特許第6244080号(P6244080)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 千代田工販株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6244080-紫外線照射装置 図000002
  • 特許6244080-紫外線照射装置 図000003
  • 特許6244080-紫外線照射装置 図000004
  • 特許6244080-紫外線照射装置 図000005
  • 特許6244080-紫外線照射装置 図000006
  • 特許6244080-紫外線照射装置 図000007
  • 特許6244080-紫外線照射装置 図000008
  • 特許6244080-紫外線照射装置 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6244080
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】紫外線照射装置
(51)【国際特許分類】
   B01J 19/12 20060101AFI20171127BHJP
   C02F 1/32 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   B01J19/12 C
   C02F1/32
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-23000(P2012-23000)
(22)【出願日】2012年2月6日
(65)【公開番号】特開2013-158717(P2013-158717A)
(43)【公開日】2013年8月19日
【審査請求日】2015年2月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】591023985
【氏名又は名称】千代田工販株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098017
【弁理士】
【氏名又は名称】吉岡 宏嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100120053
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 哲明
(72)【発明者】
【氏名】出口 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】中垣 弘
(72)【発明者】
【氏名】山口 智
(72)【発明者】
【氏名】藤井 隆
【審査官】 宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−127737(JP,A)
【文献】 特表2006−514852(JP,A)
【文献】 特開平05−253565(JP,A)
【文献】 特開2007−155546(JP,A)
【文献】 実開平02−042642(JP,U)
【文献】 特開昭57−113884(JP,A)
【文献】 米国特許第4798702(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 19/12
C02F 1/32
A61L 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線透過性を有するフッ素樹脂製のチューブが金属で形成された支持パイプの外周面にらせん状に巻き付けられて支持され、前記チューブから離して前記支持パイプの外側に複数の紫外線ランプが配置され、前記支持パイプを支持するとともに前記複数の紫外線ランプを包囲する筐体が設けられ、前記チューブに流体を通流させて紫外線を照射する紫外線照射装置。
【請求項2】
請求項に記載の紫外線照射装置において、
前記支持パイプの少なくとも外周面はアルミニウムで形成されていることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の紫外線照射装置において、
前記支持パイプの内部に冷媒を通流させることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の紫外線照射装置において、
前記複数の紫外線ランプの照度を計測する円柱形のセンサを有する紫外線照度計が前記支持パイプの内部に配置され、前記センサが対向する前記支持パイプの壁面に、前記支持パイプの延在方向に沿って、前記複数の紫外線ランプに対応する位置にそれぞれ開口が形成されていることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項5】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の紫外線照射装置において、
