(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記復帰ワイヤ引き出し規制手段は、復帰ワイヤの引き出しを規制するロック位置と復帰ワイヤの引き出しを許容するロック解除位置との間で移動可能であり、下座板の上動に連動してロック位置となるロック手段を備え、
前記復帰ワイヤの引き出し規制解除手段は、ロック位置にあるロック手段がロック解除位置へ移動することを遅延させるものである、
請求項2に記載の機械式避難時停止装置付きシャッター。
第1の姿勢と第2の姿勢との間で変位可能であり、下座板が上座板に対して相対的に上動すると第1の姿勢から第2姿勢へ変位し、下座板が上座板に対して相対的に下動すると第2の姿勢から第1姿勢へ変位可能となる、検知レバーと、
検知レバーの変位を可動ロック部材の変位に連動させる連動機構と、
を備え、
前記減衰機構は、可動ロック部材が第2の姿勢から第1の姿勢へ変位する速度を低減するように、前記可動ロック部材あるいは前記検知レバーの第2の姿勢から第1の姿勢への変位に抵抗を与えるように設けてなる、請求項5に記載の機械式避難時停止装置付きシャッター。
前記減衰機構は、前記可動ロック部材の第2の姿勢から第1の姿勢への変位に抵抗を与えるように、前記連動機構と前記可動ロック部材との間に設けられる、請求項5または6に記載の機械式避難時停止装置付きシャッター。
前記可動ロック部材が第2の姿勢にある時には、前記検知レバーは第2の姿勢にあり、前記障害物の除去後に下座板が上座板に対して相対的に下動し、前記付勢手段によって、前記可動ロック部材が第2の姿勢から第1の姿勢に変位することに連動して、前記検知レバーが第2の姿勢から第1の姿勢へ変位するように構成されており、
前記減衰機構を、前記検知レバーの第2の姿勢から第1の姿勢への変位に抵抗を与えるように設けることで、当該減衰機構が前記付勢手段と協働して、第2の姿勢にある前記回動ロック部材をゆっくりと第1の姿勢へと回動させる、
請求項5または6に記載の機械式避難時停止装置付きシャッター。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ブレーキの解放によりシャッターカーテンを自重降下させることができるシャッター(機械式避難時停止装置付きシャッター)において、一旦停止したシャッターカーテンが再下降するタイミングを遅延させる機構を、ブレーキレバー自体をゆっくりと解放動作させることなく構成することを目的とする。
本発明の他の目的は、ブレーキの解放によりシャッターカーテンを自重降下させることができるシャッター(機械式避難時停止装置付きシャッター)において、一旦停止したシャッターカーテンが再下降するタイミングを遅延させる機構を、より小さい制動力で行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が採用した技術手段は、
シャッターカーテン下端に設けられ、上座板と、上座板に対して相対的に上動可能な下座板とからなる座板と、
ブレーキ解放位置とブレーキ復帰位置との間で移動可能であり、付勢手段によりブレーキ解放方向に付勢されている作動手段と、
一端が前記作動手段をブレーキ復帰方向に移動させるように当該作動手段に連結されており、シャッターカーテン降下に伴ってシャッターカーテン面部に沿って引き出されるように構成されている復帰ワイヤと、
ブレーキ解放により自重降下するシャッターカーテンの下座板が障害物に当たって上座板に対して相対的に上動することで、復帰ワイヤの引き出しを機械的に規制し、当該引き出しが規制された復帰ワイヤが前記作動手段をブレーキ復帰位置に移動させて当該シャッターカーテンの降下を停止させる復帰ワイヤ引き出し規制手段と、
障害物除去後に、ブレーキ復帰位置にある前記作動手段の移動を規制し、当該作動手段をブレーキ復帰位置に所定時間保持する保持手段と、
を備え、
障害物除去後に、前記保持手段によって前記作動手段のブレーキ復帰位置が所定時間保持され、前記保持手段が解除されると前記作動手段が前記付勢手段により瞬時にブレーキ解放位置に移動する、
機械式避難時停止装置付きシャッター、である。
【0007】
前記保持手段が設けられる位置は限定されず、例えば、座板に設けられる場合、ワイヤ中継部(典型的には開口部上方に位置する)に設けられる場合、開閉機に直付けされた作動手段内蔵型自動閉鎖装置に設けられる場合がある。
座板に設けられる態様では、前記保持手段は、復帰ワイヤ引き出し規制解除遅延手段により、前記復帰ワイヤの引き出し規制を解除するタイミングを遅延させるものであり、
障害物除去後、復帰ワイヤの引き出し規制解除が遅延された後、復帰ワイヤの引き出しが可能となって、前記作動手段が前記付勢手段により瞬時にブレーキ解放位置に移動する。
ワイヤ中継部に設けられる態様では、例えば、復帰ワイヤが座板側の第1部分と作動部側の第2部分とを備えると共に、ワイヤ中継部において、第1部分の動きが第2部分に伝達されるようになっており、障害物除去によって復帰ワイヤ引き出し規制手段による引き出し規制が解除されて復帰ワイヤの第1部分の緊張状態が緩和された後に、所定時間だけ遅延されたタイミングで第2部分の緊張状態が緩和されるように構成し、前記作動手段が前記付勢手段により瞬時にブレーキ解放位置に移動する。
自動閉鎖装置に設けられる態様では、自動閉鎖装置は、ブレーキ復帰位置にある作動手段の移動を規制する手段と、移動規制された作動手段の規制を解除する手段と、移動規制解除のタイミングを遅延させる手段と、を備え、これらの手段から保持手段が構成されており、障害物除去によって復帰ワイヤ引き出し規制手段による引き出し規制が解除された後に、所定時間だけ遅延されたタイミングで作動手段の移動規制が解除され、前記作動手段が前記付勢手段により瞬時にブレーキ解放位置に移動する。
【0008】
1つの態様では、前記復帰ワイヤ引き出し規制手段は、復帰ワイヤの引き出しを規制するロック位置と復帰ワイヤの引き出しを許容するロック解除位置との間で移動可能であり、下座板の上動に連動してロック位置となるロック手段を備え、
前記復帰ワイヤの引き出し規制解除手段は、ロック位置にあるロック手段がロック解除位置へ移動することを遅延させるものである。
1つの態様では、上動位置にある下座板の下動をゆっくりと行うことで、前記ロック手段のロック位置からロック解除位置への移動をゆっくりと行う。
【0009】
本発明が採用した他の技術手段は、
第1の方向に移動してブレーキを解放し、第2の方向に移動してブレーキを復帰させ、付勢手段によりブレーキ解放方向に付勢されている作動手段と、
前記作動手段を第2の方向に移動するように当該作動手段に一端側が連結された復帰ワイヤと、
シャッターカーテン下端に設けられ、上座板と、上座板に対して相対的に上動可能な下座板とからなる座板と、
上座板に設けられ、前記復帰ワイヤを他端側から巻き取る回転体と、
非ロック姿勢である第1の姿勢とロック姿勢である第2の姿勢との間で変位可能であり、第1の姿勢をとるように付勢手段によって付勢されており、下座板の相対的な上動に連動して第1の姿勢から第2の姿勢へ変位することで前記回転体の回転を規制する、可動ロック部材と、
可動ロック部材が第2の姿勢から第1の姿勢へ変位する速度を低減するように、第2の姿勢から第1の姿勢への変位に抵抗を与えるように設けた、減衰機構と、
を備え、
ブレーキ解放により自重降下するシャッターカーテンの下座板が障害物に当たって上座板に対して相対的に上動すると、前記可動ロック部材は、第2の姿勢となって復帰ワイヤの引き出しを規制し、上座板が下座板に対して相対的に所定量下動することで、当該引き出しが規制された復帰ワイヤが前記作動手段を第2の方向に移動させてブレーキを復帰させて当該シャッターカーテンの降下を停止させ、
前記障害物の除去後に復帰ワイヤの引き出しが可能となると、前記作動手段が第1の方向に移動してブレーキが解放されて当該シャッターカーテンが再降下するように構成されているが、前記付勢手段が前記減衰機構と協働して、ロック姿勢にある前記可動ロック部材をゆっくりと第1の姿勢へと変位させることで、前記復帰ワイヤの引き出し規制を解除するタイミングを遅延させてなり、復帰ワイヤの引き出し規制が解除されると前記作動手段が前記付勢手段により瞬時にブレーキ解放位置に移動する、
機械式避難時停止装置付きシャッター、である。
1つの態様では、第1の姿勢と第2の姿勢との間で変位可能であり、下座板が上座板に対して相対的に上動すると第1の姿勢から第2姿勢へ変位し、下座板が上座板に対して相対的に下動すると第2の姿勢から第1姿勢へ変位可能となる、検知レバーと、
検知レバーの変位を可動ロック部材の変位に連動させる連動機構と、
を備え、
前記減衰機構は、可動ロック部材が第2の姿勢から第1の姿勢へ変位する速度を低減するように、前記可動ロック部材あるいは前記検知レバーの第2の姿勢から第1の姿勢への変位に抵抗を与えるように設けてなる。
減衰機構の配置態様としては、可動ロック部材に直接作用するように(第2の姿勢から第1の姿勢へゆっくり変位するように)設ける態様(例えば、連結機構と連結する可動ロック部材の端部、または、可動ロック部材の回動軸)、連動機構部分に作用させることで、その結果、可動ロック部材を第2の姿勢から第1の姿勢へゆっくり変位させる態様、検知レバーに作用させることで、それに連動する可動ロック部材を第2の姿勢から第1の姿勢へゆっくり変位させる態様、を例示することができる。
【0010】
1つの態様では、前記減衰機構は、前記可動ロック部材の第2の姿勢から第1の姿勢への変位に抵抗を与えるように、前記連動機構と前記可動ロック部材との間に設けられる。
1つの態様では、前記減衰機構は、ピニオンギアを備えたロータリーダンパと、ラックと、からなり、
前記可動ロック部材は、回動ロック部材であり、一端側には、前記付勢手段が連結され、他端側には、前記ラックを介して前記連動機構が連結されており、
前記付勢手段が前記減衰機構と協働して、第2の姿勢にある前記回動ロック部材をゆっくりと第1の姿勢へと回動させる。
1つの態様では、前記可動ロック部材が第2の姿勢にある時には、前記検知レバーは第2の姿勢にあり、前記障害物の除去後に下座板が上座板に対して相対的に下動し、前記付勢手段によって、前記可動ロック部材が第2の姿勢から第1の姿勢に変位することに連動して、前記検知レバーが第2の姿勢から第1の姿勢へ変位するように構成されており、
前記減衰機構を、前記検知レバーの第2の姿勢から第1の姿勢への変位に抵抗を与えるように設けることで、当該減衰機構が前記付勢手段と協働して、第2の姿勢にある前記回動ロック部材をゆっくりと第1の姿勢へと回動させる。
1つの態様では、前記減衰機構は、ロータリーダンパあるいは直動ダンパを備えている。
1つの態様では、前記作動手段は、バネ部材を備え、当該バネ部材を圧縮しながら第2の方向に移動することでブレーキが復帰し、復帰ワイヤの引き出し規制が解除されると、圧縮されたバネ部材が伸長することで、第1の方向に移動してブレーキが解放される。
1つの態様では、前記連動機構は、前記可動ロック部材の移動と前記検知レバーの回動を連動させるように前記可動ロック部材と前記検知レバーを連結し、前記検知レバーが第1の姿勢から第2の姿勢となることに連動して前記可動ロック部材を第2の姿勢とする連結手段(典型的にはワイヤ)である。
前記連動機構は、可動ロック部材が、下座板の上動に連動して変位する検知レバーを介して当第1の姿勢から第2の姿勢へ変位させる機構であればよく、可動部材同士の当接によって連動機構を構成してもよい。
【0011】
1つの態様では、前記検知レバーは、上座板と下座板との間に設けられ、下座板が上座板に対して相対的に上動すると第1の姿勢から第1の方向に回動して第2姿勢をとり、下座板が上座板に対して相対的に下動すると第2姿勢から第2の方向に回動して第1姿勢をとることが可能となる、回動検知レバーである。
1つの態様では、ロック装置は、前記復帰ワイヤを他端側から巻き取る回転体と、前記回転体からの復帰ワイヤの引き出しを規制する回動ロック部材と、を備えており、
