(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータ(PC)のタッチパッドや、タブレットPCやスマートフォンと呼ばれる携帯情報端末等のタッチパネルのように、操作面に接触又は近接した操作体の位置を検出する入力装置が普及している。このような入力装置としては、静電容量を検出するための複数の検出用電極と、複数の検出用電極が接続され、静電容量の変化を検出する検出用の回路とを備え、操作体の接触又は近接に伴う静電容量の変化に基づいて、操作体が接触又は近接した操作面上の位置を検出する静電容量方式の入力装置が広く用いられている。
【0003】
静電容量方式の入力装置に関する技術としては、特許文献1等が開示されている。
図13は、特許文献1に係る座標検出装置210(入力装置)の構成を示す説明図である。
【0004】
座標検出装置210は、
図13に示すように、センサ基板211と、複数のX軸電極212(検出用電極)と、複数のY軸電極213(検出用電極)と、X軸側検出部214(静電容量検出部)と、Y軸側検出部215(静電容量検出部)と、A/D変換部216と、記憶部217と、演算処理部218と、インターフェイス部219とを備えている。
【0005】
複数のX軸電極212は、X軸方向に沿ってセンサ基板211に並設され、複数のY軸電極213は、X軸方向と直交するY軸方向に沿ってセンサ基板211に並設されている。X軸側検出部214は、X軸電極212の静電容量(X軸電極212とグランド電極との間の静電容量等)を検出し、Y軸側検出部215は、Y軸電極212の静電容量(Y軸電極213とグランド電極との間の静電容量等)を検出している。
【0006】
記憶部217は、X軸側検出部214とY軸側検出部215とが検出した静電容量等を記憶している。演算処理部218は、A/D変換部216を介してX軸側検出部214とY軸側検出部215とに接続されている。そして、演算処理部218は、X軸側検出部214とY軸側検出部215とが検出した静電容量の変化量に基づいて演算処理を行い、検出対象が接触した操作面上の位置を特定している。
【0007】
座標検出装置210は、このようにして、検出対象が接触した操作面上の位置を検出している。そして、座標検出装置210が検出した位置情報は、インターフェイス部219を介して、外部回路又は外部機器等に伝達される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
近年、タブレットPCのように、タッチパネル機能を有した大型の表示画面を備えた電子機器が急速に普及している。そして、表示画面の大型化に合わせて入力装置の操作面にも大型化が求められている。しかしながら、位置の検出精度を維持しながら操作面を大型化しようとすると、操作面の大型化に伴って検出用電極の数も増加してしまう。例えば操作面の縦横の寸法をそれぞれ2倍にしようとすると、検出用電極の数は4倍程度に増加してしまう。そのため、検出用電極の数の増加に対して何らかの措置を講じなければ、検出用電極が接続される検出回路側の回路構成が複雑になり過ぎるという課題が有った。
【0010】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、回路の複雑化を抑制しつつ、操作面を大型化できる入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題を解決するために、請求項1に記載の入力装置は、操作体の接触又は近接に伴う静電容量の変化を利用して、操作体が接触又は近接した位置を検出する静電容量方式の入力装置であって、所定の第1方向又は前記第1方向と交差する第2方向に沿って分割された複数の分割領域を有する操作面と、前記分割領域ごとに前記第1方向に沿って並設された複数の第1検出用電極と、前記分割領域ごとに前記第2方向に沿って並設された複数の第2検出用電極と、前記分割領域ごとに配設された領域検出用電極と、前記第1検出用電極と前記第2検出用電極と前記領域検出用電極とが接続された静電容量検出部と、前記静電容量検出部が検出する静電容量の変化に基づいて、操作体が接触又は近接した前記分割領域である操作領域を特定する領域検出部と、前記静電容量検出部が検出する静電容量の変化に基づいて、操作体が接触又は近接した前記分割領域内の座標である操作座標を特定する座標検出部と、を備えていることを特徴とする。
【0012】
