(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施形態は、LEDベースの照明器具の色を所望の色温度に合わせてチューニングするための技術および装置に関するものである。それぞれ異なる色をもしくは色温度の光を発生するLEDの2つまたはそれ以上の独立してアドレッシング可能なグループを含む照明器具とともに使用するように適合される。照明器具は、LEDの異なるグループからの光を混合することによって均一な色の光を発生するために全反射(TIR)色混合レンズを備えることもできる。照明器具から出力される均一な色もしくは色温度は、LEDのグループ間で入力電流を制御可能に分割することでチューニングされる。時間が経過しても色が安定しているLEDを使用する照明器具では、色チューニングは、1度だけ、例えば、照明器具の製造および/または工場試験の際に実行されうるものであり、照明器具は、これ以降、能動的フィードバック・コンポーネントを必要とすることもなく安定した色温度で動作することが可能である。
【0030】
LEDの2つの独立してアドレッシング可能なグループを備える照明器具をチューニングするための実施形態について最初に考察し、その後、より多くのグループを備える照明器具への拡張を考察する。本明細書で使用されているように、LEDの「グループ」は、色空間内の定義済みの領域を占有する1つまたは複数のLEDの任意の集合を指し、これらの領域は、同じ照明器具における異なるグループによって占有される領域が重なり合わないように定義される。照明器具は、有利には、LEDのそれぞれのグループに供給される電流が他のLEDに供給される電流とは独立して制御可能であり、これによりこれらのグループが「独立してアドレッシング可能である」と言われるように設計される。
【0031】
図1Aは、本発明の一実施形態によるチューニング可能な放射体を備えるLEDベースの照明器具100の簡素化された側断面図である。軸101の周りで円筒形状とすることができる照明器具100(他の形状も使用されうる)は、アルミニウム、他の金属、プラスチック、および/または他の好適な材料から作ることができるハウジング102を有する。ハウジング102は、照明器具100のさまざまなコンポーネントを一緒に保持し、照明設備に取り付けたり、取り外したりするときに照明器具100をユーザーが掴めるように都合のよい構造を備えることができる。ハウジング102の外側は、照明器具100を照明設備内に固定し、および/または光を発生するための電力を供給するための機械用および/または電気用取付具(図示せず)を備えることができる。いくつかの実施形態では、ハウジング102は、照明器具100の動作中に発生する熱の放散を円滑にするためにフィンもしくは他の構造物を備えることができる。
【0032】
ハウジング102内に、LEDパッケージ104がある。パッケージ104は、個別のLED108が装着される基材106を備える。それぞれのLED108は、電流に応答して特定の色の光を発生するように加工された独立した半導体ダイ構造物とすることができる。いくつかの実施形態では、それぞれのLED108は、LED108が所望の色の光を発生するように色ずれするリン光体を含有する材料でコーティングされる。例えば、青色発光LEDダイには、黄色のリン光体を含有する材料をコーティングすることができ、青色および黄色の光の出現する混合は、特定の色温度を有する白色光して認識される。
【0033】
いくつかの実施形態では、照明器具100は、外部電源(図示せず)からLED108に供給される電力を制御する制御回路116も備える。以下で説明されているように、制御回路116により、有利には、異なる量の電力を異なるLED108に供給することができる。
【0034】
ガラス、プラスチック、または他の光学的に透明な材料で形成されうる、一次レンズ110は、LED108から放射された光を二次光学系112に向けるように位置決めされる。二次光学系112は、有利には、正面114を通って出る光線が均一な色を有するようにLED108放射された光の色の混合も行う全反射(TIR)レンズを備える。好適なレンズの例は、米国特許出願公開第2010/0091491号で説明されており、他の色混合レンズも使用されうる。以下で説明されているように、チューニングは、有利には、TIRレンズ112の正面114を通して出る光の色に基づいて実行される。
【0035】
いくつかの実施形態では、LED108は、有利には、「暖」および「冷」白色LEDの両方を備える。一例が
図1Bに示されており、これは本発明の一実施形態による基材106の上面図である。図示されているように、12個のLED108a〜lは、基材106上の陥凹部156内に配置されている。これらのLEDのうちの6個のLEDは、冷白色(「CW」)LED108a〜fであり、残りの6個のLEDは、暖白色(「WW」)LED108g〜lである。「冷」白色および「暖」白色は、本明細書で使用されているように、生成される光の色温度を指す。例えば、冷白色は、例えば約4000Kより高い色温度に対応するものとしてよく、暖白色は、例えば約3000Kより低い色温度に対応するものとしてよい。冷白色LED108a〜fは、照明器具100に対するターゲット色温度より冷たい色温度を有するが、暖白色LED108g〜lは、ターゲット色温度より暖かい色温度を有することが望ましい。冷白色LED108a〜fおよび暖白色LED108g〜lからの光が混合レンズ112によって混合されたときに、ターゲット温度を達成することができる。より一般的には、チューニング可能な照明器具を実現することを目的として、照明器具は、任意の数の「グループ」に属するLEDを備えることができ、それぞれのグループは異なる色もしくは色温度範囲(または「ビン」)内の光を発生するものとして定義され、異なるグループに関連付けられている範囲は、有利には、重なり合わず、照明器具をチューニングする所望の色もしくは色温度は、LEDのグループに関連付けられている色もしくは色温度の範囲の間のどれかの色もしくは色温度である。
【0036】
所望の色温度を達成しやすくするために、照明器具100のLED108は、有利には、冷白色LED108a〜fおよび暖白色LED108g〜lが独立してアドレッシング可能なように、つまり、異なる電流を異なるLEDに供給することができるように接続される。
図2Aおよび2Bは、暖白色LEDおよび冷白色LEDを独立してアドレッシング可能なようにするために使用されうる電気的接続の例を示す略図である。これらの電気的接続は、例えば、基材106の表面上に、および/または基材106の電気的絶縁層の間に配設されているトレースを使用して実装されうる。LEDのグループに対する独立したアドレッシングを可能にする基材の例は、米国特許出願公開第2010/0259930号で説明されているが、他の基材も使用できる。
【0037】
図2Aでは、冷白色LED108a〜fは、第1の入力ノード202と第1の出力ノード206との間に直列に接続され、暖白色LED108g〜lは、第2の入力ノード204と第2の出力ノード208との間に直列に接続されている。したがって、一方の電流(I
C)を冷白色LED108a〜fに送り、異なる電流(I
W)を暖白色LED108g〜lに送る。電流I
CおよびI
Wは、独立して制御され、これにより、冷白色LED108a〜fおよび暖白色LED108g〜lの相対光度を制御することができ、これにより、照明器具100によって発生される光の色温度を制御する。例えば、制御回路116(
図1A)をノード202および206、ならびにノード204および208に接続し、所望の電流I
CおよびI
Wを送ることができる。
【0038】
図2Bは、グループ毎の電流制御を実行するための特定の一技術を示している。
図2Aのように、冷白色LED108a〜fは、直列に接続され、暖白色LED108a〜lも、直列に接続される。
図2Bにおいて、それぞれの直列接続されたLEDの中の最後のLED(LED108fおよび108l)は、共通の出力ノード228に接続されている。共通の入力ノード222は、ポテンショメーター(または可変抵抗器)224、226を使用して冷白色LED108a〜fと暖白色LED108g〜lの間に分割される、全電流I
TOTを受け取る。ポテンショメーター224を抵抗R
Cに設定し、ポテンショメーター226をそれと無関係に抵抗R
Wに設定することができ、その結果、電流I
