【実施例】
【0118】
実施例1
4−{(S)−2−[(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−フェ
ニルプロパンアミド]−2−(4−エチルチアゾール−2−イル)エチル}フェニルスル
ファミン酸(5)
[1−(S)−カルバモイル−2−(4−ニトロフェニル)エチル−カルバミン酸te
rt−ブチルエステル(1)の調製:DMF(10mL)中の2−(S)−tert−ブ
トキシカルボニルアミノ−3−(4−ニトロフェニル)−プロピオン酸およびN−メチル
モルホリン(1.1mL、9.65mmol)の0℃の溶液に、クロロギ酸イソ−ブチル
(1.25mL、9.65mmol)を滴下する。混合物を0℃で20分間撹拌し、その
後、NH
3(g)を反応混合物に30分間、0℃で通す。反応混合物を濃縮し、残渣をE
tOAcに溶かし、5%のクエン酸、水、5%のNaHCO
3、水およびブラインで次々
に洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、残渣まで真空中で濃縮し、これをEtO
Ac/石油エーテルの混合物で粉砕して、2.2g(74%)の所望の生成物が白色固形
物として得られる。
【0119】
[2−(4−ニトロフェニル)−1−(S)−チオカルバモイルエチル]カルバミン酸
tert−ブチルエステル(2)の調製:THF(10mL)中の[1−(S)−カルバ
モイル−2−(4−ニトロフェニル)エチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル、
1、(0.400g、1.29mmol)の溶液に、ローソン試薬(0.262g、0.
65mmol)を加える。反応混合物を3時間撹拌し、残渣まで濃縮し、これをシリカ上
で精製して、0.350g(83%)の所望の生成物が得られる。
1H NMR (30
0 MHz, CDCl
3)δ8.29 (s, 1H), 8.10 (d. J =
8.4 Hz, 2H), 8.01 (s, 1H), 7.42 (d, J =
8.4 Hz, 2H), 5.70 (d, J = 7.2 Hz, 1H),
4.85 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 3.11−3.30 (m,
1H), 1.21 (s, 9H).
【0120】
1−(S)−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(4−ニトロフェニル)エチ
ルアミン(3)の調製:CH
3CN(5mL)中の[2−(4−ニトロフェニル)−1−
(S)−チオカルバモイルエチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル、2、(0
.245g、0.753mmol)、1−ブロモ−2−ブタノン(0.125g、0.8
28mmol)の混合物を3時間還流する。反応混合物を室温まで冷却させ、ジエチルエ
ーテルを溶液に加え、形成される沈殿物を濾過によって除去する。固形物を真空下で乾燥
させて、0.242g(90%の収率)の所望の生成物が得られる。ESI+ MS 2
78 (M+1).
【0121】
{1−[1−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(4−ニトロフェニル)エチ
ルカルバモイル]−2−フェニルエチル}カルバミン酸tert−ブチルエステル(4)
の調製:DMF(10mL)中の1−(S)−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2
−(4−ニトロフェニル)エチルアミン臭化水素酸塩、3、(0.393g、1.1mm
ol)、(S)−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−フェニルプロピオ
ン酸(0.220g、0.828mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(
HOBt)(0.127g、0.828mmol)の溶液に、0℃で、1−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDCI)(0.159g、0.82
8mmol)、次いでジイソプロピルアミン(0.204g、1.58mmol)を加え
る。混合物を0℃で30分間、その後、室温で終夜撹拌する。反応混合物を水で希釈し、
EtOAcで抽出する。合わせた有機相を1NのHCl水溶液、5%のNaHCO
3水溶
液、水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させる。溶媒を真空中で除去して
、0.345gの所望の生成物が得られ、これはさらに精製せずに使用される。LC/M
S ESI+ 525 (M+1).
【0122】
4−{(S)−2−[(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−フ
ェニルプロパンアミド]−2−(4−エチルチアゾール−2−イル)エチル}フェニルス
ルファミン酸アンモニウム塩(5)の調製:{1−[1−(4−エチルチアゾール−2−
イル)−2−(4−ニトロフェニル)エチルカルバモイル]−2−フェニルエチル}カル
バミン酸tert−ブチルエステル、4、(0.345g)をMeOH(4mL)に溶か
す。触媒量のPd/C(10%w/w)を加え、混合物を水素雰囲気下で2時間撹拌する
。CELITE(商標)床を通して反応混合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去する。粗生
成物をピリジン(12mL)に溶かし、SO
3−ピリジン(0.314g)で処理する。
反応を室温で5分間撹拌し、その後、7%のNH
4OH溶液(50mL)を加える。その
後、混合物を濃縮し、生じる残渣を逆相クロマトグラフィーによって精製して、0.22
2gの所望の生成物がアンモニウム塩として得られる。
1H NMR (CD
3OD):
δ7.50−6.72 (m, 10H), 5.44−5.42 (d, 1H, J
=6.0 Hz), 4.34 (s, 1H), 3.34−2.79 (m, 4H
), 2.83−2.76 (q, 2H, J=7.2 Hz), 1.40 (s,
9H), 1.31 (t, 3H, J=7.5 Hz).
【0123】
また、開示した阻害剤は遊離酸として単離することもできる。この手順の非限定的な例
は、本明細書中以下の実施例4中に記載されている。
【0124】
以下は、本開示の第I分類の第1態様の本実施形態中に包含される化合物の非限定的な
例である。
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−[(R)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−フェ
ニルプロパンアミド]−2−(4−エチルチアゾール−2−イル)エチル}フェニルスル
ファミン酸:
1H NMR (CD
3OD):δ7.22−7.02 (m, 10H)
, 5.39 (s, 1H), 4.34 (s, 1H), 3.24−2.68
(m, 6H), 1.37 (s, 9H), 1.30 (t, 3H, J=7.
5 Hz).
【0125】
第I分類のこの態様の別の実施形態は、以下の式を有する阻害剤に関する:
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R単位およびR
5a単位は表II中にさらに記載されている]。
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
【0126】
本実施形態の化合物は、上記スキームI中に概要を示し、実施例1中に記載した手順に
従って、ステップ(d)において適切なBoc−β−アミノ酸で(S)−(2−tert
−ブトキシカルボニルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸を代用することによって調製
することができる。
【0127】
以下は、本実施形態による化合物の非限定的な例である。
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
{1−[1−(4−エチルチアゾール−2−イル)−(S)−2−(4−スルホアミノフ
ェニル)エチルカルバモイル]−(S)−2−フェニルエチル}メチルカルバミン酸te
rt−ブチルエステル:
1H NMR (300 MHz, MeOH−d
4) δ8.
36 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.04−7.22 (m, 9H
), 5.45 (s, 1H), 3.01−3.26 (m, 2H), 2.60
−2.88 (m, 4H), 2.33 (s, 3H), 1.30 (s, 9H
).
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
{1−[1−(4−フェニルチアゾール−2−イル)−(S)−2−(4−スルホアミノ
フェニル)エチルカルバモイル]−(S)−2−フェニルエチル}メチルカルバミン酸t
ert−ブチルエステル:
1H NMR (300 MHz, MeOH−d
4)δ8.
20 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.96−7.99 (m, 2H
), 7.48−7.52 (m, 3H), 7.00−7.23(m, 7H),
6.89 (s, 1H), 5.28 (q, J = 7.5 Hz, 1H),
4.33 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 3.09−3.26 (m,
2H), 3.34 (dd, J = 13.2 and 8.4 Hz, 1H),
2.82 (dd, J = 13.2 and 8.4 Hz, 1H), 1.3
8 (s, 9H).
【0128】
本開示の第I分類の第2態様は、Rが以下の式を有する置換または非置換のチアゾール
−4−イルである化合物に関し:
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
その一実施形態は、以下の式を有する阻害剤に関する:
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R単位およびR
5a単位は表III中にさらに記載されている]。
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0129】
本開示の第I分類の第2態様中に包含される化合物は、スキームII中に概要を示し、
本明細書中以下の実施例2中に記載した手順によって調製することができる。
スキームII
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(a)(i)(イソ−ブチル)OCOCl、Et
3N、THF;0℃、
20分間。
(ii)CH
2N
2;室温で3時間。
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(b)48%のHBr、THF;0℃、1.5時間。
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(c)(i)チオベンズアミド、CH
3CN;還流、2時間。
(ii)Boc−Phe、HOBt、DIPEA、DMF;室温、18時間。
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(d)(i)H
2:Pd/C、MeOH;(ii)SO
3−ピリジン、
NH
4OH;室温、12時間。
【0130】
実施例2
4−{(S)−2−(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−フェニ
ルプロパンアミド−2−(2−フェニルチアゾール−4−イル)}フェニルスルファミン
酸(9)
(S)−[3−ジアゾ−1−(4−ニトロベンジル)−2−オキソ−プロピル]−カル
バミン酸tert−ブチルエステル(6)の調製:THF(20mL)中の2−(S)−
tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−ニトロフェニル)−プロピオン酸(1
.20g、4.0mmol)の0℃の溶液に、トリエチルアミン(0.61mL、4.4
mmol)、次いでクロロギ酸イソ−ブチル(0.57mL、4.4mmol)を滴下す
る。反応混合物を0℃で20分間撹拌し、濾過する。濾液をジアゾメタン(約16mmo
l)のエーテル溶液で、0℃で処理する。反応混合物を室温で3時間撹拌し、その後、真
空中で濃縮する。生じる残渣をEtOAcに溶かし、水およびブラインで次々に洗浄し、
乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮する。残渣をシリカ上で精製して(ヘキサン/
EtOAc 2:1)、1.1g(82%の収率)の所望の生成物が淡黄色固形物として
得られる。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3)δ8.16 (d, J
= 8.7 Hz, 2H), 7.39 (d, J = 8.7 Hz, 2H),
5.39 (s, 1H), 5.16 (d, J = 6.3 Hz, 1H),
4.49 (s, 1H), 3.25 (dd, J = 13.8 and 6.
6, 1H), 3.06 (dd, J = 13.5 and 6.9 Hz, 1
H), 1.41 (s, 9H).
【0131】
(S)−tert−ブチル4−ブロモ−1−(4−ニトロフェニル)−3−オキソブタ
ン−2−イルカルバメート(7)の調製:THF(5mL)中の(S)−[3−ジアゾ−
1−(4−ニトロベンジル)−2−オキソ−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチル
エステル、6、(0.350g、1.04mmol)の0℃の溶液に、48%のHBr水
溶液(0.14mL、1.25mmol)を滴下する。反応混合物を0℃で1.5時間撹
拌し、その後、0℃で飽和Na
2CO
3を用いて反応を反応停止させる。混合物をEtO
Ac(3×25mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(N
a
2SO
4)、濾過し、濃縮して0.400gの生成物が得られ、これはさらに精製せず
に次のステップで使用される。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3)δ8.
20 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.39 (d, J = 8.4
Hz, 2H), 5.06 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 4.80
(q, J = 6.3 Hz, 1H), 4.04 (s, 2H), 1.42
(s, 9H).
【0132】
tert−ブチル(S)−1−(S)−2−(4−ニトロフェニル)−1−(2−フェ
ニルチアゾール−4−イル)エチルアミノ−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イ
ルカルバメート(8)の調製:CH
3CN(4mL)中のチオベンズアミド(0.117
g、0.85mmol)および(S)−tert−ブチル4−ブロモ−1−(4−ニトロ
フェニル)−3−オキソブタン−2−イルカルバメート、7、(0.300g、0.77
mmol)の混合物を2時間還流する。反応混合物を室温まで冷却させ、ジエチルエーテ
ルを加えて中間体2−(ニトロフェニル)−(S)−1−(4−フェニルチアゾール−2
−イル)エチルアミンを沈殿させ、これを臭化水素酸塩として濾過によって単離する。臭
化水素酸塩をDMF(3mL)中に、ジイソプロイル(diisoproyl)エチルア
ミン(0.42mL、2.31mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.1
18g、0.79mmol)および(S)−(2−tert−ブトキシカルボニル−アミ
ノ)−3−フェニルプロピオン酸(0.212g、0.80mmol)と共に溶かす。混
合物を0℃で30分間、その後、室温で終夜撹拌する。反応混合物を水で希釈し、EtO
Acで抽出する。合わせた有機相を1NのHCl水溶液、5%のNaHCO
3水溶液、水
およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させる。溶媒を真空中で除去して、0.
395g(90%の収率)の所望の生成物が得られ、これはさらに精製せずに使用される
。LC/MS ESI+ 573 (M+1).
【0133】
4−{(S)−2−(S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−3−フェニルプ
ロパンアミド−2−(2−フェニルチアゾール−4−イル)}フェニルスルファミン酸(
9)の調製:tert−ブチル(S)−1−(S)−2−(4−ニトロフェニル)−1−
(2−フェニルチアゾール−4−イル)エチルアミノ−1−オキソ−3−フェニルプロパ
ン−2−イルカルバメート、8、(0.360g)をMeOH(4mL)に溶かす。触媒
量のPd/C(10%w/w)を加え、混合物を水素雰囲気下で12時間撹拌する。CE
LITE(商標)床を通して反応混合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去する。粗生成物を
ピリジン(12mL)に溶かし、SO
3−ピリジン(0.296g)で処理する。反応を
室温で5分間撹拌し、その後、7%のNH
4OH溶液(10mL)を加える。その後、混
合物を濃縮し、生じる残渣を逆相クロマトグラフィーによって精製して、0.050gの
所望の生成物がアンモニウム塩として得られる。
1H NMR (300 MHz, M
eOH−d
4)δ8.20 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.96−7
.99 (m, 2H), 7.48−7.52 (m, 3H), 7.00−7.2
3(m, 7H), 6.89 (s, 1H), 5.28 (q, J = 7.5
Hz, 1H), 4.33 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 3.09
−3.26 (m, 2H), 3.34 (dd, J = 13.2 and 8.
4 Hz, 1H), 2.82 (dd, J = 13.2 and 8.4 Hz
, 1H), 1.38 (s, 9H).
【0134】
本開示の第II分類の第1態様は、Rが以下の式を有する置換または非置換のチアゾー
ル−4−イル単位である化合物に関し:
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
その一実施形態は、以下の式を有する阻害剤に関する:
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R単位はチアゾール−4−イル単位であり、置換されている場合はR
4単位で置
換されている。RおよびR
5a単位は表IV中にさらに記載されている]。
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
【0135】
本開示の第II分類の第2態様中に包含される化合物は、スキームIII中に概要を示
し、本明細書中以下の実施例3中に記載した手順によって調製することができる。
スキームIII
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(a)(i)プロパンチオアミド、CH
3CN;還流、2時間。
(ii)Boc−Phe、HOBt、DIPEA、DMF;室温、18時間。
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(b)(i)H
2:Pd/C、MeOH;(ii)SO
3−ピリジン、
NH
4OH;室温、18時間。
【0136】
実施例3
4−{(S)−2−[(S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−フェニルプロパ
ンアミド]−2−(2−エチルチアゾール−4−イル)エチル}フェニルスルファミン酸
(13)
メチル(S)−1−[(S)−1−(2−エチルチアゾール−4−イル)−2−(4−
ニトロフェニル)−エチル]アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イルカル
バメート(12)の調製:CH
3CN(4mL)中のプロパンチオアミド(69mg、0
.78mmol)および(S)−tert−ブチル4−ブロモ−1−(4−ニトロフェニ
ル)−3−オキソブタン−2−イルカルバメート、7、(0.300g、0.77mmo
l)の混合物を2時間還流する。反応混合物を室温まで冷却させ、ジエチルエーテルを加
えて中間体2−(ニトロフェニル)−(S)−1−(4−エチルチアゾール−2−イル)
エチルアミンを沈殿させ、これを臭化水素酸塩として濾過によって単離する。臭化水素酸
塩をDMF(8mL)中に、ジイソプロイルエチルアミン(0.38mL、2.13mm
ol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(107mg、0.71mmol)および(
S)−(2−メトキシカルボニル−アミノ)−3−フェニルプロピオン酸(175mg、
0.78mmol)と共に溶かす。混合物を0℃で30分間、その後、室温で終夜撹拌す
る。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出する。合わせた有機相を1NのHCl水
溶液、5%のNaHCO
3水溶液、水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥さ
せる。溶媒を真空中で除去して、0.300g(81%の収率)の所望の生成物が得られ
、これはさらに精製せずに使用される。LC/MS ESI+MS 483 (M+1)
.
【0137】
4−((S)−2−((S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−フェニルプロ
パンアミド)−2−(2−エチルチアゾール−4−イル)エチル)フェニルスルファミン
酸アンモニウム塩(13)の調製:tert−ブチル(S)−1−(S)−2−(4−ニ
トロフェニル)−1−(2−エチルチアゾール−4−イル)エチルアミノ−1−オキソ−
3−フェニルプロパン−2−イルカルバメート、12、(0.300g)をMeOH(4
mL)に溶かす。触媒量のPd/C(10%w/w)を加え、混合物を水素雰囲気下で1
8時間撹拌する。CELITE(商標)床を通して反応混合物を濾過し、溶媒を減圧下で
除去する。粗生成物をピリジン(12mL)に溶かし、SO
3−ピリジン(223mg、
1.40mmol)で処理する。反応を室温で5分間撹拌し、その後、7%のNH
4OH
溶液(12mL)を加える。その後、混合物を濃縮し、生じる残渣を逆相クロマトグラフ
ィーによって精製して、25mgの所望の生成物がアンモニウム塩として得られる。
1H
NMR (300 MHz, MeOH−d
4)δ7.14‐7.24(m,6H),
6.97‐7.0(m,4H),6.62 (s, 1H),5.10− 5.30(m
,1H),4.36 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 3.63 (s,
3H), 3.14 (dd, J = 13.5 and 6.3 Hz, 1H),
2.93−3.07 (m, 5H), 2.81 (dd, J = 13.5 a
nd 6.3 HZ, 1H), 1.39 (t, J = 7.8 Hz, 3H)
.
【0138】
本開示のプロセスの別の反復では、化合物13および本開示を含む他の類似体は、本明
細書中以下に記載の手順を適応することによって遊離酸として単離することができる。
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(a)H
2:Pd/C、MeOH;室温、40時間。
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(b)SO
3−ピリジン、CH
3CN;熱、45分間。
【0139】
実施例4
4−((S)−2−((S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−フェニルプロパ
ンアミド)−2−(2−エチルチアゾール−4−イル)エチル)フェニルスルファミン酸
[遊離酸形態](13)
{1−[2−(S)−(4−(S)−アミノフェニル)−1−(2−エチルチアゾール
−4−イル)エチルカルバモイル]−2−フェニルエチル}−カルバミン酸メチルエステ
ル(12a)の調製:パー水素化容器に、tert−ブチル(S)−1−(S)−2−(
4−ニトロフェニル)−1−(2−エチルチアゾール−4−イル)エチルアミノ−1−オ
キソ−3−フェニルプロパン−2−イルカルバメート、12、(18.05g、37.4
mmol、1.0当量)およびPd/C(10%のPd担持C、50%ウェット、Deg
ussa E101 NE/W型、2.68g、15wt%)を固形物として入れる。M
eOH(270mL、15mL/g)を加えて、懸濁液が得られる。容器をパー水素化装
置上に乗せる。容器を、N
2(3×20psi)を用いた充填/真空排気プロセスに供し
て不活性化させ、次いでH
2(3×40psi)を用いた同じ手順に供する。容器をH
2
で満たし、容器を40psiのH
2下で約40時間振盪する。容器を排気し、雰囲気をN
2(5×20psi)でパージする。1つのアリコートを濾過し、完全な変換を保証する
ためにHPLCによって分析する。セライトパッドを通して懸濁液を濾過して触媒を除去
し、回転蒸発によって均質な黄色濾液を濃縮して、16.06g(95%の収率)の所望
の生成物が黄褐色(tan)固形物として得られ、これはさらに精製せずに使用される。
【0140】
4−((S)−2−((S)−2−(メトキシカルボニル)−3−フェニルプロパンア
ミド)−2−(2−エチルチアゾール−4−イル)エチル)フェニルスルファミン酸(1
3)の調製:100mLのRBFに、本明細書中に上述したステップで調製した{1−[
2−(S)−(4−(S)−アミノフェニル)−1−(2−エチルチアゾール−4−イル
)エチルカルバモイル]−2−フェニルエチル}−カルバミン酸メチルエステル、12a
、(10.36g、22.9mmol、1.0当量)を入れる。アセトニトリル(50m
L、5mL/g)を加え、黄色懸濁液を室温で撹拌する。第2の3つ叉の500mLのR
BFにSO
3・pyr(5.13g、32.2mmol、1.4当量)およびアセトニト
リル(50mL、5mL/g)を入れ、白色懸濁液を室温で撹拌する。{1−[2−(S
)−(4−(S)−アミノフェニル)−1−(2−エチルチアゾール−4−イル)エチル
カルバモイル]−2−フェニルエチル}−カルバミン酸メチルエステルを含有する反応溶
液が赤オレンジ色になるまで、両方の懸濁液を穏やかに加熱する(本実施例では典型的に
は約44℃)。この基体含有溶液をSO
3・pyrの撹拌懸濁液中に35℃で一度に注ぐ
。生じる不透明の混合物(39℃)を激しく撹拌しながらゆっくりと室温まで冷ます。4
5分間撹拌した後、HPLCによって反応の完了が決定される。H
2O(200mL、2
0mL/g)をオレンジ色懸濁液に加えて、約2.4のpHを有する黄色−オレンジ色の
均質な溶液が得られる。濃H
3PO
4を12分間かけてゆっくりと加えて、pHを約1.
4まで下げる。このpH調節中にオフホワイト色沈殿物が形成され、溶液を室温で1時間
撹拌する。懸濁液を濾過し、濾過ケークを濾液で洗浄する。濾過ケークをフィルター上で
終夜空気乾燥させて、10.89g(89%の収率)の所望の生成物が黄褐色固形物とし
て得られる。
【0141】
以下は、本開示の第II分類の第2態様のさらなる非限定的な例である。
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−[(S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−フェニルプロパ
ンアミド]−2−(2−メチルチアゾール−4−イル)エチル}フェニルスルファミン酸
:
1H NMR (300 MHz, MeOH−d
4)δ8.15 (d, J =
8.4 Hz, 1H), 7.16−7.25 (m, 5H), 6.97−7.1
0 (m, 4H), 6.61 (s, 1H), 5.00−5.24 (m, 1
H), 4.36 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 3.64 (s, 2
H), 3.11−3.19 (s, 1H), 2.92−3.04 (s, 2H)
, 2.81 (dd, J = 13.5 and 8.1 Hz, 1H), 2.
75 (s, 3H).
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−(2−エチルチアゾール−4−イル)−2−[(S)−2−(メトキ
シカルボニルアミノ)−3−フェニルプロパンアミド]エチル}フェニルスルファミン酸
:
1H NMR (300 MHz, MeOH−d
4)δ7.16−7.29 (m,
5H), 7.02−7.12 (m, 4H), 6.83 (s, 1H), 5
.10−5.35 (m, 1H), 3.52−3.67(m, 3H), 3.18
−3.25 (m, 2H), 3.05 (q, J = 7.5 Hz, 2H),
2.82−2.95 (m, 2H), 2.65 (s, 3H), 1.39 (
t, J = 7.5 Hz, 3H).
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−(2−イソプロピルチアゾール−4−イル)−2−[(S)−2−(
メトキシカルボニルアミノ)−3−フェニルプロパンアミド]エチル}フェニルスルファ
ミン酸:
1H NMR (CD
3OD)δ8.16 (d, 1H, J = 8.7H
z), 7.22−7.13 (m, 3H), 7.07 (d, 1H, J =
8.4Hz), 6.96 (d, 1H, J = 8.1Hz), 6.62 (s
, 1H), 5.19 (t, 1H, J = 7.2Hz), 4.36 (t,
1H, J = 7.8Hz), 3.63 (s, 3H), 3.08 (1H,
ABX法のA, J = 3.6, 14.5Hz), 2.99 (1H, ABX
法のB, J = 7.2, 13.8Hz), 2.85−2.78 (m, 1H)
, 1.41 (d, 6H, J = 6.9Hz).
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−(2−シクロプロピルチアゾール−4−イル)−2−[(S)−2−
(メトキシカルボニルアミノ)−3−フェニルプロパンアミド]エチル}フェニルスルフ
ァミン酸:
1H NMR (CD
3OD):δ7.15−7.02 (m, 5H),
6.96−6.93 (d, 2H, J=8.4 Hz), 6.86−6.83 (
d, 2H, J=8.3 Hz), 6.39 (s, 1H), 5.01 (t,
1H, J=5.0 Hz), 4.22 (t, 1H, J=7.4 Hz),
3.51 (s, 3H), 2.98−2.69 (m, 2H), 2.22−2.
21 (m, 1H), 1.06−1.02 (m, 2H), 0.92−0.88
(m, 2H).
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−{2−[(4−クロロフェニルスルホニル)メチル]チアゾール−4
−イル}−2−[(S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−フェニルプロパンア
ミド]エチル}フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD):δ7.96−
7.93 (d, 2H, J=8.6 Hz), 7.83−7.80 (d, 2H
, J=8.6 Hz), 7.44−7.34 (m, 5H), 7.29−7.2
7 (d, 2H, J=8.4 Hz), 7.14−7.11 (d, 2H, J
=8.4 Hz), 6.97 (s, 1H), 5.31 (t, 1H, J=6
.8 Hz), 5.22−5.15 (m, 2H), 4.55 (t, 1H,
J=7.3 Hz), 3.84 (s, 3H), 3.20−2.96 (m, 4
H).
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−[2−(tert−ブチルスルホニルメチル)チアゾール−4−イル
]−2−[(S)−2−(メトキシカルボニル−アミノ)−3−フェニルプロパンアミド
]エチル}フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD):δ7.40−7.
30 (m, 5H), 7.21−7.10 (m, 4H), 7.02 (s,
1H), 5.37 (t, 1H, J=6.9 Hz), 5.01−4.98 (
m, 2H), 4.51 (t, 1H, J=7.1 Hz), 3.77 (s,
3H), 3.34−2.91 (m, 4H), 1.58 (s, 9H).
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−[(S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−フェニルプロピ
オンアミド]−2−(2−フェニルチアゾール−4−イル)エチル}フェニルスルファミ
ン酸:
1H NMR(300MHz, DMSO−d
6)δ7.96−7.99 (m,
2H), 7.51−7.56 (m, 3H), 7.13−7.38 (m, 6
H), 6.92−6.95 (m, 4H), 5.11−5.16 (m, 1H)
, 4.32−4.35 (m, 1H), 3.51 (s, 3H), 3.39−
3.40 (m, 2H), 3.09−3.19 (m, 1H), 2.92−3.
02 (m, 2H), 2.75 (dd, J = 10.5 Hz and 9.
9 Hz, 1H).
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−[(S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−フェニルプロパ
ンアミド]−2−[2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}フェ
ニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD):δ7.61−7.56 (m,
2H), 7.25−7.01 (m, 10H), 6.75 (s, 1H), 5
.24−5.21 (q, 1H, J=7.2 Hz), 4.38 (t, 1H,
J=7.2 Hz), 3.60 (s, 3H), 3.23−3.14 (m,
1H), 3.08−3.00 (m, 2H), 2.87−2.80 (m, 1H
).
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−[2−(3−クロロチオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]
−2−[(S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−フェニルプロパンアミド]エ
チル}フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD):δ7.78−7.76
(d, 1H, J=5.4 Hz), 7.36−7.14 (m, 10H),
7.03 (s, 1H), 5.39 (t, 1H, J=6.9 Hz), 4.
54 (t, 1H, J=7.3 Hz), 3.80 (s, 3H), 3.39
−2.98 (m, 4H).
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−[(S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−フェニルプロパ
ンアミド]−2−[2−(3−メチルチオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エ
チル}フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD):δ7.38 (d,
1H, J=5.1 Hz), 7.15−6.93 (m, 10H), 6.73
(s, 1H), 5.17 (t, 1H, J=6.9 Hz), 4.31 (t
, 1H, J= 7.3 Hz), 3.57 (s, 3H), 3.18−3.1
1 (m, 1H), 3.02−2.94 (m, 2H), 2.80−2.73
(m, 1H), 2.46 (s, 3H).
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
4−{[(S)−2−(2−(フラン−2−イル)チアゾール−4−イル]−2−[(S
)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−フェニルプロパンアミド]エチル}フェニ
ルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD):δ7.54−7.46 (m, 1
H), 7.02−6.79 (m, 10H), 6.55−6.51 (m, 1H
), 6.44−6.41 (m, 1H), 5.02−5.00 (q, 1H,
J=6.4 Hz), 4.16−4.14 (q, 1H, J=7.1 Hz),
3.43 (s, 3H), 2.96−2.58 (m, 4H).
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−[(S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−フェニルプロパ
ンアミド]−2−[2−(2−メチルチアゾール−4−イル)チアゾール−4イル]エチ
ル}フェニルスルファミン酸:
1H NMR (300 MHz, MeOH−d
4)
δ8.27(d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.97 (s, 1H),
6.99−7.21(m, 8H), 5.18−5.30 (m, 1H), 4.3
0−4.39 (m, 1H), 3.64 (s, 3H), 3.20 (dd,
J = 14.1 and 6.6 Hz, 1H), 2.98−3.08(m, 2
H), 2.84 (dd, J =14.1 and 6.6 Hz, 1H), 2
.78 (s, 3H).
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−[(S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−フェニルプロパ
ンアミド]−2−[(2−ピラジン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}フェニ
ルスルファミン酸:
1H NMR (300 MHz, MeOH−d
4)δ9.34
(s, 1H), 8.65 (s, 2H), 8.34 (d, J = 8.1
Hz, 1H), 7.00−5.16 (m. 9H), 5.30 (q, J =
7.2 Hz, 1H), 4.41 (t, J = 7.2 Hz, 1H),
3.65 (s, 3H), 3.23 (dd, J = 13.8 and 6.9
Hz, 1H), 2.98−3.13 (m, 2H), 2.85 (dd, J
= 13.8 and 6.9 Hz, 1H).
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−[(S)−2−(メトキシカルボニルアミノ)−3−フェニルプロパ
ンアミド]−2−[2−(6−メチルピリジン−3−イル)チアゾール−4−イル]エチ
ル}フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD):δ8.90 (s, 1
H), 8.19−8.13 (m, 1H), 7.39−7.36 (d, 1H,
J=8.2 Hz), 7.07−6.88 (m, 9H), 6.79 (s,
1H), 5.17 (t, 1H, J=7.0 Hz), 4.29 (t, 1H
, J=7.4 Hz), 3.54 (s, 3H), 3.10−2.73 (m,
4H), 2.53 (s, 3H).
