(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記直鎖状PEが、エチレンベースのポリマー組成物の骨格中に存在する1000炭素原子あたり0.01〜0.08ビニルの範囲中のビニル不飽和を有する、請求項1に記載の物質の組成物。
前記直鎖状PEが1000炭素原子あたり0.02〜3の長鎖分岐の長鎖分岐頻度(LCBf)を有することによってさらに特徴づけられる、請求項1に記載の物質の組成物。
前記高圧低密度タイプのポリエチレン樹脂が、不等式Log溶融強度(cN)>1.18−0.6×Log I2を満たす溶融強度を有する、請求項1に記載の物質の組成物。
前記添加剤が、抗酸化剤、ホスファイト、クリング添加剤、色素、着色剤、フィラーまたはそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項19に記載の物質の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の用語は本発明のために与えられた意味を有するものとする。
【0011】
「引取」とは、基材が移動し、したがって溶融ポリマー押出し物を延伸または伸長する速度を意味するように本明細書において定義される。
【0012】
「ドローダウン」とは、溶融ポリマーがダイから離脱する引取速度、またはエッジ不安定性が指摘される速度として定義される。
【0013】
「溶融強度」とはポリマー溶融の伸張的なフロー挙動を測定するものであり、それは一定の加速率で1対の異方向回転ホイールを介して溶融ポリマーストランドをドローするのに要求される力によって決定される。ポリマーストランドは、ポリマーの融解温度より上の温度で一定のアウトプット率のキャピラリーレオメータによって供給することができる。溶融強度(ストランド破壊前のプラトーでの力によって測定される)は、センチ−ニュートン(cN)で本明細書において報告され、それは典型的には190℃でGottfert Rheotens 71.97を使用して決定される。
【0014】
「ネックイン」とは、製造された物品に関してダイ幅と押出し物幅との間の差異として本明細書において定義される。本明細書において報告されたネックイン値は、1ミルのコーティング厚をもたらす440フィート/分の引取率に加えて、0.5ミルのコーティング厚をもたらす880フィート/分の引取率で、およそ250ポンド/時間の押出し率で、24インチまでデクルされ(deckled)、25ミルのダイギャップを有する30インチ幅のダイを装備した直径3.5インチ、30:1L/D Black−Clawson押出しコーティング装置を使用して、決定される。
【0015】
「ポリマー」という用語は、本明細書において使用される時、同じタイプまたは異なるタイプのものであるかにかかわらず、モノマーの重合によって調製されるポリマー化合物を指す。したがってポリマーという総称的な用語は、通常1つのタイプのみのモノマーから調製されるポリマーを指すように用いられる「ホモポリマー」という用語に加えて、2つ以上の異なるモノマーから調製されたポリマーを指す「コポリマー」を包含する。
【0016】
「LDPE」という用語は「高圧エチレンポリマー」または「高分岐ポリエチレン」とも称することができ、オートクレーブまたは管型反応器中のポリマーが、フリーラジカル開始剤(過酸化物等)を使用して14,500psi(100MPa)より上の圧力で部分的にまたは完全にホモポリマー化またはコポリマー化されることを意味するように定義される(例えば参照として本明細書に援用されるUS4,599,392を参照されたい)。
【0017】
「LLDPE」という用語は、任意の直鎖状または実質的に直線状のポリエチレンコポリマーを意味するように定義される。LLDPEは任意のプロセス(気体相、溶液相もしくはスラリーまたはそれらの組み合わせ等)によって作製することができる。
【0018】
試験方法
メルトインデックス
メルトインデックス(またはI
