特許第6244306号(P6244306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 積水化学工業株式会社の特許一覧 ▶ 電気化学工業株式会社の特許一覧

特許6244306合わせガラス用中間膜、合わせガラス用中間膜の製造方法及び合わせガラス
<>
  • 特許6244306-合わせガラス用中間膜、合わせガラス用中間膜の製造方法及び合わせガラス 図000010
  • 特許6244306-合わせガラス用中間膜、合わせガラス用中間膜の製造方法及び合わせガラス 図000011
  • 特許6244306-合わせガラス用中間膜、合わせガラス用中間膜の製造方法及び合わせガラス 図000012
  • 特許6244306-合わせガラス用中間膜、合わせガラス用中間膜の製造方法及び合わせガラス 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6244306
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】合わせガラス用中間膜、合わせガラス用中間膜の製造方法及び合わせガラス
(51)【国際特許分類】
   C03C 27/12 20060101AFI20171127BHJP
   B32B 27/22 20060101ALI20171127BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20171127BHJP
   C08L 31/04 20060101ALI20171127BHJP
   C08K 5/00 20060101ALI20171127BHJP
   B60J 1/00 20060101ALN20171127BHJP
【FI】
   C03C27/12 F
   B32B27/22
   B32B27/30 102
   B32B27/30 Z
   C08L31/04 Z
   C08K5/00
   !B60J1/00 H
【請求項の数】19
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2014-544590(P2014-544590)
(86)(22)【出願日】2013年10月31日
(86)【国際出願番号】JP2013079611
(87)【国際公開番号】WO2014069593
(87)【国際公開日】20140508
【審査請求日】2016年9月27日
(31)【優先権主張番号】特願2012-240998(P2012-240998)
(32)【優先日】2012年10月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003296
【氏名又は名称】デンカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】特許業務法人 宮▲崎▼・目次特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島本 倫男
(72)【発明者】
【氏名】岩本 達矢
(72)【発明者】
【氏名】小松 亮介
(72)【発明者】
【氏名】吉田 章吾
(72)【発明者】
【氏名】丹野 信幸
(72)【発明者】
【氏名】橋本 崇男
(72)【発明者】
【氏名】小竹 弘寿
【審査官】 岡田 隆介
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−032434(JP,A)
【文献】 特開昭62−100463(JP,A)
【文献】 特開平11−255827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 27/00−29/00
B32B 17/10
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変性ポリ酢酸ビニルと、可塑剤とを含み、
前記変性ポリ酢酸ビニルが、酢酸ビニル構造単位と脂肪酸ビニルエステル構造単位とを有する、合わせガラス用中間膜。
【請求項2】
前記変性ポリ酢酸ビニルが、前記酢酸ビニル構造単位と前記脂肪酸ビニルエステル構造単位との合計100モル%中、前記酢酸ビニル構造単位を45モル%以上、前記脂肪酸ビニルエステル構造単位を55モル%以下で含む、請求項1に記載の合わせガラス用中間膜。
【請求項3】
前記脂肪酸ビニルエステル構造単位が脂肪酸ビニルエステルに由来して導入される構造単位であり、前記脂肪酸ビニルエステルの炭素数が20以下である、請求項1又は2に記載の合わせガラス用中間膜。
【請求項4】
前記脂肪酸ビニルエステルの炭素数が5以上20以下である、請求項3に記載の合わせガラス用中間膜。
【請求項5】
前記脂肪酸ビニルエステル構造単位が脂肪酸ビニルエステルに由来して導入される構造単位であり、前記脂肪酸ビニルエステルが、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、桂皮酸ビニル又はネオデカン酸ビニルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
【請求項6】
前記変性ポリ酢酸ビニルが、前記酢酸ビニル構造単位と前記脂肪酸ビニルエステル構造単位とカルボキシル基を有するモノマーに由来する構造単位とを有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
【請求項7】
前記カルボキシル基を有するモノマーが、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸モノエステル又はイタコン酸モノエステルである、請求項6記載の合わせガラス用中間膜。
【請求項8】
前記変性ポリ酢酸ビニルが、前記酢酸ビニル構造単位と前記脂肪酸ビニルエステル構造単位と前記カルボキシル基を有するモノマーに由来する構造単位との合計100モル%中、前記酢酸ビニル構造単位を45モル%以上98.99モル%以下、前記脂肪酸ビニルエステル構造単位を1モル%以上50モル%以下、前記カルボキシル基を有するモノマーに由来する構造単位を0.01モル%以上5モル%以下で含む、請求項6又は7記載の合わせガラス用中間膜。
【請求項9】
前記変性ポリ酢酸ビニルが、前記酢酸ビニル構造単位と前記脂肪酸ビニルエステル構造単位との合計100モル%中、前記酢酸ビニル構造単位を50モル%以上、前記脂肪酸ビニルエステル構造単位を50モル%以下で含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
【請求項10】
前記変性ポリ酢酸ビニルの重合度が1000以上、9000以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
【請求項11】
第1の層のみを備える1層の構造、又は、第1の層と他の層とを備える2層以上の積層構造を有する合わせガラス用中間膜であって、
前記第1の層が、前記変性ポリ酢酸ビニルと、前記可塑剤とを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
【請求項12】
第1の層と、
前記第1の層の第1の表面に積層された第2の層とを備え、
前記第1の層が、前記変性ポリ酢酸ビニルと、前記可塑剤とを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
【請求項13】
前記第2の層が、ポリビニルアセタール樹脂を含み、
前記第2の層中の前記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度が15モル%以下、かつ、水酸基の含有率が20モル%以上である、請求項12に記載の合わせガラス用中間膜。
【請求項14】
前記第1の層の前記第1の表面とは反対の第2の表面に積層された第3の層をさらに備える、請求項12又は13に記載の合わせガラス用中間膜。
【請求項15】
前記第3の層が、ポリビニルアセタール樹脂を含み、
前記第3の層中の前記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度が15モル%以下、かつ、水酸基の含有率が20モル%以上である、請求項14に記載の合わせガラス用中間膜。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜の製造方法であって、
下記式(X)で表される構造単位を有する化合物の存在下で、酢酸ビニルと脂肪酸ビニルエステルとを共重合させて、酢酸ビニル構造単位と脂肪酸ビニルエステル構造単位とを有する変性ポリ酢酸ビニルを得る工程と、
前記ポリ酢酸ビニルと、可塑剤とを含む合わせガラス用中間膜を得る工程を備える、合わせガラス用中間膜の製造方法。
【化1】
前記式(X)中、X1及びX2はそれぞれ、炭素数1〜12のアルキル基、水素原子又は金属塩を表し、Y1は、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、カルボン酸金属塩又は水素原子を表し、gは0〜3の整数を表し、hは0〜12の整数を表す。
【請求項17】
前記変性ポリ酢酸ビニルを得る工程において、前記式(X)で表される構造単位を有する化合物の存在下で、前記酢酸ビニルと前記脂肪酸ビニルエステルとの合計100モル%中、前記酢酸ビニル45モル%以上と前記脂肪酸ビニルエステル55モル%以下とを共重合させて、前記酢酸ビニル構造単位と前記脂肪酸ビニルエステル構造単位とを有する変性ポリ酢酸ビニルを得る、請求項16に記載の合わせガラス用中間膜の製造方法。
【請求項18】
前記変性ポリ酢酸ビニルを得る工程において、前記式(X)で表される構造単位を有する化合物の存在下で、前記酢酸ビニルと前記脂肪酸ビニルエステルとカルボキシル基を有するモノマーとの合計100モル%中、前記酢酸ビニル45モル%以上98.99モル%以下と前記脂肪酸ビニルエステル1モル%以上50モル%以下と前記カルボキシル基を有するモノマー0.01モル%以上5モル%以下とを共重合させて、前記酢酸ビニル構造単位と前記脂肪酸ビニルエステル構造単位と前記カルボキシル基を有するモノマーに由来する構造単位とを有する変性ポリ酢酸ビニルを得る、請求項16又は17に記載の合わせガラス用中間膜の製造方法。
【請求項19】
第1の合わせガラス構成部材と、
第2の合わせガラス構成部材と、
請求項1〜15のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜とを備え、
前記第1,第2の合わせガラス構成部材の間に、前記合わせガラス用中間膜が挟み込まれている、合わせガラス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車及び建築物などの合わせガラスに用いられる合わせガラス用中間膜に関する。また、本発明は、該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスに関する。
【背景技術】
【0002】
合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片の飛散量が少なく、安全性に優れている。このため、上記合わせガラスは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶及び建築物等に広く使用されている。上記合わせガラスは、一対のガラス板の間に中間膜を挟み込むことにより、製造されている。
【0003】
近年、合わせガラスを軽量化するために、合わせガラスの厚みを薄くすることが検討されている。しかし、合わせガラスの厚みを薄くすると、遮音性が低くなる。遮音性が低い合わせガラスを自動車のフロントガラス等に用いた場合には、風切り音又はワイパーの駆動音等の5000Hz程度の音域の音に対して、遮音性が充分に得られないという問題がある。
【0004】
そこで、中間膜の材料の変更により、合わせガラスの遮音性を高めることが検討されている。
【0005】
