(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記撮像ハンドル区分は、回路を保持する内部を有し、前記回路は、前記撮像トランスデューサを外部撮像ディスプレイに接続するように構成され、前記針ハンドル区分は、タイン針構造を前進させるための機構を含む、請求項3に記載のシステム。
前記投影手段は、ユーザが前記ディスプレイ上で前記処置限界および/または安全限界のサイズおよび/または位置を仮想的に調整することを可能にするように構成されたユーザインターフェースを備える、請求項7に記載のシステム。
前記針の近位端に連結された針キャリッジをさらに備え、前記針キャリッジは、前記針を前進させるように前記ハンドル内で軸方向に摺動し、前記キャリッジは、針前進を制限するように前記針停止筐体に係合する、請求項15に記載のシステム。
前記タインの近位端(単数または複数)に連結されたタインスライドをさらに備え、前記タインスライドは、前記針から前記タインを前進させるように前記針キャリッジ上で軸方向に摺動し、前記タインスライドは、タイン前進を制限するように前記タイン停止部に係合する、請求項18に記載のシステム。
前記針停止部上に回転可能ノブをさらに備え、前記ノブは、前記ハンドルに対して前記針停止部を手動で前進および後退させるために使用されることができ、前記ノブは、前記ノブの回転が前記針キャリッジ上の前記タイン停止部を前進および後退させることができるように、前記タイン停止部に連結され、それにより、前記ノブの軸方向平行移動は、前記ディスプレイ上に投影される前記処置限界および/または安全限界の前記位置を制御し、前記ノブの回転は、前記ディスプレイ上に投影される前記処置限界および/または安全限界の前記サイズを制御する、請求項19に記載のシステム。
【背景技術】
【0003】
患者の体内の器官および組織の現在の医療処置は、多くの場合、エネルギー、治療薬、または同等物の送達のために、針または他の細長い本体を使用する。随意に、本方法は、処置標的を観察して識別し、処置標的に対する針の位置を追跡するために、超音波画像法を使用する。
【0004】
本発明にとって特に興味深いこととして、患者の子宮の中の処置デバイスの経膣または腹腔鏡下位置決めに依存する、子宮筋腫の処置が、近年提案されている。無線周波数または他のエネルギーあるいは治療送達針が、デバイスから筋腫の中へ展開され、エネルギーおよび/または治療物質が、筋腫を切除または処置するために送達される。筋腫の場所を特定し、筋腫内に針を位置付けることを容易にするために、本デバイスは、針を支持する軸方向シャフトに対して略順方向または横方向に調整可能な視野を伴う超音波画像アレイを含む。針は、シャフトから視野を横断して前進させられ、それによって、針を可視化し、組織および標的筋腫の中へ指向することができる。
【0005】
患者のために効果的かつ非常に有益であるが、そのような針切除および処置プロトコルは、いくつかの課題に直面する。第1に、針の初期展開は、特に、あまり経験がない医師にとって困難であり得る。医師は、撮像画面上でリアルタイムに組織および標的生体構造を視認することができるが、針が辿る経路を正確に予測し、その最終処置位置を査定することは困難であり得る。針を確かに部分的または完全に後退させ、再展開することができるが、処置が達成される前に必要とされる展開の数を最小限化することが有利であろう。
【0006】
第2の課題が、針が展開された後に生じる。針の位置を超音波画像または他の視覚画像上で観察することができるが、エネルギーまたは他の治療送達に起因する処置容量は、予測することが困難であり得る。初期位置付けと同様に、経験が役立つであろうが、判断および推測をする必要性を低減させることが望ましいであろう。
【0007】
第3の課題は、子宮筋層を包囲する漿膜等の、近くの敏感な組織構造が非意図的に損傷されないことを確実にすることにある。処置容量の判断と同様に、処置の安全域を予測することは困難であり得る。
【0008】
本願と同一人に譲渡された米国特許第8,088,072号は、処置される筋腫または他の組織構造のリアルタイム画像上で安全限界および処置限界を投影するためのシステムを説明する。単一の針とともに使用されるときに非常に効果的であるが、第‘072号特許のシステムは、共同所有される米国特許第8,206,300号および第8,262,574号で教示されるもの等の複数の針/タインアセンブリとともに使用するために最適化されていない。
【0009】
これらの理由により、エネルギー送達または他の治療プロトコルにおいて、超音波または他の撮像視野内のエネルギー送達および他の針の展開のための改良型システムおよび方法を提供することが望ましいであろう。針アセンブリが処置される標的生体構造に対して適正に位置付けられる可能性を向上させるために、複数の針またはタインの初期展開を支援する情報を、処置を行う医師に提供することが、特に有用である。また、処置容量を正確に予測することに役立つように、フィードバックを医師に提供することも望ましい。そのような情報は、必要であれば、生体構造を完全に処置する可能性を増加させるために、医師がプローブを再配置することを可能にするはずである。さらに、フィードバックを医師に提供して、敏感な組織構造が損傷されないように、医師が安全域を査定することを可能にすることが望ましい。全てのそのようなフィードバックまたは他の情報は、好ましくは、針の位置を迅速に予測し、査定し、処置を開始することができるように、超音波または他の撮像画面上に視覚的に提供される。これは、システムコントローラまたはディスプレイ上にデータまたはコマンドを入力する必要性を最小限化しながら、プローブの操作に応答して、フィードバック情報がディスプレイ画面上に提示された場合にさらに望ましく、プローブのそのような操作が、後続の針展開の範囲を制御する停止部または他の限度を設定することができる場合に、なおもさらに望ましい。これらの目的のうちの少なくともいくつかは、以降で説明される本発明によって満たされるであろう。
【0010】
2.背景技術の説明
米国特許第8,088,072号、第8,206,300号、および第8,262,574号が、上記で説明されており、参照することにより本明細書に組み込まれる。本願と同一人に譲渡された米国特許第7,918,795号は、子宮筋腫の撮像および処置の両方に有用なプローブを説明し、そのプローブは、本願のシステムおよび方法で使用することができ、参照することにより本明細書に組み込まれる。システムにおいて子宮筋腫を処置するために有用なプローブを説明する、他の同一人に譲渡された特許および公開出願は、米国特許第7,874,986号および第7,815,571号、ならびに米国特許公開第2007/0179380号および第2008/0033493号を含む。また、米国特許第6,050,992号および米国特許公開第2007/0006215号も参照されたい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、組織の中で針構造を展開するための方法およびシステムを提供する。針構造は、場合によっては、単一の針を備えるが、ほとんどの場合、以下でさらに詳細に説明されるように、複数の針または針およびタインアセンブリを備える。針構造は、通常、治療を組織に送達することを目的としており、最も典型的には、無線周波数エネルギー、プラズマエネルギー、治療超音波エネルギー、マイクロ波エネルギー、熱、低温(低温処置)、または他のエネルギーを送達して、標的組織あるいは組織内の標的生体構造を切除するか、または別様に改変するように構成されている。代替として、針構造はまた、薬剤または他の物質送達、細切除去術、または針構造を使用して達成することができる他の組織処置を提供することもできる。
【0013】
本発明の方法およびシステムは、患者の子宮内の筋腫を処置するために特に好適であり、針構造および撮像トランスデューサ、典型的には、超音波撮像トランスデューサを支持するプローブが、経膣的または経頸管的に子宮に導入され、または他の場合においては、子宮または他の器官あるいは組織標的の中へ、その外部を通して腹腔鏡下で導入される。プローブは、以下でさらに詳細に説明されるように、切除エネルギーを筋腫に送達するように子宮内で操作される。本発明のほとんどの実施形態では、針構造は、実際の組織における針の実際の展開に先立って、組織のリアルタイム画像上で「仮想的に」展開される。組織内の処置限界および/または安全限界もまた、針構造の実際の展開に先立って決定され、随意に調整される。他の実施形態では、針構造の実際の位置が追跡されてもよく、対応する処置限界および/または安全限界が、リアルタイムで画面上に投影されてもよい。全ての実施形態では、処置が開始される前に処置限界および安全限界をチェックすることができる。
【0014】
