(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遷移金属複合酸化物の粒子表面に、水不溶性導電性炭素材料及び水溶性炭素材料由来の炭素の少なくとも一方が担持してなる電極活物質粒子(X)と、セルロースナノファイバー由来の炭素及び非晶質球状カーボン由来の炭素の少なくとも一方からなる導電助剤粒子(Y)とが、互いに独立した粒子として混在してなる非水電解質二次電池用活物質含有粒子混合物。
電極活物質粒子(X)中における水不溶性導電性炭素材料及び水溶性炭素材料の炭素原子換算量が、合計で1.0〜20.0質量%である請求項1に記載の非水電解質二次電池用活物質含有粒子混合物。
スラリーA中における遷移金属複合酸化物の含有量が、水100質量部に対して10〜400質量部である請求項5に記載の非水電解質二次電池用活物質含有粒子混合物の製造方法。
スラリーB中におけるセルロースナノファイバー及び非晶質球状カーボンの合計含有量が、水100質量部に対して1〜50質量部である請求項5又は6に記載の非水電解質二次電池用活物質含有粒子混合物の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の非水電解質二次電池用活物質含有粒子混合物は、水不溶性導電性炭素材料及び水溶性炭素材料由来の炭素の少なくとも一方が担持してなる電極活物質粒子(X)と、セルロースナノファイバー由来の炭素及び非晶質球状カーボン由来の炭素の少なくとも一方からなる導電助剤粒子(Y)とが、互いに独立した粒子として混在してなる。かかる電極活物質粒子(X)と導電助剤粒子(Y)とが、各々充分に乾燥した状態で、一方の粒子が他方の粒子に担持されることなく均一に混合されてなり、不要な水分も残存することなく、そのまま電池材料として活用することのできる有用な混合物である。
【0014】
本発明で用いる電極活物質粒子(X)とは、遷移金属複合酸化物の粒子表面に、水不溶性導電性炭素材料及び水溶性炭素材料由来の炭素の少なくとも一方が担持してなる粒子であり、遷移金属複合酸化物に水不溶性導電性炭素材料及び/又は水溶性炭素材料を添加し、焼成して得られるものである。
かかる遷移金属複合酸化物は、二次電池の正極活物質として用いられる酸化物、又は二次電池の負極活物質として用いられる酸化物のどちらでもよく、特に制限されないが、具体的には例えば、正極活物質用酸化物としては、LiFe
0.3Mn
0.7PO
4、Li
2Fe
0.28Mn
0.66Zr
0.03SiO
4、NaFe
0.3Mn
0.7PO
4が挙げられ、負極活物質用酸化物としては、Li
4Ti
5O
12、TiNb
2O
7、Ti
2Nb
10O
29が挙げられる。
【0015】
LiFe
0.3Mn
0.7PO
4は、例えばリチウム化合物とリン酸化合物を混合し、次いで鉄化合物及びマンガン化合物を含む金属塩を混合した懸濁液を調製し、水熱反応により結晶を得た後、熱処理することによって結晶度の高いものを得ることができる。また所定の材料をボールミル等により混合・粉砕して固体を得た後、焼成することによっても得ることができる。
リチウム化合物としては、水酸化物、炭酸化物、硫酸化物、酢酸化物が挙げられる。なかでも、水酸化物が好ましい。また、リン酸化合物としては、オルトリン酸(H
3PO
4、リン酸)、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム等が挙げられる。なかでもリン酸を用いるのが好ましく、70〜90質量%濃度の水溶液として用いるのが好ましい。また、鉄化合物としては、酢酸鉄、硝酸鉄、硫酸鉄等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、電池特性を高める観点から、硫酸鉄が好ましい。さらに、マンガン化合物としては、酢酸マンガン、硝酸マンガン、硫酸マンガン等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、電池特性を高める観点から、硫酸マンガンが好ましい。
より具体的な製造方法としては、水に、リチウム化合物として水酸化リチウム、リン酸化合物としてリン酸を添加した混合液に、鉄化合物として硫酸鉄、マンガン化合物として硫酸マンガンを添加して懸濁液を調製し、水熱反応を介して得られた固形分を固液分離し、焼成する製造方法が好ましい。なお、上記混合液中におけるリチウム化合物の含有量は、水100質量部に対し、好ましくは5〜50質量部であり、より好ましくは10〜45質量部である。
【0016】
Li
2Fe
0.28Mn
0.66Zr
0.03SiO
4は、例えばリチウム化合物とケイ酸化合物を混合し、次いで鉄化合物、マンガン化合物及びジルコニウム化合物を含む金属塩を混合した懸濁液を調製し、水熱反応により結晶を得た後、熱処理することによって結晶度の高いものを得ることができる。また所定の材料をボールミル等により混合・粉砕して固体を得た後、焼成することによっても得ることができる。
リチウム化合物としては、水酸化物、炭酸化物、硫酸化物、酢酸化物が挙げられる。なかでも、水酸化物が好ましい。また、ケイ酸化合物としては、反応性のあるシリカ化合物であれば特に限定されず、非晶質シリカ、ナトリウム塩(例えばメタケイ酸ナトリウム(Na
2SiO
3)、Na
4SiO
4・H
2O)等が挙げられる。また、鉄化合物としては、酢酸鉄、硝酸鉄、硫酸鉄等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、電池特性を高める観点から、硫酸鉄が好ましい。また、マンガン化合物としては、酢酸マンガン、硝酸マンガン、硫酸マンガン等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、電池特性を高める観点から、硫酸マンガンが好ましい。さらに、ジルコニウム化合物としては、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上用いてもよい。なかでも、電池物性を高める観点から、硫酸ジルコニウムが好ましい。
