(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6244308
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】レーザービームのビームパラメータ積を変動させること
(51)【国際特許分類】
G02B 6/42 20060101AFI20171127BHJP
G02B 6/32 20060101ALI20171127BHJP
H01S 3/10 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
G02B6/42
G02B6/32
H01S3/10 Z
【請求項の数】32
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-546092(P2014-546092)
(86)(22)【出願日】2012年12月6日
(65)【公表番号】特表2015-500571(P2015-500571A)
(43)【公表日】2015年1月5日
(86)【国際出願番号】US2012068295
(87)【国際公開番号】WO2013086227
(87)【国際公開日】20130613
【審査請求日】2015年10月5日
(31)【優先権主張番号】61/569,012
(32)【優先日】2011年12月9日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515288122
【氏名又は名称】ルーメンタム オペレーションズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Lumentum Operations LLC
(73)【特許権者】
【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】ミュンデル、 マーティン エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】クライナー、 ダーヴ
【審査官】
奥村 政人
(56)【参考文献】
【文献】
特表2009−525189(JP,A)
【文献】
特開2003−200286(JP,A)
【文献】
実開昭58−057385(JP,U)
【文献】
特開平07−227686(JP,A)
【文献】
特表2006−512616(JP,A)
【文献】
特開2001−094177(JP,A)
【文献】
特開2007−171676(JP,A)
【文献】
特開2006−278525(JP,A)
【文献】
特開平03−236003(JP,A)
【文献】
特開2011−245543(JP,A)
【文献】
特表2007−518566(JP,A)
【文献】
特開昭59−042502(JP,A)
【文献】
実開昭59−190487(JP,U)
【文献】
特開昭57−124586(JP,A)
【文献】
特開2010−036189(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0044106(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/26− 6/27
G02B 6/30− 6/34
G02B 6/42− 6/43
B23K 26/00−26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザービームのビームパラメータ積を変動させるための光学装置であって、光学装置は、
光学装置中にレーザービームを入力するための入力ポートと、
入力ポートに光学的に結合されたビーム発射機と、
ビーム発射機に光学的に結合された光学的導波管サブアッセンブリーであって、
第1と第2の端部と、コアと、コアを取り囲んだクラディングを有する光学的導波管であって、コアとクラディングが光学的導波管の第1と第2の端部の間に伸長しているものと、
第2の端部に結合され、10.0mmより大きくない焦点距離を有する出口レンズと、
を含んだ光学的導波管サブアッセンブリーと、を含み、
ビーム発射機が、光学的導波管の第1の端部において光学的導波管のコア中に収束角と発射角でレーザービームを発射するように構成され、ビーム発射機が、収束角または発射角の1つ以上を変動させるように構成されており、
動作では、発射されたレーザービームが、光学的導波管の第1の端部から第2の端部までおよび出口レンズを通して伝播し、出口レンズに近接して第1のレーザービームくびれ部を形成し、第1のレーザービームくびれ部は直径を有しており、
光学的導波管の第2の端部における局所的な光線角の分布が実質的に第2の端部付近の光学的導波管の光学軸の周りに回転的に対称的であり、
ビーム発射機が収束角および/または発射角を変動させる時、出口レンズが、変動された収束角および/または変動された発射角をもったレーザービームを受け取り、レーザービームの分布を第1の分布から第2の分布に変換し、それによりレーザービームの特定の直径を変動させ、焦点平面において直径を有する第1のレーザービームくびれ部を形成し、
光学的導波管が、ステップインデックス導波管であり、
出口レンズが、出口レンズを出るレーザービームのビームパラメータ積を追加に変動させるために、出口レンズから出るレーザービームの可変な発散と第1のレーザービームくびれ部の可変な直径の望ましい混合を作り出すように選択された収差を有し、
出口レンズが、光学的導波管に結合された第1の勾配インデックス光学的エレメントと、第1の勾配インデックス光学的エレメントに結合された第2の勾配インデックス光学的エレメントを含み、
第1の勾配インデックス光学的エレメントが、1/2ピッチ長の1つまたは整数倍のものであり、第1の勾配インデックス光学的エレメントの放射状勾配インデックスプロファイルが、収差を作り出すように実質的に非放物線状であり、
第2の勾配インデックス光学的エレメントが、1/4ピッチ長の1つまたは奇整数倍のものであり、第2の勾配インデックス光学的エレメントの放射状勾配インデックスプロファイルが、出口レンズから出るレーザービームの可変な発散と第1のレーザービームくびれ部の可変な直径の望ましい混合を作り出すように実質的に放物線状である、光学装置。
【請求項2】
出口レンズが、光学的導波管に強固に載置されている、請求項1の光学装置。
【請求項3】
出口レンズが、光学的導波管と一体である、請求項2の光学装置。
【請求項4】
出口レンズが、勾配インデックスレンズ、勾配インデックス導波管ピース、および彎曲した外側光学的表面を有するエンドキャップからなるグループから選択されている、請求項3の光学装置。
【請求項5】
出口レンズが、勾配インデックスレンズと勾配インデックス導波管ピースからなるグループから選択されており、出口レンズの長さが1/4ピッチまたはその奇数倍ではなく、出口レンズが、1/4ピッチの長さで使われた時に、10mmより大きくない焦点距離を生み出すであろうような、屈折率プロファイルを有する、請求項1の光学装置。
【請求項6】
ビーム発射機が、その上に当たっているレーザービームを光学的導波管の第1の端部中に発射するための入口レンズと、レーザービームと入口レンズの光学軸の間に可変な横方向変位を提供するためのシフターを含む、請求項1の光学装置。
【請求項7】
入口および出口レンズが、それぞれ光学的導波管の第1および第2の端部に強固に載置されている、請求項6の光学装置。
【請求項8】
入口レンズが、コア中に傾斜光線を作成するようにレーザービームをコア中に発射するために、光学的導波管のコアに対して横方向にオフセットされている;または入口レンズが勾配インデックスレンズかまたは勾配インデックスファイバーのピースであり、コア中に傾斜光線を作成するようにレーザービームをコア中に発射するために、入口レンズの外側面が傾けられている;またはコア中に傾斜光線を作成するようにレーザービームをコア中に発射するために、レーザービームが、可変な横方向変位に加えて傾きをもって入口レンズ中に発射される、請求項7の光学装置。
【請求項9】
入口および出口レンズが、光学的導波管と一体である、請求項7の光学装置。
【請求項10】
入口および出口レンズが、同じ焦点距離を有する、請求項7の光学装置。
【請求項11】
入口および出口レンズが、勾配インデックスレンズ、勾配インデックス導波管ピース、および彎曲した外側光学的表面を有するエンドキャップからなるグループから選択されている、請求項7の光学装置。
【請求項12】
入口および出口レンズの外側表面にそれぞれ融着された第1および第2のエンドキャップを更に含む、請求項7の光学装置。
