特許第6244281号(P6244281)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6244281エレベータの昇降体の重量測定方法及び重量測定装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6244281
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】エレベータの昇降体の重量測定方法及び重量測定装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/00 20060101AFI20171127BHJP
【FI】
   B66B5/00 D
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-185604(P2014-185604)
(22)【出願日】2014年9月11日
(65)【公開番号】特開2016-56012(P2016-56012A)
(43)【公開日】2016年4月21日
【審査請求日】2016年7月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】仁杉 建次
(72)【発明者】
【氏名】加藤 紀幸
(72)【発明者】
【氏名】黒木 大輔
【審査官】 今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−308261(JP,A)
【文献】 特開2005−082253(JP,A)
【文献】 発明協会公開技報公技番号2003−505525
【文献】 発明協会公開技報公技番号2001−005645
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 5/00 − 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降路上部の機械室床面に形成された開口部に挿入されたメインロープによって吊り下げられた昇降体を備えたエレベータの昇降体の重量測定方法において、前記メインロープをくさび形状部で挟み、前記昇降体を降下させて、前記メインロープにかかる荷重を前記開口部に設置され前記くさび形状部の下部に設置された測定部にかけることで前記昇降体の重量を測定するエレベータの昇降体の重量測定方法。
【請求項2】
請求項1に記載のエレベータの昇降体の重量測定方法において、前記昇降体は前記エレベータの乗りかごであって、この乗りかごの降下は、この乗りかごに予定の重量のテストウエイトを載せることで前記乗りかごが自重で降下することであるエレベータの昇降体の重量測定方法。
【請求項3】
請求項1に記載のエレベータの昇降体の重量測定方法において、前記昇降体の降下は、巻上機を動作させることによる降下であるエレベータの昇降体の重量測定方法。
【請求項4】
エレベータの昇降体を吊り下げるメインロープを挟むことでくさび形状が形成されるくさび形状部と、前記メインロープを挟んで互いに対向して配置され、それぞれの受圧面を構成する斜面部が前記くさび形状部の斜面部に対向するように配置される一対の測定部と、前記測定部に内蔵された重量計とを有する重量測定器を備えたエレベータの昇降体の重量測定装置
【請求項5】
請求項4に記載のエレベータの昇降体の重量測定装置において、前記重量測定器に接続され、前記一対の測定部によって測定された前記昇降体の重量を表示する表示部を有する表示装置を備えたエレベータの昇降体の重量測定装置。
【請求項6】
請求項に記載のエレベータの昇降体の重量測定装置において、前記重量測定器の下部に固定された荷重分散板を備えたエレベータの昇降体の重量測定装置。
【請求項7】
請求項に記載のエレベータの昇降体の重量測定装置において、前記くさび形状部及び前記重量測定器は分解可能であるエレベータの昇降体の重量測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータの昇降体の重量測定方法及び重量測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの乗りかごの重量を、乗りかごを昇降路から取り外さずに乗りかごの重量を測定する従来技術が特許文献1に開示されている。この従来技術に開示された乗りかご重量測定方法を説明する。
【0003】
