【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため本発明は、次に述べる特徴を備えている。なお、何れかの請求項記載の発明の特徴を説明に当たり行う用語の定義等は、その記載順に関わりなく、その性質上可能な範囲において他の請求項記載の発明にも適用があるものとする。
【0009】
(請求項1記載の発明の特徴)
請求項1記載の発明に係るカップ吊り下げ具(以下、請求項1の吊り下げ具」という)は、所定形状の底があり、当該底と平行な断面形状が上端に向かって次第に相似形的に大きくなるテーパー状のカップを吊り下げて持ち運ぶためのカップ吊り下げ具である。この請求項1の吊り下げ具は、一端側と他端側を有する可撓性のシート部材と、当該シート部材の一端側と他端側のほぼ中央にカップを差し入れ可能に貫通形成された、カップの底の最大長より長く、かつ、カップの上端の最大長より短い、内側最大長を有するカップ保持孔と、当該カップ保持孔にカップが保持された状態の当該シート部材の一端側と他端側をカップの脇でそり上がらせ
当該カップもしくは当該カップの上端開口に被せられた蓋部材との間の空間を保ったままカップ上方で
重ね合わせたとき内側へ折り起こすことでカップの上端開口の周縁もしくは
当該蓋部材
の頂部と直接的もしくは間接的に接触し、吊り下げたとき弾性的に押え
ることによって当該シート部材に対するカップの上下動を規制するための押え片を当該シート部材の一端側と他端側の少なくとも一方に有する。
【0010】
請求項1の吊り下げ具によれば、シート部材の一端側と他端側を重ね合わせた状態で、カップ保持孔に差し込んだカップを吊り下げることができる。カップ保持孔への差し込みにより、シート部材によるカップ保持が安定する。シート部材に対するカップの上下動を押え片が規制するので、吊り下げて持ち運ぶときカップの底が、たとえば、テーブルなどの障害物にぶつかっても容易に跳ね上がったり飛び出したりすることが防止される。このため、カップの持ち運びの際に、収納物をこぼしたり、カップ自体を吊り下げ具から落下されたりする
恐れが払しょくされる。
【0011】
(請求項2記載の発明の特徴)
請求項2記載の発明に係るカップ吊り下げ具(以下、請求項2の吊り下げ具」という)では、請求項1の吊り下げ具の好ましい態様として、前記押え片は、前記シート部材の一端側と他端側の双方に設けられている。
【0012】
請求項2の吊り下げ具によれば、複数の押え片の少なくとも一方を使ってカップの上下動を規制することができる。両方の押え片を用いて規制すれば、一方だけの場合に比べ規制効果を高まることはいうまでもない。その反面、一方でも足りると思われる場合に、一端側の押え片か他端側の押え片のうち手近にある方を折り起こして使えばよいので、使い勝手がよい。
【0013】
(請求項3記載の発明の特徴)
請求項3記載の発明に係るカップ吊り下げ具(以下、請求項3の吊り下げ具」という)では、請求項2の吊り下げ具の好ましい態様として、前記押え片各々は、
当該シート部材の一端側と他端側からの部分的折り起こしにより
形成され、当該シート部材に形成された折り起こし孔の双方を貫通させた棒状部材を介してカップの上端開口の周縁もしくはカッ
プの上端開口に被せられた蓋部材と接触するように構成されている。この場合の押え片は、両者ともにカップ側に折り起こしてもよいが、一方をカップ側に他方を外側に折り起こして、つまり、同方向に折り起こすようにしてもよい。
【0014】
請求項3の吊り下げ具によれば、棒状部材がカップの縁にブリッジし、それを一方または双方の押え片が抑えるためより安定したカップの上下動規制を実現することができる。押え片による押えは、折り起こし孔から棒状部材が抜け落ちることも併せて防いでくれる。
押え片は、シート部材の一部を折り起こしてなるものであるから、シート部材の加工だけで形成することができ、格別な部品を要しない。このため、使用前もしくは使用後の請求項1の吊り下げ具を、複数枚を積み重ねても不安定にならないし、嵩張りも最小限で済む。
【0015】
(請求項4記載の発明の特徴)
請求項4記載の発明に係るカップ吊り下げ具(以下、請求項4の吊り下げ具」という)では、請求項3の吊り下げ具の好ましい態様として、前記棒状部材は、割りばしを流用する。
【0016】
請求項4の吊り下げ具によれば、棒状部材として特別なものを用意する必要がなく、たとえばコンビニエンスストアなどに必ずといっていいほどストックされている割りばしを流用することができる。特に、たとえば湯を入れた麺カップを吊り下げて持ち運ぶとき、食べるのに使う割りばしを一緒に運べるので、たいへん便利である。
【0017】
(請求項5記載の発明の特徴)
