特許第6243847号(P6243847)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6243847開栓明示機能を有するクロージャ(atamper−evidentclosure)
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243847
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】開栓明示機能を有するクロージャ(atamper−evidentclosure)
(51)【国際特許分類】
   B65D 41/34 20060101AFI20171127BHJP
【FI】
   B65D41/34 100
【請求項の数】14
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-542891(P2014-542891)
(86)(22)【出願日】2012年11月28日
(65)【公表番号】特表2015-501767(P2015-501767A)
(43)【公表日】2015年1月19日
(86)【国際出願番号】EP2012073859
(87)【国際公開番号】WO2013079545
(87)【国際公開日】20130606
【審査請求日】2015年10月20日
(31)【優先権主張番号】1120522.6
(32)【優先日】2011年11月28日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】513145966
【氏名又は名称】オブリスト クロージャーズ スウィッツァランド ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】OBRIST CLOSURES SWITZERLAND GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100102255
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 誠次
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【弁理士】
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100188352
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 一弘
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 真
(72)【発明者】
【氏名】マクファーソン アレクサンダー ドナルド ミクレム
【審査官】 加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0259844(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0258128(US,A1)
【文献】 特開2009−040442(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 41/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器用の開栓明示機能を有するクロージャであって、前記開栓明示機能を有するクロージャが、第1のシェル区域、該第1のシェル区域の下に配置された第2のシェル区域、及び該第2のシェル区域の下に配置された第3のシェル区域を備え、開栓イベント中に、前記開栓明示機能を有するクロージャが第1の位置から中間位置へと移動され、次に完全に開いた第2の位置まで移動され、該第2の位置において、前記第1のシェル区域を取り外して注ぎ口を露出することができ、前記第1の位置から前記中間位置への移動が、前記第2のシェル区域と前記第3のシェル区域との間に第1の間隙を生じさせ、前記中間位置から前記第2の位置への移動が、前記第1のシェル区域と前記第2のシェル区域との間に第2の間隙を生じさせ、前記開栓イベントが行われたことを確認できるように、前記第1の間隙及び前記第2の間隙が閉じることを防止するための手段を備える、前記クロージャ。
【請求項2】