より具体的な製造方法としては、水に、リチウム化合物として水酸化リチウム、ケイ酸化合物としてメタケイ酸ナトリウムを添加した混合液に、鉄化合物として硫酸鉄、マンガン化合物として硫酸マンガン、ジルコニウム化合物として硫酸ジルコニウムを添加して懸濁液を調製し、水熱反応を介して得られた固形分を固液分離し、焼成する製造方法が好ましい。なお、上記混合液中におけるリチウム化合物の含有量は、水100質量部に対し、好ましくは5〜40質量部であり、より好ましくは7〜35質量部である。
【0017】
NaFe
0.3Mn
0.7PO
4は、例えばナトリウム化合物とリン酸化合物を混合し、次いで鉄化合物及びマンガン化合物を含む金属塩を混合した懸濁液を調製し、水熱反応により結晶を得た後、熱処理することによって結晶度の高いものを得ることができる。また所定の材料をボールミル等により混合・粉砕して固体を得た後、焼成することによっても得ることができる。
ナトリウム化合物としては、水酸化物、炭酸化物、硫酸化物、酢酸化物が挙げられる。なかでも、水酸化物が好ましい。また、リン酸化合物としては、オルトリン酸(H
3PO
4、リン酸)、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム等が挙げられる。なかでもリン酸を用いるのが好ましく、70〜90質量%濃度の水溶液として用いるのが好ましい。また、鉄化合物としては、酢酸鉄、硝酸鉄、硫酸鉄等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、電池特性を高める観点から、硫酸鉄が好ましい。さらに、マンガン化合物としては、酢酸マンガン、硝酸マンガン、硫酸マンガン等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、電池特性を高める観点から、硫酸マンガンが好ましい。
より具体的な製造方法としては、水に、ナトリウム化合物として水酸化ナトリウム、リン酸化合物としてリン酸を添加した混合液に、鉄化合物として硫酸鉄、マンガン化合物として硫酸マンガンを添加して懸濁液を調製し、水熱反応を介して得られた固形分を固液分離し、焼成する製造方法が好ましい。なお、上記混合液中におけるナトリウム化合物の含有量は、水100質量部に対し、好ましくは5〜50質量部であり、より好ましくは10〜45質量部である。
【0018】
Li
4Ti
5O
12は、チタン化合物及びリチウム化合物を焼成することにより得ることができる。用い得るチタン化合物としては、酸化チタン、オルトチタン酸やメタチタン酸等の含水酸化チタンが挙げられ、これらは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、電池物性を高める観点から、アナターゼ型TiO
2が好ましい。用い得るリチウム化合物としては、リチウム酸化物又はリチウム水酸化物が挙げられ、具体的には、炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウム等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、電池物性を高める観点から、炭酸リチウムが好ましい。
これらチタン化合物及びリチウム化合物の所定量を混合・粉砕した後、温度700〜900℃で8〜24時間焼成し、次いで得られた焼成物を粉砕することにより、Li
4Ti
5O
12を得ることができる。
【0019】
TiNb
2O
7は、チタン化合物及びニオブ化合物を焼成することにより得ることができる。用い得るチタン化合物としては、酸化チタン、オルトチタン酸やメタチタン酸等の含水酸化チタンが挙げられ、これらは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、電池物性を高める観点から、アナターゼ型TiO
2が好ましい。かかるチタン化合物には、不可避的に混入する場合も含め、その一部にチタン及びニオブ以外の異種金属M(MはSn、Zr、Fe、Bi、Cr、Mo、Na、Mg、Al及びSiからなる群より選ばれる少なくとも一種を示す。)を含んでいてもよく、異種金属(M)の含有量は、より良好な電池物性を確保する観点から、チタン化合物中に、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは15質量%以下である。用い得るニオブ化合物としては、ニオブ酸化物又はニオブ水酸化物が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、電池物性を高める観点から、五酸化ニオブ(Nb
2O
5)が好ましい。
これらチタン化合物及びニオブ化合物の所定量を混合・粉砕した後、温度1200〜1400℃で4〜24時間焼成し、次いで得られた焼成物を粉砕することにより、TiNb
2O
7を得ることができる。
【0020】
Ti
2Nb
10O
29は、例えばニオブ化合物及びチタン化合物等の所定の材料を用いて懸濁液を調製し、水熱反応により結晶を得た後、熱処理することによって結晶度の高いものを得ることができ、また所定の材料をボールミル等により混合・粉砕して固体を得た後、焼成することによっても得ることができる。
ニオブ化合物としては、水酸化ニオブ等を用いることができ、チタン化合物としては、硫酸チタニルや硫酸チタン等の硫酸塩、硝酸塩、塩化物、又は有機酸等を用いることができる。かかるチタン化合物には、不可避的に混入する場合も含め、その一部にチタン及びニオブ以外の異種金属M(MはSn、Zr、Fe、Bi、Cr、Mo、Na、Mg、Al及びSiからなる群より選ばれる少なくとも一種を示す。)を含んでいてもよく、異種金属(M)の含有量は、より良好な電池物性を確保する観点から、チタン化合物中に、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは15質量%以下である。