【請求項13】
第1および第2のエンドキャップの外側光学的表面が、光学的導波管の第1の端部中へのレーザービームのフォーカスと、光学的導波管の第2の端部を出るレーザービームのコリメーションをそれぞれ容易にするように彎曲されている、請求項12の光学装置。
【請求項14】
シフターが、レーザービームを横方向に変位するための、入口レンズの上流に配置された、横方向に変位可能なレンズまたは光学楔を含む、請求項6の光学装置。
【請求項15】
横方向に変位可能なレンズまたは光学楔を変位可能に載置するための撓みマウントを更に含む、請求項14の光学装置。
【請求項16】
コアが、光学的導波管の第2の端部におけるレーザービームの強度の実質的に均一な放射状分布の形成を容易にするために非円形断面を有し、それにより第1のレーザービームくびれ部における光線角の均一な分布を容易にする、請求項1の光学装置。
【請求項17】
非円形断面が、正方形、長方形、三角形、六角形、八角形、D字形状、リップル状、カスプ状、および星形からなるグループから選択されている、請求項16の光学装置。
【請求項18】
クラディングが、少なくとも250マイクロメートルの直径を有する、請求項1の光学装置。
【請求項19】
クラディングが、SiO2クラディングからなる、請求項18の光学装置。
【請求項20】
その第1および第2の端部の間の光学的導波管の長さが、少なくとも1mである、請求項19の光学装置。
【請求項21】
光学的導波管が、レーザービームの偏光を制御するための、偏光維持、偏光、カイラル、またはスパン導波管からなる、請求項1の光学装置。
【請求項22】
光学的導波管が、ダブルクラッド導波管、マルチクラッド導波管、フォトニック結晶導波管、およびマイクロ構造導波管からなるグループから選択されている、請求項1の光学装置。
【請求項23】
第1のレーザービームくびれ部においてビームスペックル構造を削減するように、レーザービームがその中に発射された時に光学的導波管を振動させるための、光学的導波管に結合された振動ユニットを更に含む、請求項1の光学装置。
【請求項24】
振動ユニットが、音響トランスデューサー、超音波トランスデューサー、および機械的バイブレーターからなるグループから選択されている、請求項23の光学装置。
【請求項25】
可変なビームパラメータ積でターゲットにレーザービームを配送するためのレーザービーム配送システムであって、レーザービーム配送システムは、
請求項1の光学装置と、
光学装置に結合されたプロセスヘッドであって、プロセスヘッドは、ターゲットの上または近くで第1のレーザービームくびれ部を第2のレーザービームくびれ部上に結像するための、出口レンズに結合されたフォーカスエレメントを含むものと、を含む、レーザービーム配送システム。
【請求項26】
第2および第1のレーザービームくびれ部の直径の比として規定された、フォーカスエレメントの画像拡大率が、焦点平面におけるレーザービームの発散の変動と実質的に独立である、請求項25のレーザービーム配送システム。
【請求項27】
第2のレーザービームくびれ部を撮像するためのカメラと、
カメラによって撮像された第2のビームくびれ部の直径を決定するための、カメラとビーム発射機に結合されたコントローラーであって、コントローラーは、ターゲット上で第2のレーザービームくびれ部の直径の予め決められた値に達するように、レーザービームの収束角および/または発射角を調節することをビーム発射機に引き起こすように構成されているものと、を更に含む、請求項25のレーザービーム配送システム。
【請求項28】
ターゲットに配送されたレーザービームの制御可能な遮断を提供するためのシャッターボックスであって、ビーム発射機が、シャッターボックス中に配置されているものを更に含む、請求項25のレーザービーム配送システム。
【請求項29】
入力ポートへのレーザーによって放出されたレーザービームの配送のための、入力ポートに結合された入力ファイバーを更に含む、請求項25のレーザービーム配送システム。
【請求項30】
光学的導波管中のレーザービームのラマン散乱によって作成された光を抑制するためのラマンフィルターを更に含む、請求項25のレーザービーム配送システム。
【請求項31】
レーザービームのビームパラメータ積を変動させるための方法であって、方法は、(a)第1と第2の端部と、コアと、コアを取り囲んだクラディングを有する光学的導波管であって、コアとクラディングが光学的導波管の第1と第2の端部の間に伸長しているものと、第2の端部に強固に載置され、10.0mmより大きくない焦点距離を有する出口レンズと、を提供することと、(b)光学的導波管の第1の端部中に収束角および/または発射角でレーザービームを発射することと、(c)光学的導波管の光学軸に対する局所的な光線角の大きさの分布を実質的に保持しながら、第2の端部において実質的に回転的に対称的な分布を形成するような、光学的導波管によって導波されたレーザービームの光線角を可能とすべく、光学的導波管中でステップ(b)で発射されたレーザービームを、第1の端部から第2の端部まで伝播することと、
(d)出口レンズを通してレーザービームを指向させ、出口レンズから出るレーザービーム中に第1のレーザービームくびれ部を形成することであって、第1のレーザービームくびれ部は、ステップ(c)で形成された光学的導波管の第2の端部における局所的な光線角の回転的な対称性のために実質的に回転的に対称的であることと、(e)レーザービームの分布を第1の分布から第2の分布に変換し、出口レンズを使って、
出口レンズを出るレーザービームの特定の直径を変動させるように、収束角および/または発射角を変動させ、それにより焦点平面において直径を有する第1のレーザービームくびれ部を形成することと、を含み、
光学的導波管が、ステップインデックス導波管であり、
出口レンズが、出口レンズを出るレーザービームのビームパラメータ積を追加に変動させるために、出口レンズから出るレーザービームの可変な発散と第1のレーザービームくびれ部の可変な直径の望ましい混合を作り出すように選択された収差を有し、
出口レンズが、光学的導波管に結合された第1の勾配インデックス光学的エレメントと、第1の勾配インデックス光学的エレメントに結合された第2の勾配インデックス光学的エレメントを含み、
第1の勾配インデックス光学的エレメントが、1/2ピッチ長の1つまたは整数倍のものであり、第1の勾配インデックス光学的エレメントの放射状勾配インデックスプロファイルが、収差を作り出すように実質的に非放物線状であり、
第2の勾配インデックス光学的エレメントが、1/4ピッチ長の1つまたは奇整数倍のものであり、第2の勾配インデックス光学的エレメントの放射状勾配インデックスプロファイルが、出口レンズから出るレーザービームの可変な発散と第1のレーザービームくびれ部の可変な直径の望ましい混合を作り出すように実質的に放物線状である、方法。
【請求項32】
ステップ(b)において、出口レンズの下流に環状スポットを作り出すべく、発射角が収束角よりも大きい、請求項31の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー材料処理に関し、特にレーザービーム配送に関する。
【背景技術】
【0002】
レ−ザー材料処理は、多くの利点を有し、高生産性、処理の非接触性、向上した品質、およびレーザービーム配送ポイントの高精細かつ移動性を含む。レーザーは現在、切断、ドリリング、溶接、ろう付け、表面アニーリング、合金化、硬化、およびその他の応用に使われる、光学ファイバーは、高パワーおよび/または高強度のレーザービームをターゲットへ配送するのに頻繁に使われる。
【0003】
ファイバー配送されたレーザー材料処理システムは、典型的には以下のコンポーネンツを含む:レーザー、例えばファイバーレーザ−;光学カップラーユニット、スイッチボックスまたはシャッターボックスとしても知られる;プロセスファイバー(「配送ファイバー」とも呼ばれる)、典型的には10−50m長さで、補強されたケーブルの中で、両方の端部がプラグ可能な;およびプロセスヘッド。プロセスヘッドは、プロセスファイバーにためのレセプタクル、レーザーパワーを投影する光学系、およびアシストガスポーツのような、レーザーベースの処理のためのあらゆる要求されたアクセサリー、を含んだ光学的アッセンブリーである。レーザー放出は、自由スペースを通してかまたは別の光学ファイバーと通して、光学カップラーユニットに送信される。光学カップラーユニットは、プロセスファイバー中に放射を発射し、それはレーザーライトとプロセスヘッドに送信する、プロセスヘッドは、要求された処理タスクを行うようにワークピース上にレーザーライトを投影する。
