(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コントローラは、前記蓄電装置の蓄電量、前記蓄電装置の温度、前記発電電動機の温度、前記旋回電動機の温度のうち少なくとも1つの条件に応じて前記通常モードから前記速度低減モードに遷移してなる請求項1に記載のハイブリッド建設機械。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたハイブリッド建設機械では、蓄電装置の電力供給量が十分でないときでも、優先度の高い電動アクチュエータの動作性能を確保することはできるが、複数の電動アクチュエータが同時駆動する際の動作バランスについては、考慮されていない。
【0006】
例えば、ショベルによってダンプに砂利や土砂を積み込む際には、旋回しながらブームを上げる旋回ブーム上げという動作が頻繁に行われる。このような動作では、同じレバー操作量に対してブームを含むフロント部(作業装置)が常に同じ軌跡を描くのが望ましい。しかしながら、特許文献1に記載されたハイブリッド建設機械では、蓄電装置の電力供給量が不足するときには、電動アクチュエータの優先度に従って電力を分配するから、蓄電装置の電力供給量に応じて、旋回電動モータと油圧ポンプに連結された発電電動機への電力供給の比率が変化する可能性がある。この場合、旋回電動モータによる旋回動作と油圧ポンプによるブーム上げ動作との比率が変わり、フロント部は通常時とは異なる軌跡を描くことになる。
【0007】
また、蓄電装置の電力供給量が充分であっても、例えば温度上昇等が原因で旋回電動モータや発電電動機が充分な出力を出せない場合もある。この場合でも、前述と同様に、フロント部の描く軌跡が変化するという問題が生じる。
【0008】
このように各種の状況に応じてフロント部の描く軌跡が変化すると、オペレータに普段の操作とは異なる操作を強いることになる。このため、操作違和感が生じて、オペレータに余分なストレスを与えてしまう虞れがある。
【0009】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、蓄電装置の電力供給量や電動機の出力が不十分となった場合でも、オペレータの操作違和感を抑えることができるハイブリッド建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、旋回体を備えた車体と、前記旋回体に設けられた作業装置と、前記車体に設けられたエンジンと、前記エンジンに機械的に接続された発電電動機と、前記発電電動機に電気的に接続された蓄電装置と、前記エンジンに機械的に接続された油圧ポンプと、前記車体または前記作業装置を駆動する複数のアクチュエータと、操作量に応じて前記複数のアクチュエータを駆動させるアクチュエータ操作装置と、前記発電電動機の出力を制御するコントローラとを備えたハイブリッド建設機械において、
前記複数のアクチュエータのうちの1つのアクチュエータは、前記油圧ポンプからの圧油によって駆動する旋回油圧モータであり、前記車体には、前記発電電動機および前記蓄電装置に電気的に接続され、前記旋回油圧モータとの複合トルクで前記旋回体を旋回動作させる旋回電動機が設けられ、前記コントローラは、前記発電電動機、前記蓄電装置の状態に応じて前記複数のアクチュエータの動作速度を低減する速度低減モードと、前記複数のアクチュエータの動作速度の低下が解除された通常モードとを有し、前記速度低減モードで
旋回動作と前記作業装置のブーム上げ動作との複合動作を行うときに、
前記旋回動作の出力と前記ブーム上げ動作
の出力との比率を、前記通常モードでの比率
と同じ値になるように、前記複数のアクチュエータの出力を低減する機能
と、前記旋回電動機の出力を制御する機能とを有
し、前記速度低減モードで前記複合動作を行うときであって、前記旋回電動機と前記発電電動機が同時に力行作用するときには、前記発電電動機の出力の減少値を前記旋回電動機の出力の減少値よりも大きくすることを特徴としている。
【0012】
請求項
2の発明では、操作量に応じて前記旋回体を旋回動作させる旋回操作装置をさらに備え、前記コントローラは、前
記旋回
動作の出力と前記
ブーム上げ動作
の出力との比率を、前記旋回操作装置の操作量と前記アクチュエータ操作装置の
前記ブーム上げ動作の操作量とに基づいて決定している。
【0013】
請求項
3の発明では、前記コントローラは、前記蓄電装置の蓄電量、前記蓄電装置の温度、前記発電電動機の温度、前記旋回電動機の温度のうち少なくとも1つの条件に応じて前記通常モードから前記速度低減モードに遷移する構成としている。
【0014】
請求項
4の発明では、前記通常モードと前記速度低減モードとのうちいずれか一方を選択可能なモード選択スイッチをさらに備え、前記コントローラは、前記モード選択スイッチによって選択されたモードに応じて前記アクチュエータの
出力および前記旋回電動機の出力を設定している。
【0015】
請求項
5の発明では、前記エンジンの最大出力は、前記油圧ポンプの最大動力よりも小さくしている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、コントローラは、速度低減モードと通常モードとを有し、
旋回動作と作業装置のブーム上げ動作との複合動作を行うときに、
旋回動作の出力とブーム上げ動作
の出力との比率を、通常モードでの比率
と同じ値になるように、複数のアクチュエータの出力を低減する機能
と、旋回電動機の出力を制御する機能とを有する。これにより、速度低減モードでアクチュエータの動作速度が低減したときでも、
旋回動作の出力とブーム上げ動作
の出力との比率を通常モードでの比率に近い状態に保持することができる。このため、速度低減モードであっても、通常モードに近い速度比率で
旋回動作とブーム上げ動作との複合動作を行うことができ、オペレータの操作違和感を抑えることができる。
【0017】
また、コントローラは、速度低減モードで
旋回動作と作業装置のブーム上げ動作との複合動作を行うときであって、旋回電動機と発電電動機が同時に力行作用するときには、発電電動機の出力の減少値を旋回電動機の出力の減少値よりも大きくする。一般的に、発電電動機の力行作用で駆動する油圧ポンプに比べて、旋回電動機の方が、エネルギ効率が高い。このため、旋回
動作とブーム上げ動作との複合動作において、エネルギ効率が高い状態で旋回速度と
ブーム上げの動作速度
とを低減することができる。
【0018】
請求項
2の発明によれば、コントローラは、
旋回
動作の出力と
ブーム上げ動作
の出力との比率を、旋回操作装置の操作量とアクチュエータ操作装置の
ブーム上げ動作の操作量とに基づいて決定する。このため、速度低減モードであっても、旋回操作装置とアクチュエータ操作装置の
ブーム上げ動作の操作量を通常モードと同程度に設定すれば、通常モードに近い速度比率で
旋回動作とブーム上げ動作との複合動作を行うことができ、オペレータの操作違和感を抑えることができる。
【0019】
請求項