請求項5記載の発明に係るカップ吊り下げ具(以下、請求項5の吊り下げ具」という)では、請求項1ないし4いずれかの吊り下げ具の好ましい態様として、スプーンもしくはフォークの柄を、上から差し込んで保持するための食器保持孔が、前記カップ保持孔の脇に少なくとも1個貫通形成されている。
【0018】
請求項5の吊り下げ具によれば、スプーンやフォークをカップとともに持ち運ぶことができる。カップが麺カップやカップスープであるときに、とても便利である。
【0019】
(請求項6記載の発明の特徴)
請求項6記載の発明に係るカップ吊り下げ具(以下、請求項6の吊り下げ具」という)では、請求項1ないし5いずれかの吊り下げ具の好ましい態様として、前記シート部材の一端側と他端側には、重ね合わせたときに両端を解除可能に嵌めこみ連結するための連結構造が設けられている。
【0020】
請求項6の吊り下げ具によれば、連結構造がシート部材の一端側と他端側を連結するので、カップとともに吊り下げ具を持ち運ぶとき、持ち運びの前後にテーブルなどの上に置いたとき、一端側と他端側の重ね合わせに気を遣わなくてすむようになる。また、カップの保持をより安定なものにするので、吊り下げ具の使い勝手をより高めることができる。
【0021】
(請求項7記載の発明の特徴)
請求項7記載の発明に係るカップ吊り下げ具(以下、請求項7の吊り下げ具」という)では、請求項1の吊り下げ具の好ましい態様として、前記カップ保持孔と前記押え片のそれぞれが、前記シート部材の幅方向一列に複数設けられている。
【0022】
請求項7の吊り下げ具によれば、シート部材の一端側と他端側を重ね合わせた状態で、カップ保持孔に差しこんだ複数のカップを吊り下げることができる。その上で、シート部材に対するカップ各々の上下動を有効規制するなど、請求項1の吊り下げ具の作用効果と同じ作用効果をそれぞれのカップに対し奏することができる。
【0023】
(請求項8記載の発明の特徴)
請求項8記載の発明に係るカップ吊り下げ具(以下、請求項8の吊り下げ具」という)は、カップを吊り下げて持ち運ぶためのカップ吊り下げ具である。請求項8の吊り下げ具は、カップ保持部を挟んだ両側に一端側と他端側とを有する可撓性のシート部材と、当該カップ保持部にカップが保持された状態で当該シート部材の一端側と他端側とをカップ上方で重ね合わせたとき、当該シート部材の一端側と他端側の少なくとも一方からカップ側に突出してカップの上端開口の周縁もしくはカッブの上端開口に被せられた蓋部材と直接的もしくは間接的に接触することにより当該シート部材に対するカップの上下動を規制するための押え片と、を有することを特徴とする。
【0024】
請求項8の吊り下げ具によれば、シート部材の一端側と他端側を重ね合わせた状態で、カップを吊り下げることができる。シート部材に対するカップの上下動を押え片が規制するので、吊り下げて持ち運ぶときカップの底が、たとえば、テーブルなどの障害物にぶつかっても容易に跳ね上がったり飛び出したりすることが防止される。このため、カップの持ち運びの際に、収納物をこぼしたり、カップ自体を吊り下げ具から落下されたりする恐れが払しょくされる。押え片は、使用時に突出するものなので、使用前もしくは使用後の請求項8の吊り下げ具を、複数枚を積み重ねても不安定にならないし、嵩張りも最小限で済む。
【0025】
(請求項9記載の発明の特徴)
請求項9記載の発明に係るカップ吊り下げ具(以下、請求項9の吊り下げ具」という)は、カップを吊り下げて持ち運ぶためのカップ吊り下げ具である。請求項9の吊り下げ具は、カップ保持部を挟んだ両側に一端側と他端側とを有する可撓性のシート部材と、当該シート部材の一端側と他端側のそれぞれに貫通形成された、カップを部分的に突出可能な突出用開口と、当該カップ保持部にカップが保持された状態で当該シート部材の一端側と他端側とをカップ上方で重ね合わせたとき、当該シート部材の一端側と他端側の少なくとも一方から反カップ側に突出して当該突出用開口から突出したカップの上端開口の周縁もしくはカッブの上端開口に被せられた蓋部材と直接的もしくは間接的に接触し、当該シート部材に対するカップの上下動を規制するための押え片と、を有することを特徴とする。
【0026】
請求項9の吊り下げ具によれば、シート部材の一端側と他端側を重ね合わせた状態で、カップを吊り下げることができる。シート部材に対するカップの上下動を押え片が規制するので、吊り下げて持ち運ぶときカップの底が、たとえば、テーブルなどの障害物にぶつかっても容易に跳ね上がったり飛び出したりすることが防止される。このため、カップの持ち運びの際に、収納物をこぼしたり、カップ自体を吊り下げ具から落下されたりする恐れが払しょくされる。さらに、突出用開口からカップが部分的に突出するので、突出部分が引っ掛かってシート部材に対するカップ全体の横ずれを防止する。押え片は、使用時に突出するものなので、使用前もしくは使用後の請求項9の吊り下げ具を、複数枚を積み重ねても不安定にならないし、嵩張りも最小限で済む。
