(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
フォトニクス集積回路を備える拡張接続を有する光スイッチングデバイスであって、前記フォトニクス集積回路が、N(N>1)個の入力光学ポートと、各入力ポートに接続する入力光路と、M(M≧1)個の光学出力ポートと、各出力ポートに接続する出力光路と、各出力ポートに接続するバイパス光スイッチブロックと、P(P≧1)個の拡張入力ポートと、各拡張入力ポートに接続し、バイパス光スイッチブロックに接続する拡張光路と、並びに、前記入力光路と出力光路に接続するバイパス光スイッチブロックとの間の接続のネットワークを形成する複数の光スイッチング要素および光路とを備える光スイッチングデバイス。
P=mMであり、ここで、mが、≧2の整数であり、前記バイパス光スイッチブロックが、(m+1)×1の光スイッチングデバイスを備える請求項1に記載の光スイッチングデバイス。
各入力が、K個のブランチに接続され、K<Mであり、前記複数の光スイッチング要素が、信号を入力からK個の出力のサブセットに選択的に向けるように構成される請求項4に記載の光スイッチングデバイス。
フォトニクス集積回路を備える拡張接続を有する光スイッチングデバイスであって、前記フォトニクス集積回路が、N(N>1)個の入力光学ポートと、各入力ポートに接続する入力光路と、M(M≧1)個の光学出力ポートと、各出力ポートに接続する出力光路と、各入力ポートに接続するバイパス光スイッチブロックと、Q(Q≧1)個の拡張出力ポートと、各拡張出力ポートに接続し、バイパス光スイッチブロックに接続する拡張光路と、並びに、入力光路に接続する前記バイパス光スイッチブロックと前記出力ポートとの間の接続のネットワークを形成する複数の光スイッチング要素および光路とを備える光スイッチングデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0018】
スケーラブル光スイッチモジュールが、多数の光学経路を備えることができる光ネットワーク用の光スイッチング機能を提供する。スイッチモジュールは、作動可能な1:2光スイッチ要素と、2:2光スイッチと、スプリッタと、結合器とのアレイを備えることができ、1次元での統合機能のための3組の光学ラインへの接続、または2次元での統合機能のための4組の光学ラインへの接続を提供することができる。スイッチング機能を定義する2つの基本的な次元は、入力光学ラインと、出力光学ラインとを含む。いくつかの実施形態では、光スイッチングモジュールは、バイパススイッチを有することができ、モジュールのアレイへの統合時に、モジュール内部の特定の入出力ラインに関してスイッチング機能が行われない場合に、スイッチ要素を通る伝送による対応する光損失を減少させるように光学回路要素のストリングのバイパスを提供する。損失を減少させた光スイッチモジュールを利用できることにより、スケーラブル光スイッチング機能をより活用することができるネットワークアーキテクチャを設計することができる。したがって、スケーラブル光スイッチの使用に基づいて、光ネットワークアーキテクチャのより単純なスケーリングを実現することができる。純粋に光学的なスイッチを使用して大きなスケールの光スイッチングを行うことができることに基づいて、ネットワーク内部の光/電気変換器の数を大幅に減少させることができ、これは、資本経費を大幅に減少させ、かつ電力消費を大幅に減少させる。拡張可能スイッチは、平坦な光回路の形態で好適に構成することができるが、これらの設計はまた、光ファイバと接続された1×2または2×2スイッチなど、自由空間構成要素から構成することもできる。拡張可能スイッチは、平坦な光回路の形態で好適に構成することができるが、これらの設計はまた、光ファイバと接続された1×2または2×2スイッチなど、自由空間構成要素から構成することもできる。
【0019】
全ての通信ネットワークと同様に、光ネットワークは、伝送の経路指定を可能にするために様々な接続を提供するようにスイッチング機能を統合する。例えば、より長距離の伝送経路は、送信側と受信側に関連付けられる最終的な経路の間で光信号を方向付けるために、ブランチによって接続される。特定の通信またはそれらの一部分の分離は、より長距離のトランクを介して送信される複合伝送、すなわち複合信号、ラインでの波長および/または時間微分に基づくことができる。ネットワーク上のある位置で、光帯域内の特定の信号を隔離して経路指定するために光帯域を分割することができ、同様に、複合信号ラインを介する伝送のために個々の通信が複合される。光スイッチング機能は、まず、適切な受信機によって光信号を電子信号に変換することによって、電子スイッチングを使用して行うことができる。しかし、電子信号への光信号の変換を減少させて効率的な光スイッチングを行うことができる場合、最終的にコストをかなり減少させることができ、および/またはスイッチング能力を大幅に高めることができる。本明細書で述べる光スイッチングモジュールは、光学回路要素のアレイと共に、平坦な光学回路の複数の次元に沿って光学接続を提供することによって、望ましいスケーラビリティを提供する。
【0020】
光スイッチングを適切にスケール調整することができない場合、光スイッチングは、限られたネットワークアーキテクチャでしか使用することができない。したがって、次数4のスイッチングノードに基づくスイッチング機能を提供するために、メッシュ光ネットワークが述べられている。参照により本明細書に援用するPrasanna他の”Versatility of a Colorless and Directionless WSS Based ROADM Architecture,”COMSNET 2009 Conference,January 2009,Bangalore,Indiaを参照されたい。平坦な光学回路は、単一のウェハ上での16×16光学マトリックススイッチングに対応するように設計されている。参照により本明細書に援用するGoh他の”Low Loss and High Extinction Ratio Strictly Non−Blocking 16 x 16 Thermooptical Matrix Switch on a 6−in Wafer Using Silica−Based Planar Lightwave Circuit Technology,”J.of Lightwave Technology,19(3),pp 371−379(March 2001)を参照されたい。しかし、Goh他の文献に記載されている16×16光スイッチの設計は、簡単なスケーリングを提供しない。本明細書で述べる光スイッチング回路は、回路内に接続性の追加層を導入することによって高度なスケーラビリティを提供し、ここで、個々の光学回路はそれぞれ、スイッチのn×mアレイを提供する。n×mアレイは、n個の入力光学ポートと、m個の出力光学ポートとに関連付けることができる。スイッチング機能は、ネットワーク内部で所望のスイッチングを提供するために、N個の入力ラインとM個の出力ラインに参照付けることができ、N×Mスイッチング機能は、個々のモジュールのn×mスイッチング機能の適切な統合によって達成することができる。
【0021】
光スイッチングと電子スイッチングは、スイッチングノードで補完し合う。改良が引き続き行われているが、電子スイッチングの基本的な特徴はよく確立されている。しかし、光スイッチングの技術は依然として開発途上であり、期待される分野に光スイッチングデバイスが完全に対応し始めるためには、様々な革新が依然として必要とされている。一般に、現在および将来の光スイッチングシステムは、いくつかの基本的なアーキテクチャクラスに入る。これらのクラスの間に明確な普遍的に受け入れられる境界はないが、一般には、以下のようなものである。基本的な再構成可能な光学アド−ドロップマルチプレクサ(ROADM);波長選択スイッチ(WSS);光クロスコネクト(OXC、またはそれほど一般ではないが、OCX);単一のブランチング(1×N、N×1);およびマルチキャストスイッチ(MCS)。これらのクラスそれぞれに関する根本的な動作特性は、よく確立されている。
【0022】
要約すると、基本的なROADMは、入力ファイバでの各波長に関して、その波長が、対応する出力ファイバに経路指定されるか、またはローカルポートもしくは異なるファイバ対にドロップされるかを独立して判断することができる機能を提供する。さらに、基本的なROADMにおいて、ドロップされ、したがって直接的には出力に経路指定されない任意の波長を使用して、ローカルポートまたは他のファイバ対から出力ファイバに新たな光学データストリームを導入することができる。光ネットワーキング技術において、「ROADM」と呼ばれる2つの非常に異なるものが存在するという好ましくない状況がある。ROADM構成要素は、前述したようなものであるが、より高度なROADMシステムも存在し、そのようなROADMシステムは、より多数の入出力ファイバ対の間で個々の波長を選択的にドロップする、または経路指定して通すために使用することができる。本来、ROADMシステムは、単に、ROADM構成要素と、それらをつなぎ合わせる制御システムとの集合体であり、共通の名前でも問題なかった。しかし、これらのより高次のROADMは進化しており、しばしば、例えばWSS、OXC、およびMCSを含む他のクラスの光スイッチのいくつかを備える。レガシーROADM構成要素は依然として存在するが、現在、用語「ROADM」は、より一般的により高次のシステムを表す。したがって、用語「ROADM」は、特に「ROADM構成要素」と記載しない限り、より高次のROADMシステムを表すものとする。拡張可能MCSを組み込むROADMと共に、拡張可能OXCおよびMCSの特定の実施形態を以下に提示する。
【0023】