昇降路内で一対のガイドレール間に取り付けられる固定枠と、この固定枠に載置された複数の油圧式のジャッキと、これらのジャッキによって押し上げられる迫り上げ台と、迫り上げ台の下部に載置された荷重センサと、この荷重センサに乗かごを移動させるメインロープを掴む掴み具とを備えた重量測定装置によって乗りかご重量を測定する。
【0004】
そして、乗かごを吊り下げているメインロープの部分を掴み具で堅固につかみ、この状態でジャッキを作動させて迫り上げ台を上昇させて、迫り台の下部に設けた荷重センサを介して掴み具を引き上げ、この掴み具の引き上げ動作に応じて作動する荷重センサによって乗かごの重量を測定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−226052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術は、乗りかごの重量測定のために、昇降路内に重量測定装置を搬入し、取り付けるといった作業が発生する。さらに、重量測定後に取り付けた重量測定装置を解体し搬出する作業も発生する。これらの作業によって、上記従来技術は、昇降体の重量測定によるエレベータの停止時間が長くなり、エレベータの利用者に対するサービス性の低下が大きくなるおそれがあった。また、重量測定装置の構成部品数が多くなり、製作費が高くなる問題もある。
【0007】
本発明は、前述した従来技術における実情からなされたもので、その目的は、昇降路内への搬入作業、取付け作業、及び取付け後の解体作業を不要とするエレベータの昇降体の重量測定方法を提供することにある。また、重量測定装置の構成部品数を少なく抑えることができるエレベータの昇降体の重量測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために本発明に係るエレベータの昇降体の重量測定方法は、昇降路上部の機械室床面に形成された開口部に挿入されたメインロープによって吊り下げられた昇降体を備えたエレベータの昇降体の重量測定方法において、前記メインロープをくさび形状部で挟み、前記昇降体を降下させて、前記メインロープにかかる荷重を前記開口部に設置され前記くさび形状部の下部に設置された測定部にかけることで前記昇降体の重量を測定することを特徴としている。
【0009】
また、前記目的を達成するために本発明に係るエレベータの昇降体の重量測定装置は、エレベータの昇降体を吊り下げるメインロープを挟むことでくさび形状が形成されるくさび形状部と、前記メインロープを挟んで互いに対向して配置され、それぞれの受圧面を構成する斜面部が前記くさび形状部の斜面部に対向するように配置される一対の測定部と、前記測定部に内蔵された重量計とを有する重量測定器を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
上記構成によって、昇降路内への搬入作業、取付け作業、及び取付け後の解体作業を不要とするエレベータの昇降体の重量測定方法を提供することが可能となる。また、重量測定装置の構成部品数を少なく抑えることができるエレベータの昇降体の重量測定装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態の一例を示す機械室内の斜視図。
図2】本発明の実施形態の一例を示す重量測定器の斜視図。
図3】本発明の実施形態の一例を示す重量測定器の上面図。
図4】本発明の実施形態の一例を示す重量測定器の原理図。
図5】本発明の他の実施例を示す重量測定器の上面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るエレベータの昇降体の重量測定方法及び重量測定装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1に示すように、エレベータは、昇降路2の上部に機械室1が設けられ、この機械室1内に巻上機3が配置されている。巻上機3には制動装置3aが設けられ、複数本のロープから成るメインロープ6が巻装されている。機械室1の床面1aには、開口部1b,1cがそれぞれ形成されている。これらの開口部1b,1cに挿入されたメインロープ6が、昇降体すなわち乗かご4の上部と、別の昇降体である釣り合いおもり5の上部に接続されている。制動装置3aによる制動を解除して巻上機3を駆動することにより、乗かご4と釣り合いおもり5は、昇降路2内を互いに反対方向に昇降する。
【0014】