前記復帰ワイヤは、巻き取れられる方向に付勢されていると共に、シャッターカーテンの自重降下に伴って前記回転体が回転することで当該復帰ワイヤが前記回転体からシャッターカーテン面部に沿って引き出し可能となっており、
前記回動ロック部材は、非ロック姿勢をとるように第2の方向に付勢されており、前記検知レバーの第1の方向の回動に連動して第1の方向に回動して前記回転体の回転を規制するロック姿勢となるように前記検知レバーと連結部材で連結されている。
1つの態様では、前記ロック装置は、前記回転体として、被係止部を備えたロックドラムと、復帰ワイヤを巻き取る方向に付勢する手段を備えた巻取ドラムと、を備えており、
前記復帰ワイヤは、ロックドラムに巻回してから前記巻取ドラムに巻き取られ、
前記回動ロック部材は係止爪を備え、ロック姿勢では、前記係止爪が前記ロックドラムに係止する。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、障害物除去後に、保持手段によって作動手段のブレーキ復帰位置が所定時間保持され(ブレーキ解放レバー自体は復帰したままである)、前記保持手段が解除されると前記作動手段が前記付勢手段により瞬時にブレーキ解放位置に移動するようにしたので、ブレーキ解放レバー自体をゆっくりと解放動作することに起因する問題、ブレーキ板が摩耗しやすいという問題、開閉機の種類によっては障害物検知時におけるブレーキ復帰時間にばらつきが生じ得るという問題等が生じることがない。
【0013】
本発明では、可動ロック部材がロック姿勢から非ロック姿勢へ変位することに抵抗を与えるように減衰機構を設けることで、ロック姿勢にある回動ロック部材が非ロック姿勢へゆっくりと戻って回転体の回動規制が解除されるようにしたので、障害物除去からシャッターカーテン再下降が開始されるまでの時間を遅延させることができる。
本発明では、減衰機構を、前記可動ロック部材あるいは前記検知レバーの第2の姿勢から第1の姿勢への変位に直接抵抗を与えるように設けることで、可動ロック部材が第2の姿勢から第1の姿勢へ変位する速度を低減するので、一旦停止したシャッターカーテンが再下降するタイミングを遅延させる機構を、より小さい減衰力で行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[A]シャッター装置及び避難時停止装置の全体構成
[A−1]シャッターの基本構成
図1に示すように、シャッター装置は、開口部を閉鎖するシャッターカーテン1と、開口部上方に位置してシャッターカーテン1を巻装する巻取シャフト2と、開口部左右両端に立設されたガイドレ−ル3と、を備えている。シャッターカーテン1は、複数枚の開口幅方向に延びる長尺状のスラットを上下に連結して構成されており、下端には座板4が設けてある。
図3、
図4左図、
図15に示すように、座板4は開口部幅方向に延びる長尺状の上座板40と、上座板40の下方側に上座板40に対して相対的に上下動自在に吊持された長尺状の下座板41とからなり、後述するように、座板4は障害物検知手段の一構成要素となっている。通常時には、シャッターカーテン1は、開閉機5によって巻取シャフト2を正逆回転駆動することで昇降して、開口部を開閉する。図では開閉機5を用いた電動シャッターを示したが、シャッター装置は、手動ハンドルやチェーンを用いるいわゆる手動式でもよい。また、通常時において、シャッターカーテンを自重で降下させて開口部を閉鎖するものでもよい。本発明は、ブレーキの解放によりシャッターカーテンを自重降下させることができるシャッターに関するものであり、本実施形態では、火災を検知した時に、ブレーキの解放によりシャッターカーテンを自重降下させるシャッターについて説明する。
【0016】
シャッターカーテン1は、開口部全開時(収納時)には、開閉機5の一構成要素であるブレーキによって下降が規制された状態で巻取シャフト2に巻装されている。この状態で火災が発生すると、防災盤6bからの火災検知信号によって自動閉鎖装置6が作動して、ワイヤW1を介してブレーキ解放・復帰装置7のブレーキ解放手段を作動させてブレーキを解除する。ブレーキが解除されると、シャッターカーテン1は、幅方向両端部がガイドレール3の溝部に案内されながら自重で下降し、座板4が着床することで開口部を全閉する。この時、シャッターカーテン1は、開閉機5に内蔵された調速器(ガバナ)の働きで調速された速度で下降するようになっている。
【0017】
開閉機5のブレーキケースからブレーキ解放レバー50が突出しており、ブレーキ解放レバー50を移動させることで、開閉機5及び巻取シャフト2の回転を規制しているブレーキが解放される。ブレーキを含む開閉機および当該ブレーキを解放するブレーキ解放レバーは周知である。具体的な態様例では、ブレーキ手段は、開閉機出力軸またはこの出力軸と一体で回転する回転部材に対して接離自在に対向するブレーキ板を有しており、シャッターカーテン収納時にはスプリング等の付勢手段によってブレーキ板が圧接されており、ブレーキが働いて巻取シャフトの回転が規制されている。ブレーキ解放レバーをスプリングに抗して揺動させることでブレーキ板が離隔してブレーキが解放され、巻取シャフトの回転が可能となって、シャッターカーテンが自重降下するようになっている。また、ブレーキ解放レバーをフリーにすれば、前記付勢手段であるスプリングによってブレーキ板が圧接されて自動的にブレーキ及びブレーキ解放レバーが復帰するようになっている。
【0018】
[A−2]自動閉鎖装置
自動閉鎖装置6は、防災盤6bからの火災検知信号の入力によって可動部が作動して、ブレーキ解放ワイヤW1を引くことで、作動手段を介してブレーキ解放レバーを移動させてブレーキを解放させる。自動閉鎖装置6がブレーキ解放ワイヤW1を引く態様としては幾つかの手法が知られており、自動閉鎖装置6に内蔵されたバネ部材のバネ力でブレーキ解放ワイヤW1を引くもの、自動閉鎖装置6に内蔵されたモータの駆動力でブレーキ解放ワイヤW1を引くもの等が挙げられる。自動閉鎖装置6は、ブレーキ解放・復帰装置7の作動手段を移動させてブレーキ解放レバーを移動させるものであれば、自動閉鎖装置6の具体的な構成は限定されない。図示の例では、自動閉鎖装置とブレーキ解放装置は別体で構成されているが、自動閉鎖装置一体型のブレーキ解放装置であってもよい。なお、本実施形態の自動閉鎖装置は、(いずれも図示しない)圧縮コイルスプリングと、該圧縮コイルスプリングを圧縮状態に保持するロック機構と、火災検知信号の入力により該ロック機構を解除するソレノイドとを備え、火災検知信号によりソレノイドが作動してロック機構が解除されたときに圧縮コイルスプリングが伸長することによりワイヤW1を引っ張る構成となっている。また、ワイヤW1を引くストロークは、第2作動体74の側辺741をフレーム70の垂壁704に当接する位置まで引っ張るのに十分なストロークを有している。
【0019】
[A−3]ブレーキ解放・復帰機構
ブレーキ解放・復帰装置7は、ブレーキ解放レバーをブレーキ解放方向に移動させる作動手段を備えており、火災検知信号が自動閉鎖装置6に入力されることで、自動閉鎖装置6によってブレーキ解放・復帰装置7の作動手段が移動してブレーキ解放レバーを移動させる。具体的な態様例では、作動手段は自動閉鎖装置6の可動部とブレーキ解放ワイヤW1で連結されており、火災検知信号が自動閉鎖装置6に入力されると、自動閉鎖装置6の可動部が移動してブレーキ解放ワイヤW1が引かれて、ブレーキ解放・復帰装置7の作動手段が自動閉鎖装置6側へ移動する。そして、自動閉鎖装置6側へ移動した作動手段が、ブレーキ解放レバーを移動させてブレーキを解放させる。ブレーキ解放ワイヤW1はアウターケーブルW1´内を延出する。
【0020】
シャッター装置は、いわゆる避難時停止装置を備えており、自重降下中のシャッターカーテン1の下端の座板4が障害物Xに当たって当該障害物Xを検知すると、復帰ワイヤを介して開閉機5のブレーキを復帰させて、シャッターカーテン1の降下を停止させるようになっている。
【0021】
復帰ワイヤは、第1ワイヤW2と第2ワイヤW3とから構成されている。開口部上方部位には、開口幅方向の開閉機5が設置された側に寄って、中継装置8が設けてあり、座板4には、中継装置8の下方に位置するように開口幅方向の一側に寄って、ロック装置9が設けてある。ロック装置9は、中継装置8の略直下に位置するロックドラム90と、ロックドラム90に隣接する巻取ドラム91と、障害物検知時にロックドラム90の回転をロックする回動ロック部材92と、を備えている。第1ワイヤW2と第2ワイヤW3は中継装置8を介して接続されている。第1ワイヤW2の一端はブレーキ解放・復帰装置7の作動手段に連結され、他端は中継装置8に連結されている。第1ワイヤW2はアウターケーブルW2´内を延出している。第2ワイヤW3の一端は中継装置8に連結されており、他端は座板4に設けたロック装置9のロックドラム90に巻回されて当該ロックドラム90を経由して、巻取ドラム91に巻回可能に連結されている。シャッターカーテン1の降下時には、第2ワイヤW3がロック装置9から引き出されながらシャッターカーテン1の面に沿って延びる。
【0022】
[A−4]中継装置
図5に示すように、中継装置8は、ロック装置9のロックドラム90の直上で、開口部上方のまぐさ内部に取り付けられている。中継装置8は、開口部上方に位置して前後方向(シャッタ収納部の奥行き方向)に延びる回動体80を備え、回動体80は、まぐさ内部に設けた取付ベース81の立ち上がり片に回動自在に設けてあり、回動体80は回動支点82を中心として、第1端部、第2端部がそれぞれ上下動するように回動する。第1端部には、ワイヤW2の端部の固定部83が形成されており、第2端部には、ワイヤW3の上端の固定部84が形成されている。第2端部に形成された固定部84に固定されたワイヤW3が下方に引っ張られると、回動体80が回動支点82を中心に回動して、第1端部が下方に下がり、第2端部が上方に移動して、ワイヤW2を引っ張る。なお、回転支点82から固定部83までの距離、回転支点82から固定部84までの距離を選択することで、ワイヤW3の引っ張り量と、ワイヤW2の引っ張り量の比率を適切に設定することができる。また、前記ワイヤW1、ワイヤW2及び(後述する手動閉鎖装置を接続する)ワイヤW4は、自転車のブレーキなどに使用されるタイプのアウターケーブル付きワイヤであって、それらのアウターケーブルの両端はそれらのワイヤが接続される各装置(自動閉鎖装置、手動閉鎖装置、ブレーキ解放・復帰機構)のケース等に固定される。そして、ワイヤW1、W2、W4のインナーワイヤは、前記各装置が通常状態(自動閉鎖装置及び手動閉鎖装置は作動前の待機状態、ブレーキ解放・復帰装置は
図11(A)の状態)で、緩み無く又は所定の張力を有する状態となるように調整し取り付けられる。なお、アウターケーブルの固定手段やインナーワイヤの長さ調整及び固定の手段は、防火設備等においては周知の技術であり詳細な説明は省略する。
【0023】
[A−5]検知レバー
図3、
図4に示すように、上座板40と下座板41との間には、複数の検知レバー42が回動可能に設けてあり、自重降下中のシャッターカーテン1の下端が障害物Xに当接して、下座板41が上座板40に対して相対的に上動すると、下座板41の上動に連動して検知レバー42が回動するようになっている。複数の検知レバー42の下端部位はワイヤ43によって互いに連結されており、ワイヤ43の一端はロック装置9の回動ロック部材92の下端側に連結されている。下座板41が上座板40に対して相対的に上動すると、検知レバー42は、検知レバー42下端がロック装置9のロックドラム90から離隔する方向に回動し、ワイヤ43はロック装置9のロックドラム90から離隔する方向に引っ張られる。
【0024】
ワイヤ43が引っ張られて、回動ロック部材92によってロックドラム90の回転を停止してロックすると、シャッターカーテン1の降下中にロック装置9から引き出されている第2ワイヤW3の引き出しが停止し、さらに、シャッターカーテン1が降下することで第2ワイヤW3が下方に引かれ、中継装置8を介して、第1ワイヤW2が引かれて、ブレーキ解放レバーによるブレーキ解放を解除する。ブレーキ解放レバー50の解除により、開閉機5のブレーキに内蔵された復帰手段によってブレーキが復帰して、降下中のシャッターカーテン1が停止する。