Cは冷白色LED108a〜fに送られ、電流I
Wは暖白色LED108g〜lに送られる。R
WおよびR
Cを制御することによって、I
W/I
C=R
C/R
Wという特性に従って制御可能な割合でI
TOTをI
WとI
Cとに分割することができる。そこで、
図2Aのように、冷白色LED108a〜fおよび暖白色LED108g〜lの相対光度を制御することができ、これにより、照明器具100によって発生される光の色温度が制御される。一実施形態では、制御回路116は、供給電流I
TOTへのノード222および228に接続され、制御抵抗R
CおよびR
Wにさらに接続されうる。
【0039】
他のアドレッシング方式も使用でき、例えば、LED108a〜lのそれぞれが独立してアドレッシング可能であってもよい。
【0040】
本明細書で説明されている照明器具100は、例示的であり、変更形態および修正形態も可能であることは理解される。一実施形態において、照明器具100は、本発明の譲受人であるLedEngin Inc.社によって製造され、販売されているLuxSpot(商標)ランプに類似のものであってよい。本発明の教示を利用できる当業者であれば、独立してアドレッシング可能な暖白色LEDおよび冷白色LEDを有するいかなる照明器具も使用することができることを理解するであろうし、したがって、照明器具の詳細は本発明を理解するうえで重要なものではない。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態によれば、電流I
CおよびI
W(
図2Aおよび2Bに示されている)は、照明器具100から出力される光が望ましい色温度を有するように効率的にチューニングされうる。チューニング・プロセスは、有利には、わずかの回数の(例えば、3回または4回)測定を行えばよく、試行錯誤によらない。大量生産環境において大量の照明器具のチューニングを行えるようにこのプロセスを自動化することもでき、したがって、色チューニング機能を照明器具の生産段階に、例えば、組み立て工程における1つの段階として組み込むことができる。
【0042】
さらに、図示されている実施形態において、照明器具100は、能動的フィードバック・コンポーネントを備えないことに留意されたい。以下で説明されているように、照明器具100は、チューニング装置に組み込まれ、生産時に色チューニングがなされうる。この後、照明器具100は、チューニング・プロセスにおいて決定された電流の分割(または分配)を単に維持することによって所望の色温度で動作するように構成されうる。時間が経過しても照明器具100内のLEDが安定性を維持できる場合、通常の照明器具動作においてさらなるチューニングも能動的フィードバックも必要ない。能動的フィードバックが不要なので、安定した色温度を維持するために能動的フィードバックを必要とする照明器具に比べて製造コストを削減することができる。
【0043】
チューニング・プロセスを理解するために、チューニングされていない照明器具の挙動を考察することから始めるのが有益である。
図3は、本発明のいくつかの実施形態で使用可能な照明器具の動作特性を示すグラフである。グラフ300は、CIE色空間の一部を表し、これは輝度(CIE y)および色度(CIE x)座標に関して光を特徴付ける。表されているCIE色空間の部分は、白色光に関連付けられている範囲の大半を包含する。さまざまなデータ点(黒色の菱形)は、さまざまな動作条件の下で、例えば照明器具100を参照しつつ上で説明されているように、独立してアドレッシング可能な暖白色および冷白色LEDグループを有する多数のLEDベースの照明器具から測定された色を表す。
【0044】
より具体的には、これらの測定を行うことを目的として、1000mAの全電流I
TOTを照明器具に供給し、制約条件I
C+I
W=I
TOTを維持した。点302によって表される、「冷白色」データは、I
C=I
TOTおよびI
W=0と設定することによってそれぞれの照明器具について測定された。点304によって表される、「暖白色」データは、I
C=0およびI
W=I
TOTと設定することによってそれぞれの照明器具について測定された。点306によって表される、「バランスのとれた」データは、I
C=I
W=0.5*I
TOTと設定することによって測定された。
【0045】
ターゲット色は、円308で表されており、目標は、このターゲットにできる限り近い色を生成することである。理解されうるように、等しい電流を暖白色および冷白色LEDに単に印加するだけでは、バランスのとれたデータ点306はターゲット308を中心として散らばることになる。バランスのとれた色は、単一の白色の色のLEDを使用することによって容易に得られるものと比べて異なる照明器具上で一致度が高く、色の一致度は相対電流I
CおよびI
W(したがって色)を照明器具毎にチューニングすることによって達成されうる。典型的な事例においてそのようなチューニングを行うと、暖白色LEDおよび冷白色LEDに等しくない電流が供給され、電流はそれぞれの照明器具から出る光をターゲット308に近づけることによって照明器具間の変動を低減するように選択される。
【0046】
図4は、本発明の一実施形態による照明器具をチューニングするための動作原理を例示する図である。CIE色空間内の座標(x
C,y
C)の点402は、特定の照明器具に対する「冷白色」データ点の位置を表す(例えば、
図3のデータ点302の1つ)。同様に、CIE色空間内の座標(x
W,y
W)の点404は、同じ照明器具に対する「暖白色」データ点の位置を表す(例えば、
図3のデータ点304の1つ)。座標(x
B,y
B)の点406は、その照明器具に対するバランスのとれたデータを表す(例えば、データ点306の1つ)。座標(x
s,y
s)の点408は、照明器具のチューニングで合わせるのが望ましい単色点を表す。(この点は、
図3のターゲット308に対応しうる点であり、照明器具のメーカーまたはチューニング・プロセスを実行している可能性のある他の事業者によって指定されうる。)
【0047】
点402および404に対応する色の光をブレンドすると、色は直線410上のどこかに配置される。したがって、単色点408に正確に対応する色とブレンドされた光を発生することは可能でない場合がある。したがって、目的は、その代わりに、直線410上にある点408に最も近い点、つまり、座標(x
t,y
t)の「チューニングされた」点412に到達することである。典型的な事例において、(x
t,y
t)および(x
B,y
B)は同じでなく、(x
t,y
t)は、異なる照明器具について異なっていてもよく、そのため、照明器具毎のチューニングが望ましい。
【0048】
一般に、暖白色LEDおよび冷白色LEDに供給される相対電流(例えばI
W/I
Cとして測定される)の変化と、その結果の色温度のずれとの間の関係は、非線形である。さらに、相対電流の所定の変化の結果生じる色温度のずれの大きさは、照明器具毎に異なる。
【0049】
しかし、
図5に例示されているように、色空間の十分に狭い範囲にわたって、この関係を線形に近似することができる。
図5は、多数の照明器具に対する一連の電流の50mAのずれの色温度に対する影響を示すグラフである。データ点502は、類似の製造の多数の照明器具について冷白色(つまり、I
C=I
TOT、I
W=0のときの色)を表し、データ点504は、同じ照明器具について暖白色(つまり、I
C=0、I
W=I
TOTのときの色)を表す。データ点506a〜iは、異なる相対電流における連続して行う測定を表す。特に、それぞれのデータ点506a〜iは、I
CからI
WへのΔI=50mAの電流のずれを表す。例えば、点506cが(I
C=I
W=0.5*I
TOT)に対応している場合、点506bは(I
C=0.5*I
TOT+ΔI、I
W=0.5*I
TOT−ΔI)に対応する。同様に、点506dは(I
C=0.5*I
TOT−ΔI、I
W=0.5*I
TOT+ΔI)に対応し、点506eは(I
C=0.5*I
TOT−2*ΔI、I
W=0.5*I
TOT+2*ΔI)に対応し、以下同様に続く。
【0050】
図5に示されているように、冷白色LEDと暖白色LEDとの間の相対電流(全電流は一定に保たれる)の特定のずれΔIの結果生じるCIE x座標のずれ(Δx)は、少なくともCIE空間のある範囲にわたって、所定の照明器具についてほぼ一定である。明示的には示されていないけれども、一定のCIEのずれΔxは、照明器具毎に一定ではない。しかし、LEDが一定の光束密度を有している照明器具では、パラメータ