合わせガラス用中間膜の一例として、下記の特許文献1には、アセタール化度が60〜85モル%のポリビニルアセタール樹脂100重量部と、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩の内の少なくとも一種の金属塩0.001〜1.0重量部と、30重量部を超える可塑剤とを含む遮音層が開示されている。この遮音層は、単層で中間膜として、又は他の層と積層されて多層の中間膜として用いられ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−070200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に記載の中間膜を用いた合わせガラスでは、遮音性をある程度高めることができるものの、遮音性の更なる向上が求められている。
【0008】
また、近年、内燃機関を用いた燃料自動車から、電気モータを用いた電気自動車及び内燃機関と電気モータとを用いたハイブリッド電気自動車等への移行が進行している。内燃機関を用いた燃料自動車に用いられる合わせガラスでは、比較的低周波域での遮音性が特に求められている。但し、内燃機関を用いた燃料自動車に用いられる合わせガラスでも、高周波域での遮音性が高いことが望ましい。これに対して、電気モータを利用した電気自動車及びハイブリッド電気自動車に用いられる合わせガラスでは、電気モータの駆動音を効果的に遮断するために高周波域における高い遮音性が特に求められる。
【0009】
上記特許文献1に記載の中間膜を用いて合わせガラスを構成した場合には、合わせガラスの高周波域における遮音性が充分ではなく、従ってコインシデンス効果による遮音性の低下が避けられないことがある。特に、この合わせガラスの20℃付近での遮音性が充分ではないことがある。
【0010】
ここで、コインシデンス効果とは、ガラス板に音波が入射したとき、ガラス板の剛性と慣性とによって、ガラス面上を横波が伝播して横波と入射音とが共鳴し、その結果、音の透過が起こる現象をいう。
【0011】
また、近年、合わせガラスの遮音性を高めるために、中間膜に過剰量の可塑剤を添加することも検討されている。中間膜に過剰量の可塑剤を添加することにより、合わせガラスの遮音性を改善できる。しかしながら、過剰量の可塑剤を用いた場合には、中間膜の表面に可塑剤がブリードアウトすることがある。
【0012】
また、合わせガラスは、屋外で使用されるため、アルカリ性の条件に晒されることがある。従来の中間膜がアルカリ性の条件に晒されると、中間膜が変質し、劣化することがある。そのため、中間膜がアルカリ性の条件に晒されても、中間膜が変質し、劣化することを防止できる性能(以下、耐アルカリ性ともいう)を高めることが好ましい。
【0013】
本発明の目的は、合わせガラスを構成するのに用いられた場合に、得られた合わせガラスにおける遮音性を高めることができる合わせガラス用中間膜、並びに該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供することである。
【0014】
本発明の限定的な目的は、合わせガラスを構成するのに用いられた場合に、得られた合わせガラスにおける高周波域での遮音性を高めることができる合わせガラス用中間膜、並びに該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供することである。
【0015】
本発明の限定的な目的は、中間膜の耐アルカリ性を高めることができる合わせガラス用中間膜、並びに該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の広い局面によれば、変性ポリ酢酸ビニルと、可塑剤とを含み、前記変性ポリ酢酸ビニルが、酢酸ビニル構造単位と脂肪酸ビニルエステル構造単位とを有する、合わせガラス用中間膜が提供される。
【0017】
本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、前記変性ポリ酢酸ビニルが、前記酢酸ビニル構造単位と前記脂肪酸ビニルエステル構造単位との合計100モル%中、好ましくは、前記酢酸ビニル構造単位を45モル%以上、前記脂肪酸ビニルエステルを55モル%以下で含み、より好ましくは、前記酢酸ビニル構造単位を50モル%以上、前記脂肪酸ビニルエステル構造単位を50モル%以下で含む。
【0018】
本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、前記脂肪酸ビニルエステル構造単位が脂肪酸ビニルエステルに由来して導入される構造単位であり、好ましくは、前記脂肪酸ビニルエステルの炭素数が20以下であり、より好ましくは、前記脂肪酸ビニルエステルの炭素数が5以上20以下である。
【0019】
本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、前記脂肪酸ビニルエステルが、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、桂皮酸ビニル又はネオデカン酸ビニルである。
【0020】
本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、前記変性ポリ酢酸ビニルが、前記酢酸ビニル構造単位と前記脂肪酸ビニルエステル構造単位とカルボキシル基を有するモノマーに由来する構造単位とを有する。
【0021】
本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、前記カルボキシル基を有するモノマーが、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸モノエステル又はイタコン酸モノエステルである。
【0022】
本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、前記変性ポリ酢酸ビニルが、前記酢酸ビニル構造単位と前記脂肪酸ビニルエステル構造単位と前記カルボキシル基を有するモノマーに由来する構造単位との合計100モル%中、前記酢酸ビニル構造単位を45モル%以上98.99モル%以下、前記脂肪酸ビニルエステル構造単位を1モル%以上50モル%以下、前記カルボキシル基を有するモノマーに由来する構造単位を0.01モル%以上5モル%以下で含む。
【0023】
本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、前記変性ポリ酢酸ビニルが、下記式(X)で表される構造単位を有する化合物の存在下で、前記酢酸ビニルと前記脂肪酸ビニルエステルとを共重合させて得られる。
【0024】
【化1】
【0025】
前記式(X)中、X1及びX2はそれぞれ、炭素数1〜12のアルキル基、水素原子又は金属塩を表し、Y1は、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、カルボン酸金属塩又は水素原子を表し、gは0〜3の整数を表し、hは0〜12の整数を表す。
【0026】
本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、前記変性ポリ酢酸ビニルが、前記式(X)で表される構造単位を有する化合物の存在下で、前記酢酸ビニルと前記脂肪酸ビニルエステルとの合計100モル%中、前記酢酸ビニル45モル%以上と前記脂肪酸ビニルエステル55モル%以下とを共重合させて得られる。
【0027】
本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、前記変性ポリ酢酸ビニルが、前記式(X)で表される構造単位を有する化合物の存在下で、前記酢酸ビニルと前記脂肪酸ビニルエステルと前記カルボキシル基を有するモノマーとの合計100モル%中、前記酢酸ビニル45モル%以上98.99モル%以下と前記脂肪酸ビニルエステル1モル%以上50モル%以下と前記カルボキシル基を有するモノマー0.01モル%以上5モル%以下とを共重合させて得られる。
【0028】
本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、前記変性ポリ酢酸ビニルの重合度が1000以上、9000以下である。
【0029】
本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、該合わせガラス用中間膜は、第1の層のみを備える1層の構造、又は、第1の層と他の層とを備える2層以上の積層構造を有し、前記第1の層が、前記変性ポリ酢酸ビニルと、前記可塑剤とを含む。
【0030】
本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、該合わせガラス用中間膜は、第1の層と、前記第1の層の第1の表面に積層された第2の層とを備え、前記第1の層が、前記変性ポリ酢酸ビニルと、前記可塑剤とを含む。
【0031】
本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、前記第2の層が、ポリビニルアセタール樹脂を含み、前記第2の層中の前記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度が15モル%以下、かつ、水酸基の含有率が20モル%以上である。
【0032】
本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、該合わせガラス用中間膜は、前記第1の層の前記第1の表面とは反対の第2の表面に積層された第3の層をさらに備える。
【0033】
本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、前記第3の層が、ポリビニルアセタール樹脂を含み、前記第3の層中の前記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度が15モル%以下、かつ、水酸基の含有率が20モル%以上である。
【0034】
本発明に係る合わせガラスは、第1の合わせガラス構成部材と、第2の合わせガラス構成部材と、上述した合わせガラス用中間膜とを備え、前記第1,第2の合わせガラス構成部材の間に、前記合わせガラス用中間膜が挟み込まれている。
【発明の効果】
【0035】
本発明に係る合わせガラス用中間膜は、変性ポリ酢酸ビニルと可塑剤とを含み、更に上記変性ポリ酢酸ビニルが、酢酸ビニル構造単位と脂肪酸ビニルエステル構造単位とを有するので、本発明に係る合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの遮音性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に示す部分切欠断面図である。
図2図2は、本発明の第2の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に示す部分切欠断面図である。
図3図3は、図1に示す合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの一例を模式的に示す部分切欠断面図である。
図4図4は、図2に示す合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの一例を模式的に示す部分切欠断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の詳細を説明する。
【0038】
本発明に係る合わせガラス用中間膜は、変性ポリ酢酸ビニルと可塑剤とを含む。本発明に係る合わせガラス用中間膜では、上記変性ポリ酢酸ビニルは、酢酸ビニル構造単位と脂肪酸ビニルエステル構造単位とを有する。
【0039】
本発明に係る合わせガラス用中間膜は、特定の上記変性ポリ酢酸ビニルと可塑剤とを含むので、中間膜を用いた合わせガラスの遮音性を高めることができる。さらに、中間膜を用いた合わせガラスの高周波域での遮音性を高めることもできる。特に、3kHzを超える高周波域での遮音性を効果的に高めることができる。
【0040】
さらに、上記変性ポリ酢酸ビニルではない従来のポリ酢酸ビニル又は該ポリ酢酸ビニルの変性物と比べて、上記変性ポリ酢酸ビニルの耐アルカリ性は高い。このため、上記変性ポリ酢酸ビニルを含む中間膜の耐アルカリ性を高めることができる。中間膜の耐アルカリ性が高いと、該中間膜を備える合わせガラスが屋外などで使用されても、中間膜が変質し難くなり、劣化し難くなる。
【0041】
上記変性ポリ酢酸ビニルは、下記式(X)で表される構造単位を有する化合物の存在下で、酢酸ビニルと脂肪酸ビニルエステルとを共重合させて得られることが好ましい。この場合に、共重合に、必要に応じて、後述するカルボキシル基を有するモノマーを更に用いてもよい。
