(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記再生制御部は、前記操作部により前記楽曲波形上の任意の位置が指定された場合、当該任意の位置を基準として前記コンテンツの再生を開始することを特徴とする請求項4のコンテンツ処理装置。
前記再生制御部は、前記操作部により前記楽曲波形上の任意の位置が指定された場合、当該任意の位置に最も近い拍位置、または当該任意の位置に最も近い小節頭位置から前記コンテンツの再生を開始することを特徴とする請求項5のコンテンツ処理装置。
前記再生制御部は、任意の楽曲の再生中に、前記キューポイントの選択または前記楽曲波形上の任意の位置が指定された場合、前記任意の楽曲のBPM(Beats Per Minute)および拍に同期して再生を行うことを特徴とする請求項5または6のコンテンツ処理装置。
前記キューポイントの選択または前記楽曲波形上の任意の位置の指定をトリガーとして、前記コンテンツの再生が所定時間以上継続された場合、その再生区間を当該コンテンツの前記時間軸上に表示する表示制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載のコンテンツ処理装置。
前記キューポイントの選択または前記楽曲波形上の任意の位置の指定をトリガーとした各コンテンツの再生回数に応じて、対応するコンテンツの前記楽曲波形の表示色を可変する表示制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載のコンテンツ処理装置。
前記コンテンツリスト表示部は、前記楽曲波形上に、BPM(Beats Per Minute)変更点、キー変更点、ボーカル再生区間を表示することを特徴とする請求項4ないし7のいずれか1項に記載のコンテンツ処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来のDJ用アプリケーションでは、楽曲に設定したキューポイントから再生を開始したい場合、(1)トラックリストから楽曲を選択して、楽曲波形およびキューポイントを所定領域に表示させる、(2)キューポイントを選択して試聴を開始する、といった2段階の手間が必要となり、面倒であった。このため、DJの仕込み作業においては、トラックリストから楽曲を選択して楽曲波形を表示させるといった手間を必要とすることなく、所望の楽曲の所望の位置から直接試聴を開始できる機能が望まれている。また、この機能をパフォーマンス用のプレーヤーに搭載することで、現場でのパフォーマンスを行う際の選曲効率の向上も期待できる。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑み、DJの仕込み作業時およびパフォーマンス時における選曲を迅速に行うことが可能なコンテンツ処理装置、コンテンツ処理装置の処理方法およびプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコンテンツ処理装置は、複数のコンテンツ
のそれぞれについて、各コンテンツのキューポイント
に対応するキューポイント表示を含むコンテンツ情報を行単位で表し、且つ列方向に列記したコンテンツリストを表示するコンテンツリスト表示部と、キューポイント
表示を選択する操作部と、操作部により選択された
キューポイント表示に対応するキューポイントから、コンテンツの再生を開始する再生制御部と、を備えたことを特徴とする。
上記のコンテンツ処理装置は、再生中のコンテンツに関連する情報を表示するプレーヤー表示部をさらに備え、再生制御部は、再生中のコンテンツに並行してコンテンツのプレビュー再生を開始してもよい。
【0007】
上記のコンテンツ処理装置において、コンテンツリスト表示部は、各コンテンツの全体を所定長さで表した時間軸上に、キューポイントを表示することを特徴とする。
【0008】
上記のコンテンツ処理装置において、コンテンツは、楽曲コンテンツであり、コンテンツリスト表示部は、時間軸上に、楽曲波形を表示することを特徴とする。
【0009】
上記のコンテンツ処理装置において、再生制御部は、操作部により楽曲波形上の任意の位置が指定された場合、当該任意の位置を基準としてコンテンツの再生を開始することを特徴とする。
【0010】