現在のWSSクラススイッチは、単一の入力と複数の出力とを有し、入力での各波長は、任意の出力に独立して経路指定することができ、各出力は、入力ファイバでの任意の数の波長に対応することができる。WSSは、ほとんどのクラスの透明な光スイッチと同様に、入力から出力に伝播する光信号または同じ出力から入力に伝播する光信号に関して、入力と出力の間の接続を同等に良好に提供する。したがって、用語「入力」および「出力」は、動作原理を述べるために単に便宜的に使用されるが、実際には、それらは、記載通りに使用されることも、逆向きに使用されることもある。また、現在、単一の構成要素が複数の入力と複数の出力との間で波長を経路指定することができる将来のWSSクラススイッチに関する考察も多く成されているが、現在のところ、複数のディスクリート構成要素を使用するより高次のシステムとしてそのような機能を提供することしか実用的でない。
【0024】
OXCは、以下に説明するように、任意の順序の一連の入力ポートを、通常は同数の出力ポート(しかし、より一般的には、異なる数の出力ポート)に対して提供する。これは、例えば、1つの特定のファイバからのただ1つの特定の波長を各ポートが搬送する1組の入力ポートを、任意のファイバからの任意の波長を搬送するように各出力ポートをプログラムすることができる1組の出力ポートに変換することができる。単純なブランチングスイッチは、基本的な1×Nスイッチングを提供し、単一の入力ポートでの光信号全てが、N個の出力ポートの1つにまとめて経路指定される。このスイッチは逆にすることもでき、N個の個別の光信号がN個のポートに入り、スイッチが、それらのポートのただ1つからの信号を、出力として単一の「入力」ポートに経路指定されるように選択する。
【0025】
M×Nマルチキャストスイッチは、M個の入力チャネルでM個の1×Nスプリッタを使用して、各入力ポートでの光信号全てをN個の出力それぞれに向けて分散させる。N個の出力はそれぞれ、その独自のM×1セレクタスイッチを有して、所望の入力ポートからの信号を隔離する。MCSは、光学フィルタリングを有さないという基本的な利点を有し、したがって、各波長でのデータに対して透明であるだけでなく、波長セット構成自体に対して透明であり(「無色」)、すなわち、任意の特定の波長グリッド仕様またはチャネル帯域幅に波長チャネルが適合する必要がない。この透明性の追加による主な犠牲は、入力ステージでの光分割による信号パワーの減少であり、いくつかの用途でのMCSは、信号レベルをブーストし、各入力に関するさらなる損失を補償するために、光増幅器のアレイを含む。
【0026】
通信ネットワークでの光学ノードは、これらのクラスの1つまたは複数からの光スイッチング構成要素の1つまたは複数を備えることができる。ネットワークがより大きく、かつより複雑になるにつれて、スケーラビリティが、一般に大きな問題になることがあり、スイッチング機能に関して特に重要である。所望の光学ノードは、以下にさらに説明するように、無色、無指向性、および無コンテンションとなるように構成される。これらのネットワークの性質において、これらのノードそれぞれに関する公称で最良の構成の大きな変化がある。光スイッチング構成要素に関する現況技術では、各製品が特定のポート数をサポートする傾向があり、異なるポート数を提供する同様の構成要素を実現するには別途の製品開発が必要である。これは、様々な光学ノードの要件に最も適切に対応する多様化を妨げ、ノード設計を、あまり効率的でない「one−size−fits−all(フリーサイズ)」手法に向かわせる。基本的な光スイッチングクラスの任意の1つまたは複数を使用する光スイッチングマトリックスのサイズをよりフレキシブルに適応させるための手段が明らかに現在必要である。本明細書で述べる拡張可能スイッチは、適応可能なノード設計に関する重要な革新性のある構成要素を提供する。
【0027】
本明細書で述べる光スイッチング機能は、個々のスイッチングモジュールを、個々の光学回路モジュールから組み立てられた効率的なより大きなスイッチングアレイに統合することによって、スケール調整することができる。スケーラビリティを提供するためのモジュールの統合は、1次元または2次元で行うことができる。1次元での統合を行うために、光学回路は、寸法(b・n)×mのスイッチングを有する効果的な拡張アレイを形成するためには、n個の入力光学ポートに対応する追加の1組のポートを用いて設計することができ、または寸法n×(c・m)のスイッチングを有する効果的な拡張アレイを形成するためには、m個の出力光学ポートに対応する追加の1組のポートを用いて設計することができる。パラメータbは、n×m光学回路の数であり、これらの回路は、拡張スイッチングアレイを形成するために入力ラインに関して相互接続され、同様に、パラメータcは、n×m光学回路の数であり、これらの回路は、拡張スイッチングアレイを形成するために出力ラインに関して相互接続される。2次元での光学的統合に関して、光学回路モジュールは、4組の光学ポートを用いて、すなわち2組のn個のポートと、2組のm個のポートを用いて形成される。このとき、これらの光学回路は、(b・n)×(c・m)スイッチング機能を備える拡張アレイに組み立てることができる。パラメータnは、パラメータmと等しくてよいが、必ずしも等しくなくてもよい。
【0028】
個々の光学回路は、n個の入力をm個の出力と接続する(2×2または2×1)光スイッチのアレイを備えることができる。各2×2(または2×1)光スイッチは、入力ラインと出力ラインの間の作動可能なスイッチを提供する。適切な作動可能な光スイッチを以下にさらに述べる。一般に、作動可能な光スイッチは、電子的に制御されて、相互接続構成間でスイッチをトグルする。モジュール内の作動可能な光スイッチのアレイにより、n個の入力ポートの1つに関連付けられる信号は、作動可能な光スイッチのアレイを通過することによって、m個の出力ポートの1つに経路指定することができる。第2の光学回路の入力ポートに別の組のn個のポートを接続することによる別の光学回路との統合は、n×m(2×2または2×1)光スイッチの第2のアレイへのアクセスを提供し、それにより、統合された拡張アレイにおいて、別のm個の出力ポートに効果的にアクセスすることができる。統合を続けることができる。同様に、さらなる1組のm個のポートによる別の光学回路との統合は、統合された拡張アレイ内の第2の組のn個の入力ポートへのm個の出力ポートのアクセスを提供することができる。統合を続けることで、(b・n×c・m)のスケーラビリティをもたらすことができ、ここで、パラメータb、c、またはbとcの両方が、1よりも大きい。統合された拡張アレイにおいて、b・n個の入力をc・m個の出力と接続する作動可能な光スイッチの効果的なアレイが存在する。したがって、拡張可能光学回路設計は、大きなスケーラビリティ機能を提供する。光学回路モジュールのスケーリングを目標のネットワークスイッチング機能に合致させるために、一般に、(b−1)・n<N≦b・n、および(c−1)・m<M≦c・mであり、ここで、Nはネットワーク入力であり、Mはネットワーク出力である。同様の論拠から、数「n」と「m」が、拡張アレイの全ての構成要素にわたって同じである必要はなく、実現可能な構成よりもさらに大きなフレキシビリティを提供することを示すことができる。
【0029】
作動可能な光スイッチング要素の任意の妥当な設計は、以下にさらに述べるように、アレイに組み立てることができる。追加の1組または2組の光学ポートを有するスイッチングデバイスのために設計された光学回路は、非常に望ましいスケーリング機能を提供するが、2×2または2×1光スイッチの拡張アレイを通る信号の通過は、望ましくないレベルの光損失をもたらすことがある。具体的には、作動可能な光スイッチを通る光信号の通過は、一般に、スイッチが、「スルー(through)」または非スイッチングモードである場合でさえ、いくらかの光損失をもたらす。スケール調整された統合されたスイッチにおいて、光信号は、スイッチングが作動可能な光スイッチの1つのみで行われる場合でさえ、かなりの数の作動可能なスイッチを通過することがある。したがって、いくつかの実施形態では、平坦な光学回路または他の拡張可能スイッチ設計は、バイパス光学経路を備え、バイパス光学経路は、その時点で特定のモジュールの内部で特定の入力または出力ラインが任意のスイッチングを行われない場合に、対応する損失を減少させるために、1組の作動可能な光スイッチをバイパスすることができる機能を提供する。代替として、バイパス経路またはスイッチ経路に沿った光信号の方向の制御は、それ自体、単一の1×2光スイッチによって制御することができる。バイパス機能は、入力ライン、出力ライン、またはそれら両方に関して確立することができる。
【0030】
作動可能スイッチのレイアウトのトポロジーの説明において、用語「アレイ」は、その一般的な意味合いで使用し、必ずしもマトリックスレイアウトを表さない。2つの特定の実施形態を、以下でより詳細に説明する。拡張可能クロスコネクトスイッチの一実施形態は、クロスコネクトn×m拡張可能スイッチの論理的またはトポロジー的レイアウトにおいて、2×2スイッチのマトリックスを有する。別の実施形態では、拡張可能マルチキャストスイッチが、スプリッタのブランチングレイアウトと共に述べられ、スプリッタは、2×1スイッチのアレイと合わさって、拡張されたn×m分割入力をm個の出力に結合し、ここでは、スイッチのアレイは、マトリックス構成で配置されない。当然、実際のデバイスの物理的レイアウトは、アスペクト比、実装密度、および他の実用上の考慮事項により、デバイスのトポロジーレイアウトとは一般に類似していない。
【0031】
スケーラブル光スイッチは、無色、無指向性、および無コンテンション(CDC)ネットワークノードへの統合のために設計することができる。無色への言及は、任意のポートで、特定の光波長をドロップまたはアドすることができることを表す。無指向性への言及は、ローカルトランスポンダから全ての方向に接続することができることを表し、各「方向」は、ノードに接続する特定のインバウンド/アウトバウンドファイバ対に直接対応する。無コンテンションへの言及は、2つの異なる光信号が異なるファイバでのノードに収束するが、同じ波長を含み、共通の光学経路に向けられるという問題をノードが解決することができることを示す。これは、一般に、波長の1つをローカルトラフィックに再経路指定することによって解決され、ここで、その波長を別の利用可能な波長に電子的にスイッチし、アウトバウンドファイバに一般に接続されている所望の経路に再び挿入することができる。本発明で述べるスケーラブルスイッチデバイスは、一般に、これらの機能を満たし、それに対応して、CDCネットワークノードに統合することができる。