本発明の方法およびシステムはさらに、仮想展開のパラメータが仮想画像を使用して選択されると、針構造が実際に、仮想展開構成に合致する場所および/またはパターンで実際の組織の中に展開されることを提供する。第1の例示的実施形態では、そのような展開は、リアルタイム画像上の仮想展開中にプローブ上の「停止部」または他の機械的要素を操作することによって達成される。停止位置は、実際の針展開位置に対応し(停止部は、典型的には、針構造が特定の場所に特定のパターンで展開されることを可能にする制限としての役割を果たす)、本システムは、停止位置と、システムコントローラに供給されるかまたはそれによって生成されるエネルギー送達データとに基づいて、処置限界および/または安全限界を計算する。本システムは、代替として、または加えて、子宮内の処置プローブおよび/または針構造の位置を追跡してもよく、したがって、処置を行う医師によってプローブが移動させられ、針構造が前進させられると、組織のリアルタイム画像上に投影される処置限界および安全限界が計算および/または更新されることを可能にする。第1の例示的実施形態では、いったん処置領域および/または安全限界が、処置される生体構造に対してリアルタイム画像上に適正に位置付けられると、医師がプローブを定位置で保持し、初期撮像および処置の設定段階中にプローブの中に事前設定された、その「停止」位置(単数または複数)に到達するまで、針構造を展開してもよい。場合によっては、医師が処置プローブ上の制御部を使用して画面上で処置限界および/または安全限界を操作すると、停止部が、自動的に設定され得る。代替実施形態では、医師は、仮想投影を予見することなく、リアルタイムで安全限界および/または処置限界を視認しながら、プローブを操作し、針構造を前進させてもよい。
【0015】
例示的実施形態では、少なくとも1本の主要または中心針が、処置プローブから展開され、複数のタインまたは二次針が、主要または中心針(単数または複数)から展開される。ほとんどの場合、プローブの中心軸に沿ってプローブのシャフトから遠位に展開される単一の主要針がある。次いで、複数のタインが、遠位に分岐するパターンで単一の針から前進させられる。他の実施形態では、複数の針またはタインが、主要または中心針を使用することなく、プローブから前進させられてもよい。そのような場合において、針またはタインは、典型的には、遠位に前進させられると3次元アレイに拡張または分岐する。
【0016】
撮像され、後に処置され得る、例示的な解剖学的特徴は、筋腫、腫瘍、被包性組織塊、偽被包性組織塊、および同等物を含む。本発明にとって特に興味深いこととして、プローブは、子宮の中に位置付けられてもよく、針構造は、子宮の子宮筋層組織内に位置する筋腫に近接する、または筋腫内の場所に展開されてもよい。そのような場合において、本明細書で説明されるエネルギー媒介処置によって損傷され得る子宮筋層および/または他の敏感な解剖学的特徴を包囲する漿膜を撮像することも望ましい。
【0017】
本明細書で使用される場合、処置領域は、(「停止部」によって設定されるか、または針構造が展開されるときにリアルタイムで計算されるかのいずれかの)針構造展開構成、およびシステムコントローラによって設定されるか、またはそれに入力されるエネルギー送達パラメータに基づいて、システムコントローラによって計算される処置限界によって画定される。選択された場所において選択されたパターンで展開される針構造によって送達されるエネルギーまたは他の治療は、切除または他の治療結果を達成するように、標的組織を効果的に処置する。したがって、以下で説明されるように、処置領域が、システムのリアルタイム画像ディスプレイ上で見られるような処置される生体構造を少なくとも部分的に包囲するように、プローブならびに針構造停止部(単数または複数)および/または実際の針構造を操作することが望ましい。
【0018】
本明細書でさらに使用される場合、安全領域は、システムによって計算される安全限界によって画定される。処置領域と同様に、安全限界は、医師によって処置プローブ上で設定または調整された針構造「停止部」および/または実際の針構造の位置、ならびにシステムコントローラに入力されるか、またはそれによって設定されるエネルギー送達パラメータに基づいて、計算される。安全限界は、組織を損傷する危険性が低減されるかまたは完全に排除される組織処置領域の限界を超える最小閾値距離に安全限界が設定されるという点で、処置限界とは異なる。
【0019】
本発明の第1の側面では、組織の中で針構造を展開するための方法は、処置される組織の表面付近に、例えば、子宮の子宮筋層の上の子宮壁に隣接して、展開可能な針構造を有する処置プローブを位置付けることを含む。典型的には、処置プローブによって支持される超音波アレイ等の撮像トランスデューサを使用して、組織のリアルタイム画像が提供され、コントローラに接続されるディスプレイ上に投影される。リアルタイム画像は、筋腫等の処置される解剖学的特徴を含む。処置領域および安全領域のうちの少なくとも1つが、針構造の展開に先立って、リアルタイム画像上に投影される。次いで、処置領域および/または安全領域の限界のサイズおよび/また位置が、依然として針構造の展開に先立って、リアルタイム画像上で調整される。処置領域および/または安全領域の限界(単数または複数)が、処置される生体構造に対してリアルタイム画像上で適正に位置付けられた後に、針構造は、プローブから組織の中へ展開されることにより。限界が調整された後の投影された処置/安全限界内で処置を提供する。
【0020】
処置領域および/または安全領域の限界は、いくつかの方法で移動させるか、または調整することができる。医師によるプローブの第1の手動移動は、画面上に投影された処置/安全限界(単数または複数)に対して、画面上に投影された組織および生体構造のリアルタイム画像を移動させる。画面上に投影された処置限界および/または安全限界の位置(単数または複数)が、針構造の計算された位置に依存するため、プローブ自体の移動が、リアルタイム画像内で計算された針位置を移動させることが理解される。子宮の中の処置プローブのそのような全体移動に加えて、プローブ上の制御部によって、例えば、プローブ上に提供される針停止要素を手動で位置付けることによって、リアルタイム画像上に投影された処置領域または安全領域の位置を調整することができる。針停止要素は、針が実際に組織の中に展開されるときに、針が針停止部によって決定される位置に正確に位置するように、針構造の少なくとも1本の針を展開することに物理的制限を提供する。展開に先立って、針停止部自体の位置は、システムコントローラによって追跡され、処置限界および/または安全限界の位置(単数または複数)を計算するために使用される。
【0021】
特定の実施形態では、プローブ上の1つ以上のセンサが、投影された限界を再配置および/またはサイズ変更するために、停止部(単数または複数)の移動を追跡する。例えば、回転センサを標的ノブ上に提供することができ、それによって、ノブが回転させられるときに、処置領域が増大および縮小し、歯車列が停止部を移動させる主ねじを回す。したがって、停止部に連結されるセンサが、投影された安全/処置限界を追跡する。
【0022】
代替として、他の実施形態では、処置限界および/または安全限界の位置(単数または複数)およびサイズ(単数または複数)は、キーボード、ジョイスティック、マウス、タッチパネル、タッチスクリーン、または同等物等の適切なインターフェースを使用して、コントローラおよび/またはディスプレイ画面上で調整されてもよい。いったん処置限界および/または安全限界が画面上に適正に(仮想的に)位置付けられると、コントローラは、処置プローブ上の針構造の展開を制御することができる。例えば、コントローラは、針/タイン停止部を位置付けるようにプローブ上のサーボモータを位置付けることができ、または停止構造を使用することなく針/タインを直接位置付けることができる。
【0023】
針停止部に加えて、プローブは、通常、複数のタインが針から前進させられ得る範囲を決定するタイン停止部を有する。本開示は、概して、単一のタイン停止部を指すが、他の実施形態は、複数のタイン停止部を採用してもよく、個々のタインは、個別に制御されるか、または全体未満のグループで制御されてもよい。タイン停止部が調整されるとコントローラが処置限界または安全限界のサイズを計算することができるように、タイン停止部は、システムコントローラによって監視されるように構成される。加えて、いったん処置限界および/または安全限界の所望の位置およびサイズが決定されると、タイン停止部は、エネルギーが針構造を通して送達されるときに、所望の処置/安全限界内で処置を提供するパターンでタインが物理的に展開されるように、タインの進行を制限するよう作用する。
【0024】
