(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内側回転カムシャフト(12a)と外側回転カムシャフト(12b)とを含む同心カムシャフト(12)に接続された回転軸線を有するロータ(36)を少なくとも部分的に囲むハウジング(28、30、32)を有するカム位相器(22)を含む自動車の内燃機関の少なくとも1つのポペット型弁を操作するための可変カムタイミング組立体(10)であって、
回転トルクを前記カム位相器(22)と前記同心カムシャフト(12)の前記内側回転カムシャフト及び前記外側回転カムシャフト(12a、12b)の少なくとも一方との間で伝達するために、両者の間に接続された可撓性継手(14)を備え、前記可撓性継手(14)が、前記カム位相器(22)と前記同心カムシャフト(12)との間のねじれ剛性結合を維持しつつ、軸方向に直角な方向及び軸方向の不整列に対する調整を許容する単一の一体成形の可撓性本体(14b)を有し、
前記単一の一体成形の可撓性本体(14b)は、少なくとも1つの第1の接続点を画定する第1の半径方向距離で接続可能であるとともに、少なくとも1つの第2の接続点を画定する第2の半径方向距離で接続可能であるモノリシックな部材であり、 前記少なくとも1つの第1の接続点及び第2の接続点は、複数の第1の接続点及び第2の接続点を含み、前記複数の第1の接続点は、互いに角度を付けてアーチ状の等間隔を空けて配置され、前記複数の第2の接続点は、互いに角度を付けてアーチ状の等間隔を空けて配置される一方、前記第1の接続点及び第2の接続点は、隣接する前記第1の接続点及び第2の接続点に関して、角度を付けてアーチ状の等しくない間隔を空けて配置され、
前記第1の接続点は、前記外側カムシャフト(12b)と関連付けられた駆動回転部材(15b)に対して接続され、
前記第2の接続点は、前記内側カムシャフト(12a)と関連付けられた被駆動回転部材(15a)に対して接続される
可変カムタイミング組立体(10)。
【背景技術】
【0002】
内燃機関用の可変バルブタイミング機構は、当該技術分野において一般に知られている。例えば、米国特許第4,494,495号明細書、米国特許第4,770,060号明細書、米国特許第4,771,772号明細書、米国特許第5,417,186号明細書及び米国特許第6,257,186号明細書参照。内燃機関は、シングルオーバヘッドカムシャフト(SOHC)装置、デュアルオーバヘッドカムシャフト(DOHC)装置、及び他の複数のカムシャフト装置を含むことが一般に知られており、それらの各々は2弁又は多弁構造であることができる。カムシャフト装置は、内燃機関の燃焼シリンダチャンバと関連する吸気弁及び/又は排気弁の動作を制御するために典型的に使用される。ある構造では、同心カムシャフトは、タイミングベルト、チェーン又はギヤを介してクランクシャフトによって駆動され、特定の燃焼シリンダチャンバ内のクランクシャフトに接続されたピストンと、当該の特定の燃焼シリンダチャンバに対する所望の吸気弁及び/又は排気弁の動作特性との間に同期を提供する。内燃機関の異なる動作状態の下で燃料消費及び排気ガスの最適な値を獲得するために、バルブタイミングは、異なる動作パラメータに応じて変更することができる。
【0003】
同心カムシャフトは、内側カムシャフトと外側カムシャフトとを含む。2つのカムシャフトは、カム位相器のような機械装置を使用して互いに対して位相調整して、バルブタイミングを変更することができる。カム位相器は、適切に機能するために精密な許容公差及び位置合わせを必要とする。同心カムシャフトの内側カムシャフトと外側カムシャフトとの間の不整列は、カム位相器の適切な機能を妨げる問題を生じることがある。同心カムシャフトの内側シャフト及び外側カムシャフトと、カム位相器との間の不整列に適合できる組立体を提供することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、カム位相器と同心カムシャフトとの間に可撓性継手を含むことができる。可撓性継手は、カム位相器のロータと同心カムシャフトの内側カムシャフトとの間に、又はロータのハウジングと同心カムシャフトの外側カムシャフトとの間に取り付けることができる。可撓性継手は、同心カムシャフトの内側カムシャフトと外側カムシャフトとの間の不整列を許容するために可撓性接合を提供する。可撓性継手は、同心カムシャフトの外側カムシャフトに対する内側カムシャフトの不整列に適合することができる。可撓性継手は、位相器のハウジング又は位相器のロータに取り付けることができる。可撓性継手は、カム位相器と同心カムシャフトの内側カムシャフト及び外側カムシャフトの少なくとも一方との間のねじれ剛性結合を維持しつつ、直角度、及び軸方向の不整列に対する調整を許容する。