【0042】
【化2】
【0043】
上記式(X)中、X1及びX2はそれぞれ、炭素数1〜12のアルキル基、水素原子又は金属塩を表し、Y1は、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、カルボン酸金属塩又は水素原子を表し、gは0〜3の整数を表し、hは0〜12の整数を表す。
【0044】
変性ポリ酢酸ビニルではない従来のポリ酢酸ビニル又は該ポリ酢酸ビニルの変性物と比べて、式(X)で表される構造単位を有する化合物の存在下で、酢酸ビニルと脂肪酸ビニルエステルとを共重合させて得る変性ポリ酢酸ビニルは、CV値が小さく、粒子分布が狭い粒子である。このため、上記変性ポリ酢酸ビニルを使用することにより、得られる中間膜の均質性を高めることができる。中間膜の部分により性質が異なり難くなり、複数の中間膜における性質にばらつきが生じ難くなる。
【0045】
なお、上記中間膜は、少なくとも一部の領域において、上記変性ポリ酢酸ビニルと上記可塑剤とを含んでいればよい。上記中間膜では、上記変性ポリ酢酸ビニルと上記可塑剤とが含まれる領域において、遮音性及び耐アルカリ性を高めることができる。
【0046】
本発明に係る合わせガラス用中間膜は、第1の層のみを備える1層の構造、又は、第1の層と他の層とを備える2層以上の積層構造を有する合わせガラス用中間膜であってもよい。この場合に、上記第1の層が、上記変性ポリ酢酸ビニルと、上記可塑剤とを含む。
【0047】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態及び実施例を説明することにより本発明を明らかにする。
【0048】
図1に、本発明の第1の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に部分切欠断面図で示す。
【0049】
図1に示す中間膜1は、3層の積層構造を有する合わせガラス用中間膜である。中間膜1は、第1の層2と、第1の層2の第1の表面2a側に積層された第2の層3と、第1の層2の第2の表面2b側に積層された第3の層4とを備える。
【0050】
なお、第1の層2と第2の層3との間、及び、第1の層2と第3の層4との間にはそれぞれ、他の層が積層されていてもよい。他の層として、ポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂を含む層、及びポリエチレンテレフタレート等を含む層が挙げられる。
【0051】
中間膜1は、上記変性ポリ酢酸ビニルと上記可塑剤とを含む。中間膜1では、第1の層2が、上記変性ポリ酢酸ビニルと上記可塑剤とを含むことが好ましい。第1の層2が上記変性ポリ酢酸ビニルと上記可塑剤とを含む場合には、第2の層3及び第3の層4はそれぞれ、上記変性ポリ酢酸ビニルや上記可塑剤を含んでいなくてもよく、含んでいてもよい。
【0052】
第1の層2は、中間層である。第1の層2が上記変性ポリ酢酸ビニルと上記可塑剤とを含む場合には、第1の層2は、遮音層として主に機能する。第2,第3の層3,4は、保護層であり、本実施形態では表面層である。第1の層2は、第2,第3の層3,4の間に挟み込まれている。従って、中間膜1は、第2の層3と、第1の層2と、第3の層4とがこの順で積層された多層構造を有する。
【0053】
第2の層3と第3の層4との組成は、同一であってもよく、異なっていてもよい。第2,第3の層3,4にポリビニルアセタール樹脂が含まれていると、第2,第3の層3,4と合わせガラス構成部材との接着力が充分に高くなる。さらに、中間膜を用いた合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなるとともに、中間膜の取り扱い性も高くなる。
【0054】
中間膜は、第1の層2の第1の表面2a側のみに第2の層3が積層されており、かつ第1の層2の第2の表面2b側に第3の層4が積層されていない中間膜であってもよい。
【0055】
図2に、本発明の第2の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に部分切欠断面図で示す。
【0056】
図2に示す中間膜31は、第1の層のみの構造を有する合わせガラス用中間膜である。中間膜31は、上記変性ポリ酢酸ビニルと上記可塑剤とを含む。
【0057】
以下、本発明に係る合わせガラス用中間膜の詳細、該中間膜に含まれている各成分の詳細、本発明に係る合わせガラス用中間膜を構成する第1,第2,第3の層の詳細、並びに該第1,第2,第3の層に含まれている各成分の詳細を説明する。
【0058】
(熱可塑性樹脂)
上記合わせガラス用中間膜は、変性ポリ酢酸ビニルを含む。上記第1の層が、変性ポリ酢酸ビニルを含むことが好ましい。上記変性ポリ酢酸ビニルは、熱可塑性樹脂である。上記変性ポリ酢酸ビニルは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0059】
上記変性ポリ酢酸ビニルは、酢酸ビニル構造単位と脂肪酸ビニルエステル構造単位とを有する。上記酢酸ビニル構造単位は、酢酸ビニルに由来して導入される構造単位である。上記脂肪酸ビニルエステル構造単位は、脂肪酸ビニルエステルに由来して導入される構造単位である。上記脂肪酸ビニルエステルは、酢酸ビニルと異なる。上記変性ポリ酢酸ビニルは、酢酸ビニルと脂肪酸ビニルエステルとを含む重合性組成物を重合させることにより得られる。
【0060】
上記変性ポリ酢酸ビニルは、上記酢酸ビニル構造単位と上記脂肪酸ビニルエステル構造単位との合計100モル%中、酢酸ビニル構造単位を10モル%以上、脂肪酸ビニルエステルを90モル%以下で含むことが好ましい。耐アルカリ性により一層優れた変性ポリ酢酸ビニルを得る観点からは、上記変性ポリ酢酸ビニルは、上記酢酸ビニル構造単位と上記脂肪酸ビニルエステル構造単位との合計100モル%中、酢酸ビニル構造単位を45モル%以上、脂肪酸ビニルエステル構造単位を55モル%以下で含むことが好ましく、酢酸ビニル構造単位を50モル%以上、脂肪酸ビニルエステル構造単位を50モル%以下で含むことがより好ましく、酢酸ビニル構造単位を70モル%以上、脂肪酸ビニルエステル構造単位を30モル%以下で含むことがより一層好ましく、酢酸ビニル構造単位を75モル%以上、脂肪酸ビニルエステル構造単位を25モル%以下で含むことが更に好ましい。また、上記脂肪酸ビニルエステル構造単位の割合が上記上限以下であると、中間膜の接着性及び強度がより一層高くなる。
【0061】
上記変性ポリ酢酸ビニルは、上記酢酸ビニル構造単位と上記脂肪酸ビニルエステル構造単位との合計100モル%中、酢酸ビニル構造単位を99.9モル%以下、脂肪酸ビニルエステル構造単位を0.1モル%以上で含むことが好ましく、酢酸ビニル構造単位を99モル%以下、脂肪酸ビニルエステル構造単位を1モル%以上で含むことがより好ましく、酢酸ビニル構造単位を95モル%以下、脂肪酸ビニルエステル構造単位を5モル%以上で含むことが更に好ましく、酢酸ビニル構造単位を90モル%以下、脂肪酸ビニルエステル構造単位を10モル%以上で含むことが特に好ましい。上記脂肪酸ビニルエステル構造単位の割合が上記下限以上であると、変性ポリ酢酸ビニルの耐アルカリ性がより一層高くなる。
【0062】
上記変性ポリ酢酸ビニルは、上述した式(X)で表される構造単位を有する化合物(以下、化合物Xと記載することがある)の存在下で、上記酢酸ビニルと上記脂肪酸ビニルエステルとを共重合させて得られることが好ましい。
【0063】
上記変性ポリ酢酸ビニル(1)には、酢酸ビニル及び脂肪酸ビニルエステルと酢酸ビニル以外及び脂肪酸ビニルエステル以外の重合性化合物(共重合成分)との共重合体も含まれる。上記変性ポリ酢酸ビニルが酢酸ビニル及び脂肪酸ビニルエステルと酢酸ビニル以外及び脂肪酸ビニルエステル以外の重合性化合物との共重合体である場合には、全構造単位100モル%中、酢酸ビニル構造単位の割合は好ましくは50モル%以上、より好ましくは60モル%以上、更に好ましくは70モル%以上、特に好ましくは80モル%以上、最も好ましくは90モル%以上である。酢酸ビニル以外及び脂肪酸ビニルエステル以外の重合性化合物としては、カルボキシル基を有するモノマー、(メタ)アクリル化合物及びスチレン化合物、イソプレン化合物等が挙げられる。
【0064】
酢酸ビニル及び脂肪酸ビニルエステルと酢酸ビニル以外及び脂肪酸ビニルエステル以外の重合性化合物(共重合成分)は、カルボキシル基を有するモノマーであることが好ましい。上記変性ポリ酢酸ビニルは、カルボキシル基を有するモノマーに由来する構造単位を有していてもよく、有していなくてもよい。上記カルボキシル基を有するモノマーに由来する構造単位は、カルボキシル基を有するモノマーに由来して導入される構造単位である。カルボキシル基を有するモノマーに由来する構造単位を導入することにより、中間膜の遮音性及び耐アルカリ性が効果的に高くなり、更に、中間膜の接着性がより一層高くなる。特に、中間膜が後述する第2,3の層を有する場合、上記変性ポリ酢酸ビニルがカルボキシル基を有するモノマーに由来する構造単位を有することにより、第2,3の層に対する第1の層の接着力がより一層高くなる。
【0065】
中間膜の遮音性及び耐アルカリ性を効果的に高め、かつ、中間膜の接着性をより一層高める観点からは、上記カルボキシル基を有するモノマーは、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸モノエステル又はイタコン酸モノエステルであることが好ましい。
【0066】
中間膜の遮音性及び耐アルカリ性を効果的に高め、かつ、中間膜の接着性をより一層高める観点からは、上記変性ポリ酢酸ビニルが、上記酢酸ビニル構造単位と上記脂肪酸ビニルエステル構造単位と上記カルボキシル基を有するモノマーに由来する構造単位との合計100モル%中、上記酢酸ビニル構造単位を45モル%以上98.99モル%以下、上記脂肪酸ビニルエステル構造単位を1モル%以上50モル%以下、上記カルボキシル基を有するモノマーに由来する構造単位を0.01モル%以上5モル%以下で含むことが好ましい。
【0067】
酢酸ビニル構造単位と脂肪酸ビニルエステル構造単位とを有する変性ポリ酢酸ビニルを製造する際には、上記化合物Xの存在下で、酢酸ビニルと脂肪酸ビニルエステルとを共重合させることにより、CV値が小さく、粒子径分布が狭い粒子を得ることができる。また、この共重合反応では、未反応のモノマーの残存量が少なくなる。未反応のモノマーの残存量が少なくなることによっても、上記変性ポリ酢酸ビニルの耐アルカリ性が高くなる。従って、上記変性ポリ酢酸ビニルは、上記化合物Xの存在下で、酢酸ビニルと脂肪酸ビニルエステルとを共重合させて得られることが好ましい。
【0068】
上記化合物Xの存在下で、酢酸ビニルと脂肪酸ビニルエステルとを共重合させる際に、懸濁重合を用いることが好ましい。懸濁重合により、耐アルカリ性により一層優れた変性ポリ酢酸ビニルが得られる。
【0069】
上記変性ポリ酢酸ビニルは、上記化合物Xの存在下で、上記酢酸ビニルと上記脂肪酸ビニルエステルとの合計100モル%中、酢酸ビニル10モル%以上と脂肪酸ビニルエステル90モル%以下とを共重合させて得られることが好ましい。耐アルカリ性により一層優れた変性ポリ酢酸ビニルを得る観点からは、上記変性ポリ酢酸ビニルは、上記化合物Xの存在下で、上記酢酸ビニルと上記脂肪酸ビニルエステルとの合計100モル%中、酢酸ビニル45モル%以上と脂肪酸ビニルエステル55モル%以下とを共重合させて得られることが好ましく、酢酸ビニル50モル%以上と脂肪酸ビニルエステル50モル%以下とを共重合させて得られることがより好ましく、酢酸ビニル70モル%以上と脂肪酸ビニルエステル30モル%以下とを共重合させて得られることがより一層好ましく、酢酸ビニル75モル%以上と脂肪酸ビニルエステル25モル%以下とを共重合させて得られることが更に好ましい。また、上記脂肪酸ビニルエステルの使用量が上記上限以下であると、中間膜の接着性及び強度がより一層高くなる。
【0070】
上記変性ポリ酢酸ビニルは、上記化合物Xの存在下で、上記酢酸ビニルと上記脂肪酸ビニルエステルとの合計100モル%中、酢酸ビニル99.9モル%以下と脂肪酸ビニルエステル0.1モル%以上とを共重合させて得られることが好ましく、酢酸ビニル99モル%以下と脂肪酸ビニルエステル1モル%以上とを共重合させて得られることがより好ましく、酢酸ビニル95モル%以下と脂肪酸ビニルエステル5モル%以上とを共重合させて得られることが更に好ましく、酢酸ビニル90モル%以下と脂肪酸ビニルエステル10モル%以上とを共重合させて得られることが特に好ましい。上記脂肪酸ビニルエステルの使用量が上記下限以上であると、変性ポリ酢酸ビニルの耐アルカリ性がより一層高くなる。