3の発明によれば、コントローラは、蓄電装置の蓄電量、蓄電装置の温度、発電電動機の温度、旋回電動機の温度のうち少なくとも1つの条件に応じて通常モードから速度低減モードに遷移する。これにより、コントローラは、蓄電装置、発電電動機、旋回電動機の状態に応じて自動的に速度低減モードに遷移するから、蓄電装置、発電電動機、旋回電動機をできるだけ適正使用範囲内で動作させることができ、これらの劣化を抑制することができる。
【0020】
請求項
4の発明によれば、通常モードと速度低減モードとのうちいずれか一方を選択可能なモード選択スイッチをさらに備えるから、オペレータは電力を節約するか否かを能動的に選択することができる。
【0021】
請求項
5の発明によれば、エンジンの最大出力は油圧ポンプの最大動力よりも小さくした。このため、通常モードでは、油圧ポンプを最大動力で駆動するときに、発電電動機を力行作用させて油圧ポンプを駆動することができる。また、速度低減モードでは、例えば発電電動機の力行作用による出力を低下させて、油圧ポンプを駆動することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態によるハイブリッド建設機械としてハイブリッド油圧ショベルを例に挙げて、添付図面に従って説明する。
【0024】
図1ないし
図16は本発明の実施の形態を示している。
図1において、1は後述のエンジン21と発電電動機27とを備えたハイブリッド油圧ショベル(以下、油圧ショベル1という)を示している。この油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、下部走行体2上に設けられた旋回装置3と、下部走行体2上に旋回装置3を介して旋回可能に搭載された上部旋回体4と、上部旋回体4の前側に設けられ掘削作業等を行う多関節構造の作業装置12とにより構成されている。このとき、下部走行体2と上部旋回体4とは、油圧ショベル1の車体を構成している。
【0025】
上部旋回体4は、旋回フレーム5上に設けられ後述のエンジン21等が収容された建屋カバー6と、オペレータが搭乗するキャブ7とを備える。
図12に示すように、キャブ7内には、オペレータが着座する運転席8が設けられると共に、運転席8の周囲には、操作レバー、操作ペダル等からなる走行操作装置9と、操作レバー等からなる旋回操作装置10と、操作レバー等からなる作業操作装置11とが設けられている。
【0026】
走行操作装置9は、例えば運転席8の前側に配置される。また、旋回操作装置10は、例えば運転席8の左側に配置された操作レバーのうち前後方向の操作部分が該当する。さらに、作業操作装置11は、運転席8の左側に配置された操作レバーのうち左右方向の操作部分(アーム操作)と、運転席8の右側に配置された操作レバーのうち前後方向の操作部分(ブーム操作)と左右方向の操作部分(バケット操作)とが該当する。このとき、右側の操作レバーを前後方向で手前(後側)に引く操作が、ブーム上げ動作に対応する操作になる。なお、操作レバーの操作方向と旋回動作や作業動作との関係は、前述したものに限らず、油圧ショベル1の仕様等に応じて適宜設定される。
【0027】
ここで、操作装置9〜11には、これらの操作量(レバー操作量OAr,OAbu,OAx)を検出する操作量センサ9A〜11Aがそれぞれ設けられている。これらの操作量センサ9A〜11Aは、例えば下部走行体2の走行操作、上部旋回体4の旋回操作、作業装置12の俯仰動操作(掘削操作)等のような車体の操作状態を検出する車体操作状態検出装置を構成している。また、キャブ7内には、後述するモード選択スイッチ38、エンジン制御ダイヤル39、車載モニタ40等が設けられている。
【0028】
図1に示すように、作業装置12は、例えばブーム12A、アーム12B、バケット12Cと、これらを駆動するブームシリンダ12D、アームシリンダ12E、バケットシリンダ12Fとによって構成されている。ブーム12A、アーム12B、バケット12Cは、互いにピン結合される。作業装置12は、旋回フレーム5に取付けられ、シリンダ12D〜12Fを伸長または縮小することによって、俯仰動する。
【0029】
ここで、油圧ショベル1は、発電電動機27等を制御する電動システムと、作業装置12等の動作を制御する油圧システムとを搭載している。以下、油圧ショベル1のシステム構成について
図2ないし
図12を参照して説明する。
【0030】
21は旋回フレーム5に搭載されたエンジンを示し、このエンジン21は、例えばディーゼルエンジン等の内燃機関によって構成される。
図2に示すように、エンジン21の出力側には、後述の油圧ポンプ23と発電電動機27とが機械的に直列接続して取付けられ、これら油圧ポンプ23と発電電動機27とは、エンジン21によって駆動される。ここで、エンジン21の作動はエンジンコントロールユニット22(以下、ECU22という)によって制御され、ECU22は、HCU36からのエンジン出力指令Peに基づいて、エンジン21の出力トルク、回転速度(エンジン回転数)等を制御する。また、エンジン21には、エンジン実出力P0eを検出するセンサ(図示せず)が設けられ、エンジン実出力P0eは後述のCAN37を介してHCU36に入力される。なお、エンジン21の最大出力は、例えば油圧ポンプ23の最大動力よりも小さくなっている。
【0031】
23はエンジン21によって駆動される油圧ポンプを示している。この油圧ポンプ23は、タンク(図示せず)内に貯溜された作動油を加圧し、走行油圧モータ25、旋回油圧モータ26、作業装置12のシリンダ12D〜12F等に圧油として吐出する。
【0032】
油圧ポンプ23は、コントロールバルブ24を介して油圧アクチュエータ(アクチュエータ)としての走行油圧モータ25、旋回油圧モータ26、シリンダ12D〜12Fに接続されている。コントロールバルブ24は、走行操作装置9、旋回操作装置10、作業操作装置11に対する操作に応じて、油圧ポンプ23から吐出された圧油を走行油圧モータ25、旋回油圧モータ26、シリンダ12D〜12Fに供給または排出する。
【0033】
具体的には、走行油圧モータ25には、走行操作装置9の操作に応じて油圧ポンプ23から圧油が供給される。これにより、走行油圧モータ25は、下部走行体2を走行駆動させる。旋回油圧モータ26には、旋回操作装置10の操作に応じて油圧ポンプ23から圧油が供給される。これにより、旋回油圧モータ26は、上部旋回体4を旋回動作させる。シリンダ12D〜12Fには、作業操作装置11の操作に応じて油圧ポンプ23から圧油が供給される。これにより、シリンダ12D〜12Fは、作業装置12を俯仰動させる。
【0034】
27はエンジン21によって駆動される発電電動機(モータジェネレータ)を示している。この発電電動機27は、例えば同期電動機等によって構成される。発電電動機27は、エンジン21を動力源に発電機として働き蓄電装置31や旋回電動モータ33への電力供給を行う発電と、蓄電装置31や旋回電動モータ33からの電力を動力源にモータとして働きエンジン21および油圧ポンプ23の駆動をアシストする力行との2通りの役割を果たす。従って、エンジン21のトルクには、状況に応じて発電電動機27のアシストトルクが追加され、これらのトルクによって油圧ポンプ23は駆動する。この油圧ポンプ23から吐出される圧油によって、作業装置12の動作や車両の走行等が行われる。