【0142】
本開示の第III分類は、Rが以下の式を有する置換または非置換のチアゾール−2−
イル単位である化合物に関し:
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
その一実施形態は、以下の式を有する阻害剤に関する:
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R単位はチアゾール−2−イル単位であり、置換されている場合はR
2およびR
3単位で置換されている。RおよびR
5a単位は表V中にさらに記載されている]。
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
【0143】
本開示の第III分類中に包含される化合物は、スキームIV中に概要を示し、本明細
書中以下の実施例5中に記載した手順によって調製することができる。
スキームIV
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(a)Ac−Phe、EDCI、HOBt、DIPEA、DMF;室温
、18時間。
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(b)(i)H
2:Pd/C、MeOH;(ii)SO
3−ピリジン、
NH
4OH。
【0144】
実施例5
4−[(S)−2−((S)−2−アセトアミド−3−フェニルプロパンアミド)−2−
(4−エチルチアゾール−2−イル)エチル]フェニルスルファミン酸(15)
(S)−2−アセトアミド−N−[(S)−1−(4−エチルチアゾール−2−イル)
−2−(4−ニトロフェニル)−エチル]−3−フェニルプロパンアミド(14)の調製
:DMF(10mL)中の1−(S)−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(4
−ニトロフェニル)エチルアミン臭化水素酸塩、3、(0.343g、0.957mmo
l)、N−アセチル−L−フェニルアラニン(0.218g)、1−ヒドロキシベンゾト
リアゾール(HOBt)(0.161g)、ジイソプロピル−エチルアミン(0.26g
)の溶液に、0°で、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド
(EDCI)(0.201g)を加える。混合物を0℃で30分間、その後、室温で終夜
撹拌する。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出する。合わせた有機相を1NのH
Cl水溶液、5%のNaHCO
3水溶液、水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で
乾燥させる。溶媒を真空中で除去して、0.313g(70%の収率)の所望の生成物が
得られ、これはさらに精製せずに使用される。LC/MS ESI+ 467 (M+1
).
【0145】
4−((S)−2−((S)−2−アセトアミド−3−フェニルプロパンアミド)−2
−(4−エチルチアゾール−2−イル)エチル)フェニルスルファミン酸(15)の調製
:(S)−2−アセトアミド−N−[(S)−1−(4−エチルチアゾール−2−イル)
−2−(4−ニトロフェニル)エチル]−3−フェニルプロパンアミド、14、(0.3
13g)をMeOH(4mL)に溶かす。触媒量のPd/C(10%w/w)を加え、混
合物を水素雰囲気下で2時間撹拌する。CELITE(商標)床を通して反応混合物を濾
過し、溶媒を減圧下で除去する。粗生成物をピリジン(12mL)に溶かし、SO
3−ピ
リジン(0.320g)で処理する。反応を室温で5分間撹拌し、その後、7%のNH
4
OH溶液(30mL)を加える。その後、混合物を濃縮し、生じる残渣を逆相クロマトグ
ラフィーによって精製して、0.215gの所望の生成物がアンモニウム塩として得られ
る。
1H NMR (CD
3OD):δ7.23−6.98 (m, 10H), 5.
37 (t, 1H), 4.64 (t, 1H, J=6.3 Hz), 3.26
−2.74 (m, 6H), 1.91 (s, 3H), 1.29 (t, 3H
, J=7.5 Hz).
【0146】
以下は、本開示の第III分類中に包含される化合物のさらなる非限定的な例である。
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
4−[(S)−2−((S)−2−アセトアミド−3−フェニルプロパンアミド)−2−
(4−tert−ブチルチアゾール−2−イル)エチル]フェニルスルファミン酸:
1H
NMR (300 MHz, CD
3OD):δ7.22−7.17 (m, 5H)
, 7.06 (dd, J=14.1, 8.4 Hz, 4H), 6.97 (d
, J=0.9 Hz, 1H), 5.39 (dd, J=8.4, 6.0 Hz
, 1H), 4.65 (t, J=7.2 Hz, 1H), 3.33−3.26
(m, 1H), 3.13−3.00 (m, 3H), 2.80 (dd, J
=13.5, 8.7 Hz, 1H), 1.91 (s, 3H), 1.36 (
s, 9H).
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−((S)−2−アセトアミド−3−フェニルプロパンアミド)−2−
[4−(チオフェン−3−イル)チアゾール−2−イル]エチル)フェニルスルファミン
酸:
1H NMR (300 MHz, CD
3OD):δ8.58 (d, J=8.
1 Hz, 1H), 7.83−7.82 (m, 1H), 7.57−7.46
(m, 3H), 7.28−6.93 (m, 11H), 5.54−5.43 (
m, 1H), 4.69−4.55 (m, 2H), 3.41−3.33 (m,
1H), 3.14−3.06 (3H), 2.86−2.79 (m, 1H),
1.93 (s, 3H).
【0147】
本開示の第IV分類の第1態様は、Rが以下の式を有する置換または非置換のチアゾー
ル−2−イル単位である化合物に関し:
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
その一実施形態は、以下の式を有する阻害剤に関する:
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R単位およびR
5a単位は表VI中にさらに記載されている]。
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【0148】
本開示の第IV分類中に包含される化合物は、スキームV中に概要を示し、本明細書中
以下の実施例6中に記載した手順によって調製することができる。
スキームV
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(a)Boc−Val;EDCI、HOBt、DIPEA、DMF;室
温、18時間。
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(b)(i)H
2:Pd/C、MeOH;(ii)SO
3−ピリジン、
NH
4OH、室温、2時間。
【0149】
実施例6
4−{(S)−2−[(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−メチ
ルブタンアミド]−2−(4−エチルチアゾール−2−イル)エチル}フェニルスルファ
ミン酸(17)
tert−ブチル(S)−1−[(S)−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−
(4−ニトロフェニル)エチルアミノ]−3−メチル−1−オキソブタン−2−イルカル
バメート(16)の調製:DMF(5mL)中の1−(S)−(4−エチルチアゾール−
2−イル)−2−(4−ニトロフェニル)エチルアミン臭化水素酸塩、3、(0.200
g、0.558mmol)、(S)−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3
−メチル酪酸(0.133g)および1−ヒドロキシベンゾ−トリアゾール(HOBt)
(0.094g)の溶液に、0°で、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル
カルボジイミド(EDCI)(0.118g)、次いでジイソプロピルアミン(0.15
1g)を加える。混合物を0℃で30分間、その後、室温で終夜撹拌する。反応混合物を
水で希釈し、EtOAcで抽出する。合わせた有機相を1NのHCl水溶液、5%のNa
HCO
3水溶液、水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させる。溶媒を真空
中で除去して、0.219g(82%の収率)の所望の生成物が得られ、これはさらに精
製せずに使用される。LC/MS ESI+ 477 (M+1).
【0150】
4−{(S)−2−[(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−メ
チルブタンアミド]−2−(4−エチルチアゾール−2−イル)エチル}フェニルスルフ
ァミン酸(17)の調製:tert−ブチル(S)−1−[(S)−(4−エチルチアゾ
ール−2−イル)−2−(4−ニトロフェニル)エチルアミノ]−3−メチル−1−オキ
ソブタン−2−イルカルバメート、16、(0.219g)をMeOH(4mL)に溶か
す。触媒量のPd/C(10%w/w)を加え、混合物を水素雰囲気下で2時間撹拌する
。CELITE(商標)床を通して反応混合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去する。粗生
成物をピリジン(5mL)に溶かし、SO
3−ピリジン(0.146g)で処理する。反
応を室温で5分間撹拌し、その後、7%のNH
4OH溶液(30mL)を加える。その後
、混合物を濃縮し、生じる残渣を逆相クロマトグラフィーによって精製して、0.148
gの所望の生成物がアンモニウム塩として得られる。
1H NMR (CD
3OD):δ
7.08 (s, 4H), 7.02 (s, 1H), 5.43 (s, 1H)
, 3.85 (s, 1H), 3.28−2.77 (m, 4H), 1.94
(s, 1H), 1.46 (s, 9H), 1.29 (s, 3H, J=7.
3 Hz), 0.83 (s, 6H).
【0151】
以下は、本開示の第IV分類の第2態様のさらなる非限定的な例である。
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−{2−[2−(tert−ブトキシカルボニル)アセトアミド]−2−(4
−エチルチアゾール−2−イル)エチル}フェニルスルファミン酸:
1H NMR (C
D
3OD):δ7.09−6.91 (m, 5H), 5.30 (t, 1H, J
=8.4 Hz), 3.60−2.64 (m, 6H), 1.34 (s, 9H
), 1.16 (t, 3H, J=7.5 Hz).
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−[(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−メチ
ルペンタンアミド]−2−(4−エチルチアゾール−2−イル)エチル}フェニルスルフ
ァミン酸:
1H NMR (CD
3OD) δ7.19−7.00 (m, 4H),
5.50−5.40 (m, 1H), 4.13−4.06 (m, 1H), 3.
32 (1H, ABX法のA, J = 7.5, 18Hz), 3.12 (1H
, ABX法のB, J = 8.1, 13.8Hz), 2.79 (q, 2H,
J = 7.8, 14.7Hz), 1.70−1.55 (m, 1H), 1.
46 (s, 9H), 1.33 (t, 3H, J = 2.7Hz), 0.9
2 (q, 6H, J = 6, 10.8Hz).
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−[(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−メチ
ルペンタンアミド]−2−[2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチ
ル}フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD3OD) δ8.06 (d, 1
H, J = 8.4Hz), 7.61−7.58 (m, 1H), 7.57 (
s, 1H), 7.15 (t, 1H, J = 0.6Hz), 7.09−6.
98 (m, 6H), 5.30−5.20 (m, 1H), 4.10−4.00
(m, 1H), 3.19−3.13 (m, 2H), 1.63−1.55 (
m, 2H), 1.48−1.33 (m, 10H), 0.95−0.89 (m
, 6H).
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−{2−[2−(tert−ブトキシカルボニル)アセトアミド]−2−(4
−エチルチアゾール−2−イル)エチル}−フェニルスルファミン酸:
1H NMR (
CD
3OD):δ7.09−6.91 (m, 5H), 5.30 (t, 1H,
J=8.4 Hz), 3.60−2.64 (m, 6H), 1.34 (s, 9
H), 1.16 (t, 3H, J=7.5 Hz).
第IV分類のさらなる実施形態は、以下の式を有する阻害剤に関する:
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R単位およびR
5a単位は表VII中にさらに記載されている]。
【表7】
[この文献は図面を表示できません]
【0152】
第IV分類の本実施形態中に包含される化合物は、スキームV中に概要を示し、実施例
6中に記載した手順に従って、対応するメチルカルバメートでBoc保護試薬を代用する
ことによって作製することができる。以下は、本実施形態の非限定的な例である。
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−[(S)−2−(メトキ
シカルボニル)−4−メチルペンタンアミド]エチル}フェニルスルファミン酸:
1H
NMR (CD3OD)δ7.12−7.03 (m, 5H), 6.84 (d,
1H, J = 8.4Hz), 5.40 (t, 1H, J = 5.7Hz),
4.16 (t, 1H, J = 6.3Hz), 3.69 (s, 3H),
3.61−3.55 (m, 1H), 3.29−3.27 (m, 1H), 3.
14−3.07 (m, 1H), 2.81 (q, 2H, J = 3.9, 1
1.2Hz), 1.66−1.59 (m, 1H), 1.48−1.43 (m,
2H), 1.31 (t, 3H, J = 4.5Hz), 0.96−0.90
(m, 6H).
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−{2−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−[2−(メトキシカルボ
ニル)アセトアミド]エチル}−フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD
):δ7.12−7.07 (m, 4H), 7.03 (s, 1H), 5.42
(t, 1H, J=5.7 Hz), 3.83−3.68 (q, 2H, J=
11.4 Hz), 3.68 (s, 3H), 3.34−3.04 (m, 2H
), 2.83−2.76 (q, 2H, J=7.8 Hz), 1.31 (t,
3H, J=7.5 Hz).
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−[(S)−2−(メトキ
シカルボニル)−3−メチルブタンアミド]−エチル}フェニルスルファミン酸:
1H
NMR (CD
3OD)δ8.56(d, 1H, J = 7.8Hz), 7.09
(s, 4H), 7.03 (s, 1H), 5.26−5.20 (m, 1H
), 3.90 (d, 1H, J = 7.8Hz), 3.70 (s, 3H)
, 3.30 (1H, ABX法のA, 溶媒により不明瞭), 3.08 (1H,
ABX法のB, J = 9.9, 9Hz), 2.79 (q, 2H, J =
11.1, 7.2Hz), 2.05−1.97 (m, 1H), 1.31 (
t, 3H, J = 7.5Hz), 0.88 (s, 3H), 0.85 (s
, 3H), 0.79−0.75 (m, 1H).
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−[(S)−2−(メトキシカルボニル)−4−メチルペンタンアミド
]−2−[2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}フェニルスル
ファミン酸:
1H NMR(CD
3OD) δ8.22 (d, 1H, J = 9H
z), 7.62−7.57 (m, H), 7.15 (t, 1H, J = 0
.6Hz), 7.10−6.97 (m, 4H), 5.30−5.20 (m,
1H), 4.16−4.11 (m, 1H), 3.67 (s, 2H), 3.
22 (1H, ABX法のA, J = 6.9, 13.5Hz), 3.11 (
1H, ABX法のB, J = 7.8, 13.6Hz), 1.65−1.58
(m, 1H), 1.50−1.45 (m, 2H), 0.95−0.88 (m
, 6H).
【0153】
本開示の第IV分類は、以下の式を有する化合物に関する:
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、Rは置換または非置換のチオフェン−2−イルまたはチオフェン−4−イル単位
であり、R
2の非限定的な例は表VIII中にさらに記載されている]。
【表8-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表8-2】
[この文献は図面を表示できません]
【表8-3】
[この文献は図面を表示できません]
【0154】
本開示の第IV分類中に包含される化合物は、VI中に概要を示し、本明細書中以下の
実施例7中に記載した手順によって調製することができる。
スキームVI
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(a)(i)CH
3CN;還流、1.5時間。
(ii)Boc
2O、ピリジン、CH
2Cl
2;室温、2時間。
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(b)(i)H
2:Pd/C、MeOH;還流
(ii)SO
3−ピリジン、NH
4OH;室温、12時間。
【0155】
実施例7
[1−(S)−(フェニルチアゾール−2−イル)−2−(4−スルホアミノフェニル)
エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(19)
[2−(4−ニトロフェニル)−1−(S)−(4−フェニルチアゾール−2−イル)
エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(18)の調製:CH
3CN(5mL
)中の[2−(4−ニトロフェニル)−1−(S)−チオカルバモイルエチル]−カルバ
ミン酸tert−ブチルエステル、2、(0.343g、1.05mmol)、2−ブロ
モアセトフェノン(0.231g、1.15mmol)の混合物を1.5時間還流する。
溶媒を減圧下で除去し、残渣をCH
2Cl
2に再度溶かし、その後、ピリジン(0.24
mL、3.0mmol)およびBoc
2O(0.24mL、1.1mmol)を加える。
反応を2時間撹拌し、ジエチルエーテルを溶液に加え、形成される沈殿物を濾過によって
除去する。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、残渣まで濃縮し、これをシリカ
上で精製して、0.176g(39%)の所望の生成物が得られる。ESI+ MS 4
26 (M+1).
【0156】
[1−(S)−(フェニルチアゾール−2−イル)−2−(4−スルホアミノフェニル
)エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(19)の調製:[2−(4−ニト
ロフェニル)−1−(S)−(4−フェニルチアゾール−2−イル)エチル]−カルバミ
ン酸tert−ブチルエステル、18、(0.176g、0.41mmol)をMeOH
(4mL)に溶かす。触媒量のPd/C(10%w/w)を加え、混合物を水素雰囲気下
で12時間撹拌する。CELITE(商標)床を通して反応混合物を濾過し、溶媒を減圧
下で除去する。粗生成物をピリジン(12mL)に溶かし、SO
3−ピリジン(0.19
5g、1.23mmol)で処理する。反応を室温で5分間撹拌し、その後、7%のNH
4OH溶液(10mL)を加える。その後、混合物を濃縮し、生じる残渣を逆相クロマト
グラフィーによって精製して、0.080gの所望の生成物がアンモニウム塩として得ら
れる。
1H NMR (300 MHz, MeOH−d
4) δ7.93 (d, J
= 6.0 Hz, 2H), 7.68 (s, 1H), 7.46−7.42
(m, 3H), 7.37−7.32 (m, 1H), 7.14−7.18 (m
, 3H), 5.13−5.18 (m, 1H), 3.40 (dd, J =
4.5 and 15.0 Hz, 1H), 3.04 (dd, J = 9.6
and 14.1 Hz, 1H), 1.43 (s, 9H).
【0157】
以下は、本開示の第IV分類のさらなる非限定的な例である。
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(4−メチルチアゾール−2−イル)−2−ピバルアミドエチル)フ
ェニルスルファミン酸:
1H NMR(CD
3OD):δ7.31 (s, 4H),
7.20 (s, 1H), 5.61−5.56 (m, 1H), 3.57−3.
22 (m, 2H), 2.62 (s, 3H), 1.31 (s, 3H).
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−ピバルアミドエチル)フ
ェニルスルファミン酸:
1H NMR (300 MHz, MeOH−d
4)δ7.9
2 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.12−7.14 (m, 4H)
, 7.03 (s, 1H), 5.38−5.46 (m, 1H), 3.3−3
.4 (m, 1H), 3.08 (dd, J = 10.2 and 13.8
Hz, 1H), 2.79 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.30
(t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.13 (s, 9H).
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(4−(ヒドロキシメチル)チアゾール−2−イル)−2−ピバルア
ミドエチル)フェニルスルファミン酸:
1H NMR (300 MHz, MeOH−d
4) δ7.92 (d, J =
8.1 Hz, 1H), 7.24 (s, 1H), 7.08 (d, J =
8.7 Hz, 2H), 7.00 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 5
.29−5.37 (m, 1H), 4.55 (s, 2H), 3.30 (dd
, J = 4.8 and 13.5 Hz, 1H), 2.99 (dd, J
= 10.5 and 13.5 Hz, 1H), 0.93 (s, 9H).
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(4−(エトキシカルボニル)チアゾール−2−イル)−2−ピバル
アミドエチル)フェニルスルファミン酸:
1H NMR (300 MHz, MeOH
−d
4) δ8.30 (s, 1H), 8.04 (d, J = 8.1 Hz,
1H), 7.13 (s, 4H), 5.41−5.49 (m, 1H), 4
.41 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.43 (dd, J = 5
.1 and 13.8 Hz, 1H), 3.14 (dd, J = 5.7 a
nd 9.9 Hz, 1H), 1.42 (t, J = 7.2 Hz, 3H)
, 1.14 (s, 9H).
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(4−フェニルチアゾール−2−イル)−2−ピバルアミドエチル)
フェニルスルファミン酸:
1H NMR (300 MHz, MeOH−d
4)δ7.
94−8.01 (m, 3H), 7.70 (s, 1H), 7.42−7.47
(m, 2H), 7.32−7.47 (m, 1H), 7.13−7.20 (
m, 3H), 5.48−5.55 (m, 1H), 3.50 (dd, J =
5.1 and 14.1 Hz, 1H), 3.18 (dd, J = 10.
2 and 14.1 Hz, 1H), 1.17 (s, 9H).
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
4−((S)−2−(4−(3−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル)−2−ピバ
ルアミドエチル)フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD):δ7.96
−7.93 (d, 1H, J=8.1 Hz), 7.69 (s, 1H), 7
.51−7.49 (d, 2H, J=7.9 Hz), 7.33 (t, 1H,
J=8.0 Hz), 7.14 (s, 4H), 6.92−6.90 (d,
1H, J=7.8 Hz), 5.50 (t, 1H, J=5.1 Hz), 3
.87 (s, 3H), 3.50−3.13 (m, 2H), 1.15 (s,
9H).
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
4−((S)−2−(4−(2,4−ジメトキシフェニル)チアゾール−2−イル)−2
−ピバルアミドエチル)フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD):δ8
.11−8.09 (d, 1H, J=7.8 Hz), 7.96−7.93 (d
, 1H, J= 8.4 Hz), 7.74 (s, 1H), 7.18−7.1
6 (m, 4H), 6.67−6.64 (d, 2H, J=9.0 Hz),
5.55−5.47 (m, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.87 (s
, 3H), 3.52−3.13 (m, 2H), 1.17 (s, 9H).
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(4−ベンジルチアゾール−2−イル)−2−ピバルアミドエチル)
フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD)δ7.85 (d, 1H, J = 8.4Hz),
7.38−7.20 (m, 4H), 7.11−7.02 (m, 1H), 7.
00 (s, 1H), 5.42−5.37 (m, 1H), 4.13 (s,
2H), 3.13−3.08 (m, 2H), 1.13 (s, 9H).
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−ピバルアミド−2−(4−(チオフェン−2−イルメチル)チアゾー
ル−2−イル)エチル)フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD)δ7.
88−7.85 (d, 1H), 7.38−7.35 (m, 1H), 7.10
−7.01 (m, 4H), 7.02 (s, 1H), 5.45−5.38 (
m, 1H), 4.13 (s, 2H), 3.13−3.05 (m, 2H),
1.13 (2, 9H).
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(4−(3−メトキシベンジル)チアゾール−2−イル)−2−ピバ
ルアミドエチル)フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD)δ7.85
(d, 1H, J = 8.4Hz), 7.25−7.20 (m, 1H), 7
.11−7.02 (m, 4H), 7.01 (s, 1H), 6.90−6.7
9 (m, 2H), 5.45−5.40 (m, 1H), 4.09 (s, 2
H), 3.79 (s, 3H), 3.12−3.08 (m, 2H), 1.1
0 (s, 9H).
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
4−((S)−2−(4−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−
イル)チアゾール−2−イル)−2−ピバルアミドエチル)−フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD):δ7.53 (s, 1H), 7.45 (s, 1
H), 7.42−7.40 (d, 1H, J= 8.4 Hz), 7.19−7
.15 (m, 4H), 6.91−6.88 (d, 2H, J=8.4 Hz)
, 5.51−5.46 (m, 1H), 4.30 (s, 4H), 3.51−
3.12 (m, 2H), 1.16 (s, 9H).
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(5−メチル−4−フェニルチアゾール−2−イル)−2−ピバルア
ミドエチル)フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD):δ7.63−7
.60 (d, 2H, J=7.1 Hz), 7.49−7.35 (m, 3H)
, 7.14 (s, 4H), 5.43−5.38 (m, 1H), 3.42−
3.09 (m, 2H), 2.49 (s, 3H), 1.14 (s, 9H)
.
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(4−(ビフェン−4−イル)チアゾール−2−イル)−2−ピバル
アミドエチル)フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD):δ8.04−8.01 (m, 2H), 7.72−
7.66 (m, 5H), 7.48−7.35 (m, 3H), 7.15 (s
, 4H), 5.50 (t, 1H, J=5.0 Hz), 3.57−3.15
(d, 2H), 1.16 (s, 9H).
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−tert−ブトキシカルボニル−2−(2−メチルサイゾール(me
thylthaizol)−4−イル)−フェニルスルファミン酸
1H NMR (300 MHz, D
2O)δ6.99−7.002(m, 4H),
6.82 (s, 1H), 2.26 (dd, J = 13.8 and 7.
2 Hz, 1H), 2.76 (dd, J = 13.8 and 7.2 Hz
, 1H), 2.48 (s, 3H), 1.17 (s, 9H).
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(tert−ブトキシカルボニル)−2−(4−プロピルチアゾール
−2−イル)エチル)−フェニルスルファミン酸:
1H NMR (300 MHz,
CD
3OD):δ7.18−7.02 (m, 5H), 5.06−5.03 (m,
1H), 3.26 (dd, J=13.8, 4.8 Hz, 1H), 2.9
5 (dd, J=13.8, 9.3 Hz, 1H), 2.74 (dd, J=
15.0, 7.2 Hz, 2H), 1.81−1.71 (m, 2H), 1.
40 (s, 7H), 1.33 (bs, 2H), 0.988 (t, J=
7.5 Hz 3H).
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(tert−ブトキシカルボニル)−2−(4−tert−ブチルチ
アゾール−2−イル)エチル)−フェニルスルファミン酸:
1H NMR (300 M
Hz, CD
3OD):δ7.12 (s, 4H), 7.01 (s, 1H),
5.11−5.06 (m, 1H), 3.32−3.25 (m, 1H), 2.
96 (m, 1H), 1.42 (s, 8H), 1.38 (s, 9H),
1.32 (s, 1H).
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−(メトキシメ
チル)チアゾール−2−イル)エチル)−フェニルスルファミン酸:
1H NMR (3
00 MHz, CD
3OD):δ7.36 (s, 1H), 7.14−7.05
(m, 4H), 5.06 (dd, J=9.0, 5.1 Hz, 1H), 4
.55 (s, 2H), 3.42 (s, 3H), 3.31−3.24 (m,
1H), 2.97 (dd, J=13.8, 9.9 Hz, 1H), 1.4
7−1.31 (m, 9H).
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−(2−ヒドロキ
シメチル)チアゾール−2−イル)エチル)フェニルスルファミン酸:
1H NMR (
300 MHz, MeOH−d
4)δ7.22−7.25 (m, 1H), 7.0
9−7.15 (m, 4H), 5.00−5.09 (m, 1H), 4.32−
4.35 (m, 1H), 3.87 (t, J = 6.6 Hz, 2H),
3.23−3.29 (m, 1H), 3.09−3.18 (m, 1H), 2.
98 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 1.41 (s, 9H).
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−(2−エトキシ
−2−オキソエチル)−チアゾール−2−イル)−エチル)フェニルスルファミン酸:
1
H NMR (300 MHz, MeOH−d
4)δ7.29 (s, 1H), 7
.09−7.16 (m, 4H), 5.04−5.09 (m, 1H), 4.2
0 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 3.84 (s, 2H), 3.3
0 (dd, J = 4.8 and 14.1 HZ, 1H), 2.97 (d
d, J = 9.6 Hz and 13.8 Hz, 1H), 1.41 (s,
9H), 1.29 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【化105】
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(S)−4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−(2−メトキ
シ−2−オキソエチル)チアゾール−2−イル)エチル)フェニルスルファミン酸:
1H
NMR (300 MHz, MeOH−d
4)δ7.31 (s, 1H), 7.
01−7.16 (m, 4H), 5.04−5.09 (m, 1H), 4.01
(s, 2H), 3.78 (s, 2H), 3.74 (s, 3H), 3.
29 (dd, J = 5.1 and 13.8 Hz, 1H), 2.99 (
dd, J = 9.3 and 13.8 Hz, 1H), 1.41 (s, 9
H).
【化106】
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(S)−4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(2−(ピバロイル
オキシ)チアゾール−4−イル)エチル)−フェニルスルファミン酸:
1H NMR (
300 MHz, D
2O) δ6.95 (s, 4H), 6.63 (s, 1H
), 2.94 (dd, J = 13.5 and 4.8 Hz, 1H), 2
.75 (dd, J =13.5 and 4.8 Hz, 1H), 1.16 (
s, 9H), 1.13 (s, 9H).
【化107】
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(S)−4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(5−フェニルチア
ゾール−2−イル)エチル)−フェニルスルファミン酸:
1H NMR (300 MH
z, CD
3OD):δ7.98 (s, 1H), 7.62 (d, J=7.2
Hz, 2H), 7.46−7.35 (m, 4H), 7.14 (s, 4H)
, 5.09 (bs, 1H), 3.07−2.99 (m, 2H), 1.43
(s, 9H).
【化108】
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4−((S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−(3−(トリ
フルオロメチル)フェニル)チアゾール−2−イル)エチル)フェニルスルファミン酸:
1H NMR (300 MHz, CD
3OD):δ8.28 (s, 1H), 8
.22−8.19 (m, 1H),7.89 (s, 1H), 7.65 (d,
J=5.1 Hz, 2H), 7.45 (d, J=8.1 Hz, 1H), 7
.15 (s, 4H), 5.17−5.14 (m, 1H), 3.43−3.3
2 (m, 1H), 3.05 (dd, J=14.1, 9.6 Hz, 1H)
, 1.42 (s, 9H).
【化109】
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(S)−4−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−フェニルチア
ゾール−2−イル)エチル)−フェニルスルファミン酸:
1H NMR (300 MH
z, CD
3OD):δ7.98 (s, 1H), 7.94 (d, J=7.2
Hz, 2H), 7.46−7.35 (m, 4H), 7.14 (s, 4H)
, 5.09 (bs, 1H), 3.07−2.99 (m, 2H), 1.43
(s, 9H).
【化110】
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(S,S)−2−(2−{2−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−(4−
スルホアミノフェニル)エチル]チアゾール−4−イル}アセチルアミド)−3−フェニ
ルプロピオン酸メチルエステル:
1H NMR (300 MHz, MeOH−d
4)
δ6.85−6.94 (m, 9H), 6.64 (s, 1H), 4.83 (
s, 1H), 4.54−4.58 (m, 1H), 3.49 (s, 3H),
3.39 (s, 2H), 2.80−2.97 (m, 1H), 2.64−2
.78 (m, 1H), 1.12 (s, 9H).
(S)−[1−{1−オキソ−4−[2−(1−フェニル−1H−テトラゾール−5−ス
ルホニル)エチル]−1H−1λ
4−チアゾール−2−イル}−2−(4−スルフアミノ
−フェニル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル:
1H NMR (3
00 MHz, MeOH−d
4)δ7.22−7.75 (m, 2H), 7.62
−7.69 (m, 2H), 7.55 (s, 1H), 7.10−7.20 (
m, 5H), 5.25 (m, 1H), 4.27−4.36 (m, 1H),
4.11−4.21 (m, 1H), 3.33−3.44 (m, 4H), 2
.84−2.90 (m, 1H), 1.33 (s, 9H).
【化111】
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4−((S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(4−(チオフェン
−3−イル)チアゾール−2−イル)エチル)フェニルスルファミン酸:
1H NMR
(300 MHz, CD
3OD):δ7.84 (dd, J=3.0, 1.5 H
z, 1H), 7.57−7.55 (m, 2H), 7.47 (dd, J=4
.8, 3.0 Hz, 1H), 7.15(s, 4H), 5.15−5.10
(m, 1H), 3.39−3.34 (m, 1H), 3.01 (dd, J=
14.1, 9.6 Hz, 1H), 1.42 (s, 8H), 1.32 (s
, 1H).
【化112】
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(S)−4−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イルアミノ)−2−(tert−ブ
トキシカルボニル)エチル)フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD)δ
7.86‐7.82(m,2H),7.42(t,2H,J=7.1 Hz), 7.3
3 (t, 1H, J=8.2 Hz), 7.02 (s, 4H), 5.10−
5.05 (m, 1H), 2.99−2.91 (m, 2H), 1.29 (s
, 9H).
(S)−4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−(2−メチルチアゾー
ル−4−イル)−フェニルスルファミン酸
1H NMR (300 MHz, D
2O)δ6.99−7.002(m, 4H),
6.82 (s, 1H), 2.26 (dd, J = 13.8 and 7.