上記のコンテンツ処理装置において、再生制御部は、操作部により楽曲波形上の任意の位置が指定された場合、当該任意の位置に最も近い拍位置、または当該任意の位置に最も近い小節頭位置からコンテンツの再生を開始することを特徴とする。
【0011】
上記のコンテンツ処理装置において、再生制御部は、任意の楽曲の再生中に、キューポイントの選択または楽曲波形上の任意の位置が指定された場合、任意の楽曲のBPM(Beats Per Minute)および拍に同期して再生を行うことを特徴とする。
【0012】
上記のコンテンツ処理装置において、キューポイントの選択または楽曲波形上の任意の位置の指定をトリガーとして、コンテンツの再生が所定時間以上継続された場合、その再生区間を当該コンテンツの時間軸上に表示する表示制御部をさらに備えたことを特徴とする。
【0013】
上記のコンテンツ処理装置において、キューポイントの選択または楽曲波形上の任意の位置の指定をトリガーとした各コンテンツの再生回数に応じて、対応するコンテンツの楽曲波形の表示色を可変する表示制御部をさらに備えたことを特徴とする。
【0014】
上記のコンテンツ処理装置において、各コンテンツに付与されたタグ情報に応じて、対応するコンテンツの楽曲波形の表示色を可変する表示制御部をさらに備えたことを特徴とする。
【0015】
上記のコンテンツ処理装置において、コンテンツリスト表示部は、楽曲波形上に、BPM(Beats Per Minute)変更点、キー変更点、ボーカル再生区間を表示することを特徴とする。
【0016】
本発明のコンテンツ処理装置の処理方法は、複数のコンテンツ
のそれぞれについて、各コンテンツのキューポイント
に対応するキューポイント表示を含むコンテンツ情報を行単位で表し、且つ列方向に列記したコンテンツリストを表示するコンテンツリスト表示ステップと、キューポイント
表示を選択する操作ステップと、操作ステップにより選択された
キューポイント表示に対応するキューポイントから、コンテンツの再生を開始する再生制御ステップと、を実行することを特徴とする。
【0017】
本発明のプログラムは、コンピューターに、上記のコンテンツ処理装置の処理方法における各ステップを実行させることを特徴とする。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態に係るコンテンツ処理装置、コンテンツ処理装置の処理方法およびプログラムについて、添付図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、本発明のコンテンツ処理装置を、DJシステムSYに適用した場合について例示する。また、コンテンツとして楽曲コンテンツ(音楽コンテンツ)を例示する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係るDJシステムSYのシステム構成図である。DJシステムSYは、DJがパフォーマンスを行うための機器群であり、PC(Personal Computer)1と、DJコントローラー2と、これらを接続する専用回線3と、から成る。なお、専用回線3は、有線/無線のいずれであっても良い。また、PC1とDJコントローラー2を、LAN等のネットワークによって接続しても良い。
【0021】
PC1は、ディスプレイ11、キーボード12、マウス13、ハードディスクドライブ14など、一般的なコンピューターと同様のハードウェアを備えている。また、ハードディスクドライブ14には、DJ用アプリケーション5がインストールされている。このDJ用アプリケーション5は、現場でのパフォーマンスに用いられるだけでなく、パフォーマンス前の仕込み作業にも用いられる。本実施形態では、これらパフォーマンス時および仕込み作業時における選曲(楽曲の試聴)について主に説明する。なお、仕込み作業では、PC1単体を用いる。また、仕込み作業時は、PC1のキーボード12やマウス13を用いて選曲操作を行う。
【0022】
DJコントローラー2は、DJ用アプリケーション5を操作するための装置であり、ジョグダイヤル23を含む左右2つのプレーヤー部21(21a,21b)を備えている。また、装置中央には、パフォーマンス時において、選曲操作を行うための選曲操作部22を備えている。
【0023】
選曲操作部22は、停止ボタン25、タッチパネル26、ロータリーエンコーダー27を含む。停止ボタン25は、楽曲の試聴を停止するために用いられる。タッチパネル26は、楽曲の試聴開始位置を選択・指定するため(カーソルCの移動,