より具体的な製造方法としては、ニオブ化合物として水酸化ニオブ、チタン源としてアナターゼ型TiO
2を用い、過酸化水素及び水とともに懸濁液を調製し、水熱反応を介して得られた固形分を固液分離し、焼成する製造方法が好ましい。なお、上記懸濁液中におけるニオブとチタンのモル比(Nb/Ti)は、好ましくは4.0〜6.0であり、より好ましくは4.5〜5.5である。
【0021】
上記遷移金属複合酸化物は、良好な充放電特性を有する二次電池を得る観点から微小であることが好ましく、その平均粒径は好ましくは20〜400nmであり、より好ましくは20〜200nmであり、さらに好ましくは20〜100nmである。そのような微小な遷移金属複合酸化物は、固相法で得られた遷移金属複合酸化物を粉砕するか、又は水熱法により得ることができる。
【0022】
水不溶性導電性炭素材料とは、25℃の水100gに対する溶解量が、水不溶性導電性炭素材料の炭素原子換算量で0.4g未満である水不溶性の炭素材料であって、焼成等せずともそのもの自体が導電性を有し、上記遷移金属複合酸化物の粒子表面に担持される炭素源である。かかる水不溶性導電性炭素材料としては、グラファイト、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、及びサーマルブラックから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。グラファイトとしては、人造グラファイト(鱗片状、塊状、土状、グラフェン)、天然グラファイトのいずれであってもよい。用い得る水不溶性導電性炭素材料のBET比表面積は、電極活物質の吸着水分量を低減する観点から、好ましくは1〜750m
2/gであり、より好ましくは3〜500m
2/gである。また、かかる水不溶性導電性炭素材料の平均粒子径は、同様の観点から、好ましくは0.02〜20μmであり、より好ましくは0.03〜15μmである。
【0023】
水溶性炭素材料とは、25℃の水100gに、水溶性炭素材料の炭素原子換算量で0.4g以上、好ましくは1.0g以上溶解する炭素材料を意味し、焼成されることによって、上記遷移金属複合酸化物の粒子表面炭素源である。かかる水溶性炭素材料としては、例えば、糖類、ポリオール、ポリエーテル、及び有機酸から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。より具体的には、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース等の単糖類;マルトース、スクロース、セロビオース等の二糖類;デンプン、デキストリン等の多糖類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ブタンジオール、プロパンジオール、ポリビニルアルコール、グリセリン等のポリオールやポリエーテル;クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸等の有機酸が挙げられる。なかでも、溶媒への溶解性及び分散性を高めて炭素源として効果的に機能させる観点から、グルコース、フルクトース、スクロース、デキストリンが好ましく、グルコースがより好ましい。
【0024】
水不溶性導電性炭素材料及び水溶性炭素材料の炭素原子換算分は、水不溶性導電性炭素材料及び炭化された水溶性炭素材料が上記遷移金属複合酸化物の粒子表面に担持された炭素として、得られる電極活物質粒子(X)中に共存することとなる。かかる水不溶性導電性炭素材料及び水溶性炭素材料の炭素原子換算量は、これら水不溶性導電性炭素材料及び水溶性炭素材料由来の炭素の合計担持量に相当し、電極活物質粒子(X)中に、合計で、好ましくは1.0〜20.0質量%であり、より好ましくは2.0〜17.5質量%であり、さらに好ましくは3.0〜15.0質量%である。
【0025】
本発明で用いる導電助剤粒子(Y)は、セルロースナノファイバー由来の炭素及び非晶質球状カーボン由来の炭素の少なくとも一方からなる。
セルロースナノファイバーとは、全ての植物細胞壁の約5割を占める骨格成分であって、かかる細胞壁を構成する植物繊維をナノサイズまで解繊等することにより得ることができる軽量高強度繊維であり、セルロースナノファイバーを構成するセルロース分子鎖は、炭素による周期的構造で形成されている。かかるセルロースナノファイバーは、繊維径が1〜500nm、繊維長が1〜500μmであり、水への良好な分散性も有している。また、セルロースナノファイバーを構成するセルロース分子鎖では、炭素による周期的構造が形成されていることから、セルロースナノファイバーが炭化されると、優れた導電性を発現することができる。したがって、炭素源としてセルロースナノファイバーのみを用いれば、スプレードライヤーによる噴霧乾燥工程を経た後、還元雰囲気又は不活性雰囲気中での焼成工程を経ることによって、不要な水分を除去しつつ、かかるセルロースナノファイバー由来の炭素のみからなる、優れた導電性を有する導電助材粒子(Y)が得られる。
【0026】
非晶質球状カーボンとは、水とグルコース等の水溶性炭質材料の混合溶液を水熱反応させ、得られた反応後のスラリー水を高温で噴霧乾燥することで得られる微小な炭素結晶の集合体であって、かかる噴霧乾燥工程を経た後、還元雰囲気又は不活性雰囲気中での焼成工程を経ることによって、結晶性が高い炭素となる。したがって、炭素源として非晶質球状カーボンのみを用いれば、不要な水分を除去しつつ、かかる非晶質球状カーボン由来の炭素のみからなる、優れた導電性を有する導電助剤粒子(Y)が得られる。かかる非晶質球状カーボンの平均粒径は、50nm〜100μmである。
なお、セルロースナノファイバーと非晶質球状カーボンの双方を炭素源として用いてもよく、この場合には、スプレードライヤーによる噴霧乾燥工程を経た後、還元雰囲気又は不活性雰囲気中での焼成工程を経ることによって、不要な水分を除去しつつ、セルロースナノファイバー由来の炭素と非晶質球状カーボン由来の炭素の双方が混在した、炭素のみからなる導電助剤粒子(Y)が得られる。