2 Hz, 1H), 2.76 (dd, J = 13.8 and 7.2 Hz
, 1H), 2.48 (s, 3H), 1.17 (s, 9H).
本開示の第V分類の第1態様は、以下の式を有する2−(チアゾール−2−イル)化合
物に関する:
【0158】
【化113】
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[式中、R
1、R
2、R
3、およびLは、本明細書中において、本明細書中以下の表IX
中にさらに定義されている]。
【表9-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表9-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0159】
本開示の第V分類の第1態様中に包含される化合物は、スキームVII中に概要を示し
、本明細書中以下の実施例8中に記載した手順によって調製することができる。
スキームVII
【化114】
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試薬および条件:(a)C
6H
4CO
2H、EDCI、HOBt、DIPEA、DMF;
室温、18時間。
【化115】
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試薬および条件:(b)(i)H
2:Pd/C、MeOH;(ii)SO
3−ピリジン、
NH
4OH、室温、18時間。
【0160】
実施例8
{4−[2−(S)−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(2−フェニルアセチ
ルアミド)エチル]フェニル}スルファミン酸(21)
N−[1−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(4−ニトロフェニル)エチル
]−2−フェニル−アセトアミド(20)の調製:DMF(10mL)中の1−(S)−
(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(4−ニトロフェニル)エチルアミン臭化水
素酸塩、3、(0.393g、1.1mmol)、フェニル酢酸(0.190g、1.4
mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(0.094g、0.
70mmol)の溶液に、0°で、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカ
ルボジイミド(EDCI)(0.268g、1.4mmol)、次いでトリエチルアミン
(0.60mL、4.2mmol)を加える。混合物を0℃で30分間、その後、室温で
終夜撹拌する。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出する。合わせた有機相を1N
のHCl水溶液、5%のNaHCO
3水溶液、水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4
上で乾燥させる。溶媒を真空中で除去して、0.260g(60%の収率)の所望の生成
物が得られ、これはさらに精製せずに使用される。ESI+ MS 396 (M+1)
.
【0161】
{4−[2−(S)−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(2−フェニルアセ
チルアミド)エチル]−フェニル}スルファミン酸(21)の調製:N−[1−(4−エ
チルチアゾール−2−イル)−2−(4−ニトロフェニル)エチル]−2−フェニル−ア
セトアミド、20、(0.260g)をMeOH(4mL)に溶かす。触媒量のPd/C
(10%w/w)を加え、混合物を水素雰囲気下で18時間撹拌する。CELITE(商
標)床を通して反応混合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去する。粗生成物をピリジン(1
2mL)に溶かし、SO
3−ピリジン(0.177g、1.23)で処理する。反応を室
温で5分間撹拌し、その後、7%のNH
4OH溶液(10mL)を加える。その後、混合
物を濃縮し、生じる残渣を逆相クロマトグラフィーによって精製して、0.136gの所
望の生成物がアンモニウム塩として得られる。
1H NMR (CD
3OD)δ8.60
(d, 1H, J = 8.1Hz), 7.33−7.23 (m, 3H),
7.16−7.00 (m, 6H), 5.44−5.41 (m, 1H), 3.
28 (1H, ABX法のA, 溶媒により不明瞭), 3.03 (1H, ABX
法のB, J = 14.1, 9.6Hz), 2.80 (q, 2H, J =
10.5, 7.8Hz) 1.31 (t, 3H, J = 4.6Hz).
【0162】
以下は、本開示の第V分類の第1態様の非限定的な例である。
【化116】
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(S)−4−(2−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(2−(2−フルオロフ
ェニル)アセトアミド)エチル)フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD
)δ8.65(d, 1H, J = 8.4Hz), 7.29−7.15 (m,
1H), 7.13−7.03 (m, 7H), 5.46−5.42 (m, 1H
), 3.64−3.51 (m, 2H), 3.29 (1H), 3.04 (1
H, ABX法のB, J = 13.8, 9.6Hz), 2.81 (q, 2H
, J = 15.6, 3.9Hz), 1.31 (t, 3H, J = 7.8
Hz).
19F NMR (CD
3OD)δ43.64.
【化117】
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(S)−4−(2−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(2−(3−フルオロフ
ェニル)アセトアミド)エチル)フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD3OD
)δ8.74 (d, 1H, J = 8.4Hz), 7.32 (q, 1H,
J = 6.6, 14.2Hz), 7.10−6.91 (m, 8H), 5.4
7−5.40 (m, 1H), 3.53 (s, 2H), 3.30 (1H),
3.11 (1H, ABX法のB, J = 9.6, 14.1Hz), 2.8
0 (q, 2H, J = 6.6, 15.1Hz), 1.31 (t, 3H,
J = 7.8Hz). 19F NMR δ47.42.
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(2−(2,3−ジフルオロフェニル)アセトアミド)−2−(4−
エチルチアゾール−2−イル)エチル)−フェニルスルファミン酸:
1H NMR (C
D
3OD) δ7.16−7.05 (m, 5H), 6.85−6.80 (m,
1H), 5.48−5.43 (m, 1H), 3.63 (s, 2H), 3.
38 (1H, ABX法のA, 溶媒により不明瞭), 3.03 (1H), 2.
80 (q, H, J = 15.1, 7.8Hz), 1.31 (t, 3H,
J = 7.5Hz).
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(2−(3,4−ジフルオロフェニル)アセトアミド)−2−(4−
エチルチアゾール−2−イル)エチル)−フェニルスルファミン酸:
1H NMR (C
D
3OD) δ8.75 (d, 1H, J = 7.8Hz), 7.23−7.0
4 (m, 6H), 6.88−6.84 (m, 1H), 5.44−5.40
(m, 1H), 3.49 (s, 2H), 3.34 (1H), 3.02 (
1H, ABX法のB, J = 14.1, 9.9Hz), 2.80 (q, 2
H, J = 15.1, 7.8Hz), 1.31 (t, 1H, J = 7.
5Hz). 19F NMR (CD3OD)δ22.18, 19.45.
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(2−(2−クロロフェニル)アセトアミド)−2−(4−エチルチ
アゾール−2−イル)エチル)フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD3OD)
δ7.39−7.36 (m, 1H), 7.27−7.21 (m, 2H), 7
.15−6.98 (m, 5H), 5.49−5.44 (m, 1H), 3.6
9 (d, 2H, J = 11.7Hz), 3.32 (1H), 3.04 (
1H, ABX法のB, J = 9.3, 13.9Hz), 2.80 (q, 2
H, J = 7.8, 15.3Hz), 1.31 (t, 3H, J = 7.
5Hz).
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(2−(3−クロロフェニル)アセトアミド)−2−(4−エチルチ
アゾール−2−イル)エチル)フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD3OD)
δ7.33−7.23 (m, 3H), 7.13−7.03 (m, 5H), 5
.43 (q, 1H, J = 5.1, 9.6Hz), 3.51 (s, 2H
), 3.29 (1H), 3.03 (1H, ABX法のB, J = 9.9,
14.1Hz), 2.80 (q, 2H, J = 7.5, 15Hz), 1
.31 (t, 3H, J = 7.8Hz).
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(2−(3−ヒドロキシ
フェニル)アセトアミド)エチル)−フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3
OD)δ7.16−7.08 (m, 3H), 7.03−7.00 (m, 3H)
, 6.70−6.63 (m, 2H), 5.42−5.40 (m, 1H),
3.44 (s, 2H), 3.28 (1H, ABX法のA, 溶媒により不明瞭
), 3.04 (ABX法のB, J = 14.1, 9.6Hz), 2.89
(q, 2H, J = 15, 7.5Hz), 1.31 (t, 3H, J =
7.5Hz).
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(2−(2−メトキシフ
ェニル)アセトアミド)エチル)−フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3O
D)δ8.00 (d, 1H, J = 7.8Hz), 7.26 (t, 1H,
J = 13.2Hz), 7.09−7.05 (m, 4H), 7.01 (s
, 1H), 6.91−6.89 (m, 4H), 5.44−5.39 (m,
1H), 3.71 (s, 3H), 3.52 (s, 2H), 3.26 (1
H, ABX法のA, J = 14.1, 5.1Hz), 3.06 (1H AB
X法のB, J = 13.8, 8.4Hz), 2.80 (q, 2H, J =
8.1, 15.6Hz), 1.31 (t, 3H, J = 1.2Hz).
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−{2−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−[2−(3−メトキシフ
ェニル)アセトアミド]エチル}−フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3O
D) δ8.58 (d, 1H, J = 8.1Hz), 7.21 (t, 1H
, J = 7.8Hz), 7.12−7.02 (m, 4H), 6.81 (s
, 2H), 6.72 (d, 1H, J = 7.5Hz), 5.45−5.4
0 (m, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.50 (s, 2H), 3
.29 (1H, ABX法のA, 溶媒により不明瞭), 3.08 (1H, AB
X法のB, J = 11.8, 5.1Hz), 2.80 (q, 2H, J =
15, 7.5Hz), 1.31 (t, 3H, J = 6.6Hz).
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(3−フェニルプロパン
アミド)エチル)フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD) δ8.56
(d, 1H, J = 8.4Hz), 7.25−6.98 (m, 9H),
5.43−5.38 (m, 1H), 3.26 (1H, ABX法のA, J =
14.1, 9.6Hz), 2.97 (1H, ABX法のB, J = 10.
9, 3Hz), 2.58−2.76 (m, 3H), 2.98 (q, 2H,
J = 13.8, 7.2Hz), 1.29 (t, 3H, J = 8.7H
z).
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(2−(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアミド)−2−(4−
エチルチアゾール−2−イル)エチル)−フェニルスルファミン酸:
1H NMR (C
D
3OD) δ7.12−7.03 (m, 3H), 6.91 (d, 1H, J
= 8.4Hz), 6.82 (s, 1H), 6.66 (d, 1H, J
= 2.1Hz), 6.63 (d, 1H, J = 2.1Hz), 5.43
(m, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.4
5 (s, 2H), 3.30 (1H), 3.03 (1H, ABX法のB,
J = 14.1, 9.6Hz), 2.79 (q, 2H, J = 15.1,
7.2Hz), 1.30 (t, 3H, J = 7.2Hz).
【化127】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(2−(2,3−ジメトキシフェニル)アセトアミド)−2−(4−
エチルチアゾール−2−イル)エチル)−フェニルスルファミン酸:
1H NMR (C
D
3OD) δ8.31 (d, 1H, J = 7.8Hz), 7.11−6.9
3 (m, 6H), 6.68 (d, 1H, J = 7.5Hz), 5.49
−5.40 (m, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.70 (s, 3H
), 3.55 (s, 2H), 3.26 (1H, ABX法のA, 溶媒により
不明瞭), 3.06 (1H, ABX法のB, J = 13.9, 9Hz),
2.80 (q, 2H, J = 14.8, 7.5Hz), 1.31 (t,
3H, J = 7.5Hz).
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(3−(3−クロロフェニル)プロパンアミド)−2−(4−エチル
チアゾール−2−イル)エチル)フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD3OD
) δ7.27−7.18 (m, 3H), 7.13−7.08 (m, 5H),
7.01 (s, 1H), 5.39 (q, 1H, J = 5.1, 9.4
Hz), 3.28 (1H, ABX法のA, J = 5.1, 14.1Hz),
2.97 (1H, ABX法のB, J = 9.3, 13.9Hz), 2.8
8−2.76 (m, 4H), 2.50 (t, 2H, J = 8.1Hz),
1.31 (t, 3H, J = 7.8Hz).
【化129】
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(S)−4−(2−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(3−(2−メトキシフ
ェニル)プロパンアミド)エチル)−フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3
OD) δ7.18−7.08 (m, 6H), 6.92 (d, 1H, J =
8.1Hz), 6.82 (t, 1H, J = 7.5Hz), 5.40−5
.35 (m, 1H), 3.25 (1H, ABX法のA, J = 15, 5
.4Hz), 3.00 (1H, ABX法のB, J = 10.5, 7.5Hz
), 2.88−2.76 (m, 4H), 2.47 (q, 2H, J = 9
.1, 6Hz), 1.31 (t, 3H, J = 7.8Hz).
【化130】
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(S)−4−(2−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(3−(3−メトキシフ
ェニル)プロパンアミド)エチル)−フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3
OD) δ7.19−7.00 (m, 5H), 6.75 (s, 1H), 6.
73 (s, 1H), 5.42−5.37 (m, 1H), 3.76 (s,
3H), 3.25 (1H, ABX法のA, J = 13.9, 5.4Hz),
2.98 (1H, ABX法のB, J = 14.1, 9.6Hz), 2.8
6−2.75 (m, 4H), 2.48 (q, 2H, J = 11.7, 1
.2Hz), 1.31 (t, 3H, J = 7.5Hz).
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(3−(4−メトキシフ
ェニル)プロパンアミド)エチル)−フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3
OD) δ7.13−6.99 (m, 7H), 6.82−6.78 (m, 2H
), 5.42−5.37 (m, 1H), 3.33 (s, 3H), 3.23
(1H), 2.97 (1H, ABX法のB, J = 13.3, 11.4H
z), 2.83−2.75 (m, 4H), 2.49 (q, 2H, J =
6.4, 3.3Hz), 1.31 (t, 3H, J = 7.5Hz).
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−{2−[2−(4−エチル−2,3−ジオキソピペラジン−1−イル)アセ
トアミド]−2−(4−エチルチアゾール−2−イル)エチル}フェニルスルファミン酸
:
1H NMR (CD
3OD) δ7.14 (s, 4H), 7.08 (s,
1H), 5.56−5.51 (m, 1H), 4.34 (d, 2H, J =
16.2Hz), 3.88 (d, 2H, J = 17.6Hz), 3.59
−3.40 (m, 3H), 3.26−3.14 (m, 3H), 2.98 (
1H, ABX法のB, J = 10.8, 13.9Hz), 2.82 (q,
2H, J = 6.9, 15Hz), 1.32 (t, 3H, J = 7.5
Hz), 1.21 (t, 3H, J = 7.2Hz).
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−{2−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−[2−(5−メチル−2
,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)アセトアミド]エチ
ル}フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD):δ7.13 (s, 1
H), 7.06−7.02 (m, 4H), 6.95 (s, 1H), 5.4
2−5.31 (m, 1H), 4.43−4.18 (dd, 2H, J=16.
5 Hz), 3.24−2.93 (m, 2H), 2.74−2.69 (q,
2H, J=7.3 Hz), 1.79 (s, 3H), 1.22 (t, 3H
, J=7.5 Hz).
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−[2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−カルボキサミド)−2
−(4−エチルチアゾール−2−イル)エチル]−フェニルスルファミン酸:
1H NM
R (CD
3OD)δ7.25(d, 1H, J=6.5 Hz), 7.13 (s
, 1H), 7.06 (d, 2H, J=8.5 Hz), 7.00 (d,
2H, J=8.5 Hz), 6.91 (s, 1H), 6.76 (d, 1H
, J=8.1 Hz), 5.90 (s, 2H), 5.48 (q, 1H,
J=5.0 Hz), 3.32−3.24 (m, 2H), 3.07−2.99
(m, 2H), 2.72 (q, 2H, J=7.5 Hz), 1.21 (t
, 3H, J=7.5 Hz).
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−{2−[2−(2,5−ジメチルチアゾール−4−イル)アセトアミド]−
2−(4−エチルチアゾール−2−イル)エチル}−フェニルスルファミン酸:
1H N
MR (CD
3OD):δ7.10−7.01 (m, 5H), 5.41 (t,
1H, J=6.9 Hz), 3.58 (s, 2H), 3.33−3.01 (
m, 2H), 2.82−2.75 (q, 2H, J=7.5 Hz), 2.5
9 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 1.30 (t, 3H, J=
7.5 Hz).
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−{2−[2−(2,4−ジメチルチアゾール−5−イル)アセトアミド]−
2−(4−メチルチアゾール−2−イル)エチル}−フェニルスルファミン酸:
1H N
MR (CD
3OD):δ8.71−8.68 (d, 1H, J=8.4 Hz),
7.10−7.03 (m, 4H), 7.01 (s, 1H), 5.41 (
m, 1H), 3.59 (s, 1H), 3.34−2.96 (m, 2H),
2.59 (s, 3H), 2.40 (s, 3H), 2.23 (s, 3H
).
【化137】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−{2−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−[3−(チアゾール−2
−イル)プロパンアミド]エチル}フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3O
D):δ7.67−7.65 (m, 1H), 7.49−7.47 (m, 1H)
, 7.14−7.08 (m, 4H), 7.04 (s, 1H), 5.46−
5.41 (q, 1H, J=5.1 Hz), 3.58 (s, 2H), 3.
30−3.25 (m, 3H), 3.02−2.67 (m, 5H), 1.31
(t, 3H, J=7.5 Hz).
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−{2−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−[2−(4−エチルチア
ゾール−2−イル)アセトアミド]エチル}−フェニルスルファミン酸:
1H NMR
(CD
3OD):δ7.04−6.91 (m, 6H), 5.32 (t, 1H,
J=5.4 Hz), 3.25−2.90 (m, 2H), 2.71−2.61
(m, 4H) 1.93 (s, 2H) 1.22−1.14 (m, 6H).
【0163】
本開示の第V分類の第2態様は、以下の式を有する2−(チアゾール−4−イル)化合
物に関する:
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
1、R
4、およびLは、本明細書中において、本明細書中以下の表X中にさら
に定義されている]。
【表10-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表10-2】
[この文献は図面を表示できません]
【表10-3】
[この文献は図面を表示できません]
【表10-4】
[この文献は図面を表示できません]
【0164】
本開示の第I分類の第2態様中に包含される化合物は、スキームII中に概要を示し、
本明細書中以下の実施例9中に記載した手順によって調製することができる。
スキームVIII
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(a)CH
3CN;還流5時間。
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(b)(3−Cl)C
6H
4CO
2H、EDCI、HOBt、DIPE
A、DMF;室温、18時間。
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(c)(i)H
2:Pd/C、MeOH;(ii)SO
3−ピリジン、
NH
4OH、室温、18時間。
【0165】
実施例9
4−((S)−2−(2−(3−クロロフェニル)アセトアミド)−2−(2−(チオフ
ェン−2−イル)チアゾール−4−イル)エチル)フェニルスルファミン酸(24)
(S)−2−(4−ニトロフェニル)−1−[(チオフェン−2−イル)チアゾール−
4−イル]エタンアミン臭化水素酸塩(22)の調製:CH
3CN(200mL)中の(
S)−tert−ブチル4−ブロモ−1−(4−ニトロフェニル)−3−オキソブタン−
2−イルカルバメート、7、(7.74g、20mmol)、およびチオフェン−2−カ
ルボチオ酸アミド(3.14g、22mmol)の混合物を5時間還流する。反応混合物
を室温まで冷却させ、ジエチルエーテル(50mL)を溶液に加える。形成される沈殿物
を濾過によって収集する。固形物を真空下で乾燥させて、7.14g(87%の収率)の
所望の生成物が得られる。ESI+ MS 332 (M+1).
【0166】
2−(3−クロロフェニル)−N−{(S)−2−(4−ニトロフェニル)−1−[2
−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}アセトアミド(23)の調
製:DMF(5mL)中の2−(4−ニトロフェニル)−1−(2−チオフェン−2−イ
ルチアゾール−4−イル)エチルアミン、22、(0.41g、1mmol)、3−クロ
ロフェニル酢酸(0.170g、1mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
(HOBt)(0.070g、0.50mmol)の溶液に、0℃で、1−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDCI)(0.190g、1mmo
l)、次いでトリエチルアミン(0.42mL、3mmol)を加える。混合物を0℃で
30分間、その後、室温で終夜撹拌する。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出す
る。合わせた有機相を1NのHCl水溶液、5%のNaHCO
3水溶液、水およびブライ
ンで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させる。溶媒を真空中で除去して、0.290g(6
0%の収率)の所望の生成物が得られ、これはさらに精製せずに使用される。ESI−
MS 482 (M−1).
【0167】
{4−[2−(3−クロロフェニル)アセチルアミノ]−2−(2−チオフェン−2−
イルチアゾール−4−イル)エチル]フェニル}スルファミン酸(24)の調製:2−(
3−クロロフェニル)−N−{(S)−2−(4−ニトロフェニル)−1−[2−(チオ
フェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}アセトアミド、23、(0.290
g)をMeOH(4mL)に溶かす。触媒量のPd/C(10%w/w)を加え、混合物
を水素雰囲気下で18時間撹拌する。CELITE(商標)床を通して反応混合物を濾過
し、溶媒を減圧下で除去する。粗生成物をピリジン(12mL)に溶かし、SO
3−ピリ
ジン(0.157g)で処理する。反応を室温で5分間撹拌し、その後、7%のNH
4O
H溶液を加える。その後、混合物を濃縮し、生じる残渣を逆相クロマトグラフィーによっ
て精製して、0.078gの所望の生成物がアンモニウム塩として得られる。
1H NM
R (CD3OD)δ7.61 (d, 1H, J = 3.6Hz), 7.58
(d, 1H, J = 5.1Hz), 7.41−7.35 (m, 1H), 7
.28−7.22 (m, 2H), 7.18−6.98 (m, 6H), 5.3
3 (t, 1H, J = 6.6Hz), 3.70 (d, 2H, J = 3
.9Hz), 3.23 (1H, ABX法のA, J = 6.6, 13.8Hz
), 3.07 (1H, ABX法のB, J = 8.1, 13.5Hz).
【0168】
以下は、本開示の第V分類の第2態様中に包含される化合物の非限定的な例である。
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
4−((S)−2−(2−(3−メトキシフェニル)アセトアミド)−2−(2−(チオ
フェン−2−イル)チアゾール−4−イル)エチル)−フェニルスルファミン酸:
1H
NMR (CD3OD)δ8.35 (d, 1H, J = 8.7Hz), 7.6
1−7.57 (m, 2H), 7.25−7.20 (m, 2H), 7.25−
7.20 (m, 2H), 7.09 (s, 1H), 7.05 (d, 2H,
J = 4.2Hz), 6.99 (d, 1H, J = 8.7Hz), 6.
81 (d, 1H, J = 7.8Hz), 6.77 (s, 1H), 5.3
0−5.28 (m, 1H), 3.76 (s, 3H), 3.51 (s, 2
H), 3.20 (1H, ABX法のA, J = 6.3, 13.6Hz),
3.06 (1H, ABX法のB, J = 8.1, 13.8Hz).
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−(3−フェニルプロパンアミド)−2−[2−(チオフェン−2−イ
ル)チアゾール−4−イル]エチル}−フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD) δ8.30 (d, 1H, J = 9Hz), 7.61−7.56 (
m, 2H), 7.26−7.14 (m, 7H), 7.12 (d, 1H,
J = 1.5Hz), 7.09 (d, 1H, J = 2.1Hz), 6.8
9 (s, 1H), 5.28−5.26 (m, 1H), 3.18 (1H,
ABX法のA, J = 6.2, 13.8Hz), 2.96 (1H, ABX法
のB, J = 8.4, 13.6Hz).
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−(3−(3−クロロフェニル)プロパンアミド)−2−[2−(チオ
フェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}フェニルスルファミン酸:
1H N
MR (CD
3OD)δ7.61−7.56 (m, 3H), 7.22−7.14
(m, 6H), 7.08 (d, 1H), 7.00 (d, 1H, J =
77.5Hz), 6.870 (s, 1H), 5.25 (t, 1H, J =
7.8Hz), 3.18 (1H, ABX法のA, J = 6.6, 13.8
Hz), 2.97 (1H, ABX法のB, J = 7.8, 13.8Hz),
2.87 (t, 2H, J = 7.5Hz), 2.51 (t, 2H, J
= 7.2Hz).
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−[2−(3−フルオロフェニル)アセトアミド]−2−[2−(チオ
フェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}フェニルスルファミン酸:
1H N
MR (CD
3OD)δ7.61−7.57 (m, 2H), 7.32−7.28
(m, 1H), 7.19−7.16 (m, 2H), 7.08 (t, 1H,
J = 4.5Hz), 7.02−6.95 (m, 6H), 5.29 (t,
1H, J = 8.1Hz), 3.53 (s, 2H), 3.22 (1H,
ABX法のA, J = 6.6, 13.9Hz), 3.06 (1H, ABX
法のB, J = 8.4, 13.6Hz).
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−{2−[2−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ア
セトアミド]−2−(2−フェニルチアゾール−4−イル)エチル}フェニルスルファミ
ン酸:
1H NMR (CD
3OD):δ7.98−7.95 (m, 2H), 7.
48−7.46 (m, 3H), 7.23 (s, 1H), 7.09−7.05
(m, 4H), 5.33 (t, 1H, J=7.2 Hz), 3.33−3
.06 (m, 2H), 2.35 (s, 3H).
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−[2−(4−エチル−2,3−ジオキソピペラジン−1−イル)アセ
トアミド]−2−[2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}フェ
ニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD)δ7.62 (d, 1H, J
= 3Hz), 7.58 (d, 1H, J = 15.6Hz), 7.27 (
s, 1H), 7.16 (t, 1H, J = 1.5Hz), 5.42−5.
32 (m, 1H), 4.31 (d, 1H, J = 15.6Hz), 3.
91 (d, 1H, J = 15.9Hz), 3.60−3.50 (m, 4H
), 3.30−3.23 (m, 2H), 2.98 (1H, ABX法のB,
J = 9.9, 13.8Hz), 1.21 (t, 3H, J = 6.9Hz
).
【0169】
本開示の第V分類の第3態様は、以下の式を有する化合物に関する:
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、連結単位Lはフェニル単位を含み、前記連結基は式:
−C(O)[(CR
5aH)][(CR
6aH)]−
を有しており、R
1は水素であり、R
6aはフェニルであり、R
5aはフェニルまたは置
換フェニルであり、単位R
2、R
3、およびR
5aの非限定的な例は本明細書中以下の表
XI中にさらに例示されている]。
【表11】
[この文献は図面を表示できません]
【0170】
本開示の第V分類の第3態様中に包含される化合物は、スキームIX中に概要を示し、
本明細書中以下の実施例10中に記載した手順によって調製することができる。
スキームIX
【化150】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(a)ジフェニルプロピオン酸、EDCI、HOBt、TEA、DMF
;0℃から室温、18時間。
【化151】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(b)(i)H
2:Pd/C、MeOH;(ii)SO
3−ピリジン、
NH
4OH;室温、18時間。
【0171】
実施例10
(S)−4−(2−(2,3−ジフェニルプロパンアミド)−2−(4−エチルチアゾー
ル−2−イル)エチル)−フェニルスルファミン酸(26)
(S)−N−[1−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(4−ニトロフェニル
)エチル]−2,3−ジフェニルプロパンアミド(25)の調製:DMF(10mL)中
の1−(S)−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(4−ニトロフェニル)エチ
ルアミン臭化水素酸塩、3、(0.95g、2.65mmol)、ジフェニルプロピオン
酸(0.60g、2.65mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOB
t)(0.180g、1.33mmol)の溶液に、0°で、1−(3−ジメチルアミノ
プロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDCI)(0.502g、2.62mmol
)、次いでトリエチルアミン(1.1mL、7.95mmol)を加える。混合物を0℃
で30分間、その後、室温で終夜撹拌する。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出
する。合わせた有機相を1NのHCl水溶液、5%のNaHCO
3水溶液、水およびブラ
インで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させる。溶媒を真空中で除去して、0.903g(
70%の収率)の所望の生成物が得られ、これはさらに精製せずに使用される。
【0172】
(S)−4−(2−(2,3−ジフェニルプロパンアミド)−2−(4−エチルチアゾ
ール−2−イル)エチル)フェニルスルファミン酸(26)の調製:(S)−N−[1−
(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(4−ニトロフェニル)エチル]−2,3−
ジフェニルプロパンアミド、25、(0.903g)をMeOH(10mL)に溶かす。
触媒量のPd/C(10%w/w)を加え、混合物を水素雰囲気下で18時間撹拌する。
CELITE(商標)床を通して反応混合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去する。粗生成
物をピリジン(30mL)に溶かし、SO
3−ピリジン(0.621g)で処理する。反
応を室温で5分間撹拌し、その後、7%のNH
4OH溶液を加える。その後、混合物を濃
縮し、生じる残渣を逆相クロマトグラフィーによって精製して、0.415gの所望の生
成物がアンモニウム塩として得られる。
1H NMR (CD
3OD)δ8.59−8.
52 (m, 1H), 7.37−7.04 (m, 9H), 6.97−6.93
(m, 1H), 6.89−6.85 (m, 2H), 5.36−5.32 (
m, 1H), 3.91−3.83 (m, 1H), 3.29 (1H, ABX
法のA, 溶媒により不明瞭), 3.15 (1H, ABX法のB, J = 5.
4, 33.8Hz), 2.99−2.88 (m, 2H), 2.81−2.69
(m, 2H), 1.32−1.25 (m, 3H).
【0173】
第V分類の第3態様を含むZ単位の多くの前駆体は容易に入手可能ではない。以下の手
順は、本開示による様々なR
5a単位を提供するために使用することができる手順の一例
を例示する。スキームX中に概要を示し、実施例11中に記載した手順を使用して、当業
者は、必要以上の実験を行わずに本開示によって包含されるR
5a単位を得るための修正
を行うことができる。
スキームX
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(a)臭化ベンジル、LDA、THF;0℃から室温、18時間。
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(b)NaOH、THF/MeOH;室温、18時間。
【0174】
実施例11
2−(2−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパン酸(28)
メチル2−(2−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパノエート(27)の調製:
500mLの丸底フラスコにメチル2−(2−メトキシフェニル)アセテート(8.49
6g、47mmol、1当量)およびTHF(200mL)を入れる。均質な混合物を氷
浴中で0℃まで冷却する。リチウムジイソプロピルアミド(23.5mLのヘプタン/T
HF中の2.0M溶液)を加え、温度を3℃未満に維持する。反応をこの低温で45分間
撹拌する。臭化ベンジル(5.6mL、47mmol、1当量)を滴下する。反応を徐々
に室温まで温まらせ、18時間撹拌する。反応を1NのHClで反応停止させ、等しい量
のEtOAcで3回抽出する。合わせた抽出物をH
2Oおよびブラインで洗浄し、Na
2
SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。残渣をシリカ上で精製して、4.433g(3
5%)の所望の化合物が得られる。ESI+ MS 293 (M+Na).