いったん針停止部およびタイン停止部が設定され、針構造が停止部によって画定される制限まで組織中で前進させられると、組織を処置するように、エネルギーが針構造を通して送達されてもよい。エネルギーは、当然ながら、処置領域および/または安全領域限界を計算するために使用された処置出力および/または処置時間で送達される。いくつかの実施形態では、(針/タイン位置に加えて)医師によって選択された出力、時間、および/または他の処置パラメータに基づいて、コントローラが処置限界または安全限界の位置またはサイズを調整することが可能である。このようにして、針/タイン位置ならびにエネルギー送達の出力および時間の両方が、処置限界または安全限界の位置またはサイズを計算するために考慮される。代替として、展開された針構造を通して、薬剤送達、組織細切除去術、および他の治療を送達することができる。
【0025】
随意に、処置限界および/または安全限界の位置および/またはサイズが調整されている間に、仮想針場所情報をリアルタイム画像上に投影することができる。例えば、針場所情報は、針先端(単数または複数)の投影された位置または他の針位置情報を示すようにリアルタイム画像上に投影される複数の基準またはマーカーを備えることができる。他の場合においては、針が組織を通って進行するにつれて(但し、実際の展開の前に)、針の長さの完全な画像を投影することが可能である。針場所情報は、当然ながら、好ましくは、プローブ停止部が調整されるにつれて更新され、針展開後に針があるであろう場所を医師が把握することを可能にする。
【0026】
本発明の別の側面では、組織中の解剖学的特徴を処置するためのシステムは、リアルタイム画像ディスプレイと、処置プローブと、処置プローブ上の位置付け可能な停止構造とを備える。処置プローブは、展開可能な針構造および撮像トランスデューサを支持し、トランスデューサは、リアルタイム画像ディスプレイに接続可能である。プローブ上の位置停止構造は、(1)リアルタイム画像ディスプレイ上に投影される処置領域または安全領域の位置またはサイズのうちの少なくとも1つを制御し、(2)組織の後続の処置が処置領域および/または安全領域内にあるように、針構造の展開を物理的に制限する。
【0027】
例示的な針構造は、針と、針から前進させられ得る複数のタインとを備える。タインは、針から前進させられると遠位に分岐するパターンを成し、停止構造は、典型的には、針停止要素と、別個のタイン停止要素とを備える。針停止要素は、リアルタイム画像ディスプレイ上に投影される処置領域または安全領域の位置を少なくとも部分的に制御し、タイン停止要素は、リアルタイム画像ディスプレイ上に投影される処置領域または安全領域のサイズを少なくとも部分的に制御する。
【0028】
処置システムは、随意に、エネルギーを針構造に送達するためにプローブに接続可能であるコントローラをさらに備えてもよく、本システムは、コントローラによって送達されるエネルギーレベル、および処置プローブ上のセンサによって追跡され得る停止要素(単数または複数)の位置の両方に基づいて、投影された処置サイズまたは投影された安全領域サイズを制御するように構成される。
【0029】
本発明のさらなる側面では、撮像および治療送達システムは、近位端、遠位端を有する撮像シャフトと、遠位端における撮像トランスデューサとを備える撮像構成要素を備える。遠位端および近位端を有する針シャフトと、シャフト上またはシャフト内に往復可能に配置される針構造とを備える針構成要素は、撮像シャフトに取り外し可能に付着するように構成され、シャフトは、それぞれの軸が平行である状態で並んで位置する。
【0030】
特定の実施例では、撮像シャフト上の撮像トランスデューサは、撮像シャフトの遠位端において枢動可能に取り付けられ、針シャフトの遠位端は、針シャフトが撮像シャフトに取り付けられるときに、枢動可能に取り付けられた撮像トランスデューサの近位に配置される。針シャフト内の針構造は、典型的には、針シャフトの軸に沿って遠位に往復し、撮像トランスデューサは、針シャフトが撮像シャフトに取り付けられるときに、針シャフトの軸から離れる方へ枢動する。撮像構成要素はさらに、撮像シャフトの近位端に取り付けられる撮像ハンドル区分を備えてもよく、針構成要素はさらに、針シャフトの近位端に取り付けられる針ハンドル区分を備えてもよい。そのような実施形態では、撮像ハンドル区分および針ハンドル区分は、典型的には、針シャフトが撮像シャフトに取り付けられると、完全なハンドルを形成する。撮像ハンドル区分は、通常、撮像トランスデューサを外部撮像ディスプレイに接続するように構成された回路を保持する内部を有し、針ハンドル区分は、タイン針構造を前進させるための機構を含み、撮像ハンドル区分は、通常、撮像シャフトに対して撮像トランスデューサを枢動するための機構をさらに備える。
【0031】
本発明のなおもさらなる側面では、組織の中で針から複数のタインを展開するための方法は、処置される解剖学的特徴を含む組織のリアルタイム画像をディスプレイ上に提供することを含む。針は、典型的には、遠位方向に、解剖学的特徴に近接して組織内へ貫通させられ、タインは、針からさらに組織内へ展開される。前の実施形態と同様に、タインは、典型的には、処置される組織の量を増加させるように、針から遠位に前進させられると半径方向に分岐する。処置限界および安全限界のうちの少なくとも1つが、タイン展開に応答してディスプレイ上に投影される。ディスプレイ上に投影される処置限界および/または安全限界のサイズおよび/または形状を変化させるように、タイン展開の範囲を調整することができる。前の実施形態とは対照的に、医師は、生体構造の画像上に安全限界および/または処置限界を前もって仮想的に投影させることなく、針およびタインを位置付けることができる。代わりに、実際に展開された針およびタイン構成を使用して、後続の処置が安全かつ効果的であることを医師が満足するまで、リアルタイム画像上に安全限界および/または処置限界を位置付け、かつ再配置することに、実際の針およびタイン展開は、依拠することができる。実際の針およびタイン展開に加えて、当然ながら、投影された処置限界および/または安全限界はまた、以前に議論された仮想限界の投影と類似する様式で、処置の意図された出力および時間の長さに依存する。許容可能なサイズおよび/または安全限界が達成された後、処置がタインを通して送達されてもよい。特定の実施形態では、タインの展開は、針およびタインを展開するために使用されるプローブ上の針/タイン展開機構の中のセンサを介して追跡されてもよい。そのような場合において、針を貫通させることは、組織内へ貫通させられたプローブから針を前進させることを含む。通常、ディスプレイ上で投影された安全限界および/または処置限界を決定する際に、プローブからの針展開の範囲も依拠される。
【0032】
本発明のなおもさらなる側面では、組織中の解剖学的特徴を処置するためのシステムは、コントローラに接続されるリアルタイムディスプレイを備える。本システムは、処置限界および安全限界のうちの少なくとも1つのサイズをディスプレイ上に投影して調整する。コントローラおよびディスプレイに接続可能である展開可能な針構造および撮像トランスデューサを有する処置プローブが提供される。処置プローブは、少なくとも1つのサーボ駆動モータを支持し、少なくとも1つのサーボ駆動モータは、コントローラに接続され、コントローラによって駆動される。コントローラは、サーボモータを駆動して、針構造を位置付けることにより、処置限界によって画定される領域にわたって効果的であり、安全限界を有意に超えて拡張しない処置を提供するように構成される。
【0033】
本システムの特定の実施形態では、針構造は、針と、遠位に分岐するパターンで針から前進可能な複数のタインとを備えてもよい。少なくとも1つのサーボモータは、針を駆動する第1のサーボモータと、複数のタインを駆動する第2のサーボモータとを備えてもよい。本システムは、通常、ユーザがディスプレイ上で処置限界および/または安全限界のサイズおよび/または位置を仮想的に調整することを可能にするように構成されるユーザインターフェースを備える。場合によっては、以前に説明されたように、インターフェースは、処置プローブ自体の上にあってもよい。他の場合においては、インターフェースは、針構造を実際に位置付ける前に、ユーザが針構造を仮想的に位置付けることを可能にするようにコントローラに接続される、より従来的なキーボード、マウス、ローラボール、タッチスクリーン、音声起動、または同等物を備えてもよい。なおも他の実施形態では、処置プローブは、針構造を位置付けるためのサーボモータおよび/または針構造が展開された範囲を検出するためのセンサを備えてもよい。そのような場合において、ユーザは、(安全限界および/または処置限界の仮想投影を生成することなく)サーボを使用して針構造を位置付け得、安全限界および/または処置限界がシステムコントローラによって計算されて投影されると、それらを観察してもよい。全ての場合において、本システムは、針構造の展開が安全限界および/または処置限界の要件を満たすことが確認された後のみ、エネルギーまたは他の処置を送達するために使用されることができる。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