この構成の入力装置では、第1検出用電極と第2検出用電極と領域検出用電極とは、分割領域ごとに配設されているので、静電容量検出部は、分割領域ごとに静電容量を検出することができる。そして、分割領域ごとに静電容量を検出することによって、領域検出部は、操作領域を特定し易くなる。そして、操作領域を特定することによって、座標検出部は、分割領域を限定して操作座標を特定することができ、操作座標を特定するための回路を簡略化することができる。その結果、この構成の入力装置では、回路の複雑化を抑制しつつ、操作面を大型化することができる。
【0013】
請求項2に記載の入力装置は、前記静電容量検出部は、前記第1検出用電極と前記領域検出用電極との間の静電容量である第1検出容量と、前記第2検出用電極と前記領域検出用電極との間の静電容量である第2検出容量とを、前記操作領域を特定するための領域検出容量及び前記操作座標を特定するための座標検出容量として検出することを特徴とする。
【0014】
この構成の入力装置では、領域検出用電極は分割領域ごとに配設されているので、操作体が接触又は近接した分割領域においてのみ、第1検出容量と第2検出容量とを変化させることができる。そのため、第1検出容量と第2検出容量とは、操作領域を特定するための領域検出容量として好適である。しかも、第1検出用電極は第1方向に沿って並設され、第2検出用電極は第2方向に沿って並設されているので、第1検出容量が変化した第1検出用電極と第2検出容量が変化した第2検出用電極とが交差する位置を操作座標として特定することができる。そのため、第1検出容量と第2検出容量とは、操作体が接触又は近接した座標を特定するための座標検出容量として好適である。
【0015】
請求項3に記載の入力装置は、前記静電容量検出部は、前記分割領域ごとに、前記第1検出容量と前記第2検出容量とを前記領域検出容量として検出し、前記領域検出部は、前記領域検出容量が所定値以上変化した前記分割領域である容量変化領域が1箇所みである場合には、前記容量変化領域を前記操作領域として特定することを特徴とする。
【0016】
この構成の入力装置では、操作体が操作面の1箇所に接触又は近接した場合には、容量変化領域は1箇所となる。そのため、容量変化領域が1箇所のみである場合には、その容量変化領域を操作領域として特定することによって、操作領域の特定を容易に行うことができる。
【0017】
請求項4に記載の入力装置は、前記静電容量検出部は、前記操作領域において、前記第1検出容量と前記第2検出容量とを前記座標検出容量として検出し、前記座標検出部は、前記座標検出容量が所定値以上変化した座標である容量変化座標が前記操作領域内に1箇所みである場合には、前記容量変化座標を前記操作座標として特定することを特徴とする。
【0018】
この構成の入力装置では、操作体が操作領域内の1箇所に接触又は近接した場合には、操作領域内の容量変化座標は1箇所となる。そのため、容量変化座標が操作領域内に1箇所のみである場合には、その容量変化座標を操作座標として特定することによって、操作座標の特定を容易に行うことができる。
【0019】
請求項5に記載の入力装置は、前記容量変化座標が前記操作領域内に複数箇所ある場合には、前記静電容量検出部は、前記操作領域において、前記第1検出用電極と前記第2検出用電極との間の静電容量である第3検出容量を更に検出し、前記座標検出部は、前記第3検出容量の変化に基づいて前記操作座標を特定することを特徴とする。
【0020】
第3検出容量は、第1検出用電極と第2検出用電極との間の静電容量なので、操作体が操作領域内の複数箇所に接触又は近接した場合でも、それぞれの箇所に対応した容量の変化を検出し易い。そのため、この構成の入力装置では、操作体が操作領域内の複数箇所に接触又は近接した場合に、操作座標の特定を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、回路の複雑化を抑制しつつ、検出面を大型化できる入力装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、各図において、X1方向を左方向、X2方向を右方向、Y1方向を前方、Y2方向を後方、Z1方向を上方、Z2方向を下方として、説明を進める。
【0024】
まず、本発明の第1実施形態に係る入力装置1の構成について、
図1ないし