【0027】
導電助剤粒子(Y)の含有量は、セルロースナノファイバー由来の炭素の量と非晶質球状カーボン由来の炭素量の合計に相当し、本発明の非水電解質二次電池用活物質含有粒子混合物中に、合計で、好ましくは1.0〜25.0質量%であり、より好ましくは1.0〜15.0質量%であり、さらに好ましくは1.0〜10.0質量%である。より具体的には、例えば、電極活物質粒子(X)が正極用電極に用いる遷移金属複合酸化物を含む場合、導電助剤粒子(Y)の含有量は、本発明の非水電解質二次電池用活物質含有粒子混合物中に、好ましくは1.0〜25.0質量%であり、より好ましくは1.0〜15.0質量%であり、さらに好ましくは1.0〜10.0質量%である。また、電極活物質粒子(X)が負極用電極に用いる遷移金属複合酸化物を含む場合、導電助剤粒子(Y)の含有量は、本発明の非水電解質二次電池用活物質含有粒子混合物中に、好ましくは1.0〜20.0質量%であり、より好ましくは1.0〜12.0質量%であり、さらに好ましくは1.0〜8.0質量%である。
【0028】
本発明の非水電解質二次電池用活物質含有粒子混合物の製造方法は、遷移金属複合酸化物の粒子に、水不溶性導電性炭素材料及び/又は水溶性炭素材料、並びに水を添加して、スラリーAを得る工程(I)、
セルロースナノファイバー及び/又は非晶質球状カーボン、並びに水を混合して、スラリーBを得る工程(II)、
少なくとも噴射口を二つ以上備えるスプレードライヤーを用い、工程(I)で得られたスラリーA及び工程(II)で得られたスラリーBを各々異なる噴射口から同時に噴霧乾燥して、スラリーAから形成される造粒体Cと、スラリーBから形成される造粒体Dとが混在する乾燥混合物Eを得る工程(III)、並びに
工程(III)で得られた乾燥混合物Eを還元雰囲気又は不活性雰囲気中において焼成する工程(IV)
を備える。
【0029】
工程(I)は、遷移金属複合酸化物の粒子に、水不溶性導電性炭素材料及び/又は水溶性炭素材料、及び水を添加して、スラリーAを得る工程である。遷移金属複合酸化物は、特に限定されないが、正極用電極に用いる遷移金属複合酸化物としては、上記のものを用いることができる。
【0030】
スラリーAにおける遷移金属複合酸化物の含有量は、水100質量部に対し、好ましくは10〜400質量部であり、より好ましくは30〜200質量部である。また、水不溶性導電性炭素材料及び水溶性炭素材料の合計含有量は、水100質量部に対し、好ましくは0.5〜100質量部であり、より好ましくは5〜50質量部である。
【0031】
得られるスラリーA中において、遷移金属複合酸化物と水不溶性導電性炭素材料及び/又は水溶性炭素材料を均一に分散させる観点から、分散機(ホモジナイザー)を用いた処理を行うことが好ましい。かかる分散機としては、例えば、離解機、叩解機、低圧ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、グラインダー、カッターミル、ボールミル、ジェットミル、短軸押出機、2軸押出機、超音波攪拌機、家庭用ジューサーミキサー等が挙げられる。なかでも、分散効率の観点から、超音波攪拌機が好ましい。スラリーAの分散均一性の程度は、例えば、UV・可視光分光装置を使用した光線透過率や、E型粘度計を使用した粘度で定量的に評価することもでき、また目視によって白濁度が均一であることを確認することで、簡便に評価することもできる。分散機で処理する時間は、好ましくは0.5〜6分間であり、より好ましくは1〜4分間である。
【0032】
工程(II)は、セルロースナノファイバー及び/又は非晶質球状カーボン、及び水を混合して、スラリーBを得る工程である。かかる混合は、弱い撹拌力で行うのが好ましい。かかる弱い撹拌力とは、具体的には、例えば撹拌翼を備える装置を用いて撹拌を行う場合、撹拌翼の回転速度が、好ましくは50〜500rpmであり、より好ましくは50〜200rpmであり、撹拌時間は、好ましくは0.5〜10分であり、より好ましくは0.5〜5分である。
【0033】
スラリーBにおけるセルロースナノファイバー及び非晶質球状カーボンの合計含有量は、水100質量部に対し、好ましくは1〜50質量部であり、より好ましくは1〜25質量部である。より具体的には、例えば、導電助剤粒子(Y)がセルロースナノファイバー由来の炭素のみからなる場合、スラリーBにおけるセルロースナノファイバー及び非晶質球状カーボンの合計含有量は、水100質量部に対し、好ましくは1〜40質量部であり、より好ましくは1〜20質量部である。また、導電助剤粒子(Y)が非晶質球状カーボン由来の炭素のみからなる場合、スラリーBにおけるセルロースナノファイバー及び非晶質球状カーボンの合計含有量は、水100質量部に対し、好ましくは1〜50質量部であり、より好ましくは1〜25質量部である。さらに、導電助剤粒子(Y)がセルロースナノファイバー由来の炭素及び非晶質球状カーボン由来の炭素の双方からなる場合、スラリーBにおけるセルロースナノファイバー及び非晶質球状カーボンの合計含有量は、水100質量部に対し、好ましくは1〜50質量部であり、より好ましくは1〜25質量部である。
【0034】
得られるスラリーB中において、セルロースナノファイバー及び/又は非晶質球状カーボンを均一に分散させる観点から、分散機(ホモジナイザー)を用いた処理を行うことが好ましい。かかる分散機としては、例えば、離解機、叩解機、低圧ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、グラインダー、カッターミル、ボールミル、ジェットミル、短軸押出機、2軸押出機、超音波攪拌機、家庭用ジューサーミキサー等が挙げられる。なかでも、分散効率の観点から、超音波攪拌機が好ましい。スラリーBの分散均一性の程度は、例えば、UV・可視光分光装置を使用した光線透過率や、E型粘度計を使用した粘度で定量的に評価することもでき、また目視によって白濁度が均一であることを確認することで、簡便に評価することもできる。分散機で処理する時間は、好ましくは0.5〜6分間であり、より好ましくは0.5〜4分間である。
