特許第6244275号(P6244275)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6244275
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】包装用箱及びそのブランクシート
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/42 20060101AFI20171127BHJP
   B65D 5/44 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   B65D5/42 B
   B65D5/42 C
   B65D5/44 M
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-140966(P2014-140966)
(22)【出願日】2014年7月9日
(65)【公開番号】特開2016-16889(P2016-16889A)
(43)【公開日】2016年2月1日
【審査請求日】2016年3月22日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391026276
【氏名又は名称】株式会社タイヨーパッケージ
(74)【代理人】
【識別番号】100181881
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 俊一
(72)【発明者】
【氏名】松本 千春
【審査官】 植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3185841(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3172099(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0088731(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/00−5/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の仕切面に囲まれた閉鎖空間を備える包装用箱であって、
前記複数の仕切面のいずれかに開封部を備え、
前記複数の仕切面のいずれか一面又は連続する複数の仕切面の位置に、当該仕切面、当該仕切面に連続して折り重なる折重ね片及び最内層の目隠し片を含む重合部を備え、
前記重合部に当該重合部を構成する仕切面から前記折重ね片へ連続するタグ部を一体的に備え、
前記タグ部の周囲に切込を備え、
前記目隠し片は、当該ブランクシートを組み立てた際に前記タグ部の全域を覆う目隠し部を備え且つ前記折重ね片の前記タグ部を避けた領域に接着する糊付け部を備える糊代片であることを特徴とする包装用箱。
【請求項2】
前記タグ部の中間部に、前記仕切面又は前記折重ね片に向けて凸となる弓状切込を、前記仕切面と前記折重ね片との境界線に沿って設けた前記請求項1に記載の包装用箱。
【請求項3】
閉鎖空間を構成する複数の仕切面と、
前記複数の仕切面のいずれか一面又は連続する複数の仕切面の位置に、当該仕切面と共に重合部を構成する折重ね片と、
当該折重ね片及び前記重合部を構成する前記仕切面と共に最内層として当該重合部を構成する目隠し片を連続して備え、
前記重合部に当該重合部を構成する仕切面から前記折重ね片へ連続するタグ部を一体的に備え、
前記タグ部の周囲に切込を備え、
前記目隠し片は、当該ブランクシートを組み立てた際に前記タグ部の全域を覆う目隠し部を備え且つ前記折重ね片の前記タグ部を避けた領域に接着される糊付け部を備える糊代片であることを特徴とする包装用箱のブランクシート。
【請求項4】
前記タグ部の中間部に、前記仕切面又は前記折重ね片に向けて凸となる弓状切込を、前記仕切面と前記折重ね片との境界線に沿って設けた前記請求項3に記載の包装用箱のブランクシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品に関する情報を記すタグを一体的に備える包装用箱及びそのブランクシートに関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品などを内包する包装用箱の分野では、内容物を包装用箱から取り出し、例えば、PTP(Press Through Package)シートの状態で調剤棚に保管する場合に、当該PTPシートを包装箱に印刷された情報と結びつけるため、包装箱の特定の部分をタグとして切り取り、当該PTPシートに添付し又は調剤棚所定の保管位置に貼り付けることが慣習上行われている。
