特許第6243954号(P6243954)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243954
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】プレスブレーキの安全装置
(51)【国際特許分類】
   B21D 5/02 20060101AFI20171127BHJP
   B30B 15/00 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   B21D5/02 M
   B30B15/00 C
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-80757(P2016-80757)
(22)【出願日】2016年4月14日
(65)【公開番号】特開2017-189800(P2017-189800A)
(43)【公開日】2017年10月19日
【審査請求日】2017年3月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】青木 貴行
(72)【発明者】
【氏名】松浦 絢人
(72)【発明者】
【氏名】岡本 亮太
【審査官】 石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第01387121(EP,A2)
【文献】 特開2005−296966(JP,A)
【文献】 特開2015−211984(JP,A)
【文献】 特表2006−504914(JP,A)
【文献】 欧州特許第01515078(EP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 5/02
B30B 15/00
F16P 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パンチ金型を保持するための上部テーブルと、ダイ金型を保持するための下部テーブルと、前記上部テーブルを下降及び上昇させるアクチュエータとを備えるプレスブレーキの安全装置であり、
前記上部テーブルに装着され、前記パンチ金型と前記ダイ金型との間を通過するようにレーザ光を射出する投光器と、
前記上部テーブルに装着され、前記パンチ金型と前記ダイ金型との間を通過したレーザ光を検出する光検出器を有して、前記レーザ光を受光する受光状態であるか前記レーザ光を受光しない遮光状態であるかを判別する受光器と、
前記アクチュエータが、前記ダイ金型上に配置された材料を前記パンチ金型と前記ダイ金型とで挟んで曲げ加工するために前記上部テーブルを下降させているとき、
前記パンチ金型の前記ダイ金型側の先端と前記材料の前記パンチ金型側の上端との第1の距離が、前記パンチ金型の前記先端と前記光検出器との第2の距離以上である条件を満たす期間においては、前記受光器が遮光状態であると判別したら、前記上部テーブルの下降を停止させるよう制御し、
前記第1の距離が前記第2の距離未満である条件を満たす期間においては、前記受光器が遮光状態であると判別しても、前記上部テーブルの下降を停止させず下降を継続させるよう制御する安全制御部であって、
前記パンチ金型の前記ダイ金型側の先端と前記材料の前記パンチ金型側の上端との第1の距離と、前記パンチ金型の前記先端と前記光検出器との第2の距離とを比較し、第1の距離が第2の距離以上のときは第1の出力値を出力し、第1の距離が第2の距離より小さいときは第2の出力値を出力する比較器と、
前記比較器からの第1又は第2出力値と、前記受光器の遮光出力値と又は非遮光出力値を受け取るAND回路であって、前記比較器から第1出力値を受け取り、且つ、前記受光器から遮光出力値を受け取った時のみ前記上部テーブルの下降停止信号を出力するAND回路と、を有する安全制御部と、
を備えることを特徴とするプレスブレーキの安全装置。
【請求項2】
前記受光器は、前記パンチ金型の移動経路に沿って配列された第1の複数の光検出器と、前記第1の複数の光検出器よりも前側に配列された第2の複数の光検出器とを有し、前記第1及び第2の複数の光検出器それぞれの光検出器が個別に前記レーザ光を検出したか否かに基づいて、受光状態であるか遮光状態であるかを判別することを特徴とする請求項1に記載のプレスブレーキの安全装置。
【請求項3】
前記材料が平板状の板材の側方に前記パンチ金型側に立ち上がるフランジを有するとき、
前記安全制御部は、
前記受光器が、前記第1の複数の光検出器が前記レーザ光を検出したか否かに基づいて受光状態であるか遮光状態であるかを判別するときには、前記板材の上端を前記材料の前記パンチ金型側の上端として前記第1の距離を算出し、
前記受光器が、前記第2の複数の光検出器が前記レーザ光を検出したか否かに基づいて受光状態であるか遮光状態であるかを判別するときには、前記フランジの上端を前記材料の前記パンチ金型側の上端として前記第1の距離を算出する
