(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された圧力センサでは、流体導入部に導入された液体とセンサ素子の感圧部との接触を遮断するダイヤフラム部が経年劣化等によって破損し、液体がセンサ素子の感圧部が存在する空間に流入した場合、液体の空間への流入を検出することができない。
したがって、感圧部が存在する空間に液体が流入した場合に、液体の影響によって受圧面や受圧面と接触するOリング等のシール部材の一部が溶出し、主流路を流通する液体が汚染されてしまう可能性がある。
【0005】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、導入流路内の液体と圧力検出部の受圧面との接触を遮断するダイヤフラムを備える圧力センサにおいて、主流路を流通する液体が汚染される不具合を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係る圧力センサは、主流路を流通する液体の圧力を検出する圧力センサであって、前記主流路から液体が導入される導入流路と、受圧面を有するとともに該受圧面が受ける前記導入流路内の液体の圧力を検出する圧力検出部と、前記導入流路の下流側端部に設けられるとともに前記導入流路内の液体と前記受圧面との接触を遮断しつつ液体の圧力を前記受圧面に伝達するダイヤフラムと、前記受圧面に連通する内部空間への液体の漏れを検出する漏れ検出部とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る圧力センサには、主流路から液体が導入される導入流路の下流側端部にダイヤフラムが設けられており、導入流路内の液体と圧力検出部の受圧面との接触が遮断されている。したがって、受圧面や受圧面と接触するOリング等のシール部材の一部が溶出し、主流路を流通する液体が汚染される不具合が防止される。また、ダイヤフラムが経年劣化等によって破損したとしても、漏れ検出部によって、圧力検出部の受圧面に連通する内部空間への液体の漏れを適切に検出することができる。したがって、内部空間への液体の漏れが検出された場合に、ダイヤフラムを修理あるいは交換することにより、主流路を流通する液体が汚染されてしまう不具合を防止することができる。
【0008】
本発明の第1態様の圧力センサは、前記導入流路と、前記ダイヤフラムとが、単一の部材により一体的に成型されたことを特徴とする。
このように導入流路とダイヤフラムとを単一の部材により一体的に成型して導入流路とダイヤフラムとの接続部分に物理的な隙間を排除することで、導入流路内の液体が内部空間に漏れ出る不具合を確実に防止することができる。
【0009】
本発明の第2態様の圧力センサは、前
記空間と前記圧力センサの外部とを連通する連通流路を備えることを特徴とする。
このようにすることで
、空間が圧力センサの外部と連通した状態となるので、導入流路に導入される液体の圧力に応じてダイヤフラムが受圧面に近接または離間する方向に変形し
て空間の体積が変化しても
、空間の圧力が一定に維持される。したがって、ダイヤフラムが液体の圧力に応じて円滑に変形し、ダイヤフラムから液体の圧力が伝達される受圧面を有する圧力検出部が、液体の圧力を正確に検出することができる。
【0010】
本発明の第3態様の圧力センサは、前記ダイヤフラムを平面視した形状が略円環形状であり、該ダイヤフラムの内周縁部に接続されるとともに前記ダイヤフラムが配置される面よりも前記受圧面側に突出する突起部を備え、前記ダイヤフラムが、前記突起部を介して液体の圧力を前記受圧面に伝達することを特徴とする。
このようにすることで、略円環形状のダイヤフラムを液体の圧力に応じて変形させつつ、ダイヤフラムの内周縁部に接続された突起部を介して、液体の圧力を確実に受圧面に伝達することができる。
【0011】
本発明の第4態様の圧力センサは、前記ダイヤフラムを平面視した形状が略円形状であり、前記ダイヤフラムが、前記導入流路に導入される液体の圧力に応じて変形することにより、液体の圧力を前記受圧面に伝達することを特徴とする。
このようにすることで、略円形状のダイヤフラムを液体の圧力に応じて変形させ、広範囲の領域を介して、液体の圧力をダイヤフラムから直接的に受圧面に伝達することができる。
【0012】
本発明の第5態様の圧力センサは、前記ダイヤフラムを断面視した形状が波形形状となっていることを特徴とする。
