーションのためにポンプは必要であるので、騒音があるという課題がある。
【0010】
さらに、上述の第3の従来の水浄化装置においても、フィルタへの水送込み及びエアレーションのためにポンプを必要とするので、騒音があるという課題がある。また、コーナフィルタの交換が必要であり、コーナフィルタ交換を怠ると浄化能力が低下して水槽に有害物質が増加するという課題もある。このような有害物質の増加による水槽の汚染は魚類に対して悪影響を与える可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の課題を解決するために、本発明に係る水浄化装置は、光源と、光源の近傍に設けられた有機物分解光触媒層と、有機物分解光触媒層の光源と反対側に設けられた酸素発生光触媒層とを具備するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、エアレーションも光触媒で行うので、エアレーションのためのポンプが不要となり、騒音がなくなる。また、フィルタ交換が不要となるので、フィルタ交換を怠ることによる浄化能力の低下はなく、従って、有害物質の増加はない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る水浄化装置の第1の実施の形態を示す断面図である。
図2図1の有機物分解光触媒ボール層及び酸素発生光触媒ボール層の第1の変更例を示す斜視図である。
図3図1の有機物分解光触媒ボール層及び酸素発生光触媒ボール層の第2の変更例を示す斜視図である。
図4図1の有機物分解光触媒ボール層及び酸素発生光触媒ボール層の第3の変更例を示す斜視図である。
図5図1の有機物分解光触媒ボール層及び酸素発生光触媒ボール層の第4の変更例を示す斜視図である。
図6図1の光源、導光板及びガラス板の第1の変更例を示す斜視図である。
図7図1の光源、導光板及びガラス板の第2の変更例を示す斜視図である。
図8】本発明に係る水浄化装置の第2の実施の形態を示し、(A)は上面図、(B)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は本発明に係る水浄化装置の第1の実施の形態を示す断面図である。
【0015】
図1において、水浄化装置は、水槽内に設けられる下部フィルタ(底面フィルタ)で構成されており、エアレーション用のポンプは不要である。すなわち、水浄化装置は、光源1、光源1の光を光入射端2aに受ける導光板2、導光板2の光出射面2b側に設けられた有機物分解光触媒ボール層3、及び有機物分解光触媒ボール層3上に設けられたエアレーション(酸素発生)光触媒ボール層4によって構成されている。また、導光板2の両面には導光板2を保護するためのガラス板(あるいは透明樹脂層)7a、7bが設けられている。但し、ガラス板7bは紫外光及び可視光に対して透明な部材たとえばホウケイ酸ガラスによって構成されている。このように、エアレーションのためのポンプは不要であるので、騒音の発生はない。
【0016】
光源1は有機物分解光触媒を励起させる紫外光及び酸素発生光触媒を励起させる可視光の両方を出射する蛍光灯、冷陰極蛍光ランプ(CCFL)、発光ダイオード(LED)素子、有機エレクトロルミネセンス(EL)素子等によって構成されている。尚、光源1は紫外光及び可視光に対して透明なガラス、樹脂等で防水されている。
【0017】
導光板2はポリカーボネート等によって構成されたサイドエッジ型であり、光源1及び導光板2の組合せは面発光ユニットを構成する。但し、これに限定されるものでなく、たとえば直下型でもよい。
【0018】
有機物分解光触媒ボール層3は、ガラス板7b上に光触媒層3bたとえば酸化チタン(TiO2)層を被覆した粒径が5mm程度のガラス球3aを2〜3cm程の高さまで積み上げることによって構成されている。有機物分解光触媒ボール層3の光触媒層3bは紫外光等の励起光を吸収して強い酸化還元作用を発現し、その酸化作用により発生したOHラジカルによって水中の汚染物(有機物)を分解する。このような光触媒としては、TiO2の外に、酸化亜鉛(ZnO)、硫化カドニウム(CdS)がある。この場合、TiO2は紫外光が当たっても全く変化せず半永久的に使用できるが、ZnO、CdSは紫外光が当たると、自分自身も分解して有害なZnイオン、Cdイオンを発生する。従って、有機物分解光触媒ボール層3の光触媒層3bとしてTiO2を用いるのが好ましい。
