(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
流体圧シリンダ用センサの一種として、例えば電源端子、信号端子及びコモン端子を有する3線式無接点タイプがある。このような流体圧シリンダ用センサは、例えば外部電源と外部負荷とが接続されて使用される。この場合、外部負荷の種類に応じて、流体圧シリンダに接続される外部電源の電圧が例えば5V〜24Vと変動する場合がある。流体圧シリンダ用センサは、このような外部電源の電圧が変動する場合であっても、安定した動作を実現する必要がある。
【0005】
ここで、外部電源の電圧の変動に対応した流体圧シリンダ用センサの一例について説明する。
図5に示すように、流体圧シリンダ用センサ100は、電源端子T1、信号端子T2及びコモン端子T3を有する3線式センサ回路であり、磁気抵抗素子101a,101b及び分圧抵抗101c,101dを有するブリッジ回路101と、ブリッジ回路101からの出力信号が入力される比較器102とを備えている。
【0006】
流体圧シリンダ用センサ100は、入力抵抗103を介して比較器102の出力信号が入力されるベース端子、及び、コモン端子T3に接続されたエミッタ端子を有するNPN型の第1トランジスタ104と、抵抗105を介して第1トランジスタ104のコレクタ端子に接続されたカソード端子を有する発光ダイオード106とを備えている。流体圧シリンダ用センサ100は、発光ダイオード106のアノード端子が接続されたベース端子を有するPNP型の第2トランジスタ107を備えている。第2トランジスタ107のエミッタ端子は電源端子T1に接続され、第2トランジスタ107のコレクタ端子は信号端子T2に接続されている。電源端子T1及びコモン端子T3には外部電源Eが接続され、信号端子T2及びコモン端子T3には外部負荷Xが接続される。
【0007】
かかる構成によれば、比較器102からHigh信号が出力された場合、第1トランジスタ104がON状態となる。これにより、電源端子T1→第2トランジスタ107のエミッタ−ベース間→発光ダイオード106→抵抗105→第1トランジスタ104のコレクタ−エミッタ間→コモン端子T3を信号電流I11が流れ、第2トランジスタ107がON状態となる。第2トランジスタ107がON状態になることにより、外部負荷Xに負荷電流I12が流れることとなる。
【0008】
ここで、信号電流I11は、発光ダイオード106の視認性を確保するために、予め定められた閾値(例えば1.5mA)以上が好ましい。このため、仮に外部電源Eが5V〜24Vの範囲で変動すると仮定すると、抵抗105の抵抗値は、外部電源Eが5Vである場合に1.5mAの信号電流I11を確保できる値に設定される。
【0009】
信号電流I11は、外部電源Eの電圧の変動に応じて変動する。例えば、上記のように5Vに対応させて抵抗105の抵抗値が設定された状況において外部電源Eが24Vとなると、信号電流I11は約7.2mAとなる。このような比較的高い信号電流I11が抵抗105を流れた場合、抵抗105が発熱する。このため、抵抗105には、比較的高い定格電力(例えば1/4W以上)を有するものが用いられる。このような高い定格電力を有する抵抗105は、比較的大型なもの(例えば横3.2mm、縦2.5mmの角型タイプのチップ抵抗器)となり易いため、流体圧シリンダ用センサ100の大型化が懸念される。また、信号電流I11が変動すると、発光ダイオード106の輝度(明るさ)が変動し、発光ダイオード106の発光態様が不安定なものとなる。
【0010】
これに対して、信号電流I11の変動を抑制するために、例えば
図6に示すように、抵抗105に代えて、例えば3mAの定電流が流れる定電流ダイオード108を設けることも考えられる。しかしながら、定電流ダイオード108は、抵抗105と比較して比較的高価な部品であるため、コストの増大が懸念される。また、定電流ダイオード108も、比較的大型な部品(例えば横3.5mm、縦1.6mmの角型タイプ等)であるため、流体圧シリンダ用センサ100の小型化を図ることが困難である。
【0011】