このようにすることで、液体の圧力に応じて変形し易い波形形状のダイヤフラムを用いて、液体の圧力を受圧面に確実に伝達することができる。
【0013】
本発明の第6態様の圧力センサは、前記受圧面を平面視した形状が略円形状であり、前記圧力検出部は、前記受圧面の外周縁部と前記ハウジングとを接触させることにより該ハウジングに収容され、前記受圧面の外周縁部と前記ハウジングとが接触する接触部に、前
記空間から前記圧力検出部への液体の流入を遮断するOリングが設けられていることを特徴とする。
【0014】
このようにすることで、ダイヤフラムが経年劣化等によって破損し
、空間に液体が漏れる不具合が生じた場合であっても、Oリングによって遮断することにより
、空間から他の部分への液体の流出を防止することができる。
【0015】
本発明の第7態様の圧力センサは、前記漏れ検出部が、光源から前
記空間に向けて照射された照射光に対する前
記空間からの反射光の検出結果により前
記空間内への液体の漏れを検出する反射型検出器であることを特徴とする。
このようにすることで、液体(例えば、腐食性溶液)の影響による劣化が生じにくい反射型検出器を用いて、液体の漏れを確実に検出することができる。
【0016】
本発明の第8態様の圧力センサは、前記ハウジングおよび前記漏れ検出部は、前
記空間と接する部分がそれぞれフッ素樹脂で形成されており、前記受圧面は、前
記空間と接する部分がサファイヤで形成されていることを特徴とする。
このようにすることで、ダイヤフラムが経年劣化等によって破損し
、空間に液体が漏れる不具合が生じた場合であっても
、空間に流入した液体によって不純物が溶出する不具合を防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、導入流路内の液体と圧力検出部の受圧面との接触を遮断するダイヤフラムを備える圧力センサにおいて、主流路を流通する液体が汚染される不具合を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態の圧力センサについて、図面を参照して説明する。
本実施形態の圧力センサ100は、半導体製造装置等に液体を供給する主流路を形成する配管(図示略)に接続されている。圧力センサ100は、主流路200を流通する液体の圧力を検出する装置である。圧力センサ100は、種々の液体を検出対象とすることが可能であるが、例えば、硝酸(HNO
3)、塩酸(HCL)、硫酸(H
2SO
4)、フッ化水素酸等を含む腐食性溶液を検出対象としている。
【0020】
圧力センサ100は、導入流路10と、圧力検出素子20(圧力検出部)と、ダイヤフラム30と、リークセンサ40(漏れ検出部)と、ハウジング50と、第1回路基板60と、第2回路基板70を備えている。
導入流路10は、主流路200から液体が導入される流路であり、下流側端部にダイヤフラム30が設けられている。導入流路10は、ハウジング50を構成するボディ部50aにより形成されている。導入流路10を形成するボディ部50aとダイヤフラム30とは、単一のフッ素樹脂部材(例えば、PTFE)により一体的に成型されている。圧力センサ100のボディ部50aと主流路200とは、袋ナット80により締結されている。
【0021】
圧力検出素子20は、受圧面20aを有するとともに受圧面20aが受ける導入流路10内の液体の圧力を検出する素子である。本実施形態の圧力検出素子20は、受圧面20aを形成するサファイヤ基板に設けられた金属の抵抗体(図示略)の電気抵抗値の変化に基づいて圧力を検出するひずみゲージ式の素子である。圧力検出素子20の受圧面20aは、後述する内部空間Sと接する部分が耐腐食性を有するサファイヤで形成されている。
【0022】
ダイヤフラム30は、導入流路10内の液体と圧力検出素子20の受圧面20aとの接触を遮断しつつ液体の圧力を受圧面20aに伝達する薄膜状の部材である。
図2に示すように、本実施形態のダイヤフラム30は、平面視した形状が略円環形状となっている。
図2および
図3に示すように、ダイヤフラム30の内周縁部にはダイヤフラム30が配置される面よりも受圧面20a側に突出する突起部31が接続されている。
なお、
図2の断面図に示される断面は、受圧面20aとOリング58が接触する接触部を通過する面と一致している。したがって、
図2には、受圧面20aが示されておらず、受圧面20aの下方に配置される部材が示されている。
【0023】