撮像および治療送達システムであって、前記システムは、
近位端および遠位端を有する撮像シャフトと、前記シャフトの前記遠位端における撮像トランスデューサとを備える撮像構成要素と、
遠位端および近位端を有する針シャフトと、前記シャフト上または前記シャフト内に往復可能に配置された針構造とを備える針構成要素と
を備え、前記針シャフトは、前記撮像シャフトに取り外し可能に付着するように構成され、前記シャフトは、それぞれの軸が略平行である状態で並んで位置する、撮像および治療送達システム。
(項目2)
前記撮像シャフト上の前記撮像トランスデューサは、前記撮像シャフトの前記遠位端において枢動可能に取り付けられ、
前記針シャフトの前記遠位端は、前記針シャフトが前記撮像シャフトに取り付けられているときに、前記枢動可能に取り付けられた撮像トランスデューサの近位に配置され、
前記針シャフト内の前記針構造は、前記針シャフトの前記軸に沿って遠位に往復し、
前記撮像トランスデューサは、前記針シャフトが前記撮像シャフトに取り付けられているときに、前記針シャフトの前記軸から離れる方へ枢動する、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記撮像構成要素はさらに、前記撮像シャフトの近位端に取り付けられた撮像ハンドル区分を備え、前記針構成要素はさらに、前記針シャフトの近位端に取り付けられた針ハンドル区分を備え、前記撮像ハンドル区分および針ハンドル区分はともに、前記針シャフトが前記撮像シャフトに取り付けられると、完全なハンドルを形成する、項目1に記載のシステム。
(項目4)
前記撮像ハンドル区分は、回路を保持する内部を有し、前記回路は、前記撮像トランスデューサを外部撮像ディスプレイに接続するように構成され、前記針ハンドル区分は、タイン針構造を前進させるための機構を含む、項目3に記載のシステム。
(項目5)
組織における解剖学的特徴を処置するためのシステムであって、前記システムは、
コントローラに接続されたリアルタイムディスプレイと、
処置限界および安全限界のうちの少なくとも1つを前記ディスプレイ上で投影および調整するための手段と、
前記コントローラおよびディスプレイに接続可能である、展開可能な針構造および撮像トランスデューサを有する処置プローブと、
前記コントローラに接続される前記処置プローブ上の少なくとも1つのサーボ駆動モータであって、前記コントローラは、前記サーボモータを駆動して、前記針構造を位置付けることにより、前記処置限界を網羅しかつ前記安全限界を超えて拡張しない処置を提供するように構成されている、サーボ駆動モータと
を備える、システム。
(項目6)
前記処置プローブの前記針構造は、針と、遠位に分岐するパターンで前記針から前進可能な複数のタインとを備える、項目5に記載のシステム。
(項目7)
前記少なくとも1つのサーボモータは、前記針を駆動する第1のサーボモータと、前記複数のタインを駆動する第2のサーボモータとを備える、項目6に記載のシステム。
(項目8)
前記投影手段は、ユーザが前記ディスプレイ上で前記処置限界および/または安全限界のサイズおよび/または位置を仮想的に調整することを可能にするように構成されたユーザインターフェースを備える、項目5に記載のシステム。
(項目9)
前記インターフェースは、前記処置プローブ上にある、項目8に記載のシステム。
(項目10)
組織における解剖学的特徴を処置するためのシステムであって、前記システムは、
リアルタイム画像ディスプレイと、
展開可能な針構造および撮像トランスデューサを有する処置プローブであって、前記トランスデューサは、前記リアルタイム画像ディスプレイに接続可能である、処置プローブと、
前記処置プローブ上の位置付け可能な停止構造であって、前記プローブ上の前記停止構造の位置は、(1)前記リアルタイム画像ディスプレイ上に投影される処置領域または安全領域の位置およびサイズのうちの少なくとも1つを制御し、(2)前記組織の後続の処置が前記投影された処置領域および/または安全領域内にあるように、前記針構造の展開を物理的に制限する、停止構造と
を備える、システム。
(項目11)
前記処置プローブの前記針構造は、針と、遠位に分岐するパターンで前記針から前進可能な複数のタインとを備え、前記停止構造は、針停止要素と、タイン停止要素とを備える、項目10に記載のシステム。
(項目12)
前記針停止要素は、前記リアルタイム画像ディスプレイ上に投影される前記処置領域または安全領域の前記位置を少なくとも部分的に制御し、前記タイン停止要素は、前記リアルタイム画像ディスプレイ上に投影される前記処置領域または安全領域の前記サイズを少なくとも部分的に制御する、項目11に記載のシステム。
(項目13)
前記処置プローブの近位端に取り付けられたハンドルをさらに備え、前記位置付け可能な停止構造は、針停止筐体を備える、項目11に記載のシステム。
(項目14)
前記ハンドル内の前記針停止筐体の軸方向平行移動は、前記処置領域および/または前記安全領域の前記位置を制御する、項目13に記載のシステム。
(項目15)
前記針の近位端に連結された針キャリッジをさらに備え、前記針キャリッジは、前記針を前進させるように前記ハンドル内で軸方向に摺動し、前記キャリッジは、針前進を制限するように前記針停止筐体に係合する、項目14に記載のシステム。
(項目16)
前記針キャリッジ上に搭載されるタイン停止部をさらに備える、項目15に記載のシステム。
(項目17)
前記タイン停止部の軸方向推移は、前記処置領域および/または前記安全領域の前記サイズを制御する、項目16に記載のシステム。
(項目18)
前記タインの近位端(単数または複数)に連結されたタインスライドをさらに備え、前記タインスライドは、前記針から前記タインを前進させるように前記針キャリッジ上で軸方向に摺動し、前記タインスライドは、タイン前進を制限するように前記タイン停止部に係合する、項目17に記載のシステム。
(項目19)
前記針停止部上に回転可能ノブをさらに備え、前記ノブは、前記ハンドルに対して前記針停止部を手動で前進および後退させるために使用されることができ、前記ノブは、前記ノブの回転が前記針キャリッジ上の前記タイン停止部を前進および後退させることができるように、前記タイン停止部に連結され、前記ノブの軸方向平行移動は、前記ディスプレイ上に投影される前記処置限界および/または安全限界の前記位置を制御し、前記ノブの回転は、前記ディスプレイ上に投影される前記処置限界および/または安全限界の前記サイズを制御する、項目18に記載のシステム。
(項目20)
エネルギーを前記針構造に送達するために前記プローブに接続可能なコントローラをさらに備え、前記システムは、前記コントローラによって設定されるエネルギーレベル、および前記針構造の位置を決定する停止要素(単数または複数)の位置の両方に基づいて、前記投影された処置領域または安全領域の前記サイズを制御するように構成されている、項目10に記載のシステム。
【0034】
本明細書で記述される全ての出版物、特許、および特許出願は、各個別出版物、特許、または特許出願が、参照することにより組み込まれるように具体的かつ個別に示された場合と同一の程度に、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】
図1は、システムコントローラと、画像ディスプレイと、展開可能な針構造および撮像トランスデューサを有する処置プローブとを備える、本発明のシステムの概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の処置プローブの斜視図である。
【
図3】
図3は、複数部分が切断され、複数部分が拡大された、針構成要素から分離されたプローブの撮像構成要素を図示する、
図2の処置プローブの図である。
【
図3A】
図3Aは、撮像構成要素の遠位端に接続されている、針構成要素の遠位端を図示する。
【
図4-1】
図4A−4Fは、針構造を展開するために、どのようにして機構が操作されるかを示す、針停止筐体および針キャリッジを含む、プローブの針展開構成要素の内部機構を図示する。
【
図4-2】
図4A−4Fは、針構造を展開するために、どのようにして機構が操作されるかを示す、針停止筐体および針キャリッジを含む、プローブの針展開構成要素の内部機構を図示する。
【
図4-3】
図4A−4Fは、針構造を展開するために、どのようにして機構が操作されるかを示す、針停止筐体および針キャリッジを含む、プローブの針展開構成要素の内部機構を図示する。
【
図5】
図5Aおよび
図5Bは、プローブの撮像構成要素上の撮像アレイの偏向の前に針構造の展開を防止するインターロック機構を図示する。
【
図6-1】