【0071】
上記変性ポリ酢酸ビニルは、上記化合物Xの存在下で、上記酢酸ビニルと上記脂肪酸ビニルエステルと上記カルボキシル基を有するモノマーとの合計100モル%中、上記酢酸ビニル45モル%以上98.99モル%以下と上記脂肪酸ビニルエステル1モル%以上50モル%以下と上記カルボキシル基を有するモノマー0.01モル%以上5モル%以下とを共重合させて得られることが好ましい。上記脂肪酸ビニルエステルの使用量が上記上限以下であると、中間膜の接着性及び強度がより一層高くなる。上記カルボキシル基を有するモノマーの使用量が上記上限以下であると、中間膜の遮音性及び耐アルカリ性が効果的に高くなり、更に、中間膜の接着性がより一層高くなる。
【0072】
上記化合物Xの存在下で、酢酸ビニルと脂肪酸ビニルエステルとを共重合させる際に、重合触媒を用いることが好ましく、重合調整剤を用いることが好ましく、水を含む分散媒を用いることが好ましい。上記重合触媒及び上記重合調整剤として、従来公知の重合触媒及び重合調整剤を使用可能である。
【0073】
上記化合物Xは、例えば、酢酸ビニルと、マレイン酸アルキルエステルとを共重合させた共重合体をけん化することにより得ることが可能である。上記化合物Xは、酢酸ビニルとマレイン酸アルキルエステルとを共重合させた共重合体をけん化することにより得られることが好ましい。上記マレイン酸アルキルエステルとしては、マレイン酸ジメチル及びマレイン酸ジエチル等が挙げられる。上記マレイン酸アルキルエステルは、マレイン酸ジメチル又はマレイン酸ジエチルであることが好ましい。
【0074】
上記化合物Xの数平均分子量は、好ましくは3800以上、好ましくは28500以下である。上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定により得られる標準ポリエチレングリコール換算での数平均分子量である。上記化合物Xの数平均分子量が上記下限以上及び上記上限以下であると、上記化合物Xの存在下で、上記化合物Xと酢酸ビニルと脂肪酸ビニルエステルと水とを含む水系分散媒中で酢酸ビニルと脂肪酸ビニルエステルとを共重合させる際に、上記化合物Xの水への溶解性と、酢酸ビニル及び脂肪酸ビニルエステルの保護コロイド性とがバランスよく良好になる。上記水系分散媒100重量%中での上記化合物Xの含有量は、好ましくは0.05重量%以上、好ましくは0.5重量%以下である。上記化合物Xの含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、保護コロイド性がより一層良好に維持され、水系分散媒の粘度がより一層適度になり、(共)重合反応がより一層効率的に進行する。
【0075】
耐アルカリ性により一層優れた変性ポリ酢酸ビニルを得る観点からは、上記脂肪酸ビニルエステルの炭素数は好ましくは30以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下、特に好ましくは16以下、最も好ましくは14以下である。上記脂肪酸ビニルエステルの炭素数が20以下であると、耐アルカリ性がかなり高くなり、CV値がより一層小さい変性ポリ酢酸ビニルの粒子が得られる。また、上記炭素数が上記上限以下であると、中間膜の接着性及び強度がより一層高くなる。
【0076】
耐アルカリ性により一層優れた変性ポリ酢酸ビニルを得る観点からは、上記脂肪酸ビニルエステルの炭素数は、好ましくは1以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは8以上、特に好ましくは10以上、最も好ましくは12以上である。上記脂肪酸ビニルエステルの炭素数が5以上であると、耐アルカリ性がかなり高くなる。また、上記炭素数が上記下限以上であると、中間膜の耐水性がより一層高くなる。
【0077】
上記脂肪酸ビニルエステルとしては、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、桂皮酸ビニル、ネオデカン酸ビニル及びベヘン酸ビニル等が挙げられる。これら以外の脂肪酸ビニルエステルを用いてもよい。上記脂肪酸ビニルエステルは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0078】
耐アルカリ性により一層優れた変性ポリ酢酸ビニルを得る観点からは、上記脂肪酸ビニルエステルは、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、桂皮酸ビニル又はネオデカン酸ビニルであることが好ましい。
【0079】
上記変性ポリ酢酸ビニルの重合度は、好ましくは1000以上、好ましくは9000以下、より好ましくは7000以下、更に好ましくは5000以下である。上記変性ポリ酢酸ビニルの重合度が上記下限以上及び上記上限以下であると、中間膜及び合わせガラスを得る際に、溶融粘度が適度になり、中間膜の生産性がより一層高くなる。生産性を更に一層高める観点からは、上記変性ポリ酢酸ビニルの重合度は、より好ましくは1500以上、より好ましくは4000以下である。
【0080】
なお、上記変性ポリ酢酸ビニルの重合度は、JIS K6725「ポリ酢酸ビニル試験方法」に準拠した方法により求められる。
【0081】
変性ポリ酢酸ビニルの耐アルカリ性をより一層良好にする観点からは、配合前の上記変性ポリ酢酸ビニルは、メジアン径が100μm以上、800μm以下である粒子であることが好ましい。メジアン径が上記下限以上及び上記上限以下である粒子を変性ポリ酢酸ビニルとして用いて、中間膜又は第1の層が得られていることが好ましい。メジアン径が上記下限以上及び上記上限以下である変性ポリ酢酸ビニルの粒子を用いて、該変性ポリ酢酸ビニルと可塑剤とを配合して、上記中間膜又は上記第1の層を得ることが好ましい。
【0082】
均質な中間膜を得る観点からは、配合前の上記変性ポリ酢酸ビニルの粒子のCV値は、好ましくは0.8%以下、より好ましくは0.5%以下である。上記CV値が上記上限以下である粒子を変性ポリ酢酸ビニルとして用いて、中間膜又は第1の層が得られていることが好ましい。上記CV値が上記上限以下である変性ポリ酢酸ビニルの粒子を用いて、該変性ポリ酢酸ビニルと可塑剤とを配合して、上記中間膜又は上記第1の層を得ることが好ましい。上記CV値は、式:粒度分布の標準偏差/体積平均粒径(D50)×100により求められる。
【0083】
上記中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂(以下、ポリビニルアセタール樹脂(0)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記第1の層は、ポリビニルアセタール樹脂(以下、ポリビニルアセタール樹脂(1)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記中間膜がポリビニルアセタール樹脂(0)を含むと、特に上記第1の層がポリビニルアセタール樹脂(1)を含むと、合わせガラス用中間膜の生産効率が高くなる。上記ポリビニルアセタール樹脂(0)及び上記ポリビニルアセタール樹脂(1)はそれぞれ、アセチル化度が8モル%未満であるポリビニルアセタール樹脂(以下、「ポリビニルアセタール樹脂(A)」ともいう)、又は、アセチル化度が8モル%以上であるポリビニルアセタール樹脂(以下、「ポリビニルアセタール樹脂(B)」ともいう)であることが好ましい。
【0084】
上記ポリビニルアセタール樹脂(A)のアセチル化度(a)は8モル%未満であり、7.5モル%以下であることが好ましく、7モル%以下であることが好ましく、6モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることが好ましく、0.1モル%以上であることが好ましく、0.5モル%以上であることが好ましく、0.8モル%以上であることが好ましく、1モル%以上であることが好ましく、2モル%以上であることが好ましく、3モル%以上であることが好ましく、4モル%以上であることが好ましい。上記アセチル化度(a)が上記上限以下及び上記下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂(A)と可塑剤との相溶性がより一層高くなり、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。
【0085】
上記ポリビニルアセタール樹脂(A)のアセタール化度(a)の好ましい下限は68モル%、より好ましい下限は70モル%、更に好ましい下限は71モル%、特に好ましい下限は72モル%、好ましい上限は85モル%、より好ましい上限は83モル%、更に好ましい上限は81モル%、特に好ましい上限は79モル%である。上記アセタール化度(a)が上記下限以上であると、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。上記アセタール化度(a)が上記上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂(A)を製造するために必要な反応時間を短縮できる。
【0086】
上記ポリビニルアセタール樹脂(A)の水酸基の含有率(a)は30モル%以下であることが好ましく、27.5モル%以下であることが好ましく、27モル%以下であることが好ましく、26モル%以下であることが好ましく、25モル%以下であることが好ましく、24モル%以下であることが好ましく、23モル%以下であることが好ましく、16モル%以上であることが好ましく、18モル%以上であることが好ましく、19モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることが好ましい。上記水酸基の含有率(a)が上記上限以下であると、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。上記水酸基の含有率(a)が上記下限以上であると、中間膜の接着力をより一層高くすることができる。
【0087】
上記ポリビニルアセタール樹脂(A)はポリビニルブチラール樹脂であることが好ましい。
【0088】
上記ポリビニルアセタール樹脂(B)のアセチル化度(b)は、8モル%以上であり、9モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることが好ましく、11モル%以上であることが好ましく、12モル%以上であることが好ましく、30モル%以下であることが好ましく、28モル%以下であることが好ましく、26モル%以下であることが好ましく、24モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることが好ましく、19.5モル%以下であることが好ましい。上記アセチル化度(b)が上記下限以上であると、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。上記アセチル化度(b)が上記上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂(B)を製造するために必要な反応時間を短縮できる。なかでも、ポリビニルアセタール樹脂(B)を製造するために必要な反応時間をより一層短縮できることから、上記ポリビニルアセタール樹脂(B)のアセチル化度(b)は20モル%未満であることが好ましい。
【0089】
上記ポリビニルアセタール樹脂(B)のアセタール化度(b)の好ましい下限は50モル%、より好ましい下限は52.5モル%、更に好ましい下限は54モル%、特に好ましい下限は60モル%、好ましい上限は80モル%、より好ましい上限は77モル%、更に好ましい上限は74モル%、特に好ましい上限は71モル%である。上記アセタール化度(b)が上記下限以上であると、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。上記アセタール化度(b)が上記上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂(B)を製造するために必要な反応時間を短縮できる。