【0051】
【数1】
は異なる照明器具についても一定にかなり近い。一実施形態では、αは、約0.0008052mA
-1である。他の実施形態では、該当する比は、照明器具のサンプリングを測定することによって決定されうる。
【0052】
したがって、
図4を参照すると、特定の照明器具について(x
C,y
C)および(x
W,y
W)、ならびに望ましい色(x
s,y
s)が与えられると、直線410上のチューニングされた点(x
t,y
t)を計算することができることがわかる。(x
B,y
B)も測定される場合、照明器具をチューニングするCIE x座標における望ましいずれは(x
t−x
B)となる。この座標のずれをもたらすのに必要な電流のずれの大きさについては、
【0053】
【数2】
を使用して計算することができるが、式中、αは式1において定義されている一定の比である。設定
【0055】
【数4】
は、色(x
t,y
t)の光を発生するものと期待できる。
【0056】
前記の説明に基づき、高速なチューニング手順を適用してLED照明器具のチューニングを行うことができる。
図6は、本発明の一実施形態によるチューニング・プロセス600の流れ図である。プロセス600は、独立してアドレッシング可能な暖白色LEDおよび冷白色LEDを組み込んだ照明器具に適用され、所望の色(x
s,y
s)と最もよく一致するように一定の全電流I
TOTを暖白色LEDと冷白色LEDとに振り分ける方法を決定するために使用されうる。プロセス600では、所望の色が指定されていることと、上で定義された比αが決定されていることとを想定する。
【0057】
ブロック602で、LED照明器具への入力電流(または照明器具内のポテンショメーターに関する設定)を、l
C=I
TOTおよびI
W=0となるように調整する。ブロック604で、その結果得られる光の色を、例えば、(x
C,y
C)として測定する。従来のスペクトロメーターまたは他の知られている計測器をこの測定および本明細書で説明されているすべての色測定に使用することができる。
【0058】
ブロック606で、LED照明器具への入力電流(または照明器具内のポテンショメーターに関する設定)を、l
W=I
TOTおよびI
C=0となるように調整する。ブロック608で、その結果得られる光の色を、例えば、(x
W,y
W)として測定する。
【0059】
ブロック610で、LED照明器具への入力電流(または照明器具内のポテンショメーターに関する設定)を、l
C=I
W=0.5*I
TOTとなるように調整する。ブロック612で、その結果得られる光の色を、例えば、(x
B,y
B)として測定することができる。
【0060】
ブロック614で、上で観察された線形関係を使用して、チューニングされた色(x
t,y
t)を生成する電流のずれI
δを計算する。より具体的には、(x
t,y
t)は、
【0061】
【数5】
を使用して、測定された(x
C,y
C)と(x
W,y
W)との間の直線(
図4を参照)上にある(x
s,y
s)に最も近い点として計算されうるが、
ただし、式中
【0062】
【数6】
である。次いで、式2を使用して、I
δを計算することができる。
【0063】
ブロック616で、式3および4を使用して動作電流I
C0およびI
W0を決定することができる。
【0064】
ブロック618で、計算を確認するために、動作電流I
C0およびI
W0を照明器具に印加することができる。その結果得られる色を測定し、予測される(x
t,y
t)と比較することができる。
【0065】
プロセス600は、例示的であり、変更形態および修正形態も可能であることは理解される。順番に説明されているステップは並列に実行され、ステップの順序は可変であり、ステップは修正されるか、または組み合わされるか、省略されうる。それに加えて、説明されている実施形態は、I
δを計算するために使用される測定を可能な電流分割点のうちの「端点」と「中点」とで行うが、当業者であれば、他の点も使用することが可能であることを理解するであろう。例えば、測定を、必要ならば、10/90および90/10の電流分割点で、また中点、他の何らかの中間の点で実行することが可能である。3つの明確に区別される電流分割点で3つの明確に区別される測定を実行する限り、上記のプロセスを使用して、電流分割を決定し、所望のチューニングされた色温度(または色)を得ることができる。いくつかの実施形態では、ターゲット値は、有利には、暖色温度と冷色温度との間の中点に近く、これにより、照明器具は最高の効率(つまりLEDダイ毎に最大のルーメン)で動作することが可能である。これは、暖白色LEDと冷白色LEDとを、ターゲット値が中点に近くなるように選択することによって確実に達成されうるものであり、一実施形態では、暖白色LEDおよび冷白色LEDは、30/70と70/30との間の範囲内のどこかで分割される暖/冷電流でチューニングされた色に常に到達するように選択される。しかし、特定のターゲット値が必要なわけではなく、色温度空間内の2つのグループの間にある任意の点においてチューニングを行うことができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、プロセス600は、色のさらなるファインチューニングも含むことができる。例えば、最小二乗適合を使用して、黒体曲線上のターゲット点と、測定されたx
Cとx
Wとの間の直接との間の距離を決定することができ、これを使用して電流分割を修正し色のファインチューニングを行うことができる。
【0067】
図7Aおよび7Bは、プロセス600に従ってチューニングされたLEDベースの照明器具のグループの予測される挙動と実際の挙動との比較を示している。
図7Aは、冷白色データ点702、暖白色データ点704、および領域706内のブレンドされ、チューニングされたデータ点を示しており、これは
図7Bの拡大版に示されている。
【0068】
図7Bでは、「チューニングなし」データ点(菱形)は、暖白色LEDおよび冷白色LEDに等しい電流を印加することによって得られる色(y
B,y
B)に対応する。これからわかるように、チューニングなしデータ点は、ターゲット点720((x
s,y
s)に対応する)を中心として散らばる。「理論」データ点(正方形)は、プロセス600により決定されたような電流I
C0およびI
W0を使用して動作するときにそれぞれの照明器具に対する予測される色(x
t,y
t)を示す。「実」データ点(三角形)は、I
COおよびI
W0を使用して動作するときに測定された色(x
0,y
0)を示す。図示されているように、データと理論との呼応は、きわめて良好であり、「チューニングなし」の事例に勝る実質的な改善(つまり、両方のLEDグループに単純に等しい電流を印加する)が観察される。
【0069】
散らばりの程度に基づき、改善はCIE−y座標よりもCIE−x座標で大きいことに留意されたい。人間の目は、CIE−yの変化にあまり敏感でないため、CIE−xに基づく(例えば、プロセス600を使用する)チューニングは、満足のゆく結果をもたらすことがわかる。
【0070】
本明細書で説明されているようなチューニングは、暖白色LEDおよび冷白色LEDの独立してアドレッシング可能なグループを有する放射体を持つ照明器具を使って実施されうる。いくつかの実施形態において、暖白色グループと冷白色グループに対するLEDの選択で、チューニング性を最適化することができる。例えば、
図8は、本発明の一実施形態により所望のチューニングされた色温度を達成するLEDの選択に関係する動作原理を例示している。
図8には、CIE色空間内の黒体曲線800が表されている。既存の白色LED製造プロセスでは、個別のLEDの色温度を正確に制御することはできないが、CIE色空間内の楕円領域内に収まるように色温度制御することは可能であり、これにより、一般的に楕円「ビン」の範囲内でLEDを生産することができる。
図8は、2つの異なるビンを例示しており、ビン802では暖白色光を発生し、ビン804では冷白色光を発生する。ビン802および804は、色空間内において、同じビン内の異なるLED間の色の差を人間の目で知覚できる十分な大きさのものとすることができる。いくつかの実施形態において、予め選択されているターゲット色温度へのチューニングを最適化するために、メーカーは、暖白色ビンおよび冷白色ビンを、それらのビンを表す楕円の長軸がビン802および804に対する事例と同様に、色空間内で近似的に揃えられるように選択することができる。