図6Aおよび
図6Bは、針構造の針および複数のタインを展開するために使用される針停止筐体上に搭載された歯車列を図示する。
【
図7】
図7A−7Cは、針キャリッジおよび針停止筐体の相対移動を示す。
【
図9】
図9は、子宮筋層内の筋腫を撮像するように子宮腔に導入された処置プローブの遠位部分を図示する。
【
図10A】
図10A−15Aは、本発明の原理による、処置プローブを使用して処置限界および安全限界が調整されている際のリアルタイム画像ディスプレイの「スクリーンショット」を図示する。
【
図10B】
図10B−15Bは、
図10A−15Aのリアルタイム画像上の処置限界および安全限界の投影画像の再配置に対応するハンドルの操作を図示する。
【
図11A】
図10A−15Aは、本発明の原理による、処置プローブを使用して処置限界および安全限界が調整されている際のリアルタイム画像ディスプレイの「スクリーンショット」を図示する。
【
図11B】
図10B−15Bは、
図10A−15Aのリアルタイム画像上の処置限界および安全限界の投影画像の再配置に対応するハンドルの操作を図示する。
【
図12A】
図10A−15Aは、本発明の原理による、処置プローブを使用して処置限界および安全限界が調整されている際のリアルタイム画像ディスプレイの「スクリーンショット」を図示する。
【
図12B】
図10B−15Bは、
図10A−15Aのリアルタイム画像上の処置限界および安全限界の投影画像の再配置に対応するハンドルの操作を図示する。
【
図13A】
図10A−15Aは、本発明の原理による、処置プローブを使用して処置限界および安全限界が調整されている際のリアルタイム画像ディスプレイの「スクリーンショット」を図示する。
【
図13B】
図10B−15Bは、
図10A−15Aのリアルタイム画像上の処置限界および安全限界の投影画像の再配置に対応するハンドルの操作を図示する。
【
図14A】
図10A−15Aは、本発明の原理による、処置プローブを使用して処置限界および安全限界が調整されている際のリアルタイム画像ディスプレイの「スクリーンショット」を図示する。
【
図14B】
図10B−15Bは、
図10A−15Aのリアルタイム画像上の処置限界および安全限界の投影画像の再配置に対応するハンドルの操作を図示する。
【
図15A】
図10A−15Aは、本発明の原理による、処置プローブを使用して処置限界および安全限界が調整されている際のリアルタイム画像ディスプレイの「スクリーンショット」を図示する。
【
図15B】
図10B−15Bは、
図10A−15Aのリアルタイム画像上の処置限界および安全限界の投影画像の再配置に対応するハンドルの操作を図示する。
【
図16】
図16A−16Dは、基準およびマーカーが針先端の場所に対応する、リアルタイム画像上の基準およびマーカーの提供を図示する。
【
図17-1】
図17A−17Cは、それぞれ、針およびタインを展開するように位置付けられる際に、針キャリッジおよびタインスライドの位置を検出するためのセンサを有する本発明の針筐体の代替構造を図示する。
【
図17-2】
図17A−17Cは、それぞれ、針およびタインを展開するように位置付けられる際に、針キャリッジおよびタインスライドの位置を検出するためのセンサを有する本発明の針筐体の代替構造を図示する。
【
図18】
図18Aおよび
図18Bは、針キャリッジおよびタインスライドの両方を位置付けるためのサーボモータおよび駆動ねじを採用する本発明の針筐体のさらなる代替実施形態を図示する。
【
図19】
図19は、本発明の針構造の位置を決定するために、リアルタイム超音波画像データが依拠されるシステム図を図示する。
【
図20】
図20は、針位置を追跡するために外部針追跡データが使用されるシステム図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0036】
(発明の詳細な説明)
図1で図示されるように、本発明の原理に従って構築されるシステム10は、システムコントローラ12と、撮像ディスプレイ14と、処置プローブ16とを含む。システムコントローラ12は、典型的には、処置パラメータおよび撮像パラメータの両方が従来的な様式で設定されることを可能にするマイクロプロセッサベースのコントローラである。ディスプレイ14は、通常、コントローラ12とともに共通エンクロージャ18に含まれるが、別個のエンクロージャの中に提供されることができる。処置プローブ16は、撮像コード24によってコントローラ12に接続される撮像トランスデューサ20を含む。コントローラ12は、処置コード22を介して、電力を処置プローブに供給する。コントローラ12はさらに、典型的には、処置を行う医師が情報をコントローラに入力するために、キーボード、タッチスクリーン、コントロールパネル、または同等物等のインターフェースを含む。随意に、タッチパネルが、撮像ディスプレイ14の一部であってもよい。コントローラによって処置プローブに送達されるエネルギーは、無線周波数(RF)エネルギー、マイクロ波エネルギー、処置プラズマ、加熱、低温(低温療法)、または任意の他の従来のエネルギー媒介処置療法であってもよい。代替として、または加えて、処置プローブは、薬剤または治療薬を処置される組織生体構造に送達するように適合されることができる。いくつかの実施形態では、プローブ16は、超音波システムに、および別個の無線周波数(RF)発生器に差し込まれる。インターフェースラインが、超音波システムおよびRF発生器を接続する。
【0037】
ここで
図2および
図3を参照すると、処置プローブ16は、針構成要素26と、撮像構成要素28とを備える。針構成要素および撮像構成要素は、使用のために相互に取り外し可能に取り付けられ得る別個のユニットまたはアセンブリとして構築される。使用後、針構成要素が、分離されてもよく、典型的には、廃棄される一方で、撮像構成要素は、再利用のために滅菌される。処置プローブ16は、
図2では、その完全組立構成で示され、
図3では、その解体構成で示されている。本発明の他の実施形態では、針構成要素および撮像構成要素は、単一の統合ハンドルユニットに組み合わせられることができる。
【0038】
針構成要素26は、その上面上に摺動可能に搭載された標的ノブ30を有するハンドル部分27を備える。標的ノブ30は、ディスプレイ14上に示される標的領域および/または安全領域の限界のサイズおよび位置を計算するために、コントローラ12(
図1)によって監視される、ハンドル内の内部停止部の位置決めを制御する。停止部はまた、以下でさらに詳細に説明されるように、針56、および随意に、タイン57の展開を物理的に制限する働きもする。
【0039】
針56は、針シャフト34から展開され、針および随意的なタインは、例えば、その全開示が参照することにより本明細書に組み込まれる、共同所有米国特許第8,206,300号および第8,262,574号で以前に説明されたように構築され得る針構造をともに形成する。
【0040】
針構成要素26のハンドル部分27はさらに、塩水または他の流体が、針シャフト34を通して、子宮等の処置されている組織中の標的領域の中へ注入されることを可能にする流体注入ポート32を含む。針ハンドル27はまた、針スライド36と、針解放部38と、以下でさらに詳細に説明されるように、針56およびタイン57を展開するために使用されるタインスライド40とを含む。撮像コード24は、以前に説明されたように、コントローラ12への接続のために撮像構成要素28のハンドル部分27の近位端において取付可能である。
【0041】
撮像構成要素28は、ハンドル部分29と、撮像シャフト44とを備える。
図3の破線で示されるように、撮像トランスデューサ20を下向きに偏向させるために、ハンドル部分29上の偏向レバー46を後退させることができる。針構成要素解放レバー48が、針構成要素26のハンドル部分27の底面上のフック52に係合する一対のラッチ50に連結される。針構成要素26は、最初に、
図3Aに示されるように、撮像シャフト44上のフック60の下に針シャフト34上の一対のウィング58(そのうちの1つだけが
図3に示されている)を捕捉することによって、撮像構成要素28に解放可能に取り付けられてもよい。次いで、フック52がラッチ50に係合して処置プローブ16の完全なアセンブリを形成するように、針ハンドル部分27の底面が、撮像ハンドル部分29の上面を覆って下げられてもよく、ハンドル部分はともに、手技で使用するために完全なハンドルを形成する。使用後、針構成要素解放レバー48は、ラッチ50からフック52を解放するために引かれて、ハンドル部分27および29が分離されることを可能にし得る。
【0042】