容器用の開栓明示機能を有するクロージャであって、前記開栓明示機能を有するクロージャが、外側シェル及び注入装備を含み、かつ、開栓イベントにおいて第1の非作動位置から第2の作動位置に移動可能であり、前記第2の作動位置において、前記注入装備から流体を供給することができ、前記注入装備が、外側シェル内の内部ラチェット構成要素上に提供された対応する成形部と協働する雄ねじ山成形部を含み、前記外側シェルが、前記開栓イベントにおいて第1のシェル部、第2のシェル部、及び第3のシェル部に分離可能であり、それにより前記第1のシェル部と前記第2のシェル部との間に第1の間隙を形成し、前記第2のシェル部と前記第3のシェル部との間に第2の間隙を形成し、前記開栓明示機能を有するクロージャが、前記開栓イベントが行われたことを確認できるように、前記第1の間隙及び前記第2の間隙が閉じることを防止するための手段を含む、前記クロージャ。
【請求項3】
第1のシェル部及び第2のシェル部が、始めは、弱化線によって接続されており、前記第2のシェル部及び第3のシェル部が、始めは、弱化線によって接続されている、請求項2に記載の開栓明示機能を有するクロージャ。
【請求項4】
外側シェルの頂部が、注入装備に摩擦嵌合される、請求項2又は3に記載の開栓明示機能を有するクロージャ。
【請求項5】
第1の間隙及び第2の間隙が順次に生じさせられる、請求項〜4のいずれかに記載の開栓明示機能を有するクロージャ。
【請求項6】
第1の間隙及び第2の間隙が実質的に同時に生じさせられる、請求項〜4のいずれかに記載の開栓明示機能を有するクロージャ。
【請求項7】
第1の間隙及び第2の間隙の少なくとも1つが遮られていない、請求項1〜6のいずれかに記載の開栓明示機能を有するクロージャ。
【請求項8】
第1の間隙及び第2の間隙の少なくとも1つが、回転によって生じさせられる、請求項1〜のいずれかに記載の開栓明示機能を有するクロージャ。
【請求項9】
第1の間隙及び第2の間隙の少なくとも1つが、軸方向の分離によって生じさせられる、請求項1〜のいずれかに記載の開栓明示機能を有するクロージャ。
【請求項10】
第1の間隙及び第2の間隙が閉じることを防止するための手段が、1又は2以上のラチェット構成を含む、請求項1〜のいずれかに記載の開栓明示機能を有するクロージャ。
【請求項11】
第1の間隙及び第2の間隙が少なくとも部分的に、シェル区域間のトルク差を使用して生じさせられる、請求項1に記載の開栓明示機能を有するクロージャ。
【請求項12】
第1の間隙及び第2の間隙が少なくとも部分的に、シェル部間のトルク差を使用して生じさせられる、請求項2に記載の開栓明示機能を有するクロージャ。
【請求項13】
容器用の開栓明示機能を有するクロージャであって、前記開栓明示機能を有するクロージャが、該開栓明示機能を有するクロージャの注入装備に摩擦嵌合される、内部ラチェット構成要素を含む第1のシェル区域と、該第1のシェル区域の下に配置された第2のシェル区域とを備える外側シェルを含み、開栓イベントにおいて前記開栓明示機能を有するクロージャが、第1の位置から第2の位置に移動させられ、前記第2の位置において、前記第1のシェル区域が持ち上げられ外されて前記注入装備を露出させることができ、前記第2の位置への前記移動が、前記第1のシェル区域と前記第2のシェル区域との間に単一の間隙を生じさせ、前記開栓明示機能を有するクロージャが、前記単一の間隙が閉じることを防止するための手段を備える、前記クロージャ。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載の開栓明示機能を有するクロージャと組み合わせた容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、容器用のクロージャ(closure)に関し、特に、クロージャが少なくとも一度開栓されたことを示すための手段を備えたクロージャに関する。
【背景技術】
【0002】
容器に元の内容物でない物が詰め替えられていないことを保証する、開栓指示システムの必要性が高まっている。何らかの形態の開栓明示機能を生成することは比較的容易であるが、開栓明示システムを作動させずには打ち破ることができない、又は、作動させた後に、作動されていないかのように視覚的に同じ状態に戻すことができない開栓明示機能を提供することは、はるかに困難である。
【0003】
開栓明示機能を提供する特に有用な方法は、クロージャが始めは第1の位置に位置するが、取り外された後には、第1の位置とは視覚的に異なる第2の位置までしかクロージャを戻すことができないシステムを使用することである。例えば、米国特許第5,738,231号は、開栓プロセス中に移動される部分を備えたクロージャであって、開栓後、容器の末端部にある突起を越えて戻すことができないクロージャを記載している。その結果、クロージャは、その元の位置に対して軸方向で変位された位置までしか戻ることができない。
【0004】