【0090】
上記ポリビニルアセタール樹脂(B)の水酸基の含有率(b)は30モル%以下であることが好ましく、27.5モル%以下であることが好ましく、27モル%以下であることが好ましく、26モル%以下であることが好ましく、25モル%以下であることが好ましく、18モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることが好ましく、22モル%以上であることが好ましく、23モル%以上であることが好ましい。上記水酸基の含有率(b)が上記上限以下であると、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。上記水酸基の含有率(b)が上記下限以上であると、中間膜の接着力をより一層高くすることができる。
【0091】
上記ポリビニルアセタール樹脂(B)はポリビニルブチラール樹脂であることが好ましい。
【0092】
上記ポリビニルアセタール樹脂(A)及び上記ポリビニルアセタール樹脂(B)は、平均重合度が3000を超えるポリビニルアルコール樹脂をアルデヒドによりアセタール化することで得られることが好ましい。上記アルデヒドは炭素数1〜10のアルデヒドであることが好ましく、炭素数4又は5のアルデヒドであることがより好ましい。上記ポリビニルアルコール樹脂の平均重合度の好ましい下限は3010、好ましい下限は3050、好ましい下限は3500、好ましい下限は3600、好ましい下限は4000、好ましい下限は4050、好ましい上限は7000、好ましい上限は6000、好ましい上限は5000、好ましい上限は4900、好ましい上限は4500である。上記第1の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂(A),(B)は、平均重合度が3000を超え、4000未満であるポリビニルアルコール樹脂をアセタール化することにより得られていることが特に好ましい。特に、合わせガラスにおける発泡の発生及び発泡の成長をより一層抑制し、合わせガラスの遮音性を充分に高め、かつ中間膜を容易に成形できることから、上記第1の層中のポリビニルアセタール樹脂(A),(B)を得るために用いられる上記ポリビニルアルコール樹脂の平均重合度は3010以上であることが好ましく、3020以上であることがより好ましく、4000以下であることが好ましく、4000未満であることがより好ましく、3800以下であることが更に好ましく、3600以下であることが特に好ましく、3500以下であることが最も好ましい。
【0093】
上記中間膜が、変性ポリ酢酸ビニルとポリビニルアセタール樹脂(0)とを含む場合、変性ポリ酢酸ビニルとポリビニルアセタール樹脂(0)との合計100重量%に占める、変性ポリ酢酸ビニルの割合は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは10重量%以上、更に好ましくは20重量%以上、特に好ましくは50重量%以上、好ましくは99重量%以下、より好ましくは90重量%以下、更に好ましくは80重量%以下である。上記割合が上記上限以下であると、合わせガラス用中間膜の生産効率がより一層高くなる。上記割合が上記下限以上であると、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。上記中間膜が上記第1の層のみを備える場合に、上記変性ポリ酢酸ビニルの割合が上記下限以上及び上記上限以下であることが好ましい。
【0094】
上記第1の層が、変性ポリ酢酸ビニルとポリビニルアセタール樹脂(1)とを含む場合、変性ポリ酢酸ビニルとポリビニルアセタール樹脂(1)との合計100重量%に占める、変性ポリ酢酸ビニルの割合は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは10重量%以上、更に好ましくは20重量%以上、特に好ましくは50重量%以上、好ましくは99重量%以下、より好ましくは90重量%以下、更に好ましくは80重量%以下である。上記割合が上記上限以下であると、合わせガラス用中間膜の生産効率がより一層高くなる。上記割合が上記下限以上であると、合わせガラスの遮音性をより一層高めることができる。
【0095】
上記第2の層は、熱可塑性樹脂を含むことが好ましく、ポリビニルアセタール樹脂(以下、ポリビニルアセタール樹脂(2)と記載することがある)を含むことがより好ましい。上記第3の層は、熱可塑性樹脂を含むことが好ましく、ポリビニルアセタール樹脂(以下、ポリビニルアセタール樹脂(3)と記載することがある)を含むことがより好ましい。上記第2,第3の層がポリビニルアセタール樹脂(2),(3)を含むと、第2,第3の層と合わせガラス構成部材との接着力が充分に高くなる。上記第2,第3の層において、上記熱可塑性樹脂はそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記ポリビニルアセタール樹脂(2),(3)はそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記第2,第3の層に用いられる熱可塑性樹脂は特に限定されない。上記第2,第3の層に用いられるポリビニルアセタール樹脂(2),(3)は特に限定されない。
【0096】
上記熱可塑性樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリビニルアルコール樹脂等が挙げられる。
【0097】
上記ポリビニルアセタール樹脂(2),(3)のアセチル化度はそれぞれ、好ましくは0モル%以上、より好ましくは0.1モル%以上、更に好ましくは0.5モル%以上、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、より一層好ましくは15モル%以下、更に好ましくは10モル%以下、特に好ましくは5モル%以下、最も好ましくは3モル%以下である。上記アセチル化度が上記上限以下であると、中間膜及び合わせガラスの耐貫通性が高くなる。さらに、アセチル化度が上記上限以下であると、可塑剤のブリードアウトを抑制できる。
【0098】
また、上記ポリビニルアセタール樹脂(2),(3)におけるポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度が3モル%以下であると、中間膜の機械物性がより一層向上する。この結果、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。
【0099】
上記アセチル化度は、主鎖の全エチレン基量から、アセタール基が結合しているエチレン基量と、水酸基が結合しているエチレン基量とを差し引いた値を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。上記アセタール基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
【0100】
上記ポリビニルアセタール樹脂(2),(3)は、例えば、ポリビニルアルコールをアルデヒドによりアセタール化することにより製造できる。上記ポリビニルアルコールは、例えば、ポリ酢酸ビニルをけん化することにより得られる。
【0101】
上記ポリビニルアセタール樹脂(2),(3)を得るための上記ポリビニルアルコールの平均重合度は、好ましくは200以上、より好ましくは500以上、更に好ましくは1600以上、特に好ましくは2600以上、最も好ましくは2700以上、好ましくは5000以下、より好ましくは4000以下、更に好ましくは3500以下である。上記平均重合度が上記下限以上であると、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。上記平均重合度が上記上限以下であると、中間膜の成形が容易になる。
【0102】
なお、上記ポリビニルアルコールの平均重合度は、JIS K6726「ポリビニルアルコール試験方法」に準拠した方法により求められる。
【0103】
上記ポリビニルアセタール樹脂に含まれているアセタール基の炭素数は特に限定されない。上記ポリビニルアセタール樹脂を製造する際に用いるアルデヒドは特に限定されない。上記ポリビニルアセタール樹脂におけるアセタール基の炭素数は3〜5であることが好ましく、生産性を高める観点から、3又は4であることがより好ましい。
【0104】
上記アルデヒドは特に限定されない。上記アルデヒドとして、一般には、炭素数が1〜10のアルデヒドが好適に用いられる。上記炭素数が1〜10のアルデヒドとしては、例えば、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド及びベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド又はn−バレルアルデヒドが好ましく、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド又はイソブチルアルデヒドがより好ましく、n−ブチルアルデヒドが更に好ましい。上記アルデヒドは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0105】
上記ポリビニルアセタール樹脂(2),(3)はそれぞれ、ポリビニルブチラール樹脂であることが好ましい。本発明に係る合わせガラス用中間膜は、上記第2,第3の層に含まれている上記ポリビニルアセタール樹脂(2),(3)としてそれぞれ、ポリビニルブチラール樹脂を含むことが好ましい。ポリビニルブチラール樹脂の合成は容易である。さらに、ポリビニルブチラール樹脂の使用により、合わせガラス構成部材に対する中間膜の接着力がより一層適度に発現する。さらに、耐光性及び耐候性等がより一層高くなる。
【0106】
上記ポリビニルアセタール樹脂(2),(3)の水酸基の含有率(水酸基量)はそれぞれ、好ましくは20モル%以上、より好ましくは25モル%以上、更に好ましくは30モル%以上、好ましくは50モル%以下、より好ましくは45モル%以下、更に好ましくは40モル%以下、特に好ましくは35モル%以下である。上記水酸基の含有率が上記下限以上であると、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。また、上記水酸基の含有率が上記上限以下であると、可塑剤のブリードアウトが生じ難くなる。さらに、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になる。
【0107】
上記ポリビニルアセタール樹脂(2),(3)の水酸基の含有率は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。上記水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6726「ポリビニルアルコール試験方法」に準拠して、測定することにより求めることができる。
【0108】
上記ポリビニルアセタール樹脂(2),(3)のアセタール化度(ポリビニルブチラール樹脂の場合はブチラール化度)はそれぞれ、好ましくは55モル%以上、より好ましくは60モル%以上、更に好ましくは63モル%以上、好ましくは85モル%以下、より好ましくは75モル%以下、更に好ましくは70モル%以下である。上記アセタール化度が上記下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂(2),(3)と可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセタール化度が上記上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂を製造するために必要な反応時間が短くなる。
【0109】
上記アセタール化度は、アセタール基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。
【0110】
上記アセタール化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により、アセチル化度と水酸基の含有率とを測定し、得られた測定結果からモル分率を算出し、次いで、100モル%からアセチル化度と水酸基の含有率とを差し引くことにより算出され得る。