【0025】
座板4の構成を
図3(C)に基づいて説明する。上座板40は、上面部400と、上面部400の幅方向中央から垂直状に立ち上がる板状の接続部401と、上面部400の幅方向両端から垂下する左右の側面部402と、左右の側面部402の下端から互いに接近する方向に水平状に延びる被当接片403と、からなる。下座板41は、底面部410と、底面部410の幅方向両端から垂直状に立ち上がる第1側面部411と、左右の第1側面部411の上端から互いに接近する方向に水平状に延びる下側水平部412と、左右の下側水平部412から垂直状に立ち上がる第2側面部413と、左右の第2側面部413の上端から互いに離間する方向に水平状に延びる当接片414と、からなる。下座板41は、下座板41の当接片414が上座板40の被当接片403に載ることで、上座板40に対して上動可能に吊持されている。上座板40の上面部400の下面には、上座板40の長さ方向に延びる溝部404が形成されている。
【0026】
図3(A)に示すように、検知レバー42は、座板4の長さ方向に間隔を存して、より具体的には上座板40の長さ方向に間隔を存して、上座板40内に回動可能に取り付けられている。上座板40の上面部400の下面には、支持部42Aが、上座板40の上面部400の下面に形成した溝部404を利用して固定されており、検知レバー42は支持部42Aに対して回動可能に取り付けられている。検知レバー42は、板状の本体の左右から延びる被当接部420を備え、上方の回動支点421を中心に回動可能となっており、板状の本体の下端にはワイヤ43が連結されている。各検知レバー42は略水平状に延びるワイヤ43によって互いに連結されており、ワイヤ43の基端は回動ロック部材92の下端に連結されている。シャッターカーテン1下降中に下座板41の底面部410が障害物に当たると、上動する下座板41の上端の左右の水平状の当接片414が検知レバー42の被当接部420に下方から当接して被当接部420を押し上げることで、検知レバー42をロック装置9のロックドラム90から離間する方向に上方に回動させ、ワイヤ43に設けたスリーブ43Aに検知レバー42の当接部423が当接しながら(
図3(B)参照)ワイヤ43を持ち上げることで、検知レバー42の回動に伴ってワイヤ43がロックドラム90から離間するように横方向に引っ張られ、回動ロック部材92は、下端側がロックドラム90から離間し、上端側がロックドラム90に接近するように回動する。
【0027】
[A−6]手動閉鎖装置
図6に示すように、シャッター装置の近傍の壁面には、操作し易い高さに手動閉鎖装置10が設けてある。手動閉鎖装置10は、中空の縦長直方体で、前面に開口を備えたボックス100と、ボックス100の前面の開口を開閉するカバー体101と、前面の下方部位に設けた押スイッチ102と、前面の側方部位に回動可能に設けた回動レバー103と、手動操作用のワイヤW4の端部(他端)をネジで固定するワイヤ端固定部104と、を備えている。1つの態様では、ボックス100内には、図示しない開放、閉鎖、停止スイッチが配置されている。
【0028】
手動閉鎖装置10は、ブレーキ解放・復帰装置7の作動部のブレーキ解放操作、ブレーキ復帰操作を操作可能なように手動操作用のワイヤW4によって連結されている。手動閉鎖装置10は、ブレーキ解放作動前の状態から第1操作(押しスイッチ102)によってブレーキを解放するように作動し、ブレーキ解放作動後の状態から第2操作(回動レバー103)によってブレーキを復帰させるように作動する。ここで、ワイヤW4には、後述する第1コイルスプリング76によりワイヤ端固定部104を(
図6において)上方へ引き上げようとする力が加わっているが、図示しないロック機構でワイヤ端固定部104が上方へ移動してワイヤW4が緩まないようにロックされている。押スイッチ102を押すと、前記ロックが外れてワイヤ端固定部104が所定距離上動して緊張状態にあるワイヤ4が緩み、また、回動レバー103を手前に回動すると、ワイヤ端固定部104が前述したロック位置まで引き下げられてワイヤW4が所定距離引っ張られ、ワイヤW4に張力が加わった状態でワイヤW4の移動がロックされる。上記所定距離は、1つの態様では、
図11における第1作動体73の移動距離あるいはそれよりも長い距離に設定される。手動閉鎖装置10を用いたブレーキ解放・復帰装置7のブレーキ解放操作、ブレーキ復帰操作の詳細な説明は後述する。
【0029】
[B]ロック装置
[B−1]ロック装置の構成
図3(A)に示すように、ロック装置9は、座板4の長さ方向の一側(具体的には開口部幅方向の開閉機5が設けられた側)に寄った位置で上座板40に取り付けられている。ロック装置9の詳細は、
図7A、
図7B、
図8、
図9A、
図9Bに示してある。
図7A、
図7Bはロック装置の第1の実施形態に係り、
図8、
図9A、
図9Bはロック装置の第2の実施形態に係る。第1の実施形態と第2の実施形態は減衰機構(後述する)の有無を除いて基本的に同じである。ロック装置9は、回転自在のロックドラム90と、回転自在の巻取ドラム91と、ロックドラム90の回転を規制する回動ロック部材92と、これらを内装するケース93と、を備えている。ロックドラム90は、中継装置8の直下に位置しており、巻取ドラム91は、ロックドラム90の第1側に隣接して配置されており、回動ロック部材92は、ロックドラム90の第2側に隣接して配置されている。なお、図示の態様では、ロックドラム90と巻取りドラム91は隣接しているが、ロックドラム90と巻取ドラム91を離間(非限定な例示として、これらのドラムの半径寸法から直径寸法程度)させて配置してもよい(例えば、
図10参照)。
【0030】
ケース93は、上板930と、左右の側板931、932と、後板933と、着脱可能な前面カバー(図示せず)を備えており、下面は開放状となっている。ケース93は、後板933の下端に形成した左右の取付片934を介して上座板40に図示しないネジで取り付けられており、また、上座板40の上面部400の所定部位には、ケース93の下方部位と連通するように開口が形成されており、ケース93の下面は上座板40の内部に達している。
【0031】
ロックドラム90は、ロックドラム90を回転自在に支持する支持軸900と、ワイヤを巻回する凹状の周面901と、ロックドラム90の周縁(具体的には、周面901の厚さ方向の一側に位置して設けられ、周面901よりも大径の円板部902)の周縁に連続状に形成された多数の歯状の被係止部903と、を備えている。図示の態様では、周面901の厚さ方向の寸法は、ワイヤが並列状に3周巻回できるような寸法となっている。支持軸900は、ケース93の後板933に設けてあり、ロックドラム90は、支持軸900を介して後板933に回転自在に装着されている。
【0032】
巻取ドラム91は、巻取ドラム91を回転自在に支持する支持軸910と、ワイヤを巻回する周面911と、巻取ドラム91をワイヤの巻取方向に付勢するための手段としてのぜんまいばね912と、を備えている。支持軸910は、ケース93の後板933に設けてあり、巻取ドラム91は、支持軸910を介して後板933に回転自在に装着されている。
【0033】
回動ロック部材92は、上下方向に延出する回動片であり、高さ方向略中間部に形成された回動支点920(ケース93の後板933に設けてある)を中心として回動可能にケース93に設けてある。回動ロック部材92には、ロックドラム90の被係止部903に対向するように係止爪921が形成されている。回動ロック部材92の係止爪921は、回動支点920よりも上側に形成されている。回動ロック部材92は、係止爪921がロックドラム90の被係止部903から離間した第1姿勢(
図7A、
図8Aに示す非ロック状態)と、係止爪921がロックドラム90の被係止部903に係止した第2姿勢(
図7B、
図9Bに示すロック状態)と、を取ることができる。図示の態様では、回動軸920は、回転軸900、910よりも下方に位置しており、回動ロック部材92の下方部位は、上座板40の内部空間に延びている。
【0034】
小括すると、ロックドラム90の周縁には多数の歯状の被係止部903が連続状に形成されており、いわば歯車を形成している。回動ロック部材92は、被係止部903(歯車の歯)に係止可能な係止爪921を備えている。回動ロック部材92は、自重降下中のシャッターカーテン1の下端が障害物に当接して、下座板41が上座板40に対して相対的に上動することに連動して回動し、回動ロック部材92の係止爪921がロックドラム90の被係止部903に噛んで係止してロック状態となって、ロックドラム90の回転を停止させる。
【0035】
回動ロック部材92の上端、下端はそれぞれ、付勢手段、緩衝手段として例示する第1コイルスプリング96、第2コイルスプリング97に連結されている。第1コイルスプリング96の一端は回動ロック部材92の上端に連結されており、第1コイルスプリング96の他端はケース93の側板931に連結されており、上側の第1コイルスプリング96は、回動ロック部材92をロック解除方向(回動ロック部材92の上半部がロックドラム90から離間する方向)に付勢している。座板4がフリーな状態(下座板41の当接片414が上座板40の被当接片403に載って係止して吊持された状態)では、第1コイルスプリング96によって、回動ロック部材92は上端側がロックドラム90の被係止部903から離間する方向に傾斜した状態(第1の姿勢)にあり、回動ロック部材92の係止爪921は被係止部903に係止していない。ケース93の後板933の所定部位にはピン状のストッパ98が突設されており、回動ロック部材92が傾斜した非ロック状態(第1の姿勢)にある時には、回動ロック部材92はストッパ98に当接している。
【0036】
第2コイルスプリング97の一端は、回動ロック部材92の下端に連結され、他端はワイヤ43に連結されており、第2コイルスプリング97は緩衝用バネを構成している。ブレーキ復帰のためには復帰ワイヤを所定量引っ張る必要があり(すなわち、シャッターカーテン1が所定量降下する必要がある)、障害物に当たった下座板41は、回動ロック部材92の係止爪921がロックドラム90の歯状の被係止部903に係止した後も相対的に上動する必要がある。この時、第2コイルスプリング97が伸びることで、ロックドラム90がロックされた後の下座板41の上動に伴うワイヤ43や係止部分(係止爪921、被係止部903)への負荷を緩和している。より具体的に説明すると、ロック後(係止爪921が被係止部903に係止した後)、さらに上座板40が下座板41に対して下動することで、下動した分だけ復帰ワイヤが引き下げられる。同時に、上座板40の下動によって、検知レバー42がさらに上方に回動して、ワイヤ43がさらに引かれるが、この時、第2コイルスプリング97が伸びることで、回動ロック部材92の係止爪921がロックドラム90の被係止部903に押し付けられることを防止する。
【0037】
ロックドラム90と巻取ドラム91の下方部位間のスペースには、巻取ドラム91の周面901に数周(図示の態様では3周)巻かれてから引き出された第2ワイヤW3を挿通させてロックドラム90へ案内する樹脂ガイドとしてのガイド部94が設けてある。ガイド部94は、例えば、後板933から持ち出し状に形成されている。上板930には、ロックドラム90から引き出された第2ワイヤW3を挿通させて上下方向に案内する樹脂ガイドとしてのガイド部95が設けてある。第2ワイヤW3の一方の端部は巻取ドラム91に連結されると共に、巻取ドラム91に組み込まれたぜんまいばね912によって巻取方向に付勢され、巻取ドラム91の周面911に巻回され、巻取ドラム91の下方側からガイド部94を通ってロックドラム90の周面901に3周巻回され、垂直状に上方に引き出され、ガイド部95を通ってさらに上方に引き出されている。
【0038】
[B−2]ロック装置の作用
