特許第6243891号(P6243891)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243891
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】物品探索システム
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20171127BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20171127BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20171127BHJP
   G08B 21/24 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   G06K7/10 252
   G06K7/10 276
   G06K19/07 060
   G06K19/077 120
   G08B21/24
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-227385(P2015-227385)
(22)【出願日】2015年11月20日
(65)【公開番号】特開2017-97524(P2017-97524A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2017年8月29日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)ウェブサイトのアドレス:http://www.sakuranetjapan.co.jp/index.html ウェブサイトの掲載日:平成27年5月24日 (2)刊行物名:カタログ「超便利!!さがしもの発見ツール BELLNAVI ベルナビで探せ! スマホで見つかるさがしもの」 発行日:平成27年5月27日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514162302
【氏名又は名称】桜ネットジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081271
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 芳春
(74)【代理人】
【識別番号】100162189
【弁理士】
【氏名又は名称】堀越 真弓
(72)【発明者】
【氏名】村田 朝子
【審査官】 月野 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−85534(JP,A)
【文献】 特開2016−213788(JP,A)
【文献】 特開2010−33134(JP,A)
【文献】 特開2000−207657(JP,A)
【文献】 特開2003−23385(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0102102(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/10
G06K 19/07
G06K 19/077
G08B 21/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末と、該携帯端末との間で無線通信可能であり、探索すべき少なくとも1つの物品内又は該少なくとも1つの物品近傍にそれぞれ配置される少なくとも1つのタグユニットとを含む物品探索システムであって、
前記携帯端末は、前記少なくとも1つのタグユニットに対応する前記少なくとも1つの物品を登録する登録手段と、登録した前記少なくとも1つの物品を表示する表示手段と、表示した前記少なくとも1つの物品のうち選択された物品に対応するタグユニットとの間で通信を確立し、該対応するタグユニットに報知信号を発信する発信手段と、電池切れお知らせ手段とを備えており、
前記少なくとも1つの物品のうち選択された物品に対応する前記タグユニットは、前記報知信号を受け取った際に報知音を発生する報知音発生手段を備えており、
前記携帯端末の前記電池切れお知らせ手段は、登録した前記少なくとも1つの物品に対応する前記少なくとも1つのタグユニットに関して、前記報知音の発生回数に応じて定まる期間が、前記登録手段によって登録した時期から経過した際に、前記少なくとも1つのタグユニットに関する電池切れの通知を行うように構成されていることを特徴とする物品探索システム。
【請求項2】
前記電池切れお知らせ手段は、登録した前記少なくとも1つの物品に対応する前記少なくとも1つのタグユニットに関して、前記登録手段によって登録した時期からの経過時間が、所定期間を少なくとも前記報知音の発生回数で補正した閾値以上となった際に、前記少なくとも1つのタグユニットに関する電池切れの通知を行うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の物品探索システム。
