特許第6244073号(P6244073)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6244073
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】フランジ外周面位置合わせ治具
(51)【国際特許分類】
   B23P 19/00 20060101AFI20171127BHJP
   B25B 27/16 20060101ALI20171127BHJP
   F16L 1/00 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   B23P19/00 304E
   B25B27/16
   F16L1/00 V
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-38501(P2014-38501)
(22)【出願日】2014年2月28日
(65)【公開番号】特開2015-160301(P2015-160301A)
(43)【公開日】2015年9月7日
【審査請求日】2017年1月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】593162361
【氏名又は名称】日本建設工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104905
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】能登 広幸
【審査官】 井上 信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−202553(JP,A)
【文献】 実開昭49−104218(JP,U)
【文献】 特開昭60−39080(JP,A)
【文献】 特開平8−109986(JP,A)
【文献】 米国特許第5560091(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23P 19/00
B25B 27/16
F16L 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結される2本の配管のフランジ同士を正対させてフランジ外周面を面一にするフランジ外周面位置合わせ治具であって、
該2本の配管それぞれに取り付けられた2個のフランジを挟む板材A及び板材Bと、
該板材Aに取り付けられ、該2個のフランジのいずれかの1個のボルト穴に挿入される円柱状の突出部と、
該突出部に平行して設けられた2個の反力受け材であって、それぞれが該板材Aと板材Bの両方に固定されることができ、該突出部が該2個のフランジのいずれか1個のボルト穴に挿入された際に、該2個のフランジの外周面の外側の近傍の位置で、かつ、該突出部を頂点とするほぼ二等辺三角形を形成する位置に設けられた該2個の反力受け材とから成るフランジ外周面位置合わせ治具。
【請求項2】
請求項1記載のフランジ外周面位置合わせ治具であって、前記2個の反力受け材が、前記板材Aに取り付けられた円柱部と該円柱部の頂部に設けられたスタッドボルト、及び、ナットから成り、かつ、前記2枚の板材の間隔を調整するスペーサ機能を有するフランジ外周面位置合わせ治具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のフランジ外周面位置合わせ治具を用いて、前記反力受け材と移動させたい前記フランジ外周面との間に金矢を打ち込むことにより、前記2本の配管のフランジ同士を正対させ、それらの外周面を面一にするフランジ外周面位置合わせ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管と配管とを繋ぐフランジ同士を正対させてフランジ外周面を面一にするフランジ外周面の位置合わせをする治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラント設備において機器等を分解して点検や手入れを行う際に、フランジで繋がれた配管を取り外し、作業終了後再びフランジで結合させる作業が頻繁に行われる。その際にフランジ同士を正対させ、それら外周面が面一になるようにフランジの位置合わせをするおとが必要になる。
【0003】
しかし、溶接部の歪み等によりフランジ同士が容易には正対せず、レバーブロック(登録商標)やジャッキを用いてその位置合わせを行うことが多かった。比較的小さな配管では狭隘部でこの作業を行うことも多いが、そのような場合には、作業性が悪くて危険であり、かつ、作業時間も多くかかるという問題があった。
【0004】
特許文献1は、このフランジ外周面の位置合わせ作業用の装置に関するものであるが、配管口径に応じて工場で製作された構造物に2系統の油圧機構を組み合わせた複雑な構成をなしている。これは、その「発明の属する技術分野」の項に記されているとおり、ある特定の大口径配管同士のフランジ外周面位置合わせを対象とした装置である。
【0005】