本発明の目的は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、外部電源の電圧が変動する場合であっても好適に動作でき、且つ、小型化を図ることができる流体圧シリンダ用センサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成する流体圧シリンダ用センサは、磁気抵抗素子を含むブリッジ回路と、前記ブリッジ回路からの出力信号が入力される比較器と、前記比較器の比較結果に応じた信号が出力される端子であって外部負荷が接続される信号端子と、外部電源が接続される電源端子及びコモン端子と、を備えた3線式センサ回路構成であって、前記電源端子及び前記コモン端子に接続され、前記外部電源の電圧に関わらず一定の電圧を前記比較器及び前記ブリッジ回路に出力する定電圧回路と、前記比較器の出力信号が入力されるベース端子、及び、前記コモン端子に接続されたエミッタ端子を有する第1トランジスタと、互いに直列に接続された第1抵抗、発光ダイオード及び逆流抑制ダイオードを有し、前記定電圧回路から前記一定の電圧が印加され、且つ、第1トランジスタがON状態である場合に前記発光ダイオードが点灯する点灯電流が流れる点灯回路と、第2抵抗を介して前記第1トランジスタのコレクタ端子に接続されたベース端子、前記定電圧回路と前記電源端子とを接続する電源ラインに接続されたエミッタ端子、及び前記信号端子に接続されたコレクタ端子を有する第2トランジスタと、を備えていることを特徴とする。
【0013】
かかる構成によれば、比較器の出力信号がHigh信号である場合、第1トランジスタがON状態となる。この場合、点灯回路には、発光ダイオードを点灯するための点灯電流が流れる。定電圧回路の出力電圧は、外部電源の電圧に関わらず一定であるため、点灯電流は外部電源の電圧に関わらず一定となる。これにより、外部電源の電圧変動に起因して点灯電流が過度に高くなることを抑制できる。よって、発光ダイオードを安定して発光させることができ、それを通じて流体圧シリンダ用センサを安定して動作させることができる。また、第1抵抗として定格電力の低いものを採用することができる。
【0014】
また、第1トランジスタがON状態となると、電源端子→第2トランジスタのエミッタ−ベース間→第2抵抗→第1トランジスタのコレクタ−エミッタ間→コモン端子という経路で信号電流が流れる。当該信号電流は、発光ダイオードの点灯させる電流ではなく、第2トランジスタをON状態にするための電流である。これにより、信号電流を、第2トランジスタがON状態となる程度に低く設定できる。よって、第2抵抗として定格電力の低いものを採用することができる。
【0015】
以上のことから、第1抵抗及び第2抵抗の双方について定格電力の低いものを採用することができるため、第1抵抗及び第2抵抗の小型化を図ることができる。したがって、全体として流体圧シリンダ用センサの小型化を図ることができる。
【0016】
上記流体圧シリンダ用センサについて、前記定電圧回路は、3端子レギュレータであるとよい。かかる構成によれば、定電圧回路として3端子レギュレータを用いることにより、部品数の削減を図ることができ、構成の簡素化を図ることができる。
【0017】
上記流体圧シリンダ用センサについて、前記定電圧回路は、前記電源端子に接続されたコレクタ端子、及び、前記ブリッジ回路及び前記比較器に接続されたエミッタ端子を有する第3トランジスタと、前記コモン端子に接続されたアノード端子、及び、前記第3トランジスタのベース端子に接続されたカソード端子を有するツェナーダイオードと、前記第3トランジスタの前記ベース端子及び前記コレクタ端子に並列に接続された第3抵抗と、を備えているとよい。かかる構成によれば、3端子レギュレータを用いる構成と比較して、定電圧回路の小型化を図ることができる。これにより、流体圧シリンダ用センサの更なる小型化を図ることができる。
【0018】
上記流体圧シリンダ用センサについて、前記ブリッジ回路及び前記比較器は1つのパッケージに組み込まれているとよい。かかる構成によれば、ブリッジ回路と比較器とは1つのパッケージに組み込まれているため、流体圧シリンダ用センサの更なる小型化を図ることができる。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、外部電源の電圧が変動する場合であっても好適に動作でき、且つ、小型化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、流体圧シリンダ用センサの一実施形態について説明する。
流体圧シリンダ用センサとしてのシリンダスイッチは、流体圧シリンダの一種であるエアシリンダのピストンの位置検出に用いられる。
図1に示すように、シリンダスイッチ11は、エアシリンダ12の外周面にピストンロッド13aの移動方向に沿って延びるように形成された取付け溝14内に設置される。
図2に示すように、ピストン13の外周面に形成された収容溝15には磁石16が設けられており、シリンダスイッチ11は、磁石16がピストン13と共に所定位置に移動した時に所定の信号を出力するように構成されている。なお、シリンダスイッチ11の取付け位置を適宜変更可能とするため、図示しないが、取付け溝14はエアシリンダ12の他の面にも設けられている。