【0032】
光ネットワーク内部のN×M光スイッチングクロスコネクト(OXC)の概略図が
図1に概略的に示される。N×M光スイッチ100は、N個の入力光学ライン102(例えば光ファイバ)と、M個の出力ライン104(例えば光ファイバ)とに光学的に接続される。N(入力ラインの数)は、M(出力ラインの数)と等しくても、等しくなくてもよい。本明細書で述べる光スイッチング機能のスケーラビリティにより、NとMは、一般に比較的大きくすることができ、特に興味深い実施形態では、NとMは、独立して、それぞれ少なくとも約8であり、さらなる実施形態では、少なくとも約16であり、他の実施形態では、少なくとも約32以上、または中間の偶数もしくは奇数の整数値である。入力ラインおよび出力ラインの範囲に関する同様のことが、本明細書で述べる他のスイッチング実施形態にも当てはまる。上記の明示的な範囲内で光学ラインのさらなる範囲が企図され、本開示内にあることを当業者は理解されよう。
【0033】
一般に、光スイッチングデバイスは、光ネットワーク内部の任意の好都合な位置に配置することができる。その観点から、個々の入力ラインおよび出力ラインの内部で伝送される信号は、個々の通信を搬送することを意図されていることも、そのようには意図されていないこともあり、これらの信号は、ある波長帯域内で搬送される複合信号であることがある。いくつかの実施形態では、光スイッチは、MUX/DeMUX機能に関連付けられて、ある光帯域内の光信号を分割および/または複合する。表現「MUX」および「deMUX」は、本明細書では、当技術分野で一般に受け入れられるように、それぞれ多重化機能および逆多重化機能に関して使用する。MUXおよびDeMUX機能は、平坦なアレイ導波路格子(AWG)または他の所望の分散要素によって実施することができる。いくつかの実施形態では、入力信号は、1組のユーザ向けの信号を備えることができ、出力ラインは、特定のユーザに方向付けられた光学ブランチを表し、これは、エンドユーザに信号を方向付けるための光ネットワークの端部でのスイッチング要素の使用に対応する。入力および出力という呼称は、スイッチを介していずれかの方向で信号を方向付けることができるという意味合いで任意のものでよく、したがって、スイッチング機能は、光学的に逆にすることもできる。しかし、入力および出力という呼称は、伝送の方向に関係なく互いの間で経路指定される光学ラインのグループ化を表すために使用される。他の実施形態では、スイッチは、光ネットワークに沿ったブランチで、多重化または複合信号を任意のユーザに向かないように方向付けるために使用することができる。
【0034】
本発明は、光スイッチングの様々な手段を改良するために採用することができるが、本明細書で述べるスケーラブル光スイッチは、光学回路のアセンブリの例示である。光学回路は、それに対応して、スケーラビリティを提供するために適切な接続性で設計される。光学回路は、所望のレベルの光スイッチングを提供するために、モジュールとして相互接続される。本発明は、光学回路が平坦な光学回路として統合されるときに特に有利となり得る。
【0035】
図2に、入力ラインに関してスケーリングを提供するための2つの光学回路の相互接続が、概念的なフレームワークで概略的に示されており、このフレームワークを、いくつかの特定の実施形態の文脈で詳細に述べる。光スイッチング機能は、例えば、光学回路110を有する第1のスイッチ109と、光学回路112を有する第2のスイッチ111とを有するアセンブリ108によって達成される。回路110は、N個の入力ポート107と、M個の出力ポート121と、M個の拡張入力ポート123とを備える。同様に、回路112は、N個の入力ポート118と、M個の出力ポート120とを備える。第1のスイッチ109のM個の拡張入力ポートが光学相互接続114(例えば光ファイバまたは他の適切な光学接続)を介して第2のスイッチ111のM個の出力ポートと接続されることによって、回路110、112が相互接続される。N
1個の入力光学ライン116が、平坦な光学回路110に接続され、N
2個の入力光学ライン117が、平坦な光学回路112に接続される。回路110のM個のポート121が、出力ライン125を有する。したがって、光学回路110、112のアセンブリ108は、全体として、N
1+N
2個の入力ポートとM個の出力との間のスイッチングを提供する。この概略図は、合計の入力の数(N
1+N
2)が、スイッチされる出力の総数よりも大きい場合を示す。この実施形態は、より低い容量を個々に有することがある利用可能な特定のサイズのスイッチを用いて入力の数を効果的に増加させるために、拡張入力ポートを使用することができる様式を示す。例えば、アセンブリ内で拡張ポートを有するスイッチを使用することが、4×6スイッチを8×6スイッチに変更し、これは、スイッチされる入力の数を倍にした。
【0036】
出力ラインに関するスケーラビリティが、
図3に概略的に示される。
図3の実施形態では、光スイッチングは、スイッチ128と129の統合を有するアセンブリ127によって提供される。スイッチ128は、光学回路130を備える。スイッチ129は、光学回路132を備える。回路130は、N個の入力ポート134と、M個の出力ポート136と、M個の拡張出力ポート138とを備える。同様に、回路132は、N個の入力ポート140と、M個の出力ポート142とを備える。回路130、132は、光学相互接続144を介する入力140への拡張出力ポート138によって相互接続される。また、N
2個の光学入力ライン146と、M
2個の光学出力ライン148とが、回路130に接続される。さらに、M
1個の出力ライン150が、回路132に接続される。この実施形態は、合計の出力の数(M
1+M
2)が入力の総数(N
1またはN
2)よりも大きい場合を示すが、代替実施形態は、出力よりも多いまたは等しい数の入力を含むことがある。また、この実施形態は、拡張出力ポートを使用して出力の実効数を拡張することができる様式を示す。具体的には、拡張ポートを有するスイッチの使用を使用して、4×6スイッチを4×12スイッチに変更し、これは、スイッチされる出力の数を倍加した。
【0037】
図4は、入力ラインと出力ラインの両方に関するスケーラビリティを提供する、それぞれ光学回路を備える4つのモジュール149、151、153、155の接続を示す。スイッチング機能は、光学回路150、152、154、156によって提供される。光学回路150、例えば光学回路は、N
1個の接続によって光学回路152に光学的に接続され、M
1個の接続によって光学回路154に光学的に接続される。数N
1およびM
1は、それぞれN
1i〜N
1tおよびM
1i〜M
1tで変化する。光学回路154は、N
2個の接続によって光学回路156に光学的に接続され、光学回路152は、M
2個の接続によって光学回路156に光学的に接続される。数N
2およびM
2は、それぞれN
2i〜N
2tおよびM
2i〜M
2tで変化する。Nがユーザ入力接続の総数である場合、N
1+N
2=Nであり、または、統合されたモジュールが余剰の未使用の容量を有する場合には、N
1+N
2は、Nよりも大きい。同様に、Mがユーザ出力接続の総数である場合、M
1+M
2=Mであり、または、統合されたモジュールが余剰の未使用の容量を有する場合には、M
1+M
2は、Mよりも大きい。光学回路150は、N
1個の入力ラインとM
1個の光学出力ラインとの間の光スイッチングを提供し、光学回路152は、N
1個の光学入力ラインとM
2個の光学出力ラインとの間の光スイッチングを提供する。対応して、光学回路154は、N
2個の入力ラインとM
1個の光学出力ラインとの間の光スイッチングを提供し、光学回路156は、N
2個の光学入力ラインとM
2個の光学出力ラインとの間の光スイッチングを提供する。したがって、平坦な光学回路であることがある光学回路150、152、154、156は、全体として、N個の入力光学経路とM個の出力光学経路との間でのスイッチングを提供する。モジュールの相互接続のスケーラブルな態様は、NとMを独立して選択することができることを提供し、例えば、N=M、N>M、またはN<Mである。
図4は、4つの拡張可能光学回路を示すが、拡張機能は、それに対応してさらなる光学回路を相互接続して、入力機能、出力機能、または入力機能と出力機能の両方をさらに高めることができることを提供する。
【0038】
図2〜
図4は、
図1の光スイッチ100の文脈での光スイッチングのスケーラビリティを概略的に示す。特に、入力ラインの数および/または出力ラインの数に関する拡張に対応するために、モジュールとしての統合のために平坦な光スイッチが設計される。
図2〜
図4は、入力次元での2つのモジュールおよび/または出力次元での2つのモジュールに関する統合を開示することを対象とするが、同様に、各次元で2つよりも多いスイッチングモジュール、例えば3つのモジュールや4つのモジュールなどを含むように、入力次元および/または出力次元でスケーラビリティを拡げることもできる。
図2〜
図4に関して、個々のスイッチングモジュールが概略的に示されている。
【0039】
スイッチングモジュールの一例は、光スイッチのアレイである。これらの実施形態では、スイッチングモジュールはそれぞれ、一般に、入力光学ラインから出力光学ラインへの任意選択のスイッチングを提供する(2×2)作動可能光スイッチのn×mアレイを備える。