【0019】
酸素発生光触媒ボール層4は有機物分解光触媒ボール層3上に光触媒層4bたとえば水分解用のコバルト(Co)ナノ粒子層が塗布された粒径が7mm程度のガラス球4aを2〜3cm程の高さまで積み上げることによって構成されている。また、酸素発生光触媒ボール層4の光触媒層4bは水分解用の酸素発生光触媒及び水素発生光触媒の二種類の光触媒にFe3+/Fe2+イオン等の電子伝達系あるいは水素発生を促進する助触媒を組合わせたものでもよい。さらに、電子伝達系もしくは助触媒なしで水素発生光触媒Ru/SrTiO3:Rh及び酸素発生光触媒BiVO4の組合せでもよく、また、この場合の酸素発生光触媒として、WO3、AgNbO3、TiO2:Cr/Sbを用いることもできる。
【0020】
ガラス球3a、4aへの光触媒塗布方法は、ゾルゲル法、真空蒸着法、スパッタリング法あるいは溶射法である。溶射法によって塗布された光触媒層3b、4bの厚さの均一性は劣るが、光触媒ボール層3、4の光触媒層3b、4bの厚さには高い均一性が要求されないので、溶射法で十分である。
【0021】
また、有機物分解光触媒ボール層3及び酸素発生光触媒ボール層4のガラス球3a、4aのサイズは、水槽上方になる程、大きくし、水槽上部から降ってきた魚の糞、水草の枯葉等が水槽下部へ円滑に落下するようにする。同時に、分解対象の有機物の光触媒層3b、4bとの接触面積を実質的に増大し、これにより、浄化能力を向上せしめることができる。また、ガラス球3a、4aは紫外光及び可視光に対して透明な母材たとえばホウケイ酸ガラスによって構成されている。さらに、ガラス球3a、4aは導光を促すために融着している状態が好ましい。この場合、母材の軟化点もしくは融点まで加熱してアニールする。ホウケイ酸ガラスであれば525℃以上でアニールする。
【0022】
さらに、導光板2の光出射面2bの近くに有機物分解光触媒ボール層3を配置し、導光板2の光出射面2bから遠くに酸素発生光触媒ボール層4を配置することにより、導光板2の光出射面2bから出射された紫外光及び可視光のうち高エネルギーの紫外光が有機物分解光触媒ボール層3に吸収された有機物分解光触媒ボール層3を励起し、低エネルギーの可視光は有機物分解光触媒ボール層3に吸収されずに通過する。この結果、有機物分解光触媒ボール層3を通過した可視光が酸素発生光触媒ボール層4に吸収されて酸素発生光触媒ボール層4を励起する。
【0023】
図1の水浄化装置を製造する際には、導光板2の光入射端2aに光源1を装着すると共に、ガラス板7a、7bを導光板2の上下面にガラス板7a、7bを装着する。次いで、光触媒層3b、4bが塗布されたガラス球3a、4aを小さい順にガラス板7bの上面に配置して図1の水浄化装置は完成する。この場合、ガラス球3a、4aを高温アニールで融着させ、ガラス球3a、4aはいわゆる雷おこし状配置をなす。
【0024】
図2図1の有機物分解光触媒ボール層3及び酸素発生光触媒ボール層4の第1の変更例を示す斜視図である。
【0025】
図2においては、図1の有機物分解光触媒ボール層3及び酸素発生光触媒ボール層4を複数のブロックBi(i=1、2…)に予めブロック化する。たとえば、各ブロックBiはたとえば縦×横×高さが5cm×5cm×5cmの立方体状に有機物分解光触媒ボール層3の光触媒層3bが塗布されたガラス球3a及び酸素発生光触媒ボール層4の光触媒層4bが塗布されたガラス球4aを小さい順に配置することによって構成されている。この場合、ガラス球3a、4aは高温アニールで融着させる。このように、ブロック化することにより、ユーザは水槽に光源1、導光板2及びガラス板7a、7bのセットを設定した後、ガラス板7b上に必要な数だけのブロックBiを設置すれはよい。水槽のサイズを変更した場合には、光源1、導光板2及びガラス板7a、7bのセットのみを変更し、ブロックBiの数を増減すればよい。尚、ブロックBiの形状は立方体に限定されず、たとえば、直方体、正三角柱、正六角柱等でもよい。