【0035】
工程(III)は、少なくとも噴射口を二つ以上備えるスプレードライヤーを用い、工程(I)で得られたスラリーA及び工程(II)で得られたスラリーBを、各々異なる噴射口から同時に噴霧乾燥して、スラリーAから形成される造粒体Cと、スラリーBから形成される造粒体Dとが混在する乾燥混合物Eを得る工程である。
【0036】
乾燥混合物Eにおける造粒体Cと造粒体Dの混合割合は、スラリーAとスラリーBのスプレードライヤーからの噴射量の割合を調整することにより、適宜設定すればよい。スラリーAとスラリーBは、同一のスプレードライヤーの異なる噴射口から同時に噴射されて乾燥した造粒体となるが、スラリーAとスラリーBは各々別々の噴射口から噴射されるため得られる造粒体C及び造粒体Dは、スラリーA又はスラリーBが混在することなく、各々のスラリーが各々乾燥して形成される造粒体であって、スラリーAとスラリーBが混合されて形成される造粒体ではない。したがって、得られる乾燥混合物Eは、造粒体Cと造粒体Dが、互いに独立して混在してなる混合物である。
【0037】
噴霧乾燥の温度は、水分量を有効に低減しつつ、スラリーA及びスラリーBが混在することなく各々別個に造粒体C及び造粒体Dを形成する観点から、好ましくは150〜320℃であり、より好ましくは170〜250℃である。
【0038】
噴霧乾燥で得られる造粒体C及び造粒体Dの粒径は、レーザー回折・散乱法に基づく粒度分布におけるD
50値で、好ましくは1〜20μmであり、より好ましくは2〜15μmである。ここで、粒度分布測定におけるD
50値とは、レーザー回折・散乱法に基づく体積基準の粒度分布により得られる値であり、D
50値は累積50%での粒径(メジアン径)を意味する。したがって、適宜スプレードライヤーの運転条件を最適化することにより、かかる造粒体C及び造粒体Dの粒径を調整すればよい。
【0039】
工程(IV)は、工程(III)で得られた乾燥混合物Eを還元雰囲気又は不活性雰囲気中において焼成する工程である。これにより、乾燥混合物E中の造粒体Cでは、遷移金属複合酸化物の粒子表面に炭素が担持された電極活物質粒子(X)が生成し、またこれと同時に、乾燥混合物E中の造粒体Dでは、セルロースナノファイバー及び/又は非晶質球状カーボン由来の炭素からなる導電助剤粒子(Y)が生成するため、これら電極活物質粒子(X)と導電助剤粒子(Y)が、互いに独立した粒子として充分かつ均一に混合してなる非水電解質二次電池用活物質含有粒子混合物が得られる。かかる工程(IV)の焼成条件は、還元雰囲気又は不活性雰囲気中で、焼成温度が、好ましくは400℃以上、より好ましくは400〜800℃であり、焼成時間が、好ましくは10分〜3時間、より好ましくは0.5〜1.5時間である。
【0040】
本発明の非水電解質二次電池用活物質の混合材料を適用できるイオン二次電池とは、リチウムイオン二次電池又はナトリウムイオン二次電池であって、正極、負極、電解質及びセパレータを必須構成とするものであれば特に限定されない。かかるイオン二次電池において、本発明の非水電解質二次電池用活物質の混合材料から製造される電極は、正極、負極又は両極のどれでも構わない。
【0041】
本発明の非水電解質二次電池用活物質の混合材料を用いた電極は、具体的には、得られた混合材料とバインダー(例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やスチレンブタジエンゴム(SBR))を、質量比88〜98:2〜12の配合割合で混合し、これに電解液を加えて充分混練し、スラリー(極合剤)を調製する。得られたスラリーを、厚さ5〜40μmのアルミニウム箔等からなる集電体に塗布し、乾燥する。その後、所定の形状、大きさに打ち抜いた後、プレスして電極とする。得られた電極(正極又は/及び負極)と別途準備したセパレーターを、組み込み収容することでイオン二次電池が得られる。
【0042】
上記の電解液は、有機溶媒に支持塩を溶解させたものである。有機溶媒は、通常リチウムイオン二次電池やナトリウムイオン二次電池の電解液の用いられる有機溶媒であれば特に限定されるものではなく、例えば、カーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等を用いることができる。
【0043】
支持塩は、その種類が特に限定されるものではないが、リチウムイオン二次電池の場合、LiPF
6、LiBF
4、LiClO
4及びLiAsF
6から選ばれる無機塩、該無機塩の誘導体、LiSO
3CF
3、LiC(SO
3CF
3)
2及びLiN(SO
3CF
3)
2、LiN(SO
2C
2F
5)
2及びLiN(SO
2CF
3)(SO
2C
4F
9)から選ばれる有機塩、並びに該有機塩の誘導体の少なくとも1種であることが好ましい。また、ナトリウムイオン二次電池の場合、NaPF
6、Nb1F
4、NaClO
4及びNa1sF
6から選ばれる無機塩、該無機塩の誘導体、NaSO
3CF
3、NaC(SO
3CF
3)
2及びNaN(SO
3CF
3)
2、NaN(SO
2C
2F
5)
2及びNaN(SO
2CF
3)(SO
2C
4F
9)から選ばれる有機塩、並びに該有機塩の誘導体の少なくとも1種であることが好ましい。
【0044】
セパレータは、正極及び負極を電気的に絶縁し、電解液を保持する役割を果たすものである。たとえば、多孔性合成樹脂膜、特にポリオレフィン系高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン)の多孔膜を用いればよい。
【実施例】
【0045】