前記筐体の内面には、紫外線を反射する反射面が形成されていることを特徴とする紫外線照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線照射装置に係り、特に、流体を通流させるチューブの外から紫外線を照射する紫外線照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、流体に紫外線を照射し、流体中の細菌やウイルスの不活化、流体中の有害物質の分解などに用いられる紫外線照射装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、筐体内に、紫外線透過性を有するチューブをらせん状に巻いて配置し、らせんの内側に紫外線ランプを配置してチューブ内に流体を通流させ、チューブの外から紫外線を照射する、所謂、外照式の紫外線照射装置が提案されている。特に、同文献は、紫外線透過率の高いポリテトラフルオロエチレン製のチューブをらせん状に配置すると、紫外線ランプから照射された紫外線の一部はらせん状に巻かれた管内の被照射流体に直接吸収され、残りはチューブ間で繰り返し反射して次第に流体に吸収されるから、紫外線の利用効率を向上できるとしている。このようなチューブをらせん状に巻いた外照式の紫外線照射装置は、チューブ径を小さくし、また、らせんにより流体が攪拌されるので、透過率の低い流体に対しても紫外線を有効に照射できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−66045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1によれば、次のような問題がある。すなわち、紫外線の透過率が低い流体に紫外線を照射する場合、紫外線の照射量を大きくするためにチューブの肉厚を薄くすることが好ましい。ところが、チューブの肉厚を薄くするとチューブの剛性や耐圧性が低下するので、流体の通流で生じるウォーターハンマー等の衝撃によってチューブが振動し、そのチューブの振動によってチューブや紫外線ランプが破損するおそれがある。
【0006】
このような問題を解決するために、らせん状に巻いた紫外線透過性のチューブをしっかりと支持して固定することが望ましい。例えば、らせんの内側と外側に配置した帯状の支持部材でチューブを挟んで固定したり、チューブのらせんに帯状の支持部材を当てて、チューブを支持部材にバンドで固定する等の方法が考えられる。しかし、これらの方法では、支持部材によって紫外線の照射が遮られるので、被照射流体への紫外線の照射が減少するという問題がある。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、被照射流体を流通させるらせん状に巻回したチューブの肉厚を薄くでき、紫外線照射を遮ることなくしっかりと支持固定でき、紫外線の透過率が低い被照射流体に用いるのに好適な紫外線照射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明の紫外線照射装置は、紫外線透過性を有するフッ素樹脂製のチューブが金属で形成された支持パイプの外周面にらせん状に巻き付けられて支持され、チューブから離して支持パイプの外側に複数の紫外線ランプが配置され、支持パイプを支持するとともに複数の紫外線ランプを包囲する筐体が設けられ、チューブに流体を通流させて紫外線を照射することを特徴とする。
【0009】
すなわち、金属で形成された支持パイプの外周面にチューブを支持して固定し、支持パイプの外側に複数の紫外線ランプが配置しているから、被照射流体の流路であるチューブの肉厚を薄くしてチューブの紫外線透過率を上げることができる。また、チューブは内圧に強いから、必要な内圧に耐えられるようにチューブの肉厚を設定できる。一方、チューブを金属で形成された支持パイプに巻き付けて支持させたから、チューブをしっかりと支持固定することができ、チューブの振動によってチューブやチューブの周囲に配置される紫外線ランプが破損することを防止できる。
【0010】
さらに、金属で形成された支持パイプの外周面にチューブをらせん状に巻き付けてチューブを支持して固定したから、チューブのらせんの外側に紫外線ランプを配置することにより、紫外線ランプから照射された紫外線がチューブの支持部材によって遮られることはないので、紫外線の照射量が低減されることはない。
【0011】