【0071】
上で説明されているプロセスを使用することで、放射体がビン802からの暖白色LEDおよびビン804からの冷白色LEDを含む照明器具を、例えば、直線806上の1つの点に合わせてチューニングすることができる。正確な点は、一般に、所定の照明器具における特定のLEDの各種形態によって決まり、点線808は、それらの可能性の一部を示している。指示されているように、LEDに対し比較的大きな製造公差があったとしても、小さなチューニングされた投影(直線806)が達成されうる。
【0072】
他の実施形態では、所定の色温度を発生するようにLEDを選択的に選ぶ代わりに、メーカーは黒体曲線の上にあるLEDの一方のグループと、特定の色温度をターゲットとすることなく黒体曲線の下にあるLEDの別のグループとを持つ放射体を生産することができる。照明器具を、上で説明されている技術を使用して黒体曲線上の点に合わせてチューニングすることができ、これ以降、照明器具を、チューニングされた色温度に従っていくつかのビンに分けることができる。
【0073】
図9は、本発明の一実施形態によりチューニングされた色温度に基づき照明器具をビンに分けるための動作原理を例示している。そこには、CIE色空間内の黒体曲線902が表されている。LEDのこれら2つのグループは、黒体曲線の上に配置されている楕円904および黒体曲線の下に配置されている楕円906によって表されている。それぞれの照明器具は、楕円904内の点と楕円906内の点とを結ぶ任意の直線が曲線902と交差しなければならないという事実から推論できるように、黒体曲線902上の一点に合わせてチューニングされうる。いくつかの具体的な例が、点線908によって示されている。
【0074】
所望の色を持つ照明器具を実現することを目的として、ボックス910によって示されているように黒体曲線902をいくつかのビンに分割することができる。ビンのサイズは、色の変化が知覚できないか、またはほとんど知覚できないように選択されうる。それぞれの照明器具は、それをチューニングする黒体曲線902上の点に基づきビンに割り当てられうる。
【0075】
いくつかの実施形態において、チューニングのさらなる改善は、異なる色のLEDの2つより多い独立してアドレッシング可能なグループを備える照明器具を使用することによって達成されうる。例えば、冷白色および暖白色に加えて、赤色および/または緑色のLEDを放射体内に備えることが可能である。
【0076】
3つのグループの実施形態を参照すると、
図10は、LED放射体パッケージ1000の上面図であり、そこでは基材1001は陥凹部1002を有することがわかる。陥凹部1002内には、4つの冷白色(CW)LED1004a〜d、4つの暖白色(WW)LED1004e〜j、および1つの赤色LED1004iが図に示されているように配列され、取り付けられている。この例では、赤色LEDグループは、単一のLEDを含む。当業者であれば、それぞれのグループ内のLEDの個数および/またはLEDの配置構成を望み通りに修正することができることを理解するであろう。一次光学系と二次光学系で色混合を行う、放射体パッケージ1000を
図1の照明器具に類似の照明器具内に備えることができる。この例では、制御回路および電気的結合部は、冷白色グループ、暖白色グループ、および赤色グループがそれぞれ独立してアドレッシング可能であるように構成され、照明器具から放射される光の色を、それぞれのグループに送られる相対電流を調整することによってチューニングすることができる。
【0077】
図11は、本発明の一実施形態による、
図10の放射体パッケージ1000などの、LEDの3つのグループを備える放射体パッケージを備える照明器具をチューニングするため動作原理を例示している。CIE色空間内の座標(x
C,y
C)の点1102は、特定の照明器具に対する「冷白色」データ点の位置を表す。同様に、CIE色空間内の座標(x
W,y
W)の点1104は、同じ照明器具に対する「暖白色」データ点の位置を表す。CIE色空間内の座標(x
R,y
R)の点1106は、同じ照明器具に対する赤色LEDグループの色を表す。座標(x
s,y
s)の点1108は、照明器具のチューニングで合わせるのが望ましいターゲット点を表す。(ターゲット点は、照明器具のメーカーまたはチューニング・プロセスを実行している可能性のある他の事業者によって指定されうる。)
【0078】
座標(x
t1,y
t1)の点1110は、暖白色および冷白色LEDグループに対するチューニングされた色を表す。上で説明されているプロセス600(または類似のプロセス)を実行することによって、赤色LEDグループに電流が供給されない状態において、暖白色グループと冷白色グループとの間の電流の適切な分割(動作電流I
W0とI
C0)を決定することができ、これにより、色(x
t1,y
t1)の光が発生する。これ以降、白色LEDと赤色LEDとの間の電流の分配をチューニングして、暖白色LEDと冷白色LEDとの間の相対電流を維持しながら色を(x
s,y
s)に近づけることができる。特に、一定電流I
TOTを
【0079】
【数7】
に従って分割することができ、ただし、βは0≦β≦1である。つまり、チューニングのこのフェーズでは、暖白色LEDグループと冷白色LEDグループとに供給される電流を、暖白色グループと冷白色グループの実効色温度(「純白」)が一定となるように互いに関して固定された関係に保持し(つまり、I
W0/I
C0が一定となるように)、白色LEDグループへの全電流(つまり、β(I
W0+I
C0))を赤色LEDグループへの電流I
Rに相対的に調整し、I
TOTを一定に保つ。プロセス600に類似のプロセスを使用して、I
Rおよびβに対する値を決定することができ、その結果得られる色は、座標(x
t2,y
t2)を有する、点(x
s,y
s)に対して直線1112上の最も近い点、つまり、点1114にある。純白の色と赤色との間でチューニングするために、異なる定数α’を使用する。
【0080】
図12は、結果として得られる光が本発明の一実施形態による色空間座標(x
t2,y
t2)を有するようにI
W0、I
C0、β、およびI
Rを決定するために使用できるチューニング・プロセス1200を例示している。最初に、ブロック1202で、I
Rをゼロで一定に保ちつつ、プロセス600(
図6)を使用して、I
W0およびI
C0、つまり、純白の色(x
t1,y
t1)を発生する暖白色LEDグループと冷白色LEDグループとの間の電流の分割を決定することができる。
【0081】
次に、純白の色と赤色LEDのグループの間でチューニングを実行することができる。より具体的には、ブロック1204で、式7のI
Rをゼロに設定し、βを1に設定し、色(x
β、y
β)を測定する。(これは
図11の(x
t1,y
t1)と同じ色であってよい。)ブロック1206で、式7のI
RをI
TOTに設定し、βを0に設定し、色(x
R、y
R)を測定する。ブロック1208で、式7のI
Rを0.5*I
TOTに設定し、βを0.5に設定し、色(x
B2、y
B2)を測定する。ブロック1210で、上で説明されているものに似た線形補間を使用し、適切な値αを使って、値I
R0およびβ
0を計算し、所望の色(x
t2,y
t2)を生成することができる。ブロック1212で、電流I
R0を赤色LEDグループに供給し、電流β
0*I
W0を暖白色LEDグループに供給し、電流β
0*I
CO0を冷白色LEDグループに供給し、その結果得られる色温度を測定して色を確認する。プロセス600のように、例えば、最小二乗適合を使用する追加のファインチューニングを適用することができる。
【0082】
プロセス600と同様に、ブロック1204および1206において「エンドポイント」の事例を使用する必要はない。典型的な実施形態では、ターゲット色(x
s,y
s)は、色空間内のよく知られている黒体曲線上にあり、点(x
C,y
C)、(x
W,y
W)の間の直線1116は、黒体曲線の近くにあり、赤色点(x
R,y
R)は黒体曲線から離れている。そのような場合には、(x
t1,y
t1)は、(x
s,y
s)にすでにかなり近く、赤色LEDからのわずかな寄与分を使用して色をファインチューニングする。そこで、ブロック1206におけるI