【0035】
図2に示すように、発電電動機27は、第1のインバータ28を介して一対の直流母線29A,29Bに接続されている。第1のインバータ28は、例えばトランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)等からなる複数のスイッチング素子を用いて構成され、モータジェネレータコントロールユニット30(以下、MGCU30という)によって各スイッチング素子のオン/オフが制御される。直流母線29A,29Bは、正極側と負極側とで対をなし、例えば数百V程度の直流電圧が印加されている。
【0036】
発電電動機27の発電時には、第1のインバータ28は、発電電動機27からの交流電力を直流電力に変換して蓄電装置31や旋回電動モータ33に供給する。発電電動機27の力行時には、第1のインバータ28は、直流母線29A,29Bの直流電力を交流電力に変換して発電電動機27に供給する。そして、MGCU30は、HCU36からの発電電動機力行出力指令Pmg等に基づいて、第1のインバータ28の各スイッチング素子のオン/オフを制御する。これにより、MGCU30は、発電電動機27の発電時の発電電力や力行時の駆動電力を制御する。また、MGCU30は、発電電動機27の温度(発電電動機温度Tmg)を検出する温度センサ(図示せず)を備え、発電電動機温度TmgをHCU36に向けて出力する。
【0037】
31は発電電動機27に電気的に接続された蓄電装置を示している。この蓄電装置31は、例えばリチウムイオンバッテリからなる複数個のセル(図示せず)によって構成され、直流母線29A,29Bに接続されている。
【0038】
蓄電装置31は、発電電動機27の発電時には発電電動機27から供給される電力を充電し、発電電動機27の力行時(アシスト駆動時)には発電電動機27に向けて駆動電力を供給する。また、蓄電装置31は、旋回電動モータ33の回生時には旋回電動モータ33から供給される回生電力を充電し、旋回電動モータ33の力行時には旋回電動モータ33に向けて駆動電力を供給する。このように、蓄電装置31は、発電電動機27によって発電された電力を蓄電することに加え、油圧ショベル1の旋回制動時に旋回電動モータ33が発生した回生電力を吸収し、直流母線29A,29Bの電圧を一定に保つ。
【0039】
蓄電装置31は、バッテリコントロールユニット32(以下、BCU32という)によって充電動作や放電動作が制御される。BCU32は、バッテリ許容放電電力Pbmax、バッテリ蓄電率SOC、セル温度Tcellを検出してHCU36に向けて出力すると共に、HCU36からの電動旋回出力指令Per、発電電動機力行出力指令Pmgに従って旋回電動モータ33、発電電動機27が駆動するように、蓄電装置31の充放電を制御する。このとき、バッテリ蓄電率SOCは、蓄電装置31の蓄電量に対応した値になる。
【0040】
なお、本実施の形態では、蓄電装置31には、例えば電圧350V、放電容量5Ah程度、バッテリ蓄電率SOC(蓄電率)の適正使用範囲は30〜70%程度に設定されたリチウムイオンバッテリを用いるものとする。バッテリ蓄電率SOCの適正使用範囲等は、上述した値に限らず、蓄電装置31の仕様等に応じて適宜設定される。
【0041】
33は発電電動機27または蓄電装置31からの電力によって駆動される旋回電動モータ(旋回電動機)を示している。この旋回電動モータ33は、例えば三相誘導電動機によって構成され、旋回油圧モータ26と共に旋回フレーム5に設けられている。旋回電動モータ33は、旋回油圧モータ26と協働して旋回装置3を駆動する。このため、旋回装置3は、旋回油圧モータ26と旋回電動モータ33の複合トルクによって駆動し、上部旋回体4を旋回駆動する。
【0042】
図2に示すように、旋回電動モータ33は、第2のインバータ34を介して直流母線29A,29Bに接続されている。旋回電動モータ33は、蓄電装置31や発電電動機27からの電力を受けて回転駆動する力行と、旋回制動時の余分なトルクで発電して蓄電装置31を蓄電する回生との2通りの役割を果たす。このため、力行時の旋回電動モータ33には、発電電動機27等からの電力が直流母線29A,29Bを介して供給される。これにより、旋回電動モータ33は、旋回操作装置10の操作に応じて回転トルクを発生させて、旋回油圧モータ26の駆動をアシストすると共に、旋回装置3を駆動して上部旋回体4を旋回動作させる。
【0043】
第2のインバータ34は、第1のインバータ28と同様に、複数のスイッチング素子を用いて構成される。第2のインバータ34は、旋回電動モータコントロールユニット35(以下、RMCU35という)によって各スイッチング素子のオン/オフが制御される。旋回電動モータ33の力行時には、第2のインバータ34は、直流母線29A,29Bの直流電力を交流電力に変換して旋回電動モータ33に供給する。旋回電動モータ33の回生時には、第2のインバータ34は、旋回電動モータ33からの交流電力を直流電力に変換して蓄電装置31等に供給する。
【0044】
RMCU35は、HCU36からの電動旋回出力指令Per等に基づいて、第2のインバータ34の各スイッチング素子のオン/オフを制御する。これにより、RMCU35は、旋回電動モータ33の回生時の回生電力や力行時の駆動電力を制御する。また、RMCU35は、旋回電動モータ33の温度(旋回電動モータ温度Trm)を検出する温度センサ(図示せず)を備え、旋回電動モータ温度TrmをHCU36に向けて出力する。
【0045】
36はコントローラとしてのハイブリッドコントロールユニット(HCU)を示している。このHCU36は、例えばマイクロコンピュータによって構成されると共に、CAN37(Controller Area Network)等を用いてECU22、MGCU30、RMCU35、BCU32に電気的に接続されている。HCU36は、ECU22、MGCU30、RMCU35、BCU32と通信しながら、エンジン21、発電電動機27、旋回電動モータ33、蓄電装置31を制御する。
【0046】
HCU36には、CAN37等を通じて、バッテリ許容放電電力Pbmax、バッテリ蓄電率SOC、セル温度Tcell、発電電動機温度Tmg、エンジン実出力P0e、旋回電動モータ温度Trm等が入力される。また、HCU36には、操作装置9〜11のレバー操作量OAr,OAbu,OAxを検出する操作量センサ9A〜11Aが接続されている。さらに、HCU36には、モード選択スイッチ38、エンジン制御ダイヤル39等に接続されている。これにより、HCU36には、レバー操作量OAr,OAbu,OAx、速度低減モード選択スイッチ情報Smode、エンジン目標回転数ωeが入力される。
【0047】
モード選択スイッチ38は、通常モードNMODEと速度低減モードLSMODEとのうちいずれか1つを選択する。ここで、速度低減モードLSMODEでは、例えばエンジン21の実出力P0eを上回る出力が必要になるときには、旋回装置3、作業装置12の動作速度が低減される。一方、通常モードNMODEでは、速度低減モードLSMODEによる動作速度の低減が解除される。