図4を用いて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る入力装置1の構成を示す説明図である。
図2は、
図1に示す操作パネル10の積層構造を示す説明図である。
図3は、
図1に示す検出用電極20の配置を示す説明図である。
図3は、入力装置1の操作パネル10を上から見た場合の各検出用電極20の配置を示している。
図4は、
図1に示す切替スイッチ部30の接続状態を示す説明図である。
【0025】
本発明の第1実施形態に係る入力装置1は、タブレットPC等のタッチパネルに使用される静電容量方式の入力装置である。入力装置1は、
図1に示すように、操作パネル10と、複数の検出用電極20と、切替スイッチ部30と、信号発生部40と、静電容量検出部50と、位置検出部60と、制御部70とを備えている。位置検出部60は、領域検出部61と座標検出部62とを有している。
【0026】
操作パネル10は、図示しない液晶表示装置の表示画面等に取り付けて使用される板状の部材である。操作パネル10は、ITO(Indium Tin Oxide)等の材質できた透明電極等が形成された電極形成層である第1電極形成層L1と第2電極形成層L2と第3電極形成層L3とを積層して形成される。第1電極形成層L1と第2電極形成層L2と第3電極形成層L3とは、
図2に示すように、上から第1電極形成層L1、第2電極形成層L2、第3電極形成層L3の順に、図示しない絶縁層等を介して積層され、第1電極形成層L1の上面には保護層Lpが形成されている。
【0027】
保護層Lpの上面は、指先等の操作体が接触又は近接する操作面10aとなっている。操作面10aは、
図3に示すように、第1方向である左右方向及び第2方向である前後方向に沿って4つの分割領域11に分割されている。以下、左前方の分割領域11がある位置を位置Pz1、左後方の分割領域11がある位置を位置Pz2、右後方の分割領域11がある位置を位置Pz3、右前方の分割領域11がある位置を位置Pz4として説明を進める。
【0028】
検出用電極20は、操作パネル10の電極形成層に形成された透明電極である。検出用電極20は、
図2及び
図3に示すように、第1検出用電極21と第2検出用電極22と領域検出用電極23とを有して構成される。第1検出用電極21と第2検出用電極22と領域検出用電極23とは、4つの分割領域11ごとに形成されている。
【0029】
第1検出用電極21は、操作パネル10の第1電極形成層L1に形成されている。第1検出用電極21は、前後方向に延びる略長方形の電極であり、分割領域11ごとに5つずつ左右方向に沿って等間隔に並設されている。以下、各分割領域11の5つの第1検出用電極21に対応する位置を、左から順に、位置Px1、位置Px2、位置Px3、位置Px4、位置Px5として説明を進める。
【0030】
第2検出用電極22は、操作パネル10の第2電極形成層L2に形成されている。第2検出用電極22は、左右方向に延びる略長方形の電極であり、分割領域11ごとに5つずつ前後方向に沿って等間隔に並設されている。以下、各分割領域11の5つの第2検出用電極22に対応する位置を、前から順に、位置Py1、位置Py2、位置Py3、位置Py4、位置Py5として説明を進める。
【0031】
領域検出用電極23は、操作パネル10の第3電極形成層L3に形成されている。領域検出用電極23は、分割領域11ごとに1つずつ、各分割領域11の下側を覆うように配設されている。左前方の領域検出用電極23は位置Pz1の分割領域11に対応し、左後方の領域検出用電極23は位置Pz2の分割領域11に対応し、右後方の領域検出用電極23は位置Pz3の分割領域11に対応し、右前方の領域検出用電極23は位置Pz4の分割領域11に対応している。
【0032】
切替スイッチ部30は、接続の切り替えが可能な複数のスイッチ素子を有した回路である。スイッチ素子としては、切り替え機能を有したダイオード素子やFET素子やそれらを集積した半導体素子等が使用される。切替スイッチ部30の接続状態の切り替えは制御部70によって制御されている。
【0033】
切替スイッチ部30には、
図4に示すように、検出用電極20が接続されている。本実施形態では、4つの分割領域11の同じ位置に対応する第1検出用電極21どうしは、図示しない配線用の電極を介して互いに接続された後に、まとめて切替スイッチ部30に接続されている。例えば、位置Px1に対応する4つの第1検出用電極21は、互いに接続された後に、まとめて切替スイッチ部30に接続されている。また、位置Py1に対応する4つの第2検出用電極22は、互いに接続された後に、まとめて切替スイッチ部30に接続されている。4つの領域検出用電極23は、それぞれ個別に切替スイッチ部30に接続されている。