従来、この様な作業の便宜として、内容物に関する情報を記したタグを一体的に含み且つ当該タグを取り外し容易とする構成を持つ包装用箱が、下記特許文献をはじめとして種々提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案公報第3184604号公報
【特許文献2】実用新案公報第3172099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1に記載の技術は、タグを切り離すと、その領域が開放してしまい内部が露出すると言う問題がある。
一方、前記特許文献2に記載の技術は、内部が露出することはないものの、二重構造である外側片に十分な寸法が無い場合には、そこに記載し得る情報量が制限され、タグやカードとしての機能が十分に果たせないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであって、タグを切り離してもその部分が開口せず、十分な情報を記載した切り離し可能なタグを一体的に備え得る構造を持った包装用箱及びそのブランクシートの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく為された本発明による包装用箱は、複数の仕切面に囲まれた閉鎖空間を備える包装用箱であって、前記複数の仕切面のいずれかに開封部を備え、前記複数の仕切面のいずれか一面又は連続する複数の仕切面の位置に、当該仕切面、当該仕切面に連続して折り重なる折重ね片及び最内層の目隠し片を含む重合部を備え、前記重合部に当該重合部を構成する仕切面から前記折重ね片へ連続するタグ部を一体的に備え、前記タグ部の周囲に切込を備えることを特徴とする。
【0007】
上記課題を解決すべく為された本発明による包装用箱のブランクシートは、閉鎖空間を構成する複数の仕切面と、前記複数の仕切面のいずれか一面又は連続する複数の仕切面の位置に、当該仕切面と共に重合部を構成する折重ね片と、当該折重ね片及び前記重合部を構成する前記仕切面と共に最内層として当該重合部を構成する目隠し片を連続して備え、前記重合部に当該重合部を構成する仕切面から前記折重ね片へ連続するタグ部を一体的に備え、前記タグ部の周囲に切込を備えることを特徴とする。
尚、前記包装用箱又はそのブランクシートのいずれにあっても、前記タグ部の中間部に、前記仕切面又は前記折重ね片に向けて凸となる弓状切込を、前記仕切面と前記折重ね片との境界線に沿って設けた構造を採ることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明による包装用箱及びそのブランクシートによれば、タグを切り離したとしても、その領域が開放してしまうことがなく、内容物を露出することなく収容し続けることができる。
また、当該箱体の一側面にタグとして機能し得る十分な寸法が無い場合にあっても、当該箱体の保形強度を失することなく、十分な情報記載領域が確保されたタグを分離することができる。
【0009】
更に、前記折重ね片の連結位置を工夫すれば、その折曲げ方向を組み立て時における各構成面の折曲げ方向と一致させることによって比較的容易に機械貼り又は自動充填機にかけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明による包装用箱の機能の一例を示す斜視図である。
図2】本発明による包装用箱から離脱したタグ部の(A):屈曲状態(B):表面及び(C):裏面の一例を示す説明図である。
図3】本発明による包装用箱の一例を示す(A):正面図及び(B):背面図である。
図4】本発明による包装用箱の一例を示す(A):平面図及び(B):底面図である。
図5】本発明による包装用箱の一例を示す(A):左側面図及び(B):右側面図である。