【0048】
モード選択スイッチ38は、例えばオン(ON)とオフ(OFF)が切り換わるスイッチによって構成され、オペレータによって切換え操作される。また、モード選択スイッチ38は、キャブ7内に配置されると共に、その出力側がHCU36に接続される。HCU36は、例えばモード選択スイッチ38がONとなったときに速度低減モードLSMODEを選択し、モード選択スイッチ38がOFFとなったときに通常モードNMODEを選択する。このため、HCU36には、モード選択スイッチ38のONとOFFに対応した速度低減モード選択スイッチ情報Smodeが入力される。
【0049】
エンジン制御ダイヤル39は、回転可能なダイヤルによって構成され、ダイヤルの回転位置に応じてエンジン21の目標回転数ωeを設定する。このエンジン制御ダイヤル39は、キャブ7内に位置して、オペレータによって回転操作され、目標回転数ωeに応じた指令信号を出力する。
【0050】
車載モニタ40は、キャブ7内に配置され、例えば燃料の残量、エンジン冷却水の水温、稼動時間、車内温度等のように車体に関する各種の情報を表示する。これに加え、車載モニタ40は、HCU36に接続される共に、通常モードNMODEと速度低減モードLSMODEとのうち現在動作中のモードを表示する。
【0051】
HCU36は、通常モードNMODEと速度低減モードLSMODEとのうち選択されたモードに応じてエンジン21、発電電動機27、旋回電動モータ33の出力を制御する。そこで、次にHCU36の具体的な構成について、
図3ないし
図11を参照しつつ説明する。
【0052】
図3に示すように、HCU36は、バッテリ放電制限値演算部41と、総出力上限値演算部42と、動作出力配分演算部43と、油圧電動出力配分演算部44とを有している。このHCU36は、例えばバッテリ許容放電電力Pbmax、バッテリ蓄電率SOC、セル温度Tcell、エンジン目標回転数ωe、発電電動機温度Tmg、速度低減モード選択スイッチ情報Smode、旋回レバー操作量OAr、ブーム上げレバー操作量OAbu、その他レバー操作量OAx、エンジン実出力P0e、旋回電動モータ温度Trmに基づいて、エンジン出力指令Pe、電動旋回出力指令Per、発電電動機力行出力指令Pmgを出力する。
【0053】
図4に示すように、バッテリ放電制限値演算部41は、第1のバッテリ放電電力制限値演算部41Aと、第2のバッテリ放電電力制限値演算部41Bと、最小値選択部41Cとを有している。このバッテリ放電制限値演算部41には、BCU32からバッテリ蓄電率SOCと、セル温度Tcellと、バッテリ許容放電電力Pbmaxとが入力される。このとき、バッテリ許容放電電力Pbmaxは、現在の蓄電装置31が放電可能な電力を表すものであり、例えば蓄電装置31のセル電圧やハード的な電流上限値から計算される。
【0054】
第1のバッテリ放電電力制限値演算部41Aは、バッテリ蓄電率SOCに基づいて第1のバッテリ放電電力制限値Plim1を演算するために、例えば
図5に示すようなテーブルT1を有する。第1のバッテリ放電電力制限値演算部41Aは、テーブルT1を用いてバッテリ蓄電率SOCに応じた第1のバッテリ放電電力制限値Plim1を演算する。
【0055】
第2のバッテリ放電電力制限値演算部41Bは、セル温度Tcellに基づいて第2のバッテリ放電電力制限値Plim2を演算するために、例えば
図6に示すようなテーブルT2を有する。第2のバッテリ放電電力制限値演算部41Bは、テーブルT2を用いてセル温度Tcellに応じた第2のバッテリ放電電力制限値Plim2を演算する。
【0056】
このとき、
図5および
図6中のバッテリ放電電力制限値Plim1,Plim2の最大値P11,P21は、蓄電装置31が新品であり、かつセル温度Tcellが常温での典型的なバッテリ許容放電電力Pbmaxに近い値に設定されている。
【0057】
テーブルT1は、バッテリ蓄電率SOCが適正使用範囲の最低値SOC2よりも低下すると、バッテリ放電電力制限値Plim1を最小値P10(例えばP10=0kW)に設定し、バッテリ蓄電率SOCが閾値となる適正基準値SOC1よりも上昇すると、バッテリ放電電力制限値Plim1を最大値P11に設定する。また、バッテリ蓄電率SOCが最低値SOC2と適正基準値SOC1の間の値となるときには、テーブルT1は、バッテリ蓄電率SOCが増加するに従って、バッテリ放電電力制限値Plim1を増加させる。ここで、適正基準値SOC1は、最低値SOC2から多少余裕を持って大きな値に設定されている。例えば最低値SOC2が30%となるときに、適正基準値SOC1は35%程度の値に設定されている。
【0058】
テーブルT2は、セル温度Tcellが適正使用範囲の最高値Tcell2よりも上昇すると、バッテリ放電電力制限値Plim2を最小値P20(例えばP20=0kW)に設定し、セル温度Tcellが閾値となる適正基準値Tcell1よりも低下すると、バッテリ放電電力制限値Plim2を最大値P21に設定する。また、セル温度Tcellが最高値Tcell2と適正基準値Tcell1の間の値となるときには、テーブルT2は、セル温度Tcellが上昇するに従って、バッテリ放電電力制限値Plim2を低下させる。ここで、適正基準値Tcell1は、最高値Tcell2から多少余裕を持って小さな値に設定されている。例えば最高値Tcell2が60℃となるときに、適正基準値Tcell1は50℃程度の値に設定されている。
【0059】
最小値選択部41Cは、第1,第2のバッテリ放電電力制限値演算部41A,41Bによって演算されたバッテリ放電電力制限値Plim1,Plim2、バッテリ許容放電電力Pbmaxの3つの値を比較し、これらの最小値を選択してバッテリ放電電力制限値Plim0として出力する。
【0060】
図7に示すように、総出力上限値演算部42は、発電電動機力行出力上限値演算部42Aと、エンジン出力上限値演算部42Bと、総出力上限値演算部42Cとを有している。この総出力上限値演算部42には、バッテリ放電電力制限値Plim0と、エンジン制御ダイヤル39の指令等によって決定されるエンジン21の目標回転数ωeと、発電電動機温度Tmgと、速度低減モード選択スイッチ情報Smodeとが入力される。
【0061】
発電電動機力行出力上限値演算部42Aは、バッテリ放電電力制限値Plim0の範囲で発電電動機27が最大限力行したときの出力を演算し、発電電動機出力上限値Pmgmaxとして出力する。このとき、発電電動機力行出力上限値演算部42Aは、例えば発電電動機27の温度Tmg、効率等のようなハード的な制約を考慮して、発電電動機出力上限値Pmgmaxを演算する。
【0062】
具体的には、発電電動機力行出力上限値演算部42Aは、例えば
図8に示すようなテーブルT3を有する。発電電動機力行出力上限値演算部42Aは、テーブルT3を用いて発電電動機温度Tmgに応じた発電電動機出力上限値Pmgmaxを演算する。
【0063】