ことを特徴とする請求項2に記載のプレスブレーキの安全装置。
【請求項4】
前記安全制御部には、前記材料の加工の仕方を示す加工データに基づいて計算された前記フランジの高さを示す値が供給され、
前記安全制御部は、前記フランジの高さに基づいて前記第1の距離を算出する
ことを特徴とする請求項3に記載のプレスブレーキの安全装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレスブレーキの安全装置及びプレスブレーキの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プレスブレーキは、パンチ金型が装着される上部テーブルと、ダイ金型が装着される下部テーブルとを備える。プレスブレーキは、上部テーブルを下部テーブルへと下降させて、金属の材料をパンチ金型とダイ金型とで挟んで折り曲げる。材料を曲げ加工する際、パンチ金型が下降する領域に人の手が入ってけがをすることを防止するため、プレスブレーキは、人の手等の侵入物が入ったことを検出して曲げ加工の動作を停止させる安全装置を備える。
【0003】
安全装置の1つとして、侵入物がレーザ光を遮ると曲げ加工の動作を停止させる、いわゆるレーザ式の安全装置がある。この種の安全装置においては、レーザ光が曲げ加工される材料によって遮られた場合には曲げ加工の動作を停止させないようにする必要がある。特許文献1及び2には、材料の上方に指が入り込まないと想定される安全間隔を設定し、パンチ金型が材料の上方の安全間隔で設定された領域に到達した以降は、安全装置を無効にすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第1387121号明細書
【特許文献2】欧州特許第1515078号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、6〜14mmを安全間隔とすることが記載されている。しかしながら、このような比較的短い距離でも安全装置を無効にすることは好ましくない。
【0006】
本発明は、材料の上方に安全装置を無効にする領域を設定することなく、レーザ光が材料によって遮られた場合には曲げ加工の動作を停止させず、レーザ光が侵入物によって遮られた場合には曲げ加工の動作を停止させることができるプレスブレーキの安全装置及びプレスブレーキの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、パンチ金型を保持するための上部テーブルと、ダイ金型を保持するための下部テーブルと、前記上部テーブルを下降及び上昇させるアクチュエータとを備えるプレスブレーキの安全装置であり、前記上部テーブルに装着され、前記パンチ金型と前記ダイ金型との間を通過するようにレーザ光を射出する投光器と、前記上部テーブルに装着され、前記パンチ金型と前記ダイ金型との間を通過したレーザ光を検出する光検出器を有して、前記レーザ光を受光する受光状態であるか前記レーザ光を受光しない遮光状態であるかを判別する受光器と、前記アクチュエータが、前記ダイ金型上に配置された材料を前記パンチ金型と前記ダイ金型とで挟んで曲げ加工するために前記上部テーブルを下降させているとき、前記パンチ金型の前記ダイ金型側の先端と前記材料の前記パンチ金型側の上端との第1の距離が、前記パンチ金型の前記先端と前記光検出器との第2の距離以上である条件を満たす期間においては、前記受光器が遮光状態であると判別したら、前記上部テーブルの下降を停止させるよう制御し、前記第1の距離が前記第2の距離未満である条件を満たす期間においては、前記受光器が遮光状態であると判別しても、前記上部テーブルの下降を停止させず下降を継続させるよう制御する安全制御部とを備えることを特徴とするプレスブレーキの安全装置を提供する。
【0008】
本発明は、上部テーブルに装着された投光器によって、前記上部テーブルに保持されたパンチ金型と下部テーブルに保持されたダイ金型との間を通過するようにレーザ光を射出し、前記パンチ金型と前記ダイ金型との間を通過したレーザ光を前記上部テーブルに装着された受光器が備える光検出器が検出するか否かに基づいて、前記受光器が前記レーザ光を受光する受光状態であるか受光しない遮光状態であるかを判別し、前記上部テーブルを下降及び上昇させるアクチュエータが、前記ダイ金型上に配置された材料を前記パンチ金型と前記ダイ金型とで挟んで曲げ加工するために前記上部テーブルを下降させているとき、前記パンチ金型の前記ダイ金型側の先端と前記材料の前記パンチ金型側の上端との第1の距離が、前記パンチ金型の前記先端と前記光検出器との第2の距離以上である条件を満たす期間においては、前記受光器が遮光状態であると判別したら、前記上部テーブルの下降を停止させるよう前記アクチュエータを制御し、前記アクチュエータが、前記ダイ金型上に配置された材料を前記パンチ金型と前記ダイ金型とで挟んで曲げ加工するために前記上部テーブルを下降させているとき、前記第1の距離が前記第2の距離未満である条件を満たす期間においては、前記受光器が遮光状態であると判別しても、前記上部テーブルの下降を停止させず下降を継続させるよう前記アクチュエータを制御することを特徴とするプレスブレーキの制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のプレスブレーキの安全装置及びプレスブレーキの制御方法によれば、材料の上方に安全装置を無効にする領域を設定することなく、レーザ光が材料によって遮られた場合には曲げ加工の動作を停止させず、レーザ光が侵入物によって遮られた場合には曲げ加工の動作を停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態のプレスブレーキの安全装置の概略的な構成を示す図である。
図2】一実施形態のプレスブレーキの安全装置の具体的な構成を示すブロック図である。
図3】投光器より受光器を見たときの、フォトダイオードの配置の状態を示す模試的な平面図である。
図4】フランジを有さない材料を曲げ加工する通常曲げ時に、安全制御部が安全動作を働かせるか否かを判定するために用いるパラメータを示す図である。
図5】フランジを有する材料を曲げ加工する箱曲げ時に、安全制御部が安全動作を働かせるか否かを判定するために用いるパラメータを示す図である。
図6】安全制御部の機能的な内部構成例を示すブロック図である。
図7】通常曲げ時と箱曲げ時における曲げ加工の動作を停止させる停止条件と停止させない非停止条件とを表形式にまとめた図である。
図8】プレスブレーキによって曲げ加工される材料の一例を示す斜視図である。
図9図8に示す材料が曲げ加工される途中の状態を示す斜視図である。
図10】プレスブレーキ制御装置がプレスブレーキを制御して材料の曲げ加工を実行させるときの処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、一実施形態のプレスブレーキの安全装置及びプレスブレーキの制御方法について、添付図面を参照して説明する。まず、図1を用いて、プレスブレーキの概略的な構成を説明する。プレスブレーキは、上部テーブル10と、下部テーブル20とを備える。上部テーブル10は、左右に設けた油圧シリンダ11L及び11Rによって、上下動するように構成されている。
【0012】
アクチュエータ12L及び12Rは、それぞれ、油圧シリンダ11L及び11Rを駆動する。アクチュエータ12L及び12Rは、例えば、双方向回転ポンプ121と、双方向回転ポンプ121を正転または逆転させるモータ122とで構成される。
【0013】
プレスブレーキ制御装置50が、モータ122を正転させるようモータ122を制御すると、双方向回転ポンプ121が正転して油圧シリンダ11L及び11Rを下降させることができる。プレスブレーキ制御装置50が、モータ122を逆転させるようモータ122を制御すると、双方向回転ポンプ121が逆転して油圧シリンダ11L及び11Rを上昇させることができる。プレスブレーキ制御装置50は、NC装置によって構成することができる。
【0014】
リニアエンコーダ13L及び13Rは、上部テーブル10の上下方向の位置を検出する。リニアエンコーダ13L及び13Rが検出した位置情報は、プレスブレーキ制御装置50及び後述する安全制御部42に供給される。プレスブレーキ制御装置50は、位置情報に基づいて上部テーブル10の上下方向の位置を制御する。
【0015】
上部テーブル10には図示していない上部金型ホルダが取り付けられ、下部テーブル20には図示していない下部金型ホルダが取り付けられている。上部金型ホルダにはパンチ金型14が装着され、下部金型ホルダにはダイ金型24が装着されている。このようにして、上部テーブル10はパンチ金型14を保持し、下部テーブル20はダイ金型24を保持する。例えば平板状の板材である材料Wは、ダイ金型24上に配置されている。上部テーブル10を下降させると、材料Wはパンチ金型14とダイ金型24とによって挟まれて折り曲げられる。
【0016】
次に、本実施形態のプレスブレーキの安全装置の概略的な構成を説明する。図1において、上部テーブル10の左側には、アーム15Lを介して投光器30が装着されている。上部テーブル10の右側には、アーム15Rを介して、受光器41と安全制御部42とを含む受光ユニット40が装着されている。安全制御部42は受光ユニット40の外部に設けられていてもよい。
【0017】
投光器30は、パンチ金型14とダイ金型24との間を通過するように受光器41に向けてレーザ光L30を射出し、受光器41はレーザ光L30を受光する。上部テーブル10が下降すると、レーザ光L30が材料Wによって遮られるまで、受光器41はレーザ光L30を受光する。
【0018】
安全制御部42は、受光器41がレーザ光L30を受光する受光状態であるか、レーザ光L30を受光しない遮光状態であるかによって、上部テーブル10の下降を停止させるか否かを決定する停止信号Sstopを生成して出力する。停止信号Sstopは、値が“0”であれば上部テーブル10の下降を停止させず下降を継続させることを示し、値が“1”であれば上部テーブル10の下降を停止さることを示す。