【0027】
(請求項10記載の発明の特徴)
請求項10記載の発明に係るカップ吊り下げ具(以下、請求項10の吊り下げ具」という)では、請求項8または9の吊り下げ具の好ましい態様として、前記規制片は、当該シート部材の一部を切り起こしてなるものであることを特徴とする。
【0028】
請求項10の吊り下げ具によれば、押え片は、シート部材の一部を切り起こしてなるものであるから、シート部材の加工だけで形成することができ、格別な部品を要しない。このため、使用前もしくは使用後の請求項10の吊り下げ具を、複数枚を積み重ねても不安定にならないし、嵩張りも最小限で済む効果がより確実になる。
【0029】
(請求項11記載の発明の特徴)
請求項11記載の発明に係るカップ吊り下げ具(以下、請求項11の吊り下げ具」という)では、請求項9または10の吊り下げ具の好ましい態様として、前記カップ保持部は丼形状のカップを載置可能に構成され、前記突出用開口のそれぞれは、丼形状のカップの上縁開口の周縁が少なくとも突出可能な形状に形成されていることを特徴とする。
【0030】
請求項11の吊り下げ具によれば、丼形状のカップを安定して吊り下げることができる。うどんやそばなどが入った麺カップなどが対象となる。
【0031】
(請求項12記載の発明の特徴)
請求項12記載の発明に係るカップ吊り下げ具(以下、請求項12の吊り下げ具」という)では、請求項9または10の吊り下げ具の好ましい態様として、前記カップ保持部は、対向する角部を有する弁当箱形状のカップを、対向する角部のそれぞれが前記突出用開口に向けて載置可能に構成され、前記突出用開口のそれぞれは、対向する角部のそれぞれが突出可能な形状に形成されていることを特徴とする。
【0032】
請求項12の吊り下げ具によれば、弁当箱形状のカップを安定して吊り下げることができる。やきそばなどは入った麺カップなどが対象となる。
【0033】
(請求項13記載の発明の特徴)
請求項13記載の発明に係るカップ吊り下げ具(以下、請求項13の吊り下げ具」という)では、請求項8ないし12いずれかの吊り下げ具の好ましい態様として、前記押え片は、前記シート部材の一端側と他端側の双方に設けられていることを特徴とする。
【0034】
請求項13のつり下げ具によれば、シート部材の一端側と他端側の双方に設けられていることにより、カップの押えをより確実にすることができる。なお、一端側の押え片と他端側の押え片は同数でもよいが、同数でなければならない、ということではない。
【0035】
(請求項14記載の発明の特徴)
請求項14記載の発明に係るカップ吊り下げ具(以下、請求項14の吊り下げ具」という)では、請求項8ないし10いずれかの吊り下げ具の好ましい態様として、前記カップ保持部には、カップの底部を差し込み保持するためのカップ保持孔が貫通形成されている
ことを特徴とする。
【0036】
請求項14の吊り下げ具によれば、カップ保持孔への差し込みにより、シート部材によるカップ保持が安定する。
【0037】
(請求項15記載の発明の特徴)
請求項15記載の発明に係るカップ吊り下げ具(以下、請求項15の吊り下げ具」という)では、請求項14の吊り下げ具の好ましい態様として、前記カップ保持孔と前記押え片のそれぞれが、前記シート部材の幅方向一列に複数設けられていることを特徴とする。
【0038】
請求項15の吊り下げ具によれば、シート部材の一端側と他端側を重ね合わせた状態で、カップ保持孔に差しこんだ複数のカップを吊り下げることができる。その上で、シート部材に対するカップ各々の上下動を有効規制するなど、請求項14の吊り下げ具の作用効果と同じ作用効果をそれぞれのカップに対し奏することができる。
【0039】
(請求項16記載の発明の特徴)
請求項16記載の発明に係るカップ吊り下げ具(以下、請求項16の吊り下げ具」という)では、請求項8ないし12いずれかの吊り下げ具の好ましい態様として、前記シート部材の一端側と他端側には、重ね合わせたときに両端を解除可能に嵌めこみ連結するための連結構造が設けられていることを特徴とする。
【0040】
請求項16の吊り下げ具によれば、連結構造がシート部材の一端側と他端側を連結するので、カップとともに吊り下げ具を持ち運ぶとき、持ち運びの前後にテーブルなどの上に置いたとき、一端側と他端側の重ね合わせに気を遣わなくてすむようになる。また、カップの保持をより安定なものにするので、吊り下げ具の使い勝手をより高めることができる。