図5(a)等参照)に用いられる。また、ロータリーエンコーダー27は、プッシュ機能を備えており、トラックリスト(トラックリスト表示部44,
図2等参照)から試聴対象となる楽曲を選択するために用いられる。
【0024】
なお、DJコントローラー2について、その他の詳細な構成については図示を省略するが、一般的な構成(フェーダー群、ツマミ群、表示画面、入出力インターフェース群等)を備えているものとする。
【0025】
次に、
図2を参照し、パフォーマンス時および仕込み作業時において、PC1のディスプレイ11に表示されるGUI(Graphical User Interface)について説明する。当該GUIは、DJ用アプリケーション5の一機能として表示される。同図に示すように、GUIは、プレーヤー表示部41およびブラウズ部42から成る。
【0026】
プレーヤー表示部41は、キューボタン51、再生/一時停止ボタン52、第1プレーヤー表示領域53および第2プレーヤー表示領域54を含む。キューボタン51は、キューポイントの設定に用いられる。再生/一時停止ボタン52は、再生中の楽曲を再生または一時停止するために用いられる。第1プレーヤー表示領域53は、再生中の楽曲の時間表示、BPM(Beats Per Minute)、全体波形などを表示する。また、第2プレーヤー表示領域54は、再生中の楽曲の拡大波形、拍位置(ビートグリッド)などを表示する。
【0027】
一方、ブラウズ部42は、フォルダ表示部43およびトラックリスト表示部44から成る。フォルダ表示部43は、PC1内にある楽曲ファイルを解析してDJ用アプリケーション5に登録した楽曲コレクション、過去に作成したプレイリスト、読み出し可能な記憶デバイス等をツリー形式で表示する。トラックリスト表示部44は、このフォルダ表示部43から選択した楽曲群(トラックリスト)を表示可能となっている。
【0028】
トラックリスト表示部44は、DJ用アプリケーション5に登録された楽曲解析済みの楽曲(トラック)の一覧を表示する。楽曲解析としては、音声周波数解析、拍位置解析、小節位置の検出等を行う。同図に示すように、本実施形態のトラックリストは、各楽曲に関連するコンテンツ情報を行単位で表し、且つ各コンテンツ情報を列方向に列記したリストであり、プレビューリスト表示部61と、テキスト情報表示部62を含む。また、プレビューリスト表示部61のタイトル行には、SYNCボタン64が配置されている。当該SYNCボタン64は、トラックリスト表示部44から選択した楽曲を、プレーヤー表示部41に表示されている楽曲のBPMおよび拍に同期して再生させるか、非同期で再生させる(選択した楽曲固有のBPMで再生させる)か、を切り替えるためのボタンである。また、同図において符号65の網掛けは、選択中のトラックを指す。
【0029】
プレビューリスト表示部61は、各楽曲の全体波形(以下、「楽曲波形63」と称する)を表示している。また、テキスト情報表示部62は、各楽曲について、対応する楽曲波形63と同一行に、タイトル名、アルバム名、アーティスト名などのテキスト情報を、それぞれ一行で表示している。
【0030】
なお、テキスト情報表示部62に、その他のテキスト情報として、楽曲解析結果(BPM、キーなど)や、楽曲に付与されたタグ情報、アートワーク(アルバムジャケットの画像等)を表示しても良い。また、テキスト情報は、1行ではなく複数行で表示しても良い。その場合、プレビューリスト表示部61では、複数行を含む行単位領域と行方向に並ぶように、楽曲波形63を配置する。
【0031】
次に、
図3を参照し、プレビューリスト表示部61の詳細について説明する。プレビューリスト表示部61では、楽曲1曲分の波形を、その楽曲の長さ(再生時間)によらず、所定長さの時間軸上に表している。なお、ここで言う「時間軸」とは、時間の経過を直線(軸)に喩えたものであり、実際にGUI上に表示されるものではない。
【0032】
また、プレビューリスト表示部61では、例えば同図(a)に示すように、予め設定されたキューポイント71を、時間軸上に(楽曲波形63に対応させて)表示している。以下、プレビューリスト表示部61の、楽曲波形63およびキューポイント71を含む表示を、「プレビュー表示」と称する。
【0033】