国際公開第02/096771号は、内側部及び外側部を有する第1の部分と、第2の部分とを有するクロージャを記載している。始めは、第1の部分の内側部の一区域が、より小さい円周を有するように形成された第2の部分のレベルよりも下方に突出している。第1の部分が取り外されるとき、内側部のその区域が、第2の部分でのより小さい円周の領域の下方から引っ張られる。取り外し後、第1の部分の内側部と、第2の部分のより小さい円周の領域とは、それらの元の寸法を保ち、それにより、第1の部分が再び適用される場合に、内側部は、より小さい円周の領域の下方に進むことはもはやできない。
【0005】
国際公開第2005/049449号及び第2006/117505号は、内側部及び外側部を含む第1の部分と、第2の部分とを備えた開栓明示機能を有するクロージャを記載している。外側部は、外側部が第2の部分に直に隣接する第1の位置から、内側部に対して移動可能であり、前記外側部は、遮られていない(unobstructed)間隙が間に存在する第2の位置に移動可能である。内側部と外側部は、第2の位置で不可逆的に係止されるように適合され、それにより、外側部は、間隙を閉じるために第1の位置に移動させて戻すことができず、開栓の証拠を与える不可逆的イベント(event)を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,738,231号
【特許文献2】国際公開第02/096771号
【特許文献3】国際公開第2005/049449号
【特許文献4】国際公開第2006/117505号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、容器用の開栓明示機能(不正開栓明示機能)を有するクロージャが提供され、前記クロージャが、2又は3以上の部分(part)を備え、開栓イベントで第1の位置から第2の位置に移動可能であり、前記第2の位置への移動が、前記部分の間及び/又は部分の内部に2又は3以上の間隙(gap)を生じさせ、前記クロージャが、前記開栓イベントが行われたことを確認できるように、間隙が閉じることを防止するための手段を備える。
【0008】
本発明のさらなる態様によれば、容器用の開栓明示機能を有するクロージャが提供され、前記クロージャが、外側シェルを含み、かつ、開栓イベントで第1の非作動位置から第2の作動位置に移動可能であり、前記シェルが、前記開栓イベントで3又は4以上の部分に分離可能であり、それにより2又は3以上の間隙を形成し、前記クロージャが、前記開栓イベントが行われたことを確認できるように、間隙が閉じることを防止するための手段を含む。
【0009】
間隙の幾つか又は全てが、順次に生じさせられてもよい。代替として、又は追加として、間隙の幾つか又は全てが、実質的に同時に生じさせられてもよい。
【0010】
間隙の少なくとも1つは、遮られていなくて(unobstructed)もよい。代替として、又は追加として、間隙の少なくとも1つは、遮られていて(obstructed)もよい。
【0011】
「遮られていない(unobstructed)」は、間隙のところに(at)又は間隙を通して(through)遮るもの(obstruction)が存在しないことを意味する。それにより、クロージャは、間隙に又は間隙内に遮る部材が施されることには依拠しない。遮られていない間隙を形成することによって、間隙を単純に切断する操作によって開栓明示機能を無効にすることはできない。すなわち、係止機構は、間隙から離れていてもよい。
【0012】
少なくとも1つの間隙は、回転によって、例えば2つの部分の相対回転によって生じさせられてもよい。代替として、又は追加として、少なくとも1つの間隙は、軸方向の分離によって、例えば2つの部分を互いから引き離すことによって生じさせられてもよい。
【0013】
クロージャは、シェルを備えていてもよい。金属(例えばアルミニウム)シェルやカウル(cowl)などが、作動要素(working components)を収容するために提供されてもよい。シェルに間隙が形成されてもよい。クロージャの第1及び第2の部分は、間隙がその間に形成される第1及び第2のシェル部をそれぞれ含んでいてもよい。シェル部は、クロージャが開栓されていない状態であるときには、弱化線(line of weakness)によって接合されていてもよい。例えば、脆弱線(frangible line)がシェル内に提供されていてもよく、間隙は、この線がそれに沿って延在する2つのシェル部の隣接する周縁部の間に形成される。
【0014】