【0026】
図3図1の有機物分解光触媒ボール層3及び酸素発生光触媒ボール層4の第2の変更例を示す斜視図である。
【0027】
図3においては、図1の有機物分解光触媒ボール層3及び酸素発生光触媒ボール層4を平面状の層3−1、3−2、3−3、4−1、4−2に分類し、各層の光触媒層3b、4bが塗布されたガラス球3a、4aを各層毎につまり二次元的にチタンワイヤ等の棒状部材Waによって結合してある。この場合、ガラス球3a、4aには予め棒状部材Wa用孔を穿孔しておく。また、ガラス球3a、4aを結合する棒状部材Waは柔軟性がある安価な樹脂でもよい。但し、水中において劣化しにくい材料である必要がある。このように、光触媒ボール層3、4の各層3−1、3−2、3−3、4−1、4−2を棒状部材Waによって結合することにより、ユーザは水槽に光源1、導光板2及びガラス板7a、7bのセットを設定する。他方、ガラス板7bのサイズに合わせて各層3−1、3−2、3−3、4−1、4−2の棒状部材Waを鋏、ニッパ等で切断する。最後に、ガラス7b上に棒状部材Waが切断された有機物分解光触媒ボール層3の各層3−1、3−2、3−3及び酸素発生光触媒ボール層4の各層4−1、4−2をそのガラス球3a、4aのサイズの小さい順に積層載置する。尚、水槽のサイズを変更した場合には、光源1、導光板2及びガラス板7a、7bのセットを変更し、鋏、ニッパ等で棒状部材Waを切断して各層3−1、3−2、3−3、4−1、4−2の追加もしくは削減により各層3−1、3−2、3−3、4−1、4−2全体のサイズの増減をすればよい。また、光触媒層3b、4bはガラス球3a、4aを棒状部材Waによって結合した後にガラス球3a、4aに塗布してもよい。
【0028】
図4図1の有機物分解光触媒ボール層3及び酸素発生光触媒ボール層4の第3の変更例を示す斜視図である。
【0029】
図4においては、図1の有機物分解光触媒ボール層3及び酸素発生光触媒ボール層4の光触媒層3b、4bが塗布されたガラス球3a、4aを三次元的にチタンワイヤ等の棒状部材Wbよって結合してある。この場合も、ガラス球3a、4aには予め棒状部材Wb用孔を穿孔しておく。また、ガラス球3a、4aを結合する棒状部材Wbは柔軟性がある安価な樹脂でもよい。但し、水中において劣化しにくい材料である必要がある。このように、光触媒ボール層3、4のガラス球3a、4aを棒状部材Wbによって結合することにより、ユーザは水槽に光源1、導光板2及びガラス板7a、7bのセットを設定する。他方、ガラス板7bのサイズに合わせて棒状部材Wbを鋏、ニッパ等で切断する。最後に、ガラス7b上に棒状部材Wbが切断された有機物分解光触媒ボール層3及び酸素発生光触媒ボール層4を載置する。尚、水槽のサイズを変更した場合には、光源1、導光板2及びガラス板7a、7bのセットを変更し、鋏、ニッパ等で棒状部材Wbを切断して有機物分解光触媒ボール層3及び酸素発生光触媒ボール層4の追加もしくは削減により有機物分解光触媒ボール層3及び酸素発生光触媒ボール層4全体のサイズを増減をすればよい。
【0030】
図5図1の有機物分解光触媒ボール層3及び酸素発生光触媒ボール層4の第4の変更例を示す斜視図である。
【0031】
図5においては、図1の有機物分解光触媒ボール層3の代わりに、有機物分解光触媒柱状層3’を設け、また、図1の酸素発生光触媒ボール層4の代わりに、酸素発生光触媒柱状層4’を設けてある。
【0032】