R=1の端点の代わりに中間値を使用することによってさらによい線形補間を行うことができる。例えば、(I
R= 0.3*I
TOT、β=0.7)を使用することが十分であると思われる。
【0083】
プロセス1200は、赤色のLEDの色が、
図11の直線1112にそって色を移動しても色をx方向にx
sから著しく引き離さないように色空間内に配置される実施形態において特に有効であり、これは、人間の目が、色空間におけるx方向の変化に比較的敏感であるためである。(x
s,y
s)が黒体曲線にそっており、(x
R,y
R)がその曲線から離れている事例では、ごくわずかの赤色光が加わり、これが一般的な事例である。代替的プロセスは、3つの異なる電流分配に対応する3つの点の間の三角補間に依存しうる。例えば、3つの点(x
C,y
C)、(x
W,y
W)、および(x
R,y
R)を使用することが可能である。あるいは、点(x
C,y
C)、(x
W,y
W)、および例えば、(I
R=0.3*I
TOT,β=0.7)または他の何らかの適切に定義されている電流の組み合わせとともに式7を使用して得られる色として定義されうる第3の点(x
R,y
R)を使用することも可能である。ここで、最初に、プロセス600を使用してI
W0およびI
C0を決定し、次いで、(x
R',y
R')を測定し、次いで補間することができる。さらに別の変更形態では、3つの頂点として、点(x
t1,y
t1)(I
W=I
W0,l
C=I
C0,I
R=0として得られる)、点(x
B,y
B)(I
W=l
C=0.5*I
TOT,I
R=0として得られる)、および(x
R,y
R)(I
W=0.7*I
W0,I
C=0.7*I
C0,I
R=0.3*I
TOT、または他の何らかの電流の組み合わせで得られる)を使用して三角補間を実行することが可能である。一般に、色空間内における3つの頂点が互いに近ければ近いほど、三角補間の信頼度は高くなる。
【0084】
図11において示唆されているように、赤色光を追加することで、純白の色が色空間内で黒体曲線の「真上に」あり、ターゲット色(x
s,y
s)が黒体曲線上にある場合に色のチューニングを行いやすくなる。当業者であれば、純白の色が黒体曲線の「真下に」来る傾向を有する場合に緑色LEDグループを赤色LEDグループの代わりに使用することができ、緑色光(CIE空間内で赤色光と反対の位置にある)を追加することで、色のずれを黒体曲線に近づけることができることを理解するであろう。
【0085】
図13は、本発明の別の実施形態によるLEDの3つのグループを備える放射体パッケージを備える照明器具をチューニングするため動作原理を例示している。この実施形態では、LEDの3つのグループは、色温度が黒体曲線(破線1308)の「真上に」ある第1の冷白色グループ1302、色温度が黒体曲線1308の「真下に」ある第2の冷白色グループ1304、および暖白色グループ1306を含む。LEDグループ1302、1304、および1306に分配される相対電流を調整することによって、色を三角形1310内の任意の点に合わせてチューニングすることができる。いくつかの実施形態において、黒体曲線1308上の点の範囲(例えば、約4500Kから約2800Kまでの範囲の色温度)に高い精度でチューニングすることが達成されうる。したがって、例えば、黒体曲線1308上の所望の色温度(x
s,y
s)(点1312)はチューニングによって発生しうる。
【0086】
図14は、本発明の一実施形態による
図13に例示されているLEDグループを有する照明器具をチューニングするためのプロセス1400を例示する図である。ブロック1402で、2つの冷白色LEDグループ1302、1304を単一のグループとして処理し、この「グループ」と暖白色LEDグループ1306との間で電流をチューニングし、黒体曲線1308への点1312における法線上にある色温度(x
p,y
p)(点1314)を発生させる。例えば、I
C1が冷白色グループ1302に送られる電流を表し、I
C2が冷白色グループ1304に送られる電流を表す場合、ブロック1402で、冷白色LEDへの全電流I
C=I
C1+I
C2は、I
C1=I
C2=0.5*I
Cとなるように分割されうる。固定された全入力電流I
TOTは、(x
p,y
p)に対応する色に到達するまでI
Cと暖白色グループ1306に供給される電流I
Wとの間に調整可能に分割されうる。これは、動作電流I
C0およびI
W0を決定する。
【0087】
次に、ブロック1404で、冷LED電流I
C0をグループ1302と1304とに分割することを最適化する。I
C0およびI
W0を一定に保ち、l
C1およびI
C2を、所望の点(x
s,y
s)に向けて色をずらすように変化させることができる。
【0088】
図13および14の実施形態では、非常に良好なCRIで黒体曲線上の単一点へのチューニングを行う。代替的実施形態も可能であることに留意されたい。例えば、2つの冷白色グループと1つの暖白色グループとを含む照明器具の代わりに、別の実施形態では、黒体曲線をひとまとめにした2つの暖白色グループ(つまり、上に1つのグループ、下に1つのグループ)と1つの冷白色グループを備える照明器具を使用することができ、チューニング・プロセスは、
図14のと似たものであってもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、LEDの3つより多いグループを使用することができる。例えば、いくつかの実施形態は、2つの暖白色グループ(黒体曲線を囲む)と2つの冷白色グループ(これも黒体曲線を囲む)、全部で4つのLEDグループを有することができる。さらに他の実施形態では、赤色LEDグループと緑色LEDグループの両方を、暖白色グループおよび冷白色グループに加えて備えることができ、これにより、LEDの4つのグループが形成される。
図15は、LED放射体パッケージ1500の上面図であり、そこでは基材1501は陥凹部1502を有する。陥凹部1502内には、6つの冷白色(CW)LED1504a〜f、6つの暖白色(WW)LED1504g〜l、1つの赤色LED1504m、および4つの緑色LED1504n〜qが図に示されているように配列され、取り付けられており、LEDの4つのグループを構成する。当業者であれば、それぞれのグループ内のLEDの個数および/またはLEDの配置構成を望み通りに修正することができることを理解するであろう。放射体パッケージ1500を
図1の照明器具に類似の照明器具内に備えることができる。この例では、制御回路および電気的結合部は、冷白色グループ、暖白色グループ、赤色グループ、および緑色グループがそれぞれ独立してアドレッシング可能であるように構成され、照明器具から放射される光の色を、それぞれのグループに送られる相対電流を調整することによってチューニングすることができる。
【0090】
図16は、本発明の一実施形態による4グループ放射体パッケージを備える照明器具をチューニングするための動作原理を例示する図である。第1の照明器具(照明器具A)については、冷白色LEDが色空間内の点1602で光を発生するが、暖白色LEDは点1604で光を発生し、純白の色(x
tA,y
tA)(点1606)は、プロセス600に従ってチューニングすることによって生成されうる。ターゲット色点1608(座標(x
s,y
s))は、黒体曲線上にあり、照明器具Aでは、純白のチューニング線1610の下にある。そのため、純白の色に赤色を加えることで、点1608に近づけなければならない。第2の照明器具(照明器具B)については、冷白色LEDが色空間内の点1622で光を発生するが、暖白色LEDは点1624で光を発生し、純白の色(x
tB,y
tB)(点1626)は、プロセス600に従ってチューニングすることによって生成されうる。ターゲット色点1608(座標(x
s,y
s))は、黒体曲線上にあり、照明器具Bでは、純白のチューニング線1630の上にある。そこで、純白の色に緑色を加えることで、点1608に近づけなければならない。したがって、赤色LEDと緑色LEDの両方のグループを構成することで、チューニングの柔軟性を高めることができる。いくつかの実施形態では、赤色光と緑色光の両方を純白光に加えて、色をさらにファインチューニングすることができる。
【0091】
4つのグループでチューニングするためのプロセスは、プロセス1200(
図12)に類似のものであってもよい。
