特許第6244219号(P6244219)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6244219再生装置及び方法、並びにコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6244219
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】再生装置及び方法、並びにコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G11B 27/02 20060101AFI20171127BHJP
   G11B 27/10 20060101ALI20171127BHJP
   G10H 1/00 20060101ALI20171127BHJP
   G11B 20/10 20060101ALI20171127BHJP
   G10L 25/51 20130101ALI20171127BHJP
【FI】
   G11B27/02 B
   G11B27/10 A
   G10H1/00 102Z
   G11B20/10 321Z
   G10L25/51 300
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-27317(P2014-27317)
(22)【出願日】2014年2月17日
(65)【公開番号】特開2015-153442(P2015-153442A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2016年12月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】315017409
【氏名又は名称】Pioneer DJ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 康雄
【審査官】 斎藤 眞
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−076151(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/107994(WO,A1)
【文献】 特開2008−257792(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 20/10−20/16
G11B 27/00−27/34
G10H 1/00−7/12
G10L 13/00−13/10;19/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツのループ再生を終了する位置であるループ終了位置を設定する第1設定手段と、
前記第1設定手段によって設定された前記ループ終了位置に基づいて、前記コンテンツのループ再生を開始する位置であるループ開始位置を設定する第2設定手段と、
前記コンテンツのうち前記ループ開始位置及び前記ループ終了位置によって指定されるループ再生区間をループ再生する再生手段と
を備え
前記第1設定手段は、前記ループ終了位置を指定するためのユーザの操作に基づいて、前記ループ終了位置を設定することを特徴とする再生装置。
【請求項2】
前記コンテンツは、楽曲を含んでおり、
前記第1設定手段は、前記ユーザの操作による指定位置の直近に現れる前記楽曲の拍の位置が前記ループ終了位置となるように、前記ループ終了位置を設定する
ことを特徴とする請求項に記載の再生装置。
【請求項3】
前記第2設定手段は、前記第1設定手段によって設定された前記ループ終了位置から前記コンテンツの再生方向とは逆の方向に向かって所定期間だけ遡った位置を、前記ループ開始位置として設定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の再生装置。
【請求項4】
前記第2設定手段は、前記再生手段が前記ループ再生区間を再生する毎に、前記ループ再生区間の長さが半減または増加するように前記ループ開始位置をシフトさせる、請求項1から3のいずれか一項に記載の再生装置。
【請求項5】
コンテンツのループ再生を終了する位置であるループ終了位置を設定する第1設定工程と、
前記第1設定工程によって設定された前記ループ終了位置に基づいて、前記コンテンツのループ再生を開始する位置であるループ開始位置を設定する第2設定工程と、
前記コンテンツのうち前記ループ開始位置及び前記ループ終了位置によって指定されるループ再生区間をループ再生する再生工程と
を備え
前記第1設定工程は、前記ループ終了位置を指定するためのユーザの操作に基づいて、前記ループ終了位置を設定することを特徴とする再生方法。
【請求項6】