【請求項3】
前記電池切れお知らせ手段は、登録した前記少なくとも1つの物品に対応する前記少なくとも1つのタグユニットに関して、前記登録手段によって登録した時期からの経過時間について所定期間を少なくとも前記報知音の発生回数で補正した経過時間が、所定の閾値以上となった際に、前記少なくとも1つのタグユニットに関する電池切れの通知を行うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の物品探索システム。
【請求項4】
前記電池切れお知らせ手段は、前記報知音の発生回数に応じて定まる期間が前記登録手段によって登録した時期から経過した際に、当該少なくとも1つのタグユニットに対応する前記少なくとも1つの物品の表示を変更する手段であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の物品探索システム。
【請求項5】
前記携帯端末と、前記少なくとも1つのタグユニットとは、Bluetooth(登録商標) Low Energy規格によって通信を確立するように構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の物品探索システム。
【請求項6】
前記携帯端末は、前記報知信号としてBluetooth(登録商標) Low Energy規格の標準サービスである所定のコマンドを前記少なくとも1つのタグユニットに送信し、該所定のコマンドを受信した前記少なくとも1つのタグユニットは前記報知音発生手段に所定信号を出力するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の物品探索システム。
【請求項7】
前記タグユニットが前記少なくとも1つの物品とは独立したハウジング内に設けられており、該ハウジングが前記少なくとも1つの物品に取り付けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の物品探索システム。
【請求項8】
前記タグユニットが前記少なくとも1つの物品の内部に設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の物品探索システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品がどこにあるかを探すための物品探索システムに係り、特に複数の物品について選択的に探索可能な物品探索システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、置き忘れた鍵や書類等の多数の物品の中から特定のものを探索する物品探索装置が記載されている。この物品探索装置においては、物品にタグが取り付けられ、このタグにはLED(発光ダイオード)、ランプ等の発光素子及び/又はブザー等の発音素子、及び電池等が取り付けられる。タグの内部には、外部信号に応じて発光素子、発音素子等を動作せしめるための受信装置が含まれ、アンテナによって受信された信号は受信回路により適宜選択、増幅され、復調回路により復号される。この復号信号は物品の所有者を識別するコ−ド信号であり、識別回路はこの識別信号を記憶装置が記憶する所有者情報と照合し、両者が一致する場合には発光素子及び/又は発音素子を駆動する。これにより、見失った物品を発見する。
【0003】
特許文献2には、目的の物体を見付けるための物体の存在位置探索システムが記載されている。この存在位置探索システムは、1台の特定小電力無線の携帯無線機と、12個の通信タグで構成されている。携帯無線機には、物体と対応させた各通信タグの認識番号と物体名、キーワードが登録されている。通信タグは、ダンボール箱や衣装缶の中若しくは引き出しやバッグの中に入れるか、鍵のキーホルダーやメガネ入れ等の各種物体に取り付ける。通信タグは、特定小電力無線の受信回路、受信した信号のデジタル変換回路、それら回路を作動させる電池電源、及び受信した信号が物品を代表する信号に一致したら作動する音、光及び/又は応答電波の発生手段を備えている。この通信タグには、予め物体と対応した認識番号を入力しておく。物体を探す時は、携帯無線機に探したい物体に取り付けた通信タグの認識番号を入力して、「探知ボタン」を押せば、1秒程度で、該当する通信タグがブザー音と光を発するので、「探知ボタン」を間欠的に押しながら家の中を一巡すれば、目的の物体を容易に見付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−207657号公報