使用時に、以下でさらに詳細に説明されるように、標的ノブ30は、システム10のディスプレイ14上に投影される仮想処置領域の位置付け(平行移動させる)、かつそのサイズを調整するために、使用される。ノブ30は、画像上の処置/安全領域の位置を平行移動させるために、ハンドル部分27の上面上のスロットの中で遠位および近位に移動させられてもよく、ノブはまた、処置/安全領域の限界のサイズを調整するために回転させられてもよい。いったん処置/安全領域の仮想限界がリアルタイム画像上に選択されると、針スライド36およびタインスライド40を、それらの移動が停止部によって停止されるまで移動させることによって、針およびタインが対応する展開位置まで自動的に前進させられ得るように、ノブ30を摺動させて回転させることはまた、針56およびタイン57の展開を制限する、ハンドル部分27内の機械的停止部の位置も調整する。処置/安全領域の位置はまた、医師が標的組織内で処置プローブ16を保持する場所にも依存している。したがって、スライド36および40を使用した針およびタインの前進は、停止部が設定される時間から針/タインの前進が完了するまで、処置プローブ位置が安定して保たれる場合のみ、標的組織内での針およびタインの適正な配置をもたらす。好ましい実施形態では、ノブ30を回転させることはまた、処置プロトコル中の送達の長さおよび/または出力も決定する。したがって、ノブは、タインが前進させられた程度だけでなく、標的組織に送達されているエネルギーの量にも基づいて、処置/安全領域を仮想的に定寸するために使用されてもよい。
【0043】
ここで
図4A−4Fを参照して、針ハンドル部分27およびその内部構成要素の構造を、さらに詳細に説明する。針構成要素26の向きは、
図2および
図3に示されるものに対して逆転され、それによって、針シャフト34が、
図2および
図3に示されるような左側ではなく、
図4A−4Fでは右側に延在していることに留意されたい。針構成要素26のハンドル部分27は、
図4A−4Fのそれぞれで、その上部分が部分的に除去された状態で示されている。針停止筐体64は、筐体の中で摺動可能に搭載され、ノブ30のシャフト31は、筐体64が平行移動させられるとスロット33(
図2)の中で進行する。
【0044】
針キャリッジ68もまた、筐体部分27の中で摺動可能に搭載され、主ねじ72上に搭載されるタイン停止部66を支持する。ノブ30は、主ねじ72に摺動可能に挿入される駆動シャフト70を回す歯車列71によって主ねじ72に連結される。駆動シャフト70は、主ねじ72に軸方向に整合させられた噛合通路の中および外へ摺動する非対称断面を有する。したがって、ノブ30は、針停止筐体64および針キャリッジ68の相対軸方向位置から独立して、主ねじを回転させるために使用することができる。
【0045】
以下でさらに詳細に説明されるように、処置プローブ16は、停止部、針、およびタインの非意図的な作動を防止するとともに、停止部位置決めおよび針/タイン作動が適正な順番で行われることを要求する、いくつかのインターロック特徴を有する。このインターロックシステムの一部として、歯止め74がハンドル部分27筐体の内側の歯のラック132(
図8)と係合して、歯止めが係脱されない限り針停止筐体64の運動を防止するように、歯止め74が、針停止筐体64の側面に提供される。歯止めは、ノブ30を押下することによって係脱され、これは、筐体部分27の中で針停止筐体64を再配置するために、ノブがハンドル部分27上で遠位および近位に移動させられることを可能にする。ノブが解放されるとき、歯止め74が再係合し、ハンドル部分27に対して定位置で針停止筐体64を係止する。
【0046】
同様に、歯止め76(
図4Aおよび
図4B)が、針キャリッジ68上に提供される。これらの歯止めはまた、ハンドル部分27の筐体の内側の歯のラック134(
図8)に係合する。歯止め76は、通常、係合され、キャリッジ68を定位置に係止するが、T字形解放部38を圧迫することによって係脱されてもよく、キャリッジによって支持される近位端(図示せず)を有する針56を遠位に前進させるために、キャリッジが前方に押動されることを可能にする。タイン57は、以下で説明されるように、タインスライド40によって針56から前進させられる。
【0047】
図4Bに示されるように、針停止筐体64およびタイン停止部66の位置は、それぞれ、針位置センサ78およびタイン位置センサ80によって感知される。これらのセンサは、典型的には、コントローラ12によって感知される抵抗の変化をもたらす位置の変化を伴う加減抵抗器であるが、LVDT、直角位相エンコーダ、または同等物等の他の絶対位置フィードバックデバイスも使用することができる。したがって、針またはタインの展開に先立って、針停止筐体64およびタイン停止部66の位置が、コントローラ12によってリアルタイムで追跡されてもよく、針停止筐体の位置としてディスプレイユニット14上に表示される、計算された処置限界および/または安全限界が調整され、ノブ30が、タイン停止部の位置を調整するように回転させられる。当然ながら、停止部の実際の位置はまた、ディスプレイ14上に視覚的または数値的に示すこともできる。針およびタインの任意の実際の展開に先立って、医師は、針およびタイン停止部を調整することによって、処置プローブの中に設定された針/タイン展開から生じる処置/安全領域限界を確認する視覚情報を有する。
【0048】
本方法およびシステムの特定の利点は、ノブ30を操作する(摺動させ、かつ回す)ことにより、リアルタイム画像に対して(またはリアルタイム画像内で)限界を移動させること、または腫瘍を覆う処置限界を得るために処置プローブ16全体を操作し、敏感な生体構造から離して安全限界を保つことにより、標的生体構造に対してリアルタイム画像全体を移動させることのいずれかによって、医師が標的生体構造にわたって処置/安全限界を操作できることである。したがって、医師は、任意の針を患者組織の中へ前進させる前に、仮想標的インターフェースを使用して、切除が効果的かつ安全であることを事前に確認することができる。
【0049】
図4Aを参照すると、処置/安全領域の限界を仮想的に位置付けるために、標的ノブ30が押下されてもよく、ノブが矢印84の方向へ遠位に移動させられてもよく、
図4Cに示される位置に到達する。医師は、当然ながら、処置/安全領域の限界が視覚ディスプレイ14上に示されるように適正に位置するまで、ノブ30が押下されている限り、遠位および近位の両方に針停止筐体を移動させることができる。いったん適正に位置付けられると、ノブ30は、回転ロック110(
図6B)を係脱するように部分的に押下され、ノブは、タイン停止部66を位置付けるように、矢印86によって示されるように回転させられてもよい。より具体的には、ノブ30の回転は、歯車列71を介して駆動シャフト70を回転させる。駆動シャフトは、順に、主ねじ72を回転させ、それは、
図4Dの矢印88によって示されるように、タイン停止部66を遠位に移動させる。ノブ30は、当然ながら、タイン停止部66を遠位または近位に再配置するために、いずれか一方の方向へ回転させられることができ、その再配置は、ディスプレイ14上に投影された「仮想」限界を、それぞれ、拡張または縮小させる(
図4D)。いったん針停止筐体64およびタイン停止部66が、(ディスプレイ14上の処置/安全限界の仮想または投影画像に基づいて)それらの所望の位置になると、次いで、処置を行う医師は、針停止筐体およびタイン停止部によって事前設定された位置まで、針およびタインを物理的に前進させることができる。
図4Dを参照すると、針解放部38は、歯止め76を係脱して、針キャリッジ68が矢印88の方向へ移動させられることを可能にするように、押し込まれる。針キャリッジ68は、
図4Eに示されるように、針停止筐体64に衝突するまで前進させられる。針キャリッジのそのような運動は、順に、
図3の破線によって示されるように、針56を遠位に前進させる。
【0050】
針56が前進させられた後、タイン57は、
図4Eの矢印90によって示されるように、タインスライド40がタイン停止部66に衝突するまでタインスライド40を遠位に手動で押動することによって、前進させられてもよい。いったんスライド40が
図4Fに示されるように遠位に位置付けられると、針56およびタイン57は、
図3に示されるように展開される。この時点で、コントローラ12は、針56およびタイン57が完全に拡張されていることを検出し、医師は、切除が正しいサイズであり、安全かつ効果的な場所にあろうことを確認する。タインスライド係止アーム120は、針キャリッジ68が停止筐体64に係合するときにタインスライド40を解放する。したがって、針キャリッジ68が停止筐体64に係合したときにタインスライド40が最初に解放された場合のみ、タイン停止部66上のスイッチが動作中であり得、単一のマイクロスイッチ112は、針56およびタイン57が、それらの適正な位置にあることを示す。
【0051】
ここで
図5Aおよび
図5Bを参照して、画像トランスデューサ20(
図2および