【0175】
2−(2−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパン酸(28)の調製:メチル2−
(2−メトキシフェニル)−3−フェニルプロパノエート(4.433g、16mmol
、1当量)を100mLのTHFおよびメタノールの1:1(v:v)の混合物に溶かす
。水酸化ナトリウム(3.28g、82mmol、5当量)を加え、反応混合物を18時
間、室温で撹拌する。その後、反応をH
2O中に注ぎ、1NのHClを加えることによっ
てpHを2に調節する。白色沈殿物が形成され、これを濾過によって除去する。生じる溶
液を3部分のジエチルエーテルで抽出する。抽出物をプールし、H
2Oおよびブラインで
洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮する。生じる残渣をシリカ上
で精製して、2.107g(51%)の所望の化合物が得られる。ESI− MS 25
5 (M−1), 211 (M−CO
2H).
【0176】
中間体28は、スキームIX中に概要を示し、実施例10中に記載した手順に従って前
進させて、第V分類の第3態様による以下の化合物を生成することができる。
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−{2−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−[2−(2−メトキシフ
ェニル)−3−フェニルプロパンアミド]−エチル}フェニルスルファミン酸:
1H N
MR (CD
3OD)δ7.32−7.12 (m, 7H), 7.05−7.02
(m, 1H), 6.99−6.83 (m, 4H), 6.80−6.75 (m
, 2H), 5.35−5.31 (m, 1H), 4.31−4.26 (m,
1H), 3.75 (s, 3H), 3.20−2.90 (m, 4H), 2.
79−2.74 (m, 2H), 1.32−1.25 (m, 3H).
以下は、本開示の第I分類の第3態様による化合物のさらなる非限定的な例である。
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−{2−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−[2−(3−フルオロフ
ェニル)−3−フェニルプロパンアミド]−エチル}フェニルスルファミン酸:
1H N
MR (CD
3OD)δ7.33−6.87 (m, 14H), 5.39−5.25
(m, 1H), 3.95−3.83 (m, 1H), 3.31−3.10 (
m, 1H), 3.05−2.88 (m, 2H), 2.80−2.70 (m,
2H), 1.32−1.23 (m, 3H).
19F NMR δ47.59
.
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−{2−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−[2−(3−メトキシフ
ェニル)−3−フェニルプロパンアミド]−エチル}フェニルスルファミン酸:
1H N
MR (CD
3OD) δ7.85 (d, 1H, J = 8.4Hz), 7.2
5−7.20 (m, 1H), 7.11−7.02 (m, 4H), 7.01
(s, 1H), 6.90−6.79 (m, 2H), 5.45−5.40 (m
, 1H), 4.09 (s, 2H), 3.79 (s, 3H), 3.12−
3.08 (m, 2H), 1.10 (s, 9H).
【0177】
本開示の第V分類の第4態様は、以下の式を有する化合物に関する:
【化157】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、連結単位Lはフェニル単位を含み、前記連結基は式:
−C(O)[(CR
5aH)][(CR
6aH]−
を有しており、R
1は水素であり、R
6aはフェニルであり、R
5aは置換または非置換
のヘテロアリールであり、単位R
2、R
3、およびR
5aは本明細書中以下の表XII中
にさらに例示されている]。
【表12】
[この文献は図面を表示できません]
【0178】
本開示の第V分類の第4態様中に包含される化合物は、スキームV中に概要を示し、本
明細書中以下の実施例5中に記載した手順によって調製することができる。
スキームXI
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(a)2−ベンジル−3−エトキシ−3−オキソプロパン酸、EDCI
、HOBt、DIPEA、DMF;室温、18時間。
【化159】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(b)CH
3C(=NOH)NH
2、K
2CO
3、トルエン;還流、1
8時間
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(c)(i)塩化スズ(II)、EtOH;(ii)SO
3−ピリジン
、NH
4OH;室温、18時間。
【0179】
実施例12
4−{(S)−2−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−[2−(3−メチル−1
,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−フェニルプロパンアミド]エチル}フェ
ニルスルファミン酸(31)
エチル−2−ベンジル−3−[(S)−1−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2
−(4−ニトロフェニル)−エチルアミノ]−3−オキソプロパノエート(29)の調製
:DMF(10mL)中の1−(S)−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(4
−ニトロフェニル)エチルアミン臭化水素酸塩、3、(0.406g、1.13mmol
)、2−ベンジル−3−エトキシ−3−オキソプロパン酸(0.277g)および1−ヒ
ドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(0.191g、1.41mmol)の溶液に
、0°で、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDCI
)(0.240g、1.25mmol)、次いでジイソプロピルエチルアミン(DIPE
A)(0.306g)を加える。混合物を0℃で30分間、その後、室温で終夜撹拌する
。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出する。合わせた有機相を1NのHCl水溶
液、5%のNaHCO
3水溶液、水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ
る。溶媒を真空中で除去して、0.169g(31%の収率)の所望の生成物が得られ、
これはさらに精製せずに使用される。
【0180】
N−[(S)−1−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(4−ニトロフェニル
)エチル]−2−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−フェ
ニルプロパンアミド(30)の調製:エチル2−ベンジル−3−((S)−1−(4−エ
チルチアゾール−2−イル)−2−(4−ニトロフェニル)エチルアミノ)−3−オキソ
プロパノエートをトルエン(5mL)に溶かし、加熱還流する。炭酸カリウム(80mg
)およびアセトアミドオキシム(43mg)を加え、80mgの炭酸カリウムおよび43
mgのアセトアミドオキシムを用いて還流下で処理する。反応混合物を室温まで冷却させ
、濾過し、濃縮する。残渣をシリカ上のクロマトグラフィーに供して、0.221g(9
4%)の所望の生成物が黄色油状物として得られる。
【0181】
4−{(S)−2−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−[2−(3−メチル−
1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−フェニルプロパンアミド]エチル}フ
ェニルスルファミン酸(31)の調製:N−[(S)−1−(4−エチルチアゾール−2
−イル)−2−(4−ニトロフェニル)エチル]−2−(3−メチル−1,2,4−オキ
サジアゾール−5−イル)−3−フェニルプロパンアミド、30、(0.221g)およ
び塩化スズ(II)(507mg、2.2mmol)をEtOH(25mL)に溶かし、
溶液を4時間還流させる。溶媒を真空中で除去し、生じる残渣をEtOAcに溶かす。N
aHCO
3の飽和溶液(50mL)を加え、溶液を1時間撹拌する。有機層を分離し、水
層をEtOAcで2回抽出する。合わせた有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、
残渣まで濃縮し、これをピリジン(0.143g)に溶かし、SO
3−ピリジン(0.1
43g)で処理する。反応を室温で5分間撹拌し、その後、7%のNH
4OH溶液を加え
る。その後、混合物を濃縮し、生じる残渣を逆相クロマトグラフィーによって精製して、
0.071gの所望の生成物がアンモニウム塩として得られる。
1H NMR (CD
3
OD):δ7.29−6.87 (m, 10H), 5.38−5.30 (m, 1
H), 4.37−4.30 (m, 1H), 3.42−2.74 (m, 6H)
, 2.38−2.33 (m, 3H), 1.34−1.28 (m, 3H).
【0182】
本開示の第VI分類は、以下の式を有する2−(チアゾール−2−イル)化合物に関す
る:
【化161】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
1、R
2、R
3、およびLは、本明細書中において、本明細書中以下の表XI
II中にさらに定義されている]。
【表13】
[この文献は図面を表示できません]
【0183】
本開示の第VI分類中に包含される化合物は、スキームXII中に概要を示し、本明細
書中以下の実施例13中に記載した手順によって調製することができる。
スキームVI
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(a)3−ベンゾイルプロピオン酸、SOCl
2、N−メチルイミダゾ
ール、CH
2Cl
2;室温、18時間。
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(b)(i)H
2:Pd/C、MeOH;(ii)SO
3−ピリジン、
NH
4OH。
【0184】
実施例13
(S)−4−[2−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(4−オキソ−4−フェ
ニルブタンアミド)エチル]−フェニルスルファミン酸(33)
(S)−N−[1−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(4−ニトロフェニル
)エチル]−4−オキソ−4−フェニルブタンアミド(32)の調製:3−ベンゾイルプ
ロピオン酸(0.250g)をCH
2Cl
2(5mL)に溶かし、N−メチルイミダゾー
ル(0.333mL)を加え、生じる溶液を0℃まで冷却させ、その後、CH
2Cl
2(
2mL)中の塩化チオニル(0.320g)の溶液を滴下する。0.5時間後、(S)−
1−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(4−ニトロフェニル)エタンアミン、
3、(0.388g)を加える。反応を18時間、室温で撹拌し、その後、真空中で濃縮
する。生じる残渣をEtOAcに溶かし、1NのHClおよびブラインで洗浄する。溶液
をNa
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、粗物質をシリカ上で精製して、0.41
5gの所望の生成物が得られる。
【0185】
(S)−4−[2−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(4−オキソ−4−フ
ェニルブタンアミド)−エチル]フェニルスルファミン酸(33)の調製:(S)−N−
[1−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(4−ニトロフェニル)エチル]−2
,3−ジフェニルプロパンアミド、32、(0.2g)をMeOH(15mL)に溶かす
。触媒量のPd/C(10%w/w)を加え、混合物を水素雰囲気下で18時間撹拌する
。CELITE(商標)床を通して反応混合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去する。粗生
成物をピリジン(5mL)に溶かし、SO
3−ピリジン(0.153g)で処理する。反
応を室温で5分間撹拌し、その後、7%のNH
4OH溶液を加える。その後、混合物を濃
縮し、生じる残渣を逆相クロマトグラフィーによって精製して、0.090gの所望の生
成物がアンモニウム塩として得られる。
1H NMR (CD
3OD)δ8.68 (d
, 1H, J=8.2 Hz), 8.00 (d, 2H, J=7.2 Hz),
7.80−7.50 (m, 3H), 7.12 (s, 4H), 7.03 (
s, 1H), 5.46−5.38 (m, 1H), 3.29−3.14 (m,
2H), 3.06−2.99 (m, 2H), 2.83 (q, 2H, J=
7.5 Hz), 2.69−2.54 (m, 2H), 1.33 (t, 3H,
J=7.5 Hz).
【0186】
以下は、本開示の第II分類中に包含される化合物の非限定的な例である。以下の中間
体ニトロ化合物は、スキームIの中間体4を形成するための本明細書中に上述した条件下
で、適切な4−オキソ−カルボン酸を中間体3とカップリングさせることによって調製す
ることができる。
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(5−メチル−4−オキ
ソヘキサンアミド)エチル)フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD)
δ8.59 (d, 1H, J=8.1 Hz), 7.14 (s, 4H), 7
.08 (t, 1H, J=13.0 Hz), 5.40−5.35 (m, 1H
), 3.37−3.27 (m, 2H), 3.04−2.97 (m, 1H),
2.83−2.61 (m, 4H), 2.54−2.36 (m, 3H), 1
.33 (t, 2H, J=7.3 Hz), 1.09 (dd, 6H, J=7
.0, 2.2 Hz).
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−{2−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセ
ピン−7−イル)−4−オキソブタンアミド]−2−(4−エチルチアゾール−2−イル
)エチル}フェニルスルファミン酸:
1H NMR(CD
3OD) δ8.64 (d,
1H, J=8.4 Hz),7.60(d, 2H, J=10.6 Hz), 7
.11 (s, 3H), 7.04 (d, 2H, J=5.5 Hz), 5.4
2−5.40 (m, 1H), 4.30−4.22 (m, 4H), 3.20−
2.98 (m, 4H), 2.82 (q, 2H, J=7.3 Hz), 2.
67−2.48 (m, 2H), 2.23 (t, 2H, J=5.5 Hz),
1.32 (t, 3H, J=7.3 Hz).
【化166】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−{2−[4−(2,3−ジメトキシフェニル)−4−オキソブタンアミド]
−2−(4−エチルチアゾール−2−イル)エチル}フェニルスルファミン酸:
1H N
MR (CD
3OD), δ 8.64 (d, 1H, J=8.1 Hz), 7.
21−7.11 (m, 7H), 7.02 (s, 1H), 5.42 (q,
1H, J=5.9 Hz), 3.90 (d, 3H, J=3.3 Hz), 3
.88 (d, 3H, J=2.9 Hz), 3.22−3.18 (m, 2H)
, 3.07−2.99 (m, 2H), 2.83 (q, 2H, J=7.3
Hz), 2.63−2.54 (m, 2H), 1.34 (t, 3H, J=7
.69 Hz).
【化167】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−{2−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−[4−オキソ−4−(ピ
リジン−2−イル)ブタンアミド]エチル}−フェニルスルファミン酸:
1H NMR
(CD
3OD) δ8.60(d,1H,J=12.8 Hz), 7.91−7.81
(m, 2H), 7.48−7.44 (m, 1H), 7.22−7.21 (
m, 1H), 6.99 (s, 3H), 6.91 (s, 1H), 5.30
(q, 1H, J=5.4 Hz), 3.36 (q, 2H, J=7.0 H
z), 3.21−3.15 (m, 1H), 2.91−2.85 (m, 1H)
, 2.74 (q, 2H, J=10.4 Hz), 2.57−2.50 (m,
2H), 1.20 (t, 3H, J=7.5 Hz).
【化168】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−{2−[4−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−
イル)−4−オキソブタンアミド]−2−(4−エチルチアゾール−2−イル)エチル}
フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD) δ 7.52−7.47 (
m,2 H), 7.11(s,4H), 7.03 (s,1H), 6.95 (
d, 1H, J=8.4 Hz), 5.41 (q, 1H, J=3.7 Hz)
, 4.31 (d, 4H, J=5.5 Hz), 3.24−3.12 (m,
2H), 3.06−2.98 (m, 2H), 2.83 (q, 2H, J=7
.3 Hz), 2.62−2.53 (m, 2H), 1.33 (t, 3H,
J=7.3 Hz).
【化169】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−[2−(4−tert−ブトキシ−4−オキソブタンアミド)−2−(4−
エチルチアゾール−2−イル)エチル]フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD), δ 7.10 (s 4H), 7.02 (s, 1H), 5.41
(q, 1H, J=3.7 Hz), 3.30−3.25 (m, 1H), 3.
06−2.99 (m, 1H), 2.83 (q, 2H, J=7.3 Hz),
2.52−2.40 (m, 4H), 1.42 (s, 9H), 1.33 (
t, 3H, J=7.3 Hz).
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−[2−(4−エトキシ−4−オキソブタンアミド)−2−(4−エチルチア
ゾール−2−イル)エチル]フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD)
δ 8.62 (d, 1H, J=8.4 Hz), 7.10 (s, 4H),
7.02 (s, 1H), 5.40 (q,1H, 3.7 Hz), 4.15
(q, 2H, J=7.3 Hz), 3.28−3.25 (m, 1H), 3.
05−3.02 (m, 1H), 2.82 (q, 2H, J=4.4 Hz),
2.54−2.48 (m, 2H), 1.33 (t, 3H, J=7.3 H
z), 1.24 (t, 3H, J=7.0 Hz).
【0187】
本開示の第VII分類の第1態様は、以下の式を有する2−(チアゾール−2−イル)
化合物に関する:
【化171】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
1、R
2、およびR
3の非限定的な例は、本明細書中以下の表XIV中にさら
に記載されている]。
【表14】
[この文献は図面を表示できません]
【0188】
本開示の第VII分類中に包含される化合物は、スキームXIII中に概要を示し、本
明細書中以下の実施例14中に記載した手順によって調製することができる。
スキームXIII
【化172】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(a)イソシアン酸ベンジル、TEA、CH
2Cl
2;室温、18時間
。
【化173】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(b)(i)H
2:Pd/C、MeOH;(ii)SO
3−ピリジン、
NH
4OH。
【0189】
実施例14
(S)−4−(2−(3−ベンジルウレイド)−2−(4−エチルチアゾール−2−イル
)エチル)フェニルスルファミン酸(35)
(S)−1−ベンジル−3−[1−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(4−
ニトロフェニル)エチル]尿素(34)の調製:10mLのCH
2Cl
2中の1−(S)
−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(4−ニトロフェニル)エチルアミン臭化
水素酸塩、3、(0.360g、1mmol)およびEt
3N(0.42mL、3mmo
l)の溶液に、イソシアン酸ベンジル(0.12mL、1mmol)を加える。混合物を
室温で18時間撹拌する。生成物を濾過によって単離して、0.425g(96%の収率
)の所望の生成物が得られ、これはさらに精製せずに使用される。
【0190】
(S)−4−(2−(3−ベンジルウレイド)−2−(4−エチルチアゾール−2−イ
ル)エチル)フェニルスルファミン酸(35)の調製:(S)−1−ベンジル−3−[1
−(4−エチルチアゾール−2−イル)−2−(4−ニトロフェニル)エチル]尿素、3
4、(0.425g)をMeOH(4mL)に溶かす。触媒量のPd/C(10%w/w
)を加え、混合物を水素雰囲気下で18時間撹拌する。CELITE(商標)床を通して
反応混合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去する。粗生成物をピリジン(12mL)に溶か
し、SO
3−ピリジン(0.220g)で処理する。反応を室温で5分間撹拌し、その後
、7%のNH
4OH溶液を加える。その後、混合物を濃縮し、生じる残渣を逆相クロマト
グラフィーによって精製して、0.143gの所望の生成物がアンモニウム塩として得ら
れる。
1H NMR (CD
3OD) δ7.32−7.30 (m, 2H), 7.
29−7.22 (m, 3H), 7.12−7.00 (m, 4H), 6.84
(d, 1H, J = 8.1Hz), 5.35−5.30 (m, 1H),
4.29 (s, 2H), 3.27−3.22 (m, 3H), 3.11−3.
04 (m, 3H), 2.81 (q, 2H, J = 10.2, 13.0H
z), 1.31 (t, 3H, J = 4.5Hz).
【0191】
以下は、本開示の第VII分類の第1態様中に包含される化合物の非限定的な例である
。
4−{[(S)−2−(2−エチルチアゾール−4−イル)−2−(3−(R)−メトキ
シ−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)ウレイド]エチル}フェニルスルフ
ァミン酸:
1H NMR (CD
3OD) δ7.36−7.26 (m, 3H),
7.19−7.17 (m, 2H), 7.10−7.06 (m, 2H), 6.
90−6.86 (m, 3H), 5.12−5.06 (m, 1H), 4.60
−4.55 (m, 1H), 3.69 (s, 3H) 3.12−2.98 (m
, 6H), 1.44−1.38 (m, 3H).
【0192】
本開示の第VII分類の第2態様は、以下の式を有する2−(チアゾール−4−イル)
化合物に関する:
【化174】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
1およびR
4の非限定的な例は、本明細書中以下の表XV中にさらに記載され
ている]。
【表15-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表15-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0193】
本開示の第VII分類の第2態様中に包含される化合物は、スキームXIV中に概要を
示し、本明細書中以下の実施例14中に記載した手順によって調製することができる。
スキームXIV
【化175】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件(a)イソシアン酸ベンジル、TEA、CH
2Cl
2;室温、18時間。
【化176】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(b)(i)H
2:Pd/C、MeOH;(ii)SO
3−ピリジン、
NH
4OH。
【0194】
実施例15
4−{(S)−2−(3−ベンジルウレイド)−2−[2−(チオフェン−2−イル)チ
アゾール−4−イル]エチル}−フェニルスルファミン酸(37)
1−ベンジル−3−{(S)−2−(4−ニトロフェニル)−1−[2−(チオフェン
−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}尿素(36)の調製:10mLのDCM中
の(S)−2−(4−ニトロフェニル)−1−[(2−チオフェン−2−イル)チアゾー
ル−4−イル)エタン−アミン臭化水素酸塩、8、およびEt
3N(0.42mL、3m
mol)の溶液に、イソシアン酸ベンジル(0.12mL、1mmol)を加える。混合
物を室温で18時間撹拌する。生成物を濾過によって単離して、0.445g(96%の
収率)の所望の生成物が得られ、これはさらに精製せずに使用される。
【0195】
4−{(S)−2−(3−ベンジルウレイド)−2−[2−(チオフェン−2−イル)
チアゾール−4−イル]エチル}フェニルスルファミン酸(37)の調製:1−ベンジル
−3−{(S)−2−(4−ニトロフェニル)−1−[2−(チオフェン−2−イル)チ
アゾール−4−イル]エチル}尿素、36、(0.445g)をMeOH(10mL)お
よびCH
2Cl
2(5mL)に溶かす。触媒量のPd/C(10%w/w)を加え、混合
物を水素雰囲気下で18時間撹拌する。CELITE(商標)床を通して反応混合物を濾
過し、溶媒を減圧下で除去する。粗生成物をピリジン(12mL)に溶かし、SO
3−ピ
リジン(0.110g)で処理する。反応を室温で5分間撹拌し、その後、7%のNH
4
OH溶液を加える。その後、混合物を濃縮し、生じる残渣を逆相クロマトグラフィーによ
って精製して、0.080gの所望の生成物がアンモニウム塩として得られる。
1H N
MR (CD
3OD) δ7.61 (d, 1H, J = 2.1Hz), 7.5
8 (d, 1H, J = 6Hz), 7.33−7.22 (m, 4H), 7
.17−7.14 (m, 1H), 7.09−6.94 (m, 6H), 5.1
6 (t, 1H, J = 6.6Hz), 4.13 (s, 2H), 3.14
−3.11 (m, 2H).
【0196】
本開示の第VIII分類は、以下の式を有する2−(チアゾール−4−イル)化合物に
関する:
【化177】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
1、R
4、およびLは、本明細書中において、本明細書中以下の表XVI中に
さらに定義されている]。
【表16-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表16-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0197】
本開示の第VIII分類中に包含される化合物は、スキームXV中に概要を示し、本明
細書中以下の実施例16中に記載した手順によって調製することができる。
スキームXV
【化178】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(a)C
6H
4CH
2SO
2Cl、DIPEA、CH
2Cl
2;0℃か
ら室温、14時間。
【化179】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(b)(i)H
2:Pd/C、MeOH;(ii)SO
3−ピリジン、
NH
4OH。
【0198】
実施例16
{4−(S)−[2−フェニルメタンスルホニルアミノ−2−(2−チオフェン−2−イ
ルチアゾール−4−イル)エチル]フェニル}スルファミン酸(39)
(S)−N−{2−(4−ニトロフェニル)−1−[2−(チオフェン−2−イル)チ
アゾール−4−イル]エチル}−1−フェニルメタンスルホンアミド(38)の調製:C
H
2Cl
2(6mL)中の2−(4−ニトロフェニル)−1−(2−チオフェン−2−イ
ルチアゾール−4−イル)エチルアミン、8、(330mg、0.80mmol)の懸濁
液に、0℃で、ジイソプロピルエチルアミン(0.30mL、1.6mmol)、次いで
塩化フェニルメタンスルホニル(167mg、0.88mmol)を加える。反応混合物
を室温で14時間撹拌する。混合物をCH
2Cl
2で希釈し、飽和NaHCO
3、次いで
ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空中で濃縮する。生じる残渣
をシリカ上で精製して、210mgの所望の生成物が白色固形物として得られる。
【0199】
{4−(S)−[2−フェニルメタンスルホニルアミノ−2−(2−チオフェン−2−
イルチアゾール−4−イル)エチル]フェニル}スルファミン酸(39)の調製:(S)
−N−{2−(4−ニトロフェニル)−1−[2−(チオフェン−2−イル)チアゾール
−4−イル]エチル}−1−フェニルメタンスルホンアミド、38、(210mg、0.
41mmol)をMeOH(4mL)に溶かす。触媒量のPd/C(10%w/w)を加
え、混合物を水素雰囲気下で18時間撹拌する。CELITE(商標)床を通して反応混
合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去する。粗生成物をピリジン(12mL)に溶かし、S
O
3−ピリジン(197mg、1.23mmol)で処理する。反応を室温で5分間撹拌
し、その後、7%のNH
4OH溶液を加える。その後、混合物を濃縮し、生じる残渣を逆
相クロマトグラフィーによって精製して、0.060gの所望の生成物がアンモニウム塩
として得られる。
1H NMR (300 MHz, MeOH−d
4) δ7.52‐
7.63(m,6.70−7.28 (m,11H),4.75(t,J=7.2Hz,
1H),3.95−4.09 (m, 2H), 3.20 (dd, J = 13.
5 and 7.8 Hz, 1H), 3.05 (dd, J = 13.5 an
d 7.8 Hz, 1H).1013770
【0200】
スキームXVのステップ(a)で使用するための中間体は、本明細書中以下のスキーム
XVI中に概要を示し、実施例17中に記載した手順によって好都合に調製することがで
きる。
スキームXVI
【化180】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(a)Na
2SO
3、H
2O;マイクロ波@200℃、20分間。
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(b)PCl
5、POCl
3;50℃、3時間。
【0201】
実施例17
塩化(2−メチルチアゾール−4−イル)メタンスルホニル(41)
(2−メチルチアゾール−4−イル)メタンスルホン酸ナトリウム(40)の調製:4
−クロロメチル−2−メチルチアゾール(250mg、1.69mmol)をH
2O(2
mL)に溶かし、亜硫酸ナトリウム(224mg、1.78mmol)で処理する。反応
混合物を20分間、200℃のマイクロ波照射に供する。反応混合物をH
2O(30mL
)で希釈し、EtOAc(2×25mL)で洗浄する。水層を濃縮して、0.368gの
所望の生成物が黄色固形物として得られる。LC/MS ESI+ 194 (M+1,
free acid).
【0202】
塩化(2−メチルチアゾール−4−イル)メタンスルホニル(41)の調製:(2−メ
チルチアゾール−4−イル)メタンスルホン酸ナトリウム、40、(357mg、1.6
6mmol)をオキシ塩化リン(6mL)に溶かし、五塩化リン(345mg、1.66
mmol)で処理する。反応混合物を50℃で3時間撹拌し、その後、室温まで冷まさせ
る。溶媒を減圧下で除去し、残渣をCH
2Cl
2(40mL)に再度溶かし、飽和NaH
CO
3およびブラインで洗浄する。有機層をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真
空中で除去して、0.095gの所望の生成物が茶色油状物として得られる。LC/MS
ESI+ 211 (M+1)。中間体は、さらに精製する必要なしに、スキームIX
に従って前進させるために十分な純度で得られる。
【化182】
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4−{(S)−2−[(2−メチルチアゾール−4−イル)メチルスルホンアミド]−2
−[2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}フェニルスルファミ
ン酸:
1H NMR (CD
3OD):δ7.71−7.66 (m, 2H), 7.
27−7.10 (m, 7H), 4.87 (t, 1H, J=7.3 Hz),
4.30−4.16 (q, 2H, J=13.2 Hz), 3.34−3.13
(m, 2H), 2.70 (s, 3H).
以下は、本開示の第VIII分類中に包含される化合物の非限定的な例である。
【化183】
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{4−(S)−[2−フェニルメタンスルホニルアミノ−2−(2−エチルチアゾール−
4−イル)エチル]フェニル}−スルファミン酸:
1H NMR (300 MHz,
MeOH−d
4) δ7.27−7.32(m,3H), 7.16−7.20 (m,
3H), 7.05−7.6 (m, 2H), 6.96 (d, J = 8.4
Hz, 2H), 4.70 (t, J = 9.0 Hz, 1H), 3.91
−4.02 (m, 2H), 2.95−3.18 (m, 4H), 1.41 (
t, J = 7.5 Hz, 3H).
【化184】
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{4−(S)−[2−(3−メトキシフェニル)メタンスルホニルアミノ−2−(2−エ
チルチアゾール−4−イル)エチル]フェニル}スルファミン酸:
1H NMR (30
0 MHz, MeOH−d
4) δ7.20(t, J = 8.1 Hz. 1H)
, 6.94−7.08 (m,4H), 6.88−6.94 (m, 3H), 6
.75−6.80 (m, 1H), 4.67 (t, J = 7.2 Hz, 1
H), 3.90−4.0 (m, 2H), 3.76 (s, 3H), 2.95
−3.16 (m, 4H), 1.40 (t, J = 7.5 HZ, 3H).
【化185】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−{[1−(2−エチルチアゾール−4−イル)−2−(4−スルホアミノフ
ェニル)エチルスルファモイル]メチル}−安息香酸メチルエステル:
1H NMR (
300 MHz, MeOH−d
4) δ7.90‐7.94‐(m,2H), 7.2
7−7.30 (m, 2H), 7.06−7.11 (m, 3H), 6.97−
7.00 (m, 2H), 4.71 (t, J = 7.2 Hz, 1H),
3.95−4.08 (4, 2H), 3.92 (s, 3H), 2.80−3.
50 (m, 4H), 1.38−1.44 (m, 3H).
【化186】
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(S)−4−[2−(2−エチルチアゾール−4−イル)−2−(1−メチル−1H−イ
ミダゾール−4−スルホンアミド)エチル]−フェニルスルファミン酸:
1H NMR
(300 MHz, MeOH−d
4) δ7.54 (s, 1H, 7.20 (s
, 1H), 7.09 (s, 1H), 6.92−7.00 (m, 4H),
4.62 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 3.70 (s, 3H),
2.98−3.14 (m,3H), 2.79 (dd, J = 9.3 and
15.0 Hz, 1H), 1.39 (q, J = 7.5 Hz, 3H).
【化187】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−[2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]−2−(2
,2,2−トリフルオロエチルスルホンアミド)−エチル}フェニルスルファミン酸:
1
H NMR (CD
3OD):δ7.62−7.56 (m, 2H), 7.22 (
s, 1H), 7.16−7.06 (m, 5H), 4.84 (t, 1H,
J=7.6 Hz), 3.71−3.62 (m, 2H), 3.32−3.03
(m, 2H).
【化188】
[この文献は図面を表示できません]
{4−(S)−[2−(フェニルエタンスルホニルアミノ)−2−(2−チオフェン−2
−イルチアゾール−4−イル)エチル]−フェニル}スルファミン酸:
1H NMR (
300 MHz, MeOH−d
4) δ7.56−7.62 (m, 2H), 7.
04−7.19 (m, 9H), 6.94−6.97 (m, 2H), 4.78
(t, J = 7.8 Hz, 1H), 3.22−3.30 (m, 2H))
, 3.11 (dd, J = 13.5 and 7.8 Hz, 1H), 2.
78−2.87 (m, 4H).
【化189】
[この文献は図面を表示できません]
{4−(S)−[3−(フェニルプロパンスルホニルアミノ)−2−(2−チオフェン−
2−イルチアゾール−4−イル)エチル]−フェニル}スルファミン酸:
1H NMR
(300 MHz, MeOH−d
4) δ7.56−7.62 (m, 2H), 6
.99−7.17 (m, 10H), 4.72 (t, J = 7.8 Hz,
1H), 3.21 (dd, J = 13.5 and 7.2 Hz, 1H),
3.02 (dd, J = 13.5 and 7.2 Hz, 1H), 2.3
9−2.64 (m, 4H), 1.65−1.86 (m, 2H).
【化190】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−{4−[2−(4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサ
ジン−7−スルホニルアミノ)−2−(2−チオフェン−2−イルチアゾール−4−イル
)エチル]フェニル}スルファミン酸:
1H NMR (300 MHz, MeOH−
d
4) δ7.53 (d, J = 5.1 Hz, 1H) 7.48 (d, J
=5.1 Hz, 1H), 7.13−7.10 (m, 1H), 7.04 (d
, J = 8.4 Hz, 2H), 6.93−6.88 (m, 3H), 6.