【特許文献2】特開2003−023385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したごとき従来の物品探索技術によれば、見失った物品をタグユニットの発する音によって探索することは可能であるが、タグユニットに設けられた電池の消耗により電池切れが生じて探索ができなくなる不都合が発生していた。
【0006】
このような不都合を解消するため、タグユニットの電池電圧を検知して探索側の装置(携帯無線機側)に通知する技術も存在するが、これはタグユニット側の回路構成が複雑となり、このような電圧検知及び送信機構を設けることによって電池の消耗がより促進されてしまうおそれもあった。
【0007】
従って本発明の目的は、タグユニット側の構成を複雑化させることなく簡易な構成で、タグの電池切れの通知が可能な物品探索システムを提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、タグユニットの電池の消耗を低減させることが可能な物品探索システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、物品探索システムは、携帯端末と、この携帯端末との間で無線通信可能であり、探索すべき少なくとも1つの物品内又は少なくとも1つの物品近傍にそれぞれ配置される少なくとも1つのタグユニットとを含んでいる。携帯端末は、少なくとも1つのタグユニットに対応する少なくとも1つの物品を登録する登録手段と、登録した少なくとも1つの物品を表示する表示手段と、表示した少なくとも1つの物品のうち選択された物品に対応するタグユニットとの間で通信を確立し、この対応するタグユニットに報知信号を発信する発信手段と、電池切れお知らせ手段とを備えている。少なくとも1つの物品のうち選択された物品に対応するタグユニットは、報知信号を受け取った際に報知音を発生する報知音発生手段を備えている。携帯端末の電池切れお知らせ手段は、登録した少なくとも1つの物品に対応する少なくとも1つのタグユニットに関して、報知音の発生回数に応じて定まる期間が、登録手段によって登録した時期から経過した際に、少なくとも1つのタグユニットに関する電池切れの通知を行うように構成されている。
【0010】
電池切れお知らせ手段は携帯端末に設けられており、携帯端末内のみで電池切れの通知処理を行うように構成されており、タグユニットとは一切通信を行わない。従って、タグユニットには、電池切れを検知する機能もその電池切れを携帯端末に通知する通信機能も設ける必要がないため、タグユニット側の構成が非常に簡易となり、また、タグユニットの電池の消耗を低減化することができる。
【0011】
電池切れお知らせ手段は、登録した少なくとも1つの物品に対応する少なくとも1つのタグユニットに関して、登録手段によって登録した時期からの経過時間が、所定期間を少なくとも報知音の発生回数で補正した閾値以上となった際に、少なくとも1つのタグユニットに関する電池切れの通知を行うように構成されていることも好ましい。
【0012】
電池切れお知らせ手段は、登録した少なくとも1つの物品に対応する少なくとも1つのタグユニットに関して、登録手段によって登録した時期からの経過時間について所定期間を少なくとも報知音の発生回数で補正した経過時間が、所定の閾値以上となった際に、少なくとも1つのタグユニットに関する電池切れの通知を行うように構成されていることも好ましい。
【0013】
電池切れお知らせ手段は、報知音の発生回数に応じて定まる期間が登録手段によって登録した時期から経過した際に、この少なくとも1つのタグユニットに対応する少なくとも1つの物品の表示を変更する手段であることが好ましい。
【0014】
携帯端末と、少なくとも1つのタグユニットとは、Bluetooth(登録商標) Low Energy(BLE)規格によって通信を確立するように構成されていることも好ましい。
【0015】
この場合、携帯端末は、報知信号としてBLE規格の標準サービスである所定のコマンドを少なくとも1つのタグユニットに送信し、所定のコマンドを受信した少なくとも1つのタグユニットは報知音発生手段に所定信号を出力するように構成されていることがより好ましい。
【0016】
タグユニットが少なくとも1つの物品とは独立したハウジング内に設けられており、このハウジングが少なくとも1つの物品に取り付けられているか、又はタグユニットが少なくとも1つの物品の内部に設けられていることも好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、タグユニットには電池切れを検知する機能もその電池切れを携帯端末に通知する通信機能も設ける必要がないため、タグユニット側の構成が非常に簡易となり、また、タグユニットの電池の消耗を低減化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態における物品探索システム全体の構成を概略的に示すブロック図である。
図2図1の物品探索システムにおける携帯端末の構成を概略的に示すブロック図である。