2)はASTM D 1238(条件190℃/2.16kg)に従って測定され、10分あたりの溶出されたグラムで報告される。I
10はASTM D 1238(条件190℃/10kg)に従って測定され、10分あたりのグラムで報告された。
【0019】
密度
密度測定のための圧縮成型されたサンプルはASTM D 4703に従って調製される。密度測定は成型の1時間内にASTM D792(方法B)に従って実行される。
【0020】
動的機械的分光法
空気中で10MPaの圧力下で177℃5分間、3mm厚×25mm直径の円形プラークへと樹脂を圧縮成型した。次いでサンプルをプレスから外へ取り出し、カウンター上に置いて冷却する。
【0021】
一定温度の周波数掃引は、25mmの平行板を装備したTA Instruments「Advanced Rheometric Expansion System(ARES)」を使用して、窒素パージ下で実行される。サンプルを板上に置き、190℃で5分間溶融させる。次いでプラークを2mmに閉じ、サンプルを切り取り、次いで試験を開始する。方法は温度平衡を可能にするために追加の5分の遅延をもともと有する。実験は、10間隔あたり5点で0.1〜100ラジアン/秒の周波数範囲にわたって190℃で実行される。歪み振幅は10%で一定である。応力応答は振幅および位相に関して解析され、それから、貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G’’)、複素弾性率(G
*)、動的粘度(η
*)、およびtan(δ)あるいはtanデルタが計算される。
【0022】
溶融強度
溶融強度測定は、Gottfert Rheotester 2000キャピラリーレオメータに付加されたGottfert Rheotens 71.97(Goettfert Inc.;Rock Hill、SC)で行なわれた。溶融されたサンプル(約25〜30グラム)を、30mmの長さ、2.0mmの直径および15のアスペクト比(長さ/直径)の平面入口角(180度)を装備した、Goettfert Rheotester 2000キャピラリーレオメータのバレル(長さ=300mm、直径=12mm)の中へ供給した。190℃で10分間サンプルを平衡化した後に、ピストンを、0.265mm/秒の一定のピストン速度(それは与えられたダイ直径で38.2s
−1の壁剪断率に対応する)で運転した。スタンダードの試験温度は190℃であった。サンプルを、ダイの100mm下に設置した加速ニップのセットに対して2.4mm/s
2の加速度で一軸性にドローした。張力をニップロールの巻取り速度の関数として記録した。ストランドが離脱する前に、溶融強度はプラトー力(cN)として報告された。溶融強度測定において以下の条件を使用した。プランジャー速度=0.265mm/秒;ホイール加速度=2.4mm/s
2;キャピラリー直径=2.0mm;キャピラリー長=30mm;およびバレル直径=12mm
【0023】
高温ゲル透過クロマトグラフィー
ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)システムは、内蔵の示差屈折率検出器(RI)(他の好適な濃度検出器はPolymer ChAR(Valencia、スペイン)からのIR4赤外線検出器を含み得る)を装備した、Waters(Milford、Mass)150C高温クロマトグラフからなる(他の好適な高温GPC装置はPolymer Laboratories(Shropshire、イギリス)モデル210およびモデル220を含む)。データ収集は、Viscotek TriSECソフトウェア、バージョン3、および4チャネルViscotek Data Manager DM400を使用して実行する。システムはPolymer Laboratories(Shropshire、イギリス)からのオンライン溶媒ガス抜き装置も装備する。
【0024】