【0019】
受光器41がレーザ光L30を受光すれば、レーザ光L30は手等の侵入物によって遮られていないということである。そこで、安全制御部42は停止信号Sstopとして値“0”を出力する。上部テーブル10が下降する途中でレーザ光L30が手等の侵入物によって遮られると、受光器41はレーザ光L30を受光しない。そこで、安全制御部42は停止信号Sstopとして値“1”を出力する。
【0020】
後述するように、安全制御部42は、レーザ光L30が材料W(またはダイ金型24)によって遮られて受光器41がレーザ光L30を受光しなかった場合には、停止信号Sstopとして値“1”を出力しないように構成されている。
【0021】
安全制御部42が停止信号Sstopとして値“1”を出力すると、プレスブレーキ制御装置50は上部テーブル10の下降を停止させ、プレスブレーキによる材料の曲げ加工を中断させる。
【0022】
図2及び図3を用いて、プレスブレーキの安全装置の具体的な構成を説明する。図2に示すように、投光器30はレーザ光源301と、レーザ光源301が射出した拡散光のレーザ光を平行光であるレーザ光L30とするコリメートレンズ302とを有する。
【0023】
受光器41は、例えば6個のフォトダイオードPd1〜Pd6を有する。便宜上、フォトダイオードPd1〜Pd6にはそれぞれ1〜6の数字を付している。フォトダイオードは光検出器の一例である。フォトダイオードPd1〜Pd6は、レーザ光L30の受光状態と遮光状態とを個別に検出する。
【0024】
受光器41は、フォトダイオードPd1〜Pd6それぞれの出力信号を増幅する増幅器Ap1〜Ap6と、増幅器Ap1〜Ap6より出力される電流値に基づいて、レーザ光L30が遮られているか否かを示す判別値を出力する判別値出力部411とを有する。
【0025】
図3は、投光器30より受光器41を見たときの、フォトダイオードPd1〜Pd6の配置の状態を示している。図3の右側がプレスブレーキの前側、左側がプレスブレーキの奥側である。
【0026】
フォトダイオードPd1〜Pd3は、パンチ金型14がダイ金型24の方向へと下降していくときのパンチ金型14の移動経路に沿って垂直方向に配列されている。フォトダイオードPd1〜Pd3は、移動経路上、または、移動経路よりもわずかに奥側に配列されている。フォトダイオードPd4〜Pd6は、移動経路よりも前側に垂直方向に配置されている。フォトダイオードPd1及びPd4、Pd2及びPd5、Pd3及びPd6は、垂直方向の同じ位置に配置されている。
【0027】
パンチ金型14の移動経路に沿って配置するフォトダイオードと、移動経路よりも前側に配置するフォトダイオードの数は3個に限定されることはなく、2個でもよいし、4個以上でもよい。レーザ光L30を受光するフォトダイオードの数は限定されない。フォトダイオードの数が多いほど、侵入物を検出しやすくなる。
【0028】
一例として、判別値出力部411は、増幅器Ap1〜Ap6がレーザ光L30を受光して増幅器Ap1〜Ap6より所定レベル以上の電流値が出力される場合には、レーザ光L30が遮られていないことを示す判別値“0”を出力する。判別値出力部411は、増幅器Ap1〜Ap6のいずれかがレーザ光L30を受光せず、増幅器Ap1〜Ap6のうち対応する増幅器より所定レベル以上の電流値が出力されない場合には、レーザ光L30が遮られたことを示す判別値“1”を出力する。
【0029】
安全制御部42は、2つの中央処理装置(CPU)421及び422を有する。判別値出力部411より出力された判別値はCPU421及び422に供給される。図2においては、判別値出力部411からCPU421及び422への信号線を1本で表現しているが、CPU421及び422には、フォトダイオードPd1〜Pd6それぞれの出力信号に基づく判別値Det1〜Det6が並列的に供給される。
【0030】
CPU421及び422には、リニアエンコーダ13L及び13Rが検出した位置情報であるプレスブレーキのストロークが供給される。プレスブレーキのストロークは、パラメータのうちの1つである。また、CPU421及び422には、プレスブレーキ制御装置50より、プレスブレーキ(安全装置を含む)の各種のパラメータが供給される。プレスブレーキ制御装置50よりCPU421及び422に供給されるパラメータは、パンチ金型14及びダイ金型24に関する情報、材料Wに関する情報、フォトダイオードPd1〜Pd6の取り付け位置に関する情報を含む。
【0031】
プレスブレーキのストロークをCPU421及び422に供給しない場合には、プレスブレーキ制御装置50がプレスブレーキのストロークをCPU421及び422に供給すればよい。
【0032】
CPU421及び422は、入力されたパラメータ、及び、判別値出力部411より出力された判別値に基づいて、パンチ金型14が下降する領域に手等の侵入物が入った否かを検出する。