以上述べたように、本発明によれば、紫外線透過率が低い流体を照射対象とする紫外線照射装置を実現できる。
【0012】
また、らせん状のチューブが巻き付けられる支持パイプの外周面で紫外線を反射させるようにすることが好ましい。これによれば、チューブと被照射流体を透過した紫外線やチューブ間の隙間を通過した紫外線が筒体の外周面で反射し、再びチューブ内を流通する被照射流体に照射するので、紫外線の利用効率を向上できる。この場合、支持パイプを紫外線反射性を有する金属で形成することができる。或いは、金属で形成した支持パイプの外周面に紫外線反射性を有する金属等によって反射膜を形成することができる。例えば、支持パイプや反射膜を金属で形成する場合は、紫外線の反射率が高いアルミニウム、例えば、純度が90%以上のアルミニウムを用いることが好ましい。
【0013】
また、紫外線の照射によってチューブやチューブ内の被照射流体の温度が上がり、チューブや流体が劣化するおそれがある。このような場合は、支持パイプを熱伝導性の高いもので形成し、支持パイプ内に冷媒を通流させてチューブや被照射流体を冷却することが好ましい。
【0014】
一方、紫外線の照射量を計測する場合、複数の紫外線ランプの照度を計測可能な紫外線照度計を支持筒体内に配置し、複数の紫外線ランプに対応する位置の支持筒体の筒壁に開口を形成する。これによれば、チューブと被照射流体を透過して筒体内に入射した紫外線の照度を計測することができる。
【0015】
また、筐体の内面にアルミニウムなどで反射膜を形成して紫外線を筐体内で反射させることができる。これによれば、チューブから外れた紫外線が反射膜で反射してチューブに照射されるから、紫外線の利用効率を向上できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、被照射流体を流通させるらせん状に巻回したチューブの肉厚を薄くでき、紫外線照射を遮ることなくしっかりと支持固定でき、紫外線の透過率が低い被照射流体に用いるのに好適な紫外線照射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態1の紫外線照射装置の側断面図である。
図2図1の枠1の部分の拡大図である。
図3図1の線A−Aの断面図である。
図4図1の線B−Bの断面図である。
図5】本発明の実施形態1の紫外線照射装置の概念図である。
図6】本発明の実施形態2の紫外線照射装置の概念図である。
図7】本発明の実施形態3の紫外線照射装置の概念図である。
図8】本発明の実施形態4の紫外線照射装置の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1〜5に示すように、実施形態1の紫外線照射装置は、紫外線の照射対象である被照射流体が通流する流路であるチューブの外に紫外線ランプを配置し、流路の外から紫外線を照射する、所謂、外照式の紫外線照射装置である。紫外線照射装置は、紫外線透過性を有するチューブ3が筒体である支持パイプ5の外周面にらせん状に巻き付けられ、支持パイプ5の軸回りにチューブ3から離して複数の紫外線ランプ7が配置され、支持パイプ5を支持するとともに複数の紫外線ランプ7を包囲する内側ケース9と、内側ケース9を覆う外側ケース11が設けられ、チューブ3内を通流する被照射流体に紫外線ランプ7から紫外線を照射するようになっている。
【0019】
チューブ3は、例えば、フッ素樹脂によって中空円筒に形成された管をらせん状に巻いたコイルチューブであり、被照射流体が通流する流路になっている。チューブ3の一端側は、図示していない被照射流体の流入配管に接続され、他端側は被照射流体の流出配管に接続されている。なお、チューブ3に用いるフッ素樹脂は、例えば、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体樹脂)、PFA(四フッ化エチレン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などを用いることができる、
【0020】
支持パイプ5は、金属、例えば、アルミニウムによって中空円筒に形成され、外周面にチューブ3がらせん状に巻き付けられて支持固定されるようになっている。支持パイプ5は寝かして配置され、後述するフック13によって内側ケース9に支持されるようになっている。
【0021】
複数の紫外線ランプ7は、チューブ3から離して支持パイプ5の軸回りに、例えば、等間隔に配置されている。各紫外線ランプ7は、例えば、両端に口金15が形成された直管状の紫外線ランプ7であり、各口金15をソケット16に接続することで、点灯し、或いは、消灯するようになっている。
【0022】