ブレーキが解放されてシャッターカーテン1が自重降下を開始すると、座板4の降下に伴って座板4に設けられたロック装置9(ロックドラム90、巻取ドラム91)も降下し、ロック装置9の降下に伴って、ぜんまいばね912の力に打ち勝って、第2ワイヤW3は巻取ドラム91及びロックドラム90が回転しながら、シャッターカーテン1の降下距離分だけ引き出されていく。
【0039】
ロック装置9は、降下中のシャッターカーテン1の下端の座板4が障害物に当接した時に、下座板41が上座板40に対して相対的に上動することに連動してロックドラム90の回転が規制されるように作動する。自重降下中のシャッターカーテン1の下端が障害物に当接して、下座板41が上座板40に対して相対的に上動すると、下座板41の上動に連動して検知レバー42が回動するようになっている。複数の検知レバー42の下端部位はワイヤ43によって互いに連結されており、ワイヤ43の一端は回動ロック部材92に連結されている。検知レバー42は下端がロックドラム90から離隔する方向に傾斜しており、下座板41が上座板40に対して相対的に上動すると、検知レバー42は、回動検知レバー42下端がさらにロックドラム90から離隔する方向に回動し、ワイヤ43はロックドラム90から離隔する方向に引っ張られ、回動ロック部材92が第1の姿勢から第2の姿勢へと回動して、回動ロック部材92の係止爪921がロックドラム90の歯状の被係止部903に係止してロックドラム90の回転を規制する。
【0040】
ロックドラム90の回転が停止すると、第2ワイヤW3の引き出しが規制され第2ワイヤW3の長さが一定となり、この状態で上座板40(すなわちロックドラム90)が降下すると、第2ワイヤW3、中継装置8を介して第1ワイヤW2が引かれて、作動手段がブレーキ復帰方向に移動し、ブレーキ解放レバー50が復帰してブレーキが復帰し、巻取シャフト2の回転を規制してシャッターカーテン1の降下が停止する。ここで、ブレーキ復帰のためには復帰ワイヤ(第1ワイヤW2、第2ワイヤW3)を所定量引っ張る必要があり(すなわち、シャッターカーテン1が所定量降下する必要がある)、障害物に当たった下座板41は、ブレーキ復帰をさせるだけのシャッターカーテン1の降下量に対応する上動ストロークを備えていることが望ましい。さらに、この上動ストロークに加え、下座板41は、上座板40に対して、相対的に上動可能とするような余裕ストロークを備えていることが望ましい。この余裕ストロークによって、下座板41に障害物が接触した時に、当該下座板41の荷重のみを障害物に作用させることができ、障害物にシャッターカーテン全体の荷重が作用することを防止する。ここで、上座板40に対して相対的に上動する下座板41とから座板4を構成することは公知であるが、本実施形態では、上座板40に対する下座板41の可動距離は、従来の可動距離よりも大きい。具体的には、上座板40に対する下座板41の相対的な可能距離は、自重降下するシャッターカーテン1下端の下座板41が障害物Xに当たった時に検知レバー42を回動させて、回動ロック部材92をロックドラム90に係止させて当該ロックドラム90の回転を規制して巻取ドラム91に収納されている復帰ワイヤの引き出しを規制するまでの第1移動量(ロックのために回動ロック部材92を回動させる必要あり)と、復帰ワイヤの引き出しが規制された状態で上座板40が下座板41に対して相対的に下動することで前記引き出しが規制された復帰ワイヤを下方に引っ張ってブレーキを復帰させるまでの第2移動量(ロック後に復帰ワイヤを下方に引っ張る必要あり)と、ブレーキ復帰によってシャッターカーテン1の下降が停止した後で上座板40に対する下座板41の上動を許容する第3移動量(障害物Xに作用するであろう荷重を緩和する)と、の合計からなる。なお、復帰ワイヤを引くことに関連して、下座板41の上動ストロークが小さい場合であっても、復帰ワイヤの途中(例えば、中継装置8)や復帰ワイヤ(第1ワイヤW2)と作動手段との連結部位に位置させて、第2ワイヤW3の上動ストロークに対して大きい作動手段の牽引量を取り出す機構(例えば、リンク機構)を設けることでブレーキを復帰させることができる。
【0041】
本実施形態では、第2ワイヤ3を、ロックドラム90と、巻取ドラム91に分けて巻き取るようにしている。1つの回転体にワイヤの巻取機構とロック機構の両方を設けた場合には、ワイヤが回転体に乱巻きされ、多層に巻かれたワイヤに外側のワイヤが食い込んで、いわゆる巻き絞りが生じるおそれがある。ワイヤに巻き絞りが生じると、ワイヤの円滑な繰り出し、巻取りに影響を与える可能性がある。本実施形態では、第2ワイヤW3は先ずロックドラム90に3周巻かれてから、巻取ドラム91に巻装されるようになっており、第2ワイヤW3に発生し得る力はロックドラム90に作用するようになっている。ここで、ロックドラム90の周面901には、第2ワイヤW3が一層巻き(並行状の3巻き)なので、第2ワイヤW3に力が作用しても、回転中のロックドラム90の回転が急に停止しても、ワイヤに巻き絞りが生じることがない。また、第2ワイヤ3をロックドラム90に複数巻くことで、第2ワイヤ3がロックドラム90の周面901で滑ることを防止しており、ロックドラム90と巻取ドラム91が一緒に回転するようになっている。また、巻取ドラム91には、第2ワイヤ3を巻き取る方向に付勢しるぜんまいばね912が内蔵されているので、ロックドラム90がロックされて回転が停止しても、第2ワイヤ3の弛みは生じない。
【0042】
[B−3]ロック装置の他の態様
上述の態様では、ロックドラム90の一側にのみ回動ロック部材92、検知レバー42を配置したが、
図10に示すように、ロックドラム90の両側に検知レバー(
図10には図示せず)を配置すると共に、それぞれの検知レバーに連結されるワイヤ43に連結される左右一対の回動ロック部材92A、92Bを設けてもよい。ちなみに、障害物に当接した際のロックドラム90のロックは、一方向の回転を規制する(ワイヤ繰出し方向のみ止める)でも良い。
【0043】
[C]ブレーキ解放・復帰装置
[C−1]全体構成
図11乃至
図14に基づいてブレーキ解放・復帰装置7の具体的な構成について説明する。
図11は、手動閉鎖装置10を用いてシャッターカーテンを自重降下させる場合、
図12は、自動閉鎖装置6を用いてシャッターカーテンを自重降下させる場合を示している。
図11(A)、
図12(A)は、ブレーキが有効な状態(ブレーキ復帰状態)、
図11(B)、
図12(B)は、ブレーキ解放状態、
図11(C)、
図12(C)は、ブレーキ復帰状態とする動きを示す図である。図中、「左側」が「自動閉鎖装置側」となっており、ブレーキ解放レバー50が左側へ向かう方向が「ブレーキ解放方向」、左側へ移動したブレーキ解放レバー50が右側へ向かう方向が「ブレーキ復帰方向」である。
【0044】
ブレーキ解放・復帰装置7は、開閉機5のブレーキケースに対応して開閉機5の外側に取り付けられるフレーム70を備えている。フレーム70は、上壁700と、上壁700の左右端部より垂下する側壁701、702を備えており、対向状の側壁701、702間には水平状に延出するガイド軸71、72が設けてある。図示の態様では、
図14に示すように、ガイド軸71はフレーム70の幅方向中央部位で延びる1本の軸、ガイド軸72はフレーム70の幅方向に間隔を存して平行状に延びる2本の軸である。ガイド軸71、72の本数は図示のものに限定されない。
【0045】
上壁700にはブレーキ解放レバー50の先端部位を左右方向に移動可能に受け入れる開口7000が形成されており、ブレーキ解放レバー50の先端部位は上壁700の開口7000を挿通してフレーム70内に延出している。上壁700には、側壁702に寄った位置に、側壁702と対向するように垂壁703が形成されている。上壁700には、側壁701に近接した位置に、側壁701と対向するように垂壁704が形成されている。図示の態様では、垂壁703、704は、水平辺と垂直辺からなるL形状の部材の該水平辺を上壁700に連結することで、該垂直辺から形成される。フレーム70には下面カバー70A、側面カバー70Bが設けてあり、全体として箱状に形成されている(
図14参照)。
【0046】
ガイド軸71には、作動手段としての第1作動体73が左右方向(ガイド軸71の長さ方向)にスライド自在に設けてある。第1作動体73は、水平状に延出する底辺730と、底辺の左右端部から対向状に垂直に立ち上がる側辺731、732とから側面視コ字形状を備えており、左右の側辺731、732にはガイド軸71を挿通させる挿通孔が形成されている。第1作動体73の右側の側辺732には、手動閉鎖装置10から延びる手動操作用ワイヤW4の一端が固定されている。
【0047】
第1作動体73の側辺731、732の幅方向両端部にはガイド軸72を挿通させる挿通孔が形成されており、第1作動体73は、ガイド軸71、72の長さ方向に移動するスライダである。ガイド軸72には、さらに、作動手段としての第2作動体74、第3作動体75が左右方向(ガイド軸72の長さ方向)にスライド自在に設けてある。
【0048】
第2作動体74は、水平状に延出する上辺740と、上辺740の左右端部から対向状に垂下する側辺741、742とから側面視コ字形状を備えており、左右の側辺741、742にはガイド軸72を挿通させる挿通孔が形成されている。第2作動体74の左側の側辺741には、自動閉鎖装置6から延びるブレーキ解放ワイヤW1の一端が固定されている。第2作動体74の上辺740には、側辺741に寄った側(左側)に位置して開口7400が形成されている。ブレーキ解放レバー50の下端は、開口7400内までに達している。第2作動体74がどの位置にあっても、開口7400の少なくとも部分は上壁700の開口7000と所定範囲重なっており、第2作動体74が、後述する押圧片7510の移動及びブレーキ解放レバー50の移動を妨げないようになっている。
【0049】
第3作動体75は、水平状に延出する底辺750と、底辺750の左右端部から対向状に垂直に立ち上がる側辺751、752とから側面視コ字形状を備えており、左右の側辺751、752にはガイド軸72を挿通させる挿通孔が形成されている。第3作動体75の右側の側辺752には、復帰ワイヤを構成する第1ワイヤW2の一端が固定されている。第3作動体75の左側の側辺751の中央部位は右側の側辺752よりも大きい立ち上がり寸法(高さ)を備えた押圧片7510が形成されており、ブレーキ有効時には、当該押圧片7510がフレーム70内に突出したブレーキ解放レバー50の右側に位置して離間対向するようになっている(
図11(A)に示す態様では、押圧片7510は上壁700の開口7000の右側端縁に当接している)。ここで、第3作動体75の左側の側辺751の上半部は、第2作動体74の上辺740の開口7400を通って上方に延びており、上端の押圧片7510が上壁700の開口7000まで達している。こうすることで、押圧片7510の動作を、第2作動体74が妨げることがないようになっている。ブレーキ解放レバー50を挟んで側辺751と自動閉鎖装置6とが反対側に位置しており、ブレーキ解放レバー50の右側に位置する側辺751が左側に向かって移動することで、押圧片7510がブレーキ解放レバー50を押圧して左側(自動閉鎖装置側、ブレーキ解放方向)に移動させる。
【0050】
上壁700の側壁702に寄った位置に形成された垂壁703と側壁702との間に、第1作動体73の右側の側辺732が位置している。ガイド軸71には、第1作動体73の側辺731と垂壁703との間に位置して第1コイルスプリング76が巻装されている。第1コイルスプリング76の左側端部は第1作動体73の左側側辺731に当接しており、第1コイルスプリング76の右側端部はケース70の垂壁703に当接している。
【0051】
2本のガイド軸72のそれぞれには第2コイルスプリング77が巻装されており、各第2コイルスプリング77の左側端部は第3作動体75の左側側辺751に当接しており、各第2コイルスプリング77の右側端部は第2作動体74の右側側辺742に当接している。本実施形態において、第1コイルスプリング76の弾性力は、2本の第2コイルスプリング77の弾性力の合計よりも大きい。より一般化すると、ブレーキ解放・復帰装置7がN(N≧1)本の第1コイルスプリング76、M(≧1)本の第2コイルスプリング77を備えている場合に、単一の第1コイルスプリング76の弾性力×N>単一の第2コイルスプリング77の弾性力×M、である。図示の態様では、N=1、M=2である。