キューポイント71は、楽曲波形63の上側に、下向き三角形で表示される通常キュー71aと、楽曲波形63の下側に、アルファベット付き上向き三角形で表示されるホットキュー71bを含む。前者の通常キュー71aは、予め定められた最大個数まで設定可能であり、PC1のマウス13やDJコントローラー2のタッチパネル26(
図1参照)を用いて選択する。一方、後者のホットキュー71bは、アルファベットA,B,Cに対応して各1箇所を設定可能である。また、ホットキュー71bは、PC1のマウス13やDJコントローラー2のタッチパネル26を用いた操作以外に、DJコントローラー2(プレーヤー部21a,21b)に搭載されたホットキュー専用ボタンA,B,C(図示省略)により直接選択することが可能である。なお、ホットキュー71bの種類および数は任意である。
【0034】
続いて、プレビュー表示のバリエーションについて説明する。
図3(a)は、非楽曲再生時(プレビュー表示を用いた試聴が行われていない状態)におけるプレビュー表示を示している。また、同図(b)は、楽曲再生時におけるプレビュー表示を示している。両図の違いとして明らかなように、楽曲再生時には、同図(b)に示すような停止ボタン73や現在の再生位置(試聴位置)を示す再生位置バーP1を表示する。また、同図(c)に示すように、ループ再生時には、楽曲波形63の右側に、ループ再生を示すループアイコン74を表示する。なお、ループ再生については、キューポイント71の設定と同時に、予め設定されているものとする。
【0035】
次に、
図4を参照し、PC1の機能構成について説明する。PC1は、主な機能構成として、表示制御部110、表示部120、試聴操作部130、再生制御部140、キューポイント設定部150、再生開始設定部160および記憶部170を備えている。なお、これら各部は、いずれもDJ用アプリケーション5によって実現される。
【0036】
表示制御部110は、表示部120の表示制御を行う。表示部120は、プレーヤー表示部41、フォルダ表示部43およびトラックリスト表示部44を含み、各種情報を表示する。このうちトラックリスト表示部44は、請求項の「コンテンツリスト表示部」に相当し、複数の楽曲について、各楽曲のキューポイント71やテキスト情報を含むコンテンツ情報を行単位で表し、且つ列方向に列記したトラックリスト(コンテンツリスト)を表示する。
【0037】
試聴操作部130は、請求項の「操作部」に相当し、トラックリスト表示部44(プレビューリスト表示部61)に表示された複数の楽曲のうち、任意の楽曲の任意のキューポイント71を選択することにより、当該キューポイント71からの再生を開始させる。また、楽曲波形63上における任意の位置を指定することにより、当該任意の位置を基準として楽曲の再生を開始させる。当該楽曲波形63を用いた再生操作については、後述する。
【0038】
再生制御部140は、試聴操作部130の操作にしたがって、楽曲の再生を制御する。なお、プレーヤー表示部41において任意の楽曲の再生中に、プレビューリスト表示部61においてキューポイント71の選択または楽曲波形63上の任意の位置が指定された場合であって、SYNCボタン64(
図2参照)が選択状態である場合、任意の楽曲のBPMおよび拍に同期して再生を行う(プレーヤー表示部41で再生されている楽曲とプレビューリスト表示部61から再生した楽曲とをミキシングして出力する)。なお、特に図示しないが、各楽曲の音量調整ができるように、プレーヤー表示部41用とプレビューリスト表示部61用の2つのボリューム操作子を設けることが好ましい。
【0039】
キューポイント設定部150は、キューボタン51(
図2参照)を含み、キューポイント71(通常キュー71aまたはホットキュー71b)を設定する。再生開始設定部160は、プレビューリスト表示部61において楽曲波形63の任意の位置が指定された場合の動作として、「当該任意の位置から再生を開始する」、「当該任意の位置に最も近い拍位置から再生を開始する」または「当該任意の位置に最も近い小節頭位置から再生を開始する」のいずれかを設定する。再生制御部140は、楽曲波形63上の任意の位置が指定された場合、再生開始設定部160の設定にしたがって再生開始位置を決定する。
【0040】