有機物分解柱状層3’は、図1の光触媒層3bと同一の光触媒層3’bが塗布された第1の方向(X方向)に平行な複数のガラス棒3’a−1よりなる層3’−1、光触媒層3’bが塗布された第1の方向に直交する第2の方向(Y方向)に平行な複数のガラス棒3’a−2よりなる層3’−2、及び光触媒層3’bが塗布されたX方向に平行な複数のガラス棒3’a−3よりなる層3’−3によって構成されている。同様に、酸素発生光触媒柱状層4’は、図1の光触媒層4bと同一の光触媒層4’bが塗布されたY方向に平行な複数のガラス棒4’a−1よりなる層4’−1、及び光触媒層4’bが塗布されたX方向に平行な複数のガラス棒4’a−2よりなる層4’−2によって構成されている。ガラス棒3’a−1、3’a−2、3’a−3、4’a−1’、4’a−2の各サイズはこの順に大きくなり、また、ガラス棒3’a−1、3’a−2、3’a−3、4’a−1’、4’a−2の密度はこの順に小さくなっている。このようにして、有機物分解光触媒柱状層3’及び酸素発生光触媒柱状層4’のガラス棒3’a−1、3’a−2、3’a−3、4’a−1’、4’a−2のサイズは、水槽上方になる程、大きくなるので、水槽上部から降ってきた魚糞、水草の枯葉等が水槽下部へ円滑に落下するようになる。同時に、分解対象の有機物の光触媒層3’b、4’bとの接触面積が実質的に増大し、これにより、浄化能力を向上せしめることができる。また、ガラス棒3’a−1、3’a−2、3’a−3、4’a−1’、4’a−2は紫外光及び可視光に対して透明な母材たとえばホウケイ酸ガラスによって構成されている。さらに、ガラス棒3’a−1、3’a−2、3’a−3、4’a−1’、4’a−2は導光を促すために融着している状態が好ましい。この場合、母材の軟化点もしくは融点まで加熱してアニールする。ホウケイ酸ガラスであれば525°C以上でアニールする。尚、上述の第1、第2の方向(X方向、Y方向)は必ずしも直交している必要はなく、相異していればよい。
【0033】
図6図1の光源1、導光板2及びガラス板7a、7bの第1の変更例を示す斜視図である。
【0034】
図6においては、図1の光源1、導光板2及びガラス板7a、7bの代わりに、水槽60の外部に外部光源61を設けると共に、水槽50の底部に外部光源61に接続された複数の光ファイバ62を設け、光ファイバ62の各先端に複数のたとえばガラス球よりなる光拡散部63を設けてある。また、光拡散部63の下もしくは水槽60の底部にAl等よりなる反射シート64を設け、これにより、光を反射して外部光源61の光を有機物分解光触媒ボール層3及び酸素発生光触媒ボール層4に有効に用いることができるようにする。尚、反射シート64の代りに白色散乱体層でもよい。
【0035】
外部光源61は、可視光で励起される酸素発生光触媒ボール層4を確実に励起させるために、例えば、紫外光:可視光=3:1として可視光を混在させる。但し、すべてが紫外光であっても、酸素発生光触媒ボール層4が紫外光応答型光触媒よりなり、その紫外光のすべてが有機物分解光触媒ボール層3で消費されず、残った紫外光で酸素発生光触媒ボール層4を励起できれば、外部光源61はすべて紫外光でもよい。
【0036】
光ファイバ62は短いものから長いものまで存在し、これにより、光拡散部63は水槽の手前から奥まで満遍なく存在する。この場合、各光ファイバ62の長さを一律に長くし、これらの長さを光拡散部63の位置に合わせて調整してもよい。
【0037】
図示しないが、図6の光拡散部63上には、図1図2図3図4の有機物分解光触媒ボール層3及び酸素発生光触媒ボール層4もしくは図5の有機物分解光触媒柱状層3’及び酸素発生光触媒柱状層4’が設けられている。
【0038】
図7図1の光源1、導光板2及びガラス板7a、7bの第2の変更例を示す斜視図である。
【0039】
図7においては、図1の光源1、導光板2及びガラス板7a、7bの代わりに、水槽70の外部からの複数の電気配線71に接続された複数の防水光源たとえば防水LED素子72を設けてある。さらに、防水LED素子72の下もしくは水槽70の底部にAl等よりなる反射シート73を設け、これにより、光を反射して防水LED素子72の光を有機物分解光触媒ボール層3及び酸素発生光触媒ボール層4に有効に用いることができる。尚、反射シート73の代りに白色散乱体層でもよい。
【0040】