【0052】
[C−2]手動閉鎖装置を用いたブレーキ解放・復帰の動作
図11(A)に示すように、手動閉鎖装置10がブレーキ解放作動前の状態にある時(ブレーキ解放レバー50はブレーキを維持するブレーキ有効姿勢にあり、ブレーキ有効時である)には、緊張状態にあるワイヤW4が、第1作動体73の側辺732を図中右側に引っ張ることで、第1コイルスプリング76を圧縮状態に維持している。第3作動体75の左側側辺751の押圧片7510は、ブレーキ解放レバー50の右側に位置して離間対向している。第2作動体74の左側側辺741は、第1作動体73の左側側辺731の左側に位置して当接している。
【0053】
随時閉鎖を行いたい時には、手動閉鎖装置10の非常ボタン102を押すと、
図11(A)の状態から、第1作動体73の側辺732を図中右側に引っ張って第1コイルスプリング76を圧縮状態に維持しているワイヤW4が緊張状態から緩み、圧縮された第1コイルスプリング76が伸長することで、コイルスプリング76の左側端部が左側に移動し、第1作動体73の側壁731が図中左側に押し出されて第1作動体73が左側に移動する。左側に押し出される側壁731によって、第2作動体74の側壁741が左側に押し出されて、第2作動体74が左側に移動する。左側に移動した第2作動体74の側壁741は、ストッパとしての垂壁704に当接する。
【0054】
第2作動体74の右側側辺742は第2コイルスプリング77の右側端部に右側から当接しており、第2作動体74の側辺742が右側に移動することによって、第2コイルスプリング77を介して、第3作動体75の側辺751が左側に押し出されて、側辺751の押圧片がブレーキ解放レバー50を左側(自動閉鎖装置側)に移動させて、ブレーキを解放する(
図11(B))。この時、2本の第2コイルスプリング77の弾性力の合計は、ブレーキ解放レバー50の付勢力(開閉機5に内蔵された復帰手段により提供される復帰力)より大きいので、第2コイルスプリング77はそのままの状態で、ブレーキ解放レバー50の付勢力に打ち勝って左側に移動して、ブレーキ解放レバー50を自動閉鎖装置側に移動させてブレーキを解放する。ブレーキ解放により、シャッターカーテン1は自重降下を開始する。
【0055】
自重降下中のシャッターカーテン1の下端の座板4が障害物に当たって当該障害物を検知すると、ワイヤW2が右側に引っ張られて、第2コイルスプリング77を圧縮しながら第3作動体75が右側に移動する。第3作動体75の右側側辺751の押圧片7510が右側に移動することで、ブレーキ解放レバー50を左側(ブレーキ解放方向)に押圧する力が解除され、ブレーキ解放レバー50がフリーとなって、ブレーキに内蔵された復帰手段(バネ部材)によってブレーキ及びブレーキ解放レバー50が復帰する(
図11(C))。ブレーキの復帰により自重降下中のシャッターカーテンが停止する。この時、第2コイルスプリング77が圧縮されるだけで、第1作動体73、第2作動体74は移動しない。
【0056】
手動で自重降下させたシャッターカーテンを再び手動で停止させたい場合には、手動閉鎖装置10のレバー103を手前に引くと、第1作動体73に連結されているワイヤW4が右側に引っ張られ、第1コイルスプリング76を圧縮しながら第1作動体73が右側に移動する。
図11(B)の状態から、ブレーキ解放レバー50を復帰方向に移動させる復帰手段(バネ部材)に打ち勝ってブレーキ解放レバー50をブレーキ解放位置に保持する第1コイルスプリング76の伸長力が解除されることで、ブレーキ解放レバー50は、開閉機側の上記復帰手段の力で、第2作動体74、第3作動体75を伴って右側に移動し、ブレーキ及びブレーキ解放レバー50が復帰する。ブレーキの復帰により自重降下中のシャッターカーテンが停止する。このようにして、ブレーキ解放レバー50は
図11(A)の位置に戻る。
図11(A)との違いは、ブレーキ解放レバー50と第3作動体75の右側側辺751の押圧片7510が接触している点である。
【0057】
[C−3]自動閉鎖装置を用いたブレーキ解放・復帰の動作
図12(A)は、
図11(A)と同じであり、
図11(A)の説明を援用することができる。火災感知器6aによって火災が感知されると、防災盤6bより信号(DC24V)が出力され、自動閉鎖装置6が作動して、ブレーキ解放ワイヤW1を引っ張る。
図12(A)の状態から、自動閉鎖装置6によってブレーキ解放ワイヤW1が左側に引かれると、第2作動体74の左側側辺741が自動閉鎖装置側に引かれて移動し、同時に第2作動体74の右側側辺742が自動閉鎖装置側に移動することで、第1コイルスプリング76(第1コイルスプリング76は、開閉機5に内蔵されたブレーキ解放レバー50の復帰手段よりも大きい弾性力を有している)を介して第3作動体75が自動閉鎖装置側に移動して、第3作動体75の左側側辺751の上端部の押圧片7510がブレーキ解放レバー50に当接してこれを移動させることでブレーキを解放する。
図12(B)はブレーキが解放された状態を示している。
【0058】
自重降下中のシャッターカーテン1の下端の座板4が障害物に当たって当該障害物を検知すると、ワイヤW2が右側に引っ張られて、第2コイルスプリング77を圧縮しながら第3作動体75が右側に移動する。第3作動体75の右側側辺751の上部の押圧片7510が右側に移動することで、ブレーキ解放レバー50を左側(ブレーキ解放方向)に押圧する力が解除され、ブレーキ解放レバー50がフリーとなって、ブレーキに内蔵された復帰手段によってブレーキ及びブレーキ解放レバー50が復帰する(
図12(C))。ブレーキの復帰により自重降下中のシャッターカーテンが停止する。この時、第2コイルスプリング77が圧縮されるだけで、第1作動体73、第2作動体74は移動しない。本実施形態の開閉機5のブレーキ解放レバー50は、ブレーキ有効姿勢(
図11(A)に示す位置)において、右方向(ブレーキ復帰方向ないしブレーキ維持方向)にAkgの付勢力が作用している。ブレーキ解放力(ブレーキ解放レバー50を解放位置まで移動させる力)はBkg(B>A)に設計されている。第2コイルスプリング77は2本の合計で、
図11(A)の状態でCkg、
図11(C)の状態でDkg(D>C>B)の力が作用するように設計されている。第1コイルスプリング76及び自動閉鎖装置6の圧縮コイルスプリングは、それぞれ、Ekg(E>D)、Fkg(F>D)の付勢力を持つスプリングに設計されている。なお、第2コイルスプリング77について、
図11(A)の状態は伸長状態、
図11(C)の状態は圧縮状態にあり、したがって、第2コイルスプリング77は伸長状態でCkgの力を作用できるようになっている。
【0059】
[D]自重再降下遅延機構
叙上のように構成された機械式避難時停止装置付きシャッターは、第1の方向に移動してブレーキを解放し、第1の方向と反対の第2の方向に移動してブレーキを復帰させる作動手段と、前記作動手段を第2の方向に移動するように当該作動手段に一端側が連結された復帰ワイヤ(第1ワイヤW2、第2ワイヤW3)と、シャッターカーテン1の下端に設けられ、上座板40と、上座板40に対して相対的に上動可能な下座板41とからなる座板4と、シャッターカーテン1の自重降下中に下座板41が相対的に上動してロック状態となることで、復帰ワイヤ(第1ワイヤW2、第2ワイヤW3)が引かれるようにするロック装置9と、を備えている。
【0060】
ブレーキ解放により自重降下するシャッターカーテン1の下端の下座板41が障害物に当たって上座板40に対して相対的に上動すると、第1の姿勢にある検知レバー42が下座板41の上動に連動して第2の姿勢へ押し上げられるように回動し、ワイヤ43を介して、回動ロック部材92が第1の姿勢から第2の姿勢へ回動することでロック装置がロック状態となって復帰ワイヤ(第1ワイヤW2、第2ワイヤW3)の引き出しが規制される。さらに、上座板40が下座板41に対して相対的に所定量下動することで、当該引き出しが規制された復帰ワイヤ(第1ワイヤW2、第2ワイヤW3)が作動手段を第2の方向に移動させてブレーキを復帰させて、シャッターカーテン1の降下を停止させる。
【0061】
障害物の除去後には、下座板41が上座板40に対して相対的に下動することで、第2の姿勢にある検知レバー42が第1の姿勢へ回動することが可能となり、第2の姿勢にある可動ロック部材92が付勢手段(第1コイルスプリング96)によって第1の姿勢へと回動することで、ロック装置が非ロック状態となって復帰ワイヤの引き出しが可能となる。復帰ワイヤの引き出しが可能となることで前記作動手段が第1の方向に移動してブレーキが解放されてシャッターカーテン1が再降下するように構成されているが、可動ロック部材92あるいは検知レバー42の第2の姿勢から第1の姿勢への変位に直接抵抗を与えるように減衰機構を設けることで、前記付勢手段が前記減衰機構と協働して、ロック姿勢である第2の姿勢にある可動ロック部材92をゆっくりと第1の姿勢へと回動させて、復帰ワイヤ(第1ワイヤW2、第2ワイヤW3)の引き出し規制を解除するタイミングを遅延させている。すなわち、ロック状態にあるロック装置9が非ロック状態となるタイミングを遅延させて復帰ワイヤ(第1ワイヤW2、第2ワイヤW3)を引き出し可能とすることで、障害物除去後にシャッターカーテン1が再下降を開始するまでの時間を遅らせるようにしている。具体的な構成例について、以下に説明する。
【0062】
[D−1]第1の実施形態
遅延機構の第1の実施形態を、
図7A、
図7Bに基づいて説明する。回動ロック部材92の上端には、付勢手段としての第1コイルスプリング96が連結されており、回動ロック部材92をロック解除方向に付勢している。回動ロック部材92の下端には、第2コイルスプリング97を介してワイヤ43が連結されているが、ワイヤ43と回動ロック部材92の下端との間には減衰機構44が介在されている。減衰機構44は、ピニオンギア440Aを備えたロータリーダンパ440と、ラックギア441Aを備えたラック441と、からなる。ロータリーダンパ440は第1の方向の回転を自由とし、第2の方向の回転に抵抗を与えるワンウェイダンパである。ロータリーダンパ440は、ケース93の後板933の所定部位に固定されている。ラック441は、横方向ないし水平方向に延びており、上面にラックギア441Aが形成されている。ラック441の一端は回動ロック部材92の下端に連結されており、他端は第2コイルスプリング97の一端に連結されている。第2コイルスプリング97の他端はワイヤ43に連結されている。
【0063】
図7Aは非ロック状態にあるロック装置9を示している。上側の第1コイルスプリング96は、回動ロック部材92をロック解除方向(回動ロック部材92の上半部がロックドラム90から離間する方向)に付勢している。座板4がフリーな状態(下座板41の当接片414が上座板40の被当接片403に載って係止して吊持された状態)では、第1コイルスプリング96によって、回動ロック部材92は上端側がロックドラム90の被係止部903から離間する方向に傾斜した状態(第1の姿勢)にあり、回動ロック部材92の係止爪921は被係止部903に係止していない。ケース93の後板933の所定部位にはピン状のストッパ98が突設されており、回動ロック部材92が傾斜した非ロック状態(第1の姿勢)にある時には、回動ロック部材92はストッパ98に当接している。
【0064】
図7Bはロック状態にあるロック装置9を示しており、
図7Aの非ロック状態において、自重降下中のシャッターカーテン1の下端の下座板41に障害物が当たって下座板41が上座板40に対して上動することに連動して、検知レバー42が第1の姿勢から第2の姿勢となってワイヤ43が第1の方向(
図7Aの矢印方向)に引かれることで、回動ロック部材92の下端が第1の方向(
図7Aの矢印方向)に引かれて、回動ロック部材92の係止爪921がロックドラム90の歯状の被係止部903に係止する。この時、ラック441も第1の方向(