構造が簡単で工事の現場でも容易に制作することができ、各種の配管口径やフランジの構成に対して用いることが可能な広い適応性を有し、狭隘部でも操作が楽なフランジ外周面位置合わせ装置やフランジ外周面位置合わせ方法は見あたらない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−243498号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】無し
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで解決しようとする課題は、構造が簡単で工事の現場でも容易に制作することができ、各種の配管口径やフランジの構成に対して用いることが可能な広い適応性を有し、狭隘部でも操作が楽なフランジ外周面位置合わせ治具と、それを用いたフランジ外周面位置合わせ方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明は、連結される2本の配管のフランジ同士を正対させてフランジ外周面を面一にするフランジ外周面位置合わせ治具であって、
該2本の配管それぞれに取り付けられた2個のフランジを挟む板材A及び板材Bと、
該板材Aに取り付けられ、該2個のフランジのいずれかの1個のボルト穴に挿入される円柱状の突出部と、
該突出部に平行して設けられた2個の反力受け材であって、それぞれが該板材Aと該板材Bの両方に固定されることができ、該突出部が該2個のフランジのいずれか1個のボルト穴に挿入された際に、該2個のフランジの外周面の外側の近傍の位置で、かつ、該突出部を頂点とするほぼ二等辺三角形を形成する位置に設けられた該2個の反力受け材とから成るフランジ外周面位置合わせ治具である。
【0010】
本治具を用いてフランジ外周面位置合わせを行うには、まず接続すべき2個のフランジの外周面のずれ具合を見て、どちらのフランジのどのポイントを押せば両フランジが正対し外周面が面一になるかを考える。押すべきフランジBの相手側のフランジAのボルト穴のうち、もっともフランジの外周面のずれが大きい場所に近い1個のボルト穴を選んで、そこに板材Aに取り付けられた突出部を挿入しながら板材AをフランジAの配管側に添える。さらに、板材BをフランジBの配管側に添えて、板材Aと共に両フランジを挟み込む形に置き両板材を繋ぐ形で2個の反力受け材を固定する。
【0011】
突出部をフランジAのボルト穴に挿入したこの状態で、本治具に設けられた2個の反力受け材は、フランジの外周面の外側の近傍の位置に設けられているので、フランジBの外周面といずれか1個の反力受け材Aとの間に金矢を打ち込んで力を与えれば、フランジBをフランジAに近づける方向に移動することができる。
【0012】
2個の反力受け材はいずれも、突出部をフランジAのボルト穴に挿入したこの状態でフランジの外周面の外側の近傍の位置に設けられているので、金矢を打ち込む反力受け材Aと異なる反力受け材Bもまた、フランジ外周面の外側の近傍にある。したがって、反力受け材AとフランジBの外周面の間に金矢を打ち込んだ際に、反力受け材BがフランジBの外周面に接触して止まるところまで2枚の板材は突出部を中心にわずかに回転して固定される。
【0013】
この状態で、金矢を打ち込んだときの反力は、反力受け材Aから板材Aを介して突出部に伝わり、フランジAをフランジBに近づける方向に移動させ、きわめて効果的にフランジAとフランジBを正対させ、それらの外周面を面一にすることができる。
【0014】
さらに、2個の反力受け材は、固定軸を頂点とするほぼ二等辺三角形を形成する位置に設けられているので、必要に応じて、反力受け材AとフランジBの外周面、及び、反力受け材BとフランジBの外周面の両方にそれぞれ金矢を打ち込んでフランジBをフランジAに対して動かすこともできる。
【0015】
上記の使用状況から考えて、突出部は強度が許す範囲で対応するフランジのボルト穴の径より細ければよく、また、2個の反力受け材は対応するフランジの外周面の外側の近傍に位置すれば良いので厳密にその位置の精度を要求されるものではないから、一台の本発明のフランジ外周面位置合わせ治具を制作しておけば、対応する配管の径が多少変わっても、あるいは、フランジの形状が多少変わってもで対応が可能であり、本治具は広い適応性を有する。なお、突出部は円柱状をなしているので、それが挿入されるボルト穴の内面に順応しやすい。
【0016】
本発明のフランジ外周面位置合わせ治具は、極めて小型の治具であり、別途レバーブロック(登録商標)やジャッキを必要としないので、狭隘部に持ち込むことも、狭隘部で設置することも容易である。さらに、後の操作は金矢を打ち込むことだけであるから、多くの作業員にとって慣れた作業であり、安全、かつ、短時間で作業が行える。
【0017】
さらに、上記課題を解決する本発明は、請求項1記載のフランジ外周面位置合わせ治具であって、前記2個の反力受け材が、前記板材Aに取り付けられた円柱部と該円柱部の頂部に設けられたスタッドボルト、及び、ナットから成り、かつ、前記2枚の板材の間隔を調整するスペーサ機能を有するフランジ外周面位置合わせ治具である。
【0018】