図5は、4つの入力チャネル504a、504b、504c、504dと、4つのダウンストリーム拡張出力チャネル506a、506b、506c、および506dと、3つのドロップポート508a、508b、および508cとを有するスイッチングモジュール502を示す。入力チャネル504a、504b、504c、504dは、それぞれ経路510a、510b、510c、および510dによってダウンストリーム拡張出力チャネル506a、506b、506c、および506dに接続される。各入力チャネル504a、504b、504c、504dは、経路512a、512b、および512cによって各ドロップポート508a、508b、および508cにスイッチ可能に接続される。経路510a、510b、510c、および510dが経路512a、512b、および512cに交差する点に、クロスポイントスイッチ516が位置される。
【0040】
基本的なスイッチマトリックスの動作は単純である。クロスポイントスイッチ516は、通常は、互いに影響を受けないように光学経路を交差させるように設計することができ、任意の所与の構成に関して、マトリックス内のスイッチの大半がこの状態でよい。特定の入力チャネル504a、504b、504c、504dが特定のドロップポート508a、508b、または508cに経路指定されるように選択されるとき、それら2つの導波路に関する単一の交差点にあるスイッチ516は、入力チャネルを再経路指定するように活動化される。クロスコネクトスイッチに関する任意の有効な構成に関して、
図5に示されるように、任意の行または任意の列にある1つだけのスイッチが、完全にスイッチ作動状態である。スイッチがスイッチ作動状態であるとき、そのドロップポートに関する入力からの信号も、その入力チャネルのダウンストリーム部分に再経路指定され、それにより、機能的に、デバイスは、アドとドロップの両方を同時に行うことができる。この挙動は、ほとんどの任意の光スイッチングソリューションによって提供することができるが、あるとしてもめったになく、したがって、一般に望まれないと考えられる。この挙動はまた、より複雑なスイッチングアセンブリで、特定の他の機能をサポートすることもできる。
【0041】
いくつかの実施形態では、拡張可能スイッチは、複数のバイパスラインを有する。バイパスラインの1つの利点は、信号損失を減少させるために、信号がスイッチ/ジャンクションをバイパスすることができることである。バイパスラインの一実施形態は、特定の回路内の特定のラインに関してスイッチングが行われないときに関して回路のバイパスを提供するために、1×2(または2×1)バイパススイッチが入力ラインおよび/またはドロップラインに配置されることを提供する。平坦な光学回路に関して、N×M拡張可能スイッチと同じ光学回路チップ上に、または別個の光学回路チップ上に、バイパス1×2光スイッチのアレイを配置することができる。その入力チャネルに関する所期のドロップポートが現在のモジュールにある場合、信号は、通常通り、スイッチの行に経路指定される。そうでない場合、信号チャネルは、全てのスイッチを介さずに、バイパスチャネルを通って拡張出力ポートに経路指定される。同様に、各ドロップポートは、2×1スイッチによって接続することができる。そのドロップポートに関して意図される入力チャネルが現在のモジュールにある場合、2×1スイッチは、そのポートに関するクロスポイントスイッチの列からの導波路を選択する。そうでない場合、拡張入力ポートからのチャネルを選択し、クロスポイントスイッチの列をバイパスする。
【0042】
複数のバイパスラインを有する拡張可能スイッチの一実施形態が、
図6に示される。拡張可能スイッチ600は、入力チャネル選択可能ライン606とドロップライン608のクロスポイントに配置された光学クロスポイントスイッチ604のアレイ602を備える。図示される実施形態では、チャネル選択可能ライン606とドロップライン608とは、選択可能ライン606および/またはドロップライン608での信号がスイッチされずに通過できるようにするための位置を有する複数のクロスポイントスイッチ604を通過する。1つまたは複数のチャネルラインおよび/または1つまたは複数のドロップラインに関して、1つまたは複数のバイパスラインが提供されることがある。
図6では、チャネルバイパスライン610およびドロップバイパスライン612が存在する。入力1×2スイッチ614は、入力ライン615がスイッチ614に接続できるようにし、それにより、スイッチ614は、入力ライン615からチャネルバイパスライン610またはチャネル選択可能ライン606に光をスイッチするように動作可能である。ドロップ2×1スイッチ618は、ドロップライン608またはドロップバイパスライン612が選択されて、出力ライン617に渡されるようにする。代替として、連続調節可能性を有するスイッチが提供されることがあり、それにより、スイッチは、ラインをどちらも選択しない、または両方のラインを選択するために、限度内で入力信号を方向付けることができる。バイパスラインは、一端で拡張ポートに接続可能であり、他端でバイパススイッチに接続される。チャネルバイパスライン606は、拡張出力ポート620で接続性を有し、または、他の接続性デバイスが、別の拡張可能スイッチまたは何らかの他のデバイスへの接続のために提供される。ドロップバイパスライン612は、拡張入力ポート622で入力を受信するための接続性を有する。使用時、1つまたは複数の拡張可能スイッチ600は、入力ライン615と光学的に通信する拡張出力ポート620、および/または拡張入力ライン622と光学的に通信する出力ライン617に接続される。複数の拡張可能スイッチの組立て後、スイッチ614に入る信号は、所望のドロップポートがスイッチにある場合にはドロップポートに経路指定され、または、別のスイッチへのバイパスラインを介して通される。入力ラインおよびドロップラインとしての呼称は、いずれかの方向に光を通すスイッチを有するデバイスに関して任意のものである。したがって、入力ラインとドロップラインは、逆にされることもある。図面を単純にするために、等価な構成要素の一部のみに参照番号が付されている。
【0043】
図7は、一体に組み立てられた1グループの拡張可能スイッチを示す。スイッチアセンブリ700は、拡張可能スイッチモジュール720、740、760、780を有する。拡張可能スイッチモジュール720、740、760、780は、入力チャネル選択可能ライン726、746、766、786とドロップライン728、748、768、788とのクロスポイントに配置された光学クロスポイントスイッチ724、744、764、784のアレイ722、742、762、782、チャネルバイパスライン730、750、770、790、およびドロップバイパスライン732、752、772、792を備える。入力1×2スイッチ733、753、773、793は、入力ライン734、754、774、794からチャネルバイパスライン730、750、770、790またはチャネル選択可能ライン726、746、766、786に光信号をスイッチするために接続される。ドロップ2×1スイッチ735、755、775、795は、ドロップライン728、748、768、788またはドロップバイパスライン732、752、772、792が選択されて、出力ライン736、756、776、796に渡されるようにする。代替として、連続範囲スイッチング機能を提供するスイッチが提供される。
【0044】
チャネルバイパスライン730、770は、それぞれ入力ライン754、794に光学的に接続される。ドロップ2×1スイッチ735、755は、ドロップバイパスライン772、792に信号を渡すために光学的に接続される。ポート(光学経路に交差するスイッチの縁部として概略的に示す)が、ユーザデバイス、および/または他の拡張可能モジュールへの接続のために提供される。用語「ユーザデバイス」は、ネットワーク、サブネットワーク、ノード、専用デバイス、ネットワーク通信デバイス、およびエンドユーザデバイスを包含する広範な用語である。入口ポートは、入力ライン734、754、774、794への光学接続を提供する。この実施形態では、ライン734および774は、ユーザデバイスへの接続に利用可能であり、入力ライン774および794に関するポートは、他の拡張モジュールに接続される。拡張入力ポートは、ドロップバイパスライン732、752、772、792への光学接続可能性を提供する。この実施形態では、ライン732は休止状態であり、ライン772は、拡張入力ポートからの光信号を受信するために利用可能であり、入力734から出力776に信号を方向付けることができるようにする。拡張出力ポートは、チャネルバイパスライン730、750、770、790への光学接続可能性を提供する。この実施形態では、ライン750および790は休止状態であり、ライン730および770に関するポートは、拡張出力ポートを介してそれぞれスイッチ740および780の入力ポートに接続される。
【0045】
実際のチップレイアウトでは、入力ポートでのスイッチは、1ステージをアドし、ドロップポートでのスイッチも1ステージをアドする。このようにすると、より大きなスイッチマトリックスを、単一の共通のモジュールから(少なくとも機能的な幾何形状に関して)任意にスケールアップすることができる。
【0046】
また、各モジュールが2つのダウンストリームドロップモジュールに接続できるようにするために、スイッチモジュールの拡張出力端子に1×2スイッチを統合することができ、同様に、拡張入力端子が2×1スイッチを有することができ、それにより各モジュールが2つの追加のチャネルブロックからドロップチャネルを転送することができることも考えられる。これは、単一のモジュールタイプから、順次レイアウトではなくツリー幾何形状のブランチに沿ってマトリックスを構成することができるようにし、多くの場合、全体の光学的効率を改良する。また、拡張ポートでのスイッチが入力ポートおよびドロップポートでのスイッチに重畳し、したがって、平坦な統合モジュール内の物理的回路にステージを追加せず、したがって、平坦なチップのサイズの増加はほとんどない。
【0047】