防水LED素子72は、可視光で励起される酸素発生光触媒ボール層4を確実に励起させるために、例えば、紫外光:可視光=3:1として可視光を混在させる。但し、酸素発生光触媒ボール層4が紫外光応答型光触媒よりなる場合には、防水LED素子72は紫外光のみを出射すればよい。
【0041】
図示しないが、図7の防水LED素子72上には、図1図2図3図4の有機物分解光触媒ボール層3及び酸素発生光触媒ボール層4もしくは図5の有機物分解光触媒柱状層3’及び酸素発生光触媒柱状層4’が設けられている。
【0042】
図8は本発明に係る水浄化装置の第2の実施の形態を示し、(A)は上面図、(B)は側面図である。
【0043】
図8においても、水浄化装置は、水槽に設けられる下部フィルタ(底面フィルタ)で構成されており、エアレーション用のポンプは不要である。すなわち、水浄化装置は、紫外光LED素子11a及び可視光LED素子11bを有するガラス球光源11、ガラス球光源11上に設けられ、たとえば融着された有機物分解光触媒ボール層12、及び有機物分解光触媒ボール層12上に設けられ、たとえば融着された酸素発生光触媒ボール層13によって構成されている。紫外光LED素子11a及び可視光LED素子11bは電気配線14によって水槽外部の電源(図示せず)に接続される。
【0044】
図1の有機物分解光触媒ボール層3及び酸素発生光触媒ボール層4と同様に、有機物分解光触媒ボール層12はTiO2層等の光触媒層12bが塗布されたガラス球12aの少なくとも1層よりなり、酸素発生光触媒ボール層13は酸素発生光触媒、水素発生光触媒等の光触媒層13bが塗布されたガラス球13aの少なくとも1層よりなる。ガラス球11、ガラス球12a、13aは紫外線及び可視光に対して透明な母材たとえばホウケイ酸ガラスによって構成されている。また、ガラス球光源11及びガラス球12a、13aは導光を促すために、高温アニールで融着されている。
【0045】
ガラス球光源11の近くに有機物分解光触媒ボール層12が設けられ、他方、ガラス球光源11から遠くに酸素発生光触媒ボール層13が設けられている。従って、高エネルギーの紫外光によって有機物分解光触媒ボール層12の光触媒層12bが励起され、他方、有機物分解光触媒ボール層12を通過した低エネルギーの可視光によって酸素発生光触媒ボール層13の光触媒層13bが励起される。
【0046】
図8の水浄化装置は、水槽の形式にかかわらず、かなりの自由度で水槽の底部に配置することができる。いずれの場合でも、光源に近い程、励起させるためのエネルギーが高い光触媒を用いる。
【0047】
上述の実施の形態においては、有機物分解用に紫外光応答型光触媒を用い、他方、酸素発生用に可視光応答型光触媒を用いたが、有機物分解用及び酸素発生用の両方に紫外光応答型光触媒を用いてもよく、また、有機物分解用及び酸素発生用の両方に可視光応答型光触媒を用いてもよい。
【0048】
尚、本発明は上述の実施の形態の自明の範囲のいかなる変更も適用し得る。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は観賞魚用水槽の外に、魚の養殖場に利用し得る。
【符号の説明】
【0050】
1:光源
2:導光板
3:有機物分解光触媒ボール層
3’:酸素発生光触媒柱状層
3a:ガラス球
3’a:ガラス棒
3b,3’b :光触媒層
3−1、3−2、3−3、3’−1、3’−2、3’−3:層
4:酸素発生光触媒ボール層
4’:酸素発生光触媒柱状層
4a:ガラス球
4’a:ガラス棒
4b、4’b:光触媒層
4−1、4−2、4’−1、4’−2:層
11:ガラス球光源
11a:紫外光LED素子
11b:可視光LED素子
12:有機物分解光触媒ボール層
13:酸素発生光触媒ボール層
14:電気配線
61:外部光源
62:光ファイバ
63:光拡散部
64:反射シート
71:電気配線
72:防水光源
73:反射シート
Bi:ブロック
Wa,Wb:棒状部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8