ダイヤフラム30は、導入流路10内の液体の圧力が高いほど受圧面20aに近接する方向に変形するようになっている。ダイヤフラム30の変形は、突起部31を介して受圧面20aに伝達される。このように、ダイヤフラム30は、突起部31を介して導入流路10内の液体の圧力を受圧面20aに伝達する。
図3に示すように、ダイヤフラム30は、断面視した形状が波形形状となっている。そのため、ダイヤフラム30は、導入流路10内の液体の圧力に応じて変形がし易くなっている。
【0024】
リークセンサ40は、ダイヤフラム30の受圧面20aに連通する内部空間Sへの液体の漏れを検出するセンサである。リークセンサ40は、発光素子(図示略)と、受光素子(図示略)と、光ファイバ40aと、樹脂ヘッド40bとを備えている。光ファイバ40aは、発光素子から樹脂ヘッド40bに導かれる照射光を導くための光ファイバと、樹脂ヘッド40bから受光素子に導かれる反射光を導くための光ファイバとの2本の光ファイバからなる。樹脂ヘッド40bは、耐腐食性のあるフッ素樹脂(例えば、PFA)により形成される部材である。
【0025】
リークセンサ40は、第2回路基板70に取り付けられた光源である発光素子(図示略)から光ファイバ40aにより導かれる照射光を内部空間Sに向けて照射する。この照射光は、内部空間Sの樹脂ヘッド40b近傍に液体が存在しない場合には、樹脂ヘッド40bと内
部空間Sとの境界面で樹脂ヘッド40b内部に向けて反射し、光ファイバ40aを介して受光素子に導かれる。一方、照射光は、内部空間Sの樹脂ヘッド40b近傍に液体が存在する場合には、樹脂ヘッド40bと液体の境界面から内部空間Sに向けて反射する。後者の場合、反射光は光ファイバ40aに導かれず受光素子は反射光を受光しない。
【0026】
リークセンサ40は、受光素子で反射光が検出される場合には内部空間Sへの液体の漏れがないと検出し、受光素子で反射光が検出されない場合には内部空間Sへの液体の漏れがあると検出する。このように、リークセンサ40は、発光素子から内部空間Sに向けて照射された照射光に対する内部空間Sからの反射光の検出結果により内部空間Sへの液体の漏れを検出する反射型検出器となっている。
【0027】
ハウジング50は、圧力検出素子20を内部に収容する部材であり、耐腐食性のあるフッ素樹脂(例えば、PTFE)により形成されている。ハウジング50は、ボディ部50aと、カバー部50bと、蓋部50cにより構成されている。
【0028】
ボディ部50aは、主流路200に接続され軸線X方向に延びる導入流路10が内部に形成された部材である。ボディ部50aの下流側端部には、ダイヤフラム30が設けられている。導入流路10の下流側端部において、軸線Xの径方向の外周側には、受圧面20aとともに内部空間Sを画定する環状凹部51が形成されている。
図3の横断面図に示すように、ダイヤフラム30および環状凹部51は、平面視した形状が略円環状となっている。
【0029】
ボディ部50aには、環状凹部51の底部近傍から軸線Xに直交する方向に延びる断面視が略円形の漏れ検出用孔52が形成されている。漏れ検出用孔52により画定される空間は、環状凹部51により画定される空間と連通している。内部空間Sは、漏れ検出用孔52と、環状凹部51と、受圧面20aにより画定される空間となっている。
【0030】
漏れ検出用孔52の軸線Xの径方向の外側には、漏れ検出用孔52を圧力センサ100の外部空間から遮断するための封止栓53が設けられている。封止栓53の外周面には雄ねじ部が設けられている。封止栓53は、その外周面に設けられた雄ねじ部を、ボディ部50aに設けられた漏れ検出用孔52と連通する開口孔54の内周面に設けられた雌ねじ部に締結させることにより、ボディ部50aに取り付けられる。
【0031】
封止栓53の中央部には、軸線Xに直交する径方向に延びる貫通孔である連通流路53aが設けられている。連通流路53aにより、内部
空間Sと圧力センサ100の外部(外気)とが、連通した状態となる。したがって、内部空間Sが大気圧に維持された状態となり、ダイヤフラム30の変形が内部空間Sの圧力によって妨げられことがなく変形し易い状態が維持される。
【0032】
図1および
図2に示すように、ボディ部50aには、軸線X方向と一致する方向に延びるリークセンサ取付孔55が設けられている。リークセンサ取付孔55には、リークセンサ40が挿入されており、樹脂ヘッド40bの先端が漏れ検出用孔52に露出するようになっている。樹脂ヘッド40bには、漏れ検出用孔52からリークセンサ取付孔55への液体の侵入を防止する円環状のシール部材40cが設けられる。また、光ファイバ40aを支持しつつ上方への液体の浸入を防止するコーキング部材56が設けられている。コーキング部材56は、シール部材40cを通過してリークセンサ取付孔55へ侵入する液体が更に上方へ侵入するのを防止するものである。