図7Aの矢印方向)に移動し、ラック441の移動に伴ってラックギア441Aに噛合するピニオンギア440Aが第1の方向に回転するが、ロータリーダンパ440は第1の方向の回転をフリーとするワンウェイダンパであり、ラック441及び回動ロック部材92の下端は減衰機構44の抵抗なく第1の方向に移動する。
【0065】
障害物の除去後には、下座板41が上座板40に対して相対的に下動することで、第2の姿勢にある検知レバーの第1の姿勢への回動が可能となり、検知レバー42によりワイヤ43を第1の方向に引っ張る力が無くなり、第1コイルスプリング96によって、第2の姿勢にある可動ロック部材92が第1の姿勢へと回動しようとする。この時、ラック441は第2の方向(
図7Bの矢印方向)に移動し、ラック441の移動に伴ってラックギア441Aに噛合するピニオンギア440Aが第2の方向に回転するが、ロータリーダンパ440は第2の方向の回転に対して抵抗を与えるワンウェイダンパであり、ラック441及び回動ロック部材92の下端は減衰機構44の抵抗を受けながら第2の方向にゆっくり移動してロック装置9が非ロック状態となる。ロック装置9が非ロック状態となって復帰ワイヤ(第1ワイヤW2、第2ワイヤW3)の引き出しが可能となり、前記作動手段が第1の方向に移動してブレーキが解放されてシャッターカーテン1が再降下する。このように、ロック装置9による復帰ワイヤ(第1ワイヤW2、第2ワイヤW3)の引き出し規制を解除するタイミングを遅延させることで、障害物が除去されてから停止中のシャッターカーテン1が再下降するまでの時間を遅延させている。なお、回動ロック部材92と連動機構(ワイヤ43を含む連結機構)との間に設けた減衰機構44に基づいて説明したが、以下に述べる第2の実施形態に係る減衰機構45の構成を回動ロック部材92に対して適用することで、回動ロック部材92が第2の姿勢から第1の姿勢へ回動する力に直接抵抗を与えてもよい。具体的には、回動ロック部材92の回動支点920の軸部にワンウェイのロータリーダンパを設け、第2コイルスプリングの(
図7Aにおいて)右側のフック部を延長して回動ロック部材の下端に直接係合させたり、ケース93の後板933に直動ダンパを設けて、回動ロック部材92に押圧部を直接当てたりすることで、回動ロック部材92が第2の姿勢から第1の姿勢へ回動する力に直接抵抗を与えてもよい。
【0066】
図7Cに第1の実施形態の変形例を示す。本態様は、
図7A、
図7Bに示す第1の実施形態のラック441と、第2コイルスプリング97の位置を入れ替え、ラックギア441Aの左側の一部を無くしたものである。より具体的には、回動ロック部材92の下端に第2コイルスプリング97の一端が連結され、第2コイルスプリング97の他端はラック441の一端に連結され、ラック441の他端はワイヤ43の端部に連結されている。ロータリーダンパ440は、後板933の延長部9330に取り付けられている。ラック441の他端側にはラックギア441Aが形成されていない部位(非ギア形成部位)がある。回動ロック部材92が非ロック姿勢にある時には、ピニオンギア440Aはラック441の他端側の非ギア形成部位に位置しており、このように構成することで、シャッターカーテンの下端が障害物に当接していないときは、ピニオンギア440Aと、ラックギア441Aは噛合していない。
【0067】
図7Cを参照しつつ、本態様の動作説明を行う。自重降下中のシャッターカーテン下端が障害物に当接すると、ワイヤ43が左方向へ引かれる。ラック441と第2コイルスプリング97がそのまま左方向へ引かれ、第1コイルスプリング96が伸びて回動ロック部材92が時計回りに回動し、係止爪921が被係止部903に掛かり、ロックドラム90の回転を止める。
さらに、回動ロック部材92が少し動くと完全に係止爪921と被係止部903が噛み合い、回動ロック部材92はそれ以上回動せず、停止する。
ここまでの動作では、ラックギア441Aとピニオンギア440Aは噛合しておらず、ダンパと無縁に動作する。
その後、さらに下座板41が相対上動すると、(回動ロック部材92は動かないので)第2コイルスプリング97が伸びて、今度はピニオンギア440Aとラックギア441Aが噛合した状態で、ラック441が左方向へ(下座板が相対上動した距離に対応した距離分だけ)移動する。
障害物が取除かれるとワイヤ43が右方向へ戻り、第2コイルスプリング97が縮み、ラック441が右方向へ戻るが、このときは減衰機構44が働き、ラック441はゆっくりと右方向へ戻ることになる。
第2コイルスプリング97が戻りきると、回動ロック部材92が反時計回りに回動し始める。この時点でラックギア441Aとピニオンギア440Aの噛合しない状態になっているため、回動ロック部材92は減衰機構44の影響を受けず、素早く、ロック解除動作を行う。
【0068】
このように構成することで、ロックを解除する瞬間と、ロックを掛ける瞬間の動きが素早くなり、歯飛び等の問題が起こりにくくなり、好適である。
なお、ロックを掛ける方向では、減衰機構44を構成するロータリーダンパ440が空転する構造ではあるが、要素同士が常に接続(噛合)される機構であると、僅かの負荷は発生する。
それに対して、本機構では、要素間の連結(噛合)そのものを切断してしまうので、ロータリーダンパ440の空転方向の僅かの負荷も影響がなくなり、より素早く動作し好適である。なお、ラックギア441Aをラック441の全長に設けたもの(ラックギア441Aとラック441が常に噛合しているもの)も実施可能である。
【0069】
減衰機構のさらに他の変形例を
図7Dに示す。この態様では、回動ロック部材92の回動支点920の軸部にワンウェイのロータリーダンパ440´を設ける。
図7D上図に示すように、回動ロック部材92の下端に折返し片922を設け、そこに板バネ製のスプリング式検知レバー42´を、連結手段(ネジとナット)で取付け、さらに、
図7D下図に示すように、座板内部に下座板41の上動で回動する長尺状の回動レバー(第2検知レバー)42´´を設け、下座板41が障害物へ当接した時に回動(上動)する回動レバー42´´でスプリング式検知レバー42´を上動させてロックドラム90をロックする構成としても良い。なお、ロック後さらに下座板41が上動したときは、スプリング式回動レバー42´が弾性変形することで上動を許容する。
第1の実施形態では、回動ロック部材92の係止爪921が被係止部903に係止してロック状態となることで復帰ワイヤの引き出しが規制され(復帰ワイヤ引き出し規制手段)、障害物除去後に、減衰機構44(復帰ワイヤ引き出し規制解除遅延手段)により、前記復帰ワイヤの引き出し規制を解除するタイミングを遅延させる。障害物除去後、復帰ワイヤの引き出し規制解除が遅延された後、復帰ワイヤの引き出しが可能となって、作動手段(第3作動体75)が付勢手段(第2コイルスプリング77)により瞬時にブレーキ解放位置に移動して開閉機5のブレーキ解放レバー50を押してブレーキを解放する。
【0070】
[D−2]第2の実施形態
遅延機構の第2の実施形態を、
図15、
図16、
図17に基づいて説明する。各図において、A(A)は下座板41が上座板40に対して自由に吊持された状態、(B)は(A)の状態から下座板41が上座板40に対して相対的に上動した状態を示している。第2の実施形態では検知レバー42の第2の姿勢から第1の姿勢への変位に抵抗を与えるように減衰機構45が設けられる。
【0071】
図15に示す態様では、検知レバー42の回動支点421の軸部に減衰機構45が組み込まれている。減衰機構45は、ワンウェイのロータリーダンパ450からなり、第1の姿勢にある検知レバー42が第2の姿勢へ回動する時(図示の例では時計回り)には、検知レバー42の自由な回動を許容し、第2の姿勢にある検知レバー42が第1の姿勢へ回動する時(図示の例では反時計回り)に、検知レバー42の回動に抵抗を与えるようになっている。
【0072】
自重降下中のシャッターカーテンの下端の下座板41は
図15(A)の状態にあり、下座板41が障害物に当たると、下座板41の上動に連動して第1の姿勢にある検知レバー42が押し上げられて、ワイヤ43を第1の方向(
図15(A)の矢印方向)に引っ張りながら、
図15(B)に示す第2の姿勢となる。この時、ワンウェイのロータリーダンパ450は空転するので、ロータリーダンパ450は、検知レバー42が第1の姿勢から第2の姿勢へ回動することを妨げることがなく、検知レバー42の回動に連動してワイヤ43が第1の方向に引っ張られ、回動ロック部材92が第1の姿勢から第2の姿勢へ回動してロック状態となる。
【0073】
障害物の除去後には、下座板41が上座板40に対して相対的に下動することで、第2の姿勢にある検知レバー42の第1の姿勢への回動が可能となり、検知レバー42によりワイヤ43を第1の方向に引っ張る力が無くなり、第1コイルスプリング96によって、第2の姿勢にある可動ロック部材が第1の姿勢へと回動しようとする。この時、第2の方向(
図15(B)の矢印方向)に引かれるワイヤ43を介して、第2の姿勢にある検知レバー42が第1の姿勢へと回動するが、ロータリーダンパ450は検知レバー42の第2の姿勢から第1の姿勢への回転に対して抵抗を与えるワンウェイダンパであり、検知レバー42はロータリーダンパ450からなる減衰機構45の抵抗を受けるため、ワイヤ43を介して検知レバー42と連結されている回動ロック部材92は減衰機構45の抵抗を受けながら第2の姿勢から第1の姿勢へゆっくり移動してロック装置9が非ロック状態となる。ロック装置9が非ロック状態となって復帰ワイヤ(第1ワイヤW2、第2ワイヤW3)の引き出しが可能となり、前記作動手段が第1の方向に移動してブレーキが解放されてシャッターカーテン1が再降下する。このように、ロック装置9による復帰ワイヤ(第1ワイヤW2、第2ワイヤW3)の引き出し規制を解除するタイミングを遅延させることで、障害物が除去されてから停止中のシャッターカーテン1が再下降するまでの時間を遅延させている。
【0074】
図16に示す態様では、減衰機構45は、ピニオンギア450Aを備えたロータリーダンパ450と、検知レバー42の周縁の所定部位に形成された、ピニオンギア450Aが噛合するギア451と、からなる。ロータリーダンパ450は、ピニオンギア450Aが検知レバー42のギア451に噛合するような位置を選択して検知レバー42の支持部42Aに設けてある。ロータリーダンパ450はワンウェイであり、第1の姿勢にある検知レバー42が第2の姿勢へ回動する時(図示の例では時計回り)には、検知レバー42の自由な回動を許容し、第2の姿勢にある検知レバー42が第1の姿勢へ回動する時(図示の例では反時計回り)に、検知レバー42の回動に抵抗を与えるようになっている。
【0075】
自重降下中のシャッターカーテン1の下端の下座板41は
図16(A)の状態にあり、下座板41が障害物に当たると、下座板41の上動に連動して検知レバー42が押し上げられて、第1の姿勢から第2の姿勢へ回動して
図16(B)の状態となる。この時、ワンウェイのロータリーダンパ450は空転するので、ロータリーダンパ450は、検知レバー42が第1の姿勢から第2の姿勢へ回動することを妨げることがなく、検知レバー42の回動に連動してワイヤ43が第1の方向(
図16(A)の矢印方向)に引っ張られ、回動ロック部材92が第1の姿勢から第2の姿勢へ回動してロック状態となる。
【0076】
障害物の除去後には、下座板41が上座板40に対して相対的に下動することで、第2の姿勢にある検知レバー42の第1の姿勢への回動が可能となり、検知レバー42によりワイヤ43を第1の方向に引っ張る力が無くなり、第1コイルスプリング96によって、第2の姿勢にある可動ロック部材が第1の姿勢へと回動しようとする。この時、第2の方向(