図8は、拡張可能マルチキャストスイッチの一実施形態を示す。スイッチの構成要素は、それらの相互接続を例示するように、また、マルチキャスト用途で拡張可能性を提供するために協働するように経路、スイッチ、スプリッタを作成することができる様式を例示するように配置されている。この例示を見れば、当業者は、以下にさらに述べる物理的デバイスレイアウトを作成することができよう。拡張可能マルチキャストスイッチ800は、スプリッタツリー802と、スイッチング区域804とを有する。スプリッタツリー802は、光学入力a、b、c、dを多重化し、各入力が各光学出力ラインX1〜X8に接続されるようにする。デバイスインターフェースから入力a〜dへの光学接続を提供するために、入力ポート(図示せず)が提供される。スプリッタツリー802は、信号を適切な数の光学経路に適切に分割するために3つのレベルを有するが、入力ラインの数、および特定の出力光学ラインへの望みのマルチキャスティングに応じて異なる数のレベルを使用することができる。レベル1は、各入力での光学スプリッタを有し、スプリッタ811a、811b、811c、811dは、それぞれ入力ラインa、b、c、dを分割し、それにより、各入力に関して2つのブランチ、すなわち合計8つのブランチを作成する。分割された信号は、レベル2スプリッタ821a、821b、821c、821d、822a、822b、822c、822dに渡され、これらのスプリッタは、そのレベルへの各入力に関して2つのブランチに信号を分割し、合計16個のブランチおよび各入力a〜dに関して合計4つの信号にする。次いで、分割された信号は、レベル3スプリッタ831a、831b、831c、831d、831a’、831b’、831c’、831d’、832a、832b、832c、832d、832a’、832b’、832c’、832d、833a、833b、833c、833d、833a’、833b’、833c’、833d、834a、834b、834c、834d、834a’、834b’、834c’、831d’に渡され、これらのスプリッタはそれぞれ、各入力に関して2つのブランチに信号を分割し、それにより、32個のブランチおよび各入力a〜dに関して合計8つの信号を形成する。スイッチング区域804は、バイパスライン806に接続された拡張入力ポート(対応する光学経路の端部として概略的に示される)を有し、これらは、以下に述べるように、バイパススイッチに接続される。符号X1〜X8を付された出力ライン808は、それぞれ、出力ポート(出力ラインの端部として概略的に示される)に光学的に接続される。スイッチングブロック841、841’、842、842’、843、843’、844、844’は、スプリッタツリー802から出力ライン808へのスイッチ可能な接続を提供した。各スイッチングブロックは、入力a〜dをバイパススイッチ851、851’、852、852’、853、853’、854、854’に接続し、それらのバイパススイッチは、光学的に接続され、バイパスライン806のスプリッタツリー802からの信号の間でスイッチして、出力ライン808に渡す。具体的には、例えば、ブロック841に関して、光スイッチ841abは、入力aまたはbが選択されるようにし、選択された信号a/bが、スイッチ841bcに渡され、スイッチ841bcは、a/bまたはcのスイッチングを提供し、選択された信号a/b/cが、スイッチ841cdに渡され、スイッチ841cdは、a/b/cとdとの間のスイッチングを提供する。次いで、スイッチングブロック841は、信号a〜dの1つをバイパススイッチ851に渡し、バイパススイッチ851は、a/b/c/dと、符号B8を付されたバイパス経路806との間の選択を提供する。次いで、バイパススイッチ851によって選択された信号が、符号X8を付された出力ライン808に渡る。使用時、1つまたは複数の拡張可能スイッチが、符号B1〜B8を付された拡張入力ポートと光学的に通信する符号X1〜X8を付された出力と接続されることがある。入力a〜dは、任意の出口X1〜X8が入力a〜dの任意の1つを搬送することができるようにスイッチングに利用可能である。代替形態として、出口X1〜X8は、拡張入力ポートから受信された信号を搬送することができる。使用時、光学接続は、1つまたは複数の拡張入力ポート、1つまたは複数の入力ポート、および1つまたは複数の出口ポートに形成される。入力ポートおよび/または拡張入力ポートに渡る信号は、任意の出力808から出るように選択される。また、入力信号と拡張入力信号とのさらなる組合せが望まれる用途をサポートするために、連続範囲スイッチングを提供するバイパススイッチ851に対する制限はないことに留意されたい。
【0048】
図8は、特定の数の入力光学ラインおよび出力光学ラインを用いて示されているが、同様に、他の実施形態は、異なる数の入力および出力を用いて設計することもできる。スプリッタツリーは、それに対応して変更することができ、好適なスプリッタツリーが出力ラインよりも多数の光学ラインを提供する場合には冗長分割光学ラインを形成することができる。冗長光学ラインは、休止状態でよく、単に、任意の干渉する伝播を受けないように任意の光信号を案内することができる。スイッチングブロックの代替設計を以下に述べる。
【0049】
図9は、末尾拡張可能スイッチモジュール920と、先頭拡張可能スイッチモジュール910とのアセンブリ900を示し、各拡張可能スイッチモジュールは、本質的に、
図8に示される実施形態のものである。先頭モジュール910の出力913は、光路902によって、末尾モジュール920の対応する拡張入力ポート922に光学的に結合される。拡張可能スイッチモジュール910と920は、例えば、フォトニクス集積回路(PIC)内の共通の平坦基板上の個々の設計セルでよく、相互接続する光路902は、同じ基板上の光導波路でよい。別の例では、拡張可能スイッチモジュール910と920は、例えば、個別のPICに基づく個々にパッケージングされたスイッチモジュールでよく、相互接続する光路は、1組の個々のストランドとして、またはファイバリボンとしてのシングルモード光ファイバでよい。出力セット923での各出力は、
図8の説明で詳述したように、ローカル入力の1つに接続するために符号924a〜gでの関連のバイパススイッチを設定することによって、末尾モジュール920の入力921の1つに選択的に接続するように構成することができる。代替として、出力セット923での各出力は、
図8の説明で詳述したように、関連の拡張入力ポートに接続するために符号924a〜gでの関連のバイパススイッチを設定し、次いでさらに、入力911からの選択された入力を、拡張入力ポート922での対応する拡張入力ポートに接続された出力913での出力に接続するために、スイッチモジュール910での適切なスイッチ要素を設定することによって、先頭モジュール910の入力911の1つに選択的に接続するように構成することができる。それにより、4×8拡張可能MCS920は、第2の4×8MCS910を拡張入力ポート922に取り付けて、2つの4×8スイッチモジュールのアセンブリ900を形成することによってアップグレードすることができ、これは、専用の8×8MCSと同じ機能を提供する。
【0050】
図10は、
図8の下位部分の拡大図であり、分割ツリーをバイパススイッチと接合するスイッチングブロック841、841’を示す。矢印a、b、c、dは、分割ツリーのレベル3から渡される入力を示す。この実施形態では、各スイッチングブロックは、利用可能なことがある4つの入力a〜dそれぞれから1つの入力を受信する。各バイパススイッチは、a〜dの1つまたはバイパスラインでの信号を出力するという選択肢を提供する。スイッチングブロックは、直列構成で配置されて、追加される光学ラインからの信号との間で順次に選択する。
【0051】
図11は、拡張可能スイッチに関する代替の下位部分である。スイッチングブロック1102、1104は、ツリー構成で配置され、
図10のスイッチングブロック841および841’と機能的に等価な代替形態である。ブロック1102で、スイッチ1106は、aとbの入力の間で選択可能であり、出力a/bを提供し、スイッチ1108は、cとdの入力の間で選択可能であり、出力c/dを提供する。スイッチ1110は、a/bとc/dの間で選択可能であり、出力a/b/c/dを提供し、これがスイッチ1112に渡され、スイッチ1112がさらに、a/bとc/dまたはバイパスB1信号の間で選択可能である。同様に、スイッチ1114、1116、1118、1120は、a〜dの任意のものとB2との間の選択性を提供するように構成される。
【0052】
図12は、拡張可能スイッチに関する代替の下位部分である。スイッチングブロック1208、1210は、ツリー構成で配置され、
図11でのスイッチングブロック1102および1104の代替の分散レイアウトを示す。スイッチングブロック1208は、バイパススイッチ1214に関連付けられるスイッチ1210、1211、1212を有する。スイッチングブロック1215は、バイパススイッチ1222に関連付けられるスイッチ1216、1218、1220を有する。スイッチ1210は、aとbの間で選択可能であり、a/bをスイッチ1212に渡す。スイッチ1211は、cとdの間で選択可能であり、出力c/dを提供し、これがスイッチ1212に渡され、スイッチ1212がさらに、a/bとc/dの間で選択する。関連のバイパススイッチ1214は、a/b/c/dとB1との間で選択可能である。スイッチングブロック1214および関連のバイパススイッチ1222は、a/b/c/d/B2を出力1224に方向付けるように同様に選択可能である。
【0053】
拡張可能4×3平坦光導波路回路(PLC)クロスコネクトの概念的な配置が、
図13に示される。拡張可能4×3PLCクロスコネクト1300は、N
i個の入力1302と、N
e個の拡張入力1303とを有する。スイッチ1300は、M
o個の出力1308と、M
