【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の原理にしたがって、映像エンターテインメントシステムにおける特殊再生機能をサポートするためのシステムおよび方法が提供される。限定するためではなく、明確にする目的として、本発明は、テレビ番組等の映像の巻き戻し、一時停止、および早送り機能の提供に照らして、本明細書で説明される場合があるが、任意の他の好適な非オンデマンドメディア(例えば、音声)に適用してもよい。
【0005】
本発明の種々の実施形態では、映像は、デジタルまたはアナログリアルタイムストリームの非オンデマンド形式で、ユーザ(または、ユーザグループ)の機器に配信される。例えば、テレビシステムでは、映像は、放送、ケーブル、または衛星を介して送達され、スケジュールにしたがって提供されてもよい。ユーザから遠隔のサーバは、配信の前または間に、映像のキャッシュまたは記録を行う。
【0006】
クライアントアプリケーション(本明細書では「特殊再生クライアント」と称される場合がある)は、ユーザ機器上に実装される。ユーザがストリームの視聴を開始すると、クライアントは、ユーザが、バッファを介して、ストリームの視聴を開始した時点に巻き戻しできるように、視聴されている映像のキャッシュを開始する。ユーザがアクセスする前に開始された(例えば、自動的に、またはユーザ要求に応じて)映像にユーザがアクセスすると同時に、またはアクセスした後に、クライアントは、サーバによってキャッシュまたは記録された映像のコピーから、サーバによって生成された逆方向ストリームをサーバから受信する。逆方向ストリームは、ユーザが最初に映像にアクセスした時点から逆方向に、完全映像(例えば、任意のフレームをスキップせずに)をストリーム配信する。逆方向ストリーム受信後いつでも、ユーザが映像にアクセスする前に伝送されたコンテンツに対応する映像内の時点に、ユーザが番組を巻き戻すことが可能なように、クライアントは
、逆方向ストリームをローカルにキャッシュする。
【0007】
また、いくつかの実施形態では、クライアントは、映像を受信しながらキャッシュする。これによって、ユーザは、最初にユーザが映像にアクセスする前の時点から、番組を巻き戻して、視聴し、かつユーザの所望に応じて、ユーザが最初に映像にアクセスした時点以降の映像の視聴を継続(または、早送り)することが可能となる。
【0008】
いくつかの実施形態では、クライアントは、キャッシュまたは記録された映像のコピーから、サーバによって生成された順方向ストリームをサーバから受信する。順方向ストリームは、リアルタイムよりも速い速度で、ユーザが最初に映像にアクセスした時点以降の完全映像(例えば、任意のフレームをスキップせずに)をストリーム配信する。順方向ストリームが受信されるとすぐに、映像のリアルタイムストリームより先の時点に、ユーザが番組を早送りすることが可能なように、クライアントは、順方向ストリームをローカルにキャッシュする。映像のリアルタイムストリームは、例えば、本来のリアルタイム映像フィード(例えば、放送フィード)によって提供されてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、クライアントは、逆方向および/または順方向ストリームを自動的に受信する。他の実施形態では、逆方向および/または順方向ストリームのキャッシングが保証されるように、クライアントは、例えば、ユーザの映像へのアクセスに基づいて、あるいはユーザが映像に関心があることが判断された後、逆方向および/または順方向ストリームを要求する。
(項目1)
非オンデマンド映像を巻き戻すための方法であって、
上記映像の伝送開始後、上記映像にアクセスすることと、
上記映像が最初にアクセスされる前に伝送された映像を含む逆方向ストリームを受信することであって、上記逆方向ストリームは、上記映像が最初にアクセスされた時点から上記映像の先頭に向かって逆方向に、上記映像をストリーム配信することと、
逆方向バッファ内の上記逆方向ストリームをキャッシュすることと、
上記逆方向バッファを介して上記映像を巻き戻すことと、
上記逆方向バッファから上記映像を再生することと
を含む、方法。
(項目2)
上記逆方向ストリームを受信することは、ビット単位の反転、ブロック単位の反転、およびパケット単位の反転のうちの1つにおいて、上記逆方向ストリームを受信することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
上記逆方向ストリームを受信することは、遠隔サーバから上記逆方向ストリームを受信することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