次に、本発明の一実施形態に係るエレベータの昇降体の重量測定方法について説明する。図1に示すように、機械室1の床面1aに形成した開口部、例えば開口部1bに重量測定器7を設置し、メインロープ6をくさび形状部7a,7bで挟み込み、昇降体すなわち乗かご4を降下させて、前記くさび形状部7a,7bの下部に構成された測定部7c,7dを押圧することによって乗かご4の重量を測定するものである。
【0015】
前述した本実施形態に係る昇降体の重量測定方法に用いられるエレベータの昇降体の重量測定装置70の詳細について図1及び図2を用いて説明する。
【0016】
重量測定装置70は、基本的に重量測定器7及び表示部8aを有する表示装置8を備えている。さらに必要な場合、機械室1の床面1aと重量測定器7との間に挿入される鉄製の荷重分散板10を備える。
【0017】
重量測定器7は、ロープ挟持溝71が形成されたくさび形状部7a、7b、内部にばねばかりを有し、傾斜面を受圧面7f、7gとする測定部7c、7d、後述するくさび形状部7a、7bが受圧面7、7を押圧することで測定部7cと測定部7dとの間が拡がることを防止するコ字状金具11a、11b、11c、11d(以下、11と総称)、このコ字状金具11を重量測定器7の鉄製の測定部7c、7dに固定するボルト13、重量測定器7を機械室1の床面1a(本実施例の場合荷重分散板10a、10b)に固定するために測定部7c、7dの受圧面7f、7gの背面に溶接によって取り付けられたL字状金具12a、12b、12c、12d、及びボルト13(ボルトはコ字状金具11及びL字状金具12とを共用しているが、異なる径のものでもよい)を備えている。
【0018】
次に各部の詳細について説明する。測定部7c、7dは受圧面7fと受圧面7gとが向かい合うようにメインロープ6の直径よりも間隔を空けて荷重分散板10a、10b上に載置される。受圧面7、7は、後述するくさび形状部7a、7bが進入できるよう傾斜面となっている。図2は重量測定可能なように組み上げた重量測定器7の斜視図(メインロープ6は図示していない)であり、この図2に示されるように組み上げた状態で上部の受圧面7、7間の間隔が広く、下部に行くに従って間隔が狭くなるような受圧面7、7の傾斜としている。受圧面7、7のさらに下部は垂直部となっている。
【0019】
図3は重量測定器7の上面図である。図3(a)はくさび形状部7a、7bを含まない重量測定器7の上面図であり、図3(b)はくさび形状部7a、7bの上面図である。
【0020】
図3(a)において、測定部7c、7dにおける受圧面は7f、7gで示されている。点線で示された円は重量測定時に乗りかご4を吊っているメインロープ6の位置である。重量測定器7の外形寸法は、機械室1の床面1aに形成した開口部1bの外形寸法よりも大きく設定してある。また、複数のロープの集合によって形成されるメインロープ6のロープ幅の幅寸法よりも長い寸法に設定してある。具体的には、少なくともL字状金具12a〜12d間の内寸は開口部1bの外形寸法より大きくしており、荷重分散板10a、10bを用いる場合は、荷重分散板10a、10bが開口部1bと干渉しないようにする必要がある。また、メインロープ6の幅寸法、図3(a)では点線で示した円が3本並んでいるが、荷重分散板10a、10bがメインロープ6と接触しないように(開口部1bより荷重分散板10a、10b間が広い場合はこの問題は生じない)、前述の如く、測定部7c、7dの間隔はメインロープ6の直径より広くとる必要がある。
【0021】
図3(b)はくさび形状部7a、7bの上面図であり、測定するエレベータに使用されるメインロープ6の本数と同数のロープ挟持溝71が形成されている。なお、測定するエレベータに使用されるメインロープ6の本数よりも多くロープ挟持溝71を形成しておくことで、メインロープ6の本数が多い他のエレベータの重量測定と共用することができる。また、ロープ挟持溝71の直径はメインロープ6の直径よりもやや小さめな値となっている。この一対のくさび形状部7a、7bのロープ挟持溝71にメインロープ6を挟み込み、くさび形状部7a、7bの傾斜面が重量測定器7の受圧面7f、7gに対向するように配置して重量測定を開始する。
【0022】
