(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6244007
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】マスク
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20171127BHJP
A62B 18/02 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B18/02 C
A41D13/11 M
【請求項の数】17
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-503798(P2016-503798)
(86)(22)【出願日】2014年2月18日
(86)【国際出願番号】JP2014053701
(87)【国際公開番号】WO2015125201
(87)【国際公開日】20150827
【審査請求日】2016年2月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】314000800
【氏名又は名称】株式会社無有
(74)【代理人】
【識別番号】100148518
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100160314
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 公芳
(74)【代理人】
【識別番号】100179327
【弁理士】
【氏名又は名称】大坂 憲正
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 博
【審査官】
▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭64−000959(JP,U)
【文献】
特開2006−333972(JP,A)
【文献】
特開2013−172836(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3155829(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11
A62B 18/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の開口部を有し、装着者の口を覆う本体部と、
前記複数の開口部のそれぞれを塞ぐように、前記本体部に貼付された複数のパッチ部材と、を備え、
前記パッチ部材は、前記本体部から剥離可能に設けられていることを特徴とするマスク。
【請求項2】
請求項1に記載のマスクにおいて、
前記複数の開口部は、第1の開口部と、前記第1の開口部よりも小さい第2の開口部とを含むマスク。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のマスクにおいて、
前記パッチ部材は、前記本体部から剥離された後、前記本体部に再び貼付可能であるマスク。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載のマスクにおいて、
前記本体部における前記開口部以外の部分は、前記装着者の口の少なくとも一部を覆うマスク。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載のマスクにおいて、
前記パッチ部材には、図柄が描かれているマスク。
【請求項6】
請求項5に記載のマスクにおいて、
前記図柄は、動物、スイーツ、乗り物、又はキャラクターの図柄であるマスク。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れかに記載のマスクにおいて、
前記本体部に固定され、前記装着者の顔から前記本体部を離間させた状態で当該本体部の形状を維持するための可塑性の線状部材を備えるマスク。
【請求項8】
請求項7に記載のマスクにおいて、
前記線状部材は、前記本体部の上端に沿って設けられた第1の線状部材と、前記本体部の下端に沿って設けられた第2の線状部材とを含むマスク。
【請求項9】
請求項7又は8に記載のマスクにおいて、
前記線状部材は、前記本体部の左端に沿って設けられた第3の線状部材と、前記本体部の右端に沿って設けられた第4の線状部材とを含むマスク。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れかに記載のマスクにおいて、
前記本体部に着脱可能に設けられた保湿材を備えるマスク。
【請求項11】
請求項10に記載のマスクにおいて、
前記保湿材は、前記本体部に貼付可能であるマスク。
【請求項12】
請求項10又は11に記載のマスクにおいて、
前記本体部は、前記保湿材を収納するポケットを有するマスク。
【請求項13】
請求項12に記載のマスクにおいて、
前記本体部は、複数の前記ポケットを有するマスク。
【請求項14】
請求項10乃至13の何れかに記載のマスクにおいて、
前記保湿材は、芳香成分を含有するマスク。
【請求項15】