図3)の偏向の前に針キャリッジ68の運動を防止するためのインターロックアセンブリを説明する。トランスデューサ偏向レバー46は、最初に、
図5Aに示されるように、前方に押動され、トランスデューサ20は、
図2および
図3に示されるように、その軸方向整合構成にある。トランスデューサ20が軸方向に整合させられている間の針前進は、トランスデューサを損傷する可能性が高いことを理解されたい。そのような損傷を回避するために、後退させられると、レバー46は、針キャリッジ68の移動を防止する角度ロック94に連結される4本棒リンク92に係合する。しかしながら、レバー46が(
図3の破線で示されるように)トランスデューサ20を偏向させるように近位に引かれるとき、4本棒リンクは、
図5Bに示されるように、角度ロック94を圧潰して係脱することを可能にされる。この構成では、針キャリッジ68は、自由に前進および後退させられる。他の実施形態では、てこ装置または枢動ビームが、4本棒リンクに取って代わることができる。
【0052】
ノブ30が駆動シャフト70を回転させることを可能にする歯車列の詳細が、
図6Aおよび
図6Bに示されている。ノブは、かさ歯車100に取り付けられ、かさ歯車100は、かさ/平複合歯車102を回転させ、かさ/平複合歯車102は、駆動シャフト70に取り付けられた平歯車104を順に駆動する。ノブ30を押下することは、ノブ30によって上下に移動させられて歯止め表面内のスロットまたはチャネル内を動くドエルピン108との相互作用を通して、歯止め74を後退させる。回転ロック110が提供され、ノブの回転を防止するようにかさ歯車に係合する。回転ロック110および歯止め74が係合されるときに、コントローラに信号伝達する、マイクロスイッチ112が提供される。
【0053】
ここで
図6Cおよび
図6Dを参照して、針キャリッジ68のさらなる詳細を説明する。
図6Cは、概して前の図に示されるような針キャリッジ68の上面図である。
図6Dは、以前には見えなかった詳細を示す、針キャリッジの底面図である。角度ロック94は、針解放部38が作動させられることを可能にするかまたは防止するアーム96を平行移動させる。
図6Dに示されるように、角度ロック94が(
図5Aに示されるように)係合させられる。レバー46を後退させる(
図5B)ことによって、角度ロック94は、アーム96を引き出して、針解放部38が押下されることを可能にするように、係脱する。針解放部38は、順に、ハンドル部分27上の係止歯134と係脱する歯止め76を後退させる。
【0054】
タインスライド40上のブラケット114は、以下で説明されるように、針内でタインを前進させるシャフト(図示せず)と係合する。同様に、針キャリッジ68に固定されたブラケット116は、針の近位端(
図6Dでは示されていない)に係合し、キャリッジが前進させられると針を前進させる。
【0055】
1つの付加的なロックアウトが、
図6Dに示されている。ばね仕掛けプランジャ140が、タインスライド40の後部から外へ突出する。タインスライド40が針スライド36に対して押し上げられるとき(すなわち、タインが展開されないとき)、ばね仕掛けプランジャ140は、角度ロック94を作動させ、アーム96に係合して針解放部38をロックアウトする。タインスライド40が針スライド36から離れる方へ移動させられるとき、プランジャ140は、角度ロック94を係脱し、アーム96は、針解放部38を解除する。当然ながら、他のロックアウト機構を採用することができる。例えば、タインスライド40は、ばね仕掛けプランジャ140を使用することなく、針解放部68と直接連動する単純なレバーに係合することができる。
【0056】
ここで
図7Aから
図7Cを参照すると、針キャリッジ68の前進に先立って、タインスライド40を選択的に係止するための機構を説明する。タイン係止アーム120が、
図7Aに示されるように、枢動部122を介して針キャリッジ68の側面に取り付けられる。係止アーム120の側面アーム124は、針キャリッジが完全に前進させられるときに針キャリッジに係合する、針停止筐体64の端部に固定された棒126に係合するように配置される。針キャリッジ68が針を展開するように遠位に(
図7Aおよび
図7Bの左側に)前進させられると、針停止筐体64上の棒126は、タイン係止アーム120上の側面アーム124に係合する。そのような係合は、係止アームを反時計回り方向に回転させ、したがって、針キャリッジが完全に前進させられた後のみ、タインスライド40が遠位に前進させられ得るように、係合構成(
図7A)から非係合構成(
図7B)まで棒の係止端128を上昇させる。このようにして、タインの偶発的な時期尚早の展開が防止され得る。
【0057】
当業者であれば、処置プローブの構成要素の展開の順番を制御するロックアウトを設計する多くの方法があることを理解するであろう。例えば、棒126は、64ではなく側面124に組み込むことができる。ロックアウト120は、係止端128をタインスライド40と係合させるために重力に依存しないように、板ばねとして設計されることができる。
【0058】
図7Bおよび
図7Cは、針解放部38を係止して偶発的な針展開を防止するために、角度ロック94のアーム96がどのようにして上昇させられるかを図示する。
【0059】
ここで
図8を参照すると、内側の歯132および134が、処置プローブ16の針構成要素26の筐体部分27の内面上に形成される。歯132は、以前に説明されたように、針停止筐体64上に配置された歯止め74に選択的に係合する。歯134は、針キャリッジ68の上にある歯止め76(
図8では示されていない)に選択的に係合する。
【0060】
ここで
図9を参照すると、本発明のシステム10は、子宮壁UW(子宮内膜)の下にあり、漿膜壁SWによって包囲される、子宮U内の子宮筋層Mの中に位置する筋腫Fを処置するために使用することができる。処置プローブ16は、経膣的および経頸管的に(または代替として腹腔鏡下で)子宮に導入することができ、撮像トランスデューサ20は、破線によって示される視野内で筋腫を撮像するために展開されることができる。
【0061】
いったん筋腫が
図10Aに示されるようにディスプレイ14上に位置すると、処置限界TBおよび安全限界SBの両方の場所を特定し、サイズを合わせるために、ハンドル上の制御部が使用される。最初に、
図10Aに示されるように、仮想限界線TBおよびSBは、筋腫を覆って位置付けられても、筋腫を処置するように適正にサイズを合わせられてもいない。実際の針およびタイン展開に先立って、医師は、適正な処置のために限界TBおよびSBを位置付け、かつサイズを合わせることを所望するであろう。撮像トランスデューサ20がすでに子宮壁UWに対して位置付けられているので、処置限界および安全限界を前進させる1つの方法は、
図10Bに示されるように、標的ノブ30を押下し、次いで、
図11Bに示されるように、ノブを遠位に前進させることによって、限界を前方に移動させることである。これは、処置限界TBおよび安全限界SBを軸線ALに沿って前方に移動させる。これは、
図11Aに示されるように、リアルタイム画像ディスプレイ14上の仮想限界を筋腫の画像の上に移動させる。
【0062】
しかしながら、
図11Aに示されるように、処置限界が筋腫の画像を覆って広がっていないため、処置限界TBのサイズは、筋腫を処置するためには不十分である。したがって、
図12Bに示されるように、標的ノブ30を回転させることによって、処置限界TBを拡大することが必要である。これは、
図12Aに示されるように、処置限界TBおよび安全限界SBの両方を拡大する。ここで、拡大された仮想処置限界TBは、筋腫を処置するために十分であるが、安全限界SBは、同様に
図12Aに示されるように、漿膜壁SWの上に広がっている。したがって、処置が、子宮を包囲する、より敏感な組織に影響を及ぼす危険性があり、
図13Bに示されるように、反対方向に標的ノブ30を回すことによって、仮想安全限界SBが後退させられる必要がある。これは、
図13Aに示されるように、安全限界SBおよび処置限界TBの両方のサイズを縮小し、医師は、処置限界TBがリアルタイム画像ディスプレイ上の筋腫を完全に包囲するため、処置が効果的となること、および安全限界SBがリアルタイム画像ディスプレイ上で子宮筋層M内に位置し、漿膜壁SWを横断しないため、処置が安全であることの確証を有する。加えて、外科医は、処置プローブ内の停止部が、現在、針およびタインを展開して、
図13Aの仮想限界によって示される処置結果を達成するように適切に設定されていることを把握する。
【0063】
処置プローブ16を安定して保ちながら、次いで、医師は、
図14Bに示されるように、(解放部を押下した後に)針スライド36を前進させ、
図14Aに示されるように、針56を筋腫Fの中へ拡張させる。
図14Aの説明図は、患者の中に存在する物理的プローブに対応する、処置プローブ16の表現を含む。