次に図4を用いて本実施例における重量測定の原理を説明する(荷重分散板10a、10bは図示していない)。機械室1の床面1aに形成した開口部1bに挿入されたメインロープ6を挟んで互いに対向して配置されたくさび形状部7a,7bの傾斜面7h、7i(側面の下部頂部の角度は測定部7c、7dの受圧面7f、7g間の角度とほぼ等しい)が、重量測定時に、一対の測定部7c,7dの受圧面7f、7gに対向するように配置されている。乗りかご4の自重でメインロープ6が下方に移動すると、くさびの作用でくさび形状部7aと7bがメインロープ6を締め付ける方向に力が作用することでメインロープ6とくさび形状部7a、7bと相対位置が固定される。このくさび形状部7a、7bは、ブレーキパッドなどの摩擦材により構成されているため、ある程度の締め付け力が働くことでメインロープ6をしっかり固定することができる。くさび形状部7a、7bの傾斜面が重量測定器7の受圧面7f、7gに当接しながら下方に移動して、この移動が停止したときに乗りかご4の全重量が受圧面7f、7gにかかる。測定部7c、7dの内部にはばねばかりなどの重量計が内蔵されており、両方の重量計のから出力された合計値が、図1に示した表示装置8の表示部8aに表示される。
【0023】
次に荷重分散板10a、10bについて図1及び図2を用いて説明する。機械室1の床面1aに設けられている開口部1b周囲の強度が乗りかご4を支えるのに十分であれば荷重分散板10a、10bを使用せずに直接床面1aに重量測定装置を設置することが可能であるが、荷重が集中した場合に開口部1b周辺の強度に問題がありそうな場合は、荷重分散板10a、10bを用いる。図2に示すように、測定部7c、7dの底面の面積では荷重が集中してしまう場合に、荷重分散板10a、10Bを測定部7c、7dの下に敷く。荷重を分散させる目的で敷くものであるため、荷重分散板10a、10bの底面の面積は測定部7c、7dの底面の面積よりも大きい。
【0024】
また、この荷重分散板10a、10bは、くさび形状部7a、7bが乗りかご4から受ける荷重により測定部7c及び測定部7dの間隔を拡げる方向に働く力に抗するようにL字状金具12aを2本のボルト13で止めている。他のL字状金具についても同様である。すなわち、一方の荷重分散板(例えば10a)に一方の測定部(例えば7c)を載せ、同様に他方の荷重分散板(例えば10b)に他方の測定部(例えば7d)を載せた場合、くさび形状部7a、7bが受ける荷重によって測定部7c、7d同士が拡がる方向に力が加わった場合、測定部が乗っている荷重分散板同士の間隔も拡がってしまう。
【0025】
本実施例では、二つの荷重分散板10a、10bに跨って測定部7c及び測定部7dを固定したので、コ字状金具11の作用も相俟って測定部7c、7dの間隔の拡がりを防止することができる。
【0026】
次に、このような重量測定装置70を用いた乗りかご4の測定方法について説明する。
【0027】
重量測定装置70は分解された状態(全てのボルト13が外された状態)で機械室1内に持ち込まれる。開口部1bの周囲でメインロープ6の並んでいる方向と直角方向に開口部1bを間に挟むように荷重分散板10a、10bを並べる。図3に示すようにメインロープ6に受圧面7f、7gが面し、メインロープ6の並ぶ方向に平行になるように測定部7c、7dを対峙させて配置する。測定部7c、7dの背面(受圧面7f、7gがある面を表面とする)下部の両端に溶接で固定されているL字状金具12a〜12dをボルト13により荷重分散板10a、10bに固定する。そして、コ字状金具11を図示の如くボルト13で測定部7c、7dに固定する。さらに、受圧面7f、7gにくさび形状部7a、7bのそれぞれの傾斜面が対向し、ロープ挟持溝71にメインロープ6のそれぞれが嵌るようにした状態で、ゆっくりとくさび形状部7a、7bを測定部7c、7dの受圧面7f、7g上に置く。測定部7c、7dの重量計に接続されている配線を表示装置8に接続して重量測定の準備が完了する
【0028】
乗りかご4の測定方法は2通りあるので、以下それぞれについて説明する。
【0029】
通常、バランスウエイト5は乗りかご4の重量よりも重くなるように設定されている。この状態で制動装置3aを外すと乗りかご4は上方に移動してしまう。
【0030】
そこで、第1の重量測定方法は、乗りかご4に乗りかご4がバランスウエイト5よりも重くなるような予定の重量のテストウエイトを載せて、乗りかご重量を測定した後、測定結果からテストウエイトの重量を差し引いて乗りかご4の重量を計算する方法である。
【0031】
乗りかご4にはテストウエイトが載せてあり、制動装置3aを解放する。乗りかご4は自重で降下する。当初は、メインロープ6がくさび形状部7a、7bのロープ挟持溝71内を下方に滑るが、徐々にくさびが効いてくると、あるところですべりが停止する。制動装置3aは解放されており、巻上機3の図示しないモータは通電されておらずメインロープ6の移動に追従するため、この状態が乗りかご4の全重量が重量測定装置にかかっていると考えられる。この時の表示装置8の表示部8aに表示された値が現在の乗りかご4の重量であり、この値からテストウエイトの重量を差し引いた値が空の乗りかご4の重量である。