【0033】
安全制御部42は、パンチ金型14が下降する領域に手等の侵入物が入ったときに上部テーブル10の下降を確実に停止させるよう、2つのCPU421及び422を有する。これにより、万が一、一方のCPUが故障した場合でも安全動作を働かせることができる。安全制御部42を1つのCPUで構成してもよいし、3個以上のCPUで構成してもよい。
【0034】
ここでは安全制御部42をCPUで構成して、侵入物の有無をソフトウェアによって検出しているが、安全制御部42をハードウェアによる回路によって構成して侵入物の有無を検出してもよい。
【0035】
プレスブレーキ制御装置50は、スライド制御処理部501を有する。スライド制御処理部501には材料Wを曲げ加工する際の目標ストロークが与えられる。スライド制御処理部501は、上部テーブル10を目標ストロークだけ下降させるようアクチュエータ12L及び12Rを制御する。CPU421または422が停止信号Sstopとして値“1”をスライド制御処理部501に供給すると、スライド制御処理部501は、上部テーブル10の下降を停止させるようアクチュエータ12L及び12Rを制御する。
【0036】
図4図6を用いて、本実施形態のプレスブレーキの安全装置の具体的な動作、及び、本実施形態のプレスブレーキの制御方法を説明する。図4は平板状の材料Wを曲げ加工する場合、図5は平板状の板材の側方に上方(パンチ金型14側)に立ち上がるフランジWFがある材料Wを曲げ加工する場合を示している。図4のような曲げ加工を通常曲げと称し、図5のような曲げ加工を箱曲げと称することとする。
【0037】
材料Wを曲げ加工する加工プログラムを開始すると、安全制御部42(CPU421及び422)には、図4または図5に示す、上部テーブル10の下端から下部テーブル20の上端までの距離であるストロークStが供給される。ストロークStは上部テーブル10の下降または上昇に伴って変化する値である。安全制御部42は、リニアエンコーダ13L及び13Rが検出した上部テーブル10の位置情報に基づいてストロークStを得ることができる。
【0038】
プレスブレーキ制御装置50は、加工プログラムの開始時に、図4または図5に示すストロークSt以外のパラメータを安全制御部42に供給する。プレスブレーキ制御装置50が安全制御部42に供給するパラメータは、より詳細には以下のとおりである。
【0039】
プレスブレーキ制御装置50は、パンチ金型14の高さTh、ダイ金型24の高さDh、パンチ金型14の先端(ダイ金型24側の端部)から、フォトダイオードPd1及びPd4、Pd2及びPd5、Pd3及びPd6までの距離h1〜h3を示す情報を安全制御部42に供給する。距離h1〜h3は予め設定された固定値である。プレスブレーキ制御装置50は、板厚t、フランジWFがある材料Wの場合にはフランジ高さFhを示す値を安全制御部42に供給する。
【0040】
図6は、CPU421及び422の機能的な内部構成例を示している。図6において、加算器4201は、パンチ金型14の高さTh、ダイ金型24の高さDh、板厚tそれぞれの値を加算して、(Th+Dh+t)を示す値を算出する。減算器4202は、ストロークStから(Th+Dh+t)を示す値を減算することによって、パンチ金型14の先端から材料Wの上端までの距離Hを算出する。図4における距離Hは、パンチ金型14の先端から材料Wの上面までの距離である。図5における距離Hは、パンチ金型14の先端から材料Wの平板部分の上面までの距離である。
【0041】
図5に示す箱曲げ時には、減算器4203にはフランジ高さFhが入力される。減算器4203は、距離Hからフランジ高さFhを減算することによって、図5に示す、パンチ金型14の先端からフランジWFの上端までの距離Hfを算出する。フランジWFが存在する部分では、フランジWFの上端が材料Wの上端となる。
【0042】
スイッチ4204の端子Taには距離Hを示す値が入力され、端子Tbには距離Hf示す値が入力される。スイッチ4204には、プレスブレーキ制御装置50より、選択信号Sselが供給される。スイッチ4204は、選択信号Sselが通常曲げを示すとき端子Taを選択し、選択信号Sselが箱曲げを示すとき端子Tbを選択する。
【0043】
まず、通常曲げ時のCPU421及び422の動作を説明する。比較器4205〜4207及び4211〜4213には全て距離Hを示す値が入力される。比較器4205及び4211、4206及び4212、4207及び4213には、それぞれ、距離h1〜h3を示す値が入力される。
【0044】
比較器4205及び4211、4206及び4212、4207及び4213は、距離Hを示す値とそれぞれ距離h1〜h3を示す値とを比較して、H≧h1、H≧h2、H≧h3を満たせば値“1”を出力する。
【0045】