【0111】
なお、ポリビニルアセタール樹脂がポリビニルブチラール樹脂である場合には、上記アセタール化度(ブチラール化度)及びアセチル化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」又はASTM D1396−92に準拠した方法により測定された結果から算出され得る。ASTM D1396−92に準拠した方法により測定することが好ましい。
【0112】
合わせガラスの遮音性をより一層高める観点からは、上記第2の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度が15モル%以下、かつ、水酸基の含有率が20モル%以上であることが好ましい。合わせガラスの遮音性をより一層高める観点からは、上記第3の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度が15モル%以下、かつ、水酸基の含有率が20モル%以上であることが好ましい。
【0113】
(可塑剤)
上記中間膜は、可塑剤(以下、可塑剤(0)と記載することがある)を含む。上記第1の層が、可塑剤(以下、可塑剤(1)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記第2の層は、可塑剤(以下、可塑剤(2)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記第3の層は、可塑剤(以下、可塑剤(3)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記可塑剤(0),(1),(2),(3)はそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なお、上記中間膜が上記第1の層のみを備える場合に、上記可塑剤(0)と上記可塑剤(1)とは同一である。
【0114】
上記可塑剤(0),(1),(2),(3)としては、例えば、一塩基性有機酸エステル及び多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、並びに有機リン酸可塑剤及び有機亜リン酸可塑剤などのリン酸可塑剤等が挙げられる。なかでも、有機エステル可塑剤が好ましい。上記可塑剤(0),(1),(2),(3)は液状可塑剤であることが好ましい。
【0115】
上記一塩基性有機酸エステルとしては、特に限定されず、例えば、グリコールと一塩基性有機酸との反応によって得られたグリコールエステル、並びにトリエチレングリコール又はトリプロピレングリコールと一塩基性有機酸とのエステル等が挙げられる。上記グリコールとしては、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びトリプロピレングリコール等が挙げられる。上記一塩基性有機酸としては、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、n−ノニル酸及びデシル酸等が挙げられる。
【0116】
上記多塩基性有機酸エステルとしては、特に限定されず、例えば、多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとのエステル化合物が挙げられる。上記多塩基性有機酸としては、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸等が挙げられる。
【0117】
上記有機エステル可塑剤としては、特に限定されず、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリレート、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ヘプチルとアジピン酸ノニルとの混合物、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ヘプチルノニル、セバシン酸ジブチル、油変性セバシン酸アルキド、及びリン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物等が挙げられる。これら以外の有機エステル可塑剤を用いてもよい。
【0118】
上記有機リン酸可塑剤としては、特に限定されず、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート及びトリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
【0119】
合わせガラスの遮音性をより一層高める観点からは、中間膜中の可塑剤(0)及び第1の層中の可塑剤(1)はそれぞれ、下記式(1)で表されるジエステル可塑剤であることが好ましい。合わせガラスの遮音性をより一層高める観点からは、第2,第3の層中の可塑剤(2),(3)はそれぞれ、下記式(1)で表されるジエステル可塑剤であることが好ましい。
【0120】
【化3】
【0121】
上記式(1)中、R1及びR2はそれぞれ、炭素数5〜10の有機基を表し、R3は、エチレン基、イソプロピレン基又はn−プロピレン基を表し、pは3〜10の整数を表す。
【0122】
上記可塑剤(0),(1)は、アジピン酸エステル、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)及びトリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)の内の少なくとも1種を含むことが好ましく、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート及びトリエチレングリコールジ−2−エチルブチレートの内の少なくとも1種を含むことがより好ましく、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートを含むことが更に好ましい。
【0123】
上記可塑剤(2),(3)はそれぞれ、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)及びトリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)の内の少なくとも1種を含むことが好ましく、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートを含むことがより好ましい。
【0124】
上記中間膜において、上記変性ポリ酢酸ビニル100重量部に対して、上記可塑剤(0)の含有量は、好ましくは25重量部以上、好ましくは80重量部以下である。合わせガラスの遮音性をより一層高める観点からは、上記中間膜において、上記変性ポリ酢酸ビニル100重量部に対して、上記可塑剤(0)の含有量は、より好ましくは30重量部以上、より好ましくは70重量部以下、更に好ましくは60重量部以下、特に好ましくは50重量部以下である。また、上記可塑剤(0)の含有量が上記下限以上であると、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になり、更に合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。上記可塑剤(0)の含有量が上記上限以下であると、中間膜の透明性がより一層高くなる。上記中間膜が上記第1の層のみを備える場合に、上記可塑剤(0)の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であることが好ましい。
【0125】
上記中間膜において、熱可塑性樹脂100重量部に対して又は上記変性ポリ酢酸ビニルとポリビニルアセタール樹脂との合計100重量部に対して、上記可塑剤(0)の含有量は、好ましくは25重量部以上、好ましくは80重量部以下である。合わせガラスの遮音性をより一層高める観点からは、上記中間膜において、熱可塑性樹脂100重量部に対して又は上記変性ポリ酢酸ビニルとポリビニルアセタール樹脂との合計100重量部に対して、上記可塑剤(0)の含有量は、より好ましくは30重量部以上、より好ましくは70重量部以下、更に好ましくは60重量部以下、特に好ましくは50重量部以下である。また、上記可塑剤(0)の含有量が上記下限以上であると、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になり、更に合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。上記可塑剤(0)の含有量が上記上限以下であると、中間膜の透明性がより一層高くなる。上記中間膜が上記第1の層のみを備える場合に、上記可塑剤(0)の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であることが好ましい。
【0126】
上記第1の層において、上記変性ポリ酢酸ビニル100重量部に対して、上記可塑剤(1)の含有量は、好ましくは25重量部以上、好ましくは80重量部以下である。合わせガラスの遮音性をより一層高める観点からは、上記第1の層において、上記変性ポリ酢酸ビニル100重量部に対して、上記可塑剤(1)の含有量は、より好ましくは30重量部以上、より好ましくは70重量部以下、更に好ましくは60重量部以下、特に好ましくは50重量部以下である。上記第1の層において、上記変性ポリ酢酸ビニルと上記ポリビニルアセタール樹脂(1)との合計100重量部に対して、上記可塑剤(1)の含有量は、好ましくは25重量部以上、好ましくは80重量部以下である。合わせガラスの遮音性をより一層高める観点からは、上記第1の層において、上記変性ポリ酢酸ビニルと上記ポリビニルアセタール樹脂(1)との合計100重量部に対して、上記可塑剤(1)の含有量は、より好ましくは30重量部以上、より好ましくは70重量部以下、更に好ましくは60重量部以下、特に好ましくは50重量部以下である。また、上記可塑剤(1)の含有量が上記下限以上であると、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になり、更に合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。上記可塑剤(1)の含有量が上記上限以下であると、中間膜の透明性がより一層高くなる。
【0127】
上記第2の層において、上記ポリビニルアセタール樹脂(2)100重量部に対して、上記可塑剤(2)の含有量は、好ましくは5重量部以上、より好ましくは10重量部以上、更に好ましくは15重量部以上、好ましくは50重量部以下、より好ましくは45重量部以下、更に好ましくは40重量部以下である。上記第3の層において、上記ポリビニルアセタール樹脂(3)100重量部に対して、上記可塑剤(3)の含有量は、好ましくは5重量部以上、より好ましくは10重量部以上、更に好ましくは15重量部以上、好ましくは50重量部以下、より好ましくは45重量部以下、更に好ましくは40重量部以下である。上記可塑剤(2),(3)の含有量が上記下限以上であると、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になる。上記可塑剤(2),(3)の含有量が上記上限以下であると、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。
【0128】
上記第2の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂(2)100重量部に対する上記第2の層中の上記可塑剤(2)の含有量(以下、含有量(2)と記載することがある)は、上記第1の層中の上記変性ポリ酢酸ビニル100重量部に対する上記第1の層中の上記可塑剤(1)の含有量(以下、含有量(1)と記載することがある)よりも少ないことが好ましい。また、上記第3の層中の上記ポリビニルアセタール樹脂(3)100重量部に対する上記第3の層中の上記可塑剤(3)の含有量(以下、含有量(3)と記載することがある)は、上記第1の層中の上記変性ポリ酢酸ビニル100重量部に対する上記第1の層中の上記可塑剤(1)の含有量(1)よりも少ないことが好ましい。上記含有量(2)は、上記含有量(1)よりも少ないことが好ましい。また、上記含有量(3)は、上記含有量(1)よりも少ないことが好ましい。上記含有量(2),(3)が上記含有量(1)よりも少ないことにより、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。
