(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ベースプレートの表面に配置されたメンブレンシートを有し、押しボタンが押下操作された場合に前記メンブレンシートによって前記押下操作が検出されるスイッチ装置であって、
前記ベースプレートは、互いの切り起こし位置が平面視で左右方向及び該左右方向と直交する前後方向に位置ずれし、互いに逆向きに切り起こされた一対の切り起こし片を有し、
前記メンブレンシートは、前記一対の切り起こし片に係合する位置決め孔を有し、
前記位置決め孔は、前記一対の切り起こし片の互いに対向する方向を向いた内面の裏側にある外面と、前記一対の切り起こし片の互いに対向する方向を向いた内端面の裏側にある外端面とで位置決めされ、これにより前記メンブレンシートが前記ベースプレートに対して前記左右方向及び前記前後方向に位置決めされていることを特徴とするスイッチ装置。
ベースプレートの表面にメンブレンシートを配置し、該メンブレンシートを押圧可能な押しボタンを上下動可能に設けることで、前記押しボタンが押下操作された場合に前記メンブレンシートによって前記押下操作が検出されるスイッチ装置の組立方法であって、
前記ベースプレートには、互いの切り起こし位置が平面視で左右方向及び該左右方向と直交する前後方向に位置ずれし、互いに逆向きに切り起こされた一対の切り起こし片が設けられており、
前記メンブレンシートには、前記一対の切り起こし片に係合する位置決め孔が設けられており、
前記位置決め孔の前側の内壁面を一方の前記切り起こし片の前面で位置決めすると共に、後側の内壁面を他方の前記切り起こし片の後面で位置決めし、さらに、前記位置決め孔の左側の内壁面を一方の前記切り起こし片の左側面で位置決めすると共に、右側の内壁面を他方の前記切り起こし片の右側面で位置決めし、これにより前記メンブレンシートを前記ベースプレートに対して前記左右方向及び前記前後方向に位置決めする仮固定工程と、
前記仮固定工程の後、前記押しボタンを上下動可能に支持したハウジングプレートを前記ベースプレートに対して取り付けることで、該ハウジングプレートと該ベースプレートとの間に前記メンブレンシートを挟んで位置決め固定する本固定工程と、
を有することを特徴とするスイッチ装置の組立方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1のようなスイッチ装置は、一般にベースプレートの表面に配置したメンブレンシートを上下動可能な押しボタンで押圧する構成とされている。このため、スイッチ装置の組立時には、ベースプレートの表面でメンブレンシートを位置決めしてから押しボタンを取り付ける必要がある。この際の位置決め方法としては、例えばベースプレートの表面に切り起こした切り起こし片に対し、メンブレンシートに形成した位置決め孔を係合する方法がある。
【0006】
ところが、ベースプレートの板厚は製品仕様によって異なることがあり、当然切り起こし片の板厚も異なる。一方、各製品間での部品の共通化は製品コストや製造効率の点で重要な要素であり、例えばメンブレンシートは各製品仕様で共用されることがある。このため、メンブレンシートの位置決め孔を最も板厚の厚い切り起こし片に対応させた大形形状とすると、薄い板厚の切り起こし片の際に確実な位置決めができない場合がある。反対にメンブレンシートの位置決め孔を最も板厚の薄い切り起こし片に対応させた小形形状とすると、厚い板厚の切り起こし片を係合させることができない場合がある。
【0007】