請求項14に記載のマスクにおいて、
前記芳香成分は、ハーブの香りを発するものであるマスク。
【請求項16】
請求項10乃至15の何れかに記載のマスクにおいて、
前記保湿材は、抗菌成分を含有するマスク。
【請求項17】
請求項16に記載のマスクにおいて、
前記抗菌成分は、タンニンであるマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の鼻や口を覆うマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のマスクとしては、例えば特許文献1に記載されたものがある。同文献に記載されたマスクは、鼻及び口を含む顔面の対象部を覆う本体部と、本体部の左右両側に設けられ、耳に係止するための係止部とを備えている。本体部は、顔面と対面するインナー部と、インナー部を被覆する外装部とを有している。インナー部は、顔面の起伏に対応するように、カップ状の立体形状をしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−21032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたマスクによれば、本体部によって鼻及び口が覆われるため、喉が乾燥するのを防ぐことができる。しかしながら、その一方で、かかるマスクを装着した状態では、呼吸が妨げられるため、息苦しくなるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、息苦しさを解消しつつ喉の乾燥を防ぐことができるマスクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるマスクは、開口部を有し、装着者の口を覆う本体部と、上記開口部を塞ぐように、上記本体部に貼付されたパッチ部材と、を備え、上記パッチ部材は、上記本体部から剥離可能に設けられていることを特徴とする。
【0007】
このマスクにおいては、本体部によって装着者の口が覆われるため、喉が乾燥するのを防ぐことができる。また、本体部には、開口部が設けられており、その開口部を塞ぐようにパッチ部材が貼付されている。このパッチ部材は、本体部から剥離可能に設けられている。ここで、剥離可能とは、装着者が本体部を損傷することなく容易にパッチ部材を剥がせるということである。このため、装着者は、パッチ部材を剥離することにより、開口部を開放することができる。開放された開口部は、吸気及び呼気の経路となる。これにより、装着者は、呼吸をし易くなるため、息苦しさから免れることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、息苦しさを解消しつつ喉の乾燥を防ぐことができるマスクが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明によるマスクの第1実施形態を示す正面図である。
【
図2】
図1のマスクにおいてパッチ部材が剥離された状態を示す正面図である。
【
図3】本発明によるマスクの第2実施形態を示す背面図である。
【
図4】本発明によるマスクの第3実施形態を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
【0011】
図1は、本発明によるマスクの第1実施形態を示す正面図である。マスク1は、本体部10、及びパッチ部材22,24を備えている。本体部10は、シート状をしており、装着者の目、鼻及び口のうち、鼻及び口のみ、あるいは口のみを覆う。
図1においては、本体部10の外側の面、すなわち装着者の顔に対向する面(内側の面)とは反対側の面が示されている。本体部10は、通気性を有する材料からなる。かかる材料としては、例えば、不織布又は紙を用いることができる。
【0012】
本体部10には、複数の開口部12,14が形成されている。具体的には、4つの開口部12(第1の開口部)と、2つの開口部14(第2の開口部)とが形成されている。開口部12は、概ね、装着者の鼻にも口にも重ならない部分に位置している。開口部14は、概ね、装着者の口に重なる部分に位置している。本実施形態において開口部12,14の形状は、何れも円形である。ただし、開口部14は、開口部12よりも小さい。
【0013】
本体部10には、開口部12,14を塞ぐようにパッチ部材22,24が貼付されている。パッチ部材22,24は、本体部10の外側の面に貼付されている。これらのパッチ部材22,24は、複数の開口部12,14のそれぞれを塞ぐように設けられている。具体的には、4つの開口部12に対応する4つのパッチ部材22と、2つの開口部14に対応する2つのパッチ部材24とが設けられている。パッチ部材22,24は、開口部12,14の全体を塞ぐことができ、かつ互いに重ならないような大きさ及び形状をしている。本実施形態においてパッチ部材22,24の形状は、何れも円形である。パッチ部材22,24の材料としては、例えば、不織布又は紙を用いることができる。
【0014】
