特許第6244066号(P6244066)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6244066
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】冷却システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20171127BHJP
【FI】
   G06F1/20 D
   G06F1/20 A
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-541888(P2017-541888)
(86)(22)【出願日】2016年4月28日
(86)【国際出願番号】JP2016063510
【審査請求日】2017年8月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514215055
【氏名又は名称】株式会社ExaScaler
(74)【代理人】
【識別番号】100102406
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100100240
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 孝
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 元章
(72)【発明者】
【氏名】鳥居 淳
【審査官】 佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−080160(JP,U)
【文献】 特開2008−079511(JP,A)
【文献】 特開平06−179015(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/20
H05K 7/20
G06F 1/16− 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却システムであって、
冷却槽と、
前記冷却槽の出口から出た冷却液が前記冷却槽の入口に戻る流通路と、
前記流通路の途中に設けられた、障壁を乗り越える配管部と、
主ポンプと、
前記障壁を乗り越える配管部を挟んで前記主ポンプと反対側に配置される補助ポンプと、
前記主ポンプ及び前記補助ポンプの駆動を制御するコントローラとを有し、
前記コントローラは、前記主ポンプを始動させる前に前記補助ポンプを所定時間駆動させ、前記流通路内で前記冷却液の予備的な流れを生じさせる
冷却システム。
【請求項2】
前記冷却槽で暖められた冷却液を前記冷却槽の外部で冷やすための熱交換器をさらに有し、前記熱交換器の入口は前記冷却槽の出口につながれ、前記熱交換器の出口は前記主ポンプの入口につながれている、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項3】
前記障壁を乗り越える配管部は、逆U字形、逆L字形又は逆J字形の配管部であり、該配管部は、建物の室内と室外とを区切る障壁を乗り越えるように配置され、前記冷却槽及び前記補助ポンプは前記室内に配置され、前記主ポンプ及び前記熱交換器は前記室外に配置されている、請求項2に記載の冷却システム。
【請求項4】
前記冷却システムは、電子機器を前記冷却槽内の冷却液中に浸漬して直接冷却するよう構成され、前記冷却槽から冷却液が漏出したときに該漏出した冷却液を受けるよう、前記冷却槽と床面との間に配置される漏出受け部をさらに有する、請求項3に記載の冷却システム。
【請求項5】
前記漏出受け部が、前記冷却槽から受ける荷重を分散させる分散板と、該分散板上で前記冷却槽を囲むように設けられた、閉じられた側壁と、該閉じられた側壁と前記冷却槽との間の上部開口を覆う蓋材から構成されている、請求項4に記載の冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冷却システムに係り、特に、冷却槽の出口から出た冷却液が冷却槽の入口に戻る流通路を有する冷却システムに関するものである。本発明は、例えば電子機器の冷却システム、特に、スーパーコンピュータやデータセンター等の超高性能動作や安定動作が要求され、かつそれ自体からの発熱量が大きな電子機器を、効率的に冷却するための電子機器の冷却システムに好適に使用できる。
【背景技術】
【0002】
スーパーコンピュータやデータセンターの冷却には、従来から空冷式と液冷式が用いられている。液冷式は、空気より格段に熱伝達性能の優れる液体を用いるため、一般的に冷却効率がよいとされている。一例として、フッ化炭素系冷却液を用いる液浸冷却システムが提案されている。具体的には、フッ化炭素系の冷却液(3M社の商品名「Novec(3M社の商標。以下同様)7100」、「Novec7200」、「Novec7300」で知られる、ハイドロフルオロエーテル(HFE)化合物)を用いる例である(例えば、特許文献1、特許文献2)。
【0003】