間隙が閉じるのを防止するための手段が、1又は2以上のラチェット構成(ratchet arrangement)を含んでいてもよい。そのような機構は、例えば、国際公開第2005/049449号及び第2006/117505号から知られている。したがって、クロージャは、例えば内側部と外側部を第2の位置で係止することによって、第1の位置に戻るのを防止するためのラチェット構成を含んでいてもよい。ラチェット構成は、内側部と外側部を不可逆的に一体に係止する単純で効率的な方法である。
【0015】
幾つかの実施形態では、2つの間隙のみが生じさせられる。他の実施形態では、3又は4以上の間隙が生じさせられてもよい。
【0016】
間隙は、少なくとも一部には、クロージャの区域(section)間のトルク差を使用して生じさせられてもよい。
【0017】
クロージャの第2の部分は、容器に装着可能であってもよい。例えば、第2の部分は、容器の口部及びネック領域に装着可能であってもよい。幾つかの実施形態では、第2の部分は、容器にスナップ嵌合し得る(snap-fitable)ものであってもよい。ロールオンピルファプルーフ(ROPP:Roll-on-pilfer-proof)構成も企図される。
【0018】
クロージャは、注入装備(pouring fitment)を備える又は含んでいてもよい。シェルの頂部は、注入装備に摩擦嵌合されて(friction fitted)もよい。
【0019】
さらに、クロージャは、逆止弁(non-return valve)を備えていてもよい。幾つかの産業、特にアルコール飲料産業では、不正開栓(tampering)を防止するための追加の手段が要求される。しばしば、逆止付属品(non-return fitment)などのボア内付属品(in-bore fitments)が容器に取り付けられて、他の開栓明示手段に関係なく、詰め替えを防止する。
【0020】
クロージャは、適宜、容器又はボア内付属品への係合のために、ねじ山(screw thread)などの成形部を含んでいてもよい。そのような場合、キャップラチェット構成又は他の係止機構が、成形部の上に位置することがあり、それにより係止構成へのアクセス及び不正開栓をより難しくする。
【0021】
本発明のさらなる態様によれば、容器用の開栓明示機能を有するクロージャが提供され、クロージャが、2又は3以上の部分を有する外側シェルを含み、開栓イベントで第1の位置から第2の位置に移動可能であり、第2の位置への移動が、部分の間及び/又は部分の内部にただ1つの間隙を生じさせ、クロージャが、ただ1つの間隙及び注入装備の閉止を防止するための手段を備え、外側シェルの頂部が、注入装備に摩擦嵌合される。
【0022】
外側シェルの頂部は、圧入構成によって注入器具(pourer body)本体に係合されることがあり、それにより、開栓イベントでの外側シェルの頂部の取外しにより、可聴音が生じる。可聴音は、ポップ音でよい。さらに、可聴音に加えて、又はその代替として、開栓イベントにより使用者に振動又は他の触感が提供されてもよい。可聴音及び/又は触感は、閉栓イベントで使用者に提供されてもよい。
【0023】
開栓及び/又は閉栓イベントにより使用者に音及び/又は触感を提供することによって、クロージャのユーザエクスペリエンス、或いは開栓及び/又は閉栓が改良されてもよい。
【0024】
また、本発明は、本明細書で述べるクロージャと、容器とを組み合わせて提供する。
【0025】
次に、本発明を、添付図面を参照して、例としてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に従って形成され、開栓されていない位置で示される開栓明示機能を有するクロージャの側面図である。
図2】第1の開栓段階後で示される、図1のクロージャの側面図である。
図3】第2の開栓段階後で示される、図2のクロージャの側面図である。
図4】代替実施形態に従って形成され、作動位置で示される開栓明示機能を有するクロージャの側面図である。
図5】頂部キャップが取り外された状態で示される、図4のクロージャの斜視図である。
図6】代替実施形態に従って形成され、作動位置で示される開栓明示機能を有するクロージャの側面図である。
図7】頂部キャップが取り外された状態で示される、図6のクロージャの斜視図である。
図8A】代替実施形態に従って形成され、閉栓されている位置で示される開栓明示機能を有するクロージャの断面図である。
図8B図8Bの、中間位置で示されるクロージャの断面図である。
図8C図8Cの、端部位置で示されるクロージャの断面図である。
図9】代替実施形態に従って形成され、作動位置で示される開栓明示機能を有するクロージャの側面図である。
図10】頂部キャップが取り外された状態で示される、図9のクロージャの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