反力受け材を、板材Aに取り付けられた円柱部とその円柱部の頂部に設けられたスタッドボルト、及び、ナットにより構成することにより、反力受け材は、当初より板材Aに固定されたことになり、あとは、そのボルトとナットを用いて板材Bに固定すればよい。また、金矢を打ち込む部分やフランジBに接触して板材の回転を止める部分は、その円柱部が対応するので、全体をボルト状にするよりも強い力に対応でき、変形の恐れも少ない。スタッドボルトは板材Bに設けられたボルト穴に挿入され、ナットを締めて2個の反力受け材は板材Bに容易に固定できる。
【0019】
2個の反力受け材に2枚の板材の間隔を調整するスペーサ機能を持たせることにより、反力受け材部分の両板材の間隔を、突出部付近の両板材の間隔にほぼ等しく維持することができる。2個の反力受け材は突出部を頂点とするほぼ二等辺三角形を形成する位置に置かれているので、3点で両板材をしっかりと平行に保つことができ、金矢を打ち込んだときの衝撃をあたえられても、板材が倒れ込んだり、フランジからはずれることが無く、安定して作業をすることができる。
【0020】
本発明のフランジ外周面位置合わせ治具は、板材、円柱部材、スタッドボルト、ナット等、工事の現場で容易に手に入れられるものを使って、容易に組み立てることができる。したがって、それぞれの現場で、そこの状況に応じて制作し、使用することができる。
【0021】
また、上記課題を解決する本発明は請求項1または請求項2に記載のフランジ外周面位置合わせ治具を用いて前記2本の配管のフランジ面を正対させ、それらの外周面を面一にするフランジ外周面位置合わせ方法である。
【0022】
本フランジ外周面位置合わせ治具を用いてフランジ外周面の位置合わせを行うには、まず接続すべき2個のフランジの外周面のずれ具合を見て、どちらのフランジのどのポイントを押せば両フランジが正対し外周面が面一になるかを考える。押すべきフランジBの相手側のフランジAのボルト穴のうち、もっともフランジの外周面のずれが大きい場所に近い1個のボルト穴を選んで、そこに板材Aに取り付けられた突出部を挿入しながら板材AをフランジAの配管側に添える。さらに、前述の通り板材BをフランジBの配管側に添えて、両板材を繋ぐ形で2個の反力受け材を固定する。
【0023】
この時、2個の反力受け材の有するスペーサ機能を活用して両板材が平行に保つように固定すると、金矢を打ち込んだときの衝撃をあたえられても、板材が倒れ込んだり、フランジからはずれることが無く、安定して作業をすることができる。
【0024】
前述の通り、この状態で本治具に設けられた2個の反力受け材は、フランジの外周面の外側の近傍の位置に設けられているので、フランジBの外周面といずれか1個の反力受け材Aとの間に金矢を打ち込んで力を与えれば、フランジBをフランジAに近づける方向に移動することができる。また、金矢を打ち込んだときの反力は、反力受け材Aから板材Aを介して突出部に伝わり、フランジAをフランジBに近づける方向に移動させ、きわめて効果的にフランジAとフランジBを正対させ、それらの外周面を面一にすることができる。
【0025】
さらに、必要に応じて、反力受け材AとフランジBの外周面、及び、反力受け材BとフランジBの外周面の両方にそれぞれ金矢を打ち込んでフランジBをフランジAに対して動かすこともできる。
【0026】
この操作により、別途レバーブロック(登録商標)やジャッキの助けを借りること無く、フランジ同士を容易に正対させ、それらの外周面を面一にすることができる。また、この操作は、狭隘部でも安全に、かつ、短時間で行うことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明のフランジ外周面位置合わせ治具は、構造が簡単で、工事の現場でも容易に制作することができ、各種の配管口径やフランジの構成に対して用いることが可能な広い適応性を有する。また、本発明の治具を用いてフランジ外周面の位置あわせをすることにより、別途レバーブロック(登録商標)やジャッキの助けを借りることなく、狭隘部でも安全に、容易に、かつ、短時間でフランジ面を正対させ、その外周面を面一にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明のフランジ外周面位置合わせ治具の実施例1の側面図(a)とそのA−A矢視図(b)である。
図2】その分解斜視図である。
図3】実施例1のフランジ外周面位置合わせ治具を対象とするフランジに取り付ける要領の説明図である。
図4】実施例1のフランジ外周面位置合わせ治具を用いてフランジ外周面の位置合わせをする方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明をする。なお、本発明はかかる実施の形態には限定されず、本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えて良いことは言うまでもない。
【実施例1】
【0030】
図1は実施例1のフランジ外周面位置合わせ治具1の側面図(a)とそのA−A矢視図(b)、図2はその分解斜視図である。連結される2本の配管のフランジ(これらの図には示されていない。)同士を挟む2枚の板材2、3のうちの一方の板材2には、円柱状の突出部4、及び、反力受け材5及び6となる円柱部5a、6aとその頂部に設けられたスタッドボルト5b、6bが取り付けられている。他方の板材3にはこれらのスタッドボルトを通すボルト穴5c、6cが設けられている。これらのボルト穴に、スタッドボルト5b、6bを通して、対応するナット5d、6dを締めて一体化することにより、反力受け材5、6が形成される。