H≧h3を満たすということは、上部テーブル10は、フォトダイオードPd3及びPd6の位置が材料Wの上面に到達する位置まで下降していないということである。H≧h2を満たすということは、上部テーブル10は、フォトダイオードPd2及びPd5の位置が材料Wの上面に到達する位置まで下降していないということである。H≧h1を満たすということは、上部テーブル10は、フォトダイオードPd1及びPd4の位置が材料Wの上面に到達する位置まで下降していないということである。
【0046】
比較器4205〜4207及び4211〜4213が全て値“1”を出力するとき、値“1”は、それぞれ、AND回路4208〜4210及び4214〜4216に供給される。AND回路4208〜4210には、それぞれ、フォトダイオードPd1〜Pd3の出力信号に基づく判別値Det1〜Det3が供給され、AND回路4214〜4216には、それぞれ、フォトダイオードPd4〜Pd6の出力信号に基づく判別値Det4〜Det6が供給される。
【0047】
レーザ光L30が侵入物によって遮られなければ、判別値Det1〜Det6は判別値“0”である。従って、CPU421及び422は、AND回路4208〜4210及び4214〜4216の出力である停止信号Sstopとして、上部テーブル10の下降を停止させないことを示す値“0”を出力する。
【0048】
フォトダイオードPd1〜Pd6が材料Wの上面に到達する位置まで下降しておらず、比較器4205〜4207及び4211〜4213が全て値“1”を出力している状態で、レーザ光L30が侵入物によって遮られ、判別値Det1〜Det6のうちのいずれかが判別値“1”となったとする。
【0049】
すると、AND回路4208〜4210及び4214〜4216のうち、判別値“1”である判別値Det1〜Det6が供給されるAND回路の出力は値“1”となる。従って、CPU421及び422は、停止信号Sstopとして、上部テーブル10の下降を停止させることを示す値“1”を出力する。
【0050】
比較器4205及び4211、4206及び4212、4207及び4213は、距離Hを示す値とそれぞれ距離h1〜h3を示す値とを比較して、H<h1、H<h2、H<h3を満たせば値“0”を出力する。上部テーブル10が下降していくと、まず、フォトダイオードPd3及びPd6の位置が材料Wの上面に到達し、比較器4207及び4213は値“0”を出力する。
【0051】
このとき、レーザ光L30は材料Wによって遮られ、フォトダイオードPd3及びPd6はレーザ光L30を受光できないので、判別値Det3及びDet6は判別値“1”となる。AND回路4210及び4216には比較器4207及び4213より値“0”が供給されるので、AND回路4210及び4216の出力は値“0”となる。
【0052】
従って、CPU421及び422は、停止信号Sstopとして、上部テーブル10の下降を停止させることを示す値“1”を出力することはなく、上部テーブル10の下降を停止させないことを示す値“0”を出力し、上部テーブル10の下降を継続させる。
【0053】
上部テーブル10がさらに下降していくと、次に、フォトダイオードPd2及びPd5の位置が材料Wの上面に到達し、比較器4206及び4212は値“0”を出力する。このとき、レーザ光L30は材料Wによって遮られ、フォトダイオードPd2及びPd5はレーザ光L30を受光できないので、判別値Det2及びDet5は判別値“1”となる。
【0054】
AND回路4209及び4215には比較器4206及び4212より値“0”が供給されるので、AND回路4209及び4215の出力は値“0”となる。従って、CPU421及び422は、停止信号Sstopとして、上部テーブル10の下降を停止させないことを示す値“0”を出力し、上部テーブル10の下降を継続させる。
【0055】
上部テーブル10がさらに下降していくと、最後に、フォトダイオードPd1及びPd4の位置が材料Wの上面に到達し、比較器4205及び4211は値“0”を出力する。このとき、レーザ光L30は材料Wによって遮られ、フォトダイオードPd1及びPd4はレーザ光L30を受光できないので、判別値Det1及びDet4は判別値“1”となる。
【0056】
AND回路4208及び4214には比較器4205及び4211より値“0”が供給されるので、AND回路4208及び4214の出力は値“0”となる。従って、CPU421及び422は、停止信号Sstopとして、上部テーブル10の下降を停止させないことを示す値“0”を出力し、上部テーブル10の下降を継続させる。
【0057】
このように、上部テーブル10が下降して、レーザ光L30が材料Wによって遮られてフォトダイオードPd1〜Pd6がレーザ光L30を受光しない遮光状態となった場合でも、上部テーブル10の下降を停止さず、材料Wの曲げ加工を継続させることができる。
【0058】
加工プログラムの開始後、材料Wの曲げ加工が完了するまで、受光器41は、上部テーブル10の位置に関わらず常時動作しており、判別値Det1〜Det6を出力する。よって、安全制御部42が無効とされる期間はなく、安全制御部42が常時動作しているので、安全性を向上させることができる。