【0033】
図2および
図3に示すように、ボディ部50aには、環状凹部51の外周側に平面視が略円環状の環状溝部57が設けられている。環状溝部57には、Oリング58が設けられている。Oリング58が設けられた部分は、平面視した形状が略円形状の受圧面20aの外周縁部とボディ部50aが接触する接触部となっている。この接触部により、内部空間Sから圧力検出素子20への液体の流入が遮断される。
【0034】
ボディ部50aの軸線Xに沿った上端部は軸線Xを中心軸とする筒状となっており、その内周面に雌ねじ部が形成されている。雌ねじ部には、筒状のセンサ保持部材90の外周面に形成された雄ねじ部が締結されている。圧力検出素子20は、ボディ部50aとセンサ保持部材90によって、ボディ部50aに対して位置決めされる。
【0035】
カバー部50bは、ボディ部50aと軸線X上に同軸に配置される筒状部材である。カバー部50bの軸線Xに沿った下端部の内周面は、ボディ部50aの軸線Xに沿った上端部の外周面に係合されている。カバー部50bとボディ部50aの係合部は、Oリングによって遮蔽されている。
蓋部50cは、カバー部50bと軸線X上に同軸に配置される筒状部材である。蓋部50cの軸線Xに沿った下端部の内周面は、カバー部50bの軸線Xに沿った上端部の外周面に係合されている。
【0036】
カバー部50bは、その内部に第1回路基板60および第2回路基板70を収納する。蓋部50cは、カバー部50b内の第1回路基板60および第2回路基板70や、圧力検出素子20を外部から保護している。
【0037】
第1回路基板60は、外部装置(図示略)に接続された外部配線300の電源線および信号線が接続される基板である。第1回路基板60は、圧力検出素子20に電源を供給するとともに、圧力検出素子20が検出する圧力検出信号を受信する。第1回路基板60は、圧力検出素子20から受信した圧力検出信号を、外部配線300の信号線を介して外部装置に伝達する。
【0038】
第2回路基板70は、配線61を介して第1回路基板と接続される基板である。配線61は、電源を供給する電源供給線と、各種の信号の送受信を行う複数の信号線とを含んでいる。第2回路基板70は、リークセンサ40が備える発光素子および受光素子を制御する制御回路(図示略)を備えている。リークセンサ40の受光素子による反射光の検出結果は、配線61および第1回路基板60を介して、外部配線300に接続された外部装置に伝達される。
【0039】
第2回路基板70は、圧力検出素子20の0点調整を実行するための0点調整回路71を含んでいる。0点調整とは、圧力検出素子20が出力する圧力検出信号を調整する処理をいう。導入流路10内の圧力が所定の基準圧力(例えば、大気圧)となっている状態において、蓋部50c上面の0点調整ボタン71aが押されると、0点調整回路71は0点調整処理を行う。具体的に、0点調整回路71は、0点調整ボタンが押されたときの圧力信号が基準圧力を示す値となるように圧力検出素子20から入力される圧力信号を補正する。
【0040】
第2回路基板70は、発光制御回路72を含んでいる。発光制御回路72は、発光素子を制御して、圧力センサ100の動作状態を報知するための回路である。発光制御回路72は、例えば、外部装置から外部配線300を介して電源が供給されている場合に発光するように発光素子を制御する。また、例えば、0点調整ボタン71aが押され、0点調整回路71が0点調整を行っている際に点滅するように発光素子を制御する。さらに、発光制御回路72は、外部装置から外部配線300を介して電源が供給されている場合に、リークセンサ40が液体の漏れを検出しない場合の色(例えば、緑色)と、液体の漏れを検出する場合の色(例えば、橙色)とを異ならせるように制御する。
【0041】
連結部59はカバー部50bに設けられており、圧力検出信号を外部装置に伝達する外部配線300が連結される部材である。連結部59の先端には雌側コネクタが設けられており、外部配線300の先端の接続部301には雄側コネクタが設けられている。雌側コネクタと雄側コネクタが接続されることにより第1回路基板60と外部配線300とが電気的に接続された状態となる。