図3図1の物品探索システムにおけるタグユニットの構成を概略的に示すブロック図である。
図4図1の物品探索システムにおけるタグユニットの登録処理の内容を概略的に示すフローチャートである。
図5】登録処理における携帯端末の画面表示例を示す図である。
図6】登録処理における携帯端末の画面表示例を示す図である。
図7】登録処理における携帯端末の画面表示例を示す図である。
図8】登録処理における携帯端末の画面表示例を示す図である。
図9図1の物品探索システムにおけるタグユニット探索処理の内容を概略的に示すフローチャートである。
図10】探索処理における携帯端末の画面表示例を示す図である。
図11】探索処理における携帯端末の画面表示例を示す図である。
図12】探索処理における携帯端末の画面表示例を示す図である。
図13】探索処理における携帯端末の画面表示例を示す図である。
図14図1の物品探索システムにおけるタグユニットの電池切れお知らせ処理の内容を概略的に示すフローチャートである。
図15】電池切れお知らせ処理における携帯端末の画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は本発明の一実施形態における物品探索システム全体の構成を概略的に示している。
【0020】
同図に示すように、携帯タブレット、スマートフォン、モービルフォン、PDA(携帯情報端末)、携帯パソコン、その他小型の携帯可能なコンピュータ、移動端末、及び携帯電話機等の携帯端末10は、例えば鍵11、リモコン12、カバン13及びノート14等の物品に、紐、ワイヤ、鎖若しくはリング等を用いて取り付けるか又は接着して取り付けられたタグ11a、12a、13a及び14aと、Bluetooth(登録商標) Low Energy(BLE)によって、双方向通信が可能となっている。
【0021】
図2はこの物品探索システムにおける携帯端末10の構成を概略的に示している。
【0022】
携帯端末10は、ハードウェア上は、マルチコア及びキャッシュを含むCPU(セントラルプロセッシングユニット)、GPU(グラフィックプロセッシングユニット)、メモリコントローラ、周辺デバイスコントローラ、及びディスプレイコントローラを一般的に有するアプリケーションプロセッサ10aと、アプリケーションプロセッサ10aに接続されており、メインメモリを構成しているDRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)10bと、アプリケーションプロセッサ10aに接続されており、OS(オペレーションシステム)やアプリケーションプログラム(以下、アプリ)が格納されているフラッシュメモリ10cと、アプリケーションプロセッサ10aに接続されているベースバンドプロセッサ10dと、ベースバンドプロセッサ10dに接続されている電話及び一般通信用の無線部10eと、無線部10eに接続されているアンテナ10fと、アプリケーションプロセッサ10a及びベースバンドプロセッサ10dに接続されている電源・オーディオ用LSI(半導体集積回路)チップ10gと、電源・オーディオ用LSIチップ10gに接続されているバッテリ10hと、電源・オーディオ用LSIチップ10gに接続されているスピーカ10iと、アプリケーションプロセッサ10aに接続されているタッチパネル式のディスプレイ10jと、アプリケーションプロセッサ10aに接続されているBluetooth送受信部10kと、アプリケーションプロセッサ10aに接続されている、例えばカメラ、無線LAN(ローカルエリアネットワーク)、GPS(グローバルポジショニングシステム)及びセンサ類等からなる周辺デバイス10lとを備えている。
【0023】
アプリケーションプロセッサ10aに設けられているCPUは、OSやブートプログラム等の基本プログラムに従ってフラッシュメモリ10cに記憶されているアプリを実行して本実施形態の処理を行うように構成されている。また、CPUは、このアプリケーションプロセッサ10aの動作を制御するように構成されている。
【0024】
DRAM10bはメインメモリとして使用され、フラッシュメモリ10cから転送されたプログラムやデータを一時的に保存するように構成されている。また、このDRAM10bは、プログラム実行時の各種データが一時的に保存されるワークエリアとしても使用される。
【0025】
Bluetooth送受信部10kは、アプリケーションプロセッサ10aの指示によりBluetooth4.0(BLE)の双方向通信を行う送受信機構(図示なし)及びBluetoothアンテナ(図示なし)を備えている。
【0026】