また、本出願人は、小規模液浸冷却スーパーコンピュータ向けの、小型で冷却効率の優れた液浸冷却システムをすでに開発している。当該システムは、完全フッ素化物からなるフッ化炭素系冷却液を用いており、高エネルギー加速器研究機構に設置されている小型スーパーコンピュータ「Suiren」に適用され、運用されている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−187251号公報
【特許文献2】特表2012−527109号公報
【非特許文献1】「液浸冷却小型スーパーコンピュータ「ExaScaler-1」が、25%を超える性能改善により最新のスパコン消費電力性能ランキング「Green500」の世界第一位相当の値を計測」、2015年3月31日、プレスリリース、株式会社ExaScaler他、URL:http://www.exascaler.co.jp/wp-content/uploads/2015/03/20150331.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液浸冷却システムによる冷却効率の向上と、液浸冷却システムに適用される電子機器における高密度実装の技術開発が進められたことによって、スーパーコンピュータのサイズのより一層の小型化が可能となってきている。そして、小型化されたスーパーコンピュータを、建物内のより小さなスペース、例えば、研究所内の研究者個人に割り当てられた居室や研究室内に設置する試みが検討されている。
【0006】
液浸冷却システムは、通常、冷却槽と熱交換器を有する。冷却槽は、冷却槽を流通する冷却液によって複数の電子機器を直接冷却する。熱交換器は、複数の電子機器から熱を奪って暖められた冷却液を、冷却槽の外部で冷やす。冷却槽と熱交換器との間には、配管等の流通路とポンプが設けられている。
【0007】
液浸冷却システムの稼働中、冷却液を循環させるためにポンプは連続駆動される。従って、室内の静粛性を確保するためには、ポンプを室外に設置することが不可欠である。しかるに、建物の構造上又はレイアウト上、配管工事に制約が課される等の事情により、ポンプの出口と冷却槽の入口をつなぐ配管を、ポンプと冷却槽との間にある一定高さの障壁を乗り越えるように設置することが求められることがある。すなわち、ポンプの出口と冷却槽の入口をつなぐ流通路の途中に、障壁を乗り越える配管部、例えば、逆U字形の配管部を設けなければならない場合がある。
【0008】
かかる逆U字形の配管部の存在は、停止状態のポンプを始動させたときに、冷却液で満たされた流通路内にバブルを生じさせる原因となりうる。このことは、逆U字形の配管部に代わって、逆L字形又は逆J字形の配管部が存在する場合も同様である。しかるに、発生したバブルが流通路を通ってポンプに到達しポンプ内に溜まる(かかる現象は「エア噛み」と呼ばれることがある)と、騒音又は流量低下等の問題、最悪の場合はポンプの破壊の問題を発生させるおそれがある。一般に、冷却槽の出口から出た冷却液が冷却槽の入口に戻る流通路を有する冷却システムが、流通路の途中に、障壁を乗り越える配管部を含む場合に、同様の問題が起こりうると考えられる。
【0009】
従って、本発明の目的は、停止状態のポンプを始動させたときに、障壁を乗り越える配管部を含む流通路内にバブルが発生するのを有効に回避できる冷却システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明によれば、冷却システムであって、冷却槽と、前記冷却槽の出口から出た冷却液が前記冷却槽の入口に戻る流通路と、前記流通路の途中に設けられた、障壁を乗り越える配管部と、主ポンプと、前記障壁を乗り越える配管部を挟んで前記主ポンプと反対側に配置される補助ポンプと、前記主ポンプ及び前記補助ポンプの駆動を制御するコントローラとを有し、前記コントローラは、前記主ポンプを始動させる前に前記補助ポンプを所定時間駆動させ、前記流通路内で前記冷却液の予備的な流れを生じさせる冷却システムが提供される。
【0011】
本発明者らは、障壁を乗り越える配管部を挟んで主ポンプと反対側に補助ポンプを配置した構成を採用し、主ポンプを始動させて流通路内の冷却液の大きくて強い流れを生じさせる前に、比較的短時間だけ補助ポンプを駆動させて、冷却液の予備的な流れを生じさせると、停止状態にある主ポンプを始動させたときに流通路内でバブルが発生するのを、有効に回避できることを見出し、本発明を完成した。
【0012】
本発明に係る冷却システムの好ましい実施の形態において、前記冷却槽で暖められた冷却液を前記冷却槽の外部で冷やすための熱交換器をさらに有し、前記熱交換器の入口は前記冷却槽の出口につながれ、前記熱交換器の出口は前記主ポンプの入口につながれていてよい。
【0013】
本発明に係る冷却システムの好ましい実施の形態において、前記障壁を乗り越える配管部は、逆U字形、逆L字形又は逆J字形の配管部であり、該配管部は、建物の室内と室外とを区切る障壁を乗り越えるように配置され、前記冷却槽及び前記補助ポンプは前記室内に配置され、前記主ポンプ及び前記熱交換器は前記室外に配置されていてよい。
【0014】
本発明に係る冷却システムの好ましい実施の形態において、前記冷却システムは、電子機器を前記冷却槽内の冷却液中に浸漬して直接冷却するよう構成され、前記冷却槽から冷却液が漏出したときに該漏出した冷却液を受けるよう、前記冷却槽と床面との間に配置される漏出受け部をさらに有していてよい。
【0015】