上記遠隔サーバが、上記逆方向ストリームに必要な上記映像をキャッシュしたかどうか判断することと、
上記遠隔サーバが、上記逆方向ストリームに必要な上記映像をキャッシュしたという判断に応じて、上記逆方向ストリームを要求することと
をさらに含む、項目3に記載の方法。
(項目5)
ユーザが十分な関心を有し、上記映像の逆方向ストリームを要求する保証があるかどうか判断することと、
ユーザが十分な関心を有し、上記映像の逆方向ストリームを要求する保証があるという判断に応じて、逆方向ストリームを要求することと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
ユーザが十分な関心を有していることを判断することは、所与の時間の間に上記ユーザが上記映像を視聴したかどうか判断することと、特殊再生要求を受信することとのうちの1つをさらに含む、項目5に記載の方法。
(項目7)
まだ伝送されていない映像の順方向ストリームを受信することであって、
上記順方向ストリームは、上記映像が最初にアクセスされた時点以降から上記映像の最後に向かって順方向に、ストリーム配信し、
上記順方向ストリームは、リアルタイムよりも速く伝送される、ことと、
順方向バッファ内の上記順方向ストリームをキャッシュすることと、
上記順方向バッファから上記映像を早送りすることと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
上記順方向ストリームは、上記映像が最初にアクセスされた時間以降に伝送される上記映像のすべてを含む、項目7に記載の方法。
(項目9)
ユーザが十分な関心を有し、順方向ストリームを要求する保証があるかどうか判断することと、
ユーザが十分な関心を有し、順方向ストリームを要求する保証があるという判断に応じて、順方向ストリームを要求することと
をさらに含む、項目7に記載の方法。
(項目10)
転送制御バーを表示することをさらに含み、該転送制御バーは、上記逆方向バッファおよび上記順方向バッファのうちの少なくとも1つの表現を含む、項目7に記載の方法。
(項目11)
上記逆方向バッファを使用して、上記映像を巻き戻すことと、
上記映像が逆方向巻き戻し画像部分において巻き戻されると、上記映像を表示することと
をさらに含む、項目10に記載の方法。
(項目12)
上記順方向バッファを使用して、上記映像を早送りすることと、
上記映像が順方向プレビュー画像において早送りされると、上記映像を表示することと
をさらに含む、項目10に記載の方法。
(項目13)
少なくとも上記逆方向バッファおよび上記順方向バッファ内に上記映像を全体としてキャッシュすることと、
後でアクセスするための番組記録として、少なくとも上記逆方向バッファおよび上記順方向バッファを保存することと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目14)
非オンデマンド映像を早送りするための方法であって、
上記映像全体が伝送される前に、上記映像にアクセスすることと、
順方向ストリームを受信することであって、
上記順方向ストリームは、上記映像が最初にアクセスされた時点から上記映像の最後に向かって順方向に、上記映像をストリーム配信し、
上記順方向ストリームは、上記映像が最初にアクセスされた時点以降に伝送された上記映像のすべてを含み、
上記順方向ストリームは、リアルタイムよりも速く伝送される、ことと、
順方向バッファ内の上記順方向ストリームをキャッシュすることと、
上記順方向バッファから上記映像を早送りすることと、
上記順方向バッファから上記映像の一部を再生することと
を含む、方法。
(項目15)
巻き戻すための非オンデマンド映像をユーザに提供する方法であって、
映像をキャッシュすることと、
逆方向ストリームの要求を受信することであって、上記逆方向ストリームは、上記映像が最初にアクセスされた時点から上記映像の先頭に向かって逆方向に、上記映像をストリーム配信することと、
逆方向ストリームを生成することであって、上記逆方向ストリームは、第1の地点から開始し、第2の地点で終了し、上記第2の地点は、上記映像の先頭により近い、ことと、
上記逆方向ストリームを上記ユーザに伝送することと
を含む、方法。
(項目16)
非オンデマンド映像を巻き戻すためのシステムであって、上記システムは、ディスプレイ装置と、記録装置と、制御回路と、を含み、上記制御回路は、
上記映像の伝送開始後、上記映像にアクセスし、
上記映像が最初にアクセスされる前に伝送された映像を含む逆方向ストリームを受信し、上記逆方向ストリームは、上記映像が最初にアクセスされた時点から上記映像の先頭に向かって逆方向に、上記映像をストリーム配信し、
上記記録装置に、逆方向バッファ内の上記逆方向ストリームをキャッシュさせ、