【0042】
以上説明した本実施形態の圧力センサ100が奏する作用および効果について説明する。
本実施形態の圧力センサ100には、主流路200から液体が導入される導入流路10の下流側端部にダイヤフラム30が設けられており、導入流路10内の液体と圧力検出素子20の受圧面20aとの接触が遮断されている。したがって、受圧面20aや受圧面20aと接触するOリング58の一部が溶出し、主流路200を流通する液体が汚染される不具合が防止される。
【0043】
また、ダイヤフラム30が経年劣化等によって破損したとしても、リークセンサ40によって、圧力検出素子20の受圧面20aに連通する内部空間Sへの液体の漏れを適切に検出することができる。したがって、内部空間Sへの液体の漏れが検出された場合に、ダイヤフラム30を修理あるいは交換することにより、主流路200を流通する液体が汚染されてしまう不具合を防止することができる。
【0044】
本実施形態の圧力センサ100は、導入流路10と、ダイヤフラム30とが、単一のフッ素樹脂部材により一体的に成型されている。
このように導入流路10とダイヤフラム30とを単一のフッ素樹脂部材により一体的に成型して導入流路10とダイヤフラム30との接続部分に物理的な隙間を排除することで、導入流路10内の液体が内部空間Sに漏れ出る不具合を確実に防止することができる。
【0045】
本実施形態の圧力センサ100は、内部空間Sと圧力センサ100の外部とを連通する連通流路53aを備える。
このようにすることで、内部空間Sが圧力センサ100の外部と連通した状態となるので、導入流路10に導入される液体の圧力に応じてダイヤフラム30が受圧面20aに近接または離間する方向に変形して内部空間Sの体積が変化しても、内部空間Sの圧力が一定に維持される。したがって、ダイヤフラム30が液体の圧力に応じて円滑に変形し、ダイヤフラム30から液体の圧力が伝達される受圧面20aを有する圧力検出素子20が、液体の圧力を正確に検出することができる。
【0046】
本実施形態の圧力センサ100は、ダイヤフラム30を平面視した形状が略円環形状であり、ダイヤフラム30の内周縁部に接続されるとともにダイヤフラム30が配置される面よりも受圧面20a側に突出する突起部31を備える。ダイヤフラム30は、突起部31を介して液体の圧力を受圧面20aに伝達する。
このようにすることで、略円環形状のダイヤフラム30を液体の圧力に応じて変形させつつ、ダイヤフラム30の内周縁部に接続された突起部31を介して、液体の圧力を確実に受圧面20aに伝達することができる。
【0047】
本実施形態の圧力センサは、ダイヤフラム30を断面視した形状が波形形状となっている。
このようにすることで、液体の圧力に応じて変形し易い波形形状のダイヤフラム30を用いて、液体の圧力を受圧面20aに確実に伝達することができる。
【0048】
本実施形態の圧力センサ100は、受圧面20aを平面視した形状が略円形状である。また、圧力検出素子20は、受圧面20aの外周縁部とハウジング50のボディ部50aとを接触させることによりハウジング50に収容される。また、受圧面20aの外周縁部とボディ部50aとが接触する接触部に、内部空間Sから圧力検出素子20への液体の流入を遮断するOリング58が設けられている。
【0049】
このようにすることで、ダイヤフラム30が経年劣化等によって破損し、内部空間Sに液体が漏れる不具合が生じた場合であっても、Oリング58によって遮断することにより、内部空間Sから他の部分への液体の流出を防止することができる。
【0050】
本実施形態の圧力センサ100は、リークセンサ40が、発光素子(光源)から内部空間Sに向けて照射された照射光に対する内部空間Sからの反射光の検出結果により内部空間Sへの液体の漏れを検出する反射型検出器である。
このようにすることで、液体(例えば、腐食性溶液)の影響による劣化が生じにくい反射型検出器を用いて、液体の漏れを確実に検出することができる。
【0051】
本実施形態の圧力センサ100は、ハウジング50およびリークセンサ40の樹脂ヘッド40bは、内部空間Sと接する部分がそれぞれフッ素樹脂で形成されており、受圧面20aは、内部空間Sと接する部分がサファイヤで形成されている。
このようにすることで、ダイヤフラム30が経年劣化等によって破損し、内部空間Sに液体が漏れる不具合が生じた場合であっても、内部空間Sに流入した液体によって不純物が溶出する不具合を防止することができる。
【0052】