【0022】
図2に示すように、シリンダスイッチ11は各種の電子部品を備えている。これらの電子部品は全て表面実装部品(SMD)であって、回路基板17上に実装されて後述する3線式センサ回路を構成する。回路基板17には、電子部品としてのMRセンサパッケージ18、発光ダイオード19及び図示しないトランジスタや抵抗等の電子部品がはんだ付けにより表面実装されている。そして、各種電子部品及び回路基板17はケース21内に収容されている。
【0023】
次に、シリンダスイッチ11の回路構成を
図3に基づいて説明する。
図3に示すように、シリンダスイッチ11を構成する3線式センサ回路22は、磁気抵抗素子(MR素子)23a,23bを含むブリッジ回路23と、ブリッジ回路23からの出力信号が入力される比較器24を備えている。比較器24は、例えばバイポーラ型オペアンプである。また、3線式センサ回路22は、比較器24の比較結果に応じた信号が出力されるものであって外部負荷Xが接続される信号端子T2と、外部電源Eが接続される電源端子T1及びコモン端子T3とを備えている。
【0024】
3線式センサ回路22に接続される外部負荷Xは任意であるが、例えばボードコンピュータ等で用いられる電圧入力型負荷(ロジックIC)や、電流入力型負荷(リレーやプログラマブルコントローラ)等である。
【0025】
また、3線式センサ回路22に接続される外部電源Eの電圧は、外部負荷Xに応じて異なり、例えば外部負荷Xが電圧入力型負荷である場合には5V等であり、外部負荷Xが電流入力型負荷である場合には12Vや24V等である。つまり、3線式センサ回路22に入力される電圧は、5V〜24Vの範囲内で変動する。
【0026】
ブリッジ回路23は、2個の磁気抵抗素子23a,23bと2個の分圧抵抗23c,23dとで構成されている。両磁気抵抗素子23a,23bの接続点が比較器24の反転入力端子に接続されて比較器24に磁気検出信号が入力され、両分圧抵抗23c,23dの接続点が比較器24の非反転入力端子に接続されて比較器24に基準電圧が入力されるようになっている。比較器24は、ブリッジ回路23からの出力信号を比較して、High/Lowの2値化するとともに増幅して出力する。
【0027】
また、ブリッジ回路23及び比較器24は、1つのパッケージに組み込まれてMRセンサパッケージ18となっている。
図3に示すように、3線式センサ回路22は、MRセンサパッケージ18に対して一定の電圧を出力する定電圧回路として3端子レギュレータ25を備えている。3端子レギュレータ25は、入力端子25a、出力端子25b及びコモン端子25cを有しており、入力端子25aは電源端子T1に接続され、出力端子25bはMRセンサパッケージ18のブリッジ回路23及び比較器24に接続されている。3端子レギュレータ25のコモン端子25cは、3線式センサ回路22のコモン端子T3とMRセンサパッケージ18(詳細にはブリッジ回路23及び比較器24)とを接続するコモンラインL3に接続されている。3端子レギュレータ25は、入力端子25aに5V〜24Vの直流電圧が入力された場合に、一定の電圧(例えば4V)を出力端子25bから出力する。これにより、ブリッジ回路23及び比較器24には、外部電源Eの電圧に関わらず一定の電圧が印加される。
【0028】
比較器24の出力端子、すなわちMRセンサパッケージ18の出力端子は、入力抵抗30を介して、3線式センサ回路22に設けられた第1トランジスタ31のベース端子に接続されている。すなわち、比較器24の出力信号は第1トランジスタ31のベース端子に入力される。第1トランジスタ31はNPNトランジスタであり、そのエミッタ端子は、コモン端子T3(コモンラインL3)に接続されている。
【0029】
なお、3線式センサ回路22は、第1トランジスタ31のベース−エミッタ間に並列接続されたブリーダ抵抗32を備えている。比較器24の出力信号がLow信号である場合に生じ得る残留電圧に起因する比較器24からのリーク電流は、ブリーダ抵抗32を介してコモン端子T3に流れる。
【0030】
図3に示すように、3線式センサ回路22は、3端子レギュレータ25から一定の電圧が印加され、且つ、第1トランジスタ31がON状態である場合に発光ダイオード19が点灯する点灯回路40を備えている。点灯回路40は、互いに直列に接続された発光ダイオード19、第1抵抗41及びスイッチングダイオード(逆流規制ダイオード)42を有している。スイッチングダイオード42のカソード端子は、第1トランジスタ31のコレクタ端子に接続されており、スイッチングダイオード42のアノード端子は、発光ダイオード19のカソード端子に接続されている。第1抵抗41の一端は、発光ダイオード19のアノード端子に接続され、第1抵抗41の他端は、3端子レギュレータ25の出力端子25bに接続されている。