【0034】
検出用電極20をこのように切替スイッチ部30に接続することによって、全ての第1検出用電極21と全ての第2検出用電極22とを個別に切替スイッチ部30に接続する場合と比較して、検出用電極20と接続される切替スイッチ部30のスイッチ素子の数を大幅に削減することができる。そして、それによって、切替スイッチ部30の回路構成と、それを制御する制御部70の回路構成とを大幅に簡略化することができる。
【0035】
また、切替スイッチ部30には、
図4に示すように、信号発生部40や静電容量検出部50も接続されている。そして、切替スイッチ部30は、前述した複数の検出用電極20のうち、所定の検出用電極20が信号発生部40と接続され、他の所定の検出用電極20が静電容量検出部50と接続されるように、接続状態の切り替えを行っている。信号発生部40に接続される検出用電極20と、静電容量検出部50に接続される検出用電極20とは、時間と共に変化する。
【0036】
信号発生部40は、
図4に示すように、駆動用の交流の電気信号(以下、駆動信号と略称)を生成すると共に、生成した駆動信号を自身と接続された検出用電極20に印加している。駆動信号の印加のタイミングは、制御部70によって制御されている。
【0037】
静電容量検出部50は、
図4に示すように、駆動信号に対応して信号発生部40が接続された検出用電極20から静電容量検出部50が接続された検出用電極20に伝達される電気信号(以下、検出信号と略称)を検出している。そして、静電容量検出部50は、検出した検出信号に基づいて、信号発生部40が接続された検出用電極20と静電容量検出部50が接続された検出用電極20との間の静電容量を算出している。以下、静電容量検出部50が検出信号を検出し、検出信号に基づいて静電容量を算出することを、静電容量を検出すると略称する。静電容量検出部50が検出した静電容量は、制御部70に伝達される。
【0038】
位置検出部60は、静電容量検出部50が検出した静電容量の変化に基づいて、操作体が接触又は近接した操作面10a上の位置である操作位置を検出している。領域検出部61は、静電容量検出部50が検出した静電容量の変化に基づいて、操作体が接触又は近接した分割領域11である操作領域を特定している。座標検出部62は、静電容量検出部50が検出した静電容量の変化に基づいて、操作領域における操作体が接触又は近接した座標である操作座標を特定している。位置検出部60が特定した操作位置に関する情報は制御部70に伝達される。
【0039】
制御部70は、切替スイッチ部30と信号発生部40と静電容量検出部50と位置検出部60とを制御している。また、制御部70は、図示しない外部回路と接続されており、操作位置に関する情報を入力情報として外部回路に伝達している。
【0040】
次に、本実施形態の入力装置1における操作位置の検出方法について、
図5及び
図6を用いて説明する。尚、本実施形態では、操作体が操作面10a上の1箇所に接触又は近接した場合の検出方法について説明する。
図5は、本発明の第1実施形態に係る操作位置の検出方法を示す説明図である。
図5(a)は、操作体が接触も近接もしていない時の操作パネル10の状態を模式的に示し、
図5(b)は、操作体が接触又は近接した時の操作パネル10の状態を模式的に示している。
図6は、本発明の第1実施形態に係る操作位置の例を示す説明図である。
図6において、位置P1は操作位置である。
【0041】
本実施形態では、静電容量検出部50は、第1検出容量Cs1と第2検出容量Cs2とを検出している。第1検出容量Cs1は、
図5に示すように、第1検出用電極21と領域検出用電極23との間の静電容量(相互容量)である。第2検出容量Cs2は、第2検出用電極22と領域検出用電極23との間の静電容量(相互容量)である。第1検出容量Cs1と第2検出容量Cs2とは、操作領域を特定するための領域検出容量及び操作座標を特定するための座標検出容量として利用される。
【0042】