内側ケース9は、箱型に形成され、チューブ3、支持パイプ5及び紫外線ランプ7を収容可能になっている。内側ケース9は、例えば、紫外線を反射するアルミニウムなどの反射板で形成されている。これにより、複数の紫外線ランプ7から照射された紫外線を内側ケース9内に繰り返し反射し、チューブ3に照射するようになっている。内側ケース9には、支持パイプ5を支持する一対のフック13が設けられている。各フック13は、内側ケース9の内面から垂下させて水平方向に折り曲げた形状のL字型に形成されている。各フック13の水平部分は、支持パイプ5内に挿入され、支持パイプ5を支持するようになっている。これにより、支持パイプ5の延在方向を水平方向に一致させて内側ケース9内に支持できるようになっている。内側ケース9の両端には、板部材18が支持されている。板部材18は、支持パイプ5の端部から突出しているチューブ3が挿入され支持される開口が形成されている。板部材18の内側の壁には、チューブ3の径に対応する穴が形成され、チューブ3を板部材18の内側の壁から引き出せるようになっている。
【0023】
外側ケース11は、内側ケース9に対応する箱型に形成され、内側ケース9を覆うようになっている。外側ケース11の壁には、外部の空気を吸い込む吸気口17と、外側ケース11内の空気を外部に排出する排気口19が形成されている。吸気口17にはフィルターが設けられており、排気口19にはファンが設けられている。これにより、外側ケース11の外部の空気をフィルターを通じて清澄化させた後に外側ケース11内に通流させて装置内を冷却し、装置の温度が上昇するのを抑制するようになっている。
【0024】
このように形成される本実施形態の紫外線照射装置1の作用を説明する。なお、ここでは、紫外線の透過率が低い被照射流体は、例えば、家畜の屎尿処理に用いられ活性汚泥槽の上澄み液であり、この上澄み液に紫外線を照射して上澄み液中のウイルスを不活化処理する場合を一例として説明する。なお、説明をわかりやすくするため、紫外線照射前の被照射流体を原水といい、設定量の紫外線が照射された被照射流体を処理水ということがある。
【0025】
複数の紫外線ランプ7が点灯している状態で、図示していない活性汚泥槽から流入配管を介して上澄み液(原水)がチューブ3内に流入する。チューブ3内に流入した原水は、外側ケース11から内側ケース9に流入し、らせん状に巻かれたチューブ3内に導かれる。らせん状のチューブ3内を通流する原水に対して、複数の紫外線ランプ7から紫外線が照射される。この際、チューブ3の紫外線透過率を上げるため、チューブ3が内圧に耐えられる範囲でチューブ3の肉厚を薄く形成すると、原水の通流による衝撃によってチューブ3が振動し、チューブ3が損傷するおそれがある。しかし、本実施形態は、原水の通流による衝撃に耐え得るようにチューブ3は支持パイプ5に支持して固定しているから、チューブ3が動くことはない。その結果、原水の通流によって生じるチューブ3の振動が抑制できるから、チューブ3が損傷することを防止でき、また、チューブ3が振動して紫外線ランプ7に衝突することによる紫外線ランプ7の損傷を防止できる。
【0026】
チューブ3のらせん部を通流する原水は、らせんに沿って攪拌されながら通流するので、透過率の低い活性汚泥槽の上澄み液に紫外線を均一に照射できる。これにより、原水中のウイルスを不活化処理できる。紫外線の照射によって不活化処理された処理水は、外側ケース11から流出管路に流出され、必要なら適宜処理されて河川等に排出される。
【0027】
一方、チューブ3や原水を透過したりチューブ3間の隙間を通過した紫外線は、アルミ製の支持パイプ5の外周面で反射する。この反射により、紫外線を再度チューブ3内の原水に向けて照射できるので、紫外線の利用効率を向上できる。また、支持パイプ5に当たった紫外線を反射させることで、紫外線による支持パイプ5の加熱を抑制でき、支持パイプ5が加熱されてチューブ3が加熱されることによるチューブ3や原水の劣化を低減できる。
【0028】
また、チューブ3から離れる方向に向かう紫外線は、反射板で形成された内側ケース9内で反射してチューブ3内の原水に照射できるから、原水に照射される紫外線を増加できる。
【0029】
このように本実施形態の紫外線照射装置1によれば、原水の流路を内圧に強いチューブ3で形成したから、原水による内圧に耐えられる範囲でチューブの肉厚を薄く設定できる。そして、支持パイプ5でチューブ3を支持して固定しているから、原水の通流によってチューブ3が振動することを防止できるので、チューブ3の振動によるチューブ3や紫外線ランプ7の損傷を抑制できる。これにより、チューブ3の肉厚を薄くしてチューブ3の紫外線透過率を上げることができるから、チューブ3内を通流する原水に対する紫外線照射量を増加できる。