図17(B)に示す矢印方向)へ引かれるワイヤ43を介して、第2の姿勢にある検知レバー42が第1の姿勢へと回動するが、ロータリーダンパ450は検知レバー42の第2姿勢から第1姿勢への回転に対して抵抗を与えるワンウェイダンパであり、検知レバー42はロータリーダンパ450からなる減衰機構45の抵抗を受けるため、ワイヤ43を介して検知レバー42と連結されている回動ロック部材92は減衰機構45の抵抗を受けながら第2の姿勢から第1の姿勢へゆっくり回動してロック装置9が非ロック状態となる。ロック装置9が非ロック状態となって復帰ワイヤ(第1ワイヤW2、第2ワイヤW3)の引き出しが可能となり、前記作動手段が第1の方向に移動してブレーキが解放されてシャッターカーテン1が再降下する。このように、ロック装置9による復帰ワイヤ(第1ワイヤW2、第2ワイヤW3)の引き出し規制を解除するタイミングを遅延させることで、障害物が除去されてから停止中のシャッターカーテン1が再下降するまでの時間を遅延させている。
【0077】
図17に示す態様では、検知レバー42の支持部42Aに減衰機構45が設けてある。減衰機構45は、伸縮可能な押圧体452Aを備えた直動ダンパ452からなる。
図17(A)に示すように、検知レバー42が第1の姿勢にある時には、押圧体452Aは伸縮姿勢にあり、
図17(B)に示すように、検知レバー42が第2の姿勢にある時には、押圧体452Aは伸長姿勢にある。直動ダンパ452は、押圧体452Aが縮む際には抵抗力が発生し、自動で伸長復帰するように構成されており、検知レバー42が第1の姿勢から第2の姿勢へ回動する時(図示の例では時計回り)には、検知レバー42の自由な回動を許容し、検知レバー42が第2の姿勢から第1の姿勢へ回動する時(図示の例では反時計回り)に、押圧体452Aが検知レバー42の周縁の所定部位に当接し、当該所定部位を押圧しながら縮むことによって、検知レバー42の回動に抵抗を与えるようになっている。
【0078】
自重降下中のシャッターカーテン1の下端の下座板41は
図17(A)の状態にあり、下座板41が障害物に当たると、下座板41の上動に連動して検知レバー42が押し上げられて、第1の姿勢から回動して
図17(B)に示す第2の姿勢となる。この時、直動ダンパ452の押圧部452Aは伸長するが、第1姿勢にある検知レバー42は、押圧部452Aから逃げるように回動するので、直動ダンパ450は、検知レバー42が第1の姿勢から第の姿勢へ回動することを妨げることがなく、検知レバー42の回動に連動してワイヤ43が第1の方向(
図17(A)の矢印方向)に引っ張られ、回動ロック部材92が第1の姿勢から第2の姿勢へ回動してロック状態となる。
【0079】
障害物の除去後には、下座板41が上座板40に対して相対的に下動することで、第2の姿勢にある検知レバー42の第1の姿勢への回動が可能となり、検知レバー42によりワイヤ43を第1の方向に引っ張る力が無くなり、第1コイルスプリング96によって、第2の姿勢にある可動ロック部材92が第1の姿勢へと回動しようとする。この時、第2の方向(
図17(B)の矢印方向)に引かれるワイヤ43を介して、第2の姿勢にある検知レバー42が第1の姿勢へと回動するが、直動ダンパ452は、押圧体452Aが縮む際には抵抗力が発生するようになっており、第2の姿勢にある検知レバー42は、押圧体452Aの抵抗を受けながら第1の姿勢への回動するため、ワイヤ43を介して検知レバー42と連結されている回動ロック部材92は減衰機構45の抵抗を受けながら第2の姿勢から第1の姿勢へゆっくり回動してロック装置9が非ロック状態となる。ロック装置9が非ロック状態となって復帰ワイヤ(第1ワイヤW2、第2ワイヤW3)の引き出しが可能となり、前記作動手段が第1の方向に移動してブレーキが解放されてシャッターカーテン1が再降下する。このように、ロック装置9による復帰ワイヤ(第1ワイヤW2、第2ワイヤW3)の引き出し規制を解除するタイミングを遅延させることで、障害物が除去されてから停止中のシャッターカーテン1が再下降するまでの時間を遅延させている。
第2の実施形態では、回動ロック部材92の係止爪921が被係止部903に係止してロック状態となることで復帰ワイヤの引き出しが規制され(復帰ワイヤ引き出し規制手段)、障害物除去後に、減衰機構45(復帰ワイヤ引き出し規制解除遅延手段)により、前記復帰ワイヤの引き出し規制を解除するタイミングを遅延させる。障害物除去後、復帰ワイヤの引き出し規制解除が遅延された後、復帰ワイヤの引き出しが可能となって、作動手段(第3作動体75)が付勢手段(第2コイルスプリング77)により瞬時にブレーキ解放位置に移動して開閉機5のブレーキ解放レバー50を押してブレーキを解放する。
【0080】
[E]作動手段のブレーキ解放位置への瞬時復帰を許容する遅延機構
開閉機に内蔵されるブレーキ手段は、開閉機出力軸等と一体で回転する回転部材とブレーキ板が接離自在になっており、回転部材にブレーキ板が圧接されることでブレーキがかかり、離隔することでブレーキが解放されるが、接離動作をゆっくりとした場合は、動作の途中にブレーキ半開の状態となり、ブレーキ板が擦って回転し、ブレーキ板が磨耗し制動性能が低下する場合もある(特許4958931号公報の段落「0029」参照)。本発明の自重再降下遅延機構はいずれの実施形態(例えば、[D−1]の第1の実施形態、[D−2]の第2の実施形態)のものであっても、作動手段や中継装置にダンパを設けて復帰ワイヤをゆっくりと移動させる、つまり、ブレーキ解放レバーを第2の方向へゆっくりと移動させるものではなく、可動ロック部材がゆっくりと移動し、ロック装置が非ロック状態になった時点で一気に復帰ワイヤ、つまり、ブレーキ解放レバーが動作するようになっている。そのため、ブレーキ板の磨耗する問題を回避することができる。
【0081】
[E−1]自重再降下遅延機構の他の実施形態1
自重再降下遅延機構の他の実施形態を
図19、
図20に示す。自重再降下遅延機構は緩降装置であって、緩降装置は、下座板41の底面部410が障害物に当たることで上座板40に対して上動した下座板41が、障害物が除去された後に再び上座板40に対して下動する際に、下座板41をゆっくり下動させるための装置である。緩降装置は、上座板40に設けたロータリーダンパ443及びピニオンギア444と、ラックギア445を備え下座板41と一体で上下動するように設けられた昇降体445Aと、ピニオンギア444とラックギア445との間に設けたワンウェイクラッチ機構と、からなる。
【0082】
ワンウェイクラッチ機構は、ピニオンギア444と噛合し、ピニオンギア444と連動して回転する大径の第1ギア446と、ラックギア445と噛合しラックギア445の上下動に連動して回転する小径の第2ギア447と、第1ギア446と第2ギア447との間に設けたワンウェイクラッチ448と、からなる。
【0083】
ワンウェイクラッチ448は、第2ギア447の第1の方向の回転は第1ギア446に伝達されず、第2ギア447は第2の方向に回転する時にのみ第1ギア446と一体で回転するように作動する。昇降体445Aが上動する時には、第2ギア447は第1の方向に回転し、したがって、昇降体445Aは抵抗を受けずに速やかに上動することができる。昇降体445Aが下動する時には、第2ギア447は第2の方向に回転し、第2ギア447と一体で第1ギア446が回転し、第1ギア446はロータリーダンパ―443を備えたピニオンギア444と噛合していることから、第2ギア447はロータリーダンパ443の抵抗を受けつつゆっくりと回転し、したがって、昇降体445Aはゆっくりと下動することができる。
【0084】
さらに、ピニオンギア444は、ピニオンギア444に対して大径の第1ギア446に噛合しているので、ピニオンギア444の回転速度に比べて第1ギア446の回転速度がピニオンギア444と第1ギア446の歯数比分減速され、第1ギア446と一体で回転する第2ギア447の回転速度も減速され、ピニオンギア444とラックギア445が直接噛合しているような場合に比べて、昇降体445Aをゆっくりと下動させることができる。さらに、大径の第1ギア446と小径の第2ギア447が一体で回転し、小径の第2ギア447がラックギア445と噛合しているので、第1ギア446が直接ラックギア445に噛合していると仮定したような場合に比べて、昇降体445Aを同じ距離だけ下動させるのにより多くの回転が必要となり、昇降体445Aを第1ギア446と第2ギア447の歯数比分ゆっくりと下動させることができる。
【0085】
上座板40の内部には、箱状のケース449が固定されており、ケース449には、ロータリーダンパ443及びピニオンギア444、ワンウェイクラッチ機構が取り付けられている。ケース449は、上面部4490と、第1側面部4491と、第2側面部4492と、第1面部4493と、第2面部4494と、を備え、下側が開口状となっている。第1側面部4491の下端は第2側面部4492の下端よりも下方に延びている。第1側面部4491の下方部位にはワイヤ43の挿通孔4491aが形成されている。ケース449は、第1側面部4491をロック装置9から遠い側、第2側面部4492を近い側に位置させて、上面部4490を介して、上座板40の上面部400の下面に装着されている。なお、ケース449は逆の向きで取り付けてもよい。第1面部4493には、ロータリーダンパ443及びピニオンギア444が取り付けられている。第1面部4493と第2面部4494間に、ワンウェイクラッチ機構(第1ギア446、第2ギア447)の軸部が架け渡されている。
【0086】
昇降体445Aは垂直板状の本体からなり、
図19(A)に示すように、前記本体は平面視においてケース449の第1側面部4491、第2側面部4492に平行し、第1面部4493、第2面部4494に直交するように延びている。本体の下端には、円柱状の水平部が形成されており、水平部の両端部位4450は昇降体445Aの本体の幅方向両端部、及び、ケース449の第1側面部4493、第2側面部4494を越えて突出している。
図20に示すように、下座板41は、上端の左右の水平状の当接片414から垂下する左右の側面部413と、左右の側面部413の下端から互いに離間するように水平に延びる左右の下側水平部412と、を備え、下側水平部412と底面部410との間の下方部位は幅広空間415となっている。昇降体445Aの下端の円柱状の水平部は、幅広空間415に収まっており、水平部の両端部位4450が、下座板41の下側水平部412に下方から当接しており、下座板41の上下動と共に昇降体445Aが上下動するようになっている。
【0087】
垂直板状の昇降体445Aの本体は、ワンウェイクラッチ機構に対向する第1面と、第1側面部4491の内面に対向する第2面と、を備え、第1面には、当該第1面の幅方向の一側に寄った部位においてラックギア445が高さ方向に亘って形成されており、ラックギア445は第2ギア447に噛合している。前記本体には、幅方向の他側において、ワイヤ43を挿通させる縦長挿通孔4451が高さ方向に亘って形成されている。本体の前記第1面には、縦長挿通孔4451に隣接して高さ方向に亘って隆起部4452が突成されており、ケース449の第1面部4493の内面に高さ方向に亘って形成されたガイド突起4493aに摺接している。本体の前記第2面は、ケース449の第1側面部4491の内面に摺接している。昇降体445Aは、ラックギア445が第2ギア447に噛合し、隆起部4452がガイド突起4493aに摺接し、本体の前記第2面が第1側面部4491の内面に摺接することで、上座板40に固定されたケース4490に対して昇降するようになっている。ここでの摺接状態は、昇降体445Aの昇降動作に抵抗を与えない程度に昇降体445Aの上下方向のガイド機能を提供する。
図19(B)に示すように、ケース449の上面部4490には、下向き開口状の凹4490a部が形成されており、下座板41が上座板40に対して上動した状態で、昇降体445Aの上端部が凹部4490a内に位置するようになっている。こうすることで、下動した昇降体445Aをより高い位置に維持することができ、下座板41が上座板40に対して下動した状態で、昇降体445Aのラックギア445と第2ギア447とが十分に噛合でき、下座板41の上動時の初動を円滑に行えるようになっている。
【0088】
下降中のシャッターカーテン下端の座板4(