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、メンブレンシートを確実に位置決めすることができると共に、製品コストの低減や製造効率の向上を図ることができるスイッチ装置、該スイッチ装置を備える電子機器及び該スイッチ装置の組立方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るスイッチ装置は、ベースプレートの表面に配置されたメンブレンシートを有し、押しボタンが押下操作された場合に前記メンブレンシートによって前記押下操作が検出されるスイッチ装置であって、前記ベースプレートは、互いの切り起こし位置が平面視で左右方向及び該左右方向と直交する前後方向に位置ずれし、互いに逆向きに切り起こされた一対の切り起こし片を有し、前記メンブレンシートは、前記一対の切り起こし片に係合する位置決め孔を有し、前記位置決め孔は、前記一対の切り起こし片の互いに対向する方向を向いた内面の裏側にある外面と、前記一対の切り起こし片の互いに対向する方向を向いた内端面の裏側にある外端面とで位置決めされ、これにより前記メンブレンシートが前記ベースプレートに対して前記左右方向及び前記前後方向に位置決めされていることを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、メンブレンシートは、ベースプレートに設けられた一対の切り起こし片のそれぞれの2面を用いた位置決め構造によってベースプレートに対して位置決めされている。そこで、例えば位置決め孔の大きさを当該スイッチ装置での使用が想定されるうちで最も板厚の厚い切り起こし片に係合可能に構成しておく。そうすると、ベースプレートの板厚が製品仕様によって変化した場合であっても、常に各切り起こし片のそれぞれの位置決め面となる2面を用いてメンブレンシートを位置決めすることができ、製造効率が向上する。また、メンブレンシートを各種板厚のベースプレートに対して共用でき、製品コストを低減できる。
【0010】
前記位置決め孔は、前側の内壁面が一方の前記切り起こし片の前記外面である前面で位置決めされると共に、後側の内壁面が他方の前記切り起こし片の前記外面である後面で位置決めされ、さらに、左側の内壁面が一方の前記切り起こし片の前記外端面である左側面で位置決めされると共に、右側の内壁面が他方の前記切り起こし片の前記外端面である右側面で位置決めされた構成であってもよい。
【0011】
一方の前記切り起こし片の後面と該後面に対向する前記位置決め孔の後側の内壁面との間に隙間を有すると共に、他方の前記切り起こし片の前面と該前面に対向する前記位置決め孔の前側の内壁面との間に隙間を有する構成であってもよい。そうすると、板厚の異なる各ベースプレートに対してもメンブレンシートを確実に所望位置に位置決めすることができる。
【0012】
前記ベースプレートは、前記切り起こし片を切り起こした部分に孔部が形成されており、一方の前記切り起こし片を切り起こした部分の孔部と、他方の前記切り起こし片を切り起こした部分の孔部とが、互いに連通した構成であってもよい。このように、各孔部を共通化したことで、各切り起こし片によって形成される各孔部をそれぞれ単独で形成した場合に比べ、孔部の合計開口面積を小さくできる。このため、孔部の形成によるベースプレートの強度低下を最小限に抑えることができる。
【0013】
前記一対の切り起こし片の少なくとも一方は、前記メンブレンシートの表面に重なる位置に配置された突起部を有する構成であってもよい。そうすると、位置決めしたメンブレンシートが切り起こし片から上方への抜け出すことを突起部によって防止できる。
【0014】
本発明に係る電子機器は、上記構成のスイッチ装置と、該スイッチ装置に対する押下操作に基づく表示を行うディスプレイ装置とを備えることを特徴とする。従って、当該電子機器は例えばノート型PCとして好適に使用できる。
【0015】
本発明に係るスイッチ装置の組立方法は、ベースプレートの表面にメンブレンシートを配置し、該メンブレンシートを押圧可能な押しボタンを上下動可能に設けることで、前記押しボタンが押下操作された場合に前記メンブレンシートによって前記押下操作が検出されるスイッチ装置の組立方法であって、前記ベースプレートには、互いの切り起こし位置が平面視で左右方向及び該左右方向と直交する前後方向に位置ずれし、互いに逆向きに切り起こされた一対の切り起こし片が設けられており、前記メンブレンシートには、前記一対の切り起こし片に係合する位置決め孔が設けられており、前記位置決め孔の前側の内壁面を一方の前記切り起こし片の前面で位置決めすると共に、後側の内壁面を他方の前記切り起こし片の後面で位置決めし、さらに、前記位置決め孔の左側の内壁面を一方の前記切り