図5に示すように、操作面10aに操作体が接触又は近接すると、操作体が接触又は近接した位置に対応した第1検出用電極21と、操作体が接触又は近接した分割領域11に対応した領域検出用電極23との間の第1検出容量Cs1が変化する。また、操作体が接触又は近接した位置に対応した第2検出用電極22と、操作体が接触又は近接した分割領域11に対応した領域検出用電極23との間の第2検出容量Cs2も変化する。
【0043】
例えば、
図6に示すように、操作体が、位置Pz1にある分割領域11の、位置Px2に対応した第1検出用電極21と位置Py2に対応した第2検出用電極22とが交差する位置である位置P1に接触又は近接した場合には、位置Px2に対応した第1検出用電極21と位置Pz1に対応した領域検出用電極23aとの間の第1検出容量Cs1が所定値以上変化する。また、位置Py2に対応した第2検出用電極22と位置Pz1に対応した領域検出用電極23aとの間の第2検出容量Cs2も所定値以上変化する。そして、操作体が操作面10aの他の位置には接触も近接もしていない場合、他の検出用電極20どうしの間の静電容量の変化は所定値未満となる。
【0044】
そのため、領域検出容量が所定値以上変化した分割領域11を容量変化領域とすると、容量変化領域は、位置Pz1にある分割領域11のみとなる。そして、容量変化領域が1箇所のみの場合、その容量変化領域を操作領域として特定することができる。また、座標検出容量が所定値以上変化した座標を容量変化座標とすると、操作領域における容量変化座標は、位置P1のみとなる。そして、操作領域における容量変化座標が1箇所のみの場合、その容量変化座標を操作座標として特定することができる。
【0045】
本実施形態では、入力装置1は、このようにして、第1検出容量Cs1の変化と第2検出容量Cs2の変化とに基づいて操作領域と操作座標とを特定し、それによって、操作位置を検出している。尚、操作体が操作面10a上の他の位置に接触又は近接した場合でも、同様にして、操作位置を特定することができる。
【0046】
次に、本発明の第1実施形態に係る位置の検出手順について、
図7を用いて説明する。
図7は、本発明の第1実施形態に係る操作位置の検出手順を示すフローチャートである。
【0047】
図7に示すように、まず、ステップSa1では、静電容量検出部50が、所定の第1検出用電極21と領域検出用電極23との間で第1検出容量Cs1を検出し、所定の第2検出用電極22と領域検出用電極23との間で第2検出容量Cs2を検出する。第1検出容量Cs1と第2検出容量Cs2とは、領域検出容量及び座標検出容量として利用される。
【0048】
次に、ステップSa2では、制御部70が、領域検出容量が所定値以上変化した分割領域11である容量変化領域の有無に関する判断を行う。ステップSa2において、容量変化領域が無い場合には、ステップSa1に戻り、ステップSa1以降の手順を繰り返す。ステップSa2において、容量変化領域が有った場合にはステップSa3に移動する。
【0049】
次に、ステップSa3では、制御部70が、容量変化領域の数に関する判断を行う。ステップSa3において、容量変化領域が複数箇所ある場合には、ステップSa1に戻り、ステップSa1以降の手順を繰り返す。ステップSa3において、容量変化領域が1箇所のみである場合にはステップSa4に移動する。そして、ステップSa4では、領域検出部61が、その容量変化領域を操作領域として特定する。
【0050】
次に、ステップSa5では、制御部70が、座標検出容量が所定値以上変化した座標である容量変化座標の数に関する判断を行う。ステップSa5において、容量変化座標が操作領域内に複数箇所ある場合には、ステップSa1に戻り、ステップSa1以降の手順を繰り返す。ステップSa5において、容量変化座標が操作領域内に1箇所のみである場合にはステップSa6に移動する。そして、ステップSa6では、座標検出部62が、その容量変化座標を操作座標として特定する。その結果、操作位置が特定される。そして、ステップSa7では、制御部70が、操作位置に関する情報を外部回路に伝達する。
【0051】
次に、ステップSa8では、制御部70が、検知を継続するか否かの判断を行う。ステップSa8において、検知を継続する場合には、ステップSa1に戻り、ステップSa1以降の手順を繰り返す。ステップSa8において、検知を継続しない場合には、所定の手順に従って検知を終了させる。本実施形態では、このような手順に従って操作位置の検出が行われる。
【0052】