75 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.54 (d, J= 8.1
Hz, 1H), 4.61 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 4.20−
4.08 (m, 2H), 3.14−3.00 (m, 4H), 2.69 (s
, 3H).
【化191】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−(4−アセトアミドフェニルスルホンアミド)−2−[2−(チオフ
ェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}フェニルスルファミン酸:
1H NM
R (CD
3OD):δ7.67−7.52 (m, 6H), 7.24−7.23
(m, 1H), 7.12−7.09 (m, 3H), 7.02−6.99 (m
, 2H), 4.70 (t, 1H, J=7.3 Hz), 3.25−3.00
(m, 2H), 2.24 (s, 3H).
【0203】
本開示の第IX分類の第1態様は、以下の式を有する化合物に関する:
【化192】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、本明細書中以下の表XVII中にさらに記載されているように、R
1は置換また
は非置換のヘテロアリールであり、R
4はC
1〜C
6の直鎖状、分枝状、または環状のア
ルキルである]。
【表17-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表17-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0204】
R
1に置換または非置換のチアゾール−4−イル単位を含む、第IX分類の第1態様に
よる化合物は、スキームXVII中に概要を示し、本明細書中以下の実施例18中に記載
した手順によって調製することができる。
スキームXVII
【化193】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(a)CH
3CN、還流;24時間。
【化194】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(b)チオホスゲン、CaCO
3、CCl
4、H
2O;室温、18時間
。
【化195】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(c)KOtBu、THF;室温、2時間。
【化196】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(d)(i)SnCl
2−2H
2O、EtOH;還流、4時間(ii)
SO
3−ピリジン、NH
4OH。
【0205】
実施例18
(S)−4−(2−(2−フェニルチアゾール−4−イル)2−(4−(メトキシカルボ
ニル)チアゾール−5−イルアミノ)エチル)フェニルスルファミン酸(45)
(S)−2−(4−ニトロフェニル)−1−(2−フェニルチアゾール−4−イル)エ
タンアミン臭化水素酸塩(42)の調製:CH
3CN(5mL)中の(S)−tert−
ブチル4−ブロモ−1−(4−ニトロフェニル)−3−オキソブタン−2−イルカルバメ
ート、7、(1.62g、4.17mmol)およびチオベンズアミド(0.63g、4
.60mmol)の混合物を24時間還流する。反応混合物を室温まで冷却させ、ジエチ
ルエーテル(50mL)を溶液に加える。形成される沈殿物を濾過によって収集する。固
形物を真空下で乾燥させて、1.2g(67%の収率)の所望の生成物が得られる。LC
/MS ESI+ 326 (M+1).
【0206】
(S)−4−(1−イソチオシアナト−2−(4−ニトロフェニル)エチル)−2−フ
ェニルチアゾール(43)の調製:H
2O(2mL)中の(S)−2−(4−ニトロフェ
ニル)−1−(2−フェニルチアゾール−4−イル)エタンアミン臭化水素酸塩、42、
(726mg、1.79mmol)およびCaCO
3(716mg、7.16mmol)
の溶液に、CCl
4(3mL)、次いでチオホスゲン(0.28mL、3.58mmol
)を加える。反応を室温で18時間撹拌し、その後、CH
2Cl
2および水で希釈する。
層を分離し、水層をCH
2Cl
2で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥
させ(Na
2SO
4)、残渣まで真空中で濃縮し、これをシリカ上で精製して(CH
2C
l
2)、480mg(73%)の所望の生成物が黄色固形物として得られる。
1H NM
R (300 MHz, CDCl
3) δ8.15 (d, J = 8.7 Hz,
2H), 7.97−7.99 (m, 2H), 7.43−7.50 (m, 3
H), 7.34 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.15 (d, J
= 0.9 Hz, 1H), 5.40−5.95 (m, 1H), 3.60
(dd, J = 13.8 and 6.0 Hz, 1H), 3.46 (dd,
J = 13.8 and 6.0 Hz).
【0207】
(S)−メチル5−[1−(2−フェニルチアゾール−4−イル)−2−(4−ニトロ
フェニル)−エチルアミノ]チアゾール−4−カルボキシレート(44)の調製:THF
(3mL)中のカリウムtert−ブトキシド(89mg、0.75mmol)の懸濁液
に、イソシアノ酢酸メチル(65μL、0.68mmol)、次いで(S)−2−フェニ
ル−4−(1−イソチオシアナト−2−(4−ニトロフェニル)エチル)チアゾール、4
3、(250mg、0.68mmol)を加える。反応混合物を室温で2時間撹拌し、そ
の後、飽和NaHCO
3中に注ぐ。混合物をEtOAc(3×25mL)で抽出し、合わ
せた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空中で濃縮する。粗残渣
をシリカ上で精製して、323mg(約100%の収率)の所望の生成物が淡黄色固形物
として得られる。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ8.09−8.
13 (m, 2H), 7.95−7 98 (m, 3H), 7.84 (d,
J = 1.2 Hz, 1H), 7.44−7.50 (m, 3H), 7.28
−7.31(m, 2H), 7.96 (d, J = 0.6 Hz, 1H),
4.71−4.78(m, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.60 (dd
, J = 13.8 and 6.0 Hz, 1H), 3.45 (dd, J
= 13.8 and 6.0 Hz, 1H).
【0208】
(S)−4−(2−(2−フェニルチアゾール−4−イル)2−(4−(メトキシカル
ボニル)チアゾール−5−イルアミノ)エチル)フェニルスルファミン酸(45)の調製
:(S)−メチル5−[1−(2−フェニルチアゾール−4−イル)−2−(4−ニトロ
フェニル)−エチルアミノ]チアゾール−4−カルボキシレート、44、(323mg、
0.68mmol)および塩化スズ(II)(612mg、2.72mmol)をEtO
Hに溶かし、溶液を還流させる。溶媒を真空中で除去し、生じる残渣をEtOAcに溶か
す。NaHCO
3の飽和溶液を加え、溶液を1時間撹拌する。有機層を分離し、水層をE
tOAcで2回抽出する。合わせた有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、残渣ま
で濃縮し、これをピリジン(10mL)に溶かし、SO
3−ピリジン(130mg、0.
82mmol)で処理する。反応を室温で5分間撹拌し、その後、7%のNH
4OH溶液
を加える。その後、混合物を濃縮し、生じる残渣を逆相クロマトグラフィーによって精製
して、0.071gの所望の生成物がアンモニウム塩として得られる。
1H NMR (
300 MHz, MeOH−d
4) δ7.97−8.00 (m, 3H), 7.
48−7.52 (m, 3H), 7.22 (s, 1H), 7.03−7.13
(m, 4H), 4.74 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 3.88
(s, 3H), 3.28−3.42 (m, 2H).
【0209】
R
1に置換または非置換のチアゾール−2−イル単位を含む、第IX分類の第1態様に
よる化合物は、スキームXVIII中に概要を示し、本明細書中以下の実施例19中に記
載した手順によって調製することができる。中間体46は、スキームIIおよび実施例2
に従って、シクロプロパン−カルボチオ酸アミドでチオフェン−2−カルボチオ酸アミド
を代用することによって調製することができる。
スキームXVIII
【化197】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(a)チオホスゲン、CaCO
3、CCl
4/H
2O;室温、18時間
。
【化198】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(b)CH
3CN、還流、24時間。
【化199】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(c)(i)H
2:Pd/C、MeOH;(ii)SO
3−ピリジン、
NH
4OH。
【0210】
実施例19
4−{(S)−2−(2−シクロプロピルチアゾール−4−イル)−2−[4−(3−メ
トキシフェニル)チアゾール−2−イルアミノ]エチル}フェニルスルファミン酸(50
)
(S)−1−(1−(2−シクロプロピルチアゾール−4−イル)−2−(4−ニトロ
フェニル)エチル)−チオ尿素(47)の調製:CCl
4/水(25mL/20mL)中
の(S)−1−(2−シクロプロピルチアゾール−4−イル)−2−(4−ニトロフェニ
ル)エタン−アミン臭化水素酸臭化水素酸塩、32、(4.04g、10.9mmol)
およびCaCO
3(2.18g、21.8mmol)の溶液に、チオホスゲン(1.5g
、13.1mmol)を加える。反応を室温で18時間撹拌し、その後、CH
2Cl
2お
よび水で希釈する。層を分離し、水層をCH
2Cl
2で抽出する。合わせた有機層をブラ
インで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、残渣まで真空中で濃縮し、続いてこれをアン
モニア(1,4−ジオキサン中に0.5M、120mL)で処理し、これをシリカ上で精
製して、2.90gの所望の生成物が赤茶色固形物として得られる。LC/MS ESI
− 347 (M−1).
【0211】
(S)−4−(3−メトキシベンジル)−N−(1−(2−シクロプロピルチアゾール
−4−イル)−2−(4−ニトロフェニル)エチル)チアゾール−2−アミン(48)の
調製:(S)−1−(1−(2−シクロプロピルチアゾール−4−イル)−2−(4−ニ
トロフェニル)エチル)−チオ尿素、47、(350mg、1.00mmol)および2
−ブロモ−3’−メトキシ−アセトフェノン(253mg、1.10mmol)を3mL
のCH
3CN中で合わせ、24時間加熱還流する。混合物を濃縮し、クロマトグラフィー
に供して、0.172gの生成物が黄色固形物として得られる。LC/MS ESI+
479 (M+1).
【0212】
4−{(S)−2−(2−シクロプロピルチアゾール−4−イル)−2−[4−(3−
メトキシフェニル)−チアゾール−2−イルアミノ]エチル}フェニルスルファミン酸(
49)の調製:(S)−4−(3−メトキシベンジル)−N−(1−(2−シクロプロピ
ルチアゾール−4−イル)−2−(4−ニトロフェニル)エチル)チアゾール−2−アミ
ン、48、(0.172g)を10mLのMeOHに溶かす。触媒量のPd/C(10%
w/w)を加え、混合物を水素雰囲気下で18時間撹拌する。CELITE(商標)床を
通して反応混合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去する。粗生成物を5mLのピリジンに溶
かし、SO
3−ピリジン(114mg)で処理する。反応を室温で5分間撹拌し、その後
、10mLの7%のNH
4OH溶液を加える。その後、混合物を濃縮し、生じる残渣を逆
相クロマトグラフィーによって精製して、0.033gの所望の生成物がアンモニウム塩
として得られる。
1H NMR (CD
3OD):δ7.33−7.22 (m, 3H
), 7.10−6.97 (m, 5H), 6.84−6.80 (m, 2H),
5.02 (t, 1H, J=6.9 Hz), 3.82 (s, 1H), 3
.18 (q, 2H, J=7.1 Hz), 2.36 (q, 1H, J=4.
6 Hz), 1.20−1.13 (m, 2H), 1.04−0.99 (m,
2H).
【0213】
以下は、第IX分類の第1態様中に包含される化合物の非限定的な例である。
【化200】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(4−((2−メトキシ−2−オキソエチル)カルバモイル)チアゾ
ール−5−イルアミノ)2−(2−エチルチアゾール−4−イル)エチル)フェニルスル
ファミン酸:
1H NMR (300 MHz, MeOH−d
4) δ7.91(s,
1H),7.08‐7.10(m, 3H), 6.99 (d, J = 8.7 H
z, 2H), 4.58 (t, J = 6.9 Hz, 1H), 4.11 (
d, J = 2.7 Hz, 2H), 3.78 (s, 3H), 3.14−3
.28 (m, 2H), 3.06 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1
.41 (t, J = 7.5 Hz, 3H).
【化201】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−{5−[1−N−(2−メトキシ−2−オキソエチルカルバモイル)
−1−H−インドール−3−イル]オキサゾール−2−イルアミノ}−2−(2−メチル
チアゾール−4−イル)エチル)フェニルスルファミン酸:
1H NMR (300 M
Hz, MeOH−d
4) δ7.63 (d, J = 7.8 Hz, 1H),
7.37 (s, 1H), 7.18−7.29 (m, 4H), 7.02−7.
16 (m, 4H), 6.85 (s, 1H), 5.04−5.09 (m,
1H), 4.85 (s, 3H), 3.27 (dd, J = 13.5 an
d 8.1 Hz, 1H), 3.10 (m, J = 13.5 and 8.1
Hz, 1H), 2.69 (s, 3H).
【化202】
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4−((S)−2−(5−(2−メトキシフェニル)オキサゾール−2−イルアミノ)−
2−(2−メチルチアゾール−4−イル)エチル)フェニルスルファミン酸:
1H NM
R (300 MHz, MeOH−d
4) δ7.52(dd, J = 7.5 a
nd 1.2 Hz, 1H), 6.95−7.24 (m, 10H), 5.04
−5.09 (m, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.26 (dd, J
= 13.8 and 8.4 Hz, 1H), 3.10 (dd, J = 1
3.8 and 8.4 Hz, 1H), 2.72 (s, 3H).
【化203】
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4−((S)−2−(5−((S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−2−フェ
ニルエチル)オキサゾール−2−イルアミノ)−2−(2−メチルチアゾール−4−イル
)エチル)フェニルスルファミン酸:
1H NMR (300 MHz, MeOH−d
4) δ7.03−7.27 (m, 10 H), 6.50 (s, 1H), 4
.95−5.00 (m, 1H), 4.76 (t, J = 6.9 Hz, 1
H), 3.22 (dd, J = 14.1 and 6.9 Hz, 1H),
3.00−3.10 (m, 2H), 2.90 (dd, J = 14.1 an
d 6.9 Hz, 1H), 2.72 (s, 3H), 1.37 (s, 9H
).
【化204】
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(S)−{4−{2−[5−(4−メトキシカルボニル)フェニル]オキサゾール−2−
イルアミノ}−2−(2−メチルチアゾール−4−イル)エチル}フェニルスルファミン
酸:
1H NMR (300 MHz, MeOH−d
4) δ7.99(d, J =
7.5 Hz, 2H),7.56‐7.59(m, 2H), 7.23−7.24
(m, 1H), 7.08−7.14 (m, 4H), 6.83 (d, J
= 10.2 Hz, 1H), 5.08 (t, J = 6.0 Hz, 1H)
, 3.91 (s, 3H), 3.25−3.35 (m, 1H), 3.09−
3.13 (m, 1H), 2.73 (s, 3H).
【化205】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(5−(3−メトキシベンジル)オキサゾール−2−イルアミノ)−
2−(2−メチルチアゾール−4−イル)エチル)フェニルスルファミン酸:
1H NM
R (300 MHz, MeOH−d
4) δ7.03‐7.28(m,8H),6.
79−6.83 (m, 1H), 5.70 (s, 1H), 4.99−5.06
(m, 2H), 4.41 (d, J = 2.1 Hz, 2H), 3.80
(s, 3H), 3.27−3.37 (m, 1H), 3.03−3.15 (
m, 1H), 2.71 (s, 3H).
【化206】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(2−メチルチアゾール−4−イル)2−(5−フェニルオキサゾー
ル−2−イルアミノ)エチル)フェニルスルファミン酸:
1H NMR (300 MH
z, MeOH−d
4)δ7.45 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.
33 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7.18−7.22 (m, 1H
), 7.10−7.14 (m, 6H), 7.04 (s, 1H), 5.04
−5.09 (m, 1H), 3.26 (dd, J = 13.8 and 6.
3 Hz, 1H), 3.10 (dd, J = 13.8 and 6.3 Hz
, 1H), 2.70 (s, 3H).
【化207】
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4−((S)−2−(2−シクロプロピルチアゾール−4−イル)−2−(4−(3−メ
トキシフェニル)チアゾール−2−イルアミノ)−エチル)フェニルスルファミン酸:
1
H NMR (CD
3OD):δ7.33−7.22 (m, 3H), 7.10−6
.97 (m, 5H), 6.84−6.80 (m, 2H), 5.02 (t,
1H, J=6.9 Hz), 3.82 (s, 1H), 3.18 (q, 2
H, J=7.1 Hz), 2.36 (q, 1H, J=4.6 Hz), 1.
20−1.13 (m, 2H), 1.04−0.99 (m, 2H).
【化208】
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(S)−4−(2−(2−シクロプロピルチアゾール−4−イル)−2−(4−(4−フ
ルオロフェニル)チアゾール−2−イルアミノ)エチル)−フェニルスルファミン酸:
1
H NMR (CD
3OD):δ7.79−7.74 (m, 2H), 7.14−7
.03 (m, 7H), 7.21 (s, 1H), 6.79 (s, 1H),
5.08 (t, 1H, J=6.6 Hz), 3.29−3.12 (m, 2
H), 2.40 (q, 2.40, J=5.1 Hz), 1.23−1.18
(m, 2H), 1.08−1.02 (m, 2H).
【化209】
[この文献は図面を表示できません]
4−((S)−2−(2−シクロプロピルチアゾール−4−イル)−2−(4−(2−メ
トキシフェニル)チアゾール−2−イルアミノ)−エチル)フェニルスルファミン酸:
1
H NMR (CD
3OD):δ7.89−7.87 (d, 1H, J=7.6 H
z), 7.28 (t, 1H, J=7.0 Hz), 7.10−6.96 (m
, 8H), 5.03 (t, 1H, J=6.9 Hz), 3.90 (s,
1H), 3.19 (q, 2H, J=6.6 Hz), 2.38 (q, 1H
, J=4.8 Hz), 1.21−1.14 (m, 2H), 1.06−1.0
0 (m, 2H).
【化210】
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4−((S)−2−(2−シクロプロピルチアゾール−4−イル)−2−(4−(2,4
−ジフルオロフェニル)チアゾール−2−イルアミノ)−エチル)フェニルスルファミン
酸:
1H NMR (CD
3OD):δ8.06−8.02 (q, 2H, J=6.
9 Hz), 7.12−6.95 (m, 7H), 6.88 (s, 1H),
5.11 (t, 1H, J=6.9 Hz), 3.22−3.15 (m, 2H
), 2.38 (q, 1H, J=4.8 Hz), 1.22−1.15 (m,
2H), 1.06−1.02 (m, 2H).
【化211】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−(2−(4−(3−メトキシベンジル)チアゾール−2−イルアミノ)−2
−(2−シクロプロピルチアゾール−4−イル)エチル)フェニルスルファミン酸:
1H
NMR (CD
3OD):δ7.22−7.17 (m, 3H), 7.09−6.
97 (m, 5H), 6.78−6.66 (m, 3H), 3.77 (s,
2H), 3.75 (s, 3H), 3.20−3.07 (m, 2H), 2.
35 (q, 1H, J=4.8 Hz), 1.19−1.13 (m, 2H),
1.03−1.00 (m, 2H).
【化212】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−{5−[1−(2−エチルチアゾール−4−イル)−2−(4−スルホアミノフ
ェニル)エチルアミノ]−2−メチル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル}
カルバミン酸メチルエステル:
1H NMR (300 MHz, MeOH−d
4)
δ6.97−7.08 (m, 5H), 3.71 (s, 3H), 3.51 (
s, 3H), 3.15 (dd, J = 13.5 and 6.3 Hz, 1
H), 3.02−3.07 (m, 3H), 1.40 (t, J = 6.6
Hz, 3H).
【0214】
本開示の第V分類の第2態様は、以下の式を有する化合物に関する:
【化213】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、本明細書中以下の表XVIII中にさらに記載されているように、R
1は置換ま
たは非置換のヘテロアリールであり、R
4は、置換または非置換のフェニルおよび置換ま
たは非置換のヘテロアリールである]。
【表18-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表18-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0215】
R
1に置換または非置換のチアゾール−4−イル単位を含む、第IX分類の第2態様に
よる化合物は、スキームXIX、XX、およびXXI中に概要を示し、本明細書中以下の
実施例20、21、および22中に記載した手順によって調製することができる。
スキームXIX
【化214】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(a)(i)(イソ−ブチル)OCOCl、Et
3N、THF;0℃、
20分間。
(ii)CH
2N
2;0℃から室温で3時間。
【化215】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(b)48%のHBr、THF;0℃、1.5時間。
【化216】
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試薬および条件:(c)CH
3CN;還流2時間。
【化217】
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試薬および条件:(d)チオホスゲン、CaCO
3、CCl
4、H
2O;室温、18時間
。
【化218】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(e)(i)CH
3C(O)NHNH
2、EtOH;還流、2時間。
(ii)POCl
3、室温、18時間;50℃、2時間。
【化219】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(f)(i)H
2:Pd/C、MeOH;(ii)SO
3−ピリジン、
NH
4OH。
【0216】
実施例20
(S)−4−(2−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアミノ)−2
−(2−フェニルチアゾール−4−イル)エチル)フェニルスルファミン酸(55)
[3−ジアゾ−1−(4−ニトロベンジル)−2−オキソ−プロピル]−カルバミン酸
tert−ブチルエステル(50)の調製:THF(20mL)中の2−(S)−ter
t−ブトキシカルボニルアミノ−3−(4−ニトロフェニル)−プロピオン酸(1.20
g、4.0mmol)の0℃の溶液に、トリエチルアミン(0.61mL、4.4mmo
l)、次いでクロロギ酸イソ−ブチル(0.57mL、4.4mmol)を滴下する。反
応混合物を0℃で20分間撹拌し、その後、濾過する。濾液をジアゾメタン(約16mm
ol)のエーテル溶液で、0℃で処理する。反応混合物を室温で3時間撹拌し、濃縮する
。残渣をEtOAcに溶かし、水およびブラインで次々に洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空中で濃縮する。生じる残渣をシリカ上で精製して(ヘキサン/EtO
Ac 2:1)、1.1g(82%の収率)の所望の生成物が淡黄色固形物として得られ
る。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ8.16 (d, J =
8.7 Hz, 2H), 7.39 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 5
.39 (s, 1H), 5.16 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 4
.49 (s, 1H), 3.25 (dd, J = 13.8 and 6.6,
1H), 3.06 (dd, J = 13.5 and 6.9 Hz, 1H)
, 1.41 (s, 9H).
【0217】
[3−ブロモ−1−(4−ニトロ−ベンジル)−2−オキソ−プロピル]−カルバミン
酸tert−ブチルエステル(51)の調製:THF(5mL)中の[3−ジアゾ−1−
(4−ニトロベンジル)−2−オキソ−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエス
テル、50、(0.350g、1.04mmol)の0℃の溶液に、48%のHBr水溶
液(0.14mL、1.25mmol)を滴下する。反応混合物を0℃で1.5時間撹拌
し、0℃で飽和Na
2CO
3水溶液を用いて反応停止させる。混合物をEtOAc(3×
25mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4
)、濾過し、真空中で濃縮して、0.400gの所望の生成物が得られ、これはさらに精
製せずに次のステップで使用される。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3)
δ8.20 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.39 (d, J =
8.4 Hz, 2H), 5.06 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 4
.80 (q, J = 6.3 Hz, 1H), 4.04 (s, 2H), 1
.42 (s, 9H).
【0218】
(S)−2−(4−ニトロフェニル)−1−(2−フェニルチアゾール−4−イル)エ
タンアミン臭化水素酸塩(52)の調製:CH
3CN(5mL)中の[3−ブロモ−1−
(4−ニトロ−ベンジル)−2−オキソ−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエ
ステル、51、(1.62g、4.17mmol)およびベンゾチオアミド(0.630
g、4.59mmol)の混合物を24時間還流する。反応混合物を室温まで冷却させ、
ジエチルエーテル(50mL)を溶液に加え、形成される沈殿物を濾過によって収集する
。固形物を真空下で乾燥させて、1.059g(63%)の所望の生成物が得られる。E
SI+MS 326 (M+1).
【0219】
(S)−4−[1−イソチオシアナト−2−(4−ニトロフェニル)−エチル]−2−
フェニルチアゾール(53)の調製:CCl
4/水(10:7.5mL)中の(S)−2
−(4−ニトロフェニル)−1−(2−フェニルチアゾール−4−イル)エタンアミン臭
化水素酸塩、52、(2.03g、5mmol)およびCaCO
3(1g、10mmol
)の溶液に、チオホスゲン(0.46mL、6mmol)を加える。反応を室温で18時
間撹拌し、その後、CH
2Cl
2および水で希釈する。層を分離し、水層をCH
2Cl
2
で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、残渣まで
真空中で濃縮し、これをシリカ上で精製して(CH
2Cl
2)、1.71g(93%の収
率)の所望の生成物が得られる。ESI+ MS 368 (M+1).
【0220】
(S)−5−メチル−N−[2−(4−ニトロフェニル)−1−(2−フェニルチアゾ
ール−4−イル)エチル]−1,3,4−チアジアゾール−2−アミン(54)の調製:
EtOH(5mL)中の(S)−4−[1−イソチオシアナト−2−(4−ニトロフェニ
ル)−エチル]−2−フェニルチアゾール、53、(332mg、0.876mmol)
および酢酸ヒドラジド(65mg、0.876mmol)の溶液を2時間還流する。溶媒
を減圧下で除去し、残渣をPOCl
3(3mL)に溶かし、生じる溶液を室温で18時間
撹拌し、その後、溶液を50℃まで2時間加熱する。溶媒を真空中で除去し、残渣をEt
OAc(40mL)に溶かし、pHが約8に保たれるまで生じる溶液を1NのNaOHで
処理する。溶液をEtOAcで抽出する。合わせた水層をEtOAcで洗浄し、有機層を
合わせ、ブラインで洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、0.
345g(93%の収率)の所望の生成物が黄色固形物として得られる。
1H NMR
(CDCl
3) 8.09 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.91 (
m, 2H), 7.46 (m, 4H), 7.44 (s, 1H), 5.23
(m, 1H), 3.59 (m, 2H), 2.49 (s, 3H). E
SI+ MS 424 (M+1).
【0221】
(S)−4−[2−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアミノ)−
2−(2−フェニルチアゾール−4−イル)エチル]フェニルスルファミン酸(55)の
調製:(S)−5−メチル−N−[2−(4−ニトロフェニル)−1−(2−フェニルチ
アゾール−4−イル)エチル]−1,3,4−チアジアゾール−2−アミン、54、(0
.404g、0.954mmol)をMeOH(5mL)に溶かす。Pd/C(50mg
、10%w/w)を加え、反応が完了したと判断されるまで混合物を水素雰囲気下で撹拌
する。CELITE(商標)床を通して反応混合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去する。
粗生成物をピリジン(4mL)に溶かし、SO
3−ピリジン(0.304g、1.91m
mol)で処理する。反応を室温で5分間撹拌し、その後、7%のNH
4OH溶液(50
mL)を加える。その後、混合物を濃縮し、生じる残渣を逆相調製用HPLCによって精
製して、0.052g(11%の収率)の所望の生成物がアンモニウム塩として得られる
。
1H NMR (CD
3OD):δ8.00−7.97 (m, 2H), 7.51
−7.47 (m, 3H), 7.23 (s, 1H), 7.11−7.04 (
q, 4H, J=9.0 Hz), 5.18 (t, 1H, J=7.2 Hz)
, 3.34−3.22 (m, 2H), 2.50 (s, 3H). ESI−
MS 472 (M−1).
スキームXX
【化220】
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試薬および条件:(a)チオホスゲン、CaCO
3、CCl
4/H
2O;室温、18時間
。
【化221】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(b)CH
3CN、還流、5時間
【化222】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(c)(i)H
2:Pd/C、MeOH;(ii)SO
3−ピリジン、
NH
4OH;室温、18時間。
【0222】
実施例21
4−{(S)−2−[4−(2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イルアミノ)−2
−[2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}フェニルスルファミ
ン酸(58)
(S)−1−[1−(チオフェン−2−イルチアゾール−4−イル)−2−(4−ニト
ロフェニル)エチル]−チオ尿素(56)の調製:CCl
4/水(10mL/5mL)中
の(S)−2−(4−ニトロフェニル)−1−(チオフェン−2−イルチアゾール−4−
イル)エタンアミン臭化水素酸塩、8、(1.23g、2.98mmol)およびCaC
O
3(0.597g、5.96mmol)の溶液に、チオホスゲン(0.412g、3.
58mmol)を加える。反応を室温で18時間撹拌し、その後、CH
2Cl
2および水
で希釈する。層を分離し、水層をCH
2Cl
2で抽出する。合わせた有機層をブラインで
洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、残渣まで真空中で濃縮し、続いてこれをアンモニア
(1,4−ジオキサン中に0.5M、29.4mL、14.7mmol)で処理し、これ
をシリカ上で精製して、0.490gの所望の生成物が赤茶色固形物として得られる。E
SI+ MS 399 (M+1).
【0223】
4−(2−メトキシフェニル)−N−{(S)−2−(4−ニトロフェニル)−1−[
2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}チアゾール−2−アミン
(57)の調製:(S)−1−[1−(チオフェン−2−イルチアゾール−4−イル)−
2−(4−ニトロフェニル)エチル]−チオ尿素、56、(265mg、0.679mm
ol)をブロモ−2’−メトキシアセトフェノン(171mg、0.746mmol)で
処理して、0.221gの生成物が黄色固形物として得られる。ESI+ MS 521
(M+1).
【0224】
4−{(S)−2−[4−(2−メトキシフェニル)チアゾール−2−イルアミノ)−
2−[2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}フェニルスルファ
ミン酸(58)の調製:4−(2−メトキシフェニル)−N−{(S)−2−(4−ニト
ロフェニル)−1−[2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}チ
アゾール−2−アミン、57、(0.229g)を12mLのMeOHに溶かす。触媒量
のPd/C(10%w/w)を加え、混合物を水素雰囲気下で18時間撹拌する。CEL
ITE(商標)床を通して反応混合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去する。粗生成物を6
mLのピリジンに溶かし、SO
3−ピリジン(140mg)で処理する。反応を室温で5
分間撹拌し、その後、10mLの7%のNH
4OH溶液を加える。その後、混合物を濃縮
し、生じる残渣を逆相クロマトグラフィーによって精製して、0.033gの所望の生成
物がアンモニウム塩として得られる。
1H NMR (CD
3OD):δ7.96−7.
93 (m, 1H), 7.60−7.55 (m, 2H), 7.29−7.23
(m, 1H), 7.18−6.95 (m, 9H), 5.15 (t, 1H
, J=6.9 Hz), 3.90 (s, 3H), 3.35−3.24 (m,
2H).