記憶部170は、コンテンツ情報記憶部171および設定情報記憶部172を含む。コンテンツ情報記憶部171は、DJ用アプリケーション5に登録されている各楽曲の解析情報、タグ情報、キューポイント設定部150により設定されたキューポイント情報を含むコンテンツ情報を不揮発に記憶する。設定情報記憶部172は、再生開始設定部160の設定結果を含む各種設定情報を不揮発に記憶する。
【0041】
次に、
図5ないし
図8を参照し、プレビューリスト表示部61のプレビュー表示を利用して試聴を行う場合の具体的な操作について説明する。なお、プレビュー表示を利用して試聴を行うことを、以下「プレビュー」と称する。また、「プレビュー」の中で、キューポイント71の選択により試聴を行うことを「キューポイント・プレビュー」、楽曲波形63の任意の位置を指定して試聴を行うことを「楽曲波形・プレビュー」と称して区別する。
【0042】
図5は、楽曲波形・プレビューを開始する操作を示している。
図5(a)に示すように、ユーザー(DJ)により、試聴したい楽曲の楽曲波形63の任意の位置にマウス13のカーソルCが重ねられると、その位置に追従して指定位置バーP0を表示する。指定位置バーP0は、例えば白色で表される。また、ユーザーにより、再生を開始したい位置でマウス13の左クリック操作が行われると、そのクリック位置を基準として再生を開始する。再生を開始すると、
図5(b)に示すように、指定位置バーP0は再生位置バーP1に変化し、停止ボタン73を表示する。再生位置バーP1は、例えば緑色で表される。再生位置バーP1は、再生の進行に伴って、随時その位置を更新する。
【0043】
続いて、
図6は、楽曲波形・プレビューの再生位置を変更する操作を示している。
図6(a)に示すように、楽曲の再生中(再生位置:再生位置バーP1にて表示)、ユーザーにより、楽曲波形63の所望の位置にマウス13のカーソルCが重ねられると、その位置に追従して指定位置バーP0を表示する。ユーザーにより、所望の位置でマウス13の左クリック操作が行われると、
図6(b)に示すように、指定位置バーP0は再生位置バーP1に変化し、クリック位置に再生位置がジャンプする。また、元々表示されていた再生位置バーP1を非表示とする。
【0044】
続いて、
図7は、プレビュー再生中に、別の楽曲の楽曲波形・プレビューを行う操作を示している。
図7(a)に示すように、任意の楽曲の再生中(再生位置:再生位置バーP1にて表示)、ユーザーにより、他楽曲の楽曲波形63の所望の位置にマウス13のカーソルCが重ねられると、その位置に追従して指定位置バーP0を表示する。ユーザーにより、所望の位置でマウス13の左クリック操作が行われると、
図7(b)に示すように、指定位置バーP0は再生位置バーP1に変化し、クリック位置に再生位置がジャンプする。また、これに伴い、停止ボタン73も、任意の楽曲から他楽曲の楽曲波形63の隣に移動する。さらに、元々表示されていた再生位置バーP1を非表示とする。
【0045】
続いて、
図8は、プレビュー(キューポイント・プレビューまたは楽曲波形・プレビュー)を止める操作を示している。
図8(a)に示すように、任意の楽曲の再生中(再生位置:再生位置バーP1にて表示)、ユーザーにより、停止ボタン73にカーソルCを合わせてマウス13の左クリック操作が行われると、プレビューを停止し、
図8(b)に示すように、再生位置バーP1および停止ボタン73を非表示とする。
【0046】
なお、特に図示しないが、プレビュー中のトラックがプレーヤー表示部41にロードされた場合、フォルダ表示部43において別のプレイリスト、フォルダなどが選択された場合、またはプレビュー中のトラックが削除された場合も、プレビューを停止する。
【0047】
以上説明したとおり、本実施形態によれば、各楽曲に設定されたキューポイント71を含むコンテンツ情報を行単位で表したトラックリストを表示するため(トラックリスト表示部44,
図2等参照)、トラックリストから直接キューポイント71を選択して再生を開始することができる。つまり、従来のDJ用アプリケーション5では、(1)トラックリスト表示部44から楽曲を選択して、楽曲波形63およびキューポイント71を所定領域に表示させる、(2)キューポイント71を選択して試聴を開始する、といった2段階の手間が必要であったが、このうち(1)の手間を省略することができる。これにより、DJの仕込み作業や現場でのパフォーマンス時における選曲効率を格段に向上させることができる。
【0048】