まず図1を参照すると、容器ネック15上に固定された、全体を参照番号10で示される開栓明示機能を有するクロージャが示されている。
【0028】
クロージャ10は、外側金属シェル20を有し、外側金属シェル20は、概してカップ形状であり、円板形の頂部プレート25と、その周縁から垂下する概して円筒形の管状側壁30とを有する。
【0029】
頂部プレート25の下方で、側壁30は、刻み付き領域(knurled region)35を形成し、長手方向に延在する複数のリブを含む。領域35の下方に、タックインビード(tuck-in bead)40と、それに続く2つの円筒形領域45、50とがあり、それらの領域45、50は、さらなるタックインビード55によって分割される。領域50の下方に、さらなるタックインビード60があり、側壁は、広がったスカート領域65で、その開端部において終端する。
【0030】
この実施形態では、タックイン40は、区域(section)30、35が別個となるように中央に切り込まれる。タックイン55は、区域45、50を接続する複数の脆弱ブリッジ56によって画定される弱化線を備える。
【0031】
次に図2を参照すると、図1のクロージャが、図示される中間位置を介して開位置に向かって移動されている状態で示されている。この位置では、区域35、45を含むクロージャの上部が、この実施形態では回転によって移動されており、それにより、区域45、50が分離され、タックイン55内部の脆弱線が破断される。これは、シェル区域45、50の隣接する周縁部の間に間隙G1を作成する。クロージャ10は、間隙G1を閉じることができないように区域45、50を互いに離れた関係で保つための内部ラチェット機構を備える。
【0032】
完全に開いた位置に向かうクロージャ10のさらなる移動により、シェル区域35、45は、図3に示されるように分離され、それによりさらなる間隙G2が形成される。クロージャ10は、間隙G2を閉じることができないように区域35、45を互いに離れた関係で維持するためのさらなる内部ラチェット機構を備える。
【0033】
ここで、クロージャ10を開くことができ、これは、この実施形態では、区域35を取り外して、注ぎ口を露出することによって実現される。頂部キャップ状の区域35が再び配置されるとき、間隙G1、G2のどちらも閉じることができないので、区域35は、図3に示される位置までしか戻らない。これは、クロージャが閉位置から移動されていることを視覚的に示す。
【0034】
次に図4を参照すると、図1図3で説明したクロージャと非常に類似したクロージャ110が示されている。クロージャ110は、図3に対応する作動位置で示されており、2つの間隙G1、G2が形成されている。
【0035】
図4に示される位置から、クロージャ110は、図5に示されるように、これらのシェル区域135、145を含むクロージャの部分を回転させることによって開栓される。これは、その頂部キャップ区域を回転させて、注入器具本体170から外し、注入器具本体170は、雄ねじ成形部171を含み、これは、シェル区域135、145内部の内部ラチェット構成要素175に提供される対応する成形部(図示せず)と協働する。
【0036】
ここで、流体、例えば高価な蒸留酒の分配を、注入器具本体170を通して行うことができる。使用後、頂部キャップは、注入器具本体の上に再び配置され、クロージャは、図4に示される位置に戻り、ここで、間隙G1、G2のどちらも閉じることができない。
【0037】
次に図6を参照すると、代替実施形態に従って形成されたクロージャ210が示される。クロージャ210は、図1図5に示されるクロージャに非常に類似しており、図6では、作動位置で示されており、図3及び図4と同様に2つの間隙G1、G2が既に生じさせられている。
【0038】
この実施形態では、クロージャは、内部ラチェット構成要素275と共にシェル区域235のみを取り外すことによって開かれる。シェル区域235及び構成要素275によって提供される頂部キャップは、注入器具本体270に摩擦嵌合され、したがって、頂部キャップは、本体270を露出するために、持ち上げられて外される。ここでもまた、頂部キャップ235、275が再び配置されると、クロージャ210は、図6に示される位置に戻り、ここで、間隙G1、G2を再び閉じることはできない。
【0039】
頂部シェル区域235は、圧入構成によって注入器具本体270に摩擦嵌合されていてもよく、それにより、開栓イベントでの頂部シェル区域235の取外しにより、可聴音(audible sound)が発生される。可聴音は、ポップ音(pop sound)であってもよい。さらに、可聴音に加えて、又はその代替として、頂部シェル区域235は、開栓イベントにより使用者に振動又は他の触感を提供することができるように注入器具本体270に取り付けられていてもよい。理解されるように、可聴音及び/又は触感は、頂部シェル区域235が注入器具付属品270に再び適用される閉栓イベントにより提供されていてもよい。