このような構成の携帯端末10において、アプリケーションプロセッサ10aは、プログラム起動時は、まず、DRAM10d内にプログラム記憶領域、データ記憶領域及びワークエリアを確保し、フラッシュメモリ10cからプログラム及びデータを取り込んで、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域に格納する。次いで、このプログラム記憶領域に格納されたプログラムに基づいてアプリケーション処理を実行する。なお、アプリケーションプロセッサ10aがフラッシュメモリ10cからプログラム及びデータを直接的に取り込んで、このプログラムに基づいてアプリケーション処理を実行しても良い。
【0027】
図3はこの物品探索システムにおけるタグユニットの構成を概略的に示している。
【0028】
本実施形態においては、タグ11a、12a、13a及び14aの各々の内部に図3に示すごときタグユニット30が設けられている。なお、物品の種類によってはタグを設けることなく、タグユニット30を物品内に直接的に配置しても良い。
【0029】
タグユニット30内には、BluetoothICチップ30a、Bluetoothアンテナ30b、ボタン電池等の電池30c、チャージポンプ昇圧回路30d及び圧電ブザー30eが主に設けられており、携帯端末10からBluetoothを介して報知信号が送信された場合に、報知音であるブザー音を圧電ブザー30eから発生させる。
【0030】
このような構成の物品探索システムにおいて、携帯端末10の探索アプリには、各タグユニットの登録処理、各タグユニットの探索処理及び各タグユニットの電池切れ通知処理を行うプログラムが含まれている。以下、これらの処理について詳細に説明する。
【0031】
図4はこの探索アプリにおけるタグユニットの登録処理の内容を概略的に示している。
【0032】
携帯端末10において、探索アプリが起動されると、タグユニットの登録リストが画面上に表示される(ステップS1)。全てのタグユニットが未登録状態の場合、リスト50aを含む全てのリストが空白行となっている図5に示すような未登録リスト画面50が表示される。
【0033】
携帯端末10のアプリは、この未登録リストのうちの1つが長押しされたかどうか判別しており(ステップS2)、長押しされたと判別した場合(YESの場合)は、図6に示すタグユニット(ベルラツール)の登録の動作説明画面60を表示する(ステップS3)。これにより、ユーザがこのタグユニットに電池を入れて、画面60の接続開始ボタン60aを押すと、このタグユニットと携帯端末10との間でペアリング動作が開始される。携帯端末10のアプリは、接続開始ボタン60aが押されたかどうか判別し(ステップS4)、押されたと判別した場合(YESの場合)はペアリングを開始すると共に、図7に示すような処理中の画面70を表示する(ステップS5)。
【0034】
次いで、携帯端末10のアプリは、ペアリングが成功したか否かを判別し(ステップS6)、成功したと判別した場合(YESの場合)は、図8に示すように、画面80上にタグユニットに関する物品名及びアイコンの表示を行い、そのタグユニットに関して入力された物品名及び選択されたアイコン80aを登録し(ステップS7)、この登録処理を終了する。この登録は、各タグユニットについて行われ、そのタグユニットの物理アドレスであるMAC ID、そのタグユニットが取り付けられた物品の名称、そのアイコンID、登録時刻、及びリスト上の表示位置等が紐付けされてDRAM10bの所定の位置に記憶される。
【0035】
図9はこの探索アプリにおけるタグユニット探索処理の内容を概略的に示している。
【0036】
携帯端末10において、探索アプリが起動されると、図10に示すように、登録されたタグユニットのアイコン及び物品名のリスト100aを示す画面100を表示する(ステップS11)。
【0037】
次いで、携帯端末10のアプリは、この登録リストのうちの1つの物品が押されたかどうか判別する(ステップS12)。押されたと判別した場合(YESの場合)は、その物品に関するタグユニットの物理アドレスであるMAC IDをDRAM10bから読み出し、このMAC IDに基づいてそのタグユニットに応答要求を行ってBluetooth通信を確立する(ステップS13)。図11はこの場合に表示される画面110を示している。なお、同図において110aはこの動作のキャンセルボタンである。
【0038】
次いで、携帯端末10のアプリは、このタグユニットにコマンドを送りブザーを鳴らす(ステップS14)。具体的には、Bluetooth通信のBLE標準プロファイルであるGATT Immediate Alartコマンドを「Alart Level High」パラメータと共に発行し、そのタグユニットのBluetoothICチップ30aからチャージポンプ昇圧回路30dへ所定周波数の報知音信号を所定時間(例えば約5〜15秒間)出力し、圧電ブザー30eをその間駆動することによりブザー音(報知音)を発生する。図12はこの場合に表示される画面120を示している。
【0039】