【0225】
R
1に置換または非置換のオキサゾール−2−イル単位を含む、第IX分類の第2態様
による化合物は、スキームXXI中に概要を示し、本明細書中以下の実施例22中に記載
した手順によって調製することができる。中間体39はスキームXVIIおよび実施例1
8に従って調製することができる。
スキームXXI
【化223】
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試薬および条件:(a)1−アジド−1−(3−メトキシフェニル)エタノン、PPh
3
、ジオキサン、90℃、20分間。
【化224】
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試薬および条件:(b)(i)H
2:Pd/C、MeOH;(ii)SO
3−ピリジン、
NH
4OH;室温、18時間。
【0226】
実施例22
4−{(S)−2−[5−(3−メトキシフェニル)オキサゾール−2−イルアミノ]−
2−(2−フェニルチアゾール−4−イル)エチル}フェニルスルファミン酸(61)
[5−(3−メトキシフェニル)オキサゾール−2−イル]−[2−(4−ニトロフェ
ニル)−1−(2−フェニルチアゾール−4−イル)エチル]アミン(60)の調製:ジ
オキサン(6mL)中の(S)−4−(イソチオシアナト−2−(4−ニトロフェニル)
エチル)−2−フェニルチアゾール、53、(300mg、0.81mmol)、1−ア
ジド−1−(3−メトキシフェニル)エタノン(382mg、2.0mmol)およびP
Ph
3(0.8g、ポリマーに結合、約3mmol/g)の混合物を90℃で20分間加
熱する。反応溶液を室温まで冷却させ、溶媒を真空中で除去し、生じる残渣をシリカ上で
精製して、300mg(74%の収率)の所望の生成物が黄色固形物として得られる。
1
H NMR (300 MHz, MeOH−d
4) δ8.02 (d, J = 7
.2 Hz, 2H), 7.92−7.99 (m, 2H), 7.42−7.47
(m, 3H), 7.22−7.27 (m, 3H), 6.69−7.03 (
m, 4H), 6.75−6.78 (m, 1H), 5.26 (t, J =
6.3 Hz, 1H), 3.83 (s, 4H), 3.42−3.45 (m,
2H).
【0227】
4−{(S)−2−[5−(3−メトキシフェニル)オキサゾール−2−イルアミノ]
−2−(2−フェニルチアゾール−4−イル)エチル}フェニルスルファミン酸(61)
の調製:[5−(3−メトキシフェニル)オキサゾール−2−イル]−[2−(4−ニト
ロフェニル)−1−(2−フェニルチアゾール−4−イル)エチル]アミン、60、(3
00mg、0.60mmol)をMeOH(15mL)に溶かす。触媒量のPd/C(1
0%w/w)を加え、混合物を水素雰囲気下で18時間撹拌する。CELITE(商標)
床を通して反応混合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去する。粗生成物をピリジン(10m
L)に溶かし、SO
3−ピリジン(190mg、1.2mmol)で処理する。反応を室
温で5分間撹拌し、その後、7%のNH
4OH溶液を加える。その後、混合物を濃縮し、
生じる残渣を逆相クロマトグラフィーによって精製して、0.042gの所望の生成物が
アンモニウム塩として得られる。
1H NMR (300 MHz, MeOH−d
4)
δ7.99(d, J = 7.5 Hz, 2H),7.46‐7.50(m, 3
H),7.23−7.29 (m, 3H), 7.04−7.12 (m, 6H),
6.78 (dd, J = 8.4 and 2.4 Hz, 1H), 5.16
(t, J = 6.6 Hz, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.29
−3.39 (m, 1H), 3.17 (dd, J = 13.8 and 8.
1 Hz, 1H).
【0228】
以下は、本開示の第IX分類の第2態様の非限定的な例である。
【化225】
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(S)−4−(2−(5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアミノ)−
2−(2−フェニルチアゾール−4−イル)エチル)−フェニルスルファミン酸:
1H
NMR (CD
3OD):δ7.97−7.94 (m, 2H), 7.73−7.7
0 (m, 2H), 7.44−7.39 (m, 6H), 7.25 (s, 1
H), 7.12 (s, 4H), 5.29 (t, 1H, J=6.9 Hz)
, 3.35−3.26 (m, 2H).
【化226】
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4−((S)−2−(5−プロピル−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアミノ)−
2−(2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル)エチル)フェニルスルファ
ミン酸:
1H NMR (CD
3OD):δ7.59−7.54 (m, 2H), 7
.17−7.03 (m, 6H), 5.13 (t, 1H, J=7.2 Hz)
, 3.32−3.13 (m, 2H), 2.81 (t, 2H, J=7.4
Hz), 1.76−1.63 (h, 6H, J=7.4 Hz), 0.97 (
t, 3H, J=7.3 Hz).
【化227】
[この文献は図面を表示できません]
4−((S)−2−(5−ベンジル−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアミノ)−
2−(2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル)エチル)フェニルスルファ
ミン酸:
1H NMR (CD
3OD):δ(m, 2H), 7.49−7.45 (
m, 2H), 7.26−7.16 (m, 5H), 7.05−6.94 (m,
6H), 5.04 (t, 1H, J=7.1 Hz), 4.07 (s, 2
H), 3.22−3.04 (m, 2H).
【化228】
[この文献は図面を表示できません]
4−((S)−2−(5−(ナフタレン−1−イルメチル)−1,3,4−チアジアゾー
ル−2−イルアミノ)−2−(2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル)エ
チル)フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD):δ8.08−8.05
(m, 1H), 7.89−7.80 (m, 2H), 7.55−7.43 (
m, 6H), 7.11−7.00 (m, 6H), 5.08 (t, 1H,
J=7.1 Hz), 4.63 (s, 2H), 3.26−3.08 (m, 2
H).
【化229】
[この文献は図面を表示できません]
4−((S)−2−(5−((メトキシカルボニル)メチル)−1,3,4−チアジアゾ
ール−2−イルアミノ)−2−(2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル)
エチル)フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD):δ7.48−7.4
4 (m, 2H), 7.03−6.92 (m, 6H), 5.02 (t, 1
H, J=7.2 Hz), 4.30 (s, 2H), 3.55 (s, 3H)
, 3.22−3.02 (m, 2H).
【化230】
[この文献は図面を表示できません]
4−((S)−2−(5−((2−メチルチアゾール−4−イル)メチル)−1,3,4
−チアジアゾール−2−イルアミノ)−2−(2−(チオフェン−2−イル)チアゾール
−4−イル)エチル)フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD):δ7.
60−7.56 (m, 2H), 7.19 (s, 1H), 7.15−7.12
(m, 2H), 7.09−7.03 (q, 4H, J=8.7 Hz), 5
.14 (t, 1H, J=7.2 Hz), 4.28 (s, 2H), 3.3
3−3.14 (m, 2H), 2.67 (s, 3H).
【化231】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−[4−(2,4−ジフルオロフェニル)チアゾール−2−イルアミノ
]−2−[2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}フェニルスル
ファミン酸:
1H NMR (CD
3OD):δ8.06−8.02 (q, 1H,
J=6.8 Hz), 7.59−7.54 (m, 2H), 7.16−7.08
(m, 6H), 7.01−6.88 (m, 4H), 5.20 (t, 1H,
J=7.0 Hz), 3.36−3.17 (m, 2H).
【化232】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−{2−[4−(エトキシカルボニル)チアゾール−2−イルアミノ]−2−
(2−フェニルチアゾール−4−イル)エチル}フェニルスルファミン酸:
1H NMR
(CD
3OD):δ8.02−7.99 (m, 2H), 7.54−7.45 (
m, 4H), 7.26 (s, 1H), 7.08 (s, 4H), 5.26
(t, 1H, J=6.9 Hz), 4.35−4.28 (q, 2H, J=
6.9 Hz), 3.38−3.18 (m, 2H), 1.36 (t, 3H,
J=7.2 Hz).
【化233】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−{2−[4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)チアゾール−2−イルア
ミノ]−2−(2−フェニルチアゾール−4−イル)エチル}フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD):δ7.96 (m, 2H), 7.50−7.46
(m, 3H), 7.21 (s, 1H), 7.10−7.04 (m, 4H)
, 6.37 (s, 1H), 5.09 (t, 1H, J=6.9 Hz),
4.17−4.10 (q, 2H, J=7.1 Hz), 3.54 (s, 2H
), 3.35−3.14 (m, 2H), 1.22 (t, 3H, J=7.1
Hz).
【化234】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−{2−[4−(4−アセトアミドフェニル)チアゾール−2−イルアミノ]
−2−(2−フェニルチアゾール−4−イル)エチル}フェニルスルファミン酸:
1H
NMR (CD
3OD):δ8.11 (m, 2H), 7.82−7.80 (m,
2H), 7.71−7.61 (m, 6H), 7.40 (s, 1H), 7
.23 (s, 4H), 5.32 (t, 1H, J=7.0 Hz), 3.5
1−3.35 (m, 2H), 2.28 (s, 3H).
【化235】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−[2−(4−フェニルチアゾール−2−イルアミノ)−2−(2−フェニル
チアゾール−4−イル)エチル]フェニルスルファミン酸:
1H NMR (CD
3OD
):δ8.03−7.99 (m, 2H), 7.75−7.72 (d, 2H,
J=8.4 Hz), 7.53−7.48 (m, 3H), 7.42 (m, 4
H), 7.12 (s, 4H), 6.86 (s, 1H), 5.23 (t,
1H, J=7.2 Hz), 3.40−3.27 (m, 2H).
【化236】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−{2−[4−(4−(メトキシカルボニル)フェニル)チアゾール−2−イ
ルアミノ]−2−(2−フェニルチアゾール−4−イル)エチル}フェニルスルファミン
酸:
1H NMR (CD
3OD):δ8.04−8.00 (m, 4H), 7.9
2−7.89 (d, 2H, J=9.0 Hz), 7.53−7.49 (m,
3H), 7.30 (s, 1H), 7.15 (s, 4H), 7.05 (s
, 1H), 5.28 (t, 1H, J=6.9 Hz), 3.93 (s,
3H), 3.35−3.24 (m, 2H).
【化237】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−[4−(エトキシカルボニル)チアゾール−2−イルアミノ]−2−
[2−(チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}フェニルスルファミン
酸:
1H NMR (CD
3OD):δ7.43−7.38 (m, 2H), 7.2
6 (s, 1H), 7.00−6.94 (m, 3H), 6.89 (s, 4
H), 5.02 (t, 1H, J=7.0 Hz), 4.16−4.09 (q
, 2H, J=7.1 Hz), 3.14−2.94 (m, 2H), 1.17
(t, 3H, J=7.1 Hz).
【化238】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−[2−(4−(メトキシカルボニル)チアゾール−5−イルアミノ)−2−
(2−フェニルチアゾール−4−イル)エチル]フェニルスルファミン酸:
1H NMR
(300 MHz, MeOH−d
4)δ7.97−8.00 (m, 3H), 7
.48−7.52 (m, 3H), 7.22 (s, 1H), 7.03−7.1
3 (m, 4H), 4.74 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 3.8
8 (s, 3H), 3.28−3.42 (m, 2H).
【化239】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−[2−(5−フェニルオキサゾール−2−イルアミノ)−2−(2−フェニ
ルチアゾール−4−イル)エチル]−フェニルスルファミン酸:
1H NMR (300
MHz, MeOH−d
4)δ7.94−7.96 (m, 2H), 7.45−7
.49 (m, 5H), 7.32 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7
.12 (s, 1H), 7.19 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7
.12 (s, 4H), 7.05 (s, 1H), 5.15 (t, J =
6.4 Hz, 1H), 3.34 (dd, J = 14.1 and 8.4
Hz, 1H), 3.18 (dd, J = 14.1 and 8.4 Hz,
1H).
【化240】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−{2−[5−(4−アセトアミドフェニル)オキサゾール−2−イルアミノ
]−2−(2−フェニルチアゾール−4−イル)エチル}フェニルスルファミン酸:
1H
NMR (300 MHz, MeOH−d
4)δ7.92−7.94 (m, 2H
), 7.55−7.58 (m, 2H), 7.39−7.50 (m, 5H),
7.26 (s, 1H), 7.12 (s, 4H), 7.02 (s, 1H
0), 5.14 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 3.13−3.38
(m, 2H), 2.11 (s, 3H).
【化241】
[この文献は図面を表示できません]
4−((S)−2−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)オキサゾール−2−イルアミ
ノ)−2−(2−フェニルチアゾール−4−イル)エチル)フェニルスルファミン酸:
1
H NMR (300 MHz, MeOH−d
4) δ7.97‐7.99(m,2H
),7.54‐7.62(m,1H), 7.45−7.50 (m, 3H), 7.
28 (s, 1H), 7.12 (s, 4H), 6.97−7.06 (m,
3H), 5.15−5.20 (m, 1H), 3.28−3.40 (m, 1H
), 3.20 (dd, J = 13.8 and 8.4 Hz, 1H).
【化242】
[この文献は図面を表示できません]
4−{(S)−2−[5−(3−メトキシフェニル)オキサゾール−2−イルアミノ]−
2−[(2−チオフェン−2−イル)チアゾール−4−イル]エチル}フェニルスルファ
ミン酸:
1H NMR (300 MHz, MeOH−d
4) δ7.55‐7.60
(m,2H), 7.26 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 7.21 (
s, 1H), 7.04−7.15 (m, 8H), 6.77−6.81 (m,
1H), 5.10 (t, J = 6.3 Hz, 1H), 3.81 (s,
3H), 3.29−3.36(m, 1H), 3.15 (dd, J = 14
.1 and 8.4 Hz, 1H).
【化243】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−[2−(4,6−ジメチルピリミジン−2−イルアミノ)−2−(2−メチ
ルチアゾール−4−イル)エチル]フェニルスルファミン酸:
1H NMR (300
MHz, MeOH−d
4) δ7.00‐7.10(m,5H),6.44(s,1H
),5.50(t, J = 7.2 Hz, 1H), 3.04−3.22 (m,
2H), 2.73 (s, 3H), 2.27 (s, 6H).
【化244】
[この文献は図面を表示できません]
(S)−4−[2−(4−ヒドロキシ−6−メチルピリミジン−2−イルアミノ)−2−
(2−メチルチアゾール−4−イル)エチル]フェニルスルファミン酸:
1H NMR
(300 MHz, MeOH−d4)δ7.44(d, J =8.4Hz,2H),
6.97‐7.10(m,4H),5.61(s,1H),5.40−5.49(m,1
H),3.10−3.22(m,2H),2.73(s,3H),2.13(s,3H)
.
【0229】
本開示の第X分類の第1態様は、以下の式を有する化合物に関する:
【化245】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
1はヘテロアリールであり、R
4は本明細書中以下の表XIX中にさらに記載
されている]。
【表19-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表19-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0230】
第X分類の第1態様による化合物は、スキームXXII中に概要を示し、本明細書中以
下の実施例23中に記載した手順によって調製することができる。
スキームXXII
【化246】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(a)CH
3CN;還流2時間。
【化247】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(b)(3−Cl)C
6H
4CO
2H、EDCI、HOBt、DIPE
A、DMF;室温、18時間。
【化248】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(c)(i)H
2:Pd/C、MeOH;(ii)SO
3−ピリジン、
NH
4OH、室温、18時間。
【0231】
実施例23
4−((S)−2−(2−(3−クロロフェニル)アセトアミド)−2−(2−(チオフ
ェン−2−イル)オキサゾール−4−イル)エチル)フェニルスルファミン酸(64)
(S)−2−(4−ニトロフェニル)−1−[(チオフェン−2−イル)オキサゾール
−4−イル]エタンアミン臭化水素酸塩(62)の調製:CH
3CN(500mL)中の
(S)−tert−ブチル4−ブロモ−1−(4−ニトロフェニル)−3−オキソブタン
−2−イルカルバメート、7、(38.7g、100mmol)、およびチオフェン−2
−カルボキサミド(14g、110mmol)(Alfa Aesarから入手可能)の
混合物を5時間還流する。反応混合物を室温まで冷却させ、ジエチルエーテル(200m
L)を溶液に加える。形成される沈殿物を濾過によって収集する。固形物を真空下で乾燥
させて、所望の生成物が得られ、これはさらに精製せずに次のステップで使用することが
できる。
【0232】
2−(3−クロロフェニル)−N−{(S)−2−(4−ニトロフェニル)−1−[2
−(チオフェン−2−イル)オキサゾール−4−イル]エチル}アセトアミド(63)の
調製:DMF(50mL)中の(S)−2−(4−ニトロフェニル)−1−[(チオフェ
ン−2−イル)オキサゾール−4−イル]エタンアミンHBr、47、(3.15g、1
0mmol)、3−クロロフェニル−酢酸(1.70g、10mmol)および1−ヒド
ロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(0.70g、5.0mmol)の溶液に、0℃
で、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDCI)(1
.90g、10mmol)、次いでトリエチルアミン(4.2mL、30mmol)を加
える。混合物を0℃で30分間、その後、室温で終夜撹拌する。反応混合物を水で希釈し
、EtOAcで抽出する。合わせた有機相を1NのHCl水溶液、5%のNaHCO
3水
溶液、水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させる。溶媒を真空中で除去し
て、所望の生成物が得られ、これはさらに精製せずに使用される。
【0233】
−((S)−2−(2−(3−クロロフェニル)アセトアミド)−2−(2−(チオフ
ェン−2−イル)オキサゾール−4−イル)エチル)フェニルスルファミン酸(64)の
調製:2−(3−クロロフェニル)−N−{(S)−2−(4−ニトロフェニル)−1−
[2−(チオフェン−2−イル)オキサゾール−4−イル]エチル}アセトアミド、63
、(3g)をMeOH(4mL)に溶かす。触媒量のPd/C(10%w/w)を加え、
混合物を水素雰囲気下で18時間撹拌する。CELITE(商標)床を通して反応混合物
を濾過し、溶媒を減圧下で除去する。粗生成物をピリジン(12mL)に溶かし、SO
3
−ピリジン(0.157g)で処理する。反応を室温で5分間撹拌し、その後、7%のN
H
4OH溶液を加える。その後、混合物を濃縮し、生じる残渣を逆相クロマトグラフィー
によって精製することができ、所望の生成物がアンモニウム塩として得られる。
【0234】
本開示の第X分類の第2態様は、以下の式を有する化合物に関する:
【化249】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
1はアリールであり、R
2およびR
3は、本明細書中以下の表XX中にさらに
記載されている]。
【表20】
[この文献は図面を表示できません]
【0235】
第X分類の第2態様による化合物は、スキームXXIII中に概要を示し、本明細書中
以下の実施例24中に記載した手順によって調製することができる。
スキームXXIII
【化250】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(a)CH
3CN;還流、2時間。
【化251】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(b)C
6H
4CO
2H、EDCI、HOBt、DIPEA、DMF;
室温、18時間。
【化252】
[この文献は図面を表示できません]
試薬および条件:(c)(i)H
2:Pd/C、MeOH;(ii)SO
3−ピリジン、
NH
4OH、室温、18時間。
【0236】
実施例24
{4−[2−(S)−(4−エチルオキサゾール−2−イル)−2−フェニルアセチルア
ミノエチル]−フェニル}スルファミン酸(67)
(S)−1−(4−エチルオキサゾール−2−イル)−2−(4−ニトロフェニル)エ
タンアミン(65)の調製:CH
3CN(500mL)中の[1−(S)−カルバモイル
−2−(4−ニトロフェニル)エチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル、1、(
10g、32.3mmol)および1−ブロモ−2−ブタノン(90%、4.1mL、3
6mmol)の混合物を18時間還流する。反応混合物を室温まで冷却させ、ジエチルエ
ーテルを溶液に加え、形成される沈殿物を濾過によって除去し、これはさらに精製せずに
使用される。
【0237】
N−[1−(4−エチルオキサゾール−2−イル)−2−(4−ニトロフェニル)エチ
ル]−2−フェニル−アセトアミド(66)の調製:DMF(100mL)中の(S)−
1−(4−エチルオキサゾール−2−イル)−2−(4−ニトロフェニル)エタンアミン
、65、(2.9g、11mmol)、フェニル酢酸(1.90g、14mmol)およ
び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(0.94g、7.0mmol)の溶
液に、0℃で、1−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−3−エチルカルボジイミド(E
DCI)(2.68g、14mmol)、次いでトリエチルアミン(6.0mL、42m
mol)を加える。混合物を0℃で30分間、その後、室温で終夜撹拌する。反応混合物
を水で希釈し、EtOAcで抽出する。合わせた有機相を1NのHCl水溶液、5%のN
aHCO
3水溶液、水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させる。溶媒を真
空中で除去して、所望の生成物が得られ、これはさらに精製せずに使用される。
【0238】
{4−[2−(S)−(4−エチルオキサゾール−2−イル)−2−フェニルアセチル
アミノエチル]−フェニル}スルファミン酸(67)の調製:N−[1−(4−エチルオ
キサゾール−2−イル)−2−(4−ニトロフェニル)エチル]−2−フェニル−アセト
アミド、66、(0.260g)をMeOH(4mL)に溶かす。触媒量のPd/C(1
0%w/w)を加え、混合物を水素雰囲気下で18時間撹拌する。CELITE(商標)
床を通して反応混合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去する。粗生成物をピリジン(12m
L)に溶かし、SO
3−ピリジン(0.177g、1.23)で処理する。反応を室温で
5分間撹拌し、その後、7%のNH
4OH溶液(10mL)を加える。その後、混合物を
濃縮し、生じる残渣を逆相クロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物がアンモ
ニウム塩として得られる。
【0239】
開示した化合物のHPTP−β(IC
50μM)活性の非限定的な例は表XXI中に記
載されている。HPTP−β阻害は、配合者によって選択された任意の方法、たとえば、
どちらもその全体で本明細書中に参考として含まれるAmarasinge K.K.ら
、「Design and Synthesis of Potent,Non−pep
tidic Inhibitors of HPTPbeta」、Bioorg Med
Chem Lett.、2006年8月15日;16(16):4252〜6.電子出
版2006年6月12日.正誤表はBioorg Med Chem Lett.、20
08年8月15日;18(16):4745.Evidokimov,Artem G[
Evdokimov,Artem Gに訂正]:PMID:16759857;およびK
lopfenstein S. R.ら「1,2,3,4−Tetrahydroiso
quinolinyl Sulfamic Acids as Phosphatase
PTP1B Inhibitors」、Bioorg Med Chem Lett.
、2006年3月15日;16(6):1574〜8によって試験することができる。
【表21-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表21-2】
[この文献は図面を表示できません]
【表21-3】
[この文献は図面を表示できません]
【表21-4】
[この文献は図面を表示できません]
【表21-5】
[この文献は図面を表示できません]
【表21-6】
[この文献は図面を表示できません]
【表21-7】
[この文献は図面を表示できません]
【表21-8】
[この文献は図面を表示できません]
【表21-9】
[この文献は図面を表示できません]
【表21-10】
[この文献は図面を表示できません]
【表21-11】
[この文献は図面を表示できません]
【表21-12】
[この文献は図面を表示できません]
【表21-13】
[この文献は図面を表示できません]
【表21-14】
[この文献は図面を表示できません]
【表21-15】
[この文献は図面を表示できません]
【表21-16】
[この文献は図面を表示できません]
【表21-17】
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【表21-18】
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【表21-19】
[この文献は図面を表示できません]
【表21-20】
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【表21-21】
[この文献は図面を表示できません]
【表21-22】
[この文献は図面を表示できません]
【0240】
方法
眼の疾患または状態、特に網膜症、眼球浮腫および眼血管新生を処置するための方法が
開示されている。これらの疾患または状態の非限定的な例には、糖尿病性黄斑浮腫、加齢
黄斑変性症(湿性形態)、脈絡膜血管新生、糖尿病性網膜症、眼虚血、ブドウ膜炎、網膜
静脈閉塞(中心または分枝)、眼外傷、手術誘導性浮腫、手術誘導性血管新生、嚢胞様黄
斑浮腫、眼虚血、ブドウ膜炎などが含まれる。これらの疾患または状態は、進行性である
か非進行性であるかにかかわらず、急性の疾患もしくは状態、または慢性の疾患もしくは
状態の結果であるかにかかわらず、眼血管構造の変化によって特徴づけられている。
【0241】
開示した方法の一態様は、糖尿病の直接的または間接的な結果である疾患、とりわけ糖
尿病性黄斑浮腫および糖尿病性網膜症に関する。糖尿病患者の眼血管構造は時間と共に不
安定となり、非増殖性網膜症、黄斑浮腫、および増殖性網膜症などの状態をもたらす。鮮
明な正面の視覚が起こる眼の部分である網膜黄斑の中心内に体液が漏出すると共に、体液
および関連するタンパク質の蓄積が網膜黄斑上またはその下に堆積し始める。これは腫脹
をもたらし、対象の中心視力が徐々に歪むことを引き起こす。この状態は「黄斑浮腫」と
呼ばれる。起こり得る別の状態は、眼の黄斑領域の外側で毛細血管瘤などの血管の変化が
観察され得る非増殖性網膜症である。
【0242】
これらの状態は、血管新生によって特徴づけられている糖尿病性増殖性網膜症へと進行
する場合としない場合がある。これらの新しい血管は脆弱であり、出血しやすい。その結
果は、網膜の瘢痕化、および新しい血管の過剰形成が原因の、眼を通る光経路の閉塞また
は完全遮断である。典型的には、糖尿病性黄斑浮腫を有する対象は糖尿病性網膜症の非増
殖性段階を患っているが、対象が増殖性段階を発症した際にはじめて黄斑浮腫が現れるこ
とは稀ではない。
【0243】
糖尿病性網膜症は、米国人の労働年齢層における失明の最も一般的な原因である(Kl
ein Rら、「The Wisconsin Epidemiologic Stud
y of Diabetic Retinopathy. II. Prevalenc
e and risk of diabetic retinopathy when
age at diagnosis is less than 30 years」、
Arch.Ophthalmol.、1984年、102:520〜526)。重篤な失
明は、網膜血管新生(NV)を悪化させる牽引性網膜剥離が原因で引き起こされるが、中
等度の失明の最も一般的な原因は糖尿病性黄斑浮腫(DME)である。糖尿病性黄斑浮腫
の病因は完全に理解されていないが、低酸素症が寄与要因である(Nguyen QDら
、「Supplemental inspired oxygen improves
diabetic macular edema;a pilot study」、In
vest.Ophthalmol.Vis.Sci.、2003年、45:617〜62
4)。血管内皮成長因子(Vegf)は低酸素調節性遺伝子であり、低酸素または虚血性
の網膜ではVEGFレベルが増加する。マウス眼内へのVEGFの注射は内部血液網膜関
門の崩壊を引き起こし(Derevjanik NLらQuantitative as
sessment of the integrity of the blood−r
etinal barrier in mice、Invest.Ophthalmol
.Vis.Sci.、2002年、43:2462〜2467を参照)、サルの眼内での
VEGFの持続放出は黄斑浮腫を引き起こす(Ozaki Hら、「Intravitr
eal sustained release of VEGF causes ret
inal neovascularization in rabbits and b
reakdown of the blood−retinal barrier in
rabbits and primates」、Exp Eye Res、1997年
、64:505〜517)。患者および動物モデルにおけるこの観察の組合せにより、V
EGFが糖尿病性黄斑浮腫の病因において重要な役割を果たすという仮説がもたらされた
。この仮説は、VEGF拮抗剤が糖尿病性黄斑浮腫を有する患者において中心窩の肥厚を
低下させ、視覚を改善させることを示したいくつかの臨床治験によって確認されている(
Nguyen QDら、「Vascular endothelial growth
factor is a critical stimulus for diabet
ic macular edema」、Am.J.Ophthalmol.、2006年
、142:961〜969;およびNguyen QDら「Primary End P
oint (Six Months) Results of the Ranibiz
umab for Edema of the mAcula in Diabetes
(READ−2) Study」、Ophthalmology、2009年、116
:2175〜2181)。
【0244】
血管内皮細胞に対するVEGFの効果は、血管内皮細胞上で選択的に発現され、胚性血
管発生に必要なTie2受容体によって変調される(Dumont DJら、「Domi
nant−negative and targeted null mutation
s in the endothelial receptor tyrosine k
inase,tek,reveal a critical role in vasc
ulogenesis of the embryo」、Genes Dev.、199
4年、8:1897〜1909)。アンジオポエチン1(Ang1)はTie2と高い親
和性で結合し、リン酸化および下流のシグナル伝達を開始させる(Davis Sら、「
Isolation of angiopoietin−1,a ligand for
the TIE2 receptor, by secretion−trap ex
pression cloning」、Cell、1996年、87:1161〜116
9)。Ang1を欠くマウスは、Tie2欠損マウスで見られるものに類似しているが重
篤度がより低い血管欠陥を伴って、E12.5付近に死亡する。アンジオポエチン2(A
ng2)はTie2と高い親和性で結合するが、培養内皮細胞ではリン酸化を刺激しない
。これはAng1の競合的阻害剤として作用し、Ang2を過剰発現するトランスジェニ
ックマウスはAng1欠損マウスに類似の表現型を有する。一連の証拠が、Ang2が網
膜におけるVEGF誘導性血管新生の発生学的調節性および低酸素調節性の許容因子であ
ることを示している(Hackett SFら、「Angiopoietin 2 ex
pression in the retina: upregulation dur
ing physiologic and pathologic neovascul
arization」、J.Cell.Physiol.、2000年、184:275
〜284)。また、それぞれAng2またはAng1の誘導発現を有する二重トランスジ
ェニックのTet/オプシン/ang2およびTet/オプシン/ang1マウスも、網
膜におけるTie2の役割の解明を助けている(Nambu Hら、「Angiopoi
etin 1 inhibits ocular neovascularizatio
n and breakdown of the blood−retinal bar
rier」、Gene Ther.、2004年、11:865〜873)。虚血性網膜
症に罹患しているマウスでは、VEGFが高い場合のAng2の発現増加(P12〜17
)は網膜血管新生を増加させるが、VEGFレベルが下がったP20での発現増加は網膜
血管新生の回帰を促進し、この発見は眼血管新生の他のモデルでも類似であった。対照的
に、Ang1の発現増加はいくつかのモデルにおいて血管新生を抑制し、血液漏出を低下
させた。したがって、Ang2はマトリックスからの安定化シグナルを低下させ、内皮細
胞をVEGFおよび他の可溶性刺激因子に依存性にさせる。VEGFが高い場合は血管新
生が刺激され、VEGFが低い場合は血管新生が退行する。対照的に、Ang1はマトリ
ックスからの安定化シグナルを増加させ、血管構造をVEGFなどの可溶性刺激因子に対
して非応答性にさせる。
【0245】
アンジオポエチン2はTie2と結合するがリン酸化を刺激せず、したがってほとんど
の状況下では拮抗剤として作用する。眼内では、アンジオポエチン2が血管新生の部位で
アップレギュレーションされており、VEGFの許容因子として作用する。網膜における
VEGFの発現増加は、網膜または脈絡毛細管の表在性または中間の毛細血管床からの血
管新生の出芽を刺激しないが、アンジオポエチン2の構成的発現が存在する深部毛細血管
床からの出芽は刺激する(Hackett SFら、「Angiopoietin−2
plays an important role in retinal angio
genesis」、J.Cell.Physiol.、2002年、192:182〜1
87)。網膜の表面でのVEGFおよびアンジオポエチン2の同時発現は、表在性網膜毛
細血管からの血管新生の出芽を引き起こす(Oshima Yら、「Angiopoie
tin−2 enhances retinal vessel sensitivit
y to vascular endothelial growth factor」
、J.Cell.Physiol.、2004年、199:412〜417)。網膜にお
いてアンジオポエチン2の誘導発現を有する二重トランスジェニックマウスでは、VEG
Fレベルが高い場合のアンジオポエチン2の発現は血管新生を著しく増強させ、VEGF
レベルが低い場合のアンジオポエチン2の発現は血管新生の回帰を引き起こした。アンジ
オポエチン1の誘導発現を有する二重トランスジェニックマウスでは、網膜におけるアン
ジオポエチン1の誘導性発現はVEGF誘導性の血液漏出または血管新生を強力に抑制し
た(Nambu Hら、「Angiopoietin 1 inhibits ocul
ar neovascularization and breakdown of t
he blood−retinal barrier」、Gene Ther.、200
4年、11:865〜873)。実際、重篤なNVおよび網膜剥離を発生する、網膜にお
いて高いVEGFの発現を有するマウスでは、アンジオポエチン1はVEGF誘導性剥離
を防止することができる。
【0246】
また、Tie2の調節は、内皮に特異的なホスファターゼである、マウスでは血管内皮
タンパク質チロシンホファターゼ(phophatase)(VE−PTP)(Fach
inger Gら、「Functional interaction of vasc
ular endothelial−protein−tyrosine phosph
atase with the angiopoietin receptor Tie
−2」、Oncogene、1999年、18:5948〜5943)およびそのヒト相
同分子種であるヒトタンパク質チロシンホスファターゼ−β(HPTP−β)(Krue
ger NXら、「Structural diversity and evolut
ion of human receptor−like protein tyros
ine phosphatases」、EMBO J.、1990年、9:3241〜3
252)を介しても起こる。VE−PTPを欠くマウスは、血管再構築および発生中の血
管構造の成熟に重篤な欠陥を伴って、E10に死亡する。培養ヒト内皮細胞におけるHP
TP−βのサイレンシングはTie2のAng1誘導性リン酸化および生存促進活性を増
強させる一方で、低酸素症はHPTP−βの発現を増加させ、Tie2のAng1誘導性
リン酸化を低下させる(Yacyshyn OKら、「Thyrosine phosp
hatase beta regulates angiopoietin−Tie2
signaling in human endothelial cells」、An
giogenesis、2009年、12:25〜33)。
【0247】
糖尿病性網膜症は、処置せず放置した場合、最終的には盲目をもたらす可能性がある。
実際、糖尿病性網膜症は労働年齢層における盲目の主な原因である。
【0248】
したがって、開示した方法は、糖尿病に罹患している対象または糖尿病を診断された対
象において眼血管新生を予防、処置、制御、寛解、および/または他の様式で最小限にす
ることに関する。さらに、糖尿病に罹患している、またはをれを診断された対象に、糖尿
病関連盲目を発生する危険性を警告するまたは認識させることができ、したがって、本方
法は、危険性にあることが分かっている対象において、非増殖性網膜症の発症を予防する
または遅延させるために使用することができる。同様に、本方法は、状態の進行を妨げる
ために、非増殖性糖尿病性網膜症に罹患している、またはそれを診断された対象を処置す
るために使用することができる。
【0249】
開示した方法は、1つもしくは複数または開示した化合物を対象に投与することによっ
て、眼血管新生を予防もしくは制御すること、または眼血管新生の発症に関連する疾患も
しくは状態を処置することに関する。
【0250】
本方法の一態様は、有効量の開示した化合物のうちの1つもしくは複数または薬学的に
許容されるその塩を対象に投与することによって、眼血管新生を処置または予防すること
に関する。この態様の一実施形態は、
a)有効量の開示した化合物のうちの1つもしくは複数または薬学的に許容されるその
塩と、
b)1つまたは複数の担体または適合性のある賦形剤と
を含む組成物を対象に投与することを含む、眼球浮腫および血管新生を処置する方法に関
する。
【0251】
また、開示した方法は、1つもしくは複数または開示した化合物を対象に投与すること
によって、眼球浮腫を予防もしくは制御すること、または眼球浮腫の発症に関連する疾患
もしくは状態を処置することにも関する。
【0252】
本方法の一態様は、有効量の開示した化合物のうちの1つもしくは複数または薬学的に
許容されるその塩を対象に投与することによって、眼球浮腫を処置または予防することに
関する。この態様の一実施形態は、
a)有効量の開示した化合物のうちの1つもしくは複数または薬学的に許容されるその
塩と、
b)1つまたは複数の担体または適合性のある賦形剤と
を含む組成物を対象に投与することを含む、眼球浮腫を処置する方法に関する。
【0253】
別の開示されている方法は、1つもしくは複数または開示した化合物を対象に投与する
ことによって、網膜浮腫もしくは網膜血管新生を予防もしくは制御すること、または網膜
浮腫もしくは網膜血管新生の発症に関連する疾患もしくは状態を処置することに関する。
本方法の一態様は、有効量の開示した化合物のうちの1つもしくは複数または薬学的に許
容されるその塩を対象に投与することによって、網膜浮腫または網膜血管新生を処置また
は予防することに関する。この態様の一実施形態は、
a)有効量の開示した化合物のうちの1つもしくは複数または薬学的に許容されるその
塩と、
b)1つまたは複数の担体または適合性のある賦形剤と
を含む組成物を対象に投与することを含む、網膜浮腫または網膜血管新生を処置する方法
に関する。
【0254】
さらに開示されている方法は、1つもしくは複数または開示した化合物を対象に投与す
ることによって、糖尿病性網膜症を処置、予防もしくは制御すること、または糖尿病性網
膜症の発症に関連する疾患もしくは状態を処置することに関する。
【0255】
本方法の一態様は、有効量の開示した化合物のうちの1つもしくは複数または薬学的に
許容されるその塩を対象に投与することによって、糖尿病性網膜症を処置または予防する
ことに関する。この態様の一実施形態は、
a)有効量の開示した化合物のうちの1つもしくは複数または薬学的に許容されるその
塩と、
b)1つまたは複数の担体または適合性のある賦形剤と
を含む組成物を対象に投与することを含む、糖尿病性網膜症を処置する方法に関する。
【0256】
この態様の別の実施形態は、
a)有効量の開示した化合物のうちの1つもしくは複数または薬学的に許容されるその
塩と、
b)1つまたは複数の担体または適合性のある賦形剤と
を含む組成物を対象に投与することを含む、非増殖性網膜症を処置または予防する方法に
関する。
【0257】
この態様の別の実施形態は、
a)有効量の開示した化合物のうちの1つもしくは複数または薬学的に許容されるその
塩と、
b)1つまたは複数の担体または適合性のある賦形剤と
を含む組成物を対象に投与することを含む、非増殖性網膜症を処置または予防する方法に
関する。
【0258】
さらに開示されている方法は、1つもしくは複数または開示した化合物を対象に投与す
ることによって、糖尿病性黄斑浮腫を予防もしくは制御すること、または糖尿病性黄斑浮
腫の発症に関連する疾患もしくは状態を処置することに関する。
【0259】
本方法の一態様は、有効量の開示した化合物のうちの1つもしくは複数または薬学的に
許容されるその塩を対象に投与することによって、糖尿病性黄斑浮腫を処置または予防す
ることに関する。この態様の一実施形態は、
a)有効量の開示した化合物のうちの1つもしくは複数または薬学的に許容されるその
塩と、
b)1つまたは複数の担体または適合性のある賦形剤と
を含む組成物を対象に投与することを含む、糖尿病性黄斑浮腫を処置する方法に関する。
【0260】
本明細書中に記載の開示した疾患または状態のうちの任意のものは、約0.01mg/
kg〜約500mg/kgの開示した化合物または薬学的に許容されるその塩を対象に投
与することによって、処置または予防することができる。本実施形態の一反復は、約0.