【0004】
そのようなシステムは、切断、溶接、熱処理等を含んだ多くの異なるプロセスタイプで、多くの異なる材料タイプ、厚さおよび幾何学的形状で使われる。ワークピースにおける望ましい焦点スポットサイズ、発散、およびビーム品質は、プロセスタイプと関連したプロセスパラメータに依存して幅広く変動する。プロセスヘッドは典型的には、できるだけ少ないコンポーネンツを使って最良の可能なスポットを作り出すために構築された、画像デバイスであるので、ワークピースの近くのスポットは典型的には、プロセスファイバー出力における、プロセスヘッドの倍率でスケールされた、スポットの画像、またはより詳細にはビームくびれ部である。ビームくびれ部半径と発散(ハーフアングル)の積は、ミリミーターミリラディアンズ(mm−mrad)の単位で表された、ビームパラメータ積(BPP)という不変量である。
【0005】
レーザービームの異なるスポットサイズおよび/または異なる発散を作り出すために、通常プロセスファイバーを異なるコアサイズの別のファイバーにスワップするか、またはプロセスヘッドを異なる倍率の別のヘッドとスワップする。配送ファイバーおよび/またはプロセスヘッドの物理的スワッピングのプロセスは、時間が掛って不都合であり、敏感なファイバー先端の汚染または損傷までをも結果としてなり得る。
【0006】
Ditzingen, GermanyのTrumpf GmbHは、2つの異なるサイズの導波管を含んだ特別に構築された配送ファイバーを最近報告し、1つの中央のコアが、クラディングによって、それから環状の第2のコアで取り囲まれ、ユーザーに丸いビームかより大きなドーナッツ形状のビームの選択を与え(PCT特許出願WO2011/124671A1)、それにより2つの区別されたBPP値を提供する。この技術によって利用可能な大まかな選択は、例えば、切断と溶接の間で切り替えるのに使用可能であるが、様々なプロセスタイプの間のプロセスまたは切り替えのより微細なチューニングには、連続したBPPの変動性を有することがはるかにより有用である。
【0007】
US特許5,245,682のOrtizは、ビーム品質制御システムを開示し、そこでは配送ファイバーの出力端部における発散が、配送ファイバー中にフォーカスされたレーザービームの発散を切り替えることによって制御される。
図1Aから1Cを参照すると、Ortizのファイバー結合されたレーザーシステム100は、レーザー101と、異なる焦点距離を有する3つのレンズ102A−102Cと、入力および出力端部104と105をそれぞれ有する配送ファイバー103を含む。レンズ102A−102Cは、トランスレーションステージ110に載置され、レンズ102A−102Cが、1度に1回ずつ、レーザー101によって放出されたレーザービーム107のビームパス106中に挿入されることを許容する。例えば、
図1Aでは、3つのレンズ102A−102Cの最も長い焦点距離を有する第1のレンズ102Aが、ビームパス106中に挿入され、配送ファイバー103の入力端部104の上にフォーカスされた収束レーザービーム108の最も小さなビーム収束角αに結果としてなる。
図1Bと1Cでは、収束レーザービーム108の収束角αは、それぞれ第2および第3レンズ102B、102Cの減少する焦点距離に伴って漸次増加する。
【0008】
その相対的な硬さと硬いハウジングによって供された鋭いベンドの不在のために、配送ファイバー103は、配送ファイバー103内の光線角を保持し、収束レーザービーム108の対応する収束角αに近い、出力端部105における発散レーザービーム109の発散角βに結果としてなる。従って、レンズ102A−102Cが切り替えられると、発散レーザービーム109の発散角βは階段状のやり方で変化し、それは発散レーザービーム109のBPPが図示されないワークピースに配送されるように切り替えることを許可する。有害なことに、Ortizシステムは、レンズ102A−102Cおよび/またはファイバー103の入力端部104がマイクロメーターの精度で再位置付けまたは揃えられることを要求し、それはそのようなシステムの実用的な適用性を制限する。更に、切り替えが行われるにはレーザービームは遮断されなければならず、それは不都合かいくつかの応用では有害でも有り得る。更には、レーザー処理アクションに主に責任があるのはフォーカスしたレーザービームの光学的パワー密度または強度であるので、それは出力ビーム発散だけではなくスポットサイズが変動される必要がある。
【0009】
US特許7,151,788のImakado et al.は、レーザー処理デバイスを開示し、そこではワークピ−スに配送されたレーザービームのBPPはまた、入力発散を変動されることにより変動させられ、配送ファイバーの出力における変動する出力発散に結果としてなる。集光レンズが、配送ファイバーを出るレーザービームをターゲット上で焦点スポット中に再フォーカスする。集光レンズによって達成される焦点スポットサイズは、配送ファイバーを出るレーザービームの発散に依存し、それはレンズが顕著な収差のレベルを有さなければならないことを示唆する。結果として、入力発散が変動されると、フォーカスされたスポットサイズが変動される。有害なことに、そのようなシステムが高いBPPについて調整されると、フォーカスされたスポットはぼやけてしまい、機械加工のために望ましいより定義されたエッジを欠いている。加えて、発散の関数としてのスポットサイズの変動は、比較的緩やかになる可能性が高く、発散の変化は、スポットサイズがそうであるよりもBPP変化全体への貢献のはるかに多くを行う可能性が高い、
従来技術は、レーザー材料処理システムで、BPP,特にスポットサイズが、良く定義した焦点スポットでもって、円滑に、連続的に、且つリアルタイムで変動し得るものを欠いている。従って、そのようなレーザー材料処理システムおよび方法を提供することは発明の目的である。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、配送ファイバーの出口端部の近くに小さな角度ツーオフセットレンズを置くことによって、ファイバー出力においてかまたはその近くに制御可能なビームくびれ部サイズを作り出すために、配送ファイバーの発散保持特性を使う。ここでは「出口レンズ」と称される角度ツーオフセットレンズは、例えば10mm以下、より好ましくは1mm以下の、非常に短い焦点距離を有する。出口レンズの機能は、ファイバー内の光線の保持された角度分布を光線座標分布に変換し、よって配送ファイバーの出力端部に近接する出口レンズの焦点平面においてかまたはその近くに小さな、良く定義されたビームくびれ部を作り出すことである。スポットのサイズは、発散にほぼ線形的に依存し、それはスポットサイズを変動させるために、ファイバー先端上にフォーカスされたレーザービームの入力収束角を変動させることによって変動されることができる。
【0011】
入力収束角を変動させる代わりに(または追加に)、配送ファイバー中への発射角が変動されることができる。好都合には、これは、出口レンズと同様または同一に作られることができる「入口レンズ」の前でレーザービームを変位させることによってなされることができる。入口レンズは、配送ファイバー中に光をフォーカスする。その回転的対称性のために、配送ファイバーは、ファイバー内の個別の光線の方位角を素早く平均化する。結果として、出力発散は、実質的に回転的に対称的である。レーザービームが入口レンズの前で変位される時に、対称的な出力発散が変動され、出口レンズがその変動を、配送ファイバー−出口レンズアッセンブリーの出力におけるスポットサイズの変動に変換する。配送ファイバーは、好ましくはグレーデッドインデックス(GRIN)レンズである入口および出口レンズと一体的に作られることができる。エンドキャップが、GRINレンズの外側光学的表面に融着されることができる。エンドキャップの入口および出口表面は、反射防止被覆されることができる。通常のステップインデックス配送ファイバーが好ましいが、説明されるように、その他のファイバータイプが使われることもできる。
【0012】
発明に従って、レーザービームのビームパラメータ積を変動させるための光学装置であって、光学装置は、
光学装置中にレーザービームを入力するための入力ポートと、
入力ポートに光学的に結合されたビーム発射機と、
ビーム発射機に光学的に結合された光学的導波管サブアッセンブリーであって、第1と第2の端部と、コアと、コアを取り囲んだクラディングを有する光学的導波管であって、コアとクラディングが光学的導波管の第1と第2の端部の間に伸長しているものと、第2の端部に結合された出口レンズと、