コンピュータに請求項5に記載の再生方法を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽曲や映像等のコンテンツを再生する再生装置及び方法、並びにこのような再生装置に用いられるコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル信号に起因した特有の再生処理を行う再生装置として、例えば一般的に普及しているCDプレーヤやDVDプレーヤ等の他に、ターンテーブルの如き操作子を備えたDJ(Disc Jockey)により用いられる専用の機器(DJ機器)が一例として挙げられる。このようなDJ機器の一例は、特許文献1に開示されている。特許文献1には、ループ開始位置とループ終了位置との間のコンテンツであるループ再生区間を繰り返し再生する(つまり、ループ再生する)DJ機器が開示されている。
【0003】
ここで、特許文献1には、ループ開始位置及びループ終了位置の双方がユーザによって指定される例が開示されている。この場合、例えば、楽曲の再生と並行してループ開始位置を指定するためのボタンをDJが押下することで、当該ボタンを押下した時点での楽曲の再生位置がループ開始位置に指定される。同様に、楽曲の再生と並行してループ終了位置を指定するためのボタンをDJが押下することで、当該ボタンを押下した時点での楽曲の再生位置がループ終了位置に指定される。
【0004】
加えて、特許文献1には、ループ開始位置のみがユーザによって指定されると共に、ループ開始位置から所定数の拍に相当する時間が経過した再生位置がループ終了位置として設定される例が開示されている。この場合、例えば、楽曲の再生と並行してループ開始位置を指定するためのボタンをDJが押下することで、当該ボタンを押下した時点での楽曲の再生位置がループ開始位置に指定される。その後、当該ループ開始位置に基づいて、ループ終了位置を指定するユーザの操作の有無によらずに、ループ終了位置が自動的に指定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2008/107994号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、楽曲中のある再生区間を再生している際に、今まで聞いていた再生区間(つまり、既に再生済みの再生区間であって、実質的には過去の再生区間)をループ再生したいという要求にDJがかられることが想定される。例えば、楽曲中のあるメロディーを聴いている際に、今まで聞いていたメロディーをループ再生したいという要求にDJがかられることがある。
【0007】
しかしながら、上述したように、DJは、ループ再生を行うために、少なくともループ開始位置を指定する必要がある。このため、DJは、今まで聞いていた再生区間(つまり、現在の再生位置から見れば、過去の再生区間)をループ再生したいという要求にかられたとしても、過去の再生位置をループ開始位置として指定することができない。このため、今まで聞いていた再生区間をループ再生することができないという技術的問題が生ずる。
【0008】
一方で、DJは、今まで聞いていた再生区間をループ再生したいという要求にかられた場合には、ループ開始位置として指定したい再生位置が再生されることになるように楽曲を巻き戻した上でループ開始位置を指定することで、今まで聞いていた再生区間をループ再生することもできる。しかしながら、楽曲を巻き戻すという手間が必要になってしまうという技術的問題が生ずる。
【0009】
尚、上述した技術的問題は、楽曲のループ再生のみならず、映像等の任意のコンテンツのループ再生において同様に生じ得る。
【0010】
本発明が解決しようとする課題には上記のようなものが一例として挙げられる。本発明は、ユーザがループ開始位置を指定しない場合であってもコンテンツをループ再生することが可能な再生装置及び方法、並びにコンピュータをこのような再生装置として実行させるコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明の再生装置は、コンテンツのループ再生を終了する位置であるループ終了位置を設定する第1設定手段と、前記第1設定手段によって設定された前記ループ終了位置に基づいて、前記コンテンツのループ再生を開始する位置であるループ開始位置を設定する第2設定手段と、前記コンテンツのうち前記ループ開始位置及び前記ループ終了位置によって指定されるループ再生区間をループ再生する再生手段とを備え、前記第1設定手段は、前記ループ終了位置を指定するためのユーザの操作に基づいて、前記ループ終了位置を設定する。
【0012】