起こし片の左側面で位置決めすると共に、右側の内壁面を他方の前記切り起こし片の右側面で位置決めし、これにより前記メンブレンシートを前記ベースプレートに対して前記左右方向及び前記前後方向に位置決めする仮固定工程と、前記仮固定工程の後、前記押しボタンを上下動可能に支持したハウジングプレートを前記ベースプレートに対して取り付けることで、該ハウジングプレートと該ベースプレートとの間に前記メンブレンシートを挟んで位置決め固定する本固定工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ベースプレートの板厚が製品仕様によって変化した場合であっても、共通のメンブレンシートをベースプレートに対して確実に位置決めすることができ、製造効率が向上すると共に、製品コストを低減できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るスイッチ装置について、このスイッチ装置を備える電子機器との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係るスイッチ装置10を備える電子機器12の斜視図である。以下では、スイッチ装置10について
図1に示す電子機器12に搭載された状態での使用形態を基準とし、手前側を前側(前方)、奥側を後側(後方)、厚み方向を上下方向、幅方向を左右方向と呼んで説明する。
【0020】
図1に示すように、電子機器12は、スイッチ装置10及びキーボード装置16を有する本体筐体14と、液晶ディスプレイ等のディスプレイ装置18aを有するディスプレイ筐体18とを備えたノート型PCである。ディスプレイ筐体18は、左右一対のヒンジ19,19により本体筐体14に対して開閉可能に連結されている。
【0021】
本体筐体14の内部には、図示しない基板、演算処理装置、ハードディスク装置、メモリ等の各種電子部品が収納されている。スイッチ装置10及びキーボード装置16は、本体筐体14の上面上で前後に並んでいる。スイッチ装置10の前側にはタッチパッド装置20が設けられている。キーボード装置16の略中央にはポインティングスティック21が設けられている。
【0022】
タッチパッド装置20及びポインティングスティック21はディスプレイ装置18aに表示されるカーソル(マウスポインタ)を操作するためのものであり、マウスの代わりとして操作可能な入力手段である。タッチパッド装置20は、指先等の接近又は接触によるタッチ操作と、押下操作(クリック操作)とが可能なクリックパッドとして構成されている。
【0023】
次に、スイッチ装置10の構成例について説明する。
【0024】
図2は、スイッチ装置10及びキーボード装置16の平面図である。
図3は、スイッチ装置10の構成を模式的に示す一部断面側面図である。
【0025】
図2及び
図3に示すように、本実施形態のスイッチ装置10は、キーボード装置16と一体的に設けられ、その前縁部略中央から突出するように配置されている。スイッチ装置10は、ベースプレート22の上面側で回動可能に支持された3個の押しボタン24,25,26を備える。ベースプレート22の上面にはメンブレンシート28が配置され、メンブレンシート28の上面にはハウジングプレート30が配置されている。
【0026】
ベースプレート22は、スイッチ装置10の底板となるプレート状部材である。ベースプレート22は、例えば金属薄板で形成されている。ベースプレート22は、当該スイッチ装置10が搭載される電子機器12の仕様に応じて板厚が異なる場合がある。ベースプレート22の板厚は、例えば0.2mm〜0.6mmの範囲のものが用いられる。本実施形態の場合、ベースプレート22は、キーボード装置16のベースプレート16aと一体構造である。つまり、1枚のベースプレートの一部がキーボード装置16のベースプレート16aとして使用され、残部がスイッチ装置10のベースプレート22として使用されている。スイッチ装置10のベースプレート22は、キーボード装置16のベースプレート16aと別体に構成されてもよい。
【0027】