【0031】
3線式センサ回路22は、第2抵抗51を介して、第1トランジスタ31のコレクタ端子及びスイッチングダイオード42のカソード端子に接続されたベース端子を有する第2トランジスタ52を備えている。第2トランジスタ52は、PNPトランジスタであり、そのエミッタ端子は、電源端子T1と3端子レギュレータ25の入力端子25aとを接続する電源ラインL1に接続されている。第2トランジスタ52のコレクタ端子は、信号端子T2に接続されている。
【0032】
なお、3線式センサ回路22は、電源端子T1とコモン端子T3とに接続されたノイズ抑制用のコンデンサ61と、電源端子T1と信号端子T2とに接続され、サージ電圧を吸収するツェナーダイオード62とを備えている。また、コモンラインL3上にはダイオード63が設けられており、外部電源Eが逆接続された場合に3線式センサ回路22に逆電圧が印加されないようになっている。
【0033】
シリンダスイッチ11は、エアシリンダ12の所定位置に取付けられる。そして、シリンダスイッチ11は、例えばピストンロッド13aが所定の没入状態(基準位置)となった場合に磁石16の作用によりMRセンサパッケージ18(比較器24)からHigh信号が出力され、基準位置から移動した場合にはMRセンサパッケージ18からLow信号が出力されるように構成されている。
【0034】
図3に示すように、シリンダスイッチ11は、3線式センサ回路22の電源端子T1とコモン端子T3との間に外部電源Eが接続され、信号端子T2とコモン端子T3との間に外部負荷Xが接続された状態で使用される。シリンダスイッチ11のON時、すなわちピストンロッド13aが基準位置に移動して磁石16の作用によりMRセンサパッケージ18からHigh信号が出力される状態では、第1トランジスタ31がON状態となる。
【0035】
第1トランジスタ31がON状態となった場合、電源端子T1→第2トランジスタ52のエミッタ−ベース間→第2抵抗51→第1トランジスタ31のコレクタ−エミッタ間→コモン端子T3という経路で信号電流I1が流れる。これにより、第2トランジスタ52がON状態となる。よって、第2トランジスタ52のコレクタ電流である負荷電流I2が外部負荷Xに流れる。この場合、信号端子T2から出力される信号が、Low信号からHigh信号に切り替わる。つまり、信号端子T2の出力信号は、比較器24の比較結果に応じたものであり、比較器24からLow信号が出力されている場合にはLow信号であり、比較器24からHigh信号が出力されている場合にはHigh信号である。
【0036】
また、第1トランジスタ31がON状態となった場合、3端子レギュレータ25の出力端子25b→第1抵抗41→発光ダイオード19→スイッチングダイオード42→第1トランジスタ31のコレクタ−エミッタ間→コモン端子T3という経路で点灯電流I3が流れる。これにより、発光ダイオード19が発光するため、目視でピストンロッド13aが没入状態にあることを確認できる。
【0037】
ここで、第1抵抗41の抵抗値は、3端子レギュレータ25の出力電圧に対応させて設定されている。詳細には、発光ダイオード19が正常に動作する電流の最小値を最小動作電流とすると、第1抵抗41の抵抗値は、3端子レギュレータ25から一定電圧(4V)が出力された場合に点灯電流I3が発光ダイオード19の最小動作電流よりも所定のマージン分だけ高くなるように設定されている。この場合、第1抵抗41は、例えば横1mm、縦0.5mmの大きさであって定格電力が1/16Wのものが用いられる。
【0038】
また、第2抵抗51の抵抗値は、外部電源Eの電圧が5V〜24Vに変動する場合であっても、第2トランジスタ52がON状態となり、且つ、第2トランジスタ52のエミッタ−コレクタ間が飽和しない程度の信号電流I1が流れるように設定されている。この場合、第2抵抗51は、例えば横1.6mm、縦0.8mmの大きさであって、1/10Wの角型チップ抵抗器(最大2mA通電)が用いられる。なお、第2抵抗51の抵抗値は、第1抵抗41の抵抗値よりも高くなっている。
【0039】
次に本実施形態の作用について説明する。
ブリッジ回路23及び比較器24には、外部電源Eの電圧に関わらず、3端子レギュレータ25から一定の電圧が印加されている。
【0040】