さらに、本発明に係る冷却システムの好ましい実施の形態において、前記漏出受け部が、前記冷却槽から受ける荷重を分散させる分散板と、該分散板上で前記冷却槽を囲むように設けられた、閉じられた側壁と、該閉じられた側壁と前記冷却槽との間の上部開口を覆う蓋材から構成されていてよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、停止状態のポンプを始動させたときに、障壁を乗り越える配管部を含む流通路内にバブルが発生するのを有効に回避できる冷却システムを提供することができる。
【0017】
上記した本発明の目的及び利点並びに他の目的及び利点は、以下の実施の形態の説明を通じてより明確に理解される。もっとも、以下に記述する実施の形態は例示であって、本発明はこれに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る冷却システムの側面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る冷却システムの部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る冷却システムの好ましい実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明を電子機器の冷却システムに適用した一実施形態を説明するが、本発明は、冷却槽の出口から出た冷却液が冷却槽の入口に戻る流通路を有し、流通路の途中に障壁を乗り越える配管部を含む冷却システムに広く適用できる。
【0020】
図1を参照して、一実施形態に係る冷却システム100は、冷却液Cが入れられた冷却槽11と、冷却槽11の出口から出た冷却液が冷却槽11の入口に戻る流通路15、16と、流通路16の途中に設けられた逆U字形の配管部16aと、主ポンプ31と、逆U字形の配管部16aを挟んで主ポンプ31と反対側に配置される補助ポンプ33と、主ポンプ31及び補助ポンプ33の駆動を制御するコントローラ35とを有する。複数の電子機器(図示せず)が、冷却槽11を流通する冷却液C中に浸漬されて直接冷却される。冷却槽11は、開放空間を有することが好ましい。本明細書における「開放空間」を有する冷却槽11には、電子機器の保守性を損なわない程度の簡素な密閉構造を有する冷却槽も含まれる。例えば、冷却槽11の開口部に、パッキン等を介して天板12を着脱可能又は開閉可能に取り付ける構造は、簡素な密閉構造といえる。
【0021】
冷却槽11には、図示しない複数の電子機器の全体を浸漬するのに十分な量の冷却液Cが、液面Nまで入れられる。冷却液としては、3M社の商品名「フロリナート(3M社の商標、以下同様)FC−72」(沸点56℃)、「フロリナートFC−770」(沸点95℃)、「フロリナートFC−3283」(沸点128℃)、「フロリナートFC−40」(沸点155℃)、「フロリナートFC−43」(沸点174℃)として知られる、完全フッ素化物(パーフルオロカーボン化合物)からなるフッ素系不活性液体を好適に使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
本出願人は、完全フッ素化物が、高い電気絶縁性と、高い熱伝達能力を有し、不活性で熱的・化学的に安定性が高く、不燃性で、かつ酸素を含まない化合物であるためオゾン破壊係数がゼロである等の優れた特性を有している点に着目し、そのような完全フッ素化物を主成分として含む冷却液を、高密度の電子機器の浸漬冷却用の冷媒として使用する冷却システムの発明を完成し、特許出願している(特願2014−170616)。この先行出願において開示しているように、特に、フロリナートFC−43又はFC−40を冷却液に用いると、開放空間を有する冷却槽11からの、冷却液Cの蒸発による損失を大幅に低減しながら、小さい体積の冷却槽11内に高密度に設置された複数の電子機器を効率よく冷却することができ、極めて有利である。
【0023】
なお、フロリナートFC−43又はFC−40は、その沸点が150℃以上であり、極めて蒸発しにくい性質を有するため、冷却槽11の上部開口に設けられる天板12は、電子機器(図示せず)のメンテナンスを容易に行えるよう、上部開口に対して着脱可能又は開閉可能に取り付けられていてよい。例えば、天板12は、冷却槽11の上部開口の一方縁部に設けられた図示しないヒンジ部により、開閉自在に支持されていてよい。
【0024】
熱交換器13は、冷却槽11において、複数の電子機器から熱を奪って暖められた冷却液Cを冷却槽11の外部で冷やすためのものであり、空冷式、水冷式、又は蒸発式の凝縮器を含む各種の熱交換器(いわゆるラジエータ、チラー、冷却塔等)でよい。また、別の熱交換器14は、熱交換器13が冷却液Cから奪った熱を別の冷媒に伝え、ここでの冷凍作用により低温を発生させるためのものであり、例えば冷凍機(冷却塔等)でよい。なお、熱交換器13が十分な熱交換効率を有する場合、別の熱交換器14の設置を省略してよい。
【0025】
本実施形態における冷却システム100には、冷却槽からの冷却液の漏出と、漏出した冷却液の回収の問題を解決するための対策が施されている。すなわち、冷却システム100は、冷却槽11から冷却液Cが漏出したときに漏出した冷却液を受けるよう、冷却槽11と床面との間に配置される漏出受け部21を有している。