メンブレンシート28は、ベースプレート22の上面に後述する位置決め部32a,32bを用いて位置決めされている。メンブレンシート28は、例えばトップ層及びボトム層からなる二層のシート状部材である。メンブレンシート28にはクシ歯スイッチパターンが形成され、そこに導電体であるメタルドームスイッチ34が接触することでスイッチ回路が形成される。メンブレンシート28は、メタルドームスイッチ34で押圧された場合に接点が閉じる三層構造のスイッチシートで構成されてもよい。メンブレンシート28は、ベースプレート22の下面に配置されてもよい。本実施形態の場合、メンブレンシート28は、キーボード装置16のメンブレンシート16bと一体構造である。つまり、1枚のメンブレンシートの一部がキーボード装置16のメンブレンシート16bとして使用され、残部がスイッチ装置10のメンブレンシート28として使用されている。スイッチ装置10のメンブレンシート28は、キーボード装置16のメンブレンシート16bと別体に構成されてもよい。
【0028】
ハウジングプレート30は、メンブレンシート28の上面に配置され、ベースプレート22に対して取付固定されている。ハウジングプレート30は、樹脂薄板で形成されたプレート状部材である。ハウジングプレート30の後端部上面には、回転軸36が設けられている。回転軸36には、押しボタン24〜26の後端部下面に設けられた係合片38が回転可能に係合する。
【0029】
押しボタン24〜26は、タッチパッド装置20又はポインティングスティック21によるカーソル操作と連係して機能するものである。押しボタン24〜26は、それぞれ一般的なマウスでの左ボタン、中央ボタン、右ボタンに対応するクリック操作ボタンである。すなわち、スイッチ装置10は、ディスプレイ装置18aに表示されるカーソルを操作するための入力手段である。
【0030】
押しボタン24〜26は、それぞれ操作板部40と、係合片38と、押圧突起42とを有する。操作板部40は、平面視略長方形状に形成され、押下操作を受け付ける樹脂製のプレート状部材である。操作板部40の上面が操作面となる。係合片38は、その先端側の爪状部の上面と操作板部40の下面との間で回転軸36に係合する。これにより、係合片38は、回転軸36と共に押しボタン24〜26の回動軸を構成する。押圧突起42は、操作板部40の下面の前端側略中央から突出している。押圧突起42は、メタルドームスイッチ34を押圧し、メンブレンシート28で押しボタン24〜26の押下操作を検出させるための突起である。
【0031】
従って、押しボタン24〜26は、操作板部40が押下操作されることで後端側の係合片38と回転軸36の係合部を回動中心として前端側が上下に回動する。その結果、押圧突起42がメタルドームスイッチ34を押圧し、押しボタン24〜26の押下操作が検出される。各押しボタン24〜26の上下動の構造や形状は同一構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。本実施形態の場合は、左右の押しボタン24,26は、後端側に係合片38を有し、中央の押しボタン25は前端側に係合片38を有する構造としている。
【0032】
次に、メンブレンシート28のベースプレート22に対する位置決め構造について詳細に説明する。
【0033】
図4Aは、メンブレンシート28をベースプレート22に対して位置決めする状態を示す分解斜視図である。
図4Bは、
図4Aに示す状態からメンブレンシート28をベースプレート22に対して位置決めした状態を示す斜視図である。
図4A及び
図4Bでは、キーボード装置16側のメンブレンシート16bを省略し、スイッチ装置10側のメンブレンシート28を単独で図示している。
図5Aは、メンブレンシート28をベースプレート22に対して位置決めする状態を示す平面図である。
図5Bは、
図5Aに示す状態からメンブレンシート28をベースプレート22に対して位置決めした状態を示す平面図である。
【0034】
図5A及び