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0046】
《遷移金属複合酸化物=LiMn
0.7Fe
0.3PO
4における製造》
<CNFからなる導電助剤粒子を用いた製造>
[実施例1]
LiOH・H
2O 1272g、及び水 4000mLを混合してスラリー水を得た。次いで、得られたスラリー水を25℃の温度に保持しながら攪拌翼の回転速度400rpmにて3分間撹拌しつつ、85%のリン酸水溶液 1153gを35mL/分で滴下し、その後、攪拌翼の回転速度400rpmで12時間撹拌することにより、Li
3PO
4を含有するスラリーaを得た。かかるスラリーaは、リン1モルに対し、2.97モルのリチウムを含有していた。
続いて、得られたスラリーaに窒素をパージして、スラリーaでの反応を完了させた(溶存酸素濃度0.5mg/L)。次に、得られたスラリーa全量に対し、MnSO
4・5H
2O 1688g、FeSO
4・7H
2O 834gを添加して、混合液aを得た。このとき、添加したMnとFeのモル比(MnSO
4・H
2O:FeSO
4・7H
2O)は、70:30であった。次いで、得られた混合液aを蒸気加熱式オートクレーブ内に設置した合成容器に投入した。投入後、隔膜分離装置により水(溶存酸素濃度0.5mg/L未満)を加熱して得た飽和蒸気を用いて、170℃で1時間攪拌しながら加熱した。オートクレーブ内の圧力は、0.8MPaであった。生成した結晶をろ過し、結晶1質量部に対し12質量部の水により洗浄した。洗浄した結晶163gをグルコース(日本食品化工製無水結晶ぶどう糖)15.7g(活物質中における炭素原子換算量で4質量%に相当)とリパルプして、351gのスラリーA1(含水量49質量%)を得た。
【0047】
水 263mLにセルロースナノファイバー87.9g(セリッシュFD−200L、ダイセルファインケム製、含水量20質量%)を混合した後、超音波攪拌機(T25、IKA製)で1分間分散処理して、全体が均一に呈色する、351gのスラリーB1を得た(100質量部のスラリーB1当たり、セルロースナノファイバーの含有量は、炭素原子換算量で2質量部に相当)。スラリーA1とスラリーB1を、ともに噴射流量500cm
3/時間で同一のスプレードライ装置(MDL−050M、藤崎電機株式会社製)の異なる噴射口から同時に噴射し、180℃にて噴霧乾燥を行って、スラリーA1由来の造粒体C1(粒度分布測定におけるD
50値での粒径=8μm)と、スラリーB1由来の造粒体D1(粒度分布測定におけるD
50値での粒径=3μm)が混在した、乾燥混合物E1得た。
得られた乾燥混合物E1を、アルゴン水素雰囲気下(水素濃度3%)、700℃で1時間焼成して、グルコース由来の炭素が担持してなるリン酸マンガン鉄リチウム正極活物質粒子X1(LiMn
0.7Fe
0.3PO
4、炭素の量=4質量%)と、セルロースナノファイバーが炭化してなる炭素からなる導電助剤粒子Y1との粒子混合物Z1(粒子X1=96.2質量%、粒子Y1=3.8質量%)を得た。
得られた粒子混合物Z1のSEM像を
図1に示す。
【0048】
<ACSからなる導電助剤粒子を用いた製造>
[実施例2]
水 331mLにグルコース19.6gを混合して溶液を得た後、得られた溶液を蒸気加熱式オートクレーブに投入し、170℃で3時間水熱反応を行って非晶質球状カーボンを含む351gのスラリーB2を得た(100質量部のスラリーB2当たり、非晶質球状カーボンの含有量は2.5質量部に相当)。
【0049】
スラリーB1の代わりにスラリーB2を用いた以外、実施例1と同様にして、グルコース由来の炭素が担持してなるリン酸マンガン鉄リチウム正極活物質粒子X2(LiMn
0.7Fe
0.3PO
4、炭素の量=4質量%)と、非晶質球状カーボンが焼成してなる炭素からなる導電助剤粒子Y2との粒子混合物Z2(粒子X2=95.2質量%、粒子Y2=4.8質量%)を得た。
【0050】
<ケッチェンブラックからなる導電助剤を用いた製造>
[比較例1]
噴霧乾燥時にスラリーB1を添加しなかった以外、実施例1と同様にして、グルコース由来の炭素が担持してなるリン酸マンガン鉄リチウム正極活物質(LiMn
0.7Fe
0.3PO
4/C、炭素の量=4質量%)を得た。
得られたリン酸マンガン鉄リチウム正極活物質100質量部に対して、導電助剤としてケッチェンブラック(KB)5質量部を、ヘンシェルミキサー(FM10C/I、日本コークス工業株式会社製)で3分間混合して、グルコース由来の炭素が担持してなるリン酸マンガン鉄リチウム正極活物質粒子X3(LiMn
0.7Fe
0.3PO
4、炭素の量=4質量%)と、ケッチェンブラック粒子Y3との粒子混合物Z3(粒子X3=95.2質量%、粒子Y3=4.8質量%)を得た。
【0051】
《遷移金属複合酸化物=Li
2Fe
0.28Mn
0.66Zr
0.03SiO
4における製造》
<CNF及びACSからなる導電助剤粒子を用いた製造>
[実施例3]
LiOH・H
2O 856g、Na
4SiO
4・nH
2O 2794g及び水 750mLを混合してスラリーcを得た。次いで、このスラリーcに、MnSO
4・5H
2O 1586g、FeSO
4・7H
2O 784g、及びZr(SO
4)
2・4H
2O 106gを添加して混合液bを得た。混合液b中の、Mn、Fe及びZrのモル比(MnSO
4・H
2O:FeSO
4・7H
2O:Zr(SO
4)
2・4H
2O)は、66:28:3であった。
次いで、得られた混合液bを蒸気加熱式オートクレーブ内に設置した合成容器に投入した。投入後、隔膜分離装置により水(溶存酸素濃度0.5mg/L未満)を加熱して得た飽和蒸気を用いて、150℃で12時間攪拌しながら加熱した。オートクレーブの圧力は0.4MPaであった。生成した結晶をろ過し、次いで結晶1質量部に対し12質量部の水により洗浄した。洗浄した結晶を−50℃で12時間凍結乾燥して複合体bを得た。得られた複合体bをグルコース32.2g(活物質中における炭素原子換算量で8質量%に相当)とリパルプして、351gのスラリーA4(含水量45wt%)を得た。