次いで、携帯端末10のアプリは、このブザー音をもう一度鳴らすボタン130aが押されたかどうか判別する(ステップS15)。携帯端末10には、図12の画面120に続いて図13に示す画面130が表示される。この画面130は、タグユニットに取り付けられた物品が見つかったかどうかをユーザに聞くものである。物品が見つからず、ユーザがもう一度鳴らすボタン130aを押したと判別した場合(YESの場合)は、アプリはステップS14の処理を再度実行する。これにより、タグユニットの圧電ブザー30eからブザー音が所定時間(例えば約5〜15秒間)の間、再度発生する。もう一度鳴らすボタン130aが押されなかったと判別した場合(NOの場合)は、この探索処理を終了する。
【0040】
図14はこの探索アプリにおけるタグユニットの電池切れお知らせ処理の内容を概略的に示している。携帯端末10のアプリは、タグユニットが登録されると、この電池切れお知らせ処理を開始する。
【0041】
まず、各タグユニットについて、登録時から現在までの経過時間を計算する(ステップS21)。
【0042】
一方、そのタグユニットに関して、電池切れに関する閾値の補正を行う(ステップS22)。この補正は、環境や負荷等に応じた補正、及び登録時から現在までにブザーを鳴らした回数に応じた補正を行う。具体的には、例えば、基準時間Tから環境や負荷等に応じた補正値TEC及びブザーを鳴らした回数Nに応じた補正値TNCを減算する補正を行う。即ち、補正した閾値はT−TEC−TNCとなる。単なる一例であるがT=365(日)、TEC=60(日)、TNC=0.1(日)×Nとすると、補正した閾値は365−60−0.1×N(日)である。
【0043】
次いで、計算した経過時間が補正された閾値以上であるか否かを判別する(ステップS23)。閾値未満であると判別した場合(NOの場合)は、ステップS21へ戻り、ステップS21〜S23の処理を繰り返す。閾値以上であると判別した場合(YESの場合)は、そのタグユニットに関して電池切れの警告の通知を行う(ステップS24)。例えば、図15に示すように、そのタグユニットに関する物品(図示の例では仕事用のサイフ)リスト150aの背景色を変化させたり点滅させ、さらにメッセージウィンドウにその旨の警告を行った画面150を携帯端末10に表示することにより通知する。
【0044】
次いで、登録された全てのタグユニットに関して電池切れの上述の処理を行ったか否かを判別する(ステップS25)。全タグユニットに関して処理を行っていないと判別した場合(NOの場合)は、ステップS21へ戻り、ステップS21〜S25の処理を繰り返す。全タグユニットに関して処理を行ったと判別した場合(YESの場合)は、この電池切れお知らせ処理を終了する。
【0045】
電池切れの通知を受けたユーザは、その物品リストを長押しして登録を解除し、対応するタグユニットの電池交換を行って、そのタグユニットを再登録する。
【0046】
なお、図14に基づく上述の電池切れお知らせ処理では、電池切れに関する閾値を環境や負荷等及びブザーを鳴らした回数に応じて補正しているが、閾値を補正することなく、計算した経過時間を環境や負荷等及びブザーを鳴らした回数に応じて補正しても良いことは明らかである。
【0047】
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、携帯端末10のアプリ側のみでタグユニットの電池切れの通知処理を行うように構成されており、その際にタグユニットとは一切通信を行わない。従って、タグユニットには、電池切れを検知する機能もその電池切れを携帯端末10に通知する通信機能も設ける必要がないため、タグユニット側の回路構成が非常に簡易となり、また、タグユニットの電池の消耗を低減化することができる。
【0048】
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【符号の説明】
【0049】
10 携帯端末
10a アプリケーションプロセッサ
10b DRAM
10c フラッシュメモリ
10d ベースバンドプロセッサ
10e 無線部
10f アンテナ
10g 電源・オーディオ用LSIチップ
10h バッテリ
10i スピーカ
10j タッチパネル式のディスプレイ
10k Bluetooth送受信部
10l 周辺デバイス
11 鍵
11a、12a、13a、14a タグ
12 リモコン
13 カバン
14 ノート
30 タグユニット
30a BluetoothICチップ
30b Bluetoothアンテナ
30c ボタン電池等の電池
30d チャージポンプ昇圧回路
30e 圧電ブザー
50 未登録リスト画面
50a、100a、150a リスト
60 動作説明画面
60a 接続開始ボタン
70、80、100、110、120、130、150 画面
80a アイコン
110 キャンセルボタン
130a もう一度鳴らすボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15