上記逆方向バッファから上記映像を巻き戻し、
上記ディスプレイ装置に、上記映像が最初にアクセスされる前の時点から上記映像を表示させる
ように構成される、システム。
(項目17)
上記制御回路は、ビット単位の反転、ブロック単位の反転、およびパケット単位の反転のうちの1つにおいて、上記逆方向ストリームを受信するようにさらに構成される、項目16に記載のシステム。
(項目18)
上記制御回路は、遠隔サーバから上記逆方向ストリームを受信するようにさらに構成される、項目16に記載のシステム。
(項目19)
上記制御回路は、
上記遠隔サーバが、上記逆方向ストリームに必要な上記映像をキャッシュしたかどうか判断し、
上記遠隔サーバが、上記逆方向ストリームに必要な上記映像をキャッシュしたという判断に応じて、上記逆方向ストリームを要求する
ようにさらに構成される、項目18に記載のシステム。
(項目20)
上記制御回路は、
ユーザが十分な関心を有し、上記映像の逆方向ストリームを要求する保証があるかどうか判断し、
ユーザが十分な関心を有し、逆方向ストリームを要求する保証があるという判断に応じて、逆方向ストリームを要求する
ようにさらに構成される、項目16に記載のシステム。
(項目21)
上記制御回路は、
まだ伝送されていない映像の順方向ストリームを受信し、
上記順方向ストリームは、上記映像が最初にアクセスされた時点以降から上記映像の最後へ順方向に、上記映像をストリーム配信し、
上記順方向ストリームは、上記映像が最初にアクセスされた時点以降に伝送された上記映像のすべてを含み、
上記順方向ストリームは、リアルタイムよりも速く伝送され、
上記記録装置に、順方向バッファ内の上記順方向ストリームをキャッシュさせ、
上記順方向バッファから上記映像を早送りする
ようにさらに構成される、項目16に記載のシステム。
(項目22)
上記順方向ストリームは、上記映像が最初にアクセスされた時間以降に伝送される上記映像のすべてを含む、項目21に記載のシステム。
(項目23)
上記制御回路は、
ユーザが十分な関心を有し、順方向ストリームを要求する保証があるかどうか判断し、
ユーザが十分な関心を有し、順方向ストリームを要求する保証があるという判断に応じて、順方向ストリームを要求する
ようにさらに構成される、項目21に記載のシステム。
(項目24)
上記制御回路は、上記ディスプレイ装置に、上記逆方向バッファおよび上記順方向バッファのうちの少なくとも1つの表現を含む、転送制御バーを表示させるようにさらに構成される、項目21に記載のシステム。
(項目25)
上記制御回路は、
上記逆方向バッファを使用して、上記映像を巻き戻し、
上記ディスプレイ装置に、上記映像が逆方向巻き戻し画像部分において巻き戻されると、上記映像を表示させる
ようにさらに構成される、項目23に記載のシステム。
(項目26)
上記制御回路は、
上記順方向バッファを使用して、上記映像を早送りし、
上記ディスプレイ装置に、上記映像が順方向プレビュー画像において早送りされると、上記映像を表示させる
ようにさらに構成される、項目23に記載のシステム。
(項目27)
上記制御回路は、
上記記録装置に、少なくとも上記逆方向バッファおよび上記順方向バッファ内に上記映像を全体としてキャッシュさせ、
後で視聴するために、少なくとも上記逆方向バッファおよび上記順方向バッファを保存する
ようにさらに構成される、項目16に記載のシステム
(項目28)
ディスプレイ装置と、記録装置と、制御回路と、を含む、非オンデマンド映像を早送りするためのシステムであって、上記制御回路は、
上記映像全体が伝送される前に、上記映像にアクセスし、
順方向ストリームを受信し、
上記順方向ストリームは、上記映像が最初にアクセスされた時点から上記映像の最後に向かって順方向に、上記映像をストリーム配信し、
上記順方向ストリームは、上記映像が最初にアクセスされた時点以降に伝送された上記映像のすべてを含み、
上記順方向ストリームは、リアルタイムよりも速く伝送され、
上記記録装置に、順方向バッファ内の上記順方向ストリームをキャッシュさせ、
上記順方向バッファから上記映像を早送りし、
上記ディスプレイ装置に、上記順方向バッファから上記映像の一部を再生させる、
ように構成される、システム。
(項目29)
巻き戻しのために、メモリと、制御回路と、を含む、非オンデマンド映像をユーザに提供するためのシステムであって、上記制御回路は、
メモリ内に映像をキャッシュし、
逆方向ストリームの要求を受信し、上記逆方向ストリームは、上記映像が最初にアクセスされた時点から上記映像の先頭に向かって逆方向に、上記映像をストリーム配信し、
逆方向ストリームを生成し、上記逆方向ストリームは、所与の地点から開始し、上記映像の先頭で終了し、
上記逆方向ストリームを上記ユーザに伝送する
ように構成される、システム。