【0052】
実施例1で得られた195gのスラリーB1と、実施例2で得られた156gのスラリーB2を混合して、351gのスラリーB4(100質量部のスラリーB4当たり、セルロースナノファイバーの含有量の炭素原子換算量は1質量部に相当、非晶質球状カーボンの含有量は、1質量部に相当)を得た。
スラリーA1の代わりにスラリーA4を、スラリーB1の代わりにスラリーB4を用いた以外、実施例1と同様にして、グルコース由来の炭素が担持してなるZrをドープしたケイ酸マンガン鉄リチウム正極活物質粒子X4(Li
2Fe
0.28Mn
0.66Zr
0.03SiO
4、炭素の量=8質量%)と、セルロースナノファイバーが炭化してなる炭素と非晶質球状カーボンが焼成してなる炭素が質量比1:1で混在する炭素からなる導電助剤粒子Y4との粒子混合物Z4(粒子X4=95.2質量%、粒子Y4=4.8質量%)を得た。
【0053】
<ACSからなる導電助剤粒子を用いた製造>
[実施例4]
スラリーB4の代わりに実施例2で得られたスラリーB2を用いた以外、実施例3と同様にして、グルコース由来の炭素が担持してなるZrをドープしたケイ酸マンガン鉄リチウム正極活物質粒子X5(Li
2Fe
0.28Mn
0.66Zr
0.03SiO
4、炭素の量=8質量%)と、非晶質球状カーボンが焼成してなる炭素からなる導電助剤粒子Y5との粒子混合物Z5(粒子X5=95.2質量%、粒子Y5=4.8質量%)を得た。
【0054】
<ケッチェンブラックからなる導電助剤を用いた製造>
[比較例2]
噴霧乾燥時にスラリーB4を添加しなかった以外、実施例3と同様にして、グルコース由来の炭素が担持してなるZrをドープしたケイ酸マンガン鉄リチウム正極活物質(LiMn
0.7Fe
0.3PO
4/C、炭素の量=8質量%)を得た。
得られたグルコース由来の炭素が担持してなるZrをドープしたケイ酸マンガン鉄リチウム正極活物質100質量部に対して、導電助剤としてケッチェンブラック(KB)5質量部を、ヘンシェルミキサー(FM10C/I)で3分間混合して、グルコース由来の炭素が担持してなるZrをドープしたケイ酸マンガン鉄リチウム正極活物質粒子X6(LiMn
0.7Fe
0.3PO
4/C、炭素の量=8質量%)と、ケッチェンブラック粒子Y6との粒子混合物Z6(粒子X6=95.2質量%、粒子Y6=4.8質量%)を得た。
【0055】
《遷移金属複合酸化物=NaMn
0.7Fe
0.3PO
4における製造》
<CNFからなる導電助剤粒子を用いた製造>
[実施例5]
NaOH 1200g、及び水 18000mLを混合してスラリー水を得た。次いで、得られたスラリー水を25℃の温度に保持しながら攪拌翼の回転速度400rpmにて5分間撹拌しつつ、85%のリン酸水溶液 1154gを35mL/分で滴下し、その後、攪拌翼の回転速度400rpmで12時間撹拌することにより、Na
3PO
4を含有するスラリーcを得た。かかるスラリーcは、リン1モルに対し、3.00モルのナトリウムを含有していた。
次に、得られたスラリーcに窒素をパージして、スラリーcでの反応を完了させた(溶存酸素濃度0.5mg/L)。次に、得られたスラリーc全量に対し、MnSO
4・5H
2O 1638g、FeSO
4・7H
2O 834gを添加して、混合液cを得た。このとき、添加したMnとFeのモル比(MnSO
4・H
2O:FeSO
4・7H
2O)は、70:30であった。次いで、得られた混合液cを、窒素ガスでパージした蒸気加熱式オートクレーブ内に設置した合成容器に投入した。投入後、隔膜分離装置により水(溶存酸素濃度0.5mg/L未満)を加熱して得た飽和蒸気を用いて、200℃で3時間攪拌しながら加熱した。オートクレーブ内の圧力は、1.4MPaであった。生成した結晶をろ過し、結晶1質量部に対し12質量部の水により洗浄した。洗浄した結晶172gをグルコース17.3g(活物質中における炭素原子換算量で4質量%に相当)とリパルプして、351gのスラリーA5(含水量46質量%)を得た。
【0056】
スラリーA1の代わりにスラリーA5を用いた以外、実施例1と同様にして、グルコース由来の炭素が担持してなるリン酸マンガン鉄ナトリウム正極活物質粒子X7(NaMn
0.7Fe
0.3PO
4、炭素の量=4質量%)と、セルロースナノファイバーが炭化してなる炭素からなる導電助剤粒子Y7との粒子混合物Z7(粒子X7=95.2質量%、粒子Y7=4.8質量%)を得た。
【0057】
<CNF及びACSからなる導電助剤粒子を用いた製造>
[実施例6]
スラリーB1の代わりに実施例2で得られたスラリーB2を用いた以外、実施例5と同様にして、グルコース由来の炭素が担持してなるリン酸マンガン鉄ナトリウム正極活物質粒子X8(NaMn
0.7Fe
0.3PO
4、炭素の量=4質量%)と、セルロースナノファイバーが炭化してなる炭素と非晶質球状カーボンが焼成してなる炭素が質量比1:1で混在する炭素からなる導電助剤粒子Y8との粒子混合物Z8(粒子X8=95.2質量%、粒子Y8=4.8質量%)を得た。
【0058】
<ケッチェンブラックからなる導電助剤粒子を用いた製造>
[比較例3]
噴霧乾燥時にスラリーB1を添加しなかった以外、実施例5と同様にして、グルコース由来の炭素が担持してなるリン酸マンガン鉄ナトリウム正極活物質(NaMn
0.7Fe
0.3PO
4、炭素の量=4質量%)を得た。
得られたグルコース由来の炭素が担持してなるリン酸マンガン鉄ナトリウム正極活物質100質量部に対して、導電助剤としてケッチェンブラック(KB)5質量部を、ヘンシェルミキサー(FM10C/I)で3分間混合して、グルコース由来の炭素が担持してなるリン酸マンガン鉄ナトリウム正極活物質粒子X9(NaMn
0.7Fe
0.3PO
4、炭素の量=4質量%)と、ケッチェンブラック粒子Y9との粒子混合物Z9(粒子X9=95.2質量%、粒子Y9=4.8質量%)を得た。