上記課題を解決するために本発明の再生方法は、コンテンツのループ再生を終了する位置であるループ終了位置を設定する第1設定工程と、前記第1設定工程によって設定された前記ループ終了位置に基づいて、前記コンテンツのループ再生を開始する位置であるループ開始位置を設定する第2設定工程と、前記コンテンツのうち前記ループ開始位置及び前記ループ終了位置によって指定されるループ再生区間をループ再生する再生工程とを備え、前記第1設定工程は、前記ループ終了位置を指定するためのユーザの操作に基づいて、前記ループ終了位置を設定する。
【0013】
上記課題を解決するために本発明のコンピュータプログラムは、コンピュータに本発明の再生方法を実行させる。
【0014】
本発明のこのような作用及び利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施例のDJ機器の基本構成の一例を示すブロック図である。
図2】本実施例のDJ機器の動作のうち、楽曲データの少なくとも一部に相当するループ再生区間を繰り返し再生する(つまり、ループ再生する)ループ再生動作の流れを示すフローチャートである。
図3】ループ再生動作を、拍の単位で区分されている楽曲上で示す説明図である。
図4】ハーフループ再生動作を、拍の単位で区分されている楽曲上で示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の再生装置及び方法、並びにコンピュータプログラムの夫々の実施形態について順に説明する。
【0017】
(再生装置の実施形態)
<1>
本実施形態の再生装置は、コンテンツのループ再生を終了する位置であるループ終了位置を設定する第1設定手段と、前記第1設定手段によって設定された前記ループ終了位置に基づいて、前記コンテンツのループ再生を開始する位置であるループ開始位置を設定する第2設定手段と、前記コンテンツのうち前記ループ再生位置及び前記ループ終了位置によって指定されるループ再生区間をループ再生する再生手段とを備える。
【0018】
本実施形態の再生装置によれば、第1設定手段がループ終了位置を設定すると共に、第2設定手段がループ開始位置を設定する。ここで、ループ終了位置は、コンテンツのループ再生を終了する位置(例えば、再生位置又は再生時刻)である。また、ループ開始位置は、コンテンツのループ再生を開始する位置である。従って、コンテンツがループ再生される場合には、再生手段は、ループ開始位置及びループ終了位置によって特定されるコンテンツの少なくとも一部(言い換えれば、ループ開始位置からループ終了位置までの間の再生区間)であるループ再生区間をループ再生(つまり、繰り返し再生)する。例えば、コンテンツがループ再生される場合には、まず、再生手段は、ループ開始位置からループ再生区間の再生を開始してもよい。その後、ループ終了位置までのループ再生区間の再生が終了した後には、再生手段は、ループ開始位置からループ再生区間の再生を再び開始してもよい。以降は、ループ再生が終了されるまで、再生手段は同様の動作を継続してもよい。
【0019】
本実施形態では特に、第1設定手段は、第2設定手段によってループ開始位置が設定される前にループ終了位置を設定する。つまり、第2設定手段は、第1設定手段によってループ終了位置が設定された後にループ開始位置を設定する。特に、第2設定手段は、第1設定手段によって設定されたループ終了位置に基づいて、ループ開始位置を設定する。例えば、第2設定手段は、第1設定手段によってループ終了位置が設定された後のループ開始位置を直接的に指定するためのユーザの操作に基づくことに代えて、第1設定手段によって設定されたループ終了位置に基づいて、ループ開始位置を設定してもよい。
【0020】
このように、本実施形態の再生装置によれば、第1設定手段は、ユーザがループ開始位置を指定しない場合であっても、ループ終了位置を設定することができる。更には、第2設定手段は、ユーザがループ開始位置を指定しない場合であっても、第1設定手段によって設定されたループ終了位置に基づいて、ループ開始位置を設定することができる。このため、突如として今まで視聴していた再生区間をループ再生したいという要求にユーザがかられる場合であっても、このような要求にかられた時点でループ終了位置を指定する操作をユーザが行えば、再生手段は、今まで視聴していた再生区間をループ再生することができる。
【0021】
一例として、例えば、今まで視聴していた再生区間をループ再生したいという要求にユーザがかられた時点でループ終了位置を指定する操作をユーザが行えば、当該操作をユーザが行った再生位置(或いは、その近傍)がループ終了位置に設定される。その後、ループ開始位置を直接的に指定するユーザの操作の有無に関わらず、設定されたループ終了位置に基づいて、ループ開始位置が設定される。その結果、ユーザがループ開始位置を直接的に指定しない場合であっても、ループ終了位置及びループ開始位置の双方が好適に設定される。このため、ユーザがループ開始位置を直接的に指定しない場合であっても、ループ再生区間が好適にループ再生される。