【0031】
さらに、板材2の反力受け材5、6のそれぞれの近傍には、別のスタッドボルト7a、8aが設けられ、ナット7b、8bの位置を変えることにより高さが可変のスペーサ7、8を形成する。スペーサとしてはこの構成に替えて種々のものが考えられる。例えば、スタッドボルト5a、6aにそれぞれ2個のナットを設け、板材2側のナットをスペーサとして用いる構成や、板材2のスタッドボルト7a、8aに対応する場所に雌ねじを切り、ボルトを挿入してその高さを変えてスペーサとする等である。
【0032】
図3は実施例1のフランジ外周面位置合わせ治具1を、対象とするフランジに取り付ける要領の説明図である。図には表されていないが、反力受け材6は反力受け材5の後ろに、スペーサ8はスペーサ7の後ろに同じ形で存在する。
【0033】
フランジ外周面位置合わせ治具1を取り付けるにあたっては、まず、接続する2本の配管11、13のフランジ12、14相互の外周面のずれ具合をみて、どちらのフランジのどのポイントを押せば両フランジが正対し外周面が面一になるかを考える。図3はフランジ12とフランジ14のずれが一番大きいところを横から見た図であり、フランジ14の外周部の図の一番上の位置14aを押せば、フランジ14はフランジ12に近づき両者が正対する位置に至る状況を示している。
【0034】
押すべきフランジ14の相手側のフランジ12のボルト穴のうち、位置14aに最も近いボルト穴12aを選んで、そこに突出部4を挿入しながら板材2をフランジ12の配管11側に添わせる。このとき反力受け材5、6を構成する円柱部5a、6aは両フランジの外周の外側の近傍に位置する。
【0035】
反力受け材のスタッドボルト5b、6bを、板材3に設けられたボルト穴5c、6cに通しながら板材3をフランジ14の配管13側に添わせる。なお、事前にスペーサ7、8のナット7b、8bを動かして、スペーサの高さがフランジ厚さ2枚分とフランジ間の間隔Dの和になるように調整しておく。
【0036】
最後にスタッドボルト5b、6bにナット5d、6dをはめて締め付けると、板材2と板材3は、フランジ厚さ2枚分とフランジ間の間隔Dの和に相当する距離を空けて平行に固定され、反力受け材5、6のいずれもが2枚の板材の間にしっかりと保持される。
【0037】
図4は、この様にして取り付けられた実施例1のフランジ外周面位置合わせ治具1を用いてフランジ外周面の位置合わせをする方法の説明図である。この取り付けられた状態では、フランジ12とフランジ14は正対していない。
【0038】
フランジ14の外周部の押すべき位置14aの近くにある反力受け材、この図では反力受け材6とフランジ14の外周部の間に金矢15を打ち込めば、フランジ14は図の斜め左下に動きフランジ12と正対する位置に向かって移動する。
【0039】
この際、金矢を打ち込んだ反力は反力受け材6により受け止められ、突出部4を中心にしてフランジ外周面位置合わせ治具1を、図では時計回りに回転させる。その回転は他方の反力受け材5がフランジ14の外周部に接触したところで止まり、固定される。この状態で、さらに金矢を打ち込んだときの反力は、反力受け材6から板材2を介して突出部4に伝わりフランジ12をフランジ14に近づける方向に移動させ、きわめて効果的に両フランジを正対させ、それらの外周面を面一にすることができる。、
【0040】
このケースでは、反力受け材6が前述の反力受け材Aに、反力受け材5が反力受け材Bに相当する。状況に応じて、金矢を打ち込む位置を変えて両者の役割を反対にすることも何ら問題がない。また、必要に応じて、反力受け材5とフランジ14の外周面、及び、反力受け材6とフランジ14の外周面の両方にそれぞれ金矢を打ち込んでフランジ14をフランジ12に対して動かすこともできる。さらに、必要があれば、フランジの別のボルト穴に固定軸の位置を移し、フランジを移動させる方向を変えることも容易にできる。
【0041】
先に述べたように、突出部4は強度が許す範囲で対応するフランジのボルト穴の径より細ければよく、また、反力受け材5、6は対応するフランジの外周面の外側の近傍に位置すれば良いので厳密にその位置の精度を要求されるものではないから、一台の本発明のフランジ外周面位置合わせ治具を制作しておけば、対応する配管の径が多少変わっても、あるいは、フランジの形状が多少変わってもで対応が可能である。寸法が少しずつ異なる治具を数多く用意する必要がないから、狭隘部での作業などでは、その広い適応性が極めて有効である。
【符号の説明】
【0042】
1 フランジ外周面位置合わせ治具
2、3 板材
4 突出部
5、6 反力受け材
5a、6a それらの円柱部
5b、6b それらのスタッドボルト
5d、6d それらのナット
7、8 スペーサ
7a、8a それらのスタッドボルト
7b、8b それらのナット
11、13 配管
12、14 フランジ
12a フランジ12のボルト穴
14b フランジ14の外周部の押すべき位置
図1
図2
図3
図4