図6】本発明による包装用箱のブランクシートの一例を示す(A):右側面図、(B):平面図、(C):正面図(背面図)、(D):底面図(E):及び左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明による包装用箱の実施の形態を、そのブランクシートの実施の形態と共に詳細に説明する。
本発明による包装用箱は、複数の仕切面に囲まれた閉鎖空間を備える包装用箱であって、前記複数の仕切面のいずれかに、包装用箱を開封し内容物を取り出し得る措置が施された開封部Oを備え、前記複数の仕切面のいずれか一面又は連続する複数の仕切面の位置に、当該仕切面、当該仕切面に連続して折り重なる折重ね片1及び最内層の目隠し片2を含む重合部Lを備え、前記重合部Lに当該重合部Lを構成する仕切面から前記折重ね片1へ連続するタグ部3を一体的に備え、前記タグ部3の周囲に切込4を備えるものである。
【0012】
一方、上記包装用箱のブランクシートは、閉鎖空間を構成する複数の仕切面と、前記複数の仕切面のいずれか一面又は連続する複数の仕切面の位置に、当該仕切面と共に重合部Lを構成する折重ね片1と、当該折重ね片1及び前記重合部Lを構成する前記仕切面と共に最内層として当該重合部Lを構成する目隠し片2を連続して備え、前記重合部Lに当該重合部Lを構成する仕切面から前記折重ね片1へ連続するタグ部3を一体的に備え、前記タグ部3の周囲に切込4を備えるものである。
【実施例】
【0013】
[ブランクシート]
図6に示すブランクシートは、直方体状の包装用箱を形作るものであって、箱体Xの側方を封じる側部A、当該側部Aを筒状に保形する糊代片、前記側部Aで仕切られる箱体Xの上下を封じる天部B及び底部(下仕切面)C並びに前記糊代片の表側に重合する(重ね順は問わない)前記折重ね片1を連結して備える。
【0014】
前記側部Aは、後側面5、左側面6、前側面7、及び右側面8からなる四側面(四仕切面)を一列に連続して備える。
当該例では、前記後側面5と前記前側面7及び前記左側面6と前記右側面8は、大きさと形が略等しい方形状である。
【0015】
前記糊代片は、前記四側面の列の一端から延出する形で形作り、前記折重ね片1は、前記四側面の列の他端から延出する形で形作る。
前記糊代片は、当該ブランクシートを組み立てた際に前記タグ部3の全域を覆う目隠し部aを備え、且つ前記折重ね片1における前記タグ部3を避けた領域(特に開封位置の周辺領域)に糊付け部bを備える。上記構成により、当該糊代片が前記目隠し片2(以下「糊代片2」と記す)となる。
上記構成を確保すべく、図1に示すブランクシートは、開封される前記天部Bの近傍に糊付け部bを設ける。開封されない前記底部Cの近傍は、切り欠いた形状としてもよい。
【0016】
前記折重ね片1は、連続する(右)側面よりも寸法の小さい方形状に裁断する。当該折重ね片1及び側面と共に構成される前記重合部Lの強度や体裁に、その全面に渡る均一性を与えるには、前記折重ね片1と相重なる側面とのサイズ差はできるだけ少ないことが望ましい。
場合によっては、前記折重ね片1に、前記タグ部3の形成及び糊付け領域を確保する支障とならない程度に適宜ブランク(孔など)を設けても良い。
【0017】
前記タグ部3は、前記折重ね片1と前記右側面8の境界線αを挟む両側に連なる形で形成される。
図に示す例の前記タグ部3は、前記境界線αに沿って、前記右側面8から前記折重ね片1に向けて凸となる弓状切込9を備える。
当該弓状切込9は、前記重合部Lを構成する前記右側面8から折曲げ線(前記境界線α)を介して隣接する側面(この例では右側面8)へ連なって設けることによって前記弓状切込9で切り出された凸部cが浮き上がり、前記タグ部3を切り離す際の手掛かりとなる(例えば図1又は図2(A)参照)。当該弓状切込9の長さ(前記境界線αに沿う上下方向の長さ)は、前記手掛かりとしての機能を果たし且つ当該弓状切込9の存在により前記タグ部3が破断しない程度の長さ及び位置とし、例えば、前記タグ部3の幅の約1/3から約1/2の長さを中間部に設けるなどの構造とすればよい。
【0018】
前記タグ部3を囲む切込4は、二列の間欠切込を互い違いに並設してなる複切込mと、一列の間欠切込からなる単切込sとで構成される。
図5に示すタグ部3は、前記右側面8と前記折重ね片1との境界線αを挟んで、当該境界線αに対して直角方向両側へ長方形状に連なる様に成形されている。