図17は、本発明の一実施形態に従って使用されうるプロセス1700を例示している。ブロック1702で、I
RおよびI
Gをゼロで一定に保ちつつ、プロセス600(
図6)を使用して、I
W0およびI
C0、つまり、純白の色(x
t1,y
t1)を発生する暖白色LEDグループと冷白色LEDグループとの間の電流の分割を決定することができる。ブロック1704で、(x
t1,y
t1)をターゲット色(x
s,y
s)と比較することによって、色をファインチューニングするために赤色もしくは緑色の光を追加すべきかどうかの判定を下す。決定1706の後、赤色を追加する場合、ブロック1708〜1716を実行することができ、これらのブロックは、上で説明されているプロセス1200のブロック1204〜1212と類似のものであってよい。緑色を追加する場合、ブロック1718〜1726を実行することができる。これらのブロックは、プロセス1200のブロック1204〜1212と類似のものであってよいが、ただし、赤色の代わりに緑色の光が使用される。
【0092】
本明細書で説明されているLEDの複数のグループに対するチューニング・プロセスは、例示的であり、変更形態および修正形態も可能であることは理解される。LEDの任意の数のグループを備えることができ、次のグループを前のグループの最適なブレンドに次々に追加することによって、または異なるグループからの光の異なる混合に関連付けられている複数の頂上位置の間を補間することによってチューニングを実行することができる。
【0093】
上で説明されているいくつかの実施形態では、色の変化は、すべてのグループへの全電流が一定に保たれているときにLEDのグループ間の相対電流の変化に対して線形関係を有していることを仮定する。この仮定は、特にLEDが等しい光束密度を有するように選択されている場合に、色空間内の小さな領域に対して有効である。この場合、2つのグループでチューニングするアプローチは、色空間内の少なくとも2つの基準点を定義することと、照明器具内のLEDのグループ間の固定された全電流の少なくとも2つの異なる分配に対応することと、基準点はターゲット色がそれらの間の中間にあるように選択されることと、次いで線形補間を適用してその結果得られる光がターゲット色に非常によく近似するように電流分配をチューニングすることとを含みうる。LEDの2つよりも多いグループが備えられる場合、色空間内の少なくとも3つの基準点を、ターゲット色が基準点によって定義された多角形(例えば、三角形)内に収まるように選択することができ、三角補間および/または他の補間技術を使用して、その結果得られる光がターゲット色を非常によく近似するように電流分配をチューニングすることができる。
【0094】
より一般的に、色の変化は、LEDグループ間の相対電流の変化に対して線形関係を有している必要はない。異なる色もしくは色温度を有する独立してアドレッシング可能なLEDグループからの光をブレンドすることを利用して、線形関係の仮定が成立するかどうかに関係なく照明器具をチューニングすることができる。線形性の仮定が成立しない場合において、実際の非線形応答を照明器具群に対してモデル化することができる。あるいは、チューニングアルゴリズムは、LEDグループ間の電流の異なる分割(または分配)を試験し、色測定結果に基づき電流分割を繰り返し調整する「探索」戦略によって進めることができる。一探索戦略は、色測定結果間の固定ステップサイズ(例えば、50mA)だけ電流分割をずらすことを含みうる。別の探索戦略は、二分探索法に類似の、区間二分探索法に基づくことができる。電流分配の端点がターゲット色温度を囲むという仮定から始めて、電流の等しい分配を有する色温度を測定することができる。次の測定は、等しい点と結果を所望の温度に近づけるべき端点との間の中間の電流分配で行われ、これは所望の色温度に到達するまで繰り返されうる。具体的な探索戦略は、本発明にとって重要ではない。
【0095】
チューニングを円滑に行えるようにするために、すべてのグループに印加される全電流は、有利には、チューニング時に一定に保たれ、チューニングは、異なるグループへの固定された全電流の分配(または、換言すれば、それぞれのグループに印加される全電流の割合)を変えることによって達成される。
【0096】
本明細書で説明されているチューニング・プロセスは、直接的でありまた予測可能であって、自動化された実装を、例えば製造環境において行うことが可能である。本明細書で説明されているチューニング・プロセスを実装することができる装置の例について次に説明する。
【0097】
図18は、本発明の一実施形態によるチューニング装置1800の略図である。チューニング装置1800は、調整用固定具1802、光ファイバー1804、スペクトロメーター1806、制御システム1808、プログラマブル・ポテンショメーター1810、および電流源1818を備える。
【0098】
調整用固定具1802は、チューニング時に照明器具1812を適所に保持するための取付機能を組み込むことができる。調整用固定具1802は、照明器具1812からの光を光ファイバー1804(例えば、直径100ミクロンの従来型の光ファイバー)に送り込むことも行う。例えば、調整用固定具1802は、照明器具1812からの光が光ファイバー1804の端部に当たるように照明器具1812に関して光ファイバー1804を適所に保持する保持要素を備えることができる。いくつかの実施形態では、調整用固定具1802は、例えば照明器具1812からの光を集束させるためのレンズもしくは他の光学素子を備え、これにより、光ファイバー1804の端部に入射する光を増強することができる。
【0099】
スペクトロメーター1806は、市販されているOcean Optic USB4000スペクトロメーターなどの、従来型の設計のものであってよい。光の色を測定し、その測定結果をコンピュータに伝達することができるデバイスであればどのようなものでも使用できる。
【0100】
プログラマブル・ポテンショメーター1810は、従来型の設計のものであってもよく、照明器具1812の電流入力点に接続されうる。ポテンショメーター1810は、可変抵抗器を備えることができ、それぞれの抵抗器の値は、例えば制御信号に応じてプログラム可能である。ポテンショメーター1810は、有利には、電流源1818によって供給される入力電流I
TOTを分割するための抵抗を照明器具1812内のLEDのそれぞれのグループに対する電流分配部に入れるように配置構成される。例えば、照明器具1812が冷白色LEDおよび暖白色LEDを備える場合、照明器具1812内でICを冷白色LEDに送り、IWを暖白色LEDに送ることができる。例えば、
図2Bに示されているように、デュアル・プログラマブル・ポテンショメーター1810を使用して抵抗R
WおよびR
Cを変化させることができる。一実施形態では、ポテンショメーター1810は、制御システム1808から受信された制御信号に基づき所望のR
WおよびR
C値でプログラムされる。照明器具1812が、2つより多いグループを含む場合、ポテンショメーター1810は、LEDのグループ間に任意の方法で入力電流I
TOTを分配できるように追加の独立可変抵抗を備えることができる。LEDの複数のグループへの入力電流の分配を制御することができる他のデバイスおよび技術も使用することができ、ポテンショメーターは必要でない。
【0101】
制御システム1808は、例えば、中央演算処理装置(CPU)、メモリ(例えば、RAM)、ディスプレイ・デバイス、ユーザー入力デバイス(キーボード、マウスなど)、磁気記憶媒体(例えば、ハードディスクもしくは固定ディスク・ドライブ)、取り外し可能な記憶媒体(例えば、光ディスク、フラッシュ・メモリを使用したメモリ・カード)、および同様のものを備える従来型の設計のコンピュータ・システムを使用して実装されうる。(簡単のために、これらの従来型のコンポーネントは例示されていない。)一実施形態では、制御システム1808は、Linux(登録商標)プラットフォームをベースとしたものであるが、特定のプラットフォームが必要なわけではない。制御システム1808は、例えば、メモリ内に格納され、CPUによって実行されうるプログラムコードを使用する形で、単色調整アルゴリズム1822を実装することができる。以下で説明されているように、アルゴリズム1822は、プロセス600のいくつかの態様を実装するものであってよい。
【0102】