好適な高温GPCカラムは、20ミクロン混合孔サイズパッキング(MixA LS、Polymer Labs)の4つの30cm長のShodex HT803 13ミクロンカラムまたは4つの30cmのPolymer Labsカラム等を使用することができる。サンプルカルーセルコンパートメントを140℃で操作し、カラムコンパートメントを150℃で操作する。50ミリリットルの溶媒中で0.1グラムのポリマーの濃度でサンプルを調製する。クロマトグラフィー溶媒およびサンプル調製溶媒は200ppmのトリクロロベンゼン(TCB)を含有する。両方の溶媒を窒素と共に散布する。ポリエチレンサンプルを160℃で4時間穏やかに撹拌する。射出体積は200マイクロリットルである。GPCを介するフロー率を1ml/分でセットする。
【0025】
GPCカラムセットは21の狭範囲の分子量分布のポリスチレンスタンダードの実行によってキャリブレーションされる。スタンダードの分子量(MW)は580〜8,400,000の範囲であり、スタンダードは6つの「カクテル」混合物中に含有される。各スタンダード混合物は、個々の分子量間の少なくとも10の分離を有する。スタンダード混合物はPolymer Laboratoriesから購入する。ポリスチレンスタンダードは1,000,000以上の分子量については50mLの溶媒中に0.025g、および1,000,000未満の分子量については50mLの溶媒の中に0.05gで調製される。ポリスチレンスタンダードを緩やかな撹拌により80℃で30分間溶解した。狭範囲のスタンダード混合物を最初に、そして分解を最小限にするように最も高い分子量コンポーネントから減少する順序で実行する。ポリスチレンスタンダードピーク分子量は、以下の方程式2(Williams and Ward,J.Polym.Sci.,Polym.Letters,6,621(1968)中に記載されるように)
【数2】
(式中、Mはポリエチレンまたはポリスチレン(示されるように)の分子量であり、Bは1.0に等しい)を使用して、ポリエチレン分子量に転換される。Aは約0.38〜約0.44の範囲中であり得ることは当技術分野における当業者に公知であり、広範囲のポリエチレンスタンダードを使用して、キャリブレーション時に決定される。分子量値(分子量分布(MWDまたはM
W/M
n)等)を得るためのこのポリエチレンキャリブレーション方法および関連する統計(一般的に慣習的なGPCまたはcc−GPC結果を指す)の使用は、ここでWilliamおよびWardの修飾された方法として定義される。
【0026】
長鎖分岐頻度(LCBf);ゼロ剪断粘度比(ZSVR)(クリープゼロ剪断粘度および重量平均分子量の決定を含む);コモノマー分布定数(CDC);およびビニル不飽和のレベルは、WO/2011/002868、特にPCT/US11/057780(それらの全体は参照として本明細書に援用される)中に記載されるように決定される。
【0027】
組成物の記載
本発明の組成物は少なくとも2つのコンポーネントを含む。第1のコンポーネント(それは直鎖状低密度ポリエチレンである)は、組成物の重量で50〜97%、好ましくは55以上、より好ましくは全体的な組成物の重量で60パーセント以上含まれる。
【0028】
本発明の組成物の作製で使用される好ましいブレンド中のLLDPEは以下の5つの特徴を有する。第一に、0.89g/cm
3、好ましくは0.90g/cm
3、より好ましくは0.905g/cm
3〜0.97g/cm
3、好ましくは0.96gg/cm
3、より好ましくは0.93g/cm
3までの範囲中の密度である。第二に、LLDPEは、2.8未満、好ましくは1.9〜2.5の範囲中、より好ましくは2.0〜2.3の範囲中のMWDを有するべきである。第三に、LLDPEは、4.0g/10分、好ましくは6g/10分、より好ましくは8g/10分〜25g/10分、好ましくは20g/10分、より好ましくは15g/10分までの範囲中のメルトインデックス(I