【0026】
図2に示すように、漏出受け部21は、冷却槽11から受ける荷重を分散させる分散板20と、該分散板20上に冷却槽11を囲むように設けられた、閉じられた側壁と、該閉じられた側壁と冷却槽11との間の上部開口を覆う蓋材22から構成されている。漏出受け部21は、冷却槽11から外部に漏出し得る最大量の冷却液を、全て受けるのに十分な体積を有していることが最も好ましい。かかる構成の漏出受け部21を備えることによる利点は、床面と接する漏出受け部21の底面が、面積の広い分散板となって、冷却槽11から受ける荷重を広い面積にわたって分散させることができる点と、漏出受け部21の側壁の高さを低く抑えることができる点と、さらに蓋材22が、漏出した冷却液内に上部開口から異物が混入するのを防ぎ、また、上部開口を塞いで、冷却槽11へのアクセスを容易にする点である。
【0027】
図1に戻って、電子機器が浸漬される冷却槽11を建物内のより小さなスペース(例えば、研究所内の研究者個人に割り当てられた居室や研究室内)に設置するときに特に考慮すべき種々の問題点の1つに、室内の静粛性の確保がある。冷却システム100が稼働中、主ポンプ31は連続運転されるため、室内の静粛性を損なう騒音源となりうる。従って、室内の静粛性を確保する観点から、主ポンプ31は、建物の室内に対して壁等の構造物17によって区切られた建物の室外に配置されて駆動されるべきである。加えて、図1に示すように、建物の構造上又はレイアウト上、構造物17への配管工事19に制約が課されるために、主ポンプ31の出口と冷却槽11の入口をつなぐ配管を、主ポンプ31と冷却槽11との間にある一定高さの障壁18を乗り越えるように設置することが求められる場合がある。そのような場合、流通路16の途中に逆U字形の配管部16aを設けることが不可欠であり、かかる逆U字形の配管部16aの存在は、冷却液で満たされた流通路内にバブルを生じさせる原因となりうる。このことは、障壁18を乗り越える配管部として、逆U字形の配管部16aに代わって、逆L字形又は逆J字形の配管部を使用する場合も、同様である。
【0028】
そこで、本実施形態においては、逆U字形の配管部16aを挟んで主ポンプ31と反対側に補助ポンプ33を配置した構成を採用することによって、停止状態のポンプを始動させたときに流通路内にバブルが発生する問題を、有効に回避している。コントローラ35は、少なくともON/OFFに関する信号を生成して、主ポンプ31及び補助ポンプ33にそれぞれ供給し、主ポンプ31及び補助ポンプ33の駆動を個別に制御するよう構成されている。本実施形態においてコントローラ35は、主ポンプ31を始動させる前に補助ポンプ33を所定時間駆動させる。補助ポンプ33は、主ポンプ31に比べて小型かつ小さい吐出し量のものでよく、また、補助ポンプ33を駆動させる所定時間は、例えば数秒から数十秒の範囲内であればよく、冷却液Cの予備的な流れを生じさせるものであればよい。このように、補助ポンプ33は、主ポンプ31を始動させる際に短時間だけ駆動させればよいため、建物の室内に配置しても、室内の静粛性が損なわれることはない。
【0029】
上記の一実施形態において、電子機器は、ボード上に搭載されるプロセッサを含んでよく、プロセッサはCPU(Central Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)のいずれか又は両方を含んでよい。また、電子機器は、高速メモリ、チップセット、ネットワークユニット、PCI Expressバスや、バススイッチユニット、SSD(Solid State Drive)、パワーユニット(交流−直流変換器、直流−直流電圧変換器等)を含んでよい。また、電子機器は、ブレードサーバを含むサーバ、ルータ、SSD等の記憶装置等の電子機器であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、冷却槽の出口から出た冷却液が冷却槽の入口に戻る流通路を有する冷却システムに広く適用することができる。
【符号の説明】
【0031】
100 冷却システム
11 冷却槽
12 天板
13 熱交換器
14 別の熱交換器
15、16 流通路
16a 逆U字形の配管部
17 構造物
18 障壁
19 配管工事
20 分散板
21 漏出受け部
22 蓋材
31 主ポンプ
33 補助ポンプ
35 コントローラ
【要約】
停止状態のポンプを始動させたときに、障壁を乗り越える配管部を含む流通路内にバブルが発生するのを有効に回避できる冷却システムを提供する。冷却システム100は、冷却液Cが入れられた冷却槽11と、冷却槽11の出口から出た冷却液が冷却槽11の入口に戻る流通路15、16と、流通路16の途中に設けられた逆U字形の配管部16aと、主ポンプ31と、逆U字形の配管部16aを挟んで主ポンプ31と反対側に配置される補助ポンプ33と、主ポンプ31及び補助ポンプ33の駆動を制御するコントローラ35とを有する。コントローラ35は、主ポンプ31を始動させる前に補助ポンプ33を所定時間駆動させる。補助ポンプ33を駆動させる所定時間は、冷却液Cの予備的な流れを生じさせるものであればよい。補助ポンプ33は短時間だけ駆動させればよいため、建物の室内に配置しても、室内の静粛性が損なわれることはない。
図1
図2