ここで、比較器24はバイポーラ型オペアンプであり、比較器24から出力されるHigh信号は、比較器24に入力される電圧よりも0.6V程度低くなる。また、第1トランジスタ31がON状態となるためには、High信号は0.6V以上である必要がある。このため、シリンダスイッチ11が正常に動作するためには、MRセンサパッケージ18に1.2V以上の電圧が印加される必要がある。
【0041】
この点、3端子レギュレータ25の出力電圧は、1.2Vよりも十分高い4Vとなっている。よって、シリンダスイッチ11が正常に動作できる。また、3端子レギュレータ25の出力電圧は、外部電源Eの電圧(5V〜24V)よりも低い。このため、磁気抵抗素子23a,23b等のMRセンサパッケージ18内の各部品の消費電力が低減される。
【0042】
第1トランジスタ31がON状態となると、点灯電流I3及び信号電流I1の双方が流れる。この場合、点灯電流I3は、3端子レギュレータ25の出力電圧に基づくものであるため、外部電源Eに関わらず一定の値となる。また、信号電流I1が流れることにより第2トランジスタ52がON状態となり、負荷電流I2が流れる。
【0043】
ここで、点灯電流I3と信号電流I1とは、第1トランジスタ31のコレクタ端子にて合流する。この場合、スイッチングダイオード42によって、信号電流I1が発光ダイオード19に流れ込むことが規制されている。換言すれば、スイッチングダイオード42は、外部電源Eの電圧が発光ダイオード19に対して逆方向に印加されないように抑制している。
【0044】
なお、第2トランジスタ52のエミッタ端子は、3端子レギュレータ25の出力端子25b側ではなく入力端子25a側(すなわち電源端子T1)に接続されている。このため、外部負荷Xには、外部電源Eの電圧が印加される。よって、外部負荷Xに対して十分な電圧が印加されることとなる。
【0045】
以上詳述した本実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1)3線式センサ回路構成のシリンダスイッチ11は、磁気抵抗素子23a,23bを含むブリッジ回路23と、ブリッジ回路23からの出力信号が入力される比較器24とを備えている。シリンダスイッチ11は、比較器24の比較結果に応じた信号が出力される端子であって外部負荷Xが接続される信号端子T2と、外部電源Eが接続される電源端子T1及びコモン端子T3とを備えている。シリンダスイッチ11は、電源端子T1及びコモン端子T3に接続され、外部電源Eの電圧に関わらず一定の電圧を比較器24及びブリッジ回路23に出力する3端子レギュレータ25と、比較器24の出力信号が入力されるベース端子及びコモン端子T3に接続されたエミッタ端子を有する第1トランジスタ31とを備えている。シリンダスイッチ11は、第1トランジスタ31のコレクタ端子及び3端子レギュレータ25の出力端子25bに接続された回路であって、互いに直列に接続された第1抵抗41、発光ダイオード19及びスイッチングダイオード42を有する点灯回路40を備えている。そして、シリンダスイッチ11は、第2抵抗51を介して第1トランジスタ31のコレクタ端子に接続されたベース端子、3端子レギュレータ25の入力端子25aと電源端子T1とを接続する電源ラインL1に接続されたエミッタ端子、及び信号端子T2に接続されたコレクタ端子を有する第2トランジスタ52を備えている。
【0046】
かかる構成によれば、比較器24の出力信号がHigh信号である場合、第1トランジスタ31がON状態となる。これにより、点灯電流I3と信号電流I1とが流れる。この場合、点灯回路40に印加される電圧は、外部電源Eの電圧に関わらず一定であるため、点灯電流I3は、外部電源Eの電圧に関わらず一定となる。これにより、発光ダイオード19の輝度(明るさ)を、外部電源Eに関わらず一定にできる。また、第1抵抗41としては、外部電源Eの電圧変動に起因して点灯電流I3が高くなることを考慮する必要がない。よって、第1抵抗41に、定格電力の低いものを採用することができる。
【0047】
また、信号電流I1は、第2トランジスタ52がON状態となる程度の値でよい。このため、第2抵抗51を流れる信号電流I1を、
図5で示した信号電流I11よりも低くできる。これにより、第2抵抗51に、定格電力の低いものを採用することができる。
【0048】
以上のことから、第1抵抗41及び第2抵抗51の双方について定格電力の低いものを採用することができるため、第1抵抗41及び第2抵抗51の小型化を図ることができる。したがって、シリンダスイッチ11の小型化を図ることができる。
【0049】
なお、念のため説明すると、3端子レギュレータ25、第1抵抗41及び第2抵抗51を全て合わせた大きさは、従来技術として示した抵抗105(例えば3.2mm×2.5mmの角型タイプのチップ抵抗器)よりも小さい。