図5Bに示すように、メンブレンシート28は、キーボード装置16側のメンブレンシート16bの前端部中央付近に折り目41を介して連接されている。ベースプレート22の略右半分部の下面側には、キーボード装置16側のメンブレンシート16bから延びた幅広の配線43が配策されている。配線43は、例えばフレキシブルプリント基板であり、本体筐体14内の電子基板に接続される。メンブレンシート28は配線43との干渉を回避するため、ベースプレート22の左側端部付近に折り目41を介して設けられている。
【0035】
図4A〜
図5Bに示すように、メンブレンシート28は、前後方向に延びた左右部分と前後方向に延びた中央部分とにそれぞれメタルドームスイッチ34が着地する接点部28aを有する。メンブレンシート28は、左右それぞれの接点部28aの内側に一対の位置決め孔44,45を有する。各位置決め孔44,45のそれぞれには、ベースプレート22の上面から起立した一対の切り起こし片46,47が係合される。中央の接点部28aの前側には、ベースプレート22の上面から突出したボス部50が挿通される孔部51が設けられている。各位置決め孔44,45を2分割した形状とし、例えば2分割した位置決め孔44のそれぞれに切り起こし片46,47を係合させる構成としてもよい。
【0036】
左側の位置決め孔44及びこれに係合する切り起こし片46,47は、メンブレンシート28のベースプレート22に対する左側の位置決め部32aを構成する。右側の位置決め孔45及びこれに係合する切り起こし片46,47は、右側の位置決め部32bを構成する。本実施形態の場合、各位置決め孔44,45は左右対称形状とされている。
【0037】
図4A〜
図5Bに示すように、ベースプレート22は、メンブレンシート28の各位置決め孔44,45に対応する位置のそれぞれに一対の切り起こし片46,47を有する。切り起こし片46,47は、ベースプレート22の一部を鉛直上方まで切り起こした板片である。本実施形態の場合、左側の位置決め部32aを構成する一対の切り起こし片46,47の組と、右側の位置決め部32bを構成する一対の切り起こし片46,47の組とは左右対称形状とされている。
【0038】
図6Aは、ベースプレート22の左右にそれぞれ設けられた切り起こし片46,47付近を拡大した斜視図である。
図6Bは、
図6Aに示すベースプレート22の上面にメンブレンシート28を配置した状態を示す斜視図である。
図7は、ベースプレート22の上面にメンブレンシート28を配置した状態で切り起こし片46,47付近を拡大した平面図である。
【0039】
図6A〜
図7に示すように、一対の切り起こし片46,47は、互いの切り起こし位置52,53が左右方向及び前後方向に位置ずれしている。このため、切り起こし片46,47は、互いに前後左右方向に位置ずれしてベースプレート22の上面から起立している。また、一対の切り起こし片46,47は、互いに逆向きに切り起こされている。
【0040】
ベースプレート22の左側の位置決め部32aを構成する一対の切り起こし片46,47のうち、一方の切り起こし片46は、後側に向かって突出するように切り欠いた板片を前側に向かって上方に起こした構造である。このため、この切り起こし片46を切り起こした部分に形成された孔部(打ち抜き孔)54は、切り起こし片46の後側に広がっている。切り起こし片46は、正面視略矩形状に形成されている。切り起こし片46は、前側を向いた平面である前面46aと、後側を向いた平面である後面46bと、左側を向いた端面である左側面46cと、右側を向いた端面である右側面46dとを有する。
【0041】
左側の位置決め部32aを構成する一対の切り起こし片46,47のうち、他方の切り起こし片47は、前側に向かって突出するように切り欠いた板片を後側に向かって上方に起こした構造である。このため、この切り起こし片47を切り起こした部分に形成された孔部(打ち抜き孔)55は、切り起こし片47の前側に広がっている。切り起こし片47は、正面視略矩形状に形成されると共に、一部が切り起こし片46側に向かって突出した形状を有する。切り起こし片47は、前側を向いた平面である前面47aと、後側を向いた平面である後面47bと、左側を向いた端面である左側面47cと、右側を向いた端面である右側面47dとを有する。切り起こし片46側を向いた側面、