制御システム1808は、スペクトロメーター1806から色データを受信することができるスペクトロメーター・ドライバ1824を実装することもできる。さまざまな実施形態において、スペクトロメーター・ドライバ1824は、スペクトロメーター1806およびデータの読み取りおよびデータの供給をスペクトロメーターに行わせるために使用できる関連する制御ソフトウェア(例えば、CPUまたは制御システム1808の他のプロセッサによって実行可能)と互換性のある物理的インターフェース(例えば、USB(ユニバーサルシリアルバス)もしくは同様のもの)を備えることができる。いくつかの実施形態では、いくつかの実施形態におけるスペクトロメーター・ドライバ1824は、データを解釈すること、例えば、スペクトロメーター1806から受信された測定結果をCIE空間座標または他の所望のフォーマットに変換することに関係するコードも備えることができる。
【0103】
制御システム1808は、プログラマブル・ポテンショメーター1810のオペレーションを制御することができるポテンショメーター・ドライバ1826を実装することもできる。さまざまな実施形態において、ポテンショメーター・ドライバ1826は、ポテンショメーター1810および可変抵抗を指定された値に設定することをポテンショメーターに指令するために使用できる関連する制御ソフトウェア(例えば、CPUまたは制御システム1808の他のプロセッサによって実行可能)と互換性のある物理的インターフェース(例えば、USB(ユニバーサルシリアルバス)、I
2C、もしくは同様のもの)を備えることができる。これらの値は、単色調整アルゴリズム1822によって指定されうる。
【0104】
ユーザー・インターフェース1828は、キーボード、マウス、トラックボール、トラックパッド、タッチパッド、ディスプレイ画面、プリンタなどの標準的なインターフェース・コンポーネントを、インターフェース・コンポーネントを制御し、インターフェース・コンポーネントと通信するためにシステム1808のCPUによって実行される関連ソフトウェアとともに備えることができる。ユーザーは、ユーザー・インターフェース1828を介して、単色調整アルゴリズム1822と通信してそのオペレーションを制御することができる。例えば、ユーザーは、チューニング・プロセスの開始および停止を制御し、チューニング・プロセスに関連付けられているデータ(例えば、
図7A〜7Bのプロットに似たプロット)を表示することができる。
【0105】
1800のオペレーションは以下のように進行することができる。第1に、LEDベースの照明器具1812(例えば、
図1の照明器具100に対応する)をポテンショメーター1810に接続し、照明器具1812によって放射される光が集光され、光ファイバー1804を介してスペクトロメーター1806に送出されるように調整用固定具1802内に配置する。次に、制御システム1808に、単色調整アルゴリズムを実行するよう命令を送る。これは、説明されているプロセスのどれかを実行して、選択された電流を決定し、選択された電流を異なるLEDグループに印加し、その結果得られる光の色を測定することを含みうる。このセットアップを、暖白色LEDおよび冷白色LEDに対する別々の電流を受け取ることができる照明器具1812とともに使用することができる。動作電流によって生成された光の色がターゲット色と一致すると(装置1800のオペレータによって選択されうる製造公差の範囲内で)確認された後、照明器具1812を、所望の電流分割が得られるように再構成することができる(例えば、抵抗器を加えることによって)。
【0106】
あるいは、いくつかの実施形態では、照明器具それ自体が、プログラマブル・ポテンショメーターを備えることができる。例えば、
図19は、本発明の一実施形態による照明器具内のポテンショメーターをプログラムするために使用されうる試験装置1900を示している。示されているように、装置1900のコンポーネントの大半は、装置1800のコンポーネントと類似していて(または同一であって)もよい。しかし、この例では、照明器具1912は、他の何らかの形で照明器具1812に類似していてもよく、ポテンショメーター1914(または照明器具1912内のLEDのそれぞれのグループに送られる電流の量を制御することができる他の制御回路)を備え、外部調整インターフェース1910はポテンショメーター1810を置き換える。外部電源1918を備え、動作電流I
TOTを照明器具1912に送る。ポテンショメーター1914は、好適な数の独立可変抵抗を備えるように構成され、例えば、照明器具1912が、LEDの2つのグループを備える場合、ポテンショメーター1914は、例えば、
図2Bに示されている可変抵抗器224、226に対応する、可変抵抗R
WおよびR
Cを備えるように構成されうる。照明器具1912が、2つより多いグループを含む場合、ポテンショメーター1914は、追加の独立可変抵抗を備えることができる。調整インターフェース1910(照明器具1912内に組み込むことができるか、または外付けであるものとしてよい)は、ポテンショメーター・ドライバ1826からの信号に応答してポテンショメーター1914と通信し抵抗を所望の値に設定することができる。
【0107】
装置1900は、照明器具(例えば、照明器具1912)をチューニングする照明器具を保持する場所からピックアップし、照明器具1912を調整用固定具1802内に配置するためにロボット・ドライバ1932によって操作可能なロボット・アーム1930も備える。ロボット・アーム1930は、チューニング後に調整用固定具1802から照明器具1912を取り外して、照明器具1912をチューニングされた照明器具を保持するように指定された場所に配置するためにロボット・ドライバ1932によってさらに操作可能である。ロボット・ドライバ1932は、制御システム1908内に組み込まれているハードウェアおよび/またはソフトウェアを使用して実装されうる、好適なロボット制御サブシステム1934によって制御されうる。ロボット制御システムの従来の技術を使用して、ロボット・アーム1930、ドライバ1932、および制御サブシステム1934を実装することができる。いくつかの実施形態では、調整用固定具1802は、伸張して照明器具1912を適所に保持し、引っ込んで照明器具1912を解放する可動部材を備えることができる。そのような部材を、ロボット・ドライバ1932の制御の下で操作することもでき、それにより、チューニングを行いチューニングが完了したときに取り外すために照明器具を調整用固定具内に挿入するプロセスの完全自動化が可能になる。
【0108】
装置1900により、完全自動化されたチューニング手順を実行することができ、その際に、照明器具1912を調整用固定具1802内に挿入し、調整インターフェース1910に接続する。ロボット・アーム1930を使用することで、調整用固定具内への照明器具の挿入および調整用固定具からの照明器具の取り外しのプロセスから人間の介入をなくすことができる。整流システム1908は、上で説明されている
図18の制御システム1808のコンポーネントと類似しているコンポーネントを備えることができ、チューニング・プロセスを実行して、動作電流を決定し、所望の動作電流を発生させるために適切な抵抗を付けてポテンショメーター1914をプログラムすることができる。この後、照明器具1912を装置1900から取り外すことができる。ここでもまた、ロボット・アーム1930を使用することで、この段階から人間の介入をなくすことができる。ポテンショメーター1914は、有利には、調整インターフェース1910から接続を外されたときに最後にプログラムされた設定を保持し、その結果、照明器具1912は、試験具から取り外された後であっても暖白色LEDおよび冷白色LEDに所望の動作電流を供給し続ける。そのため、手動の介入がほとんどないか、または全くなしで、照明器具をチューニングすることができ、複数の照明器具を一度に、例えば、装置1900の全部または一部の複数のコピーを用意することによってチューニングすることができる。
【0109】
図20は、例えば本発明の一実施形態による装置1900において実装されうるチューニング・プロセス2000を例示している。チューニング・プロセス2000を使用して、単一の照明器具または任意の数の照明器具をチューニングすることができる。ブロック2002で、ユーザーは、例えば、制御システム1808のユーザー・インターフェース1828をインタラクティブに操作することによって、所望の色(x