パッチ部材22,24は、本体部10から剥離可能に設けられている。各パッチ部材22,24は、その全体を剥離することは勿論、その一部のみを剥離することもできる。パッチ部材22,24は、本体部10から剥離された後、本体部10に再び貼付可能である。このように剥離可能でかつ再貼付可能なパッチ部材22,24は、例えば、パッチ部材22,24の周縁部(本体部10に接触する部分)に適度な粘着力を有する粘着剤を塗布しておき、当該粘着剤を介してパッチ部材22,24を本体部10に貼付することにより実現することができる。
【0015】
図2は、マスク1においてパッチ部材22,24が剥離された状態を示す正面図である。パッチ部材22,24が剥離されることにより、開口部12,14は開放される。このとき、装着者の口の少なくとも一部は、本体部10における開口部12,14以外の部分によって覆われる。
図2において、一点鎖線L1で囲まれた部分が、概ね、装着者の口に重なる部分である。このように、開口部12,14が開放された状態においても、装着者の口全体が露出することのない構造となっている。
【0016】
図1に戻って、パッチ部材22,24には、図柄が描かれていてもよい。かかる図柄としては、例えば、動物、スイーツ(デザート)、乗り物、又は、アニメや漫画等のキャラクターの図柄が挙げられる。
【0017】
また、本体部10には、線状部材32,34,36,38が固定されている。これらの線状部材32,34,36,38は、可塑性を有し、装着者の顔から本体部10を離間させた状態で本体部10の形状を維持するためのものである。線状部材32,34,36,38の材料としては、例えば、金属又は樹脂を用いることができる。
【0018】
線状部材32(第1の線状部材)は、本体部10の上端に沿って延在している。線状部材34(第2の線状部材)は、本体部10の下端に沿って延在している。線状部材36(第3の線状部材)は、本体部10の左端に沿って延在している。また、線状部材38(第4の線状部材)は、本体部10の右端に沿って延在している。線状部材32は、例えば、本体部10の上端付近を袋状に形成し、その中に収容すればよい。線状部材34,36,38についても同様である。
【0019】
さらに、本体部10には、当該本体部10を装着者の顔に固定するための固定部40が取り付けられている。本実施形態において固定部40は、装着者の耳に掛けられる紐状部材である。かかる固定部40としては、例えば、ゴム紐を用いることができる。
【0020】
マスク1の効果を説明する。マスク1においては、本体部10によって装着者の口が覆われるため、喉が乾燥するのを防ぐことができる。また、本体部10には、開口部12,14が設けられており、開口部12,14を塞ぐようにパッチ部材22,24が貼付されている。パッチ部材22,24は、本体部10から剥離可能に設けられている。このため、装着者は、パッチ部材22,24を剥離することにより、開口部12,14を開放することができる。開放された開口部12,14は、吸気及び呼気の経路となる。これにより、装着者は、呼吸をし易くなるため、息苦しさから免れることができる。したがって、息苦しさを解消しつつ喉の乾燥を防ぐことができるマスク1が実現されている。
【0021】
かかる構成により、マスク1は、パッチ部材22,24が貼付された状態(開口部12,14が閉塞された状態)と、パッチ部材22,24が剥離された状態(開口部12,14が開放された状態)とで2通りの使い方が可能である。これにより、装着者にとっての利便性が飛躍的に高まる。
【0022】
例えば、装着者は、起きている間はパッチ部材22,24が貼付された状態でマスク1を使用し、寝ている間はパッチ部材22,24が剥離された状態でマスク1を使用することができる。すなわち、起きている間は息苦しくなっても適宜マスクを着脱することができるのに対し、寝ている間はそうすることができない。それゆえ、起きている間は、喉の乾燥防止を優先してパッチ部材22,24が貼付された状態でマスク1を使用する一方で、寝ている間は、呼吸の容易性を優先してパッチ部材22,24が剥離された状態でマスク1を使用することができる。
【0023】
また、装着者は、空気の乾燥の程度が比較的大きい室外では、喉の乾燥防止を優先してパッチ部材22,24が貼付された状態でマスク1を使用する一方で、空気の乾燥の程度が比較的小さい室内では、呼吸の容易性を優先してパッチ部材22,24が剥離された状態でマスク1を使用するということもできる。
【0024】
このように2通りの使い方が可能であるため、マスク1は、長時間にわたって使用するのに適しており、経済的である。
【0025】
さらに、各パッチ部材22,24は、その一部のみを剥離することが可能である。このため、各開口部12,14の一部のみを開放させることが可能となる。したがって、装着者は、各開口部12,14における開放される部分の面積を変えることにより、喉の乾燥防止と呼吸の容易性とのバランスを調整することができる。
【0026】
本体部10には、複数の開口部12,14が設けられている。このため、装着者は、開放される開口部12,14の個数を変えることにより、喉の乾燥防止と呼吸の容易性とのバランスを調整することができる。
【0027】
複数の開口部12,14のそれぞれを塞ぐように、複数のパッチ部材22,24が設けられている。すなわち、各開口部12,14に対して個別にパッチ部材22,24が設けられている。これにより、各開口部12,14の開放(パッチ部材22,24の剥離)を互いに独立して行えるため、開放される開口部12,14の個数を容易に変えることができる。