【0040】
開栓及び/又は閉栓イベントにより使用者に音及び/又は触感を提供することによって、クロージャのユーザエクスペリエンス、或いは開栓及び/又は閉栓が改良されてもよい。
【0041】
上の説明は、2つの間隙が生じさせられる実施形態において頂部シェル235が注入器具本体270に摩擦嵌合されることを述べているが、2又は3以上の間隙が生じさせられる実施形態で頂部シェル235が注入器具本体270に摩擦嵌合されてもよいことを理解されたい。
【0042】
次に図8Aを参照すると、代替実施形態に従って形成されたクロージャ310が示される。クロージャは、外側シェル320と、外側係止部分380と、内側係止部分385と、注入器具本体390と、一方向弁アセンブリ395とを備える。クロージャは、容器ネック315に取り付けられて図示されており、本体390は、係止ビード316に被さるようにスナップ嵌合され、シェルにあるタックイン360が、係止ビード316を本体に固定する。
【0043】
図8Aに示される位置から、クロージャの回転は、まず、内側部分に対して外側部分をラチェット式に上昇させ、これにより、シェルは線355に沿って破断する。図8Bに示されるように第1の間隙G1が形成され、外側部分は、間隙を閉じることができないように内側部分に係止される。
【0044】
その後、外側部分380は、弱化線381に沿って分裂し、それにより、下側区域382は、内側部分385に係止されたままであり、上側区域382は、引き続き内側部分に対して回転する。これにより、シェルは、線340に沿って破断し、図8Cに示されるように第2の間隙G2が形成される。区域383は、間隙を閉じることができないように内側部分に係止される。
【0045】
ここで、さらなる回転により、内側部分385が、注入器具本体に対して回転し、線386に沿って破断する。ここで、クロージャの頂部区域を回転させて本体から外すことができ、弁アセンブリ及び注入器具を通る分配を可能にする。この点で、クロージャは、図4及び図5に示されるクロージャ110と同様である。
【0046】
次に図9を参照すると、代替実施形態に従って形成されたクロージャ410が示される。クロージャ410は、作動状態でただ1つの間隙Gのみが生じさせられる点で、図1図8に示されるクロージャとは異なる。このただ1つの間隙は、図3及び図4で間隙G1又はG2が生じさせられるのと同様に生じさせられてもよい。
【0047】
この実施形態では、クロージャは、内部ラチェット構成要素475と共にシェル区域435のみを取り外すことによって開かれる。シェル区域235及び構成要素475によって提供される頂部キャップは、注入器具本体470に摩擦嵌合され、したがって、頂部キャップは、本体470を露出するために、持ち上げられて外される。頂部キャップ435、475が再び配置されると、クロージャ410は、図9に示される位置に戻り、ここで、間隙Gを再び閉じることはできない。
【0048】
頂部シェル区域435は、圧入構成によって注入器具本体470に摩擦嵌合されてもよく、それにより、開栓イベントでの頂部シェル区域435の取外しにより、可聴音が発生される。可聴音は、ポップ音でよい。さらに、可聴音に加えて、又はその代替として、頂部シェル区域435は、開栓イベントにより使用者に振動又は他の触感を提供することができるように注入器具本体470に取り付けられてもよい。理解されるように、可聴音及び/又は触感は、頂部シェル区域435が注入器具付属品470に再び適用される閉栓イベントの結果としてもたらされてもよい。
【0049】
開栓及び/又は閉栓イベントにより使用者に音及び/又は触感を提供することによって、クロージャのユーザエクスペリエンス、或いは開栓及び/又は閉栓が改良されてもよい。
【0050】
図9及び図10の実施形態では、クロージャ410が、ただ1つの生じさせられた間隙Gのみからなることに留意されたい。すなわち、クロージャ410は、唯一の間隙Gを有し、他の間隙は生じさせられない。
【0051】
図9は、ただ1つの間隙Gが、頂部シェル区域435のすぐ下に位置決めされることを示すが、ただ1つの間隙が、クロージャの任意の位置に生じさせられることがあることを理解されたい。例えば、ただ1つの間隙は、代わりに、図4図8に示される間隙G1と同じ位置に形成されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10