また、本実施形態では、キューポイント・プレビューだけでなく、楽曲波形・プレビューが可能であるため、キューポイント71を設定していない楽曲であっても、トラックリスト表示部44から直接再生を開始させることができる。また、再生開始設定部160の設定により、楽曲波形・プレビュー開始時の動作として、「当該任意の位置から再生を開始する」、「当該任意の位置に最も近い拍位置から再生を開始する」または「当該任意の位置に最も近い小節頭位置から再生を開始する」のいずれかを設定できるため、さらに利便性が良い。
【0049】
また、楽曲波形63上の任意の位置を指定する際には、カーソルCの位置に合わせて指定位置バーP0を表示するため(
図5(a)等参照)、現在指定されている位置をユーザーが正確に把握することができる。また、楽曲の再生中には、再生位置バーP1を表示するため、ユーザーが現在の再生位置を確認しながら、再生位置を変更したり別の楽曲の試聴を開始させたりすることができる。
【0050】
また、プレーヤー表示部41で楽曲が再生されている状態で、プレビューが開始された場合、プレーヤー表示部41で再生している楽曲のBPMや拍に同期してプレビュー表示している楽曲の再生を行うことができる。これにより、ユーザーは、プレーヤー表示部41で再生している楽曲との相性(不協和音にならないか)を判断でき、選曲に役立てることができる。
【0051】
なお、以下の変形例を採用可能である。
[変形例1]
図9(a)に示すように(キューポイント71の図示省略)、プレビューリスト表示部61において、プレビューを行った再生区間を、楽曲波形63の位置に対応して(楽曲の時間軸上に)バー表示しても良い(符号81参照)。また、この場合、楽曲の再生が所定時間以上継続されたことを条件として、バー表示を行っても良い。この構成によれば、ユーザーは、トラックリスト上で各楽曲の重要な区間を、一目で把握することができる。
【0052】
[変形例2]
また、
図9(b)に示すように(キューポイント71の図示省略)、プレビューリスト表示部61と、テキスト情報表示部62の少なくとも一部を重畳表示しても良い。この場合、テキスト情報表示部62のベースを透過させ、楽曲波形63が視認できるように表示することが好ましい。この構成によれば、トラックリスト表示部44の表示幅を狭めることができる。なお、この場合、シフトキー等の所定キーが押下されたとき、テキスト情報表示部62のテキスト表示を非表示とすることが好ましい。この構成によれば、ユーザーがキューポイント71を選択したり楽曲波形63上の任意の位置を指定したりする場合に、選択・指定操作(左クリック操作)位置が見づらくなることを防止できる。
【0053】
[変形例3]
また、プレビューを行った回数に応じて、対応する楽曲の楽曲波形63の表示色を可変しても良い(図示省略,以下、他の変形例についても同様)。この構成によれば、ユーザーは、トラックリスト上で好みの楽曲または興味のある楽曲を、一目で把握することができる。
【0054】
[変形例4]
また、楽曲に付与されたタグ情報に応じて、対応する楽曲の楽曲波形63の表示色を可変しても良い。この構成によれば、ユーザーは、トラックリストに表示された各楽曲の楽曲波形63から、各楽曲を大まかにイメージすることができる。なお、タグ情報は、テキスト入力等により、ユーザーが任意に付与できる構成としても良い。
【0055】
[変形例5]
また、楽曲波形63上に、BPM変更点、キー変更点、ボーカル再生区間を表示しても良い。表示方法としては、各変更点をライン(バー)で表示したり、再生区間の色を他の区間と区別して表示したりすることが考えられる。この構成によれば、ユーザーは、トラックリスト上で各楽曲のBPM変更点、キー変更点、ボーカル再生区間を、一目で把握することができる。なお、BPM変更点およびキー変更点については、楽曲解析結果を用いて表示可能である。一方、ボーカル再生区間については、ユーザーが手動で設定したものを表示させても良い。
【0056】
[その他の変形例]
上記の実施形態では、楽曲波形63の位置に合わせてキューポイント71を表示したが、楽曲波形63を表示することなく、単に時間軸上にキューポイント71を表示しても良い。この場合、時間軸は表示させても良いし、仮想的に設けても良い(時間軸自体は非表示としても良い)。
【0057】