2)を有するべきである。第四に、LLDPEは、45、好ましくは50、より好ましくは55を超える〜400、好ましくは200、より好ましくは150までの範囲中のコモノマー分布定数を有するべきである。第五に、LLDPEは、エチレンベースのポリマー組成物の骨格中に存在する1000炭素原子あたり0.12未満ビニルのビニル不飽和を有するべきである。好ましくは、ビニル不飽和のレベルは、エチレンベースのポリマー組成物の骨格中に存在する1000炭素原子あたり0.01〜0.1または場合によっては0.08のビニル基の範囲中であるべきである。好ましくは、本発明の好ましいブレンド中のLLDPEは、1000炭素原子あたり.02〜3の長鎖分岐、1000炭素原子あたり好ましくは0.02〜1、またはより好ましくは0.02〜0.5の長鎖分岐の長鎖分岐頻度(LCBf)も有するだろう。好ましくは、本発明の好ましいブレンド中のLLDPEは、少なくとも1.4、好ましくは少なくとも1.5のゼロ剪断粘度比(ZSVR)も有するだろう。ZSVRについては上限がないが、一般にLLDPEは20未満または場合によっては10未満のZSVRを有するだろう。
【0029】
これらのパラメータを満たすLLDPEは、WO/2011/002868中に記載されるプロセスに従って得ることができる。
【0030】
本発明の組成物は高圧低密度ポリエチレンを含む第2のポリエチレン樹脂も含む。第2のポリエチレンは、全組成物の重量で3〜50パーセント、あるいは10〜40パーセント、より好ましくは15〜35パーセント含まれる。一般に、含まれ得るこの樹脂が多いほど、良好なネックイン特性を達成するのに必要なLLDPEコンポーネントは少ない。かかるLDPE材料は当技術分野において周知であり、オートクレーブまたは管型反応器中で作製された樹脂を含む。第2のポリエチレンとして使用される好ましいLDPEは、0.915〜0.930g/cm
3、好ましくは0.916〜0.925、より好ましくは0.917〜0.920g/cm
3の範囲中の密度を有する。第2のポリエチレンで使用される好ましいLDPEは、不等式Log溶融強度(cN)>1.14−0.6Log I2(g/10分、190℃);好ましくはLog溶融強度>(cN)1.16−0.6×Log I
2、より好ましくはLog溶融強度>(cN)1.18−0.6×Log I
2を満たす溶融強度を有する。
【0031】
全体的な組成物は、4〜20g/10分、好ましくは6〜15/g/10分のメルトインデックス、および0.90〜0.96g/cm
3の全体的な密度を好ましくは有する。
【0032】
添加剤(抗酸化剤(例えば(Ciba Geigyによって提供されるIrganox(登録商標)1010またはIrganox(登録商標)1076等のヒンダードフェノール類)、ホスファイト(例えば同様にCiba Geigyによって提供されるIrgafos(登録商標)168)、クリング添加剤(例えばPIB)、Standostab PEPQ(商標)(Sandozによって提供される)、色素、着色剤、フィラーおよび同種のもの等)も、出願人によって見出された高ドローダウンおよびネックインの実質的な減少を妨げない程度まで、本発明のエチレンポリマー押出し組成物中に含むことができる。これらの組成物は好ましくは抗酸化剤を含有しないか、または限定的な量のみを含有するが、これらの化合物が基材に対する接着を妨げ得るからである。発明の組成物から作製された物品またはこの組成物を使用して作製された物品は、ブロッキング防止および摩擦係数の特徴を促進するために、無処理および処理された二酸化ケイ素、タルク、炭酸カルシウムおよび粘土に加えて、第1級脂肪酸アミド、第2級脂肪酸アミドおよび置換脂肪酸アミド、チルロール放出剤、シリコーンコーティングなどを含むが、これらに限定されない添加剤も含有することができる。例えばNiemannによる米国特許4,486,552(その開示は参照として本明細書に援用される)中で記載されるように、例えば透明なキャストフィルムの抗曇性の特徴を促進するために、他の添加剤も添加することができる。さらに他の添加剤(第4級アンモニウム化合物単独、またはエチレン−アクリル酸(EAA)コポリマーもしくは他の機能性ポリマーと組み合わせて等)も、本発明のコーティング、プロファイルおよびフィルムの抗静電気性の特徴を促進し、例えば電子的感受性物のパッケージングまたは製造を可能にするために、添加することができる。他の機能性ポリマー(無水マレイン酸グラフトポリエチレン等)も、特に極性の基材に対する接着を促進するために添加することができる。