01mg/kg〜約50mg/kgの開示した化合物または薬学的に許容されるその塩を
対象に投与することを含む、眼球浮腫および/または血管新生を処置する方法に関する。
本実施形態の別の反復は、処置する対象の重量1kgあたり約0.1mg〜約10mgの
開示した化合物のうちの1つもしくは複数または薬学的に許容されるその塩を対象に投与
することに関する。本実施形態のさらなる反復は、対象の重量1kgあたり約1mg〜約
10mgの開示した化合物のうちの1つもしくは複数または薬学的に許容されるその塩を
対象に投与することを含む、眼球浮腫および/または血管新生に関連する疾患または状態
を処置または予防する方法に関する。本実施形態のさらに別の反復は、対象の重量1kg
あたり約5mg〜約10mgの開示した化合物のうちの1つもしくは複数または薬学的に
許容されるその塩を対象に投与することを含む、眼球浮腫および/または血管新生に関連
する疾患または状態を処置または予防する方法に関する。本実施形態のさらなる反復は、
対象の重量1kgあたり約1mg〜約5mgの開示した化合物のうちの1つもしくは複数
または薬学的に許容されるその塩を対象に投与することを含む、眼球浮腫および/または
血管新生に関連する疾患または状態を処置または予防する方法に関する。本実施形態のさ
らなる反復は、対象の重量1kgあたり約3mg〜約7mgの開示した化合物のうちの1
つもしくは複数または薬学的に許容されるその塩を対象に投与することを含む、眼球浮腫
および/または血管新生に関連する疾患または状態を処置または予防する方法に関する。
【0261】
別の薬学的活性薬剤の投与の結果である眼球浮腫および/または血管新生に関連する本
明細書中に上述した疾患または状態のうちの1つまたは複数を処置または予防する方法が
さらに開示されている。したがって、この態様は、
a)有効量の開示した化合物のうちの1つもしくは複数または薬学的に許容されるその
塩と、
b)1つまたは複数の薬学的活性薬剤と、
c)1つまたは複数の担体または適合性のある賦形剤と
を含む組成物を対象に投与することを含む方法に関する。
【0262】
本開示の方法は、それだけには限定されないがレーザー処置を含めた標準治療と組み合
わせ得る。
【0263】
本明細書中には、患者に薬学的に許容され、便利、安全、かつ作用開始が数分間である
薬物送達形態である、点眼剤として開示した化合物を含む配合物が開示されている。連邦
規制実施に従った、治療に使用される標準の点眼剤は、無菌的であり、等張であり(すな
わち患者の快適さのためにpH約7.4)、複数回使用する場合は保存料を含有するが開
封後は貯蔵寿命が限られる(通常は1カ月間)。点眼剤が無菌的な単一使用のみの単位用
量ディスペンサー内に梱包される場合は、保存料を省くことができる。
【0264】
点眼配合物の一方法は、開示した化合物の最も純粋な形態を含み(たとえば99%を超
える純度)、化合物を精製水と混合し、生理的なpHおよび等張性のために調節する。p
Hを維持または調節するための緩衝剤の例には、それだけには限定されないが、酢酸緩衝
液、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液およびホウ酸緩衝液が含まれる。等張性調節剤の例は
、塩化ナトリウム、マンニトールおよびグリセリンである。また、他の薬学的に許容され
る成分も加えることができる。
【0265】
その後、配合された溶液を、そのそれぞれが単位投薬に適した複数の別々の無菌的な使
い捨てカートリッジ、または単位投薬のための単一のカートリッジのどちらかに分割する
。そのような単一の使い捨てカートリッジは、たとえば、容器の一端で容器の内容物をそ
こから分配するために縦軸に対して半径方向に絞れる側壁を有する容器を備えた、円錐ま
たは円柱状の特定体積のディスペンサーであり得る。そのような使い捨て容器は、単位投
薬あたり0.3〜0.4mLの点眼剤を分配するために現在使用されており(たとえば、
Lens Plus(商標)およびRefresh Plus(商標))、点眼剤の送達
に理想的に適応可能である。
【0266】
また、眼用点眼溶液は、複数用量の形態で、たとえば点眼器を備えたプラスチックボト
ル(たとえばVisine(商標)Original)としても梱包される。そのような
配合物では、容器の開封後に微生物汚染を防止するために保存料が必要である。適切な保
存料には、それだけには限定されないが、塩化ベンザルコニウム、チメロサール、クロロ
ブタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェニルエチルアルコール、エデト酸
二ナトリウム、ソルビン酸、ポリクアテミウム(polyquatemium)−1、ま
たは当業者に知られている他の薬剤が含まれ、そのすべてが本発明における使用に企図さ
れる。そのような保存料は、典型的には0.001〜約1.0%重量/体積のレベルで用
いられる。
【0267】
点眼剤は薬物のパルスエントリー(pulse entry)をもたらすが、薬物は迅
速に涙によって希釈され、眼から流し出される。ビヒクルの粘度を増加させるためにポリ
マーを眼用溶液に加えることができ、これは角膜との接触を延長させ、多くの場合は生体
利用度を高める。連邦食品薬品局によって眼用溶液中で許可されているポリマーの種類は
、規定された濃度のセルロース誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース
、ヒドロキシプロピルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース)−、デキストラン
70、ゼラチン、ポリオール、グリセリン、ポリエチレングリコール300、ポリエチレ
ングリコール400、ポリソルベート80、プロピレングリコール、ポリビニルアルコールおよびポビドンであり、そのすべてが(単独でまたは組み合わせて)本発明における使用に企図される。
【0268】
特定の臨床条件下では、他の製薬を用いて点眼溶液を配合して、他の成分の刺激性を減
弱させ、臨床反応を促進することができる。そのような薬剤には、それだけには限定され
ないが、フェニレフリン、オキシメタゾリン、ナフタゾリンまたはテトラヒドロゾリンな
どの血管収縮剤;オロパタジンなどの肥満細胞安定化剤;アゼラスチンなどの抗ヒスタミ
ン剤;テトラサイクリンなどの抗生物質;ベータメタゾンなどのステロイド性抗炎症薬;
ジクロフェナクなどの非ステロイド性抗炎症薬;イミキモドまたはインターフェロンなど
の免疫調節物質;ならびにバラシクロビル、シドホビルおよびトリフルリジンなどの抗ウ
イルス剤が含まれ得る。上述の目的に使用する用量は変動するが、眼内の不快感、痒み、
刺激、または疼痛を抑制するために有効な量となる。組成物を局所的に投薬する場合、化
合物の「薬学的有効量」は、一般に、0.05mg/mL〜約500mg/mLの濃度範
囲であり、1〜4滴を単位用量として1〜4回/日投与することができる。眼球薬物送達
の最も一般的な方法は、液滴を下眼瞼内に滴下することである(すなわち「点眼剤」)。
眼用医薬品の処方箋の約70%は点眼剤である。これは、費用、バルク製造の容易さ、お
よび患者コンプライアンス、ならびに有効かつ均一な薬物送達などの要因のためである。
主要な要件は、配合物が無菌的であり、無菌環境で生成されることである。眼用溶液中で
使用する理想的な開示した化合物は、正常な眼球pHで水性媒体中に可溶性および/また
は混和性であり、かつ等張性であるべきである。さらに、開示した化合物は、安定、無毒
性、長時間作用性、かつまばたきおよび流涙による薬物濃度の希釈に対抗するために十分
に強力であるべきである。
【0269】
また、網膜血管新生を処置する方法も開示されている。確立された網膜血管新生は、
a)約0.05mg/mL〜約500mg/mLの開示した化合物のうちの1つまたは
複数と、
b)薬学的に許容される担体と
を含む組成物を局所的に施用することによって処置することができる。
本方法の一実施形態では、組成物は、
a)約0.5mg/mL〜約50mg/mLの開示した化合物のうちの1つまたは複数
と、
b)薬学的に許容される担体と
を含む。
本方法の別の実施形態では、組成物は、
a)約0.05mg/mL〜約5mg/mLの開示した化合物のうちの1つまたは複数
と、
b)薬学的に許容される担体と
を含む。
本方法のさらなる実施形態では、組成物は、
a)約1mg/mL〜約10mg/mLの開示した化合物のうちの1つまたは複数と、
b)薬学的に許容される担体と
を含む。
本方法のさらに別の実施形態では、組成物は、
a)約5mg/mL〜約50mg/mLの開示した化合物のうちの1つまたは複数と、
b)薬学的に許容される担体と
を含む。
【0270】
薬学的に許容される担体に加えて、これらの実施形態は1つまたは複数の薬学的に許容
される補助成分を含むことができる。さらに、組成物は以下を含むことができる。
【0271】
本方法の一実施形態では、組成物は、
a)約0.5mg/mL〜約50mg/mLの開示した化合物のうちの1つまたは複数
と、
b)有効量の1つまたは複数の薬学的活性成分と、
c)薬学的に許容される担体と
を含む。
【0272】
開示した化合物との組合せに適した薬学的活性薬剤の非限定的な例には、抗感染剤、す
なわち、アミノグリコシド、抗ウイルス剤、抗微生物剤など;抗コリン剤/抗痙攣剤(a
ntispasmotics);抗糖尿病剤;降圧剤;抗新生物剤;心血管剤;中枢神経
系剤;凝固調整剤;ホルモン;免疫剤;免疫抑制剤;眼用調製物;などが含まれる。
【0273】
開示した方法には、薬学的に許容される担体と組み合わせた、開示した化合物の投与が
含まれる。「薬学的に許容される」とは、生物学的にまたは他の様式で望ましくないわけ
ではない材料を意味し、すなわち、その材料は、いかなる望ましくない生物学的効果をも
引き起こさずに、またはそれが含有される薬学的配合物の他の構成要素のいずれかと有害
な様式で相互作用せずに、対象に投与し得る。担体は、当然、当業者に周知のように、活
性成分のいかなる分解をも最小限にし、対象におけるいかなる有害な副作用をも最小限に
するように選択される。別の態様では、開示した化合物の多くは、予防的に、すなわち予
防剤として、ニートでまたは薬学的に許容される担体と共に使用することができる。本明
細書中に開示したイオン液体組成物は、ニートなイオン液体からなる、または薬学的に許
容される担体と関連させて医薬組成物内に好都合に配合することができる。たとえば、本
明細書中に記載の化合物の配合物の調製と併せて使用することができる医薬組成物を調製
するための典型的な担体および慣用方法を開示しており、本明細書中に参考として組み込
まれている、Remington’s Pharmaceutical Science
s、最新版、E.W.Martin Mack Pub.Co.、ペンシルバニア州Ea
stonを参照されたい。そのような薬学的担体は、最も典型的には、滅菌水、生理食塩
水、および生理的pHの緩衝溶液などの溶液を含めた、組成物をヒトおよび非ヒトに投与
するための標準の担体となる。他の化合物は、当業者によって使用される標準の手順に従
って投与することができる。また、たとえば、医薬組成物には、抗微生物剤、抗炎症剤、
麻酔剤などの1つまたは複数の追加の活性成分を含めることもできる。
薬学的に許容される担体の例には、それだけには限定されないが、生理食塩水、リンゲ
ル液およびデキストロース溶液が含まれる。溶液のpHは、好ましくは約5〜約8、より
好ましくは約7〜約7.5である。さらなる担体には、開示した化合物を含有する固体疎
水性ポリマーの半透性マトリックスなどの持続放出調製物が含まれ、マトリックスは造形
品、たとえば、フィルム、リポソーム、微粒子、またはマイクロカプセルの形態である。
当業者には、特定の担体が、たとえば投与する組成物の投与経路および濃度に応じてより
好ましい場合があることは明らかであろう。他の化合物は、当業者によって使用される標
準の手順に従って投与することができる。
【0274】
また、開示した方法は、開示した化合物および組成物の投与にも関する。投与は皮下も
しくは静脈内投与を介した全身性であることができるか、またはHPTP−β阻害剤を眼
に直接、たとえば局所的に投与する。局所的な投与方法には、たとえば、点眼剤、結膜下
への注射または植込み錠、硝子体内への注射または植込み錠、テノン嚢下への注射または
植込み錠、外科的灌注溶液内への取り込みなどによるものが含まれる。
【0275】
開示した方法は、開示した化合物を医薬組成物の一部として投与することに関する。局
所投与に適した組成物は当技術分野で知られている(たとえばその全体で本明細書中に参
考として含まれる米国特許出願第2005/0059639号を参照)。様々な実施形態
では、本発明の組成物は、溶液中、懸濁液中、または両方中に活性薬剤を含む液体を含む
ことができる。本明細書中で使用する液体組成物にはゲルが含まれる。一実施形態では、
液体組成物は水性である。あるいは、組成物は軟膏の形態をとることができる。別の実施
形態では、組成物はin situでゲル化可能な水性組成物である。反復では、組成物
はin situでゲル化可能な水溶液である。そのような組成物は、眼または眼の外部
の涙液と接触した際にゲル化を促進するために有効な濃度のゲル化剤を含むことができる
。本発明の水性組成物は眼に適合性のあるpHおよび重量モル浸透圧濃度を有する。組成
物は、結膜下投与のための活性薬剤を含む眼用デポー配合物を含むことができる。活性薬
剤を含む微粒子を、生体適合性の薬学的に許容されるポリマーまたは脂質カプセル封入剤
中に包埋することができる。デポー配合物は、すべてまたは実質的にすべての活性材料を
長期間かけて放出するように適応させ得る。ポリマーまたは脂質マトリックスは、存在す
る場合、すべてまたは実質的にすべての活性薬剤が放出された後に投与部位から輸送され
るために十分に分解するように適応させ得る。デポー配合物は、薬学的に許容されるポリ
マーと溶解または分散した活性薬剤とを含む液体配合物であることができる。注射した際
、ポリマーは、たとえばゲル化または沈殿することによって、注射部位でデポーを形成す
る。組成物は、眼内の適切な位置内、たとえば眼と眼瞼の間または結膜嚢(conjuc
tival sac)内に挿入することができる固体の物品を含むことができ、ここで物
品が活性薬剤を放出する。そのような様式で眼に植え込むために適した固体の物品は一般
にポリマーを含み、生体内分解性または生体内非分解性であることができる。
【0276】
開示した方法の一実施形態では、少なくとも1つの視覚が損なわれた眼を有するヒト対
象を、2〜4000μgの開示した化合物で硝子体内注射によって処置する。臨床症状の
改善を、当技術分野で知られている1つまたは複数の方法、たとえば、間接的検眼鏡検査
、眼底写真撮影、フルオレセイン血管障害(angiopathy)、網膜電図検査、外
眼検査、細隙灯顕微鏡検査、圧平眼圧測定、角膜厚測定、光干渉断層撮影およびオートレ
ファクション(autorefaction)によって監視する。続く用量は、週に1回
または月に1回、たとえば2〜8週間または1〜12カ月間隔の頻度で投与することがで
きる。
【0277】
開示した組成物には、薬学的に許容される担体と組み合わせた、開示した化合物の投与
が含まれる。「薬学的に許容される」とは、生物学的にまたは他の様式で望ましくないわ
けではない材料を意味し、すなわち、その材料は、いかなる望ましくない生物学的効果を
も引き起こさずに、またはそれが含有される薬学的配合物の他の構成要素のいずれかと有
害な様式で相互作用せずに、対象に投与し得る。担体は、当然、当業者に周知のように、
活性成分のいかなる分解をも最小限にし、対象におけるいかなる有害な副作用をも最小限
にするように選択される。別の態様では、開示した化合物の多くは、予防的に、すなわち
予防剤として、ニートでまたは薬学的に許容される担体と共に使用することができる。本
明細書中に開示したイオン液体組成物は、ニートなイオン液体からなる、または薬学的に
許容される担体と関連させて医薬組成物内に好都合に配合することができる。たとえば、
典型的な担体ならびに本明細書中に記載の化合物の配合物の調製と併せて使用することが
できる、医薬組成物を調製するための慣用方法を開示しており、本明細書中に参考として
組み込まれている、Remington’s Pharmaceutical Scie
nces、最新版、E.W.Martin Mack Pub.Co.、ペンシルバニア
州Eastonを参照されたい。そのような薬学的担体は、最も典型的には、滅菌水、生
理食塩水、および生理的pHの緩衝溶液などの溶液を含めた、組成物をヒトおよび非ヒト
に投与するための標準の担体となる。他の化合物は、当業者によって使用される標準の手
順に従って投与することができる。また、たとえば、医薬組成物には、抗微生物剤、抗炎
症剤、麻酔剤などの1つまたは複数の追加の活性成分を含めることもできる。
薬学的に許容される担体の例には、それだけには限定されないが、生理食塩水、リンゲ
ル液およびデキストロース溶液が含まれる。溶液のpHは、好ましくは約5〜約8、より
好ましくは約7〜約7.5である。さらなる担体には、開示した化合物を含有する固体疎
水性ポリマーの半透性マトリックスなどの持続放出調製物が含まれ、マトリックスは造形
品、たとえば、フィルム、リポソーム、微粒子、またはマイクロカプセルの形態である。
当業者には、特定の担体が、たとえば投与する組成物の投与経路および濃度に応じてより
好ましい場合があることは明らかであろう。他の化合物は、当業者によって使用される標
準の手順に従って投与することができる。
【0278】
薬学的配合物には、本明細書中に開示した化合物に加えて、追加の担体、およびシック
ナー、希釈剤、緩衝剤、保存料、界面活性剤などが含まれることができる。また、薬学的
配合物には、抗微生物剤、抗炎症剤、麻酔剤などの1つまたは複数の追加の活性成分も含
まれることができる。
【0279】
本開示の目的のために、用語「賦形剤」および「担体」とは、本開示の説明全体にわた
って互換性があるように使用され、前記用語は、本明細書中で「安全かつ有効な医薬組成
物の配合の実施に使用される成分」と定義される。
【0280】
配合者は、賦形剤は、安全、安定、かつ機能的な製薬の送達に主に果たすために使用さ
れ、送達のための全体的なビヒクルの一部としてのみではなく、レシピエントによる活性
成分の有効な吸収を達成する手段としても役立つことを理解されよう。賦形剤は、不活性
充填剤のように単純かつ直接的な役割を満たし得るか、または、本明細書中で使用する賦
形剤は、胃への成分の安全な送達を保証するためのpH安定化系またはコーティングの一
部であり得る。また、配合者は、本開示の化合物が改善された細胞効力(cellula
r potency)、薬物動態学的特性、および改善された経口生体利用度を有するこ
とを利用することもできる。
【0281】
本明細書中で使用する用語「有効量」とは、「所望のまたは治療的な結果を達成するた
めに必要な用量にて一定期間の間有効な、開示した化合物のうちの1つまたは複数の量」
を意味する。有効量は、処置されるヒト、動物の病状、年齢、性別、および重量または投
与経路などの、当技術分野で知られている要因に応じて変動し得る。特定の用量レジーム
を本明細書中の実施例中に記載し得るが、当業者は、最適な治療反応をもたらすために用
量レジームを変更し得ることを理解されよう。たとえば、いくつかの分割用量を毎日投与
し得るか、または、用量は、治療状況の緊急性によって示されるように、比例的に低下さ
せ得る。さらに、本開示の組成物は、治療的な量を達成するために、必要なだけ頻繁に投
与することができる。
【0282】
また、開示した化合物は、エアロゾル形態の活性治療剤を鼻、咽頭、または気管支気道
などの体腔に送達するために、液体、乳濁液、または懸濁液で存在することもできる。こ
れらの調製物中の開示した化合物と他の化合物剤との比は、剤形の要件に応じて変動する
。
【0283】
意図する投与方法に応じて、開示した方法の一部として投与された医薬組成物は、固体
、半固体または液体の剤形の形態、たとえば、錠剤、坐薬、丸薬、カプセル、粉末、液剤
、懸濁液、ローション、クリーム、ゲルなどであることができ、好ましくは、正確な用量
の単一投与に適した単位剤形である。組成物には、上述のように、有効量の開示した化合
物のうちの1つまたは複数が薬学的に許容される担体と組み合わせて含まれ、さらに、他
の医薬品、製薬、担体、アジュバント、希釈剤などが含まれることができる。
【0284】
固体組成物では、慣用の無毒性の固体担体には、たとえば、製薬グレードのマンニトー
ル、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク
、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウムなどが含まれる。
【0285】
液体の薬学的に投与可能な組成物は、たとえば、本明細書中に記載の活性化合物および
任意選択の薬学的アジュバントを、賦形剤、たとえば、水、生理食塩水、デキストロース
水溶液、グリセロール、エタノールなどに溶かす、分散させるなどすることで、溶液また
は懸濁液を形成することによって調製することができる。また、所望する場合は、投与す
る医薬組成物は、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤など、たとえば、酢酸ナトリウム、モ
ノラウリン酸ソルビタン、トリエタノールアミン酢酸ナトリウム、オレイン酸トリエタノ
ールアミンなどの、少量の無毒性の補助物質を含有することもできる。そのような剤形を
調製するための実際の方法は、当業者に知られているか、または明らかであろう。たとえ
ば、上記引用したRemington’s Pharmaceutical Scien
cesを参照されたい。
【0286】
キット
また、ヒト、哺乳動物、または細胞内に送達する化合物および組成物を含むキットも開
示されている。キットは、ヒト、哺乳動物、または細胞内に送達する1つまたは複数の化
合物を含む組成物の、1つまたは複数の梱包された単位用量を含むことができる。送達す
る化合物が使用前に梱包される単位用量アンプルまたは複数用量容器は、一定量のポリヌ
クレオチド、またはその薬学的有効用量もしくは複数の有効用量に適した物質を含有する
溶液を封入した密閉容器を含むことができる。化合物は無菌的配合物として梱包すること
ができ、密閉容器は、配合物の無菌性を使用時まで保つように設計されている。
【0287】
手順
網膜浮腫および血管新生の測定および量子化(Quantization)ならびに開示
したHPTP−β阻害剤による眼球浮腫および新しい血管形成の有効な阻害
網膜組織の血液漏出および血管新生に対する開示した化合物の効果を測定するために、
以下の研究を実施した。
【0288】
研究1
Tobe Tら、「Evolution of neovascularizatio
n in mice with over expression of vascul
ar endothelial growth factor in photorec
eptors」、Invest Ophthalmol Visual Sci.、19
98年、39:180〜188によって開示されている、その網膜ニューロン中にVEGFの構成的発現を有する20匹の21日齢のロドプシン/VEGFトランスジェニックマウスを2つの等しい群に分けた。それぞれの群は以下のように皮下注射を受けた:第1群は10mg/kg/注射(高用量)の表XXIからの化合物を受け、第2群はビヒクルの注射を受けた。1日目はそれぞれの動物に2回の注射を与えた一方で、2日目はそれぞれの動物に1回の注射を与えた。
【0289】
2日目の3回目かつ最終の投薬の2時間後、動物を安楽死させ、マウスを安楽死させ、
網膜を取り出し、アルブミンの免疫組織化学的染色を行った。手短に述べると、眼を摘出
し、10%のPBS緩衝ホルマリン中で2時間、室温で固定した。網膜を解剖し、エッペ
ンドルフ中のPBSに入れ、0.05%のtritonを含む8%の正常ロバ血清で1時
間遮断した。ヤギ抗マウスアルブミン抗体(Abcam)を1:150の希釈率で加え、
室温で2時間染色した。PBSTで3回洗浄した後、DyLight593とコンジュゲ
ートしたロバ抗ヤギ抗体(Jackson ImmunoResearchから)を加え
、光を避けて室温で50分間染色した。PBSTで3回洗浄した後、網膜を載せ、蛍光顕
微鏡観察によってイメージングした。画像分析ソフトウェア(ImagePro Plu
s 5)を使用してアルブミン染色の面積を評価した。
【0290】
研究2
その網膜ニューロン中にVEGFの構成的発現を有する20匹の21日齢のロドプシン
/VEGFトランスジェニックマウスを2つの等しい群に分けた。それぞれの群は以下の
ように皮下注射を受けた:第1群は3mg/kg/注射(低用量)の表XXIからの化合
物を受け、第2群はビヒクルの注射を受けた。1日目はそれぞれの動物に2回の注射を与
えた一方で、2日目はそれぞれの動物に1回の注射を与えた。
【0291】
2日目の最終投薬の2時間後、動物を安楽死させ、上記研究1に記載のように眼球試料
を調製した。
図1Bは、対照動物対3mg/kg/用量で処置した動物の網膜の表面上に
見つかったアルブミンの相対濃度を示すヒストグラムである。
図1Aを
図1Bと比較すると、これらのデータは、3mg/kg/注射というより低い用量で処置した動物は10mg/kg/用量を投薬した動物よりも血管新生が少なかったことを示している。
【0292】
図2Aおよび
図2Bは、本明細書中に上述した屠殺した動物から得られた、免疫組織化
学的染色した網膜の代表的な顕微鏡写真である。
図2Bは、ビヒクルで処置したトランス
ジェニックマウスの網膜の顕微鏡写真である。矢頭は限局的な血管周囲(perivas
ular)のアルブミン堆積物を示す(血液漏出の指標)。これらの顕微鏡写真で見られ
るように、対照動物は網膜においてアルブミンの顕著な堆積を示した一方で、3mg/k
g/用量で処置したトランスジェニックマウスの網膜は血管周囲のアルブミン堆積物の著
しい低下を示した。(
図2B)。
【0293】
研究3
その網膜ニューロン中にVEGFの構成的発現を有する30匹のロドプシン/VEGF
トランスジェニックマウスを3つの等しい群に分けた。出生後14日目に、それぞれの群
は以下のように皮下注射を受けた:第1群は10mg/kg/注射(高用量)の表XXI
からの化合物を受け、第2群は3mg/kg/注射(低用量)の表XXIからの化合物を
受け、第3群はビヒクルの注射を受けた。それぞれの動物は1日2回の注射を7日間受け
た。
【0294】
P21にマウスを屠殺し、眼を摘出し、10%のPBS緩衝ホルマリン中で2時間、室
温で固定した。網膜を解剖し、エッペンドルフ中のPBSに入れ、FITCとコンジュゲ
ートしたGSA−レクチンで2時間、室温で染色した。PBSTで3回洗浄した後、網膜
を載せ、蛍光顕微鏡観察によってイメージングした。画像分析ソフトウェア(Image
Pro Plus 5)を使用して網膜血管新生の面積を評価した。
【0295】
図3A(矢印)は、ビヒクルで処置した動物の網膜における顕著なレベルの新しい血管
の出芽(血管新生房)を示す一方で、
図3Bは、化合物D91で処置した動物の網膜にお
ける血管新生房の著しい低下を示す。
【0296】
図4は、この研究において、10mg/kg/注射、3mg/kg/注射およびビヒク
ルで処置した動物間で判明した血管新生の相対量を比較する。
図1Aおよび1Bに示した
データと一貫して、3mg/kg/注射を投薬した動物は、10mg/kg/注射および
ビヒクルを投薬した動物よりも顕著に低下したレベルの網膜血管新生を有していた。
【0297】
VE−PTP(HPTP−β)は血管新生に関与する網膜内皮細胞においてアップレギュ
レーションされている
C57BL/6マウスは、視覚と眼科学研究協会(Association for
Research in Vision and Ophthalmology)の研究
動物の世話および使用に関する指針(Guidelines on the care
and use of animals in research)に従って処置した。
マウスを出産後日数(P)7に75%の酸素に入れ、P12に大気に戻して未熟児網膜症
(ROP)を作製した。出産後日数(P)17に、酸素誘導性虚血性網膜症に罹患してい
るマウスは虚血性網膜の領域を有しており、網膜の表面上に血管新生を発生する。マウス