テーブルT3は、発電電動機温度Tmgが適正使用範囲の最高値Tmg2よりも上昇すると、発電電動機出力上限値Pmgmaxを最小値P30に設定し、発電電動機温度Tmgが閾値となる適正基準値Tmg1よりも低下すると、発電電動機出力上限値Pmgmaxを最大値P31に設定する。また、発電電動機温度Tmgが最高値Tmg2と適正基準値Tmg1の間の値となるときには、テーブルT3は、発電電動機温度Tmgが上昇するに従って、発電電動機出力上限値Pmgmaxを低下させる。ここで、適正基準値Tmg1は、最高値Tmg2から多少余裕を持って小さな値に設定されている。
【0064】
エンジン出力上限値演算部42Bは、目標回転数ωeにおいて出力可能なエンジン21の出力最大値を演算し、エンジン出力上限値Pemaxとして出力する。
【0065】
総出力上限値演算部42Cは、まず発電電動機力行出力上限値演算部42Aで演算された発電電動機27の力行出力上限値である発電電動機出力上限値Pmgmaxと、エンジン出力上限値演算部42Bで演算されたエンジン出力上限値Pemaxとの合計値(Pmgmax+Pemax)を計算する。
【0066】
また、総出力上限値演算部42Cは、モード出力上限値Pmodemaxを備えている。このモード出力上限値Pmodemaxは、各モード(速度低減モードLSMODEと通常モードNMODE)で、発電電動機27およびエンジン21から供給可能な出力の上限値である。このため、モード出力上限値Pmodemaxは、モード選択スイッチ38がONとOFFでは、それぞれ異なる値に設定される。
【0067】
例えばモード選択スイッチ38がONのときは、速度低減モードLSMODEが選択される。このとき、速度低減モードLSMODEのモード出力上限値Pmodemaxは、モード選択スイッチ38がOFFとなって通常モードNMODEが選択されたときに比べて、小さい値に設定される。
【0068】
そこで、総出力上限値演算部42Cは、速度低減モード選択スイッチ情報Smodeに基づいてモード選択スイッチ38によって選択されたモードを把握し、選択されたモードに応じたモード出力上限値Pmodemaxを設定する。その上で、総出力上限値演算部42Cは、モード出力上限値Pmodemaxと、発電電動機出力上限値Pmgmaxおよびエンジン出力上限値Pemaxの合計値とを比較し、これらのうちで値の小さい方を総出力上限値Ptmaxとして出力する。
【0069】
図9に示すように、動作出力配分演算部43は、旋回基本要求出力演算部43Aと、ブーム上げ基本要求出力演算部43Bと、その他基本要求出力演算部43Cと、旋回ブーム上げ出力配分演算部43Dと、旋回ブーム上げ要求出力演算部43Eと、その他要求出力演算部43Fとを有している。この動作出力配分演算部43には、総出力上限値Ptmaxと、旋回レバー操作量OArと、ブーム上げレバー操作量OAbuと、その他レバー操作量OAxとが入力される。なお、
図9では、その他レバー操作量OAxは、1つにまとめて記載したが、例えばアームレバー操作量、バケットレバー操作量等のように実際は複数種類のレバー操作量を含んでいる。
【0070】
旋回基本要求出力演算部43Aは、旋回レバー操作量OArに対して単調増加するような旋回基本要求出力Pr0を演算する。この旋回基本要求出力Pr0の値は、旋回単独動作が充分に行える程度にチューニングされている。
【0071】
ブーム上げ基本要求出力演算部43Bは、ブーム上げレバー操作量OAbuに対して単調増加するようなブーム上げ基本要求出力Pbu0を演算する。このブーム上げ基本要求出力Pbu0の値は、ブーム12Aを持ち上げるブーム上げ単独動作が充分に行える程度にチューニングされている。
【0072】
その他基本要求出力演算部43Cは、旋回基本要求出力演算部43Aやブーム上げ基本要求出力演算部43Bと同様に、その他レバー操作量OAxに含まれるそれぞれのレバー操作量に対して単調増加するようなその他基本要求出力Px0を演算する。その他基本要求出力Px0の値は、それぞれ単独動作が充分に行える程度の値にチューニングされている。
【0073】
旋回ブーム上げ出力配分演算部43Dは、旋回レバー操作量OAr、ブーム上げレバー操作量OAbuおよびその他レバー操作量OAxに基づいて、総出力上限値Ptmaxのうちどの程度の出力を旋回ブーム上げ動作に分配するかを判断し、旋回ブーム上げ要求出力Prbu1を演算する。このとき、旋回ブーム上げ動作は、旋回動作とブーム上げ動作とを一緒に行う複合動作である。
【0074】
例えば旋回ブーム上げのみの動作でも、バッテリ蓄電率SOCの減少やセル温度Tcellの上昇によって蓄電装置31が充分に電力を供給できなくなった場合は、前述のように総出力上限値Ptmaxは小さくなる。この場合、旋回ブーム上げ出力配分演算部43Dは、総出力上限値Ptmaxに応じて、旋回ブーム上げ動作に分配する値、即ち旋回ブーム上げ要求出力Prbu1の値を小さくする。また、例えば走行動作のように、旋回ブーム上げ動作よりも優先度の高いその他の動作が同時に要求される場合でも、旋回ブーム上げ出力配分演算部43Dは、旋回ブーム上げ要求出力Prbu1の値を小さくする。
【0075】
旋回ブーム上げ要求出力演算部43Eは、旋回基本要求出力Pr0とブーム上げ基本要求出力Pbu0との比率を演算する。旋回ブーム上げ要求出力演算部43Eは、この比率に応じて、旋回ブーム上げ要求出力Prbu1を旋回動作とブーム上げ動作とに分配し、旋回動作に応じた旋回要求出力Pr1と、ブーム上げ動作に応じたブーム上げ要求出力Pbu1とを演算して出力する。
【0076】
その他要求出力演算部43Fは、総出力上限値Ptmaxと旋回ブーム上げ要求出力Prbu1の差を演算する。その他要求出力演算部43Fは、この差をその他基本要求出力Px0に応じて適切に分配し、その他要求出力Px1を出力する。
【0077】
ここでは、旋回動作とブーム上げ動作との2つの動作を複合した旋回ブーム上げ動作を例に挙げ、この旋回ブーム上げ動作に関して出力分配を行うものとした。しかし、本発明はこれに限らず、その他としてまとめた複数の動作のうちの1つの動作を、旋回動作とブーム上げ動作とに加えて、これら3つの動作を複合した複合動作についても、旋回ブーム上げ出力配分演算部43Dを拡張することで適用可能である。
【0078】
例えば旋回ブーム上げ動作に加えて、アーム12Bを引き寄せるアーム引き動作も同時に行う場合、旋回ブーム上げ出力配分演算部43Dを旋回ブーム上げアーム引き出力配分演算部に拡張する。このとき、旋回ブーム上げアーム引き出力配分演算部は、旋回ブーム上げ動作とアーム引き動作とを加えた合計の出力を総出力上限値Ptmaxから確保し、前述と同様に旋回
動作に対するブーム上げ
動作とアーム引き
動作の出力を配分すればよい。同様な拡張を行うことによって、旋回ブーム上げ動作にバケット動作を追加することも可能である。
【0079】
図10に示すように、油圧電動出力配分演算部44は、油圧電動旋回出力配分演算部44Aと、推定総ポンプ出力演算部44Bと、エンジン発電電動機出力配分演算部44Cとを有している。油圧電動出力配分演算部44には、バッテリ放電電力制限値Plim0と、旋回要求出力Pr1と、旋回電動モータ温度Trmと、ブーム上げ要求出力Pbu1と、その他要求出力Px1と、エンジン出力上限値Pemaxと、エンジン実出力P0eとが入力される。