【0033】
本発明のポリマー押出し組成物の作製のための好ましいブレンドは、タンブルドライブレンディング、秤量供給、溶媒ブレンディング、コンパウンド押出しもしくはサイドアーム押出しを介する溶融ブレンディングまたは同種のものに加えて、それらの組み合わせを含む、当技術分野において公知の任意の好適な手段によって調製することができる。
【0034】
発明の押出し組成物は、多重検出器GPCによって証明されるような必要なレオロジーおよび分子構造が維持される限り、他のポリマー材料(ポリプロピレン等)、高圧エチレンコポリマー(エチレン酢酸ビニル(EVA)、エチレンエチルアクリレート(EEA)およびエチレンアクリル酸(EAA)、ならびに同種のもの等)、エチレン−スチレンインターポリマーともブレンドすることができる。組成物を使用して、例えばシーラント層、接着層または結束層として、単層または多層の物品および構造を調製することができる。他のポリマー材料を発明の組成物とブレンドして、当技術分野において一般的に公知であるように、加工、フィルムの強度、ヒートシールまたは付着特性を修飾することができる。
【0035】
本発明のエチレンポリマー押出し組成物(単層または多層の構築に関わらず)を使用して、当技術分野において一般的に公知であるように、押出しコーティング、押出しプロファイルおよび押出しキャスティングしたフィルムを作製することができる。発明の組成物がコーティング目的のためにまたは多層の構築中で使用される時、例えば紙製品、金属、セラミック、ガラスおよび様々なポリマー、特に他のポリオレフィンおよびそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない基材または隣接する材料層は、極性または非極性であり得る。押出しプロファイリングについては、組成物の物理的特性が目的に好適である様々な物品(冷蔵庫ガスケット、電線およびケーブル外被、電線コーティング、医療用チューブならびに水配管を含むが、これらに限定されない)を製造できる可能性がある。発明の組成物からまたはそれにより作製された押出しキャスティングしたフィルムは、食品包装および産業用のストレッチラップの適用においても使用できる可能性がある。
【0036】
実験
本発明の組成物の有効性を実証するために以下の実験を実行する。
【0037】
4つの異なる直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を使用した。樹脂A、BおよびDは、両方の反応器中で使用される拘束幾何触媒によるデュアル反応器溶液プロセスにおいて生産される。樹脂Cは、1つの反応器中で拘束幾何触媒および第2の反応器中でチーグラー−ナッタ触媒によるデュアル反応器溶液プロセスにおいて生産される。樹脂A〜Dは表1中でより完全に記載される。
【0038】
各実施例において使用されるLDPEは、0.918g/cm
3の密度および8g/10分のメルトインデックス(I
2)を有する、オートクレーブ反応器中で作製された高圧低密度ポリエチレンであり、それは名称LDPE 722下でDow Chemical Companyから商業的に入手可能である。
【0039】
ブレンディング
特徴づけのために、樹脂を以下のようにブレンドした。LLDPEコンポーネントおよびLDPEコンポーネントを18mmの二軸スクリュー押出し機(マイクロ−18)中で調合する。使用する二軸スクリュー押出し機はHaakeソフトウェアによって制御されるLeistritzマシンである。押出し機は5つの加熱ゾーン、供給ゾーンおよび3mmのストランドダイを有する。供給ゾーンは河川水の流動によって冷却され、一方残りのゾーン1〜5およびダイは電気的に加熱され、空気はそれぞれ120、135、150、190、190および190℃まで冷却した。