【0059】
材料Wの曲げ加工完了後、プレスブレーキ制御装置50(スライド制御処理部501)は、上部テーブル10を上昇させる。上部テーブル10の上昇時には以上説明した安全動作を働かせる必要はない。安全制御部42は、ストロークStが増大するときには停止信号Sstopを強制的に値“0”とすればよい。
【0060】
次に、図5に示す箱曲げの場合のCPU421及び422の動作を、通常曲げ時の動作との相違点を中心に説明する。比較器4205〜4207には距離Hを示す値が入力される。箱曲げ時には選択信号Sselによって端子Tbが選択されるので、比較器4211〜4213にはパンチ金型14の先端からフランジWFの上端までの距離Hfを示す値が入力される。
【0061】
上部テーブル10が下降していくと、まず、フォトダイオードPd6の位置がフランジWFの上端に到達し、比較器4213は値“0”を出力する。このとき、レーザ光L30はフランジWFによって遮られ、フォトダイオードPd6はレーザ光L30を受光できないので、判別値Det6は判別値“1”となる。
【0062】
AND回路4216には比較器4213より値“0”が供給されるので、AND回路4216の出力は値“0”となる。従って、CPU421及び422は、停止信号Sstopとして、上部テーブル10の下降を停止させないことを示す値“0”を出力し、上部テーブル10の下降を継続させる。
【0063】
上部テーブル10がさらに下降していくと、次に、フォトダイオードPd5の位置がフランジWFの上端に到達し、比較器4212は値“0”を出力する。このとき、レーザ光L30はフランジWFによって遮られ、フォトダイオードPd5はレーザ光L30を受光できないので、判別値Det5は判別値“1”となる。
【0064】
AND回路4215には比較器4212より値“0”が供給されるので、AND回路4215の出力は値“0”となる。従って、CPU421及び422は、停止信号Sstopとして、上部テーブル10の下降を停止させないことを示す値“0”を出力し、上部テーブル10の下降を継続させる。
【0065】
上部テーブル10がさらに下降していくと、最後に、フォトダイオードPd4の位置がフランジWFの上端に到達し、比較器4211は値“0”を出力する。このとき、レーザ光L30はフランジWFによって遮られ、フォトダイオードPd4はレーザ光L30を受光できないので、判別値Det4は判別値“1”となる。
【0066】
AND回路4214には比較器4211より値“0”が供給されるので、AND回路4214の出力は値“0”となる。従って、CPU421及び422は、停止信号Sstopとして、上部テーブル10の下降を停止させないことを示す値“0”を出力し、上部テーブル10の下降を継続させる。
【0067】
このように、材料WがフランジWFを有する箱曲げの場合には、比較器4211〜4213に距離Hを示す値の代わりに距離Hfを示す値が入力される。従って、Fレーザ光L30がフランジWによって遮られてフォトダイオードPd4〜Pd6がレーザ光L30を受光しない状態となった場合でも、上部テーブル10の下降を停止さず、材料Wの曲げ加工を継続させることができる。
【0068】
以上説明した通常曲げ時と箱曲げ時における曲げ加工の動作を停止させる停止条件と、停止させない非停止条件とを表形式にまとめると、図7に示すとおりである。図7において、hiのiは1、2、または3である。
【0069】
図7に示すように、通常曲げ時においては、フォトダイオードPd1〜Pd3及びPd4〜Pd6でH≧hiのとき、停止条件となる。安全制御部42は、判別値Det1〜Det6それぞれが判別値“0”であるか判別値“1”であるかによって、上部テーブル10の下降を停止させるか否かを決定する。
【0070】
また、フォトダイオードPd1〜Pd3及びPd4〜Pd6でH<hiのとき、非停止条件となる。安全制御部42は、判別値Det1〜Det6のいずれかが判別値“1”となっても、上部テーブル10の下降を停止させない。
【0071】
図7に示すように、箱曲げ時においては、フォトダイオードPd1〜Pd3でH≧hi、フォトダイオードPd4〜Pd6でHf≧hiのとき、停止条件となる。安全制御部42は、判別値Det1〜Det6それぞれが判別値“0”であるか判別値“1”であるかによって、上部テーブル10の下降を停止させるか否かを決定する。
【0072】
また、フォトダイオードPd1〜Pd3でH<hi、フォトダイオードPd4〜Pd6でHf<hiのとき、非停止条件となる。安全制御部42は、判別値Det1〜Det6のいずれかが判別値“1”となっても、上部テーブル10の下降を停止させない。
【0073】
本実施形態のプレスブレーキの安全装置及びプレスブレーキの制御方法によれば、材料WがフランジWFを有するか否かに関わらず、レーザ光が侵入物によって遮られた場合には曲げ加工の動作を停止させ、レーザ光が材料Wによって遮られた場合には曲げ加工の動作を継続させることができる。