図6A中の左側の組の切り起こし片47では左側面47cには、突起部47eが突出形成されている。本実施形態の場合、各切り起こし片46,47を切り起こした部分である孔部54,55は、互いに連通して1つの孔部として形成されている。
【0042】
ベースプレート22の右側の位置決め部32bを構成する一対の切り起こし片46,47は、左側の位置決め部32aを構成する一対の切り起こし片46,47と左右対称形状となっている。このため、右側の位置決め部32bの一対の切り起こし片46,47については、左側の位置決め部32aの一対の切り起こし片46,47の組と同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。なお、右側の位置決め部32bの切り起こし片47では、右側面47dに突起部47eが形成されている。
【0043】
図6B及び
図7に示すように、メンブレンシート28の左側の位置決め部32aを構成する位置決め孔44は、平面視略凹形状を有する孔部である。位置決め孔44は、後側を向いた前側内壁面44aと、前側を向いた後側内壁面44bと、左側を向いた左側内壁面44cと、右側を向いた右側内壁面44dとを有する。後側内壁面44bは前側に突出した半島形状の凸部44eで左右2つに分割されている。
【0044】
メンブレンシート28の右側の位置決め部32bを構成する位置決め孔45は、左側の位置決め孔44と左右対称形状となっている。すなわち、位置決め孔45は、左側の位置決め孔44と同様に、後側を向いた前側内壁面44aと、前側を向いた後側内壁面44bと、左側を向いた左側内壁面44cと、右側を向いた右側内壁面44dと、凸部44eとを有する(
図6B参照)。
【0045】
次に、メンブレンシート28のベースプレート22に対する位置決め構造を用いたスイッチ装置10の組立方法を説明する。
【0046】
先ず、
図5A及び
図5Bに示すように、メンブレンシート28を折り目41に沿って折り返してベースプレート22の上面に配置する。
【0047】
その際、
図6B及び
図7に示すように、左側の位置決め部32aでは、位置決め孔44を一対の切り起こし片46,47に挿入して係合させる。具体的には、位置決め孔44の前側内壁面44aを一方の切り起こし片46の前面46aで位置決めし、後側内壁面44bを他方の切り起こし片47の後面47bで位置決めする。さらに、位置決め孔44の左側内壁面44cを一方の切り起こし片46の左側面46cで位置決めし、右側内壁面44dを他方の切り起こし片47の右側面47dで位置決めする。
【0048】
右側の位置決め部32bについても同様であり、位置決め孔45を一対の切り起こし片46,47に挿入して係合させる。具体的には、位置決め孔45の前側内壁面44aを一方の切り起こし片46の前面46aで位置決めし、後側内壁面44bを他方の切り起こし片47の後面47bで位置決めする。さらに、位置決め孔45の左側内壁面44cを他方の切り起こし片47の左側面47cで位置決めし、右側内壁面44dを一方の切り起こし片46の右側面46dで位置決めする。
【0049】
その結果、メンブレンシート28がベースプレート22に対して一方の位置決め部32aで前後左右に位置決めされ、同時に他方の位置決め部32bで前後左右に位置決めされる。これにより、メンブレンシート28のベースプレート22に対する仮固定工程が完了し、メンブレンシート28がベースプレート22上で位置ずれ等を生じることが防止される。しかも、切り起こし片47には、メンブレンシート28の表面に重なる位置に配置された突起部47eが設けられている。これにより、突起部47eがメンブレンシート28の上方への抜け止めとして機能させることができる。突起部47eは切り起こし片46にも設けてもよい。
【0050】
特に本実施形態の場合は、上記したように、メンブレンシート28がキーボード装置16側の配線43に干渉することを防止するため、メンブレンシート28が折り目41を介して設けられている。このため、
図5Aに示す状態のメンブレンシート28を