【0129】
上記含有量(1)と上記含有量(2)との差の絶対値及び上記含有量(1)と上記含有量(3)との差の絶対値はそれぞれ、好ましくは1重量部以上、より好ましくは2重量部以上、更に好ましくは10重量部以上、特に好ましくは15重量部以上、最も好ましくは20重量部以上、好ましくは40重量部以下、より好ましくは35重量部以下、更に好ましくは30重量部以下である。上記含有量(1)と上記含有量(2),(3)との差の絶対値が上記下限以上であると、合わせガラスの遮音性がより一層高くなり、上記上限以下であると、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。
【0130】
(他の成分)
上記中間膜、上記第1の層、上記第2の層及び上記第3の層はそれぞれ、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料、染料、接着力調整剤、耐湿剤、蛍光増白剤及び赤外線吸収剤等の添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0131】
(合わせガラス用中間膜)
合わせガラスの遮音性をより一層高める観点からは、本発明に係る合わせガラス用中間膜の周波数1Hzで測定した最も低温側に現れるtanδのピーク温度は、好ましくは0℃以下である。
【0132】
合わせガラスの低温での遮音性をより一層高める観点からは、周波数1Hzで測定した最も低温側に現れるtanδのピーク温度におけるtanδの最大値は、好ましくは1.15以上、より好ましくは1.25以上である。
【0133】
合わせガラスの高温での遮音性をより一層高める観点からは、周波数1Hzで測定した最も高温側に現れるtanδのピーク温度におけるtanδの最大値は、好ましくは0.50以上である。
【0134】
なお、上記最も低温側に現れるtanδのピーク温度、最も低温側に現れるtanδのピーク温度におけるtanδの最大値、及び、最も高温側に現れるtanδのピーク温度におけるtanδの最大値を測定する際には、合わせガラス用中間膜を23℃の環境下にて、1ヶ月保管した後に測定することが好ましい。
【0135】
上記第1の層の厚みは、好ましくは0.02mm以上、より好ましくは0.05mm以上、好ましくは1.8mm以下、より好ましくは0.5mm以下である。上記第1の層の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、中間膜の厚みが厚くなりすぎず、かつ合わせガラスの遮音性がより一層高くなる。
【0136】
上記第2,第3の層の厚みはそれぞれ、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.2mm以上、好ましくは1mm以下、より好ましくは0.5mm以下である。上記第2,第3の層の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、中間膜の厚みが厚くなりすぎず、かつ合わせガラスの遮音性がより一層高くなり、更に可塑剤のブリードアウトを抑制できる。
【0137】
本発明に係る合わせガラス用中間膜の厚みは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.25mm以上、好ましくは3mm以下、より好ましくは1.5mm以下である。中間膜の厚みが上記下限以上であると、合わせガラスの耐貫通性が充分に高くなる。中間膜の厚みが上記上限以下であると、中間膜の透明性がより一層良好になる。
【0138】
本発明に係る合わせガラス用中間膜の製造方法は特に限定されない。該中間膜の製造方法として、従来公知の方法を用いることができる。例えば、変性ポリ酢酸ビニル又はポリビニルアセタール樹脂と可塑剤と必要に応じて配合される他の成分とを混練し、中間膜を成形する製造方法等が挙げられる。連続的な生産に適しているため、押出成形する製造方法が好ましい。
【0139】
上記混練の方法は特に限定されない。この方法として、例えば、押出機、プラストグラフ、ニーダー、バンバリーミキサー又はカレンダーロール等を用いる方法が挙げられる。なかでも、連続的な生産に適しているため、押出機を用いる方法が好適であり、二軸押出機を用いる方法がより好適である。なお、本発明に係る合わせガラス用中間膜は、第1の層と第2,第3の層とを別々に作製した後、第1の層と第2,第3の層とを積層して多層中間膜を得てもよく、第1の層と第2,第3の層とを共押出により積層して中間膜を得てもよい。
【0140】
中間膜の製造効率が優れることから、上記第2,第3の層に、同一のポリビニルアセタール樹脂が含まれていることが好ましく、上記第2,第3の層に、同一のポリビニルアセタール樹脂及び同一の可塑剤が含まれていることがより好ましく、上記第2,第3の層が同一の樹脂組成物により形成されていることが更に好ましい。
【0141】
(合わせガラス)
図3に、本発明の一実施形態に係る合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを断面図で示す。
【0142】
図3に示す合わせガラス11は、中間膜1と、第1,第2の合わせガラス構成部材21,22とを備える。中間膜1は、第1,第2の合わせガラス構成部材21,22の間に挟み込まれている。中間膜1の第1の表面1aに、第1の合わせガラス構成部材21が積層されている。中間膜1の第1の表面1aとは反対の第2の表面1bに、第2の合わせガラス構成部材22が積層されている。第2の層3の外側の表面3aに第1の合わせガラス構成部材21が積層されている。第3の層4の外側の表面4aに第2の合わせガラス構成部材22が積層されている。
【0143】
図4に示す合わせガラス16は、中間膜31と、第1,第2の合わせガラス構成部材21,22とを備える。中間膜31は、第1,第2の合わせガラス構成部材21,22の間に挟み込まれている。中間膜31の第1の表面31aに、第1の合わせガラス構成部材21が積層されている。中間膜31の第1の表面31aとは反対の第2の表面31bに、第2の合わせガラス構成部材22が積層されている。
【0144】
このように、本発明に係る合わせガラスは、第1の合わせガラス構成部材と、第2の合わせガラス構成部材と、該第1,第2の合わせガラス構成部材の間に挟み込まれた中間膜とを備えており、該中間膜として、本発明の合わせガラス用中間膜が用いられている。
【0145】
上記第1,第2の合わせガラス構成部材としては、ガラス板及びPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等が挙げられる。上記合わせガラスには、2枚のガラス板の間に中間膜が挟み込まれている合わせガラスだけでなく、ガラス板とPETフィルム等との間に中間膜が挟み込まれている合わせガラスも含まれる。合わせガラスは、ガラス板を備えた積層体であり、少なくとも1枚のガラス板が用いられていることが好ましい。
【0146】
上記ガラス板としては、無機ガラス及び有機ガラスが挙げられる。上記無機ガラスとしては、フロート板ガラス、熱線吸収板ガラス、熱線反射板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、線入り板ガラス及びグリーンガラス等が挙げられる。上記有機ガラスは、無機ガラスに代用される合成樹脂ガラスである。上記有機ガラスとしては、ポリカーボネート板及びポリ(メタ)アクリル樹脂板等が挙げられる。上記ポリ(メタ)アクリル樹脂板としては、ポリメチル(メタ)アクリレート板等が挙げられる。
【0147】
上記第1,第2の合わせガラス構成部材の厚みは特に限定されないが、1〜5mmの範囲内であることが好ましい。上記合わせガラス構成部材がガラス板である場合に、該ガラス板の厚みは、1〜5mmの範囲内であることが好ましい。上記合わせガラス構成部材がPETフィルムである場合に、該PETフィルムの厚みは、0.03〜0.5mmの範囲内であることが好ましい。
【0148】
上記合わせガラスの製造方法は特に限定されない。例えば、上記第1,第2の合わせガラス構成部材の間に、上記中間膜を挟んで、押圧ロールに通したり、又はゴムバックに入れて減圧吸引したりして、第1,第2の合わせガラス構成部材と中間膜との間に残留する空気を脱気する。その後、約70〜110℃で予備接着して積層体を得る。次に、積層体をオートクレーブに入れたり、又はプレスしたりして、約120〜150℃及び1〜1.5MPaの圧力で圧着する。このようにして、合わせガラスを得ることができる。
【0149】
合わせガラスは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶及び建築物等に使用できる。合わせガラスは、これらの用途以外にも使用できる。上記中間膜は、建築用又は車両用の中間膜であることが好ましく、車両用の中間膜であることがより好ましい。上記合わせガラスは、建築用又は車両用の合わせガラスであることが好ましく、車両用の合わせガラスであることがより好ましい。上記中間膜及び上記合わせガラスは、これらの用途以外にも使用できる。上記中間膜及び上記合わせガラスは、電気モータを用いた電気自動車及び内燃機関と電気モータとを用いたハイブリッド電気自動車に好適に用いられる。合わせガラスは、自動車のフロントガラス、サイドガラス、リアガラス又はルーフガラス等に使用できる。
【0150】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳しく説明する。本発明はこれら実施例のみに限定されない。
【0151】
(合成例1)
(1)化合物Xに相当する化合物の合成
酢酸ビニル17重量部、メタノール14重量部、マレイン酸ジメチル0.023重量部、イタコン酸0.257重量部及びアゾイソブチロニトリル0.17重量部を重合容器内に入れた。上記重合容器内を窒素置換した後、重合容器内を沸騰するまで加熱した。
【0152】
また、酢酸ビニル6重量部、メタノール5重量部及びマレイン酸ジメチル0.207重量部を混合した混合液を用意した。上記重合容器内に、上記混合液を、重合率が75%に達するまで連続的に添加して重合を行い、重合率が90%に達した時点で重合を停止した。次いで、常法により未重合の酢酸ビニルを除去し、重合体を得た。水酸化ナトリウムを用いて、常法により、得られた重合体をけん化した。その後、90℃で90分間熱風乾燥し、数平均分子量が11000及びけん化度が88.0モル%である化合物Xに相当する化合物を得た。
【0153】
得られた化合物Xに相当する化合物0.2重量%と水99.8重量%とを含む水溶液の波長270nmにおける吸光度は1.0であった。なお、得られた化合物Xに相当する化合物の数平均分子量は、試料濃度0.2w/v%の水溶液を用いて、GPCにより40℃で測定した。
【0154】
(2)変性ポリ酢酸ビニルの合成
還流冷却器、滴下ロート、温度計及び窒素導入口を備えるガラス製重合容器を用意した。この重合容器内に、イオン交換水270重量部と、得られた化合物Xに相当する化合物0.1重量部とを入れ、加熱及び撹拌して、化合物Xに相当する化合物を溶解させた。
【0155】
次に、上記重合容器内の温度を58℃にして、重合開始剤である過酸化ラウロイル0.08重量部と、酢酸ビニルモノマー100重量部と、ネオデカン酸ビニルエステル20重量部とを添加し、6時間重合させて、変性ポリ酢酸ビニルの粒子を得た。
【0156】
(合成例2〜8)
変性ポリ酢酸ビニルを得る際の懸濁重合時に、用いる化合物の種類、酢酸ビニルの使用量、脂肪酸ビニルエステルの種類(炭素数)、脂肪酸ビニルエステルの使用量、並びに得られる変性ポリ酢酸ビニルの重合度をそれぞれ、下記の表1に示すように設定したこと以外は合成例1と同様にして、変性ポリ酢酸ビニルを得た。
【0157】
(合成例9)
(1)化合物Xに相当する化合物の合成
酢酸ビニル17重量部、メタノール14重量部、マレイン酸ジメチル0.023重量部、イタコン酸0.257重量部及びアゾイソブチロニトリル0.17重量部を重合容器内に入れた。上記重合容器内を窒素置換した後、重合容器内を沸騰するまで加熱した。
【0158】