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態の圧力センサについて、図面を参照して説明する。
第2実施形態は第1実施形態の変形例であり、以下で説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとし、説明を省略する。
【0053】
第1実施形態の圧力センサ100は、ダイヤフラム30を平面視した形状が略円環形状であり、ダイヤフラム30の内周縁部に接続されるとともにダイヤフラム30が配置される面よりも受圧面20a側に突出する突起部31を備えるものであった。
それに対して、本実施形態の圧力センサ100’は、ダイヤフラム30’を平面視した形状が略円形状であり、ダイヤフラム30’が、導入流路10に導入される液体の圧力に応じて変形することにより、液体の圧力を受圧面20aに伝達するものである。
【0054】
図4に示すように、本実施形態のダイヤフラム30’は、平面視した形状が略円形状となっている。ここで、
図4は、本実施形態の圧力センサ100’を、
図1におけるA−A矢視で示した横断面図となっている。
図5に示すように、本実施形態のダイヤフラム30’は、断面視した形状が波形形状となっている。
【0055】
第1実施形態のダイヤフラム30は、突起部31を介して液体の圧力を間接的に受圧面20aに伝達するものであった。それに対して本実施形態のダイヤフラム30’は、突起部31を介さずに、液体の圧力を直接的に受圧面20aに伝達するものである。
本実施形態の圧力センサ100’によれば、平面視が略円形状のダイヤフラム30’を液体の圧力に応じて変形させ、広範囲の領域を介して、液体の圧力をダイヤフラム30’から直接的に受圧面20aに伝達することができる。
【0056】
<第3実施形態>
以下、本発明の第3実施形態の圧力センサについて、図面を参照して説明する。
第2実施形態は第1実施形態の変形例であり、以下で説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとし、説明を省略する。
【0057】
第1実施形態の圧力センサ100は、環状凹部51の底部近傍から軸線Xに直交する方向に延びる断面視が略円形の漏れ検出用孔52を形成し、漏れ検出用孔52にリークセンサ40の樹脂ヘッド40bを露出させるものであった。
それに対して、第3実施形態の圧力センサ100’’は、環状凹部51の底部近傍から軸線Xに直交する方向に延びる断面視が略円形のリークセンサ取付孔55’を設け、環状凹部51にリークセンサ40’の樹脂ヘッドを露出させるものである。
【0058】
図6に示すように、ボディ部50aには、軸線X方向と直交する方向に延びるリークセンサ取付孔55’が設けられている。リークセンサ取付孔55’には、リークセンサ40’が挿入されており、樹脂ヘッド40’bの先端が環状凹部51に露出するようになっている。樹脂ヘッド40’bには、環状凹部51からリークセンサ取付孔55’への液体の侵入を防止するシール部材が設けられる。また、光ファイバ40’aには、液体の浸入を防止するコーキング部材が設けられている。
【0059】
リークセンサ取付孔55’の軸線Xの径方向の外側には、リークセンサ取付孔55’を圧力センサ100’’の外部空間から遮断するための封止栓53’が設けられている。封止栓53’の外周面の径は、ボディ部50aに設けられた取付孔の内周面の径と略同径となっている。封止栓53’は、ボディ部50aに設けられた取付孔に圧入されることにより、ボディ部50aに取り付けられる。
【0060】
本実施形態のボディ部50aには、環状凹部51の底部近傍からボディ部50aの外周面に通じる連通流路400が設けられている。連通流路400により、内部
空間Sと圧力センサ100’’の外部(外気)とが、連通した状態となる。したがって、内部空間Sが大気圧に維持された状態となり、ダイヤフラム30’の変形が内部空間Sの圧力によって妨げられことがなく変形し易い状態が維持される。
【0061】
本実施形態の圧力センサ100’’によれば、リークセンサ40’の樹脂ヘッド40’bが環状凹部51の底部近傍に露出するようになっている。そのため、第1実施形態の圧力センサ100に比べ、より早く内部空間Sへの液体の漏れを検出することができる。
【0062】
<他の実施形態>
その他、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。