【0059】
《遷移金属複合酸化物=Li
4Ti
5O
12における製造》
<CNFからなる導電助剤粒子を用いた製造>
[実施例7]
アナターゼ型TiO
2(関東化学(株)製) 1.768kg、Li
2CO
3(関東化学(株)製) 0.654kg、及びエタノール(関東化学(株)製、粉砕助剤) 6gを混合し、ボールミルで4時間粉砕した後、大気雰囲気下、800℃で10時間焼成してLi
4Ti
5O
12(平均粒子径100nm)を得た。得られたLi
4Ti
5O
12を150g分取し、これに水186g及びグルコース15.0g(活物質中における炭素原子換算量で4質量%に相当)を添加し、リパルプして、351gのスラリーA6(含水量49質量%)を得た。
【0060】
スラリーA1の代わりにスラリーA6を用いた以外、実施例1と同様にして、グルコース由来の炭素が担持してなるチタン酸リチウム負極活物質粒子X10(Li
4Ti
5O
12、炭素の量=4質量%)と、セルロースナノファイバーが炭化してなる炭素からなる導電助剤粒子Y10との粒子混合物Z10(粒子X10=95.2質量%、粒子Y10=4.8質量%)を得た。
【0061】
<ACSからなる導電助剤粒子を用いた製造>
[実施例8]
スラリーB1の代わりに実施例2で得られたスラリーB2を用いた以外、実施例7と同様にして、グルコース由来の炭素が担持してなるチタン酸リチウム負極活物質粒子X11(Li
4Ti
5O
12、炭素の量=4質量%)と、非晶質球状カーボンが焼成してなる炭素からなる導電助剤粒子Y11との粒子混合物Z11(粒子X11=95.2質量%、粒子Y11=4.8質量%)を得た。
【0062】
<ケッチェンブラックからなる導電助剤粒子を用いた製造>
[比較例4]
噴霧乾燥時にスラリーB1を添加しなかった以外、実施例7と同様にして、グルコース由来の炭素が担持してなるチタン酸リチウム負極活物質(Li
4Ti
5O
12、炭素の量=4質量%)を得た。
得られたグルコース由来の炭素が担持してなるチタン酸リチウム負極活物質100質量部に対して、導電助剤としてケッチェンブラック(KB)5質量部を、ヘンシェルミキサー(FM10C/I)で3分間混合して、グルコース由来の炭素が担持してなるチタン酸リチウム負極活物質粒子X12(Li
4Ti
5O
12、炭素の量=4質量%)と、ケッチェンブラック粒子Y12との粒子混合物Z112(粒子X12=95.2質量%、粒子Y12=4.8質量%)を得た。
【0063】
《二次電池を用いた充放電特性の評価》
実施例1〜8及び比較例1〜4で得られた粒子混合物Z1〜Z12を用い、リチウムイオン二次電池もしくはナトリウムイオン電池の正極または負極を作製した。具体的には、混合物とポリフッ化ビニリデンを質量比95:5の割合で混合し、これにN−メチル−2−ピロリドンを加えて充分混練して、正極用もしくは負極用スラリーを調製した。
次いで、正極を製造する場合は、上記正極用スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔からなる集電体に塗工機を用いて塗布した後、80℃で12時間の真空乾燥を行った。負極を製造する場合は、上記負極用スラリーを厚さ10μmの銅箔への塗工を行った。それら電極材料が塗工された金属箔を、φ14mmの円盤状に打ち抜き、ハンドプレスを用いて16MPaで2分間プレスした。
次いで、コイン型二次電池を構築した。上記の正極を用いる場合は、対極(負極)にφ15mmに打ち抜いたリチウム箔(リチウムイオン二次電池の場合)もしくはナトリウム箔(ナトリウムイオン二次電池の場合)を用いた。また、上記の負極を用いる場合は、対極(正極)にφ15mmに打ち抜いたリチウム箔(リチウムイオン二次電池の場合)もしくはナトリウム箔(ナトリウムイオン二次電池の場合)を用いた。電解液には、エチレンカーボネート及びエチルメチルカーボネートを体積比1:1の割合で混合した混合溶媒に、LiPF
6(リチウムイオン二次電池の場合)もしくはNaPF
6(ナトリウムイオン二次電池の場合)を1mol/Lの濃度で溶解したものを用いた。セパレータには、ポリプロピレンなどの高分子多孔フィルムなど、公知のものを用いた。これらの電池部品を露点が−50℃以下の雰囲気で常法により組み込み収容し、コイン型二次電池(CR−2032)を製造した。
【0064】
リチウムイオン二次電池で、正極用の遷移金属複合酸化物としてリン酸マンガン鉄リチウム(LiFe
0.3Mn
0.7PO
4)を用いた場合は、充電条件を電流0.1CA(17mA/g)、電圧4.5Vの定電流定電圧充電とし、放電条件を3CA(510mA/g)、終止電圧2.0Vの定電流放電として、3CAにおける放電容量を求めた。また、正極用の遷移金属複合酸化物として、Zrをドープしたケイ酸鉄マンガンリチウム(Li
2Fe
0.28Mn
0.66Zr
0.03SiO
4)を用いた場合には、充電条件を電流0.1CA(33mA/g)、電圧4.5Vの定電流定電圧充電とし、放電条件を1CA(330mA/g)、終止電圧1.5Vの定電流放電として、1CAにおける放電容量を求めた。さらに、負極用の遷移金属複合酸化物として、チタン酸リチウムを用いた場合には、充電条件は電流0.1CA(17.5mA/g)、電圧2.5Vの定電流充電とし、放電条件は電流0.1CA、終止電圧1.0Vの定電流放電として、0.1CAにおける放電容量を求めた。
ナトリウムイオン二次電池の場合、充電条件を電流0.1CA(15.4mA/g)、電圧4.5Vの定電流定電圧充電とし、放電条件を3CA(462mA/g)、終止電圧2.0Vの定電流放電として、3CAにおける放電容量を求めた。
結果を表1〜4に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
上記結果より、実施例の正極材料又は負極材料としての粒子混合物は、比較例の正極材料又は負極材料としての粒子混合物に比して、得られる電池においても優れた性能を発揮できることがわかる。