を含んだ光学的導波管サブアッセンブリーと、を含み、
ビーム発射機が、導波管の第1の端部において導波管のコア中に収束角と発射角でレーザービームを発射するように構成され、ビーム発射機が、収束角と発射角の1つ以上を変動させるように構成されており、
動作では、発射されたレーザービームが、光学的導波管の第1の端部から第2の端部までおよび出口レンズを通して伝播し、出口レンズに近接して第1のレーザービームくびれ部を形成し、第1のレーザービームくびれ部は直径を有しており、
光学的導波管の第2の端部における局所的光線角の分布が実質的に第2の端部に近接する導波管軸の周りに回転的に対称的であり、
ビーム発射機が収束角および/または発射角を変動させる時、出口レンズに近接する第1のレーザービームくびれ部の直径が変動され、それにより出口レンズから出るレーザービームのビームパラメータ積を変動させる、
光学装置、が提供される。
【0013】
一実施形態では、ファイバー内の光の発散は、導波管の第1および第2の端部の間で光学的導波管に結合された発散調節エレメントを使って調節される。発散調節エレメントは、光学的導波管中にマイクロベンドを作り出す機械的圧力および/または配送導波管に融着された加熱されたかまたはストレスがかけられたグレーデッドインデックス導波管セクションのセクションを含むことができる。動作では、エレメントは光学的導波管内のレーザービームの発散を調節し、それにより出口レンズの焦点平面における第1のレーザービームスポットの直径および/または発散を変動させる。
【0014】
発明の別の側面に従って、可変なビームパラメータ積でのターゲットへのレーザービームの配送のためのレーザービーム配送システムであって、レーザービーム配送システムは、
レーザービームのビームパラメータ積を変動させるための、上述した光学装置のいずれか1つと、
光学装置に結合されたプロセスヘッドであって、プロセスヘッドは、ターゲット上で第1のレーザービームスポットを第2のレーザービームスポット上に結像するための、出口レンズに結合されたフォーカスエレメントを含むものと、
を含む、レーザービーム配送システム、が更に提供される。
【0015】
発明の別の側面に従って、レーザービームのビームパラメータ積を変動させるための方法であって、
(a)第1と第2の端部と、コアと、コアを取り囲んだクラディングを有する光学的導波管であって、コアとクラディングが光学的導波管の第1と第2の端部の間に伸長しているものと、第2の端部に結合された出口レンズと、を提供することと、
(b)光学的導波管の第1の端部中に収束角および/または発射角でレーザービームを発射することと、
(c)光学的導波管の光学軸に対する局所的光線角の大きさの分布を実質的に保持しながら、第2の端部において実質的に回転的に対称的な分布を形成するような、光学的導波管によって導波されたレーザービームの光線角を可能とすべく、光学的導波管中でステップ(b)で発射されたレーザービームを、第1の端部から第2の端部まで伝播することと、
(d)出口レンズを通してレーザービームを指向させ、出口レンズから出るレーザービーム中に第1のレーザービームくびれ部を形成することであって、第1のレーザービームくびれ部は、ステップ(c)で形成された光学的導波管の第2の端部における光線角の回転的な対称性のために実質的に回転的に対称的であることと、
(e)出口レンズを出るレーザービームのビームパラメータ積を変動させるように、収束角および/または発射角を変動させることと、
を含む、方法、が更に提供される。
【0016】
例示的実施形態がここで図面との関係で記載される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】
図1Aは、ファイバー配送されたレーザー光の切り替え可能な発散をもった従来技術のファイバー結合されたレーザーシステムの概略図である。
【
図1B】
図1Bは、ファイバー配送されたレーザー光の切り替え可能な発散をもった従来技術のファイバー結合されたレーザーシステムの概略図である。
【
図1C】
図1Cは、ファイバー配送されたレーザー光の切り替え可能な発散をもった従来技術のファイバー結合されたレーザーシステムの概略図である。
【
図2A】
図2Aは、発明の光学的導波管サブアッセンブリーの縦方向断面図である。
【
図2B】
図2Bは、レーザービームのビームパラメータ積を変動させるための光学装置の縦方向断面図であり、光学装置は
図2Aのサブアッセンブリーを含んでいる。
【
図2C】
図2Cは、レーザービームのビームパラメータ積を変動させるための光学装置の縦方向断面図であり、光学装置は
図2Aのサブアッセンブリーを含んでいる。
【
図3A】
図3Aは、
図2Cの光学的導波管サブアッセンブリーの出力におけるレーザースポットのシミュレーションされたスポットダイアグラムである。
【
図3B】
図3Bは、
図2Cの光学的導波管サブアッセンブリーの出力におけるレーザースポットのシミュレーションされたスポットダイアグラムである。
【
図3C】
図3Cは、
図2Cの光学的導波管サブアッセンブリーの出力におけるレーザースポットのシミュレーションされたスポットダイアグラムである。
【
図3D】
図3Dは、
図2Cの光学的導波管サブアッセンブリーの出力におけるレーザースポットのシミュレーションされたスポットダイアグラムである。
【
図4】
図4は、発明のレーザービーム配送システムの概略断面図である。
【
図5】
図5は、
図4のレーザービーム配送システムのプロセスヘッドの光学的光線トレーズダイアグラムである。
【
図6】
図6は、撓みマウント上に載置された
図4のレーザービーム配送システムのオフセットレンズの正面図である。
【
図7】
図7は、配送ファイバー、GRIN入口および出口レンズ、およびエンドキャップのペアを含んだ、発明の導波管サブアッセンブリーの側面図である。
【
図8】
図8は、発明に従った複合GRIN出口レンズの側面図である。
【
図9A】
図9Aは、出力発散を増加するように光学的導波管中にマイクロベンドを作り出す、機械的発散調節エレメントの側方断面図である。
【
図9B】
図9Bは、加熱されたグレーデッドインデックスファイバー発散調節エレメントの側方断面図である。
【
図10】
図10は、導波管の出力におけるスペックルパターンを排除するための、光学的導波管に結合されたピエゾエレメントの側方断面図である。
【
図11A】
図11Aは、ステップインデックスシングルクラッドファイバーの断面図である。
【
図11B】
図11Bは、ステップインデックスダブルクラッドファイバーの断面図である。
【
図12】
図12は、
図4のレーザービーム配送システムを含んだレーザー材料処理システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本教示は様々な実施形態と例との関連で記載されるが、 本教示はそれらの実施形態に限
定されていることを意図されていない。逆に、当業者によって理解されるであろうように、本教示は様々な代替案、修正案および等価物を包括する。
【0019】
典型的なステップインデックスファイバーは、ビームがステップインデックスコアの周辺によって制限されるので、ファイバーの出力端部においておよそ同じスポットサイズのビームを常に配送する。但し、ファイバー内の光の発散角は、ファイバーによって支持された最大バウンス角より少ない限りは、理想的なファイバーの場合には保存され続け、それは、
【0021】
で与えられる。ここで、NAはファイバー開口数、n
1はコアの反射率、n
2はクラディングの反射率である。この開示を通して、全てのバウンス角と発散は空気での角度で表される。ファイバー内では、Snellの法則に従って、角度は減少する。
【0022】
実際のファイバーでは、発散角は、ファイバーマイクロとマクロベンディングおよびコアのサイズ、形状、反射率均等性での不完全性により、完全には保存されない。典型的なモダンプロセスファイバーまたは導波管では、発散角の保持の許容なレベルは、ベンドの起こりを削減するようにファイバーを充分に硬くするような大きな外側直径の使用により、および小さなコア直径の使用により、正確な作製によって達成される。例としてあげると、プロセス導波管のグラスクラディング部分の外側直径は、250マイクロメーター以上、多くは400マイクロメーター以上であることができ、コア直径は200マイクロメーター以下、多くは100マイクロメーターまたは50マイクロメーター以下であることができる。そのような導波管では、例えば0.10ラディアンの内部発散角をもった光は、10%−20%より多くない発散の増加でもって数十メーターの距離を伝播することができる。この実質的な発散の保存は、導波管内部のレーザービームの予め規定された発散を作り出すように制御された発散角においてレーザービームを発射させることにより望ましいスポットサイズを求めるのに使えることができる一方で、保存された発散をレンズの焦点平面におけるスポットサイズ中に変換する、導波管の出口端部の近くの小さなレンズを配置する。