【0080】
油圧電動旋回出力配分演算部44Aは、バッテリ放電電力制限値Plim0の範囲で旋回電動モータ33が最大限力行したときの出力を、旋回電動モータ力行上限値Prmmaxとして演算する。このとき、油圧電動旋回出力配分演算部44Aは、例えば旋回電動モータ33の温度Trm、効率等のようなハード的な制約を考慮して、旋回電動モータ力行上限値Prmmaxを演算する。
【0081】
具体的には、油圧電動旋回出力配分演算部44Aは、例えば
図11に示すようなテーブルT4を有する。油圧電動旋回出力配分演算部44Aは、テーブルT4を用いて旋回電動モータ温度Trmに応じた旋回電動モータ力行上限値Prmmaxを演算する。
【0082】
テーブルT4は、旋回電動モータ温度Trmが適正使用範囲の最高値Trm2よりも上昇すると、旋回電動モータ力行上限値Prmmaxを最小値P40に設定し、旋回電動モータ温度Trmが閾値となる適正基準値Trm1よりも低下すると、旋回電動モータ力行上限値Prmmaxを最大値P41に設定する。また、旋回電動モータ温度Trmが最高値Trm2と適正基準値Trm1の間の値となるときには、テーブルT4は、旋回電動モータ温度Trmが上昇するに従って、旋回電動モータ力行上限値Prmmaxを低下させる。ここで、適正基準値Trm1は、最高値Trm2から多少余裕を持って小さな値に設定されている。
【0083】
油圧電動旋回出力配分演算部44Aは、旋回電動モータ力行上限値Prmmaxと旋回要求出力Pr1とを比較し、小さい方を電動旋回出力指令Perとして出力する。旋回電動モータ力行上限値Prmmaxよりも旋回要求出力Pr1の値が大きいときは、電動旋回出力指令Perは旋回電動モータ力行上限値Prmmaxになるから、油圧電動旋回出力配分演算部44Aは、電動旋回出力指令Perと旋回要求出力Pr1との差(Pr1−Per)を油圧旋回出力指令Phrとして出力する。一方、旋回要求出力Pr1の値よりも旋回電動モータ力行上限値Prmmaxが大きいときは、旋回動作は旋回電動モータ33だけで行うから、油圧電動旋回出力配分演算部44Aは、油圧旋回出力指令Phrを0に設定(Phr=0kW)して出力する。
【0084】
推定総ポンプ出力演算部44Bは、油圧旋回出力指令Phrと、ブーム上げ要求出力Pbu1と、その他要求出力Px1との合計値を計算する。推定総ポンプ出力演算部44Bは、この合計値からポンプ効率を考慮して推定総ポンプ出力Ppを演算し、推定総ポンプ出力Ppを出力する。
【0085】
エンジン発電電動機出力配分演算部44Cは、推定総ポンプ出力Ppがエンジン実出力P0eよりも大きい場合は、これらの差分を発電電動機力行出力指令Pmgとして出力し、エンジン出力上限値Pemaxをエンジン出力指令Peとして出力する。逆に、エンジン実出力P0eが推定総ポンプ出力Ppよりも大きい場合は、発電電動機力行出力指令Pmgを0に設定(Pmg=0kW)して出力し、推定総ポンプ出力Ppをエンジン出力指令Peとして出力する。
【0086】
以上のように構成された油圧電動出力配分演算部44を使用することによって、使用可能なバッテリ放電電力は可能な限り旋回電動モータ33に配分され、残りの電力はエンジン21の出力だけで油圧負荷を担保できない場合の発電電動機27の力行作用に配分される。従って、蓄電装置31の放電電力がその蓄電量(バッテリ蓄電率SOC)やセル温度Tcellによって制限された場合には、旋回電動モータ33よりも発電電動機27の電力供給が優先して低減される。
【0087】
一般に、油圧ポンプ23の効率よりも、蓄電装置31、インバータ28,34、旋回電動モータ33の複合効率の方がよい。即ち、旋回動作では、油圧ポンプ23を駆動して油圧旋回を行うよりも、蓄電装置31のバッテリ電力を使用して電動旋回を行う方が、エネルギ効率がよい。この点を考慮して、油圧電動出力配分演算部44は、発電電動機27よりも旋回電動モータ33に向けて優先的にバッテリ放電電力を分配する。
【0088】
本実施の形態によるハイブリッド油圧ショベルは上述のような構成を有するもので、次に、通常モードNMODEと速度低減モードLSMODEにおいて、旋回ブーム上げ複合動作を行うときの出力配分について、
図13ないし
図16を参照しつつ説明する。なお、
図13ないし
図16は、旋回ブーム上げ動作だけを行う場合の出力配分の一例を示している。また、
図13ないし
図16中に示す値は、出力の一例を示したもので、油圧ショベル1の仕様等によって適宜変更される。
【0089】
まず、通常モードNMODEにおける出力分配について説明する。
図13に示すように、通常モードNMODEでは、HCU36は、通常モードNMODEのモード出力上限値Pmodemaxを例えば100kWに設定し、エンジン目標回転数ωe等に応じてエンジン出力上限値Pemaxを例えば60kWに設定する。このとき、総出力上限値Ptmaxは、モード出力上限値Pmodemaxによって100kWに設定される。また、総出力上限値Ptmaxは、エンジン21と蓄電装置31とによって供給可能なパワーであり、蓄電装置31の状態を考慮して発電電動機27の力行可能なパワーと、エンジン21の出力可能なパワー(エンジン出力上限値Pemax)との合計値となる。
【0090】
一方、HCU36は、旋回レバー操作量OArとブーム上げレバー操作量OAbuとに基づいて、旋回要求出力Pr1とブーム上げ要求出力Pbu1との比率を決定する。このとき、ショベルは、旋回ブーム上げ動作だけを行い、その他の動作を行わないから、総出力上限値Ptmaxは、旋回動作とブーム上げ動作との2つの動作に分配される。仮に、旋回レバー操作量OArとブーム上げレバー操作量OAbuとに基づいて、旋回動作の出力とブーム上げ動作の出力とが同じ割合とすると、HCU36は、総出力上限値Ptmaxを半分に分けて、旋回動作とブーム上げ動作とにそれぞれ分配する。このため、旋回出力とブーム上げ出力は、いずれも例えば50kWになる。
【0091】
ここで、旋回電動モータ力行上限値Prmmaxは、例えば20kWとする。このとき、旋回電動モータ力行上限値Prmmaxは、旋回出力の50kWよりも小さい値となっている。このため、旋回出力の50kWのうち旋回電動モータ力行上限値Prmmaxに応じた20kWは、旋回電動モータ33に分配され、残余の30kWが旋回油圧モータ26に分配される。この結果、蓄電装置31から供給される電力は、20kWが旋回電動モータ33に分配され、20kWが発電電動機27の力行作用に分配される。このとき、100kWの旋回ブーム上げ動作のうち、20kWが電動系供給パワーとなり、80kWが油圧系供給パワーとなる。
【0092】
次に、速度低減モードLSMODEにおける出力分配について説明する。ここで、速度低減モードLSMODEによって総出力上限値Ptmaxが制限されるものの、エンジン目標回転数ωe、旋回レバー操作量OAr、ブーム上げレバー操作量OAbu等のような他の条件については、いずれも
図13に示す通常モードNMODEと同じものとする。
【0093】