前記タグ部3を囲む切込4は、前記右側面8(最も表側にある面)の側にあっては、上下辺の中間部大部分を前記複切込mとし、左右両端部を単切込sとし、前記折重ね片1(最も表側にある面の下となる面)の側にあっては、全てを単切込sとする。
【0019】
前記複切込mは、二列の間隔を、当該ブランクシートの紙厚に略等しく設定することによって(例えば紙厚に対して0.5mm程度増減した幅)、輸送時や積上げ時に破断が生じ難く、破断時にあっては、容易に且つ見た目良く破断できることとなる。
上記切込4の存在により、組立時における折曲げ部位が正規の折曲げ部位(例えば前記境界線α)から逸れることが無いように、前記タグ部3を囲む切込4と組立時の折曲げ部位が紙厚の八倍から十二倍長以内に近接する場合には、当該近接領域における正規の折曲げ部位に曲げ切込eを適宜設けることが望ましい。
【0020】
前記後側面5は、前記側面部Aで仕切られる箱体Xの開口部を封じるために、前記後側面5の上端縁に前記天部Bを構成する蓋片(上仕切面)10を備え、下端縁に沿って前記底部Cを構成する底封止片11を備える。
前記蓋片10は、前記側面部Aで仕切られる箱体Xの開口部に、前記前側面7に沿って差し入れる差込片12を、当該蓋片10の先端縁に沿って備える。前記差込片12は、前記箱体Xの開口部への差し入れを容易にすべく、前記差込片12の先端部を滑らかな先細りに成形することが望ましい。
【0021】
前記前側面7は、その下端縁に沿って前記底部Cを構成する底封止片13を備え、その上端中間部を分断する開封破断線14を備える。
前記開封破断線14は、前記前側面7の上縁中間部から前側面7の中央に向けて指先サイズの逆台形状に切り込まれたミシン目であり、当該開封破断線14に囲まれたエリアに貫入部を形成する。
【0022】
前記底封止片11,13は、前記後側面5及び前記後側面7の下端縁から延出する。
前記底封止片11,13は、その先端の片側半分に、前記下端縁と平行な差込縁βを備え、前記先端の他の半分に、前記下端部と平行な係り縁γを備える。
【0023】
前記下端縁から前記係り縁γに至る長さは、前記左側面6及び前記右側面8の奥行き(全幅)の半分に相当する長さに設定し、前記差込縁βから前記下端縁に至る長さは、それよりも十分長く且つ前記左側面6及び前記右側面8の奥行き(全幅)未満とする。
前記係り縁γは、前記他の半分の前記差込縁β寄り半分に位置し、残る当該係り縁γと等しい幅の領域に、三角形状の底糊代15を延設する。当該底糊代15の先端は、前記差込縁βの延長線上に配置する様に成形する。
ブランクシートの状態で、前記前側面7及び前記後側面5について下端縁の左右同じ側に前記差込縁βを配置することによって、組み立てた際に、双方の差込縁β,βが食い違うこととなる。
【0024】
前記左側面6と前記右側面8は、開口部に向けて屈曲する左右フラップ16,17,18,19を、各々の上下端縁に沿って備える。
前記左側面6と前記右側面8の上縁から延出する各フラップ16,17は、各々台形状であり、前記左側面6と前記右側面8の下縁から延出する各フラップ18,19は、各々三角形状である。各フラップ16,17,18,19は、前記後側面5及び前記前側面7の幅に対して、各々略半分未満の長さとする。
【0025】
[組み立て]
前記ブランクシートの組み立て(立体化)は、先ず、前記折重ね片1を前記右側面8に接着する折重ね行程を行う。この際、前記タグ部3を避けて糊を塗布し両者の接着を行う。
続いて、前記ブランクシートの前記糊代片2、前記後側面5、前記左側面6、前記前側面7及び前記右側面8を各々の境界において夫々同じ方向へ直角に折り曲げ、前記糊代片2の糊付け部bに糊を塗布し、前記折重ね片1の前記タグ部3以外の箇所と接着し筒状の箱体Xを形成する立体化行程を行う。
この際、前記糊代片2の糊付け部bと前記右側面8の前記タグ部3以外の箇所と接着することも可能であるが、前記折重ね行程と前記立体化行程の折曲げ方向を等くすることが望ましい。
【0026】