【0050】
(2)特に、シリンダスイッチ11は、3端子レギュレータ25の出力電圧がブリッジ回路23及び比較器24に印加されるように構成されている。これにより、ブリッジ回路23及び比較器24に対して、一定の電圧が印加されるため、シリンダスイッチ11の発熱に起因する感度低下を抑制できる。
【0051】
詳述すると、既に説明した通り、シリンダスイッチ11が正常に動作するためには、MRセンサパッケージ18には1.2V以上の電圧が印加されればよい。かかる構成において、仮にMRセンサパッケージ18に24V等の比較的高い電圧が印加された場合、磁気抵抗素子23a,23bが発熱し易い。すると、磁気抵抗素子23a,23bの抵抗値が変動し、感度が低下し得る。これに対して、本実施形態では、MRセンサパッケージ18には、一定の電圧(4V)が印加されるため、外部電源Eの電圧が24V等の高い電圧である場合であっても、磁気抵抗素子23a,23bが発熱しにくい。よって、磁気抵抗素子23a,23bの発熱に起因するシリンダスイッチ11の感度低下を抑制できる。
【0052】
(3)ブリッジ回路23及び比較器24は、MRセンサパッケージ18として1つのパッケージに組み込まれている。これにより、ブリッジ回路23及び比較器24が独立している場合と比較して、シリンダスイッチ11の組立の容易化を図ることができるとともに、シリンダスイッチ11の更なる小型化を図ることができる。
【0053】
(4)シリンダスイッチ11は、一定の電圧を出力する定電圧回路として、3端子レギュレータ25を採用した。これにより、部品数の削減を図ることができ、構成の簡素化を図ることができる。
【0054】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○
図4に示すように、3端子レギュレータ25に代えて、第3トランジスタ71、ツェナーダイオード72及び第3抵抗73を有する定電圧回路70を用いてもよい。詳細には、第3トランジスタ71はNPNトランジスタであり、第3トランジスタ71のコレクタ端子は電源端子T1に接続され、第3トランジスタ71のエミッタ端子は第1抵抗41及びMRセンサパッケージ18に接続され、第3トランジスタ71のベース端子はツェナーダイオード72のカソード端子に接続されている。ツェナーダイオード72のアノード端子はコモン端子T3(コモンラインL3)に接続されている。第3抵抗73は、第3トランジスタ71のコレクタ−ベース間に並列に接続されている。
【0055】
かかる構成においても、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。また、上記定電圧回路70は、3端子レギュレータ25よりも小型なものとなり易いため、シリンダスイッチ11の更なる小型化を図ることができる。さらに、第3トランジスタ71やツェナーダイオード72といったディスクリート型電子部品を採用することにより、コストの削減を図ることができる。
【0056】
○ 点灯回路40における第1抵抗41、発光ダイオード19及びスイッチングダイオード42の配列順序は任意である。例えば第1抵抗41と発光ダイオード19とを入れ替えて、発光ダイオード19が3端子レギュレータ25側に配置されていてもよい。
【0057】
○ ブリッジ回路23と比較器24とはパッケージ化されていなくてもよい。
○ エアシリンダ12に対するシリンダスイッチ11の取付け位置は、ピストンロッド13aが没入した状態におけるピストン13を検出する位置に限られない。例えば、ピストンロッド13aが突出した状態におけるピストン13を検出する位置でもよいし、ピストンロッド13aが所定の中間位置まで突出した状態におけるピストン13を検出する位置でもよい。
【0058】
○ また、1つのエアシリンダ12に対して複数のシリンダスイッチ11を取付けてもよい。
○ 流体圧シリンダは、エアシリンダ12に限られず、作動油で動作する油圧シリンダであってもよい。
【0059】
○ 直動型の流体圧シリンダに限られず、ロータリシリンダに適用して、ロータリシリンダの軸の回転方向の位置検出に用いる構成としてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる好適な一例について以下に記載する。
【0060】
(イ)ダイオードのカソード端子は、第1トランジスタのコレクタ端子に接続され、ダイオードのアノード端子は、発光ダイオードのカソード端子に接続され、発光ダイオードのアノード端子は、第1抵抗を介して定電圧回路の出力端子に接続されているとよい。