を安楽死させ、眼を4%のパラホルムアルデヒド中で室温で4時間固定し、網膜を解剖し
た。10%の正常ヤギ血清で1時間遮断した後、網膜を1:200のウサギ抗VE−PT
P(HPTPβのマウス相同分子種)抗体と共に3時間インキュベーションした。洗浄後
、網膜を1:800のCy−3とコンジュゲートしたヤギ抗ウサギ抗体(Jackson
Immuno Laboratory)と共にインキュベーションし、その後、FIT
Cとコンジュゲートしたグリフォニア・シンプリシフォリアレクチン(GSA)で対比染
色した。網膜をフラットマウントし、蛍光顕微鏡観察によって検査した(Axiosko
p、Zeiss、ニューヨーク州Thornwood)。
【0298】
P17にROPおよび網膜血管新生(NV)に罹患しているマウスからの網膜を解剖し
、VE−PTP/HPTP−βについて免疫蛍光染色し、また、FITCで標識したグリ
フォニア・シンプリシフォリア(GSA)レクチンでも染色した。
図AおよびDから見ら
れるように、GSA染色は網膜の表面上に血管新生の塊を示し、背景に網膜血管のかすか
な染色が一部存在する。
図BおよびCに示されるように、網膜の表面上の網膜血管新生の
塊中にHPTP−βに対する強い染色、および一部の根底の網膜血管、主に血管新生をも
たらす供給血管のかすかな染色が存在していた。
【0299】
緑色チャネルを用いた蛍光顕微鏡観察では、網膜の表面上にGSA染色された血管新生
の塊を示し、背景に網膜血管のかすかな染色が一部存在していた(
図AおよびD)。大気
(RA)対照マウスからの網膜は血管新生(neovascularation)のない
正常な網膜血管を示した(
図G)。網膜の表面上の網膜血管新生の塊中にHPTP−βに
対する強い染色、および一部の根底の網膜血管、主に血管新生をもたらす供給血管のかす
かな染色が存在していた(
図BおよびC)。RA対照マウスの非虚血性網膜では網膜血管
検出可能な染色は存在しなかった(
図HおよびI)。したがって、VE−PTP/HPT
P−βは血管新生に関与する網膜内皮細胞においてアップレギュレーションされている。
【0300】
開示したHPTP−β阻害剤を用いたVE−PTP(HPTP−β)の遮断はin vi
voで網膜内皮細胞中のTie2のリン酸化を促進する
ロドプシンプロモーターが光受容体中でのVegfの発現を駆動するトランスジェニッ
クマウス(rho/VEGFマウス)を、網膜下血管新生のモデルとして使用した。P7
では、増加したレベルのVEGFが光受容体中で検出可能であり、P14では、網膜の深
部毛細血管床から網膜下空間内に伸びる血管新生(neovascularizatii
on)の出芽が存在し、P21では、網膜下空間内にいくつかの血管新生の塊が存在する
。Rho/VEGFマウスに、ビヒクルまたは10mg/kgの表XXIからの化合物の
皮下注射をP21に与えた。注射の12時間後注射の12時間後、マウスを安楽死させた
。眼を4%のパラホルムアルデヒド中、室温で4時間固定し、網膜を解剖した。10%の
正常ヤギ血清で1時間遮断した後、網膜を1:200のウサギ抗ホスホ−TIE2抗体(
R&D、米国ミネソタ州Minneapolis)と共に室温で3時間インキュベーショ
ンした。洗浄後、網膜をCy−3とコンジュゲートしたヤギ抗ウサギ抗体と共にインキュ
ベーションした。網膜をリン酸化Tie2について免疫染色し、血管細胞を標識するグリ
フォニア・シンプリシフォリア(GSA)レクチンで対比染色した。対照(ビヒクルで処
置したrho/VEGFマウス)からの網膜は血管新生(neovasculatiza
tion)において薄いホスホTie染色を示した(
図6A〜6C)。表XXIからの化
合物で処置したrho/VEGFマウスからの網膜は血管新生において強いホスホTie
2染色を示し、網膜内の一部の血管のかすかな染色を示した(
図6D〜6F)。これらの
結果は、表XXIからの化合物が網膜内皮細胞、特に血管新生に関与するものにおいてT
ie2のリン酸化を促進することを示している。
【0301】
虚血誘導性網膜血管新生の抑制
増殖性糖尿病性網膜症における効果の予測的なモデルである、酸素誘導性虚血性網膜症
に罹患しているマウスに、一方の眼に3μgの表XXIからの化合物の眼内注射を与え、
他方の眼にビヒクルを与えた。P17に、表XXIからの化合物で処置した眼内の網膜の
表面上の血管新生(nevascularization)(
図7A)はビヒクルで処置
した眼からの網膜(
図7B)と比較して少なかった。画像分析による網膜の表面上の網膜
血管新生の平均面積の測定により、表XXIからの化合物の眼内施用が網膜血管新生の有
意な低下を引き起こしたことが確認された(
図7C)(非対t検定によってp=0.01
9)。
【0302】
rho/VEGFトランスジェニックマウスにおける網膜下血管新生の抑制
rho/VEGFマウスで起こる網膜下血管新生は、血管新生AMDに罹患している患
者の30%で起こる網膜血管腫増殖(RAP)と呼ばれるものに類似している(Yann
uzzi LAら、「Retinal angiomatous proliferat
ion in age−related macular degeneration」
、Retina、2001年、21:416〜434を参照)。このモデルにおける有効
性は、血管新生加齢黄斑変性症に罹患している患者において良好な成果を予測している。
ヘミ接合性rho/VEGFトランスジェニックマウスに、出産後日数(P)15から開
始して、0、3、または10mg/kgの表XXIからの化合物を含有するビヒクルの1
日1回の皮下注射を与えた。P21に、ビヒクルで処置したマウスは多くの網膜下血管新
生の塊を示した一方で(
図8A)、3mg/kg(
図8B)または10mg/kgの表X
XIからの化合物(
図8C)で処置したマウスでは血管新生出芽がより少なかった。網膜
下血管新生の平均面積は、ビヒクルで処置したマウスと比較して、表XXIからの化合物
のいずれかの用量で処置したマウスにおいて顕著に少なかった(
図8D)。また、表XX
Iからの化合物の眼内注射もrho/VEGFマウスにおいて網膜下血管新生を強力に抑
制した(
図8、フレームE〜G)。
【0303】
開示した化合物は脈絡膜血管新生を抑制する
血管新生AMDに罹患している患者において化合物の効果に予測的な脈絡膜血管新生の
マウスモデル、20または40mg/kgの表XXIからの化合物の皮下注射が脈絡膜血
管新生を有意に低下させた(
図9、フレームA〜C)。3μg(p=0.0009)また
は5μgの表XXIからの化合物(p=0.022)の眼内注射は、ビヒクルの注射と比
較して脈絡膜血管新生を有意に抑制したが、1μgは抑制しなかった(
図9D)。(Sa
ishin Yら、「VEGF−TRAP
R1R2 suppresses choro
idal neovascularization and VEGF−induced
breakdown of the blood−retinal barrier」
、J.Cell.Physiol.、2003年、195:241〜248およびHei
er JSら、「The 1−year results of CLEAR−IT 2
,a phase 2 study of vascular endothelial
growth factor trap−eye dosed as needed
after 12−week fixed dosing」、Ophthalmolog
y、2011年、118:1098〜1106を参照されたい。)
【0304】
開示した化合物はVEGF誘導性の網膜血液漏出を低下させる
霊長類の硝子体腔内へのVEGFの持続送達は黄斑浮腫を引き起こし(Ozaki、1
997年)、VEGFは糖尿病性黄斑浮腫における重要な標的として確証されている(N
guyen、2006年およびNguyen、2009年)。rho/VEGFトランス
ジェニックマウスでは、光受容体におけるVEGFの過剰産生は血漿および血清タンパク
質の網膜への漏出を引き起こす。健康な網膜では、血清タンパク質、たとえばアルブミン
はわずかしか存在しない。したがって、アルブミンの免疫組織化学的染色を使用して血液
網膜関門の崩壊を評価した。10mg/kgの表XXIからの化合物で処置したrho/
VEGFマウスの網膜ではアルブミンの染色はわずかしか存在しなかった一方で(
図10
、フレームA〜C)、ビヒクルで処置したマウスの網膜は新しい血管の周囲でアルブミン
の強い染色を示し、穏やかな拡散染色が他の箇所で示された(
図10、フレームD〜F)
。アルブミン染色の平均面積は、対応する対照と比較して(それぞれn=8、
図10B)
、3mg/kg(n=10、p=0.03)または10mg/kg(n=10、p=0.
04)の表XXIからの化合物を注射したrho/VEGFマウスにおいて有意に低下し
ていた。
【0305】
開示した化合物はTet/オプシン/VEGF二重トランスジェニックマウスにおいて網
膜剥離を予防する
Tet/オプシン/VEGF二重トランスジェニックマウスは、眼血管新生および血液
漏出の極めて攻撃的なモデルを表す。ドキシサイクリンで処置した場合、これらは重篤な
血管新生および滲出性網膜剥離を発生する。ドキシサイクリンの注射を与えた場合、VE
GFのドキシサイクリン誘導性発現を有する二重トランスジェニックマウスはrho/V
EGFトランスジェニックマウスよりも10倍高いレベルのVEGFを発現し、3〜5日
以内に重篤な血管新生および滲出性網膜剥離を発生する。
【0306】
二重ヘミ接合性Tet/オプシン/VEGFマウスを、3(n=10)、10(n=8
)、もしくは50mg/kg(n=10)の表XXIからの化合物またはビヒクル(n=
10)の1日2回の皮下注射で3日間事前に処置し、その後、処置を4日間続け、その間
は50mg/kgのドキシサイクリンも注射した。4日後、マウスを安楽死させ、眼を光
切断温度(OCT)の包埋溶液中で凍結した。視神経を横切る10ミクロンの眼球切片を
Hoechst(1:1,000、Sigma、モンタナ州St.Louis)で染色し
た。切片を光学顕微鏡観察によって検査し、網膜の全長および剥離していた網膜の長さを
画像分析によって測定し、その際、研究員は処置群に関して隠されていた。剥離していた
網膜のパーセンテージを計算した。
【0307】
ビヒクルで処置したすべてのマウスでほぼ全網膜剥離が起こり(
図11A、カラム1お
よび
図11B、カラム1)、3mg/kgの表XXIからの化合物で処置したマウスでは
わずかな差異しか存在しなかった(
図11C)。
図11A、カラム2および3ならびに図
11Cに示したように、10または50mg/kgで処置したマウスは切片1つあたりの
網膜剥離のパーセンテージが有意に低下していた(p=0.04295およびp<0.0
001)。50mg/kgの表XXIからの化合物で処置したすべてのマウスは完全に付
着した網膜を有していた。
【0308】
開示した化合物はVEGF誘導性の網膜血管新生の回帰を引き起こす。
本明細書中に上述したものと同じ手順を使用して、Rho/VEGFマウスの眼を10
mg/kgの表XXIからの化合物またはビヒクルで1日2回、皮下で処置し、これはP
21に開始してP27に終えた。
図12Aはビヒクルのみを受けた対照動物の網膜を示す
一方で、
図12Bは表XXIからの化合物で処置した動物の網膜を示す。写真で見られ、
図12C中に要約されているように、表XXIからの化合物で処置した動物は網膜血管新
生の面積が減少していた。
【0309】
開示した化合物は局所投与した場合にVEGF誘導性の網膜血管新生を予防する。
本明細書中に上述したものと同じ手順を使用して、Rho/VEGFマウスの眼を、局
所的に施用した本明細書中に開示した組成物で1日3回、30mg/mlの表XXIから
の化合物が送達されるように処置し、これはP21に開始してP27に終えた。対照マウ
スはビヒクルのみで局所的に処置した。
図13Aはビヒクルのみを受けた対照動物の網膜
を示す一方で、
図13Bは表XXIからの化合物で処置した動物の網膜を示す。写真で見
られ、
図13C中に要約されているように、表XXIからの化合物で処置した動物は網膜
血管新生の面積が減少していた。
【0310】
酸素誘導性虚血性網膜症のマウスモデル
その全体で本明細書中に参考として含まれるSmith LEHら、「Oxygen−
induced retinopathy in the mouse」、Invest
.Ophthalmol.Vis.Sci.、1994年、35:101〜111によっ
て記載されている方法によって、虚血性網膜症をC57BL/6マウスで生じさせた。出
産後日数(P)7のマウスおよびその母親を気密なインキュベーター内に入れ、75±3
%の酸素の雰囲気に5日間曝した。酸素はPROOXモデル110酸素コントローラー(
Reming Bioinstruments Co.、ニューヨーク州Redfiel
d)で連続的に監視した。P12にマウスを大気に戻し、解剖顕微鏡下で、ハーバードポ
ンプ微量注入システムおよび引っ張りガラスピペット(pulled glass pi
pette)を使用して一方の眼に3μgの表XXIからの化合物の1μlの眼内注射を
与え、他方の眼にビヒクルを与えた。P17に、その全体で本明細書中に参考として含ま
れるShen Jら、「In vivo immunostaining demons
trates macrophages associate with growin
g and regressing vessels」、Invest.Ophthal
mol.Vis.Sci.、2007年、48:4335〜4341によって以前に記載
されているように、網膜の表面上の血管新生の面積をP17に測定した。手短に述べると
、マウスに0.5μgのラット抗マウスPECAM抗体(Pharmingen、カリフ
ォルニア州San Jose)を含有する1μlの眼内注射を与え、12時間後にこれら
を安楽死させ、眼を10%のホルマリン中で4時間固定した。網膜を解剖し、1:500
のAlexa488とコンジュゲートしたヤギ抗ラットIgG(Invitrogen、
カリフォルニア州Carlsbad)と共に40分間インキュベーションし、洗浄し、全
載(whole mount)した。処置群に関して隠された観察者がNikon蛍光顕
微鏡でスライドを検査し、網膜1つあたりの血管新生の面積をImagePro Plu
sソフトウェア(Media Cybernetics、メリーランド州Silver
Spring)を使用したコンピューター画像分析によって測定した。
【0311】
光受容体中にVEGFの発現増加を有するトランスジェニックマウス
ロドプシンプロモーターが光受容体中でのVEGFの発現を駆動するトランスジェニッ
クマウス(rho/VEGFマウス)は、P7にVEGF発現が開始され、P10から網
膜の深部毛細血管床からの血管新生の出芽の発生が始まり、これは光受容体層を通って成
長し、網膜下空間内に新しい血管の大規模なネットワークを形成する。P15からP21
の間、ヘミ接合性rho/VEGFマウスに3mg/kgもしくは10mg/kgの表X
XIからの化合物またはビヒクルの皮下注射を1日2回与えた。別の実験では、P15お
よびP17に、マウスに、一方の眼に3μgの表XXIからの化合物の眼内注射を与え、
他方の眼にビヒクルを与えた。P21にマウスを安楽死させ、眼を4%のパラホルムアル
デヒド中で6時間固定した。網膜を解剖し、PBS中の3%のウシ血清アルブミンで1時
間遮断した。GSAとコンジュゲートしたFITCを使用して網膜を室温で2時間染色し
、その後、光受容体側を上にして網膜をフラットマウントし、蛍光顕微鏡観察によって検
査した。網膜下血管新生の面積を画像分析によって測定し、その際、研究員は処置群に関
して隠されていた。
【0312】
レーザー誘導性脈絡膜血管新生モデル
以前に記載のように脈絡膜血管新生を生じさせた。成体のC57BL/6マウスはそれ
ぞれの眼に3箇所のブルッフ膜の破裂を有しており、その後、10もしくは30mg/k
gの表XXIからの化合物またはビヒクルの皮下注射を1日2回、14日間与えた。別の
実験では、ブルッフ膜の破裂直後および7日後に、マウスに、一方の眼に3または5μg
の表XXIからの化合物を含有する1μlの眼内注射を与え、他方の眼にビヒクルを与え
た。レーザーの14日後、マウスをフルオレセインで標識したデキストラン(平均分子量
2×10
6、Sigma、モンタナ州St.Louis)で灌流し、脈絡膜のフラットマ
ウントを蛍光顕微鏡観察によって検査した。処置群に関して隠された観察者によって、そ
れぞれのブルッフ膜の破裂部位での脈絡膜血管新生の面積を画像分析によって測定した。
1つの眼中の3つの破裂部位の脈絡膜血管新生の面積を平均して、1つの実験値を与えた
。
【0313】
血液漏出を評価するための血清アルブミンの免疫蛍光染色
P20に、rho/VEGFマウスに3もしくは10mg/kgの表XXIからの化合物またはビヒクルの皮下注射を与え、これを12時間後に繰り返した。P21に3回目の注射を与え、2時間後、マウスを安楽死させ、網膜を解剖し、その全体で本明細書中に参考として含まれるLima e Silva Rら、「Agents that bind annexin A2 suppress ocular neovascularization」、J.Cell.Physiol.、2010年、225:855〜864によって以前に記載されているように、アルブミンについて免疫蛍光染色した。GSAレクチンで対比染色することによって血管を標識した。網膜をフラットマウントし、蛍光顕微鏡観察によって検査し、アルブミン染色の面積を画像分析によって測定し、その際、研究員は処置群に関して隠されていた。
【0314】
本発明に自明かつ固有である他の利点は、当業者に明らかであろう。特定の特長および部分組合せが有用であり、これらは他の特長および部分組合せを参照せずに用い得ることを理解されたい。このことは特許請求の範囲によって企図され、その範囲内にある。本発明の範囲から逸脱せずに多くの可能な実施形態を本発明から作り得るため、本明細書中に記載したまたは添付の図面中に示したすべての事項は例示的であり、限定する意味ではないとして解釈されるべきであることを理解されたい。
【0315】
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
眼の疾患又は状態を治療するための医薬組成物であって、
以下の式:
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
または
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩を含む、
医薬組成物。
[式中、
R2、およびR4は、それぞれ独立して以下であり:
i)C1〜C6直鎖状、C3〜C6分枝状、もしくはC3〜C6環状のアルキル;
ii)フェニル;または
iii)チオフェニル;
R1は以下から選択され:
i)C1〜C6直鎖状、C3〜C6分枝状、もしくはC3〜C6環状のアルキル;または
ii)C1〜C6直鎖状、C3〜C6分枝状、もしくはC3〜C6環状のアルコキシ;
Lは以下の式を有する連結単位であり:
−CO[C(R5aH)]NHC(O)−
R5aは
i)水素;
ii)C1〜C6直鎖状もしくはC3〜C6分枝状のアルキル;または
iii)以下の式を有する単位:
−[C(R7aR7b)]tR8
R7aおよびR7bは、それぞれ独立して以下であり:
i)水素;または
ii)C1〜C6直鎖状、C3〜C6分枝状、もしくはC3〜C6環状のアルキル;
R8は以下であり:
i)水素;
ii)C1〜C6直鎖状、C3〜C6分枝状、もしくはC3〜C6環状のアルキル;または
iii)フェニル;
指数tは、0〜4である]。
(項2)
上記項1に記載の組成物であって、
眼および関連組織中の血管新生を予防するためのものである、
組成物。
(項3)
上記項1に記載の組成物であって、
眼および関連組織中の血管新生を処置するためのものである、
組成物。
(項4)
上記項1に記載の組成物であって、
網膜症を処置するためのものである、
組成物。
(項5)
上記項1に記載の組成物であって、
網膜症を予防するためのものである、
組成物。
(項6)
上記項1に記載の組成物であって、
糖尿病性黄斑浮腫を処置するためのものである、
組成物。
(項7)
上記項1に記載の組成物であって、
糖尿病性黄斑浮腫を予防するためのものである、
組成物。
(項8)
上記項1に記載の組成物であって、
加齢黄斑変性症を予防または処置するためのものである、
組成物。
(項9)
上記項1に記載の組成物であって、
糖尿病性網膜症を処置するためのものである、
組成物。
(項10)
上記項1に記載の組成物であって、
糖尿病性網膜症を予防するためのものである、
組成物。
(項11)
上記項1〜10のいずれか1項に記載の組成物であって、
Rが以下の式を有する、
組成物。
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
(項12)
上記項1〜10のいずれか1項に記載の組成物であって、
R2がメチルまたはエチルである、
組成物。
(項13)
上記項1〜10のいずれか1項に記載の組成物であって、
R2がフェニルである、
組成物。
(項14)
上記項1〜10のいずれか1項に記載の組成物であって、
R2がチオフェン−2−イルまたはチオフェン−3−イルである、
組成物。
(項15)
上記項1〜10のいずれか1項に記載の組成物であって、
Rが以下の式を有する、
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
組成物。
(項16)
上記項1〜10のいずれか1項に記載の組成物であって、
R4がメチルまたはエチルである、
組成物。
(項17)
上記項1〜10のいずれか1項に記載の組成物であって、
R4がフェニルである、
組成物。
(項18)
上記項1〜10のいずれか1項に記載の組成物であって、
R4がチオフェン−2−イルまたはチオフェン−3−イルである、
組成物。
(項19)
上記項1〜10のいずれか1項に記載の組成物であって、
化合物が以下の式または薬学的に許容されるその塩を有する、
組成物。
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
(項20)
上記項1〜10のいずれか1項に記載の組成物であって、
化合物が、アンモニウム、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ビスマス、およびリシンから選択される陽イオンの塩の形態である、
組成物。
(項21)
眼の疾患または状態を処置するための医薬組成物であって、
以下の式または薬学的に許容されるその塩を含む、
医薬組成物:
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
R4は、以下であり:
i)置換もしくは非置換のC1〜C6直鎖状、C3〜C6分枝状、もしくはC3〜C6環状のアルキル;
ii)フェニル;
iii)チアゾリル、フラニル、チオフェニル、ピラジニルおよびピリジニルから選択される置換もしくは非置換のヘテロアリール;または
iv)−CH2SO2R20、ここでR20はC1−C6直鎖状、C3−C6分岐状、もしくはC3−C6環状のアルキルもしくはフェニルであり;R4の置換基はC1−C6直鎖状、C3−C6分岐状、もしくはC3−C6環状のアルキルもしくはハロゲンから選択される;
R5aは以下である:
i)ハロゲン;
ii)C1〜C6直鎖状、C3〜C6分枝状、もしくはC3〜C6環状のアルキル;
または
iii)ベンジル]。
(項22)
上記項21に記載の組成物であって、
化合物が以下の式または薬学的に許容されるその塩を有する、
医薬組成物。
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
(項23)
上記項21に記載の組成物であって、
化合物が以下の式または薬学的に許容されるその塩を有する、
組成物。
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
(項24)
上記項21〜23のいずれか1項に記載の組成物であって、
眼および関連組織中の血管新生を予防するためのものである、
組成物。
(項25)
上記項21〜23のいずれか1項に記載の組成物であって、
眼および関連組織中の血管新生を処置するためのものである、
組成物。
(項26)
上記項21〜23のいずれか1項に記載の組成物であって、
網膜症を処置するためのものである、
組成物。
(項27)
上記項21〜23のいずれか1項に記載の組成物であって、
網膜症を予防するためのものである、
組成物。
(項28)
上記項21〜23のいずれか1項に記載の組成物であって、
糖尿病性黄斑浮腫を処置するためのものである、
組成物。
(項29)
上記項21〜23のいずれか1項に記載の組成物であって、
糖尿病性黄斑浮腫を予防するためのものである、
組成物。
(項30)
上記項21〜23のいずれか1項に記載の組成物であって、
加齢黄斑変性症を予防または処置するためのものである、
組成物。
(項31)
上記項21〜23のいずれか1項に記載の組成物であって、
糖尿病性網膜症を処置するためのものである、
組成物。
(項32)
上記項21〜23のいずれか1項に記載の組成物であって、
糖尿病性網膜症を予防するためのものである、
組成物。
(項33)
眼の疾患または状態を処置するための医薬を製造するための化合物の使用であって、
化合物が以下の式または薬学的に許容されるその塩を有する、
使用:
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
R4は、以下であり:
i)置換もしくは非置換のC1〜C6直鎖状、C3〜C6分枝状、もしくはC3〜C6環状のアルキル;
ii)フェニル;
iii)チアゾリル、フラニル、チオフェニル、ピラジニル及びピリジニルから選択される置換もしくは非置換のヘテロアリール;または
iv)−CH2SO2R20、ここでR20はC1−C6直鎖状、C3−C6分岐状、もしくはC3−C6環状のアルキルもしくはフェニルであり;R4の置換基はC1−C6直鎖状、C3−C6分岐状、もしくはC3−C6環状のアルキルもしくはハロゲンから選択される;
R5aは以下である:
i)ハロゲン;
ii)C1〜C6直鎖状、C3〜C6分枝状、もしくはC3〜C6環状のアルキル;
または
iii)ベンジル]。
(項34)
上記項33に記載の使用であって、
化合物が以下の式または薬学的に許容されるその塩を有する、
使用。
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
(項35)
上記項33に記載の使用であって、
化合物が以下の式または薬学的に許容されるその塩を有する、
使用。
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
(項36)
上記項33〜35のいずれか1項に記載の使用であって、
前記医薬は眼および関連組織中の血管新生を処置するために使用するものである、
使用。
(項37)
上記項33〜35のいずれか1項に記載の使用であって、
前記医薬は眼および関連組織中の血管新生を予防するために使用するものである、
使用。
(項38)
上記項33〜35のいずれか1項に記載の使用であって、
前記医薬は網膜症を処置するために使用するものである、
使用。
(項39)
上記項33〜35のいずれか1項に記載の使用であって、
前記医薬は網膜症を予防するために使用するものである、
使用。
(項40)
上記項33〜35のいずれか1項に記載の使用であって、
前記医薬は糖尿病性黄斑浮腫を処置するために使用するものである、
使用。
(項41)
上記項33〜35のいずれか1項に記載の使用であって、
前記医薬は糖尿病性黄斑浮腫を予防するために使用するものである、
使用。
(項42)
上記項33〜35のいずれか1項に記載の使用であって、
前記医薬は加齢黄斑変性症を処置するために使用するものである、
使用。
(項43)
上記項33〜35のいずれか1項に記載の使用であって、
前記医薬は加齢黄斑変性症を予防するために使用するものである、
使用。
(項44)
上記項33〜35のいずれか1項に記載の使用であって、
前記医薬は糖尿病性網膜症を処置するために使用するものである、
使用。
(項45)
上記項33〜35のいずれか1項に記載の使用であって、
前記医薬は糖尿病性網膜症を予防するために使用するものである、
使用。