【0023】
図2Aを参照すると、発明の光学的導波管サブアッセンブリー200は、コア204と光学的導波管202のそれぞれ第1と第2の端部208と210の間にコア204を取り囲むクラディング206を有した光学的導波管202と、第2の端部210に光学的に結合された出口レンズ212を含む。示された実施形態では、出口レンズ212は、光学的導波管202の外側に配置され、光学的導波管202の第2の端部210の反対の焦点平面214を有する。出口レンズ212は薄いレンズであるという近似では、レンズ212は、第2の端部210から約1焦点距離f離れて配置され、焦点平面214は出口レンズ212から1焦点距離f過ぎて配置されている。第2の端部210とレンズ212は、お互いと共に正確には1焦点距離fだけの距離を離して配置されていなくて、1f距離から20−40%の変動で離れている。
【0024】
動作では、実線で示された第1のレーザービーム215が、光学的導波管202の第1の端部208におけるコア204中に収束角θ
1で発射される。第1のレーザービーム205は、その第2の端部210において光学的導波管202を出て、出口レンズ212によってコリメートされて、出口レンズ212の焦点平面214において第1のレーザービームくびれ部217を形成する。第1のくびれ部217が実線で示されている。どのように入力収束角θが出力ビームくびれ部サイズに影響を与えるかを描くために、点線で示された第2のレーザービーム216が、光学的導波管202の第1の端部208におけるコア204中に、第1の収束角θ
1よりも小さい第2の収束角θ
2で発射される。第2のレーザービーム216は、その第2の端部210において光学的導波管202を出て、出口レンズ212によってコリメートされて、出口レンズ212の焦点平面214において第2のビームくびれ部218を形成する。第2のくびれ部218は、第1のくびれ部217よりも小さい。よって、入力収束角θが変動されると、小さな角度θについて約比例したやり方で、光学的導波管サブアッセンブリー200の出口レンズ212の焦点平面におけるビームくびれ部サイズも変動される。
【0025】
図2Aに示された実施形態では、ビームくびれ部217は、焦点平面214で、出口レンズ212から1焦点距離f離れて形成されている。ビームくびれ部217はまた、出口レンズ212にいくらか近接して形成されていてもでき、ビームくびれ部217の直径は、記載したように可変であることができる、
図2Aでは、くびれ部217は焦点スポットと一致しているが、それは必ずしもそうでならなければならないわけではない。
【0026】
明細書を通して、ビームくびれ部217は、「くびれ部直径」としてここで呼ばれる、レーザービームがその最小の横方向サイズをもつスポットとして規定される。「直径」という単語が使われているが、ビームくびれ部217は正確には円形ではなくてもよいことが理解されるはずである。典型的に当業者によって測定されるように、くびれ部直径は、例えば第2のモーメントまたは86%パワーエンクロースト方法を使って、測定されることができる、くびれ部217は、出口レンズ212の焦点平面214にまたは後で配置されるという点でリアルであっても良く、または出口レンズ212の焦点平面214の前にか出口レンズ212の前に位置するように現れるという点でバーチャルでもあり得る。ここで記載された実施形態の大半では、くびれ部217はリアルであるが、非1/4ピッチGRINまたな収差したGRINレンズ212の場合には、レンズ212内か、例えば光学的導波管202の第2の端部210の10ミリメーター内に近接した光学的導波管202内に配置されたバーチャルなくびれ部217を得られることが可能である。
【0027】
図2Bに向かうと、第1のレーザービーム221のビームパラメータ積を変動させるための光学デバイス220は、光学デバイス220中に第1のレーザービーム221を入力するための入力ポート224と、入力ポート224に光学的に結合されたビーム発射機226と、ビーム発射機226に光学的に結合された光学的導波管サブアッセンブリー200を含む。ビーム発射機226は、その上に当っている第1のレーザービーム221を光学的導波管202の第1の端部208中に発射するための入口レンズ228と、光学的導波管202の第1の端部208におけるコア204中に可変発射角γ
1で第1のレーザービーム221を発射するために、第1のレーザービーム221と入口レンズ228の光学軸の間の可変な横方向に変位y
1を提供するための、例えばトランスレーションステージのシフター230、を含む。
【0028】
動作では、光学的導波管202は、光学的導波管202内の発射された第1のレーザービーム221の個別の光線の方位角を平均し、出口レンズ212の焦点平面214における第1のくびれ部231を形成する。結果として、光学的導波管202の第2の端部210における局所光線角の分布は、第2の端部210に近接した導波管軸の周りに実質的に回転的に対称的になる。コア204は、光学的導波管202の第2の端部210に近いレーザービーム221の光で実質的に満たされている。
【0029】
どのように発射角γが出力スポットサイズに影響を与えるかを描くために、点線で示された第2のレーザービーム222が、第1の横方向の変位y
1よりも小さい第2の横方向の変位y
2で発射される。入口レンズ228は、第2のレーザービーム222が第1の発射角γ
1よりも小さな第2の発射角γ
2において光学的導波管202の第1の端部208の上に当ることを引き起こし、光学的導波管202の第1の端部208におけるコア204中に第2のレーザービーム222を発射する。光学的導波管202は、光学的導波管202内の発射された第2のレーザービーム222の個別の光線の方位角を平均し、出口レンズ212の焦点平面214における第2のくびれ部232を形成する。第2のくびれ部232は、第1のくびれ部231よりも小さな直径を有する、よって、レーザービーム221の収束角θおよび/または発射角γがビーム発射機226によって変動されると、出口レンズ212の焦点平面214におけるレーザービームくびれ部231の直径が変動されて、それにより出口レンズ212を出るレーザービームのビームパラメータ積が変動される。
【0030】
ビーム発射機226はまた、従来技術で既知のデバイスと方法を使って、
図2Aに示されたように入力収束角θを変動させるように構成されることもできる。更には、ビーム発射機226はまた、入力収束角θと発射角γを同時に変動させるように構成されることもできる。
【0031】
入力収束角θと発射角γの同時変動は、いくつかの興味深い可能性を開き、くびれ部217、218、231、232のサイズを変動させるだけでなく、くびれ部217、218、231、232の形状、つまりくびれ部217、218、231、232内の光学パワー密度の分布、も変動させるように使われることを、光学デバイス220に許容する。ここで
図2Bを更に参照しつつ
図2Cを参照すると、光学デバイス240は、
図2Bの光学デバイス220と同様であるが、ビーム発射機246が、入力レーザービーム241のサイズと位置を同時に変動させるための可変デバイス250を含み、それにより入力レーザービーム241の入力収束角θと発射角γを同時に変動する、という違いがある。
図2Cでは、レーザービーム241の示されていない個別の光線の発射角は、ゼロ発射角を含んでいない。光学的導波管202のコア204と出口レンズ212を通しての伝播に際して、レーザービーム241は、環状(ドーナッツ)形状のスポット251を形成する。スポット251の形状は、ガウシアン形状、示されたようなドーナッツ形状、またはもしそう要求されればフラットトップ形状、を形成するように調整されることができる。非限定的な例として、可変デバイス250は、出力ビーム241の直径を拡大または縮小するための示されてないズームレンズを含み、予め規定された量でズームされたレーザービーム241をオフセットするためのトランスレーター230と同様のトランスレーターを備えている、ことができる。それらの構成が可変な収束角θおよび/または可変な発射角γでレーザービーム221、241を発射する限りは、ビーム発射機226と可変デバイス250のその他の構成も可能である。