【0074】
ここで、図8に示す材料Wを曲げ加工する場合を例として、材料Wがプレスブレーキによってどのように曲げ加工されるかを説明する。材料Wには、破線で示す辺Ws1〜Ws4を辺Ws1〜Ws4の順で折り曲げる曲げ加工が施されるとする。この場合、辺Ws1及びWs2を曲げ加工するときには通常曲げとなる。図9に示すように、辺Ws3を曲げ加工するときには箱曲げとなる。辺Ws4を曲げ加工するときも箱曲げとなる。
【0075】
図10に示すように、プレスブレーキ制御装置50は、ステップS1にて、サーバやコンピュータより、材料Wの加工の仕方を示す加工データを受信する。加工データには、材料Wの形状データが含まれる。プレスブレーキ制御装置50は、ステップS2にて、加工データに基づいて加工順を自動的に決定する。オペレータが加工順を手動で設定してもよい。
【0076】
プレスブレーキ制御装置50は、ステップS3にて、辺Ws1〜Ws4それぞれの曲げ加工が通常曲げであるか箱曲げであるかを判定する。箱曲げであれば、プレスブレーキ制御装置50は、ステップS3にて、フランジWFの高さFhを自動的に計算する。オペレータがフランジWFの高さFhを手動で設定してもよい。プレスブレーキ制御装置50は、辺Ws1〜Ws4それぞれの曲げ加工に対して、通常曲げを示す選択信号Sselと箱曲げを示す選択信号Sselとを設定することができる。
【0077】
プレスブレーキ制御装置50は、ステップS4にて、安全制御部42にフランジWFの高さFhを含む各種のパラメータを送信する。プレスブレーキ制御装置50は、オペレータによって例えばフットスイッチの押下等の加工開始の操作がなされると、ステップS5にて、曲げ加工を開始する。ここでの曲げ加工は、辺Ws1〜Ws4のように複数の曲げ加工がある場合には、1つ目の曲げ加工ということである。
【0078】
プレスブレーキ制御装置50は、ステップS6にて、安全制御部42より停止信号Sstopとして値“1”が入力されたか否かを判定する。値“1”が入力されなければ(NO)、プレスブレーキ制御装置50は、ステップS7にて、加工が完了したか否かを判定する。加工が完了していなければ(NO)、プレスブレーキ制御装置50はステップS6及びS7の処理を繰り返す。
【0079】
加工が完了していれば(YES)、プレスブレーキ制御装置50は上部テーブル10を上昇させ、ステップS8にて、次の曲げ加工があるか否かを判定する。次の曲げ加工があれば(YES)、オペレータは、次の曲げ加工のために材料Wをパンチ金型14上に配置して、再びステップS5にて、オペレータによる加工開始の操作に応答して曲げ加工を開始する。以降、全ての曲げ加工を完了するまでステップS5〜S8の処理が繰り返される。ステップS8にて次の曲げ加工がなければ(NO)、全ての曲げ加工が完了したということであり、プレスブレーキ制御装置50は処理を終了させる。
【0080】
以上の曲げ加工の際、ステップS6にて値“1”が入力されたら(YES)、パンチ金型14が下降する領域に手等の侵入物が入ったということである。そこで、プレスブレーキ制御装置50は、ステップS9にて、上部テーブル10の下降を停止させて曲げ加工を中断させ、曲げ加工の処理を終了させる。
【0081】
プレスブレーキ制御装置50は、曲げ加工を中断させて処理を終了させる代わりに、ステップS9にて、曲げ加工を一時停止させた後に、曲げ加工を再開させる指示がなされた場合には停止した状態から再開させて曲げ加工を継続させるようにしてもよい。この場合には、プレスブレーキ制御装置50は、ステップS9の後にステップS7に移行させればよい。
【0082】
以上のように、本実施形態のプレスブレーキの安全装置及びプレスブレーキの制御方法によれば、材料Wの上方に安全装置を無効にする領域を設定しないので、安全性を向上させることができる。本実施形態のプレスブレーキの安全装置及びプレスブレーキの制御方法によれば、材料Wがフランジを有するか否かに関わらず、手等の侵入物がレーザ光を遮った場合には曲げ加工の動作を停止させ、材料Wがレーザ光を遮った場合には曲げ加工の動作を停止させることができる。
【0083】
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0084】
10 上部テーブル
12L,12R アクチュエータ
14 パンチ金型
20 下部テーブル
24 ダイ金型
30 投光器
41 受光器
42 安全制御部
L30 レーザ光
Pd1〜Pd6 フォトダイオード(光検出器)
W 材料
図1
図2
図3
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図6
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図8
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図10