【0022】
<2>
本実施形態の再生装置の他の態様では、前記第1設定手段は、前記ループ終了位置を指定するためのユーザの操作に基づいて、前記ループ終了位置を設定する。
【0023】
この態様によれば、第1設定手段は、第2設定手段によってループ開始位置が設定される前に、ループ終了位置を指定する(例えば、直接的に指定する)ユーザの操作に基づいてループ終了位置を設定する。例えば、第1設定手段は、ループ終了位置を指定するユーザの操作が行われた時点でのコンテンツの再生位置(或いは、その近傍)を、ループ終了位置に設定してもよい。
【0024】
<3>
本実施形態の再生装置の他の態様では、前記コンテンツは、楽曲を含んでおり、前記第1設定手段は、前記ユーザの操作による指定位置の直近に現れる前記楽曲の拍の位置が前記ループ終了位置となるように、前記ループ終了位置を設定する。
【0025】
この態様によれば、第1設定手段は、ループ終了位置を指定するユーザの操作が行われた時点でのコンテンツの再生位置(つまり、指定位置)の直近の拍の位置(つまり、拍が現れる再生位置)を、ループ終了位置に設定することができる。従って、第1設定手段は、ループ終了位置が拍位置に同期するように、ループ終了位置を設定することができる。
【0026】
<4>
本実施形態の再生装置の他の態様では、記第2設定手段は、前記第1設定手段によって設定された前記ループ終了位置から前記コンテンツの再生方向とは逆の方向に向かって所定期間だけ遡った位置を、前記ループ開始位置として設定する。
【0027】
この態様によれば、第2設定手段は、第1設定手段によって設定されたループ終了位置に基づいて、ループ開始位置を好適に設定することができる。
【0028】
(再生方法の実施形態)
<5>
本実施形態の再生方法は、コンテンツのループ再生を終了する位置であるループ終了位置を設定する第1設定工程と、前記第1設定工程によって設定された前記ループ終了位置に基づいて、前記コンテンツのループ再生を開始する位置であるループ開始位置を設定する第2設定工程と、前記コンテンツのうち前記ループ再生位置及び前記ループ終了位置によって指定されるループ再生区間をループ再生する再生工程とを備える。
【0029】
本実施形態の再生方法によれば、上述した本実施形態の再生装置が享受する各種利益と同様の利益を享受することができる。尚、上述した本実施形態の再生装置が採り得る各種態様に対応して、本実施形態の再生方法もまた各種態様を採ることができる。
【0030】
(コンピュータプログラムの実施形態)
<6>
本実施形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに上述した本実施形態の再生方法(但し、その各種態様を含む)を実行させる。
【0031】
本実施形態のコンピュータプログラムによれば、上述した本実施形態の再生装置が享受する各種利益と同様の利益を享受することができる。尚、上述した本実施形態の再生装置が採り得る各種態様に対応して、本実施形態のコンピュータプログラムもまた各種態様を採ることができる。
【0032】
本実施形態のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされる。
【0033】
以上説明したように、本実施形態の再生装置は、第1設定手段、第2設定手段及び再生手段を備える。本実施形態の再生方法は、第1設定工程、第2設定工程及び再生工程を備える。本実施形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに本実施形態の再生方法を実行させる。従って、ユーザがループ開始位置を指定しない場合であってもコンテンツをループ再生することができる。
【実施例】
【0034】
以下、図面を参照しながら、本発明の再生装置及び方法、並びにコンピュータプログラムの実施例について説明する。尚、以下では、本発明の再生装置及び方法、並びにコンピュータプログラムが、クラブやディスコ等の舞踏場において、楽曲データに対して様々な特殊効果(イフェクト)を付加しつつ連続的に再生する際に用いられるDJ機器に適用される例を用いて説明を進める。但し、本発明の再生装置及び方法、並びにコンピュータプログラムは、DJ機器以外の任意の再生機器(例えば、音楽データや映像データ等の任意のコンテンツデータを再生可能な再生機器)に適用されてもよい。
【0035】
(1)DJ機器1の基本構成
初めに、図1を参照しながら、本実施例のDJ機器1の基本構成について説明を進める。図1は、本実施例のDJ機器1の基本構成の一例を示すブロック図である。
【0036】
図1に示すように、DJ機器1は、「再生手段」の一具体例である再生部11と、「第1設定手段」及び「第2設定手段」の夫々の一具体例であるシステムコントローラ12と、インタフェース部13とを備える。