図5Bに示すように折り目41で折り返した場合、折り目41での弾性力によってメンブレンシート28がベースプレート22上で浮き上がりや位置ずれを生じる懸念がある。この点、当該スイッチ装置10では、位置決め部32a,32bを用いることでメンブレンシート28をベースプレート22上で確実に位置決めし、仮固定できる。
【0051】
次に、仮固定工程で位置決めされたメンブレンシート28の上面にハウジングプレート30を配置してベースプレート22に対して図示しないねじ等を用いて固定する。その結果、ハウジングプレート30とベースプレート22との間に挟まれた状態でメンブレンシート28が位置決め固定される。これにより、メンブレンシート28のベースプレート22に対する本固定工程が完了する。その後は、ハウジングプレート30に対して押しボタン24〜26を取り付けることで当該スイッチ装置10の組み立てが完了する。なお、ハウジングプレート30は、予め押しボタン24〜26を取り付けた状態でベースプレート22に対して固定してもよい。
【0052】
ところで、上記したように、当該スイッチ装置10のベースプレート22は、例えば板厚が0.2mm〜0.6mmの範囲のものが用いられる。このため、切り起こし片46(47)の板厚も当然変化する。
【0053】
図8には、
図7に示すものよりも板厚の厚いベースプレート22の上面にメンブレンシート28を配置した状態で切り起こし片46,47付近を拡大した平面図を示す。
【0054】
先ず、
図7に示す例では、例えば0.3mmの板厚t1を有するベースプレート22を用いている。次に、
図8に示す例では、例えば0.6mmの板厚t2を有するベースプレート22を用いている。つまり、メンブレンシート28の位置決め孔44(45)は、これら板厚の異なるベースプレート22から切り起こした切り起こし片46,47を確実に係合させて位置決めできる形状が必要となる。
【0055】
そこで、当該スイッチ装置10では、例えば板厚t1のベースプレート22を用いた場合には、切り起こし片46(47)の後面46b(前面47a)と位置決め孔44の後側内壁面44b(前側内壁面44a)との間に隙間G1が形成されるように位置決め孔44,45の形状を設定している。さらに、当該スイッチ装置10では、例えば板厚t1より厚い板厚t2のベースプレート22を用いた場合にも、切り起こし片46(47)の後面46b(前面47a)と位置決め孔44の後側内壁面44b(前側内壁面44a)との間に隙間G2が形成されるように位置決め孔44,45の形状を設定している。この際、これら隙間G1,G2を形成する後面46b(前面47a)は、位置決め孔44,45の位置決めに作用しない部分である。
【0056】
つまり、当該スイッチ装置10では、使用が想定されるベースプレート22の板厚のうち、最も厚い板厚t2のベースプレート22を用いた場合にも、位置決め孔44,45の位置決めに作用しない切り起こし片46(47)の面と、位置決め孔44,45の内壁面との間に隙間G2が形成される。このため、位置決め孔44,45が例えば切り起こし片46の前面46a及び後面46bで同時に前後方向に規制され、結果として所望の位置にメンブレンシート28を位置決めできない事態の発生を回避できる。また、ベースプレート22の板厚に限らずに位置決め孔44,45と切り起こし片46,47との間には十分な隙間G1等が設けられるため、互いの係合作業も容易である。
【0057】
以上のように、本実施形態に係るスイッチ装置10では、ベースプレート22は、互いの切り起こし位置52,53が平面視で左右方向及び前後方向に位置ずれし、互いに逆向きに切り起こされた一対の切り起こし片46,47を有し、メンブレンシート28は、一対の切り起こし片46,47に係合する位置決め孔44を有する。そして、位置決め孔44は、一対の切り起こし片46,47の互いに対向する方向を向いた内面である後面46b及び前面47aの裏側にある外面である前面46a及び後面47bと、互いに対向する方向を向いた内端面である右側面46d及び左側面47cの裏側にある外端面である左側面46c及び右側面47dとで位置決めされる。これによりメンブレンシート28は、ベースプレート22に対して左右方向及び前後方向に位置決めされている。
【0058】