図20に示す状態にある)の下座板41が障害物に当接すると下座板41が上座板40に対して相対的に上動し、昇降体445Aの上動に連動して第2ギア447が第1の方向に回転するが、第2ギア447の第1の方向への回転はワンウェイクラッチ448によって第1ギア446には伝達されず、第1ギア447は自由に回転する。したがって、下座板41は上座板40に対して瞬時に上動する。この時、検知レバー42が回動して、ワイヤ43を引っ張ることで、回動ロック部材92が回動して、係止爪921がロックドラム90の被係止部903に係止してロックドラム90の回転を規制する。
【0089】
一方、下座板41が上座板40に対して上動した状態で、下座板41の下方の障害物が取り除かれると、下座板41は自重で下動を開始し、昇降体445Aの下動に連動して第2ギア447が第2の方向に回転するが、第2ギア447の第2の方向への回転はワンウェイクラッチ448によって第1ギア446に伝達され、さらに第1ギア446の回転はピニオンギア444に伝達され、ピニオンギア444はロータリーダンパ443の作動によってゆっくりと回転する。さらに、ピニオンギア444は、ピニオンギア444に対して大径の第1ギア446に噛合しているので、ピニオンギア444の回転速度に比べて第1ギア446の回転速度がピニオンギア444と第1ギア446の歯数比分減速され、第1ギア446と一体で回転する第2ギア447の回転速度も減速され、昇降体445A及び下座板41がゆっくりと下動する。さらに、大径の第1ギア446と小径の第2ギア447が一体で回転し、小径の第2ギア447がラックギア445と噛合しているので、第1ギア446が直接ラックギア445に噛合していると仮定したような場合に比べて、昇降体445Aを同じ距離だけ下動させるのにより多くの回転が必要となり、昇降体445A及び下座板41が第1ギア446と第2ギア447の歯数比分ゆっくりと下動する。下座板41がゆっくりと下動することで、ロック姿勢にある回動ロック部材92はゆっくりと回動しながら戻り、回動規制解除のタイミングを遅延させる。
回動ロック部材92の係止爪921が被係止部903に係止してロック状態となることで復帰ワイヤの引き出しが規制され(復帰ワイヤ引き出し規制手段)、障害物除去後に、緩降装置(復帰ワイヤ引き出し規制解除遅延手段)により、前記復帰ワイヤの引き出し規制を解除するタイミングを遅延させる。障害物除去後、復帰ワイヤの引き出し規制解除が遅延された後、復帰ワイヤの引き出しが可能となって、作動手段(第3作動体75)が付勢手段(第2コイルスプリング77)により瞬時にブレーキ解放位置に移動して開閉機5のブレーキ解放レバー50を押してブレーキを解放する。
【0090】
自重再降下遅延機構としての緩降装置は
図19、
図20に示すもの(ラックとピニオンとの間にワンウェイクラッチ機構が設けてある)に限定されない。緩降装置を備えた機械式避難時停止装置付きシャッターは以下のように一般化することができる。
第1の方向に移動してブレーキを解放し、第1の方向と反対の第2の方向に移動してブレーキを復帰させる作動手段と、
前記作動手段を第2の方向に移動するように当該作動手段に一端側が連結された復帰ワイヤと、
シャッターカーテン下端に設けられ、上座板と、上座板に対して相対的に上動可能な下座板とからなる座板と、
シャッターカーテンの自重降下中に前記下座板が相対的に上動してロック状態となることで、前記復帰ワイヤが引かれる、ロック装置と、を備え、
ブレーキ解放により自重降下するシャッターカーテンの下端の下座板が障害物に当接すると、前記復帰ワイヤが前記作動手段を第2の方向に移動させてブレーキを復帰して当該シャッターカーテンの降下を停止させる、機械式避難時停止装置付きシャッターにおいて、
前記上座板と前記下座板との間に緩降装置を設け、前記緩降装置は、上座板に対して相対的に上動した下座板が下動する際に当該下座板をゆっくりと下動させるように構成されており、前記障害物の除去後には、下座板が上座板に対して前記緩降装置により、ゆっくりと下動するようにしたことを特徴とする、機械式避難時停止装置付きシャッター、である。
【0091】
1つの態様では、前記緩動装置は、ロータリーダンパを備えている。なお、上座板に対して相対的に上動した下座板をゆっくりと下動できるものであれば、他のダンパを用いてもよい。
【0092】
1つの態様では、前記緩動装置は、上座板と下座板のいずれか一方に設けたロータリーダンパ及びピニオンギアと、他方に設けた高さ方向に延びるラックギアからなり、前記ロータリーダンパは、下座板が上座板に対してゆっくり下動するように作動する。
【0093】
1つの態様では、前記緩降装置は、上座板と下座板のいずれか一方に設けたダンパ付きピニオンギアと、他方に設けた高さ方向に延びるラックギアと、前記ピニオンギアと前記ラックギアとの間に設けたワンウェイクラッチ機構と、からなり、
前記ワンウェイクラッチ機構は、上座板に対する下座板の相対的な上動時には、前記ピニオンギアと前記ラックギアとの間の伝動を無効とし、上座板に対する下座板の相対的に下動時には、前記ピニオンギアと前記ラックギアとの間の伝動を有効とする。
前記ダンパ付きピニオンギアは典型的にはロータリーダンパによって回転に抵抗が与えられるピニオンギアである。
1つの態様では、前記ワンウェイクラッチ機構は、第1ギアと、第2ギアと、第1ギアと第2ギアとの間に設けたワンウェイクラッチと、からなり、第1ギアが前記ピニオンギアに噛合しており、第2ギアが前記ラックギアに噛合している。
1つの態様では、前記第1ギアは前記ピニオンギアに対して大径である。
1つの態様では、前記第1ギアは前記第2ギアに対して大径である。
【0094】
[E−2]自重再降下遅延機構の他の実施形態2
自重再降下遅延機構の他の実施形態を
図21〜26に基づいて説明する。自重再降下遅延機構は作動手段一体型の自動閉鎖装置11に内蔵されている。自動閉鎖装置11のケーシングは開閉機5に直接取り付けられており、
図21に示すように、ケーシング内には、第1スライドピース110、第2スライドピース111、第1ラッチレバー112、第2ラッチレバー113、ソレノイド114、ラック115、ピニオンギア116、カム117、が設けてある。第1スライドピース110は軸上を往復動可能に設けてあると共に大径部1100を備えており、大径部1100がブレーキ解放レバー50に当たって押圧する当接部を形成している。第1スライドピース110はコイルスプリング118によって、ブレーキ解放レバー50を解放する方向に付勢されており、コイルスプリング118によって押されることで開閉機50のブレーキ解放レバー50を押圧してブレーキを解放する(
図22参照)。通常時には、第1ラッチレバー112が第1スライドピース110の大径部1100に係止することで、第1スライドピース110は大径部1100がブレーキ解放レバー50から離間した状態で保持されている。第1スライドピース110の大径部1100は、第1ラッチレバー112及び第2ラッチレバー113との被係止部、ラック115との当接部、としても機能する。
【0095】
図23に示すように、火災検知信号が入力されると、ソレノイド114が防災盤からの火災検知信号(24V信号)で作動し、第1ラッチレバー112がソレノイド114に引かれて傾動して(1)、第1ラッチレバー112と第1スライドピース110との係合状態が外れて(2)、第1スライドピース110がコイルスプリング118に押されて軸上を移動してブレーキ解放レバー50を押圧してブレーキ解放を行う(3)。
【0096】
図24に示すように、手動閉鎖装置からの操作でワイヤ(
図24には図示せず)が緩むと(1)、ワイヤによって保持されていた第2スライドピース111と第1ラッチレバー112がコイルスプリング119に押されて軸に沿ってスライドし(2)、第1スライドピース110の移動を規制している第1ラッチレバー112がスライドすることで、第1スライドピース110がコイルスプリング118に押されて軸上を移動してブレーキ解放レバー50を押圧してブレーキ解放を行う(3)。
【0097】
自重降下中のシャッターカーテンが障害物に当たった時の動作について、
図25を参照しつつ説明する。既述の実施形態で説明したように、シャッターカーテン下端の座板が障害物に当たると、復帰ワイヤ(
図25には図示せず)が引かれる。復帰ワイヤが引かれると(1)、ラック115が第1スライドピース110に当接しながら軸上をスライドして第1スライドピース110を押し戻し(2)、第1スライドピース110がブレーキ解放レバー50から離間して、ブレーキが復帰する。ラック115の移動に連動して、ラック115のギアに噛合しているピニオンギア116が回転し、ピニオンギア116と一体のカム117が反時計回りに回転する(3)。カム117の回転によって、カム117に当接している第2ラッチレバー113が右側(第1スライドピース110に近づく方向)にスライドし、第1スライドピース110の大径部1100に係止して(4)、ブレーキ解放レバー第1スライドピース110の位置が保持される。
【0098】
障害物が取り除かれると、復帰ワイヤが緩み、コイルスプリング120に押されて、ラック115が戻り始める。ラック115はピニオンギア116に時計回りの回転を与えながら戻るが、ピニオンギア116の時計回り方向の回転はロータリーダンパ121によって減速されている。ピニオンギア116と一体のカム117もゆっくりと時計回りに回転し、第2ラッチレバー113はゆっくりと左側(第1スライドピース110から離れる方向)にスライドする。第2ラッチレバー113がゆっくりと左側にスライドすることで、約10秒後に第2ラッチレバー113と第1スライドピース110の係止状態が外れ、再度スライドピース110がコイルスプリング118に押されて軸上を移動してブレーキ解放レバー50を押圧してブレーキ解放を行い、シャッターカーテンは再降下する。
【0099】
このように、自動閉鎖装置11は、ブレーキ復帰位置にある作動手段(第1スライドピース110)の移動を規制する手段(第2ラッチレバー113)と、移動規制された作動手段(第1スライドピース110)の規制を解除する手段(カム117、ピニオンギア116、ラック115、コイルスプリング120)と、移動規制解除のタイミングを遅延させる手段(ロータリーダンパ121)と、を備え、障害物除去によって復帰ワイヤ引き出し規制手段による引き出し規制が解除されて復帰ワイヤの緊張状態が緩和された後に、所定時間だけ遅延されたタイミングで作動手段(第1スライドピース110)の移動規制が解除され、作動手段(第1スライドピース110)が付勢手段(コイルスプリング118)により瞬時にブレーキ解放位置に移動し、開閉機5のブレーキ解放レバー50を押圧してブレーキ解放を行う。
[付記]
【0100】
本発明に係る幾つかの実施形態について、ロックドラム90と巻取ドラム91を別体として設け、ロックドラム90をロックする構成に基づいて説明したが、
図18に示すように(出願人の先の出願である特許第4906612号(特開2009−13647号)に記載したもののように)、ロックドラムと巻取ドラムを一体化して被係止部(爪)903´を備えた回転ドラム90´とし、回転ドラム90´に対して本出願に記載した種々の構成を適用しても良い。
図18では、回転ドラム90´の両側に回動ロック部材92を配置したが、回転ドラム90´の一側にのみ回動ロック部材92を設けてもよい。ロックドラムと巻取ドラムを一体化した回転体は、ロックドラム90と巻取ドラム91に代えて、本明細書に記載した全ての実施形態に適用し得る。
【0101】
図7D下図に示すような、座板の長さ方向に延びる回動レバー42´´を設け、下座板41の上動に連動して回動する回動レバー42´´の回動に連動させて回動ロック部材92を非ロック姿勢からロック姿勢へ回動させる構成は、複数の検知レバー42及びワイヤ43を用いて下座板41の上動に連動して回動ロック部材92を回動させる構成に代えて、本明細書に記載した全ての実施形態に適用し得る。すなわち、本発明における検知レバーの変位を可動ロック部材の変位に連動させる連動機構には、部材同士の当接(回動する回動レバー42´´がスプリング式検知レバー42´に当接して、回動レバー42´´がスプリング式検知レバー42´に一体化された回動ロック部材92を回動させる)による連動も含まれる。