【0037】
再生部11は、楽曲データを再生する処理ブロックである。再生部11は、楽曲データ取得部111と、バッファメモリ112と、楽曲データ再生部13とを備える。
【0038】
楽曲データ取得部111は、楽曲データを取得する。例えば、楽曲データ取得部111は、DJ機器1にローディングされる光ディスク(例えば、CDやDVD)に記録された楽曲を取得してもよい。楽曲データ取得部111は、DJ機器1にマウントされる外付けメモリ(例えば、USBメモリやSDカード等)に記録された楽曲を取得してもよい。楽曲データ取得部111は、有線又は無線のネットワークを介してDJ機器1と通信可能な外部機器から、楽曲を取得してもよい。
【0039】
バッファメモリ112は、楽曲データ取得部111が取得した楽曲データを一時的にバッファリングする。更に、バッファメモリ112は、楽曲データ再生部113からの要求に応じて、楽曲データ再生部113が必要とする楽曲データを楽曲データ再生部113に対して出力する。
【0040】
楽曲データ再生部113は、バッファメモリ112にバッファリングされている楽曲データを読み出すと共に、読み出した楽曲データを再生する。或いは、楽曲データ再生部113は、バッファメモリ112にバッファリングされている楽曲データを読み出すことに加えて又は代えて、楽曲データ取得部111から直接的に楽曲データを取得すると共に、当該直接的に取得した楽曲データを再生してもよい。その結果、DJ機器1に接続されたスピーカ等から、楽曲データに応じた楽曲が流れる。このとき、楽曲データ再生部113は、システムコントローラ12の制御の下で、操作部13を介して行われるユーザ(例えば、DJ)の操作に応じた再生態様で、楽曲データを再生する。
【0041】
システムコントローラ12は、マイクロプロセッサ(MPU)を備え、予め設定されているシステムプログラム(ないしは、ファームウェア等)を実行することにより、DJ機器1全体の動作を集中制御する。特に、システムコントローラ12は、操作部13が備える各種操作キー及び各種操作ボタンの操作状態を監視すると共に、操作部13を介して行われるユーザの操作に応じた再生態様で楽曲データが再生されるように楽曲データ再生部113を制御する。
【0042】
インタフェース部13は、ユーザの操作を受け付けると共に、DJ機器1の動作状態をユーザに通知する。インタフェース部13は、例えば、ジョグダイヤル131と、ループアウトポイント指定ボタン132と、表示部133とを備える。
【0043】
ジョグダイヤル131は、両方向に回転自在な円盤形状の操作キーである。ユーザがジョグダイヤル131の回転方向と回転速度を適宜に変化させて操作することで、楽曲データの再生態様が適宜変化する。
【0044】
ループアウトポイント指定ボタン132は、後述のループ再生を行うためのループアウトポイント(言い換えれば、ループ再生を終了する時刻又は位置)を指定するためにユーザによって操作される操作ボタンである。楽曲データの再生中に、ユーザがループアウトポイント指定ボタン132を押下すると、該押下した時点での楽曲データの位置(つまり、再生位置)がループアウトポイントに指定される。
【0045】
表示部133は、楽曲データの再生に伴う各種情報を表示する。例えば、表示部133は、現在再生している楽曲データのタイトルや、現在再生している楽曲データの経過時間(即ち、現在の再生時間)等を表示してもよい。
【0046】
(2)DJ機器1によるループ再生動作の流れ
続いて、図2及び図3を参照しながら、本実施例のDJ機器1の動作について説明する。以下では特に、本実施例のDJ機器1の動作のうち、楽曲データの少なくとも一部に相当するループ再生区間を繰り返し再生する(つまり、ループ再生する)ループ再生動作について説明する。図2は、本実施例のDJ機器1の動作のうち、楽曲データの少なくとも一部に相当するループ再生区間を繰り返し再生する(つまり、ループ再生する)ループ再生動作の流れを示すフローチャートである。図3は、ループ再生動作を、拍の単位で区分されている楽曲上で示す説明図である。
【0047】
図2に示すように、楽曲データの再生中に、システムコントローラ12は、ループアウトポイント指定ボタン132がユーザによって押下されたか否かを判定する(ステップS11)。
【0048】
ステップS11の判定の結果、ループアウトポイント指定ボタン132がユーザによって押下されていないと判定される場合には(ステップS11:No)、システムコントローラ12は、ループアウトポイント指定ボタン132がユーザによって押下されたか否かの判定を継続する。
【0049】