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態の入力装置1では、第1検出用電極21と第2検出用電極22と領域検出用電極23とは、分割領域11ごとに配設されているので、静電容量検出部50は、分割領域11ごとに静電容量(第1検出容量Cs1と第2検出容量Cs2と)を検出することができる。そして、分割領域11ごとに静電容量を検出することによって、領域検出部61は、操作領域を特定し易くなる。そして、操作領域を特定することによって、座標検出部62は、分割領域11を限定して操作座標を特定することができ、操作座標を特定するための回路を簡略化することができる。本実施形態では、前述したように、切替スイッチ部30の回路構成と、それを制御する制御部70の回路構成とを簡略化することができる。その結果、入力装置1では、回路の複雑化を抑制しつつ、操作面10aを大型化することができる。
【0053】
また、本実施形態の入力装置1では、領域検出用電極23は分割領域11ごとに配設されているので、操作体が接触又は近接した分割領域11においてのみ、第1検出容量Cs1と第2検出容量Cs2とを変化させることができる。そのため、第1検出容量Cs1と第2検出容量Cs2とは、操作領域を特定するための領域検出容量として好適である。しかも、第1検出用電極21は左右方向(第1方向)に沿って並設され、第2検出用電極22は前後方向(第2方向)に沿って並設されているので、第1検出容量Cs1が変化した第1検出用電極21と第2検出容量Cs2が変化した第2検出用電極22とが交差する位置を操作座標として特定することができる。そのため、第1検出容量Cs1と第2検出容量Cs2とは、操作座標を特定するための座標検出容量として好適である。
【0054】
また、本実施形態の入力装置1では、操作体が操作面10aの1箇所に接触又は近接した場合には、容量変化領域は1箇所となる。そのため、容量変化領域が1箇所のみである場合には、その容量変化領域を操作領域として特定することによって、操作領域の特定を容易に行うことができる。
【0055】
また、本実施形態の入力装置1では、操作体が操作領域内の1箇所に接触又は近接した場合には、操作領域内の容量変化座標は1箇所となる。そのため、容量変化座標が操作領域内に1箇所のみである場合には、その容量変化座標を操作座標として特定することによって、操作座標の特定を容易に行うことができる。
【0056】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態において、前述した第1実施形態と同一の構成である場合、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0057】
まず、本発明の第2実施形態に係る入力装置101の構成について、
図8を用いて説明する。
図8は、本発明の第2実施形態に係る入力装置101の構成を示す説明図である。
【0058】
本発明の第2実施形態に係る入力装置101は、
図8に示すように、操作パネル10と、複数の検出用電極20と、切替スイッチ部30と、信号発生部40と、静電容量検出部50と、位置検出部60と、制御部70とを備えている。このように、入力装置101の構成は、第1実施形態に係る入力装置1の構成と同じである。但し、本実施形態では、入力装置101は、操作体が操作面10a上の複数箇所に接触又は近接した場合にも対応できるようになっている。
【0059】
次に、本実施形態の入力装置101における位置の検出方法について、
図9及び
図10を用いて説明する。
図9は、本発明の第2実施形態に係る操作位置の検出方法を示す説明図である。
図9(a)は、操作体が接触も近接もしていない時の操作パネル10の状態を模式的に示し、
図9(b)は、操作体が接触又は近接した時の操作パネル10の状態を模式的に示している。
図10は、本発明の第2実施形態に係る操作位置の例を示す説明図である。
図10において、位置P1と位置P2とは操作位置である。
【0060】
本実施形態では、静電容量検出部50は、
図9に示すように、第1検出容量Cs1と第2検出容量Cs2とに加えて、第3検出容量Cs3を更に検出している。第3検出容量Cs3は、第1検出用電極21と第2検出用電極22との間の静電容量(相互容量)である。第3検出容量Cs3は、第1検出容量Cs1と第2検出容量Cs2と共に、操作座標を特定するための座標検出容量として利用される。
【0061】