e個の拡張出力1309とを有する。バイパススイッチ1312、1314は、それぞれ入力1302および1308をサービスする。留意すべき重要な特徴は、コンパクトな構成において、導波路アレイの長さが、ステージの数がM+N−1である一連のスイッチングステージをサポートすることである。現在のフィーチャサイズに基づいて、4×4よりも大きいスイッチは、PLCチップ上に導波路を巻き付けることを含む。8×8PLCクロスコネクトスイッチは、Goh他の”Low Loss and High Extinction Ratio Strictly Nonblocking 16 x 16 Thermooptic Matrix Switch on a 6−in Wafer Using Silica Based Planar Lightwave Circuit Technology,”Journal of Lightwave Technology 19(3):371−379(March 2001)に記載されている。Gohの記事に記載されているレイアウトにほぼ従う本明細書で述べるPLCの大まかなレイアウトが
図14に示される。スイッチ1400は、入力1402と出力1404とを有し、符号#1〜#15を付されたスイッチング/干渉モジュール1406を備える。1組のバイパススイッチ1408が、入力1402をスイッチするために提供され、出力バイパス1410が、出力1404の近くに提供される。前に述べたように、このタイプの物理的レイアウトに本発明を適用する際、本発明の拡張導波路およびバイパススイッチは、既存の導波路およびスイッチに隣接して経路指定することができ、既存のステージングを保ち、それにより、必要な集積チップのサイズをほとんどまたは全く増加しない。
【0054】
マルチキャストスイッチ(MCS)設計
適切にインターフェースする2つの平坦な導波路回路上に好適に配置することができる望ましいMCSスイッチ設計が開発されている。また、これらのMCSスイッチ設計は、各アド入力ラインまたはドロップ入力ラインに関して、任意選択での1×2スイッチまたは1×2光学スプリッタの使用によって拡張可能にすることができる。スイッチまたは分割された信号は、個別のMCSスイッチシステムに方向付けられる。これは、出力ラインでのスケーラビリティを提供する。同様に、入力ラインは、入力に関するラインを個別のMCSスイッチシステムに分割することによってスケール調整することができ、次いで、異なるMCSスイッチシステムからの対応する出力を再び結合することができる。
【0055】
望ましいMCS設計が
図15〜
図23に示されている。分かりやすくするために、スケーラビリティ機能は、
図15にのみ示されている。これらの図での設計は、例えば、2つの光学マルチキャストスイッチ機能1502(それぞれ、光学スプリッタ1054のアレイ、光スイッチ1506のアレイ、およびそれら2つの間の相互接続1508からなる)と、32個の光学タップカプラ1510と、32個のフォトダイオード1512と、32個のフォトダイオードと、32個の光アイソレータ1514と、16個の利得等化フィルタ1516と、16個のエルビウム添加ファイバスプール1518と、2つの1×8同調可能スプリッタ1520と、上記の機能全てと電気制御電子回路との間の相互接続とを示す。スイッチ/スプリッタ1522(
図15)が採用されることがあり、複数のMCS1500がその下流にある。これらの図に示される実施形態では、機能は、個別のモジュール1530、1540、1550に効率的に区分化され、モジュール間にファイバ相互接続1552、1552’を有する。1つのモジュール1530は、光学機能の平坦導波路回路(PLC)ベースのモノリシック集積と、フォトダイオードハイブリッド集積と、電気制御とを備える。第2のモジュール1540は、第1のモジュールと第2のモジュールとの間の効率的なファイバ相互接続を可能にするようにアレイ配置されたディスクリート構成要素を備える。第3のモジュール1550は、波長分割多重化装置、例えばアレイ導波路回折格子などと、同調可能スプリッタ(TSPL)とを備えることができる。
図18〜
図23は、デバイスを形成する組み立てられたモジュールの一実施形態の様々な図を示す。
【0056】
一般に、
図1〜
図13に概略的に示される拡張可能スイッチング要素は、光ファイバと接続された自由空間光学構成要素を使用して効果的に形成することができる。適切な個々のスイッチ、光学スプリッタ、光ファイバコネクタ、および他の付随構成要素は市販されており、改良されたバージョンが引き続き開発されている。しかし、適切なチップ上で平坦な光学回路としてデバイスを集積することが望ましいことがある。したがって、拡張可能スイッチは、適切なパッケージングを有する個々の平坦なデバイスとして形成することができ、適切なコネクタを使用して複数のスイッチを接続して、拡張機能を利用することができる。平坦なチップ上での多数の接続のレイアウトは、利用可能な機能全てを備える適当に小さいフットプリントを得るための技術である。そのようなレイアウトの一例は、
図23に示される。
【0057】
PLCを形成するための材料は、CVD法、その変形、火炎加水分解法、または他の適切な堆積手法を使用して、基板上に堆積することができる。適切な基板は、例えば、比較的高い処理温度に適切に耐えられる材料、例えばシリコンや、シリカまたはアルミナなどのセラミックを含む。いくつかの実施形態では、適切な二酸化ケイ素前駆体を導入することができ、所望の屈折率および処理特性を提供するためにシリカガラスをドープすることができる。パターン形成は、フォトリソグラフィまたは他の適切なパターン形成技法を用いて行うことができる。例えば、PLC用の上部クラッド層として使用するための、プラズマCVD(PECVD)に基づくGe、P、およびBでドープされたシリカガラスの形成は、参照により本明細書に援用する「GEBPSG Top Clad for a Planar Lightwave Circuit」という名称のZhong他への米国特許第7,160,746号に記載されている。同様に、光学平坦導波路用のコアの形成は、例えば、参照により本明細書に援用する「GEPSG Core for a Planar Lightwave Circuit」という名称のZhong他への米国特許第6,615,615号に記載されている。適切な導波路アレイの形成のためのパラメータが当技術分野で知られている。同様の処理は、InPガラスまたは他の光学ガラス材料を使用して行うことができる。
【0058】
一般に、スイッチを通過する光信号は、減衰された信号を有することがある。本明細書での拡張設計は、そのような減衰を減少させることができるが、拡張可能スイッチを適切な光増幅器に関連付けることが望ましいことがある。したがって、スイッチの入力に結合された光増幅器のアレイを積層化することが望ましいことがあるが、厳密な構造は、システムに適切となるように設計することができる。特に、ROADMの文脈でいくつかの構造を以下に説明する。
【0059】
マルチキャストスイッチを有するROADMアーキテクチャ
望ましい無色、無指向性、無コンテンション、およびフレキシブル−リジッドROADMアーキテクチャは、M×Nマルチキャストスイッチと、OXCロードバランサとに基づく。高速経路(express paths)内での(1×N光学カプラによる)ブロードキャストおよび(M×1波長選択スイッチ(WSS)による)選択アーキテクチャに基づく多次数の無色および無指向性ROADMが、ここ数年開発されている[1,2]。しかし、これまでのところ、ローカルアド/ドロップ経路に関して、着色波長(λ)または限られた数の無色λしか開発されていない。高速トラフィックの成長により、多数の無色、無指向性、および無コンテンション(CDC)波長を動的にアド/ドロップするために多次数のセントラルオフィス(CO)ノードが必要である[2]。一例として、8つの方向それぞれからの/それぞれへの96個のλを有する次数8のCOを考察すると、50%のアド/ドロップ率は、COが、96・8・50%=384個のλをアド/ドロップすることを必要とする。そのような多数のλをアド/ドロップするために、モジュール式およびスケーラブルM×Nマルチキャストスイッチ(MCS)が最も経済的な解決策を提供すると今日考えられている。本明細書では、MCSベースのフレキシブル−リジッドCDC ROADMのアーキテクチャを、そのコストが最小化されるように最適化するための方法を提示する。一実施形態が、
図18〜
図23に示されている。
【0060】
図18Aは、MCSベースのフレキシブル−リジッドCDC ROADMカード1800を示し、これは、表側1802と、ヒートシンク1804と、ラインカード1806と、マルチキャストスイッチモジュール1808と、アイソレータ/EDFトレイ1810と、ファイバ管理トレイ1812と、カバーファイバ管理トレイ1814とを有する。
図18Bは、カード1800の別の側からの斜視図であり、ファイバ1816と、ファイバ管理トレイ1818と、プロテクタファイバスプライシング1820とをさらに示す。
図19は、カード1800のサブアセンブリ1801の平面図であり、侵入不可領域1822を示す。
図20は、サブアセンブリ1801の斜視図であり、侵入不可領域1822の上で、マルチキャストスイッチモジュール1808を定位置で示す。
図21は、アイソレータ/GFF/EDFトレイ1824と、ファイバ1816と、プロテクタファイバスプライシング1820とを有するサブアセンブリ1801の平面図である。
図22は、ファイバ管理トレイ1818を有するサブアセンブリ1801を示す。ヒートシンク1804は、カードの上部付近に配置される。入出力ファイバは、MCS/TSPLモジュールの底部からある角度で出て、フェースプレートバルクヘッドに引き回される。
図23は、平坦に統合された4×16拡張可能MCSに関する大まかなレイアウトを示し、いくつかの取り得る相対寸法および他の大まかな詳細を含むが、具体的なレイアウトは、一般に設計者の特定の嗜好を含む。
【0061】
M×Nマルチキャストスイッチに基づく基本的なCDC ROADMアーキテクチャ
基本的なM×NのMCS2400が、