【0032】
第2の重量測定方法は、テストウエイトを乗りかご4に載せずに行う方法である。前述の通り、重量測定装置を機械室1に設置し重量測定準備が整うと、巻上機3をゆっくりと乗りかご4が降下する方向に回転させる。上記第1の重量測定方法で説明したように、あるところでメインロープ6のすべりが停止し、巻上機3とくさび形状部7a、7bとの間のメインロープ6が少し弛んだところで巻上機を停止させる。この時表示部8aに表示された値が乗りかご4の重量である。
【0033】
なお、前述したが、重量測定7の一対の測定部7c,7dに内蔵されたそれぞれの重量計によって測定された測定値の合計値が表示部8aに表示される。
【0034】
重量測定器7の測定部7c,7dの受圧面7f、7gは、重量計はばねばかりであるので、受圧すると重量に応じて面に垂直方向に沈み込む。
【0035】
このように構成した本実施例に係るエレベータの昇降体の重量測定方法及び重量測定装置によれば、前述したように、機械室1の床面1aに形成した開口部1bに重量測定器7を設置し、乗かご4を降下させてメインロープ6をくさび形状部7a,7bで挟み込み重量を計測するようにしたことから、すなわち、前述した従来技術におけるような大きな固定枠、複数の油圧式のジャッキ、及び迫り上げ台等を設けることなく、機械室1にて重量測定器7を用いるだけの簡単な構成にして、しかも乗かご4の降下によって重量を測定するようにしたことから、重量測定装置の昇降路2内への搬入作業、取付け作業、及び取付け後の解体作業を不要とすることができる。
【0036】
これにより本実施形態は、エレベータの利用者に対するサービス性の低下を少なくすることができる。また、本実施例は、重量測定装置の構成部品数を少なく抑えることができ、重量測定装置の製作費を安くすることができる。
【0037】
また、メインロープ6との接点を掴み具ではなくくさび形状部7a,7bで挟み込み重量を計測するようにしたことにより、メインロープ6に与える損傷を最小限に抑える事が出来る。
【0038】
次に、図5を用いて重量測定装置の他の実施例を説明する。図5は他の実施例における重量測定装置の上面図である。前記第1の実施例における重量測定装置は測定部7c、7dが個々の部品であったが、本実施例では両測定部7c、7dを纏めて一つの鉄製の重量測定14とした。すなわち、一方のコ字状金具に代えて接続部材14hで測定部14c、14dを繋ぐように一体形成した。上方から見て受圧面14f、14g以外の部分をコ字状に形成している。
【0039】
重量測定の準備は、コ字状の開口からメインロープ6の並び方向に受圧面14f、14gが平行になるように、重量測定器14を図示する位置まで移動させる。そして、コ字状の開口を挟むようにコ字状金具11aを取り付け、図示しないボルトで固定する。なお、本実施例では荷重分散板10a、10bは図示していない。また、乗りかご4の重量測定方法は第1の実施例と同様である。
【0040】
本実施例によれば、重量測定の準備及び片づけ時にコ字状金具11aの取付本数、解体本数を減らすことができるので作業工数を減らすことができる。さらに、両測定部14c、14dを纏めたので図示したコ字状金具11aに対向する接続部材14hが強度メンバーとなるので重量測定時にくさび形状部7a、7bによる両測定部14c、14dを引き離す力に対して十分対抗することができる。
【0041】
前述した実施例では、昇降体である乗かご4の重量測定方法及び重量測定装置を挙げて説明したが、機械室1の床面1aに形成した開口部1cに重量測定装置を載置し、その重量測定装置の近傍の上部のメインロープ6をくさび形状部7a,7bで挟み込むことにより、別の昇降体、すなわち釣り合いおもり5の重量を前述した実施形態と同様に測定することができる。
【符号の説明】
【0042】
1…機械室、1a…床面、1b…開口部、1c…開口部、2…昇降路、3…巻上機、3a…制動装置、4…乗かご、5…釣り合いおもり(バランスウエイト)、6…メインロープ、7…重量測定器、7a、7b…くさび形状部、7c、7d…測定部、7f、7g…受圧面、8…表示装置、8a…表示部、10a、10b…荷重分散板、11a、11b、11c、11d…コ字状金具、12a、12b、12c、12d…L字状金具、13…ボルト、14…重量測定器、70…重量測定装置、71…ロープ挟持溝
図1
図2
図3
図4
図5