【0032】
ここで
図3Cを更に参照しつつ
図3Aから3Dを参照すると、シミュレートされたスポット形状300Aから300Dが、
図3Aから3Dに行くに従って、レーザービーム241の徐々に増加するy座標、または高さh、においてスポット251に対応する。
図3Aでは、スポット300Aは、実質的にフラットトップであり、
図3Bから3Dでは、徐々に増加する直径の環状またはドーナッツ形状のスポット300Bから300Dが形成され
る。
図3Aから3Dに行くに従って、直径は30から100マイクロメーターまで増加する。フラットトップスポット300Aは、例えば、レーザー溶接とレーザー熱処理のいくつかのタイプのような、いくつかの応用のために好まれることができる。ドーナッツ形状のスポット300Bから300Dは、マイルドな鋼鉄のような厚いシートメタルの切断を含んだ、その他の応用に好まれることができる。
【0033】
図2Aから2Cを参照し戻ると、出口レンズ212の焦点距離は、例えば10mm未満、より好ましくは1mm未満の、小さなものが好ましい。1/4ピッチまたはその奇数倍数ではないGRINレンズを使う時は、それは良く定義された焦点距離が欠けている、しかし、そのようなGRINレンズは、1/4ピッチの長さで使われた時に、10mm未満の、より好ましくは1mm未満の焦点距離を生み出すような、反射率プロファイルを有さなければならない。出口レンズ212の焦点距離か小さい時に、焦点平面214における第1のくびれ部217、218、231、232または251もまた小さく、それは小さなレーザービームスポットサイズのおけるワークピース(図示せず)上へのその撮像を可能とする。ワークピース上の小さなスポットサイズは、レーザー材料処理について通常要求される高い光学パワー密度を可能とする。典型的な数字を使うと、光学的導波管コア204は、0.22の開口数(NA)をもって直径は50マイクロメーターである。光学的導波管202は、0.10ラディアンの最大発散の光でもって照射される。よって、ユーザーは、ワークピース上で固定された50マイクロメーターの0.10ラディアンスポットを撮像する。本発明の一実施形態では、調節可能なビーム発射システムが、0.06ラディアンと20ラディアンの間の発散のあらゆるところで光学的導波管202中に光を発射するのに使われる。光学的導波管202の第2の端部210における焦点距離f=250マイクロメーターを有する出口レンズ212を使って、出力ビームは固定された発散θ
OUT=sin
−1(25/250)=0.10ラディアンと、2R=2×250×0.06=30マイクロメーターと2R=2×250×0.20=100マイクロメーターの間のいかなるところの可変くびれ部直径に変換されることができ、そこでくびれ部直径は光学的導波管202内のビーム発散に比例している。BPPはよって、この例では0.10×30/2=1.5mm−mradから0.10×100/2=5mm−mradまで変動される。レーザービームくびれ部217または218の小さな直径は、ワークピース上の実用的に利用可能なスポットサイズにおいてワークピース上でのその撮像を可能とする。
【0034】
円形コア導波管の1つの特徴は、非円形コア導波管とは対照的に、それらが傾斜またはオフ軸の光線と、経線上またはオン軸の光線を混合しないことで、その結果として、もし導波管202の第1の端部208における強度分布が放射状に均一でなければ、それは導波管202の第2の端部210においても、一般には、放射状に均一ではないであろう、ということである。一実施形態では、コア204は、光学的導波管202の第2の端部210におけるレーザー強度の均一な放射状の分布の形成を容易にするために、非円形断面を有し、それにより第1のレーザービームくびれ部217、218、231、232、または251の均一な角度照明を容易にし、それはいくつかの応用では好ましくあり得る。
均一な角度照明を確かなものとする好まれた非円形コア形状は、限定無しに、正方形、長方形、三角形、六角形、八角形、D字形状、リップル状、カスプ状、および星形を含む。その第1と第2の端部208と210の間の光学的導波管202の長さは、好ましくは少なくとも1mである。更に、好ましくは、クラディング206は、硬さを増加しファイバーベンドを削減して、光線の角度の大きさの向上した保存のために、少なくとも250マイクロメーターの直径を有する。有利なことに、クラディング206は、向上された高いパワーの取り扱いのためのSiO
2クラディングであるが、その他のクラディングタイプが使われることができる。光学的導波管202はまた、光学的導波管202内のレーザービームの偏光を制御するための偏光維持、偏光、カイラル、またはスパン導波管を含んでいることができる。
【0035】
ここで
図4に向かうと、レーザービーム配送システム400は、
図2Bの光学デバイス220と、それぞれコリメーティングおよびフォーカシングレンズ404、406からかるプロセスヘッド402を含み、コリメーティングレンズ404は光学的導波管サブアッセンブリー202の出口レンズ212に結合している。プロセスヘッドは、光線412で示されるように、ターゲット(ワークピース)410上の第2のレーザービームくびれ部408上にレーザービームくびれ部231を撮像する。トランスレーターまたはシフター230は、光線420で示されるように、それぞれコリメーティングおよびフォーカシングレンズ414と416と、コリメーティングおよびフォーカシングレンズ414と416の間で入口レンズ228の上流に配置され、レーザービーム221を横方向に変位するための、横方向に変位可能なレンズ418を含む。横方向に変位可能なレンズ418は、トランスレーションステージ422上に載置されている。シフター230のコリメーティングおよびフォーカシングレンズ414と416は、2つの強力なレンズであり、位置で固定され、入口レンズ228の中央の中に正確な結合のために揃えられる。横方向に変位可能なレンズ418は、弱いレンズであり、入口レンズ228の光学軸に対してレーザービーム221を変位するように横方向に調整されることができる。この場合のレーザービーム221の動きは、横方向に変位可能なレンズ418の動きと比例しており、横方向に変位可能なレンズ418の焦点距離とフォーカシングレンズ416のそれとの比によってスケールされている。よって。システム400は、入口レンズ228の光学軸に対してレーザービーム221の非常に正確な動きおよび/または傾きを許容する。例えば、もし横方向に変位可能なレンズ418の焦点距離とフォーカシングレンズのそれとの比が1:20であれば、それはレーザービーム221の位置の1マイクロメーターの微調整が、横方向に変位可能なレンズ418の20マイクロメーターの動きで達成されることができ、それは標準の機械的アクチュエーターを使って非常に容易に行われる。レンズ418を省略し、レンズ414と416のどちらかまたは両方を動かして、あるいは例えば、レンズ414と416の間のビーム経路に配置された、図示しない、ミラーを調節することによってレンズ414と416の間のビームの方向を調節することによって、レーザービーム221の位置を調整することが代替的に可能である。
【0036】
上記の通り、出口レンズ212が、例えば1mm未満の短い焦点距離を有する小さくて「強力な」レンズであることが非常に好ましい。出口レンズ212に代えていくつかのミリメーターの大きな焦点距離を有する従来のレンズを使うことは、ワークピース410上に撮像するためのプロセスヘッドのための許容しがたいほど大きなビーム直径に結果としてなる。従って、新たなプロセスファイバーアッセンブリーが従来技術のプロセスファイバーのためのドロップイン交換となるように、光学的導波管202上に直接一体化した非常に短い焦点距離のレンズを使うことが好ましい。短い焦点距離のレンズは、
図4に示されているように、凸型外側光学的表面をもったファイバーエンドキャップか、またはグレーデッドインデックスレンズを光学的導波管202の第1の端部208の上に融着することで実装され、モノリシック構造に結果としてなる。代替的に、離散的なマイクロレンズが光学的導波管202の端部208と210に非常に近接して固体的に載置されることができ、エンドキャップレンズまたはグレーデッドインデックスレンズと同じ機能を提供するが、2つの光学的表面と、それぞれ入口および出口レンズ228と212が光学的導波管202の上に融着された時よりも潜在的により不安定で汚染物の傾向をもつ光学的経路とを追加するという不利点がある。一実施形態では、入口および出口レンズ228と212は、同じ焦点距離を有する。入口および出口レンズ228と212は、結果として得られるモノリシック構造が対称的であり、トランスレーター230と面するレンズ228または212のどちらか1つで使われることかできるように、光学的導波管202の端部208と210に融着された同一のレンズでさえあることができる。