図14に示すように、例えばモード選択スイッチ38によって速度低減モードLSMODEが選択されると、HCU36は、速度低減モードLSMODEのモード出力上限値Pmodemaxを例えば90kWに設定する。一方、エンジン目標回転数ωeが通常モードNMODEと同じであるから、エンジン出力上限値Pemaxは通常モードNMODEと同じ例えば60kWに設定される。このとき、総出力上限値Ptmaxは、通常モードNMODEに比べて低下し、モード出力上限値Pmodemaxによって90kWに設定される。この総出力上限値Ptmaxは、エンジン21と蓄電装置31とによって供給可能なパワーであり、発電電動機27の力行可能なパワーと、エンジン21の出力可能なパワーとの合計値となる。
【0094】
一方、HCU36は、旋回レバー操作量OArとブーム上げレバー操作量OAbuとに基づいて、旋回要求出力Pr1とブーム上げ要求出力Pbu1との比率を決定する。旋回レバー操作量OArおよびブーム上げレバー操作量OAbuがいずれも通常モードNMODEと同じであるから、旋回動作の出力とブーム上げ動作の出力との比率も通常モードNMODEと同じ値になる。従って、旋回動作の出力とブーム上げ動作の出力とが同じ割合であるから、HCU36は、総出力上限値Ptmaxを半分に分けて、旋回動作とブーム上げ動作とにそれぞれ分配する。このため、旋回出力とブーム上げ出力は、いずれも例えば45kWになる。
【0095】
このとき、旋回電動モータ力行上限値Prmmaxである20kWは、旋回出力の45kWよりも小さい値となっている。このため、蓄電装置31から供給される電力は、20kWが旋回電動モータ33に分配され、10kWが発電電動機27の力行作用に分配される。このとき、90kWの旋回ブーム上げ動作のうち、20kWが電動系供給パワーとなり、70kWが油圧系供給パワーとなる。
【0096】
以上のように、使用可能なバッテリ放電電力は可能な限り旋回電動モータ33に配分され、残りの電力はエンジン21の出力だけで油圧負荷を担保できない場合の発電電動機27の力行作用に配分される。従って、総出力上限値Ptmaxがモード出力上限値Pmodemaxによって低下し、蓄電装置31の放電電力が制限された場合には、旋回電動モータ33よりも発電電動機27の電力供給が優先して低減される。
【0097】
なお、
図14はモード選択スイッチ38によって速度低減モードLSMODEを選択することによって、総出力上限値Ptmaxが低減した場合を例に挙げて説明した。一方、バッテリ蓄電率SOCやセル温度Tcellによって蓄電装置31の放電電力が制限された場合でも、総出力上限値Ptmaxは低下する。このため、バッテリ蓄電率SOCが閾値となる適正基準値SOC1よりも低下したとき、またはセル温度Tcellが閾値となる適正基準値Tcell1よりも上昇したときには、HCU36は、総出力上限値Ptmaxが低減した速度低減モードLSMODEに自動的に遷移する。
【0098】
また、
図15は、発電電動機温度Tmgによって発電電動機27の出力(発電電力)が制限された場合を示している。ここで、エンジン目標回転数ωe、旋回レバー操作量OAr、ブーム上げレバー操作量OAbu等のような他の条件については、いずれも
図13に示す通常モードNMODEと同じものとする。
【0099】
この場合、発電電動機温度Tmgが閾値となる適正基準値Tmg1よりも上昇し、発電電動機出力上限値Pmgmaxが例えば10kWに低下している。このため、総出力上限値Ptmaxは、発電電動機出力上限値Pmgmaxに伴って低下し、発電電動機出力上限値Pmgmaxとエンジン出力上限値Pemaxとの合計値として、70kWに設定される。この結果、旋回ブーム上げ動作に使用可能な出力の合計値が70kWに低下するから、HCU36は、この70kWを半分に分けて、旋回動作とブーム上げ動作とにそれぞれ分配する。これにより、旋回出力とブーム上げ出力は、いずれも例えば35kWになる。
【0100】
ここで、旋回電動モータ力行上限値Prmmaxは20kWであるから、蓄電装置31から供給される電力は、20kWが旋回電動モータ33に分配される。総出力上限値Ptmaxのうち残余の50kWは全てエンジン21によって供給可能であるから、HCU36は、エンジン21の出力を50kWに設定する。一方、発電電動機27を無負荷状態とするために、HCU36は、発電電動機27が発電と力行のいずれも行わない状態にする。この結果、70kWの旋回ブーム上げ動作のうち、20kWが電動系供給パワーとなり、50kWが油圧系供給パワーとなる。
【0101】
このように、発電電動機温度Tmgによって発電電動機27の出力が制限された場合でも、旋回ブーム上げ動作に使用可能な出力の合計値(総出力上限値Ptmax)が低下する。このため、発電電動機温度Tmgが閾値となる適正基準値Tmg1よりも上昇したときには、HCU36は、旋回ブーム上げ動作等に使用可能な出力が低減した速度低減モードLSMODEに自動的に遷移する。
【0102】
また、
図16は、旋回電動モータ温度Trmによって旋回電動モータ33の出力が制限された場合を示している。ここで、エンジン目標回転数ωe、旋回レバー操作量OAr、ブーム上げレバー操作量OAbu等のような他の条件については、いずれも
図13に示す通常モードNMODEと同じものとする。
【0103】
この場合、総出力上限値Ptmaxは、通常モードNMODEと同様に100kWとなる。このため、HCU36は、この100kWを半分に分けて、旋回動作とブーム上げ動作とにそれぞれ分配する。これにより、旋回出力とブーム上げ出力は、いずれも例えば50kWになる。
【0104】
但し、旋回電動モータ温度Trmが閾値となる適正基準値Trm1よりも上昇し、旋回電動モータ力行上限値Prmmaxが例えば10kWに低下している。このため、蓄電装置31から供給される電力は、10kWが旋回電動モータ33に分配され、30kWが発電電動機27の力行作用に分配される。この結果、100kWの旋回ブーム上げ動作のうち、10kWが電動系供給パワーとなり、90kWが油圧系供給パワーとなる。
【0105】
このように、旋回電動モータ温度Trmによって旋回電動モータ33の出力が制限された場合には、電動系供給パワーと油圧系供給パワーとの比率が変化する。このため、電動系供給パワーは低下し、油圧系供給パワーは上昇する。これに対し、旋回出力とブーム上げ出力は、いずれも通常モードNMODEと同じ50kWになる。このため、オペレータによる旋回ブーム上げの操作性は、通常モードNMODEと同じ状態が維持される。
【0106】
なお、
図16では、旋回電動モータ温度Trmによって旋回電動モータ33の出力が制限された場合でも、旋回ブーム上げ動作に使用可能な出力の合計値(総出力上限値Ptmax)が通常モードNMODEと同じ値に保持されるときを例示した。しかし、本発明はこれに限らず、旋回電動モータ33の出力が制限された場合に、旋回ブーム上げ動作に使用可能な出力の合計値を低下させてもよい。この場合、旋回電動モータ温度Trmが閾値となる適正基準値Trm1よりも上昇したときには、HCU36は、旋回ブーム上げ動作等に使用可能な出力が低減した速度低減モードLSMODEに自動的に遷移する。