他方で、ステップS11の判定の結果、ループアウトポイント指定ボタン132がユーザによって押下されたと判定される場合には(ステップS11:Yes)、システムコントローラ12は、ループアウトポイント指定ボタン132を用いたユーザの操作に基づいて、ループアウトポイントを設定する(ステップS12)。具体的には、システムコントローラ12は、ユーザがループアウトポイント指定ボタン132を押下したタイミングで現れる楽曲の拍の位置(例えば、拍の終端部)を、ループアウトポイントに設定する。例えば、図3(a)に示すように、#k番目の拍が現れるタイミングでループアウトポイント指定ボタン132がユーザによって押下されたとする。この場合、図3(b)に示すように、#k番目の拍がループアウトポイントに設定される。尚、図3(b)に示す例では、ユーザがループアウトポイント指定ボタン132を押下したタイミングで現れる拍(#k番目の拍)の終端部がループアウトポイントに設定されている。しかしながら、ユーザがループアウトポイント指定ボタン132を押下したタイミングで現れる拍の任意の位置(例えば、当該拍の始端部や、当該拍に対応する裏拍の位置等)がループアウトポイントに設定されてもよい。
【0050】
但し、システムコントローラ12は、ユーザがループアウトポイント指定ボタン132を押下したタイミングで現れる拍の位置に加えて又は代えて、ユーザがループアウトポイント指定ボタン132を押下した時点で再生されている楽曲の再生位置の近傍に位置する任意の位置を、ループアウトポイントに設定してもよい。例えば、システムコントローラ12は、ユーザがループアウトポイント指定ボタン132を押下したタイミングで現れる拍の直前又は直後に位置する別の拍の位置を、ループアウトポイントに設定してもよい。例えば、システムコントローラ12は、ユーザがループアウトポイント指定ボタン132を押下したタイミングで再生されている小節若しくは拍節中の任意の位置(例えば、開始位置又は終了位置)を、ループアウトポイントに設定してもよい。或いは、システムコントローラ12は、ユーザがループアウトポイント指定ボタン132を押下した時点で再生されている楽曲の再生位置そのものを、ループアウトポイントに設定してもよい。いずれにせよ、ループアウトポイントは、ユーザの操作に基づいて設定される。
【0051】
その後、システムコントローラ12は、ステップS12で設定したループアウトポイントに基づいて、ループ再生を行うためのループインポイント(言い換えれば、ループ再生を開始する時刻又は位置)を設定する(ステップS13)。このとき、システムコントローラ12は、ループインポイントを指定するためのユーザの操作(典型的には、特定の再生位置をループインポイントに直接的に指定するためのユーザの特別な操作)が行われない場合であっても、ループインポイントを設定する。言い換えれば、システムコントローラ12は、ループインポイントを直接的に指定するためのユーザの操作の有無に関わらずに、ループインポイントを設定する。更に言い換えれば、システムコントローラ12がループインポイントを指定するためには、ループインポイントを直接的に指定するためのユーザの操作は必要とされない。
【0052】
具体的には、システムコントローラ12は、ステップS12で設定したループアウトポイントから、楽曲データの再生方向(順方向)とは逆方向に向かって所定期間だけ遡った位置を、ループインポイントに設定する。例えば、システムコントローラ12は、ループアウトポイントから楽曲データの再生方向とは逆方向に向かって、所定数の拍に相当する期間だけ遡った位置を、ループインポイントに設定してもよい。例えば、図3(c)に示すように、システムコントローラ12は、ループアウトポイントから楽曲データの再生方向とは逆方向に向かって、4拍(或いは、8拍)に相当する期間だけ遡った位置である#k−3番目の拍の始端部(或いは、当該拍の終端部や当該拍の裏拍の位置等の任意の再生位置)を、ループインポイントに設定してもよい。或いは、上述したように楽曲データに代えて映像データを再生するDJ機器1である場合には、システムコントローラ12は、ループアウトポイントから楽曲データの再生方向とは逆方向に向かって、映像データが示す映像のフレームレートに応じた期間(例えば、フレームレート×4/(平均BPM×60)又はフレームレート×4/(平均BPM/60))だけ遡った位置を、ループインポイントに設定してもよい。
【0053】
その後、システムコントローラ12は、ステップS13で設定されたループインポイントとステップS12で設定されたループアウトポイントとの間のループ再生区間がループ再生されるように、楽曲データ再生部113を制御する。言い換えれば、システムコントローラ12は、楽曲データのうちループインポイントとループアウトポイントとの間のループ再生区間に対応する少なくとも一部の楽曲データがループ再生されるように、楽曲データ再生部113を制御する。その結果、楽曲データ再生部113は、ループ再生区間をループ再生する(ステップS14)。例えば、図3(d)に示すように、楽曲データ再生部113は、#k−3番目の拍から#k番目の拍を含むループ再生区間をループ再生する。