図24aのグレーカードに示されており[3]、一例として、M=8およびN=16を有する。8個のMCS入力ポート2402がそれぞれ、8つの方向の1つに接続される。MCSは、ローカル発振器として働く組込型の同調可能レーザを有する外部コヒーレント受信機(CR)に事前フィルタリングなしで「無色」ドロップを提供し、または代替として、外部同調可能チャネルフィルタが、単一波長チャネルを、標準の直接検出受信機に提供されるように隔離することができる。同調可能チャネルフィルタは、非常に低コストの技術を開発することができない限り、全体のコストをかなり増加する可能性があり、したがって、本発明者らは、コヒーレントシステムにのみ着目する。MCSは、「無指向性」である。なぜなら、任意の出力ポートが、任意の方向からの任意の入力信号を1×M選択スイッチによってドロップすることができるからである。MCSはまた「無コンテンション」でもある。なぜなら、各1×Mスイッチが、特定の方向からの信号のみを選択することができ、したがって、規定の動作に関して、異なる方向からの同じ色のλが互いに衝突するのを防止するからである。最後に、MCSは、CRのフィルタレス機能により、「フレキシブルグリッド」の機能も有し、これもまた、MCSベースのROADMを本来的に低コストにする。
【0062】
独立型のMCSは、いくつかの理由により、他次数のCDCアド/ドロップ機能を完成することができない。まず、1×Nスプリッタの損失が、エルビウム添加ファイバ増幅器(EDFA)によって補償されることがある。第2に、MCS当たりの限られた出力ポート(今日の平坦導波路回路またはMEMS技術を使用して、N≦24)により、複数のMCSカードが、pay−as−you−grow(システム規模に応じた支払い)方式で追加されなければならない。合計384個のλに関して、384/16=24個の8×16MCSカードを使用する必要がある。その結果、各方向からの入射する96個のλをその24個の出力ポートに分割し、最も重要なことには、出力ポート当たりのλの最大数(N
WSS,max)を制御するために、各ドロップファイバと24個のMCSカードとの間で1×24WSSを使用することができる。基本的なCDC ROADMアーキテクチャは、8個の1×24WSSの上層と、192個のEDFAの第2の層と、24個の8×16MCSカードの下層とを有することがあり、8つの方向の任意の方向から384個のλをコンテンションなしでドロップできるようにする。余剰の増幅MCSカードを
図24aに追加することによってホットスタンバイ保護を実現することができ、それにより、アクティブな増幅MCSカードが故障した場合に、上層のWSSは、対応するトラフィックを保護カードに再経路指定することができる。同様のアーキテクチャが、アド方向に関して必要とされる。この基本的なアーキテクチャでは、多数のEDFAおよび大きなポート数のWSSが、コスト、空間、および電力消費の問題を引き起こすことがあることに留意されたい。
【0063】
上述したパラメータN
WSS,maxは、以下の条件を満たさなければならない。(i)N
WSS,max≦N
CR。ここで、N
CRは、許容できる程度に低いOSNRペナルティでCRによって取り扱うことができる同時のλの最大数である[4]。この条件は、CRによってN
WSS,max個のλが全て受信されるので必要とされる。(ii)N
WSS,max=N
split。ここで、N
splitは、ポストEDFA分割ポートの総数である(
図24aでは、N
split=16)。この条件は、λがただ1つの方向から増幅MCSに到着するときに、最悪の不均一なトラフィックに対処するために必要とされ、各CRが一意の波長を選択する。N
WSS,max>N
splitの場合、これは、(N
WSS,max−N
split)個のλが、出られる出力ポートを有さないことを示唆し、N
WSS,max<N
splitは、入射するλがただ1つの方向から流入し続けるときに、元のカードに依然として空のポートが残っているときでさえ、新たな増幅MCSカードを追加しなければならないことを示唆する。したがって、理想的な条件は、N
WSS,max=N
splitである。(iii)各EDFAは、CRでのλ(P
rec)当たりの十分な光パワーを有するN
WSS,max個のλを提供すべきであり、これは、100G DP−QPSKに関して−20dBmの典型的な受信機感度を有する。条件(i)と(ii)を組み合わせると、以下のような式で表すことができる。
N
split=N
WSS,max≦N
CR 増幅MCSカードでの全てのEDFAに関して (1)
したがって、条件(iii)から、
P
rec=P
EDFA−10・log(N
WSS,max)−10・log(N
split)−IL
excess (2)
ここで、P
EDFAは、各EDFAの総出力パワーであり、IL
excessは、10・log(N)にわたるMCS余剰損失であり、これは、3〜6dBの範囲内であることがある。式(1)および(2)は、
図24でのあらゆるEDFAが、最悪の場合の不均一なトラフィック、すなわちλのN
WSS,max個のチャネルを取り扱うように設計され、その結果、より高いパワーのEDFAおよびより高いコストを必要とすることを示唆する。不均一なトラフィックの影響は、均一なトラフィックに対する不均一トラフィックの比ηで表現することができる。例えば、
図19aで、50%のドロップ率を有する均一なトラフィックから、N
WSS,unif=96・50%/24=2が得られ、したがってη=N
WSS,max/N
WSS,unif=16/2=8である。
【0064】
M×Nマルチキャストスイッチに基づくCDC ROADMアーキテクチャ
図24は、次数8の50%ドロップCDC ROADMを示す。
図24aは、8個の1×24WSS2404と、24個の増幅された8×16MCS2406とを使用し、
図24bは、EDFA2411とデュアルMCS2414との間に1×2スプリッタ2412を挿入することによって、8個の1×12WSS2408と、12個の増幅されたデュアル8×16カードとを使用する。符号「CR=」を付されたブロックは、コヒーレント受信機を示す。コストおよびサイズ減少のための、
図24aにおける基本的なアーキテクチャのさらなる改良を以下に説明する。コストの観点から、アド/ポート当たりのCDC ROADMでのコストは、以下のように与えられる。
アド/ドロップポート当たりのコスト=MCSアド/ドロップポート当たりのコスト+EDFAコスト/J+WSSポートコスト/K (3)
【0065】
図24aに示される例では、J=2(8個のEDFAが、16個のMCSアド/ドロップポートに対応する)およびK=2(8個のWSSアド/ドロップポートが、16個のMCSアド/ドロップポートに対応する)である。ここで、問題は、N
splitを増加することによってJとKをさらに増加させることができるかどうかであり、したがって、より多くのMCSアド/ドロップポートが、より高次層のEDFAおよびWSSのコストを共有することができる。1つの手法は、MCSのアド/ドロップポート数を増加することであるが、現在、MCS当たりの最大ポート数は、≦24である。別の手法は、
図1b(L=1)に示されるように、EDFAとMCSの間に1×2
L(L=1、2、3、…)スプリッタを挿入することである(したがって、N
split=N×2
L)。
図24aと
図24bを比較することによって観察することができるように、
図24bでの1×2スプリッタ層の追加は、効果的に、増幅MCSを8×32モジュールにして、これにより、増幅MCSカードおよびWSSポートの数の50%の減少が可能になることに留意されたい。他方、N
splitは、非常に大きくはできない。その上限は、N
split=N
WSS,maxおよびP
EDFA=21dBmとすることによって式(2)から得ることができ、その結果が、
図25に示される。P
rec=−16dBm(これは、典型的なCRに関して4dBの差を与える)を仮定すると、MCS余剰損失に応じて、N
splitは、≦32(例えば、1×2スプリッタを有するデュアル8×16MCSを使用する)または≦48(例えば、1×2スプリッタを有するデュアル8×24MCSを使用する)となり得ることが分かる。
【0066】
今日、典型的なN
CRは、≦12〜16であり、したがって、式(1)でのN
CRは、実際には、将来の独自仕様のデジタル信号処理アルゴリズムによって制約を緩和することができるにせよ、N
splitに対して式(2)よりも厳しい制約を設定する。式(1)はまた、N
splitが倍になるたびにP
recが3dBではなく6dB減少されるように、N
splitとN
WSS,maxが密結合されることを示す。しかし、式(1)によって設定されるN
splitに対する制約を緩和するためにいくつかのアーキテクチャ手法が存在する。第1の手法は、MCSとCRの間で同調可能フィルタアレイ(TFA)を使用するものであり、N
split=N
WSS,maxが大きいにせよ、CRでの受信されたλの数が、≦N
CRであることを保証する[5]。この手法の欠点は、TFAのコストが、ドロップポート当たりのコストに直接加わり、TFAの約2dBの挿入損失が、EDFAコストを実質的に高める可能性があることである。第2の手法は、増幅MCSカードでのEDFAが、同調可能1×Mスプリッタを介して1つまたは2つのポンプレーザを共有し、それにより、EDFAの大半は、N
WSS,max個のλの全負荷を増幅する必要がなく、したがってコストを節約するというものである[3]。この方法の欠点は、動的なλアド/ドロップに関して、EDFAによって共有されるポンプをフレキシブルに調節するのが難しいことである。また、この方法は、大きなN
splitが式(3)でのKを増加させることがない。本発明者らの手法は、式(1)で、N
splitをN
WSS,maxから減結合し、それにより、N
splitを独立して増加させることができるようにすることである。OXCロードバランサ(100%ドロップ)を有するMCSベースのCDC ROADM2448を示す
図26に示されるように、N×N(N=64)光クロスコネクト(OXC)2450が、WSS2452とEDFA2452層の間に挿入され、N