ペレットブレンドコンポーネントをプラスチックバッグ中で組み合わせ、手によってタンブルブレンドする。押出し機を予熱した後に、ロードセルおよびダイ圧力トランスデューサーをキャリブレーションする。押出し機のための駆動ユニットは200rpmで実行され、ギヤートランスファーによって250rpmのスクリュー速度を生じる。次いでドライブレンドを、ペレットオーガーを使用して、ツインオーガーK−Tron供給装置モデル#K2VT20を介して押出し機へ供給する(6〜8ポンド/時間)。供給装置のホッパーに窒素を詰め、押出し機への供給コーンをフォイルにより密封して空気の侵入を最小限し、ポリマーの酸素分解の可能性を最小限にする。結果として生じるストランドを水によりクエンチし、エアナイフにより乾燥し、Conairチョッパーによりペレット化する。次いでこれらのブレンドを特徴づけ、結果を表2中で提示する。
【0040】
押出しコーティング
次いで同じ樹脂を押出しコーティングにおける使用のために同じ比でドライブレンドした。すべてのコーティング実験はBlack−Clawson押出しコーティング/薄層化ライン上で実行される。ネックインの量(実際のコーティング幅vs6インチ(15cm)のエアギャップを備えたデクル幅における差異)を440fpmおよび880fpmで測定し、それぞれ1ミルおよび0.5ミルのコーティングをもたらす。ドローダウンは、エッジ欠陥が指摘される速度または溶融カーテンがダイから完全に裂ける速度である。装置は3000fpmの引取速度が可能であるが、これらの実験において使用された最高速度は1500fpmであった。これは通常の操作であり、紙を節約し、購入された板紙の各ロールについて機械上で行う実験数を最大にするために行なわれる。モータ電流は、さらにおよそ90rpmのスクリュー速度(250ポンド/時間のスループットをもたらす)の間に、150馬力3 1/2インチ直径の押出し機上で記録される。様々なコンポーネントのブレンドは、表3中でリストされた比に従ってペレットを秤量することおよび次いで均一ブレンドが得られるまでサンプルをタンブルブレンドすること(各サンプルにつきおよそ30分)によって生産される。各ブレンドについての観察されたネックインおよびドローダウンは表3中で提示される。この表中で理解されるように、発明の実施例は最大ドローダウンにおける減少がない優れたネックインを示した。
【表1】
【表2】
【表3】
【0041】
本発明は先行する記載および実施例を介してかなりに詳細に記載されたが、この詳細は例示の目的のためであり、添付の請求項中に記載される本発明の範囲に対する限定として解釈するべできでない。かかる組み合わせが非適合性列挙を含有する請求構造をもたらさなければ、以下の請求項を任意の順序で組み合わせられることが明らかに意図されることを理解すべきである。すべての上述の特許、特許出願および他の参照は、法律によって可能な程度まで、参照として本明細書に援用される。
【0042】
以下の実施形態は本発明の範囲内に考慮され、出願人は、請求項を修正する権利、または請求項の現在のリスト中にまだ明示的に列挙されないこれらの実施形態のいずれかを特異的に請求する1つまたは複数の追加出願を出願する権利を留保する。
【0043】
実施形態1.a.組成物の重量で約97〜約50パーセントであり、
i.0.89g/cc〜0.97g/ccの範囲中の密度と、
ii.2.8未満のMw/Mnと、
iii.4.0〜25g/10分の範囲中のメルトインデックス(I
2)と、
iv.45〜400の範囲中のコモノマー分布定数と、
v.エチレンベースのポリマー組成物の骨格中に存在する1000炭素原子あたり0.12未満ビニルのビニル不飽和と
を有する、直鎖状PEの組成物;および
b.組成物の重量で約3〜約50パーセントであり、0.1〜15g/10分の範囲中のメルトインデックス(I
2)を有し、不等式
【数3】
(式中、物質の組成物のMIは4g/10分〜20g/10分の範囲中である)
を満たす溶融強度を有する、高圧低密度タイプのポリエチレン樹脂
を含む組成物。
実施形態2.前記直鎖状PEが少なくとも1.8のMWDを有する、実施形態1に記載の物質の組成物。