【0028】
本体部10には、大きさが相異なる開口部12と開口部14とが設けられている。このため、装着者は、開口部12又は開口部14の何れを開放させるかによっても、喉の乾燥防止と呼吸の容易性とのバランスを調整することができる。
【0029】
パッチ部材22,24は、本体部10から剥離された後も、本体部10に再び貼付可能である。このため、装着者は、パッチ部材22,24が貼付された状態での使用と、パッチ部材22,24が剥離された状態での使用とを交互に繰り返すことができる。
【0030】
本体部10は、開口部12,14以外の部分が装着者の口の少なくとも一部を覆うように構成されている。このため、開口部12,14が開放された状態においても、装着者の口全体が露出することがなく、喉の乾燥防止効果が保たれる。
【0031】
パッチ部材22,24に図柄が描かれている場合、マスク1のデザイン性を向上させ、その商品価値を高めることができる。また、デザイン性の向上により、普段はマスクをしたがらない人であっても、気軽に装着できるようになる。さらに、パッチ部材22,24を宣伝媒体として用いることにより、マスク1の低価格化を図ることも可能である。
【0032】
特に、動物、スイーツ、乗り物、又はキャラクターの図柄は、子供の関心を強く惹く。そのため、これらの図柄がパッチ部材22,24に描かれている場合、子供が嫌がらずにマスク1を装着し易くなる。
【0033】
また、本体部10には、線状部材32,34,36,38が設けられている。このため、装着者の顔から本体部10を離間させた状態で本体部10の形状を維持することができる。それにより、装着者の顔と本体部10との間に適度な空間を形成し、吸気及び呼気の経路を確保することができる。特に本実施形態においては、本体部10の上下左右に線状部材32,34,36,38が設けられているため、本体部10の形状設定の自由度が高く、吸気及び呼気の経路を確保し易い。
(第2実施形態)
【0034】
図3は、本発明によるマスクの第2実施形態を示す背面図である。マスク2は、本体部10、パッチ部材22,24及び固定部40に加えて、保湿機能を有する保湿材52を備えている。本実施形態においては、2つの保湿材52が設けられている。保湿材52は、本体部10に着脱可能に設けられている。保湿材52は、本体部10よりも小さいシート状をしており、本体部10に貼付可能である。具体的には、保湿材52は、その片面に粘着剤が塗布されており、本体部10に貼付することも、本体部10から剥離することも可能である。
【0035】
この保湿材52は、本体部10の任意の位置に貼付することができる。保湿材52は、本体部10の外側の面に貼付してもよいし、内側の面に貼付してもよい。また、保湿材52は、本体部10における開口部12,14以外の部分に貼付してもよいし、開口部12,14の一部又は全体を塞ぐように貼付してもよい。
図3は、本体部10の左右を分断する中心線L2上に2つの保湿材52が貼付された例を示している。同図においては、本体部10の内側の面が示されており、当該面に保湿材52が貼付されている。図中の上側の保湿材52は、概ね、装着者の鼻と口の間の領域に重なる部分に位置している。また、下側の保湿材52は、概ね、装着者の口の下の領域に重なる部分に位置している。
【0036】
保湿材52としては、例えば、保湿成分を含有する液体を含浸させた不織布を用いることができる。保湿成分としては、例えば、コラーゲン、ヒアルロン酸、グリセリン類が挙げられる。
【0037】
保湿材52には、保湿成分と共に、芳香成分及び/又は抗菌成分が含有されていてもよい。芳香成分としては、例えば、ユーカリ、ローズマリーその他のハーブの香りを発するものが挙げられる。また、抗菌成分としては、例えば、カテキンその他のタンニンが挙げられる。タンニンとしては、お茶やコーヒーに含有されているものを用いることができる。マスク2のその他の構成は、マスク1と同様である。
【0038】
マスク2の効果を説明する。マスク2においては、保湿材52が設けられている。このため、喉の乾燥をより効果的に防ぐことができる。しかも、この保湿材52は、着脱可能に設けられている。これにより、マスク2は、保湿材52が取り付けられた状態でも、取り外された状態でも使用することができるため、装着者にとっての利便性が高まる。例えば、装着者は、開口部12,14がパッチ部材22,24によって閉塞されているときは保湿材52を取り外してマスク2を使用する一方で、開口部12,14が開放されているときは保湿材52を取り付けてマスク2を使用することができる。
【0039】
さらに、保湿材52は、本体部10に貼付可能であるため、本体部10への着脱が容易である。また、保湿材52を本体部10の任意の位置に貼付することができるため、装着者は、本体部10に取り付けられた保湿材52の位置を変えることにより、保湿の程度を調整することができる。
【0040】
保湿材52は、複数設けられている。このため、装着者は、本体部10に取り付けられた保湿材52の個数を変えることにより、保湿の程度を調整することができる。ただし、保湿材52は、1つだけ設けられてもよい。