操作体が操作面10a上の複数箇所に接触又は近接した場合、すなわち、容量変化座標が操作領域内に複数箇所ある場合には、第1検出容量Cs1の変化と第2検出容量Cs2の変化とに基づいて操作座標を特定するだけでは、操作座標の特定が困難となる可能性が生じる。
【0062】
例えば、
図10に示すように、操作体が、位置Pz1にある分割領域11において、位置Px2に対応した第1検出用電極21と位置Py2に対応した第2検出用電極22とが交差する位置である位置P1と、位置Px4に対応した第1検出用電極21と位置Py4に対応した第2検出用電極22とが交差する位置である位置P2との、2箇所に接触又は近接した場合には、第1検出容量Cs1が所定値以上変化する第1検出用電極21と、第2検出容量Cs2が所定値以上変化する第2検出用電極22とが2つずつ発生する。
【0063】
そして、このような場合には、第1検出容量Cs1の変化と第2検出容量Cs2の変化とに基づいて操作座標を特定するだけでは、2つの第1検出用電極21と2つの第2検出用電極22とのうちの、どの第1検出用電極21と第2検出用電極22との組み合わせが、実際の操作位置に対応しているのかを特定することができず、操作座標の特定が困難となる。
【0064】
それに対して、本実施形態では、静電容量検出部50は、第1検出用電極21と第2検出用電極22との間の静電容量である第3検出容量Cs3を更に検出しているので、容量変化座標が操作領域内に複数箇所ある場合でも、第3検出容量Cs3を用いて操作座標を特定することができる。
【0065】
例えば、
図10に示すように、操作体が、位置Pz1にある分割領域11において、位置P1と位置P2との2箇所に接触又は近接した場合には、位置Px2に対応した第1検出用電極21と位置Py2に対応した第2検出用電極22との組み合わせと、位置Px4に対応した第1検出用電極21と位置Py4に対応した第2検出用電極22との組み合わせにおいてのみ、第3検出容量Cs3が変化する。
【0066】
そのため、位置Px2に対応した第1検出用電極21と位置Py2に対応した第2検出用電極22との間の第3検出容量Cs3と、位置Px4に対応した第1検出用電極21と位置Py4に対応した第2検出用電極22との間の第3検出容量Cs3とが所定値以上変化し、他の第3検出容量Cs3の変化が所定値未満である場合には、位置P1と位置P2との2箇所を操作座標として特定することができる。
【0067】
このように、本実施形態では、容量変化座標が操作領域内に複数箇所ある場合でも、第3検出容量の変化に基づいて操作座標を特定することによって、操作座標をそれぞれ特定することができるようになる。
【0068】
次に、本実施形態に係る位置の検出手順について、
図11を用いて説明する。
図11は、本発明の第2実施形態に係る操作位置の検出手順を示すフローチャートである。
【0069】
図11に示すように、まず、ステップSb1では、静電容量検出部50が、所定の第1検出用電極21と領域検出用電極23との間で第1検出容量Cs1を検出し、所定の第2検出用電極22と領域検出用電極23との間で第2検出容量Cs2を検出する。第1検出容量Cs1と第2検出容量Cs2とは、領域検出容量及び座標検出容量として利用される。
【0070】
次に、ステップSb2では、制御部70が、領域検出容量が所定値以上変化した分割領域11である容量変化領域の有無に関する判断を行う。ステップSb2において、容量変化領域が無い場合には、ステップSb1に戻り、ステップSb1以降の手順を繰り返す。ステップSb2において、容量変化領域が有った場合にはステップSb3に移動する。
【0071】
次に、ステップSb3では、制御部70が、容量変化領域の数に関する判断を行う。ステップSb3において、容量変化領域が複数箇所ある場合には、ステップSb1に戻り、ステップSb1以降の手順を繰り返す。ステップSb3において、容量変化領域が1箇所のみである場合にはステップSb4に移動する。そして、ステップSb4では、領域検出部61が、その容量変化領域を操作領域として特定する。
【0072】
次に、ステップSb5では、制御部70が、座標検出容量が所定値以上変化した座標である容量変化座標の数に関する判断を行う。ステップSb5において、容量変化座標が操作領域内に1箇所のみである場合にはステップSb6に移動する。そして、ステップSb6では、座標検出部62が、その容量変化座標を操作座標として特定する。その結果、操作位置が特定される。そして、Sb9に移動する。
【0073】