【0030】
さらに、支持パイプ5の外周面にチューブ3をらせん状に巻き付けてチューブを支持して固定しているので、チューブ3のらせんの外側に紫外線ランプ7を配置することにより、紫外線ランプ7から照射された紫外線がチューブ3の支持部材である支持パイプ5によって遮られることはないから、紫外線の照射量が低減されることはない。
【0031】
すなわち、原水の流路であるチューブ3を支持固定することでチューブ3の肉厚を薄くしてチューブの紫外線透過率を上げ、かつ、チューブ3のらせんの内側に支持パイプ5を配置することで紫外線が遮られることなくチューブ3のらせんの外側から紫外線を照射できるから、原水に対する紫外線の照射量を増加できる。これらにより、紫外線透過率が低い流体、例えば、液層厚1cmにおける紫外線透過率が10%以下の流体を照射対象にすることができるのである。
【0032】
また、チューブ3を固定しているから、チューブ3が動いて紫外線ランプ7に衝突し紫外線ランプ7が破損することはない。そのため、紫外線ランプ7をチューブ3に近づけて配置できるから、紫外線の照射量を増加でき、紫外線の透過率が低い被照射流体に紫外線を確実に照射できる。
【0033】
また、らせん状のチューブ3を固定することなく水平方向に寝かすと、チューブ3が垂れ下がって破損するおそれがある。しかし、本実施形態は、らせん状のチューブ3を支持パイプ5に固定しているから、水平方向に寝かして配置してもチューブ3が垂れ下がらない。そのため、らせん状のチューブ3を鉛直方向に立てるか、水平方向に寝かすかを選択できるから、装置設計や設置場所の自由度を向上できる。
【0034】
なお、本実施形態は、紫外線の透過率が低い流体を活性汚泥槽の上澄み液とし、この上澄み液中のウイルスを不活化する処理を例示したが、本実施形態の紫外線照射装置の用途はこれに限定されるのもではない。例えば、果物の果汁に含まれる細菌の殺菌、砂糖を製造する際に生じる糖蜜の殺菌、或いは、工業排水中の有害物質の分解などに用いることができる。
【0035】
また、流体流路であるチューブ3をフッ素樹脂に代えて石英ガラスで形成できるが、石英ガラスは、フッ素樹脂に比べて引張強度が低く流体の通流による内圧によって破損しやすいのでフッ素樹脂を用いることが好ましい。
【0036】
また、本実施形態は、支持パイプ5の外周面で紫外線を反射させるため、支持パイプ5全体をアルミニウムで形成したが、例えば、支持パイプ5を樹脂で形成し、その外周面にアルミニウムなどの紫外線を反射する膜を形成するなど、適宜選択できる。また、被照射流体の透過率が低く、支持パイプ5の外周面に紫外線が届かない場合は、支持パイプ5の外周面に紫外線を反射しない材料を用いることができる。
【0037】
また、本実施形態は、被照射流体から離れる方向に向かう紫外線を被照射流体に照射させるため、内側ケース9をアルミ製の反射板で形成したが、内側ケース9の内面に紫外線を反射する反射膜を形成するなど、内側ケース9内で紫外線を反射できればよい。
【0038】
また、支持パイプ5の外周面にチューブ3の外形に対応する溝を形成することができる。これによれば、溝に沿ってチューブ3を巻き付けることで、チューブ3の支持固定がより一層強固になる。また、チューブ3の位置決めが容易になり、製造等の作業性を向上できる。
【0039】
(実施形態2)
図6に実施形態2の紫外線照射装置の断面の概念図を示す。実施形態2が実施形態1と相違する点は、複数のチューブ3、例えば、3本のチューブ3を、それぞれが重ならないように支持パイプ5の外周面にらせん状に巻き付けている点である。つまり、実施形態2は、被照射流体の流路断面積を実施形態1の3倍にしている点である。その他の構成は実施形態1と同じであるから、同一の符号を付して説明を省略する。
【0040】
これによれば、チューブ3を増やして被照射流体を通流させる流路断面積を増やしているから、圧力損失を増加させることなく、被照射流体の流量を増やすことができる。なお、チューブ3の本数は、被照射流体の処理量や被照射流体の透過率などに基づいて、適宜選択できる。
【0041】
(実施形態3)
図7に実施形態3の紫外線処理装置の概念図を示す。実施形態3が実施形態1と相違する点は、支持パイプ5の中に冷媒を通流させて被照射流体を冷却している点である。その他の構成は実施形態1と同じであるから、同一の符号を付して説明を省略する。
【0042】
支持パイプ5は、熱伝導性の高い金属で形成されている。支持パイプ5の両端は、内側ケース9と外側ケース11に形成された開口に挿入支持されるとともに、外側ケース11から外部に引き出されている。支持パイプ5の端部のうち、処理水の流出側の端部に冷媒の流入配管が接続され、原水の流入側の端部に冷媒の流出配管が接続されている。これにより、被照射流体の流出方向に対向して支持パイプ5内を冷媒が通流するようになっている。