s,y
s)を指定する。いくつかの実施形態では、ユーザーが所望の色温度を指定することができ、制御システム1808はその色温度を色空間座標に変化することができる。ブロック2004で、照明器具(例えば、照明器具1912)は、例えば、ユーザーによって、措置1900の他の何らかのオペレータによって、または自動製造工場内のロボット・メカニズムによって、調整用固定具1802内に接続される。
【0110】
ブロック2006で、制御システム1808は装置1900を操作して、所望の色を発生する電流分配を決定する。例えば、単色調整アルゴリズム1822は、上で説明されているチューニング・プロセスのどれかを実装することができ、所望の色を発生する照明器具1912内のLEDのグループへの全電流の分配を決定するために実行されうる。ブロック2008で、所望の電流分配をもたらすポテンショメーター1914に対する動作抵抗を決定する。例えば、LEDのグループが2つある一実施形態において、I
W/l
C=R
C/R
Wという原理を動作電流I
W0およびI
C0(ブロック2006で決定される)と一緒に用いて適切な抵抗選択することができる。この計算を、単色調整アルゴリズム1822に組み込むことができる。ブロック2010で、ポテンショメーター1914を、ブロック2008で決定された動作抵抗によりプログラムし、例えば、単色調整アルゴリズム1822は、動作抵抗をポテンショメーター・ドライバ1826に伝達することができ、ポテンショメーター・ドライバ1826は調整インターフェース1910を介してその抵抗をポテンショメーター1914に伝達する。
【0111】
ブロック2012で、照明器具1912を調整用固定具1802内に残したまま、動作色(x
0、y
0)を測定することによって動作電流を試験することができる。いくつかの実施形態において、ブロック2014で、例えば、ブロック2012における測定結果および黒体曲線への最小二乗適合に応じて、さらに調整を行うことで色をファインチューニングすることができる。
【0112】
ブロック2016で、最終的なチューニングが完了した後、照明器具1912を調整用固定具1802から取り外すことができる。ポテンショメーター1914は、有利には、プロセス2000で決定された動作抵抗によりプログラムされたままであり、したがって、照明器具1912は、動作電力が供給されたときに必ずチューニングされた色の光を発生する。
【0113】
ブロック2016で、プロセス2000は終了することができる。いくつかの実施形態において、それぞれの照明器具に対してプロセス2000(ブロック2004から始まる)を繰り返すことによって追加の照明器具を同じ色温度にチューニングすることができる。
【0114】
本明細書で説明されているプロセス2000は、例示的であり、変更形態および修正形態も可能であることは理解される。順番に説明されているステップは並列に実行され、ステップの順序は可変であり、ステップは修正されるか、または組み合わされるか、省略されうる。
図18の装置1800とともに、類似のプロセスを使用することができる。いくつかの実施形態では、多数の異なる色温度のそれぞれについて単一の照明器具をチューニングし、ユーザーがそれらの色温度のうちから選択するために操作できる制御装置を照明器具上に備えることが望ましいと思われる。これは、それぞれの所望の色温度についてプロセス2000を繰り返し、それぞれの温度について決定された動作抵抗を(例えば、ルックアップテーブル内に)格納することによって行うことができる。ユーザーが、照明器具上の制御装置を操作することによって色温度を選択する場合、対応する抵抗を探して、ポテンショメーター1914にプログラムすることができる。
【0115】
通常の使用では(プロセス200の後)、照明器具1912は、色チューニングを保存しておくためにフィードバック・メカニズムを必要としないことに留意されたい。ポテンショメーター1914は、その照明器具の寿命が尽きるまでプログラムされた状態のままとすることができ、色のチューニング状態を保つために所望の電流を送ることができる。色は、照明器具1912内のLEDがその寿命全体を通して色安定性を保つ限りずれない。許容可能な公差の範囲で寿命が尽きるまで色安定性を保てる白色LEDが知られており、照明器具1912または本明細書で説明されている他の照明器具において使用されうる。したがって、照明器具の通常の使用では能動的フィードバック・プロセスを必要とせず、また照明器具の寿命が尽きるまで安定している色センサーも必要ない。したがって、例えば
図18および19に示されているような外部能動的フィードバック・ループを照明器具の初期チューニングに使用することができ、これ以降、さらにフィードバックまたはチューニングを行うことなく照明器具を動作させることができる。
【0116】
いくつかの実施形態において、照明器具1912は、LEDの異なるグループへの入力電流の所望の分配を維持するための制御回路を備えることができる。例えば、上で説明されているようにプログラマブル・ポテンショメーターを使用することができる。電流がチューニングされた後、プログラマブル・ポテンショメーターは、所望の色に対応する抵抗値を格納することができる。他の実施形態では、照明器具は、電流の所望の分配を示す情報を格納することができるメモリ回路(例えば、プログラマブル・リードオンリー・メモリ、フラッシュ・メモリ、または同様のもの)を備えることができる。したがって、例えば、照明器具が取り付けられる固定具は、格納されている情報を読み取り、所望の分配に基づき入力電流をLEDのそれぞれのグループに供給することができる電流コントローラを備えることができる。他の技術も、照明器具内にチューニング情報(例えば、所望の電流分配)を格納または保持するために使用することができる。いくつかの実施形態において、照明器具は、例えば、色もしくは同様のものを選択するために外部制御スイッチを使用することによって、多数の異なるターゲット色(または色温度)のうちからユーザーが選択できる色(または色温度)で動作することができるものとしてよい。チューニング・プロセスは、それぞれのターゲット色を発生するための入力電流の分配を決定するように修正され、照明器具は、それぞれの色に関連付けられている対応を示す情報を格納することができ、動作時に、照明器具は、制御スイッチの設定に基づき所望の分配を取り出すことができる。
【0117】
さらに、照明器具1912の通常の使用ではフィードバック・ループを必要としないため、チューニングに使用されるフィードバック・ループのさまざまコンポーネントは、照明器具1912の外付けとすることができ、
図19の1900に対する場合と同様に、チューニング後に取り外すことができる。これにより、通常使用時に、能動的フィードバックに依存する照明器具に比べてこの照明器具の製造コストを低減することができる。さらに、通常使用において電力を消費するフィードバック・コンポーネントがないので、照明器具の稼働コストもいくぶん低減されうる。
【0118】
本発明は、特定の実施形態に関して説明されているが、当業者であれば、多くの修正形態が可能であることを理解するであろう。例えば、本発明は、特定の照明器具の幾何学的形状もしくはフォームファクタに、またはLEDの個数および種類に関して制限されない。本明細書で言及されている特定の電流値およびチューニング定数値も例示的であり、他の値は置き換え可能である。LEDのグループの数、グループ内のLEDの数、および/またはグループの色についても、変えることができる。一般に、チューニング可能な照明器具は、LEDの少なくとも2つのグループを備え、それぞれのグループは色空間内で重なり合わない領域を占有する。領域のサイズは、LEDの異なるグループを生産するために使用される製造プロセスおよび公差に一部は依存し、グループが複数のLEDを含む場合、それらのLEDは、関連付けられている色空間領域内に無作為に散らばるようにできる。異なるグループに対して許される領域は、有利には、所望の(チューニングされた)色が異なるLEDグループによって占有されている領域と領域との中間にあるように選択される。
【0119】
したがって、本発明は、特定の実施形態に関して説明されているけれども、本発明は、以下の請求項の範囲内にあるすべての修正形態および等価形態を対象とすることが意図されていることは理解されるであろう。