ステップSb5において、容量変化座標が操作領域内に複数箇所ある場合には、ステップSb7に移動する。そして、静電容量検出部50が、所定の第1検出用電極21と所定の第2検出用電極22との間で第3検出容量Cs3を検出する。第3検出容量Cs3は、座標検出容量として利用される。そして、座標検出部62が、第3検出容量Cs3に基づいて操作座標を特定する。その結果、操作位置が特定される。そして、ステップSb9では、制御部70が、操作位置に関する情報を外部回路に伝達する。
【0074】
次に、ステップSb10では、制御部70が、検知を継続するか否かの判断を行う。ステップSb10において、検知を継続する場合には、ステップSb1に戻り、ステップSb1以降の手順を繰り返す。ステップSb10において、検知を継続しない場合には、所定の手順に従って検知を終了させる。本実施形態では、このような手順に従って操作位置の検出が行われる。
【0075】
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態の入力装置101では、容量変化座標が操作領域内に複数箇所ある場合には、静電容量検出部50は、操作領域において、第3検出容量Cs3を更に検出し、座標検出部62は、第3検出容量CS3の変化に基づいて操作座標を特定している。そして、第3検出容量Cs3は、第1検出用電極21と第2検出用電極22との間の静電容量なので、操作体が操作領域内の複数箇所に接触又は近接した場合でも、それぞれの箇所に対応した容量の変化を検出し易い。そのため、本実施形態の入力装置101では、操作体が操作領域内の複数箇所に接触又は近接した場合に、操作座標の特定を容易に行うことができる。
【0076】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することができる。
【0077】
例えば、本発明の実施形態において、第1検出用電極21と第2検出用電極22と領域検出用電極23とは、前述した以外の形状であっても構わない。また、第1検出用電極21が並設される第1方向と、第2検出用電極22が並設される第2方向とは、前述した以外の方向であっても構わない。その場合、第1方向と第2方向とは、互いに斜めに交差する方向であっても構わない。
【0078】
また、本発明の実施形態において、第1検出用電極21と第2検出用電極22と領域検出用電極23とは、前述した以外の配置となっていても構わない。例えば、第1検出用電極21が第2電極形成層L2形成され、第2検出用電極22が第1電極形成層L1形成されていても構わない。また、
図12に示すように、領域検出用電極23が、第2検出用電極22と隣接するように第2電極形成層L2に形成されていても構わない。第2検出用電極22と領域検出用電極23とが隣接していても第2検出用電極22と領域検出用電極23との間で静電容量を形成することができるので、第1実施形態や第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0079】
また、本発明の実施形態において、第1検出用電極21の数や第2検出用電極22の数は、前述した以外の数であっても構わない。例えば、操作位置の検出精度を低くしても良い時には、第1検出用電極21の数と第2検出用電極22の数とを少なくしても構わない。また、操作位置の検出精度を更に高めたい時には、第1検出用電極21の数と第2検出用電極22の数とを更に多くしても構わない。また、分割領域11の数は、前述した以外の数であっても構わない。例えば、操作面10aを更に大型化したい時には、分割領域11の数を更に多くしても構わない。逆に、操作面10aを小型化する時には、分割領域11の数を少なくしても構わない。
【0080】
また、本発明の実施形態において、位置検出部60は、検出信号の変化に基づいて直接操作領域や操作座標を特定しても構わない。検出信号の変化は静電容量の変化に基づいているので、このような位置の検出方法は、静電容量の変化に基づいて操作領域や操作座標を特定する場合と本質的には同じことである。
【0081】
また、本発明の実施形態において、入力装置1や入力装置101は、前述した以外の用途に使用されても構わない。例えば、入力装置1は、ノート型PCのタッチパッドや車載電子機器の入力装置等に使用されても構わない。そして、その場合、第1検出用電極21と第2検出用電極22と領域検出用電極23とは、透明電極ではなくても構わない。