【0043】
ここで、本実施形態の特徴作用を説明する。らせん状のチューブ3内を通流する間に、紫外線の照射によって被照射流体の温度が上昇する。そのため、温度上昇によって劣化する被照射流体には紫外線を照射することは困難である。そこで、本実施形態は、チューブ3をらせん状に巻き付ける支持パイプ5を熱伝導性の高い金属等で形成してその中に冷媒を通流させることで、支持パイプ5を介してチューブ3内の被照射流体を冷却する。
【0044】
これによれば、チューブ3内を通流する被照射流体を、支持パイプ5内を通流する冷媒で冷却できるから、紫外線の照射による被照射流体の温度上昇を抑制できる。その結果、温度上昇によって劣化する物質を含む被照射流体に対しても紫外線を照射することができる。なお、支持パイプ5を形成する金属としては、紫外線の反射率が高いアルミニウムを用いることが好ましい。これによれば、被照射流体を冷却できるとともに、支持パイプ5の外周面に当たった紫外線を反射させて被照射流体に照射できるから、有効な紫外線を増加できる。
【0045】
(実施形態4)
図8に実施形態4の紫外線照射装置の概念図を示す。実施形態4が実施形態1と相違する点は、支持パイプ5内に複数の紫外線ランプ7の照度を計測する照度計31を配置し、照度計31に対向する支持パイプ5の壁面に各紫外線ランプ7に対応する開口を形成し、複数の紫外線ランプ7の紫外線照度を計測している点である。その他の構成は実施形態1と同一であるから同一の符号を付して説明を省略する。
【0046】
支持パイプ5の両端は、内側ケース9と外側ケース11に形成された開口に挿入支持されるとともに、外側ケース11から外部に引き出されている。支持パイプ5の管壁には、各紫外線ランプ7に対応するスリット29が形成されている。スリット29は、支持パイプ5の延在方向に沿って形成され、各紫外線ランプ7に向かって開口されている。支持パイプ5内に挿入支持される照度計31は、例えば、円柱形のセンサ33と、センサ33を支持する支持ロッド35を備えている。センサ33は、紫外線を全周に渡って計測できるようになっている。支持ロッド35内には、例えば、センサ33で受光した紫外線の照度を外部に伝達する伝達媒体が収容されている。照度計31は、支持パイプ5内に挿入され、センサ33がスリット29の位置になるように支持パイプ5に支持ロット35を取付ける。これにより、チューブ3を透過した紫外線が各スリット29から支持パイプ5内に入射してセンサ33で受信されるから、紫外線の照度を計測できる。
【0047】
これによれば、紫外線の照度を計測できるから、故障等によって、消灯もしくは紫外線出力が低下している紫外線ランプ7があると、紫外線の照度の計測値が低下して発見できるので、紫外線ランプ7の故障等による紫外線の照射量不足を防止できる。
【0048】
また、センサ33で受光する紫外線は、被照射流体を透過した紫外線であるから、例えば、何らかの原因で被照射流体の紫外線透過率が下がると、照度計31の検出照度が下がる。そのため、被照射流体の紫外線透過率の変動を検出できる。これにより、紫外線透過率が下がった場合に、紫外線ランプ7の出力を上げるなどの措置を行うことで、設定量の紫外線を被照射流体に確実に照射できる。
【0049】
なお、本実施形態の照度計31は、被照射流体を透過した紫外線を受信しているが、被照射流体を透過していない紫外線を受光するよう構成できる。例えば、支持パイプ5の各スリット29を避けるように、支持パイプ5にチューブ3をらせん状に巻き付けることで、紫外線ランプ7から照射された紫外線が、各スリット29から直接支持パイプ5に入射する。この場合、支持パイプ5の外周面から突出する板部材を各スリット29の縁に形成し、この板部材によってチューブ3が各スリットを塞がないように構成できる。これによれば、紫外線の透過率が低い被照射流体に紫外線を照射する場合でも、支持パイプ5内に紫外線を入射させることができるから、紫外線の照度を計測できる。
【0050】
また、実施形態3のように、支持パイプ5内に冷媒を通流させる場合は、支持パイプ5内に照度計31を配置できないから、この場合は、支持パイプ5の外に照度計を設置することができる。
【符号の説明】
【0051】
3 チューブ
5 支持パイプ
7 紫外線ランプ
9 内側ケース
11 外側ケース
13 フック
29 スリット
31 照度計
33 センサ
35 ロッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8