次に、当該箱体Xの前記左側面6及び前記右側面8の下端縁から延出する前記左フラップ18及び前記右フラップ19を当該箱体Xの下開口部に向けて略直角に折り、前記後側面5及び前記前側面7の下端縁から延出する前記底封止片11,13を、それぞれ前記左フラップ18及び前記右フラップ19の上に向けて略直角に折重ね、両底封止片11,13の前記底糊代15,15を相互に相手方の表側に残し、両底封止片11,13の前記差込縁β,βのみを相互に相手方及び前記左フラップ18又は前記右フラップ19の前記係り縁γから裏側へ差し入れ、且つ箱体Xの直方体形状を維持する様に、前記左フラップ18及び前記右フラップ19とそれらの表側に重なる前記底糊代15,15を糊で接着する下封鎖行程を行う。
当該下封鎖行程によって、底部Cを形成する。
【0027】
内容物の充填を経て、最後に、前記左側面6及び前記右側面8の上端縁から延出する左右フラップ16,17を上開口部に向けて略直角に折り、前記後側面5の上端縁から延出する前記蓋片10を前記左右フラップ16,17の上に向けて略直角に折り重ね、前記蓋片10の端縁から延出する前記差込片12を前記前側面7に沿って差し入れて糊付けし当該箱体Xを封鎖する(図3(A)又は図4(A)参照)。
以上を以って、内容物が充填され封鎖された包装用箱が完成する。
上記組立方法によれば、上記ブランクシートを前記自動充填機に掛けることができる。
【0028】
[開封]
上記の如く封鎖された包装用箱は、前記前側面7の上端部に設けられた前記貫入部を指先で押し入れ、更に、引き上げることによって、前記前側面7の上位に設けた前記開封破断線14を破断し、当該蓋片10が後方へ起立する状態で開封される。
【0029】
[タグ部の切り離し]
また、前記包装用箱は、前記凸部cを指先などに引っ掛けてその近傍を前記箱体Xの表面から浮き上がらせ、浮き上がった部分を摘んで引き剥がすことによって、前記タグ部3周囲の切込4が破断し、二つ折り状態にある前記タグ部3を箱体Xから容易に切り離すことができる(図1参照)。
特に、前記右側面8と前記折重ね片1との境界を横断する切込4を一連の切込とすることによって、前記凸部cの引き上げが容易となり、最も表側の面に設ける切込4として、前記複切込mを採用することによって、想定外の破断を防止する効果を得つつ、必要に応じた破断が容易で見栄えの良いものとなる。
【0030】
切り離された前記タグ部3は、その折り目を伸ばすことによって、内容物情報を記した表示部dが一見で目視できる短冊状のタグとなる(図2参照)。
前記箱体Xは、二つ折りの前記タグ部3が離脱した部分が欠け、前記糊代片2の前記目隠し部aが露出するものの、内容物の露出は回避できる。そして、前記目隠し部aの表面に離脱した部分と等しい図柄等の印刷をしておけば、離脱後の体裁も良好となる。
また、前記重合部Lの見かけ面積が狭くとも、相連続する前記折重ね片1と側面が、前記目隠し部aを有する前記糊代片2上で折り重なり、前記側面の長さ又は幅を超える寸法の前記タグ部3をその寸法に応じて前記側面の寸法が許す限り一枚又は複数枚得ることができる。
【0031】
尚、前記タグ部3は、包装用箱を構成する面の単一面に限るものではなく、単一面の面積で不足する場合には、連続する複数面に亘る前記折重ね片を設けることも可能である。
その際、前記糊代片(目隠し片)2は、上記実施例と同様に、前記糊付け部bと前記目隠し部aを設ければ良い。
また、切込4の態様にあっては、最も表側の面に設ける切込4として、前記複切込mを採用することが望ましく、前記折重ね片1の折曲げ線(例えば前記境界線αの様な箇所)に沿って、当該折重ね片1と隣接する面から当該折重ね片1に向けて凸となる弓状切込9を備えれば、前記タグ部3を切り離す際の手掛かりとなる。
【0032】
なお、この発明は上記実施例に限定されるものではなく、前記タグ部3の形態や数又は前記側部A、前記天部B若しくは前記底部Cの構成などを、適宜変更することが可能である。
包装用箱の材質は、紙やプラスチック等、自由に選択可能である。折曲げ線や切込の形状は、材質や機能や位置に合わせて変更可能である。
【符号の説明】
【0033】
O 開封部,X 箱体,L 重合部,
A 側部,B 天部,C 底部,
a 目隠し部,b 糊付け部,
c 凸部,m 複切込,s 単切込,d 表示部,e 曲げ切込,
α 境界線,β 差込縁,γ 係り縁,
1 折重ね片,2 目隠し片(糊代片),3 タブ部,4 切込,
5 後側面,6 左側面,7 前側面,8 右側面,
9 弓状切込,10 蓋片,12 差込片,
11,13 底封止片,14 開封破断線,15 底糊代,
16,17,18,19 フラップ,
図1
図2
図3
図4
図5
図6