splitが動的に4×24=96に増加される。OXCは、「ロードバランサ」(LB)として働き、すなわち、最初の96個のλがただ1つの方向(例えば西方向)から到着しているときでさえ、ロードバランサは、8個の西方向のWSS出力ポート(ポート当たり12個のλを有する)を最前行にシャッフルし直し、それにより、複数ではなくただ1つの増幅されたMCSカードを使用すればよい。
図26でのROADMは、以下の特徴を有する。(a)100%アド/ドロップを可能にし、それにより、そのコストを最大784個のアド/ドロップポートによって共有することができる。(b)優れたη=1を示す。(c)CR(N
WSS,max=12)での少数の一致チャネルを使用し、約2dBのその挿入損失は、コスト増加なしで、後続のEDFAによって容易に補償することができる。(d)ポストEDFA分割を96へ大幅に増加するが、依然として、妥当なP
rec=−15dBmで動作する(式(2)から、P
EDFA=21dBmおよびIL
excess=5dBで得られる)。また、式(1)でのJおよびKは、ここで12に増加され、これは、
図27に示されるように、最小の全体の材料費をもたらす(「8×96+LB」参照)。また、
図27には、50%アド/ドロップで従来の手法を使用した他のタイプのMCSの相対コストが示されている。ロードバランサが8×16MCSベースのROADMの総コストを例えば約70%減少させることができる主な理由は、ドロップ方向で、192個の15dBmのEDFAが、64個の21dBm EDFAに減少され、WSSポートの数が192から64に減少されるからである。
図27での公正な比較に関して、8×12および8×16MCSは、現在のところ1×32および1×24WSSが利用可能でないので50%アド/ドロップを全く実現できず、8×24および8×32MCSは、そのN
WSS,maxが現在の12〜16のN
CRを超えるので、特定のOSNRペナルティを受けることがある。
【0067】
図28は、様々なネットワーク構成に統合されたROADMを示す。拡張可能マルチキャストスイッチの使用は、望ましい経路指定フレキシビリティを提供する。ROADM2800は、プログラム可能なスプリッタ2802を有し、スプリッタ2802は、休止チャネルへの光パワーの分散および関連の浪費を回避するようにプログラム可能である。プログラム可能なスプリッタ2802は、例えば、一方向トラフィック2804のためのパワー分散を動的に再構成することができ、符号2802aが分割効果を示す。スプリッタ2802は、例えば、均一に全ての方向からのトラフィックのためにプログラム可能であり(2806)、符号2802b、2802b’が例示的な信号フローを示す。スプリッタ2802は、任意のトラフィック2808に関してプログラム可能であり、符号2802c、2802c’、2802c’’が例示的な信号フローを示す。
【0068】
図29は、プログラム可能なスプリッタとして使用される連続的なスイッチの一実施形態を示す。MZIベースのプログラム可能なスプリッタ2900は、入力N(2902)を有し、これは、16個の出力2804に動的に分割される。そのようなスプリッタは、マルチキャストスイッチに関する、例えば上述した特定の実施形態に関するスプリッタツリーとして使用することができる。一般に、連続範囲光スイッチは、マッハ−ツェンダー干渉計から形成することができ、その移相器へのドライブ電圧の連続的な範囲を受け入れる。本明細書で述べるアーキテクチャに関する光スイッチ、例えば、1×2、2×1、および2×2スイッチも同様に、マッハ−ツェンダー干渉計構造に基づくことができる。代替の光スイッチ設計は、MEMs技術および/または他の機械的な構造、例えば、圧電ベースの構造、電気光効果、磁気光効果、それらの組合せなどに基づくことができる。一般に、光スイッチ設計は、当技術分野で知られており、引き続きさらなる開発が行われている。
【0069】
図30は、
図24aのROADM設計の代替実施形態を示す。この実施形態では、ROADM3000は、波長選択スイッチ(WSS)3004とMCS回路3006との間に配置されたプラグ可能な増幅器カード3002を備える。MCS回路3006は、スプリッタ3008およびスイッチバンク3010を備える。増幅器は、各入力信号をMCSに増幅させることができる。
図31は、
図28を参照して、均一に全ての方向からのトラフィックを有するネットワークと共に使用するための低出力増幅器を備える実施形態の変形形態を示す。
【0070】
図32は、ロードバランスのための、OXCクロスコネクトスイッチ3022への入力を提供する入力3021に接続された1組の8個の1×20WSS3020を有するROADMの一実施形態を示す。プラグ可能な増幅器プール3024が、WSSからの信号の増幅を提供する。いくつかの実施形態では、OXC3020からの出力の一部3030は、MCS3028の入力ポートに向けることができ、OXCの出力の第2の部分3032は、MCSの拡張入力ポート3034に向けることができ、拡張入力ポート3034は、バイパススイッチ3038につながるバイパス光路3036に接続される。この実施形態は、完全に自動でありフレキシブルなスイッチングの提供を含む。
【0071】
ROADM内部の代替経路を使用するROADM設計が、
図33に示される。パネル(c)のアーキテクチャは、予め設置された多数のDWDMトランスポンダおよび光輸送ネットワークスイッチポートに基づくコンテンション緩和機能を備えるROADMと対比され、そのROADMは、パネル(a)に概略的に示され、パネル(b)のクライアント側ファイバクロスコネクトに基づく。本明細書で述べる拡張可能スイッチは、これらのアーキテクチャの任意のもので効果的に使用することができるが、パネル(c)での設計は、有意でない確率までコンテンションを緩和するために、スイッチのコンテンション減少バンクを通る再経路指定を含む。ROADMの一実施形態のアーキテクチャが、
図34に示される。
【0072】
図34に示されるように、コンテンション減少バンクは、最大N−1個のコンテンション緩和(CM)スイッチ構造を備えることができ、ここで、Nは、ROADMへの入力の数である。各CMスイッチ構造は、N×Mスイッチ、例えばクロスコネクトスイッチまたは他の同様のスイッチ機能を備えることができる。
図34に示されるように、各スイッチ構造は、1×8パワーカプラと、1×16パワースイッチとを備え、これらがクロスコネクト機能を提供する。さらに、ROADMは、M個のドロップバンクを備える。
図34に示されるように、WSSからの出力は、M個の(1×N)パワーカプラに進み、これらは、MCSスイッチに入力を提供し、コンテンションバンクからの出力もMCS入力に向けられる。本明細書で述べる拡張可能MCSスイッチ設計に基づく代替実施形態では、コンテンションバンクからの出力は、MCSスイッチの拡張入力ポートに向けることができ、WSSの出力は、カプラを使用せずに、MCSスイッチの入力に直接向けることができる。提供される負荷の関数としてのブロック率は、実質的にコンテンションのないものであることがあり、例えば、比較的多数のコンテンションバンク、具体的には5〜7個のコンテンションバンクで、ブロック率は10−7よりもはるかに低い。
【0073】
リング光ネットワークは、かなりのロバストネスを提供することができる。なぜなら、ラインの断絶が生じた場合、信号伝送は、代替として、断絶の位置に関係なく並列リングによって行うことができるからである。1組のノードを接続する2つの並列光学経路を備えるリングネットワークの概念図が、
図35に示される。そのようなリングネットワークは、例えば、ノード当たり約4〜8個のポート、88個のDWDM波長、および無色ROADMを備えるネットワークメトロエッジとして使用することができる。いくつかの実施形態では、リングネットワークは、主要ノードおよび関連のサブノードを備える集中型リングネットワークとして使用することができる。可能なノード構造が、
図36に示される。
【0074】
図36を参照すると、ノード3602は、ADDおよびDROP機能を行うための2つの平行な構造を備える。各並列光学ライン3604および3606は、1×2WSSによって、ノードのADD(3608、3610)側およびDROP(3612、3614)側に接続する。ノードのADD側は、それぞれWSS3608、3610に接続された2つのMCS3620、3622を備え、MCS3620、3622は、1組の2×1バイパススイッチ2624で接続する。同様に、ノードのDROP側は、それぞれWSS3612、3614に接続された2つのMCS3640、3642を備え、MCS3640、3642は、1組の2×1バイパススイッチ2644で接続する。統合された拡張可能MCSが使用される場合、MCSの対(3620+3622または3640+3642)の一方からの出力を他のMCSスイッチの拡張入力ポートに向けて、所望の機能を提供するために拡張可能スイッチのバイパススイッチを利用することができる。
【0075】
上述した実施形態は、例示的なものであり、限定ではないものと意図される。さらなる実施形態が特許請求の範囲内にある。さらに、本発明を、特定の実施形態を参照して説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく形態および詳細に変更を施すことができることを当業者は理解されよう。上記の文献の参照による任意の組込みは、本明細書での明示的な開示に反する主題が組み込まれないように限定される。
【0076】
参照により本明細書に援用する参考文献:[1]M.Feuer他、Optical Fiber Telecommunications,Vol.B,Systems and Networks,Chapter 8,2008(非特許文献1);[2]S.Gringeri他、IEEE Commn.Mag.,p.40,July 2010(非特許文献2);[3]S.ZhongおよびJ.Bao、米国特許出願公開第2009/0067845号(特許文献1);[4]L.Nelson他、J.Lightwave Technol.,p.2933,2010(非特許文献3);[5]T.Watanabe他、OFC/NFOEC,paper OTuD3,2011(非特許文献4)。