また、キューポイント71を時間軸上に表示するのではなく、テキスト表示しても良い。例えば、曲頭からの経過時刻を数字にて表示することが考えられる。また、時刻表示ではなく、単に「キューポイント1」、「キューポイント2」・・・、「ホットキューA」、「ホットキューB」のように、キューポイント71の識別情報のみを表示しても良い。
【0058】
また、上記の実施形態では、プレーヤー表示部41で再生している楽曲のBPMや拍に同期してプレビューを行うものとしたが、プレーヤー表示部41とプレビューリスト表示部61の、いずれか一方のみしか出力できない構成としても良い。また、この構成において、プレーヤー再生中にプレビューが開始された場合、プレーヤー再生を一時停止し、プレビュー中にプレーヤー再生が開始された場合、プレビューを一時停止する構成としても良い。この構成によれば、プレーヤー再生またはプレビューを一時停止する手間を省くことができる。
【0059】
また、上記の実施形態では、仕込み用のPCとパフォーマンスに用いるPCを共通のPC1として説明したが、異なるPCであっても良い。その場合、仕込み作業で作成したデータを、USBデバイス等の記憶媒体に格納し、パフォーマンス用の機器に提供すれば良い。また、パフォーマンス時には、PC1とDJコントローラー2に代え、DJプレーヤー(DJ専用の再生機器)を用いても良い。この場合、DJプレーヤーの表示画面に、
図2に示したGUIまたはその一部(トラックリスト表示部44)を表示する。また、DJプレーヤーのみならず、DJミキサー(複数の楽曲のミキシング再生を行うDJ機器)の表示画面に、これらを表示しても良い。
【0060】
また、上記の実施形態では、DJ用アプリケーション5にてキューポイント71を設定したが、DJプレーヤー側(またはDJミキサー側)でキューポイント71を設定可能としても良い。また、設定のみならず、キューポイント71の削除を含む編集操作を可能としても良い。この場合、DJプレーヤー側には、キューポイント71を設定するメモリーボタン、キューポイント71を削除する削除ボタン、Backwardコールボタン(現在再生位置から最も近いBackward方向のキューポイントに移動しキュー待機状態にする)、Forwardコールボタン(現在再生位置から最も近いForward方向のキューポイントに移動しキュー待機状態にする)を搭載すれば良い。さらに、DJプレーヤー側に、プレーヤー表示部41およびブラウズ部42のモード切替ボタンを設けることで、プレビューリスト表示部61に表示されたキューポイント71の選択、設定、編集が可能となる。
【0061】
また、上記の実施形態では、プレビューリスト表示部61のタイトル行にSYNCボタン64を配置したが(
図2参照)、2つのプレーヤー部21(21a,21b,
図1参照)に対応して、「Deck:A」、「Deck:B」など2つのSYNCボタン64を配置しても良い。この構成によれば、どのプレーヤーに同期再生させるかを選択することができる。
【0062】
また、プレビューリスト表示部61で複数の楽曲が選択された場合、同時プレビュー可能としても良い。このとき、複数の楽曲間でBPMや拍を同期して再生することが好ましい。なお、複数の楽曲を選択する場合は、シフトキーを押しながら他の楽曲を選択可能とすれば良い。
【0063】
また、トラックリスト表示部44を、楽曲波形63に基づいてソート可能としても良い。ソート条件としては、楽曲波形63の面積順、平均/最大/最小音圧順などが考えられる。
【0064】
また、上記に示したDJシステムSY(PC1)の各構成要素をプログラムとして提供することが可能である。また、そのプログラムを各種記録媒体(CD−ROM、フラッシュメモリー等)に格納して提供することも可能である。すなわち、コンピューターをDJシステムSYの各構成要素として機能させるためのプログラム、およびそれを記録した記録媒体も、本発明の権利範囲に含まれる。
【0065】
また、上記の実施形態では、本発明のコンテンツ処理装置をDJシステムSYに適用した場合を例示したが、DJ機器以外の再生機器(CD/DVDプレーヤー等)や各種電子機器に適用しても良い。また、コンテンツとして楽曲コンテンツを例示したが、映像コンテンツなど他のコンテンツを扱う電子機器に本発明を適用しても良い。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。