【0037】
図5に向かうと、光学的光線トレーズダイアグラム500が、ターゲット410における第2のくびれ部408の上の出口レンズ212の焦点平面214における第1のレーザーくびれ部231の撮像を描いている。好ましくは、それぞれ第2と第1のレーザービームくびれ部408と231の直径の比として規定された、プロセスヘッド402のレンズ404と406の画像拡大率は、実質的に焦点平面214におけるレーザービームの発散の変動に依存していない。これは、入力発散上の拡大比の角度依存度の不在が低い収差の指標であり、より鋭い撮像を可能とするので、ターゲット410の上の第1のレーザービームくびれ部231のより鋭い撮像を許容する。
【0038】
図6を参照すると、横方向に変位可能なレンズ418は、矢印602によって指し示めされているように、横方向に変位可能なレンズ418を変位可能に載置するための撓みマウント600上に載置されることができる。撓みマウント600は、弾性閾値の下で動作し、撓みマウント600のばねパラメータに僅かか全く無い変化で、レンズ418に非常に大きな数の横方向の変位を許容する。撓みマウント600は、
図4のトランスレーター422の一部である。
【0039】
図4を更なる参照として
図7に向かうと、発明のレーザービーム配送導波管アッセンブリー700が、レーザービーム配送システム400で使われることかできる。レーザービーム配送導波管アッセンブリー700は、それぞれ第1から第2の端部208から210へレーザービームを導くための、それぞれ第1と第2の端部208と210を有するステップインデックス光学的導波管202を含む。第1と第2のグレーデッドインデックス光学エレメント701と702が、光学的導波管202のそれぞれ第1の端部208にと第
2の端部210からのレーザービームの結合のために、それぞれ第1と第2の端部208と210と融着されている。例えば、GRINレンズであることができる、第1と第2のグレーデッドインデックス光学エレメント701と702は、レーザービーム配送システム400のそれぞれ入口および出口レンズ228と212に対応する。それぞれ第1と第2のエンドキャップ703と704は、それぞれレーザービームを第1のグレーデッドインデックス光学エレメント701にと第2のグレーデッドインデックス光学エレメント702からの送信のために、それぞれ第1と第2のグレーデッドインデックス光学エレメント701と702に融着されている。それぞれ第1と第2のエンドキャップ703と704の外側光学的表面705と706は、反射防止(AR)被覆されていることができる。更には、それぞれ第1と第2のエンドキャップ703と704の外側光学的表面705と706は、それぞれ光学的導波管202の第1の端部208中にレーザービームのフォーカスと光学的導波管202の第2の端部210を出るレーザービームのコリメーションを容易にするために彎曲されることができる。
【0040】
一実施形態では、出口レンズ212は、スポットサイズの変動のレートよりも多くか少ないレートで出口レンズ212を出るレーザービームのビームパラメータ積を追加して変動させるために、出口レンズ212を出るレーザービームの可変な発散と第1のレーザービームくびれ部217の可変な直径の望ましい混合を作り出すために選択された収差を有する。ここで
図8を参照すると、出口レンズ212は、光学的導波管202に好ましくは融着されて結合される第1の傾斜インデックス光学エレメント801と、第1の光学エレメント801に好ましくは融着されて結合される第2の傾斜インデックス光学エレメント802からなる。第1の傾斜インデックス光学エレメント801は、1/2ピッチ長の1
つまたは整数倍のものである。第1の光学エレメント801の放射状傾斜インデックスプロファイルは、収差を作り出すために実質的に非放物線である。第2の傾斜インデックス光学エレメントは、1/4ピッチ長の1つまたは奇整数倍のものである。第2の光学エレメント802の放射状傾斜インデックスプロファイルは、レーザービームの可変な発散と可変なレーザービームくびれ部直径の望ましい混合を作り出すために実質的に放物線である。
【0041】
動作では、実線で示された光の第1の光線804が、それぞれ第1と第2のグレーデッドインデックス光学エレメント801と802の光学軸810の近くに伝播する。第1の光線804について、第1の光線804は理想的な放物線プロファイルから第1のグレーデッドインデックス光学エレメント801の反射率の相当な偏りを経験しないよう光学軸810に充分に近いので、焦点平面は第2のグレーデッドインデックス光学エレメント802の外側表面807においてである。破線で示された光の第2の光線806は、光学軸810から更に伝播する。第2の光線806について、第1の光線804は、理想的な放物線プロファイルから第1のグレーデッドインデックス光学エレメント801の反射率の相当な偏りを経験するよう光学軸810から充分に遠いので、焦点平面は第2のグレーデッドインデックス光学エレメント802内に配置された平面808においてである。結果として、レーザービームの可変な発散と可変なレーザービームスポットサイズの望ましい混合が、入力発射角が変動されるにつれて作り出される。代替的に、第2の傾斜インデックス光学エレメント802を省略し、1/4ピッチ長の1つまたは奇整数倍のおおよその長さの収差した第1の傾斜インデックス光学エレメント801を利用して、同様の効果を達成することができる。
【0042】
出力レーザービームの可変な発散と可変なくびれ部直径の望ましい混合を達成するもっと別の方法は、出口レンズ212について、1/4ピッチまたはその奇整数倍とは違う長さの傾斜インデックス光学エレメントを使うことである。そのような非1/4ピッチ長さを使うことは、出口レンズ212がフォーカスの外にあることを引き起こし、それによりレーザー出力の発散とスポットサイズの両方が、入力発射角が変動させるにつれて変動させる。
【0043】
図2Bに戻って参照すると、発明の一実施形態では、レーザービーム221は、オフ軸で光学的導波管202の第1の端部208中に発射され、よって光学的導波管202内に傾斜光線を生成する。オフ軸発射は、拡張された距離に渡って環状であり、光学軸の周りを回転することができる、出力ビームを生成することの可能性を有する。ボルテックスビームとしても知られるそのようなビームは、或る特別な材料処理応用について有用な特性を有することができる、レーザービーム221は、例えば、光学的導波管202に対して入口レンズ228をオフセットして、シフター230によって印加された横方向の変位に加えて入力ポート224に傾きを印加することによって、または傾斜インデックスレンズを入口レンズ228のために使う場合には、そのような傾斜インデックスレンズ上の角度付き入口表面を使って、オフ軸で発射されることができる。そのような傾きは、横方向の変位と垂直に、つまり光線が傾斜光線として発射されることを確かなものとするために、
図2Bの平面に垂直に、印加することが好ましいであろう。オフ軸でレーザービーム221を発射する代替的な方法は、シフター230によって印加された横方向の変位の方向と好ましくは垂直な方向においてビーム発射機226への横方向の変位を印加することである。
図7を再度参照すると、例えば、傾斜インデックス光学エレメント701が、僅かに横方向に変位された位置において導波管202に取り付けられるであろう。そのような追加の傾きまたは変位は、傾斜インデックスエレメント702のような、導波管202に先行される光学系にであって導波管202を追従する光学系ではなく、印加されるのみであるべきである。また、傾斜光線が、導波管202を通した伝播の間保存されて残ることを確かなものとするために、この実施形態では、導波管コア204が断面で円形または楕円形であることが好まれる。
【0044】
発明の一実施形態では、発散調整エレメントが、光学的導波管内のレーザービームの発散を調節するために光学的導波管202の中央セクション内またがそれに近接して配置されて、よって出口レンズ212によって形成されたくびれ部直径を変動させる。
図9Aを参照すると、発散調整エレメント900Aは、光学的導波管202中に制御可能なマイクロベンドを作り出すために、光学的導波管202の機械的に結合された複数のフィンガー903を含んだ機械的圧力ユニット902を含む。マイクロベンドは、光学的導波管202内のレーザービームの発散を増加する。