また、酢酸ビニル6重量部、メタノール5重量部及びマレイン酸ジメチル0.207重量部を混合した混合液を用意した。上記重合容器内に、上記混合液を、重合率が75%に達するまで連続的に添加して重合を行い、重合率が90%に達した時点で重合を停止した。次いで、常法により未重合の酢酸ビニルを除去し、重合体を得た。水酸化ナトリウムを用いて、常法により、得られた重合体をけん化した。その後、90℃で90分間熱風乾燥し、数平均分子量が11000及びけん化度が88.0モル%である化合物Xに相当する化合物を得た。
【0159】
得られた化合物Xに相当する化合物0.2重量%と水99.8重量%とを含む水溶液の波長270nmにおける吸光度は1.0であった。なお、得られた化合物Xに相当する化合物の数平均分子量は、試料濃度0.2w/v%の水溶液を用いて、GPCにより40℃で測定した。
【0160】
(2)変性ポリ酢酸ビニルの合成
還流冷却器、滴下ロート、温度計及び窒素導入口を備えるガラス製重合容器を用意した。この重合容器内に、イオン交換水270重量部と、得られた化合物Xに相当する化合物0.1重量部とを入れ、加熱及び撹拌して、化合物Xに相当する化合物を溶解させた。
【0161】
次に、上記重合容器内の温度を58℃にして、重合開始剤である過酸化ラウロイル0.08重量部と、酢酸ビニルモノマー100重量部と、ネオデカン酸ビニルエステル20重量部と、マレイン酸モノオクチル0.3重量部を添加し、6時間重合させて、変性ポリ酢酸ビニルの粒子を得た。
【0162】
(合成例10〜15)
変性ポリ酢酸ビニルを得る際に、用いる化合物の種類、酢酸ビニルの使用量、カルボキシル基を有するモノマーの種類、並びにカルボキシル基を有するモノマーの使用量をそれぞれ、下記の表2に示すように設定したこと以外は合成例9と同様にして、変性ポリ酢酸ビニルを得た。
【0163】
(変性ポリ酢酸ビニルの評価)
(1)変性ポリ酢酸ビニルの重合度
JIS K6725「ポリ酢酸ビニル試験方法」に準拠して、得られた変性ポリ酢酸ビニルの重合度を測定した。
【0164】
(2)残存酢酸ビニルモノマー量(未反応モノマー量)
食品添加物公定書 第七版「酢酸ビニル樹脂」純度試験に準じて、残存酢酸ビニルモノマー量(未反応モノマー量)を測定した。
【0165】
(3)変性ポリ酢酸ビニルのメジアン径
レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所社製「SALD−2000」)を用いて、測定用セルに蒸留水を加えて、得られた変性ポリ酢酸ビニルの粒度分布を測定し、メジアン径を得た。
【0166】
(4)変性ポリ酢酸ビニルの粒子径の均一性
レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所社製「SALD−2000」)を用いて、測定用セルに蒸留水を加えて、得られた変性ポリ酢酸ビニルの粒度分布を測定した。変性ポリ酢酸ビニルの粒子径の均一性をCV値(粒度分布の標準偏差/体積平均粒径(D50)×100)により判定した。CV値が小さいほど、粒子径は均一である。変性ポリ酢酸ビニルの粒子径の均一性を下記の基準で判定した。
【0167】
[変性ポリ酢酸ビニルの粒子径の均一性の判定基準]
○:CV値が0.5%以下
△:CV値が0.5%を超え、0.8%以下
×:CV値が0.8%を超える
【0168】
(5)変性ポリ酢酸ビニルの耐アルカリ性
得られた変性ポリ酢酸ビニル3gをアセトン97gに溶解させ、フッ素樹脂フィルム上に流し込んだ。室温23±2℃、湿度50±5%RH環境下で、フッ素樹脂フィルム上の溶解液を3日間乾燥させ、変性ポリ酢酸ビニルのフィルム(厚さ100μm)を得た。得られた変性ポリ酢酸ビニルのフィルムを5重量%水酸化ナトリウム水溶液中に70℃で24時間浸漬させた。変性ポリ酢酸ビニルの耐アルカリ性を下記の基準で判定した。
【0169】
[変性ポリ酢酸ビニルの耐アルカリ性の判定基準]
○○:浸漬前後でフィルムに変化がない
○:浸漬後にフィルムの表面がわずかに白く濁る
△:浸漬後にフィルムに白化がみられる
×:浸漬後にフィルムに白化以外の異常がある
【0170】
得られた変性ポリ酢酸ビニルの詳細及び評価結果を下記の表1、2に示す。なお、下記の表1、2において、(2)未反応モノマー量が「150以下」である場合は、「300以下」である場合よりも、未反応モノマーが少ない。下記表1において、酢酸ビニルの使用量(モル%)と脂肪酸ビニルエステルの使用量(モル%)とは、(共)重合時に用いた酢酸ビニルと脂肪酸ビニルエステルとの合計100モル%中での使用量を示す。酢酸ビニル構造単位の割合(モル%)と脂肪酸ビニルエステル構造単位の割合(モル%)とは、得られた変性ポリ酢酸ビニルにおける酢酸ビニル構造単位と脂肪酸ビニルエステル構造単位との合計100モル%中での割合を示す。下記表2において、酢酸ビニルの使用量(モル%)と脂肪酸ビニルエステルの使用量(モル%)とカルボキシル基を有するモノマーの使用量(モル%)とは、(共)重合時に用いた酢酸ビニルと脂肪酸ビニルエステルとカルボキシル基を有するモノマーとの合計100モル%中での使用量を示す。酢酸ビニル構造単位の割合(モル%)と脂肪酸ビニルエステル構造単位の割合(モル%)とカルボキシル基を有するモノマーに由来する構造単位(モル%)とは、得られた変性ポリ酢酸ビニルにおける酢酸ビニル構造単位と脂肪酸ビニルエステル構造単位とカルボキシル基を有するモノマーに由来する構造単位との合計100モル%中での割合を示す。
【0171】
【表1】
【0172】
【表2】
【0173】
実施例及び比較例では、ポリビニルブチラール樹脂(a),(b)を用いた。ポリビニルブチラール樹脂(a),(b)のブチラール化度(アセタール化度)、アセチル化度及び水酸基の含有率はASTM D1396−92に準拠した方法により測定した。なお、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」により測定した場合も、ASTM D1396−92に準拠した方法と同様の数値を示した。
【0174】
ポリビニルブチラール樹脂(a)(PVB(a)):アセチル化度12.8モル%、ブチラール化度63.5モル%、水酸基の含有率23.7モル%、アセタール化にn−ブチルアルデヒドを使用
【0175】
ポリビニルブチラール樹脂(b)(PVB(b)):アセチル化度1モル%、ブチラール化度68.5モル%、水酸基の含有率30.5モル%、アセタール化にn−ブチルアルデヒドを使用
【0176】
(実施例1)
合成例1で得られた変性ポリ酢酸ビニル100重量部と、可塑剤であるトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)60重量部とをミキシングロールで充分に混練し、中間層用組成物を得た。
【0177】
ポリビニルブチラール樹脂(b)100重量部と、可塑剤であるトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)35重量部とを充分に混練し、保護層用組成物を得た。
【0178】
得られた中間層用組成物及び保護層用組成物を、共押出機を用いて成形し、保護層B(厚み0.35mm)/中間層A(厚み0.1mm)/保護層B(厚み0.35mm)の積層構造を有する中間膜(厚み0.8mm)を作製した。
【0179】
得られた多層中間膜を、縦30mm×横320mmに切り出した。次に、2枚の透明なフロートガラス(縦25mm×横305mm×厚み2.0mm)の間に多層中間膜を挟み込み、真空ラミネーターにて90℃で30分間保持し、真空プレスし、積層体を得た。積層体において、ガラスからはみ出た中間膜部分を切り落とし、合わせガラスを得た。
【0180】
(実施例2〜8)
中間層Aに用いた変性ポリ酢酸ビニルの種類並びに保護層Bに用いる可塑剤の含有量を下記の表3に示すように設定したこと以外は実施例1と同様にして、中間膜及び合わせガラスを得た。
【0181】
(比較例1)
中間層A及び保護層Bに用いたポリビニルブチラール樹脂の種類及び含有量、可塑剤の種類及び含有量を下記の表3に示すように設定したこと以外は実施例1と同様にして、中間膜及び合わせガラスを得た。
【0182】
(実施例9)
合成例9で得られた変性ポリ酢酸ビニル100重量部と、可塑剤であるトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40重量部とをミキシングロールで充分に混練し、中間層用組成物を得た。
【0183】
ポリビニルブチラール樹脂(b)100重量部と、可塑剤であるトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)37.5重量部とを充分に混練し、保護層用組成物を得た。
【0184】
得られた中間層用組成物及び保護層用組成物を、共押出機を用いて成形し、保護層B(厚み0.35mm)/中間層A(厚み0.1mm)/保護層B(厚み0.35mm)の積層構造を有する多層中間膜(厚み0.8mm)を作製した。
【0185】
得られた多層中間膜を、縦30mm×横320mmに切り出した。次に、2枚の透明なフロートガラス(縦25mm×横305mm×厚み2.0mm)の間に多層中間膜を挟み込み、真空ラミネーターにて90℃で30分間保持し、真空プレスし、積層体を得た。積層体において、ガラスからはみ出た中間膜部分を切り落とし、合わせガラスを得た。
【0186】
(実施例10〜15)
中間層Aに用いた変性ポリ酢酸ビニル、並びに保護層Bに用いるポリビニルブチラール樹脂の種類を下記の表4に示すように設定したこと以外は実施例1と同様にして、中間膜及び合わせガラスを得た。
【0187】
(評価)
(1)低温側のtanδのピーク温度、低温側のtanδのピーク最大値、高温側のtanδのピーク最大値
得られた中間膜を23℃の環境下にて1ヶ月保管した後に、中間膜を直径8mmの円形に切り抜き、粘弾性測定装置(レオメトリックス社製「ARES」)を用いて、せん断法にて、歪み量1.0%及び周波数1Hzの条件で、昇温速度5℃/分で動的粘弾性の温度分散測定を行うことにより、最も低温側に現れるtanδのピーク温度、最も低温側に現れるtanδのピーク温度におけるtanδの最大値、及び、最も高温側に現れるtanδのピーク温度におけるtanδの最大値を測定した。
【0188】
(2)損失係数
得られた合わせガラスを20℃の環境下にて1ヶ月保管した。20℃の環境下にて1ヶ月保管した合わせガラスについて、測定装置「SA−01」(リオン社製)を用いて、20℃の条件で中央加振法により損失係数を測定した。得られた損失係数の共振周波数の4次モード(3150Hz付近)での損失係数(20℃損失係数)を評価した。
【0189】
また、20℃の環境下にて1ヶ月保管した合わせガラスについて、測定装置「SA−01」(リオン社製)を用いて、30℃の条件で中央加振法により損失係数を測定した。得られた損失係数の共振周波数の6次モード(6300Hz付近)での損失係数(30℃損失係数)を評価した。
【0190】
(3)接着力
ポリビニルブチラール樹脂(b)100重量部と、可塑剤であるトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)38重量部とを充分に混練し、保護層用組成物を得、プレス成型により、厚さ800μmの保護層シートを得た。
【0191】
合成例9〜15で得られた変性ポリ酢酸ビニルと可塑剤であるトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40重量部と充分に混練し、中間層用組成物を得、プレス成型により、厚さ800μmの中間層シートを得た。
【0192】
保護層シート及び中間層シートを幅2.5cmに切断し、積層した後に140℃で熱融着させて、積層シートを得た。得られた積層シートを用いて、180度ピール試験により、接着力(N)を測定した。なお、保護層シートでは、可塑剤を38重量部用いたが、可塑剤を37.5重量部用いた場合でも、接着力の大小は同様の傾向が見られた。
【0193】
得られた中間膜の詳細及び評価結果を下記の表3、4に示す。
【0194】
【表3】
【0195】
【表4】
【符号の説明】
【0196】
1…中間膜
1a…第1の表面
1b…第2の表面
2…第1の層
2a…第1の表面
2b…第2の表面
3…第2の層
3a…外側の表面
4…第3の層
4a…外側の表面
11…合わせガラス
16…合わせガラス
21…第1の合わせガラス構成部材
22…第2の合わせガラス構成部材
31…中間膜
31a…第1の表面
31b…第2の表面
図1
図2
図3
図4