【0054】
以上説明したように、本実施例のDJ機器1は、ループインポイントを直接的に指定するための操作をユーザが行わない場合であっても、ループアウトポイントを設定することができる。更には、本実施例のDJ機器1は、ループインポイントを直接的に指定するための操作をユーザが行わない場合であっても、ループアウトポイントに基づいてループインポイントを設定することができる。つまり、本実施例のDJ機器1は、ループアウトポイントを指定するための操作をユーザが行えば、ループアウトポイント及びループインポイントの双方を設定することができる。このため、突如として今まで視聴していた再生区間をループ再生したいという要求にユーザがかられる場合であっても、このような要求にかられた時点でループアウトポイント指定ボタン132をユーザが押下すれば、DJ機器1は、今まで視聴していた再生区間をループ再生することができる。
【0055】
(3)DJ機器1によるハーフループ再生動作
続いて、図4を参照しながら、本実施例のDJ機器1の動作の他の例について説明する。以下では、本実施例のDJ機器1の動作のうち、ループ再生区間の長さを徐々に縮小していく(典型的には、半減させていく)ハーフループ再生動作について説明する。図4は、ハーフループ再生動作を、拍の単位で区分されている楽曲上で示す説明図である。
【0056】
図4(a)から図4(d)に示すように、ハーフループ再生動作は、ループ再生区間を1回再生する毎にループ再生区間の長さを半減させながら、ループ再生区間をループ再生する動作である。本実施例では特に、ハーフループ再生動作は、ループアウトポイントを固定する一方でループインポイントをシフトさせる(言い換えれば、変更する)ことでループ再生区間の長さを半減させながら、ループ再生区間をループ再生する動作である。
【0057】
例えば、図4(a)に示すように、上述の図2のステップS12で説明した動作によって#k番目の拍がループアウトポイントに設定され、その後、上述の図2のステップS13で説明した動作によって#k−3番目の拍がループインポイントに設定されるものとする。この場合、図4(a)に示すように、まずは、楽曲データ再生部113は、システムコントローラ12の制御の下で、#k−3番目の拍から#k番目の拍を含む(つまり、4つの拍を含む)ループ再生区間を再生する。その後、図4(b)に示すように、システムコントローラ12は、#k−3番目の拍に代えて#k−1番目の拍を新たなループインポイントに設定することで、ループ再生区間の長さを半減させる。その結果、楽曲データ再生部113は、システムコントローラ12の制御の下で、#k−1番目の拍から#k番目の拍を含む(つまり、2つの拍を含む)ループ再生区間を再生する。その後、図4(c)に示すように、システムコントローラ12は、#k−1番目の拍に代えて#k番目の拍を新たなループインポイントに設定することで、ループ再生区間の長さを半減させる。その結果、楽曲データ再生部113は、システムコントローラ12の制御の下で、#k番目の拍を含む(つまり、1つの拍を含む)ループ再生区間を再生する。
【0058】
尚、上述の説明では、DJ機器1は、ループ再生区間を1回再生する毎にループ再生区間の長さを半減させている。しかしながら、DJ機器1は、ループ再生区間を1回再生する毎にループ再生区間の長さを所定量だけ又は所定割合だけ半減させてもよい。或いは、DJ機器1は、ループ再生区間を1回再生する毎にループ再生区間の長さを所定量だけ又は所定割合だけ半減させることに加えて又は代えて、ループ再生区間を1回再生する毎にループ再生区間の長さを所定量だけ又は所定割合だけ増加させてもよい。
【0059】
また、上述の説明では、DJ機器1は、ループアウトポイントを固定する一方でループインポイントをシフトさせることでループ再生区間の長さを変えている。しかしながら、DJ機器1は、ループアウトポイントを固定する一方でループインポイントをシフトさせることに加えて又は代えて、ループインポイントを固定する一方でループアウトポイントをシフトさせることで、ループ再生区間の長さを変えてもよい。
【0060】
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう再生装置及び方法、並びにコンピュータプログラムもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0061】
1 DJ機器
11 再生部
12 システムコントローラ
13 操作部
132 ループアウトポイント指定ボタン
図1
図2
図3
図4