実施形態3.前記直鎖状PEが0.90〜0.96g/ccの範囲中の密度を有する、実施形態1に記載の物質の組成物。
実施形態4.前記直鎖状PEが0.905〜0.93g/ccの範囲中の密度を有する、実施形態1に記載の物質の組成物。
実施形態5.前記直鎖状PEが1.9〜2.5の範囲中のMWDを有する、実施形態1に記載の物質の組成物。
実施形態6.前記直鎖状PEが2.0〜2.3の範囲中のMWDを有する、実施形態1に記載の物質の組成物。
実施形態7.前記直鎖状PEが6〜20g/10分のメルトインデックスを有する、実施形態1に記載の物質の組成物。
実施形態8.前記直鎖状PEが8〜15g/10分のメルトインデックスを有する、実施形態1に記載の物質の組成物。
実施形態9.前記直鎖状PEが50〜200のコモノマー分布定数を有する、実施形態1に記載の物質の組成物。
実施形態10.前記直鎖状PEが55〜150のコモノマー分布定数を有する、実施形態1に記載の物質の組成物。
実施形態11.前記直鎖状PEが、エチレンベースのポリマー組成物の骨格中に存在する1000炭素原子あたり0.01〜0.1ビニルの範囲中のビニル不飽和を有する、実施形態1に記載の物質の組成物。
実施形態12.前記直鎖状PEが、エチレンベースのポリマー組成物の骨格中に存在する1000炭素原子あたり0.01〜0.08ビニルの範囲中のビニル不飽和を有する、実施形態1に記載の物質の組成物。
実施形態13.前記直鎖状PEが1000炭素原子あたり0.02〜3の長鎖分岐の長鎖分岐頻度(LCBf)を有することによってさらに特徴づけられる、実施形態1に記載の物質の組成物。
実施形態14.前記直鎖状PEが1000の炭素原子あたり0.02〜1の長鎖分岐の長鎖分岐頻度(LCBf)を有する、実施形態13に記載の物質の組成物。
実施形態15.前記直鎖状PEが1000の炭素原子あたり0.02〜0.5の長鎖分岐の長鎖分岐頻度(LCBf)を有する、実施形態13に記載の物質の組成物。
実施形態16.前記直鎖状PEが少なくとも1.4のゼロ剪断粘度比(ZSVR)を有することによってさらに特徴づけられる、実施形態1に記載の物質の組成物。
実施形態17.前記ゼロ剪断粘度比(ZSVR)が少なくとも1.5である、実施形態16に記載の物質の組成物。
実施形態18.前記直鎖状PEが組成物の重量で97〜55%含まれる、実施形態1に記載の物質の組成物。
実施形態19.前記直鎖状PEが組成物の重量で97〜60%含まれる、実施形態1に記載の物質の組成物。
実施形態20.前記高圧低密度タイプのポリエチレン樹脂が、不等式Log溶融強度(cN)>1.16−0.6×Log I
2を満たす溶融強度を有する、実施形態1に記載の物質の組成物。
実施形態21.前記高圧低密度タイプのポリエチレン樹脂が、不等式Log溶融強度(cN)>1.18−0.6×Log I
2を満たす溶融強度を有する、実施形態1に記載の物質の組成物。
実施形態22.前記高圧低密度タイプのポリエチレン樹脂が、0.4〜12g/10分の範囲中のメルトインデックスを有する、実施形態1に記載の物質の組成物。
実施形態23.前記物質の組成物のMIが4g/10分〜15g/10分の範囲中である、実施形態1に記載の物質の組成物。
実施形態24.前記物質の組成物のMIが7g/10分〜12g/10分の範囲中である、実施形態1に記載の物質の組成物。
実施形態25.実施形態1〜24のいずれか一項に記載の物質の組成物から作製されたフィルム。
実施形態26.1つまたは複数の追加層をさらに含む、実施形態25に記載のフィルム。
実施形態27.1つまたは複数の追加の樹脂コンポーネントをさらに含む、実施形態1に記載の物質の組成物。
実施形態28.1つまたは複数の添加剤をさらに含む、実施形態1に記載の物質の組成物。
実施形態29.前記添加剤が、抗酸化剤、ホスファイト、クリング添加剤、色素、着色剤、フィラーまたはそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態28に記載の物質の組成物。