【0041】
保湿材52が芳香成分を含有する場合、当該成分が呼吸時に鼻孔に吸い込まれることにより、装着者は、より快適にマスク2を使用することができる。保湿材52が抗菌成分を含有する場合、吸気中や呼気中の雑菌が繁殖するのを抑制することができるため、装着者は、より衛生的にマスク2を使用することができる。マスク2のその他の効果は、マスク1について説明したとおりである。
(第3実施形態)
【0042】
図4は、本発明によるマスクの第3実施形態を示す背面図である。マスク3は、本体部10、パッチ部材22,24及び固定部40に加えて、保湿機能を有する保湿材54を備えている。本実施形態においては、2つの保湿材54が設けられている。保湿材54は、本体部10に着脱可能に設けられている。具体的には、本実施形態の本体部10はポケット16を有しており、このポケット16内に保湿材54が出入自由に収納されている。保湿材54は、本体部10よりも小さいシート状をしている。保湿材54としては、保湿材52と同様、保湿成分を含有する液体を含浸させた不織布を用いることができる。保湿材54に芳香成分及び/又は抗菌成分が含有されていてもよいことは、保湿材52と同様である。
【0043】
ポケット16は、本体部10の任意の位置に設けることができる。ポケット16は、本体部10の外側の面に設けてもよいし、内側の面に設けてもよい。
図4は、本体部10の左右を分断する中心線L2上に2つのポケット16が設けられた例を示している。同図においては、本体部10の内側の面が示されており、当該面にポケット16が設けられている。図中の上側のポケット16は、概ね、装着者の鼻と口の間の領域に重なる部分に位置している。また、下側のポケット16は、概ね、装着者の口の下の領域に重なる部分に位置している。
【0044】
ポケット16の材料としては、例えば不織布を用いることができる。ポケット16は、左右両端及び下端が本体部10に接着される一方で、上端は本体部10に接着されていない。したがって、ポケット16は、その上端から保湿材54を出し入れすることが可能な構造をしている。マスク3のその他の構成は、マスク1と同様である。
【0045】
マスク3の効果を説明する。マスク3においては、保湿材54が設けられている。このため、喉の乾燥をより効果的に防ぐことができる。しかも、この保湿材54は、着脱可能に設けられている。これにより、マスク3は、保湿材54が取り付けられた状態でも、取り外された状態でも使用することができるため、装着者にとっての利便性が高まる。例えば、装着者は、開口部12,14がパッチ部材22,24によって閉塞されているときは保湿材54を取り外してマスク3を使用する一方で、開口部12,14が開放されているときは保湿材54を取り付けてマスク3を使用することができる。
【0046】
本体部10は、保湿材54を収納するポケット16を有している。このため、保湿材54の着脱を容易に行うことができる。さらに、本実施形態においては、複数のポケット16が設けられている。このため、装着者は、本体部10に取り付けられた保湿材54の個数や位置を変えることにより、保湿の程度を調整することができる。ただし、ポケット16は、1つだけ設けられてもよい。マスク3のその他の効果は、マスク1及びマスク2について説明したとおりである。
【0047】
本発明によるマスクは、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態においては、複数の開口部が設けられた例を示した。しかし、1つの開口部のみが設けられてもよい。パッチ部材についても同様である。
【0048】
上記実施形態においては、1つの開口部に対して1つのパッチ部材が設けられた例を示した。しかし、複数の開口部に対して1つのパッチ部材が設けられてもよい。すなわち、パッチ部材は、複数の開口部を同時に塞ぐものであってもよい。
【0049】
上記実施形態においては、4つの線状部材32,34,36,38が設けられた例を示した。しかし、これらの線状部材の一部のみが設けられた構成としてもよい。例えば線状部材32,34のみが設けられた構成、あるいは線状部材36,38のみが設けられた構成等が考えられる。また、線状部材32,34,36,38の何れも設けない構成としてもよい。
【0050】
上記実施形態においては、パッチ部材22,24が本体部10の外側の面に貼付された例を示した。しかし、パッチ部材22,24は、本体部10の内側の面に貼付されてもよい。
【0051】
上記実施形態においては、開口部12,14の形状が円形である場合の例を示した。しかし、開口部12,14の形状は、任意であり、例えば、矩形、星形又はハート形であってもよい。パッチ部材22,24の形状についても同様である。
【符号の説明】
【0052】
1 マスク
2 マスク
3 マスク
10 本体部
12 開口部(第1の開口部)
14 開口部(第2の開口部)
16 ポケット
22 パッチ部材
24 パッチ部材
32 線状部材(第1の線状部材)
34 線状部材(第2の線状部材)
36 線状部材(第3の線状部材)
38 線状部材(第4の線状部材)
40 固定部
52 保湿材
54 保湿材