【0045】
ここで
図9Bの実施形態に向かうと、光学的導波管202は、それぞれ第1と第2の端部208と210に結合された第1と第2のステップインデックス導波管セクション908と910を含む。第3のグレーデッドインデックス導波管セクション912が、第1と
第2のステップインデックス導波管セクション908と910の間に結合されている。発散調整エレメント900Bは、グレーデッドインデックス導波管セクション912のそれぞれ温度または長さを変動させるためのヒーター904を含み、それにより光学的導波管202内のレーザービームの発散を変動させる。グレーデッドインデックス導波管セクション912内の光線の軌跡が、光線920で示されている。第2のステップインデックス導波管セクション910のコア直径は、好ましくは第1のステップインデックス導波管セクション908のものよりも大きく、第2のステップインデックス導波管セクション910中へのより良い光結合を許容する。第1の導波管セクション908はオプショナルであり、省略されることができる。この場合には、オプショナルなビームが第3のグレーデッドインデックス導波管セクション912中に直接発射されるであろう。
【0046】
図9Aと9Bの実施形態の発散調整エレメントを使う、レーザービームのビームパラメータ積を変動させるための光学デバイスは、出口レンズ212を出るレーザービームのビームパラメータ積が光学的導波管202内の発散を調整することにより変動させることができるので、レーザービームの入力収束角を変動させるためにビーム発射機226を要求はしない。
【0047】
図4を更に参照して
図10に向かうと、振動ユニット1000が、第1のレーザービームくびれ部231と、従ってターゲット(ワークピース)410上の第2のレーザービームくびれ部408のスペックル構造を削減するために、レーザービームがそこに発射された時に、矢印1002で示されたように光学的導波管202を振動するために光学的導波管202に好ましくは結合されている。振動ユニット1000は、例えば、音響トランスデューサー、超音波トランスデューサー、または機械的バイブレーターを含むことができる。
【0048】
本発明は、光学的配送導波管の多くのタイプと働くことができる。
図11Aから11Cを参照すると、光学的導波管202が断面で示されている。
図11Aでは、光学的導波管202は、コア204とクラディング206を有するステップインデックス光学ファイバーである。インデックスプロファイル1110Aは、単一の反射率ステップを示す。
図11Bでは、ダブルクラッド光学的導波管1112が、それぞれ第1と第2のクラディング
1116と1118によって取り囲まれるコア1114を有する、インデックスプロファイル1110Bは、コア1114と第1のクラディング1116に対応する2つの反射率ステップを示す。
図11Cでは、グレーデッドインデックス導波管1120が、インデックスプロファイル1110Cによって示されているように、反射率の緩やかな変動、好ましくは放物線変動を有する。全てのそれらの導波管タイプは、光学的導波管202の代わりに使われることができる。更には、フォトニック結晶および/またはマイクロ構造の導派管が使われることができる。フォトニック結晶導派管は一般に、ステップインデックスファイバーよりも大きな発散においてレーザービームをガイドできる。フォトニック結晶導波管によって供されるいくつかの興味深い可能性は、出力くびれ部直径と出力発散の間の望ましい機能的関係をデサインすることの可能性を含み、よってターゲット410における変動させるビームサイズとビーム発散の予め規定された比でBPPを変動させる。
【0049】
ここで
図12を参照すると、発明のレーザー材料処理システム1200は、レーザービーム1204のターゲット410への配送のために、
図4のファイバー配送システム400を含む。ファイバー配送システム400は、シャッターボックス1202によってと、ターゲット410上で(
図4に見られる)第2のレーザービームくびれ部408を撮像するためのカメラ1210によって、補足される。レーザー材料処理システム1200は更に、入力ファイバー1208を介してシャッターボックス1202に結合されたレーザービーム1204を提供するためのレーザー1206と、カメラ1210に結合されたカメラコントローラー1212を含む。シャッターボックス1202は、ターゲット410に配送されたレーザービーム1204の制御可能な遮断を提供するためのシャッター1214を含む。ビーム発射機230が、シャッターボックス1202内に好ましくは配置されている。入力ファイバー1208は、シャッターボックス1202内の入力ポート224に結合されている。カメラコントローラー1212は、カメラ1210によって撮像された第2のビームくびれ部408の直径を決定するように構成されており、横方向の変位可能なレンズ418の横方向の位置を調節するために横方向の変位可能なレンズ418のトランスレーター422に結合されている。カメラコントローラー1212は更に、上述したようにターゲット410上で第2のレーザービームくびれ部408の直径の予め決められた値に達するために、光学的導波管202中に発射されたレーザービームの収束角および/または発射角を調節するように構成されている。レーザー材料処理システム1200はまた、光学的導波管202においてレーザービームのラマン散乱によって作成された光を抑制するために、図示しない好適に置かれたラマンフィルターを含むことができる。
【0050】
レーザー材料処理システム1200は、横方向の変位可能なレンズ418の各変位について、ターゲット410上の第2のレーザービームくびれ部408の直径をカメラ1210を使って測定することによりカリブレートされることができる。それらの測定は、レーザー材料処理システム1200のクローズトループ動作を可能とするように転送曲線またはルックアップテーブルを作り出すのに使われ、ターゲット410上の第2のくびれ部408の直径のダイナミックな、インプロセスの、リアルタイムな変動を許容する。例えば、レーザー切断では、ターゲット410を通したレーザービーム1204の貫通を容易にするために初期スポットサイズが削減されてもよく、その後スポットサイズはより良い切断動作のために増加されることができる、更には、レーザー材料処理システム1200は、
図3Aのフラットトップ分布と
図3Bから3Dの環状分布を含んだ、望ましい光学パワー密度分布のターゲット410上の第2のくびれ部408を提供するように構成されることができる。
【0051】
一般に、レーザービームのビームパラメータ積を変動させるための方法は、
(a)それぞれ第1と第2の端部208と210を有するステップインデックス光学的導波管202を含んだ光学的導波管サブアッセンブリー200と、第2の端部210に結合した出口レンズ212を提供することと、
(b)光学的導波管202の第1の端部208中に可変の収束角においておよび/または可変の発射角においてレーザービーム215を発射することと、
(c)光学的導波管202の光学軸に対する局所的光線角の大きさの分布を実質的に保持しなから、第2の端部210において実質的に回転的に対称的な分布を形成するように、光学的導波管202によって導波されたレーザービーム215の光線角を可能とするために、光学的導波管202中でステップ(b)で発射されたレーザービーム215を伝播することと、
(d)ステップ(c)で伝播したレーザービーム215が、光学的導波管202の第2の端部210を出て出口レンズ212を通して伝播することを引き起こすことと、出口レンズ212を出るレーザービームにおいて第1のレーザービームくびれ部218を形成することで、ここで第1のレーザービームくびれ部217は、光学的導波管202の第2の端部210における光線角の回転的な対称性のために実質的に回転的に対称的であることと、
(e)出口レンズ212を出るレーザービーム215のビームパラメータ積を変動させるように、収束角および/または発射角を変動させることと、
を含む。
【0052】
一実施形態では、ステップ(b)で、
図3Bから3Dに示されたもののような、環状形状の第1のレーザービームスポットを作り出すべく、発射角は、ゼロ発射角を含んではいない。
【0053】
発明の1つ以上の実施形態の前述の記載は、描写と記載の目的のために呈示された。網羅的であることや開示された正確な形に発明を限定することは意図していない。多くの修正や変形が、上記の教示内容に照らして可能である。発明の範囲は、この詳細な記載によってではなく、むしろここに添付されたクレームによって限定されることが意図されている。