【0107】
かくして、本実施の形態によれば、HCU36は、速度低減モードLSMODEと通常モードNMODEとを有し、速度低減モードLSMODEで旋回動作とブーム上げ動作との複合動作を行うときに、
旋回動作の出力とブーム上げ動作の出力との比率を、通常モードNMODEでの比率
と同じ値になるように、旋回電動モータ33、旋回油圧モータ26、ブームシリンダ12D等の出力を低減する機能を有する。これにより、速度低減モードLSMODEでブームシリンダ12Dの動作速度が低減したときでも、上部旋回体4の旋回速度とブームシリンダ12Dの動作速度との比率を通常モードNMODEでの比率に近い状態に保持することができる。
【0108】
また、HCU36は、
旋回動作の出力とブーム上げ動作の出力との比率を旋回操作装置10による旋回動作のレバー操作量OArと作業操作装置11によるブーム上げ動作のレバー操作量OAbuとに基づいて決定する。このため、速度低減モードLSMODEであっても、旋回操作装置10のレバー操作量OArと作業操作装置11のレバー操作量OAbuとを通常モードNMODEと同程度に設定すれば、通常モードNMODEに近い速度比率で旋回ブーム上げの複合動作を行うことができ、オペレータの操作違和感を抑えることができる。
【0109】
さらに、HCU36は、速度低減モードLSMODEで複合動作を行うときであって、旋回電動モータ33と発電電動機27が同時に力行作用するときには、発電電動機27の出力の減少値を旋回電動モータ33の出力の減少値よりも大きくする。このため、旋回動作とブーム上げ動作との複合動作において、エネルギ効率の高い旋回電動モータ33に対して優先的に電力を供給することができ、エネルギ効率が高い状態で旋回速度とブーム上げ動作速度を低減することができる。
【0110】
また、HCU36は、蓄電装置31のバッテリ蓄電率SOC、セル温度Tcell、発電電動機温度Tmg、旋回電動モータ温度Trmのうち少なくとも1つの条件に応じて通常モードNMODEから速度低減モードLSMODEに遷移する。これにより、HCU36は、蓄電装置31、発電電動機27、旋回電動モータ33の状態に応じて自動的に速度低減モードLSMODEに遷移するから、蓄電装置31、発電電動機27、旋回電動モータ33をできるだけ適正使用範囲内で動作させることができ、これらの劣化を抑制することができる。
【0111】
これに加えて、HCU36は、蓄電装置31のバッテリ蓄電率SOCの低下度合い、またはセル温度Tcell、発電電動機温度Tmg、旋回電動モータ温度Trmの上昇度合いに応じて、旋回電動モータ33、旋回油圧モータ26、ブームシリンダ12D等の速度低減の度合いを大きくする構成とした。これにより、速度低減の度合いが固定された場合に比べて、蓄電装置31、発電電動機27、旋回電動モータ33が適正使用範囲から外れる可能性を低下させることができ、これらの劣化抑制の効果を高めることができる。
【0112】
また、通常モードNMODEと速度低減モードLSMODEとのうちいずれか一方を選択可能なモード選択スイッチ38をさらに備えるから、オペレータは電力を節約するか否かを能動的に選択することができる。
【0113】
エンジン21の最大出力は油圧ポンプの最大動力よりも小さくした。このため、通常モードNMODEでは、油圧ポンプ23を最大動力で駆動するときに、発電電動機27の力行作用によってエンジン21をアシストし、油圧ポンプ23を駆動することができる。また、速度低減モードLSMODEでは、例えば発電電動機27の力行作用による出力を低下させて、油圧ポンプ23を駆動することができる。さらに、エンジン21の最大出力は油圧ポンプ23の最大動力よりも小さくしたから、小型で燃費低減が可能なエンジン21を使用することができる。
【0114】
なお、前記実施の形態では、HCU36は通常モードNMODEと速度低減モードLSMODEとの2種類のモードを備えるものとした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば通常モードNMODEと速度低減モードLSMODEとに加えて、重負荷に応じて蓄電装置31のバッテリ放電電力制限値Plim0を一時的に解除する重負荷モードを追加して、3種類のモードを備える構成としてもよく、4種類以上のモードを備える構成としてもよい。
【0115】
前記実施の形態では、モード選択スイッチ38によって速度低減モードLSMODEか否かを切り換えるものとしたが、ダイヤル、レバー等によってモードの選択や切換えを行う構成としてもよい。
【0116】
前記実施の形態では、HCU36は、速度低減モードLSMODEで旋回ブーム上げの複合動作を行うときには、発電電動機27の出力の減少値を旋回電動モータ33の出力の減少値よりも大きくしたが、旋回電動モータ33の出力の減少値を発電電動機27の出力の減少値よりも大きくしてもよく、両者の減少値を同程度にしてもよい。
【0117】
前記実施の形態では、HCU36は、蓄電装置31の蓄電量に対応した値としてバッテリ蓄電率SOCに応じて通常モードNMODEから速度低減モードLSMODEに遷移するものとしたが、蓄電装置31の蓄電量そのものを用いて通常モードNMODEから速度低減モードLSMODEに遷移してもよい。
【0118】
前記実施の形態では、HCU36は、バッテリ蓄電率SOC、セル温度Tcell、発電電動機温度Tmg、旋回電動モータ温度Trmに基づいて通常モードNMODEから速度低減モードLSMODEに遷移するものとしたが、これら全てに基づいてモード遷移を行う必要はなく、バッテリ蓄電率SOC、セル温度Tcell、発電電動機温度Tmg、旋回電動モータ温度Trmのうち少なくとも1つの条件に応じて通常モードNMODEから速度低減モードLSMODEに遷移すればよい。さらに、モード遷移はモード選択スイッチ38だけで行い、自動的なモード遷移を省く構成としてもよい。
【0119】
前記実施の形態では、エンジン21の最大出力を油圧ポンプ23の最大動力よりも小さくしたが、エンジン21の最大出力は、油圧ショベル1の仕様等に応じて適宜設定される。このため、エンジン21の最大出力は、油圧ポンプ23の最大動力と同程度でもよく、油圧ポンプ23の最大動力よりも小さくてもよい。
【0120】
前記実施の形態では、蓄電装置31にリチウムイオンバッテリを使用した例で説明したが、必要な電力を供給可能な二次電池(例えばニッケルカドミウムバッテリ、ニッケル水素バッテリ)やキャパシタを採用してもよい。また、蓄電装置と直流母線との間にDC−DCコンバータ等の昇降圧装置を設けてもよい。
【0122】
前記実施の形態では、ハイブリッド建設機械としてクローラ式のハイブリッド油圧ショベル1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、エンジンと油圧ポンプに連結された発電電動機と、蓄電装置とを備えたハイブリッド建設機械であればよく、例えばホイール式のハイブリッド油圧ショベル、ハイブリッドホイールローダ、リフトトラック等の各種の建設機械に適用可能である。