なお、別の位置決め孔45では、一対の切り起こし片46,47の互いに対向する方向を向いた内面である後面46b及び前面47aの裏側にある外面である前面46a及び後面47bと、互いに対向する方向を向いた内端面である左側面46c及び右側面47dの裏側にある外端面である右側面46d及び左側面47cとで位置決めされる。
【0059】
このように、メンブレンシート28は、ベースプレート22に設けられた一対の切り起こし片46,47のそれぞれの2面を用いた位置決め構造によってベースプレート22に対して位置決めされている。そこで、位置決め孔44,45の大きさを最も板厚の厚い切り起こし片46,47に係合可能に構成しておく。これにより、ベースプレート22の板厚が製品仕様によって変化した場合であっても、常に各切り起こし片46,47のそれぞれの位置決め面となる2面を用いて位置決めすることができ、製造効率が向上する。また、メンブレンシート28を各種板厚のベースプレート22に対して共用でき、製品コストを低減できる。
【0060】
ベースプレート28は、切り起こし片46,47を切り起こした部分に孔部54,55が形成されている。この際、一方の切り起こし片46を切り起こした部分の孔部54と、他方の切り起こし片47を切り起こした部分の孔部55とが、互いに連通している。すなわち、各孔部54,55を共通化したことで、各切り起こし片46,47によって形成される各孔部54,55をそれぞれ単独で形成した場合に比べ、孔部54,55の合計開口面積を小さくできる。このため、孔部54,55の形成によるベースプレート22の強度低下を最小限に抑えることができる。
【0061】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【0062】
上記各実施形態では、電子機器12としてノート型PCを例示したが、本発明は携帯電話又は電子手帳等、キーボードユニット等の各種の機器ユニットを搭載した機器であれば好適に使用できる。すなわち、本発明は、キーボードユニット以外にも、フレキシブルな平型集合導体が引き出されるものであれば、各種の電子機器ユニットに適用できる。
【0063】
上記では、スイッチ装置10をキーボード装置16に一体的に設けた構成を例示したが、スイッチ装置10はキーボード装置16と別体に構成されても勿論よい。スイッチ装置10はタッチパッド装置20と一体的に構成されてもよい。スイッチ装置10は、キーボード装置16やタッチパッド装置20とは無関係に電子機器に搭載されたものであってもよい。
【0064】
上記では、メンブレンシート28の左右にそれぞれ設けた位置決め孔44,45をそれぞれ一対の切り起こし片46,47で位置決めする構成を例示した。しかしながら、メンブレンシート28の位置決め孔の設置数は1個でも3個以上でもよい。また、一対の切り起こし片46,47をある程度離間した位置に設け、2つの位置決め孔44,45のうち、一方の位置決め孔44を単独の切り起こし片46で位置決めし、他方の位置決め孔45を単独の切り起こし片47で位置決めする構成としてもよい。但し、上記実施形態の構成のように、一対の切り起こし片46,47間はある程度近接した位置に設置された方が、位置決め後にメンブレンシート28がベースプレート22上で回転することを防止できるため好ましい。
【課題】メンブレンシートを確実に位置決めすることができると共に、製品コストの低減や製造効率の向上を図ることができるスイッチ装置、該スイッチ装置を備える電子機器及び該スイッチ装置の組立方法を提供する。
【解決手段】スイッチ装置10は、互いの切り起こし位置52,53が平面視で左右方向及び前後方向に位置ずれし、互いに逆向きに切り起こされた一対の切り起こし片46,47を有するベースプレート22と、一対の切り起こし片46,47に係合する位置決め孔44を有するメンブレンシート28とを備える。位置決め孔44は、一対の切り起こし片46,47の互いに対向する方向を向いた内面の裏側にある外面と、互いに対向する方向を向いた内端面の裏側にある外端面とで位置決めされる。これによりメンブレンシート28は、ベースプレート22に対して左右方向及び前後方向に位置決めされている。