図14Aの残りの部分は、標的ディスプレイ14上に存在する画像に対応する。
【0064】
針56が処置プローブ16の中の針停止筐体64によって制限されるように完全に展開された後、タイン57は、
図15Bに示されるように、タイン停止部66に係合するまでタインスライド40を前進させることによって展開されてもよい。随意に、処置プローブ16は、筋腫の周囲の全視界面内で処置限界および安全限界を確認するように、(典型的には、針56の軸と整合させられる)中心軸の周囲で回転させられてもよい。ディスプレイ14は、標的筋腫および漿膜に対する処置限界および安全限界の位置をリアルタイムで示す。次いで、タインは、
図15Aに示されるように構成され、仮想処置限界TBによって描写される限界内で処置を達成するために、電力をタイン(および随意に針)に供給することができる。再度、
図15Aは、ディスプレイ14上に存在する仮想画像、および処置プローブ16の物理的存在の両方を混合する。
【0065】
ここで
図16Aから
図16Dを参照すると、コントローラ12は、画像ディスプレイ14上に基準およびマーカーを表示するようにプログラムされることができ、基準およびマーカーは、「仮想」針および/またはタイン上の特定の場所を表す。例えば、
図16Aに示されるように、マーカー140は、針56の上の位置、例えば、タインが分岐する場所を表してもよい。針の先端を表す付加的なマーカー142が提供されてもよい。複数の付加的なマーカー144が、タインの先端を表してもよい。基準またはマーカー142および144の使用は、実際の針およびタインが正しく展開されていることを医師が確認することに役立つ。医師は、展開中に実際の針およびタインのリアルタイム画像を観察することができるはずであり、関連先端は、針先端がマーカー142に到達し、タイン先端がマーカー144(または代替として、以下で説明されるような
図16B−16Dにおける代替的な標的)に衝突するまで移動するはずである。
【0066】
図16Bは、タインの先端を表す基準が、各タインの遠位先端に対する可能な位置の範囲を表す弧146として描写されることを除いて、
図16Aに類似する。そのような付加的な情報は、処置の正確性および安全上の危険性の両方を決定するときに、医師にとって有用であり得る。
図16Bに示されるように、各弧は、論理上の電極展開長に等しい半径を有する。
図16Cに示されるように、弧148は全て、先端142に位置する起点から測定される、同一の半径を有する。最終的に、
図16Dでは、
図16Cの弧は、医師による使用のためにより明確な視覚的表現を提示することを目的としている、連続弧に接合される。
【0067】
ここまで説明されたように、針筐体の図示した実施形態は全て、ディスプレイ画面上の処置限界および安全限界の仮想画像を調整し、かつ処置のために患者組織の中に実際の針およびタインを後に位置付けるために、針停止部およびタイン停止部を配置するための機構を含んでいた。針およびタイン停止部を省略する、代替的な針筐体202が、
図17A−17Cで図示されている。針筐体202は、処置コード204および針シャフト206の両方を含み、その両方とも、前の実施形態について説明される構造および目的と略同一であり、針筐体は、前の実施形態で説明されるように、撮像筐体28に固着され、そこから取り外されることができる。針筐体202内の針キャリッジ208および針キャリッジ208内のタインスライド214(
図17C)は、対照的に、ユーザによって自由に位置付け可能であり、停止部またはいかなる他の運動制限機構によっても制限されない。代わりに、針キャリッジ208の位置は、
図17Aで最も良く見られるように、針筐体202の底部上の針キャリッジ位置センサ210によって追跡される。同様に、タインスライド214は、
図17Cで最も良く見られるように、針キャリッジ208の上部分の上にある位置センサ216を通して追跡される。
【0068】
医師または他のユーザは、前の実施形態について説明されるように、制御ノブ30以外のインターフェースを使用して、ディスプレイ画面上で処置限界および/または安全限界を仮想的に位置付けてもよい。例えば、処置限界および/または安全限界は、キーボード、マウス、ローラボール、タッチスクリーン、音声起動、またはコンピュータおよび他のディスプレイとともに使用される任意の他の従来のインターフェースを使用して、子宮生体構造のリアルタイム画像を有するディスプレイ画面上に位置付けられてもよい。仮想処置限界および/または安全限界は、組織中のシャフトの画像を使用してシステムによって追跡されることができる針シャフト206の実際の位置に対して設定される。医師が仮想処置限界および/または安全限界の配置に満足した後、次いで、医師は、システムコントローラが針筐体202内のセンサ210を通して前進を監視している間に、針を手動で前進させることができる。視覚、可聴、または他の手段を通して、本システムは、針が適切な距離だけ前進させられたときに医師に警告することができる。針を係止した後、次いで、ユーザは、コントローラがセンサ216を介してタインの位置を監視している間に、そのタインを手動で前進させることができる。本システムは、再度、タインが仮想処置限界および/または安全限界の制限内で適切な量だけ展開されたときに医師に警告する。次いで、本システムは、処置が開始し得ることを医師に警告することができる。
【0069】
針筐体230のなおもさらなる代替実施形態が、
図18Aおよび
図18Bで図示されている。針筐体230は、再度、全ての前の実施形態について説明されるものと略同一である、処置コード232および針シャフト234を含む。しかしながら、針キャリア236は、駆動ねじ240(そしてこれは、サーボモータ242によって駆動される)によって駆動されるという点で、前の実施形態とは異なる。サーボモータは、以前に議論された方法のうちのいずれかによって生成することができる、処置領域および/または安全領域の限界に関する情報に基づいて、システムコントローラ12によって制御される。
【0070】
同様に、タインスライド244は、
図18Bで最も良く見られるように、タインスライド駆動ねじ246によって駆動される。タインスライド駆動ねじは、順に、タインサーボモータ248によって駆動され、これはまた、システムコントローラによって駆動および制御される。針キャリア236はさらに、針キャリア位置センサ250と、タインスライド位置センサ252とを備えてもよいが、サーボモータが、針キャリア236およびタインスライド244に関する正確な位置データを提供するはずであるため、そのような位置センサは必須ではない。しかしながら、位置センサは、位置を初期化すること、ならびに針およびタイン展開動作中に位置を確認することを可能にするため、有用である。タインスライド位置センサ252は、可撓なコネクタストリップ254を通して接続されることができる。
【0071】
サーボ駆動型針およびタインを採用する実施形態は、針構造が展開されている間に処置限界および/または安全限界が決定される、これらに実施形態における針展開に先立って、処置限界および/または安全限界が仮想的に決定される両方の実施形態を含む、以前に説明された実施形態の大部分と組み合わせられてもよい。
【0072】
ここで
図19を参照すると、本発明の特定の実施形態では、針および/またはタイン位置は、処置プローブ構成からの情報よりもむしろ超音波画像情報に基づいて決定されてもよい。示されるように、内蔵撮像トランスデューサからの超音波データ流は、ディスプレイ上で提示される通常の画像を提供し、かつ針画像および場所情報をシステムコントローラに提供する。ユーザは、以前に説明された方法のうちのいずれかによって、限界の場所をシステムコントローラに入力する。次いで、システムコントローラは、処置領域および/または限界領域を計算し、これらを、監視された針/タイン位置に基づいて得られる実際の限界と比較することができる。
【0073】
ここで
図20を参照すると、本発明のシステムおよび方法はまた、組織中のリアルタイム針位置を追跡するために、無線周波数タグの使用等の外部針追跡に依存することもできる。次いで、安全かつ効果的な処置を達成することができるように、針が限界内にとどまっているかどうかを決定するために、システムコントローラは、リアルタイムデータに依拠することができる。
【0074】
本発明の好ましい実施形態が本明細書で示され、説明されているが、そのような実施形態は、一例のみとして提供されることが当業者に明白となるであろう。ここで、本発明から逸脱することなく、多数の変形例、変更、および置換が、当業者に想起されるであろう。本明細書で説明される本発明の実施形態の種々の代替案が、本発明を実践する際に採用され得ることを理解されたい。以下の請求項が、本発明の範囲を画定し、これらの請求項およびそれらの均等物の範囲内の方法および構造が、それによって対象とされることが意図される。