【0005】
組立体は、駆動回転部材と被駆動回転部材との間で回転トルクを伝達することができる。可撓性継手は、駆動回転部材及び被駆動回転部材に対して周辺に間隔を空けた軸方向に方向付けられたピンによって接続された可撓性本体を含むことができる。可撓性本体は、駆動回転部材及び被駆動回転部材の回転軸線に対して互いに角度的に間隔を空けた位置に可撓性本体内に形成された複数の開口を有することができる。回転トルクが可撓性本体を通して駆動回転部材と被駆動回転部材との間で伝達されるように、第1の締結具は、駆動回転部材に対して一方の開口を通して可撓性本体を接続することができ、第2の締結具は、被駆動回転部材に対して他方の開口を通して可撓性本体を接続することができ、可撓性本体は、駆動回転部材と被駆動回転部材との間のねじれ剛性結合を維持しつつ、直角度及び軸方向の不整列に対する調整を許容する。
【0006】
可撓性継手は、駆動回転部材及び被駆動回転部材の共通の回転軸線と一致する回転軸線と、当該共通の回転軸線の周りに少なくとも部分的に延在するか、あるいは当該共通の回転軸線を完全に取り囲む外周縁とを含むことができる。可撓性継手は、回転トルクが可撓性本体を通して駆動回転部材と被駆動回転部材との間で伝達されるように、駆動回転部材及び被駆動回転部材に対して可撓性本体を通して接続するために、可撓性本体内に互いに角度的に間隔を空けた及び又は半径方向に間隔を空けた位置に形成された複数の開口を有する可撓性本体を含むことができ、可撓性本体は、駆動回転部材と被駆動回転部材との間のねじれ剛性結合を維持しつつ、直角度及び軸方向の不整列に対する調整を許容する。
【0007】
本発明の他の用途は、本発明を実施するために意図された最良の形態の以下の説明を添付図面と関連させて読むと、当業者に明らかになるであろう。
【0008】
本明細書の説明は添付図面を参照し、同様の参照番号は複数の図面を通して同様の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ハウジング、ロータ、可撓性継手を含む部分的なカム位相器及び同心カムシャフト組立体の詳細な分解図であり、同心カムシャフトは内側カムシャフトと外側カムシャフトとを含む。
【
図2】カム位相器及び部分的に組み立てられた
図1の同心カムシャフト組立体を含む詳細な分解図である。
【
図3】カム位相器、及び自動車の内燃機関のポペット型弁に係合するためのカムローブを有する同心カムシャフトに接続されたカム位相器を示した同心カムシャフト組立体の側面図である。
【
図4】カム位相器及び同心カムシャフト組立体の端面図である。
【
図5】ロータを囲むハウジング、可撓性継手を含むカム位相器及び同心カムシャフト組立体の分解図であり、同心カムシャフトは内側カムシャフトと外側カムシャフトとを含む。
【
図6】ロータ、可撓性継手を含むカム位相器及び同心カムシャフト組立体の部分の分解詳細図であり、同心カムシャフトは内側カムシャフトと外側カムシャフトとを含む。
【
図7】内側環状フランジと半径方向外側に延在する非平坦なタブとを有する非平坦な可撓性継手の前部斜視図であり、可撓性継手は、駆動回転部材と被駆動回転部材との間を接続するために半径方向にかつ角度を付けて間隔を空けた開口をさらに有する。
【
図8】
図7の非平坦な可撓性継手の背面斜視図である。
【
図9】駆動回転部材と被駆動回転部材との間を接続するために不規則に角度を付けて間隔を空けた開口を有する環状フランジを有する可撓性継手の平面図である。
【
図10】駆動回転部材と被駆動回転部材との間を接続するために半径方向にかつ角度を付けて間隔を空けた開口を有する略三角形の構造を有する可撓性継手の平面図である。
【
図11】駆動回転部材と被駆動回転部材との間を接続するために半径方向にかつ角度を付けて間隔を空けた開口を有する環状フランジを有する可撓性継手の平面図である。
【
図12】半径方向外側に延在するタブを有する環状フランジを有する可撓性継手の平面図であり、可撓性継手は、駆動回転部材と被駆動回転部材との間を接続するために半径方向にかつ角度を付けて間隔を空けた開口をさらに有する。
【
図13】駆動回転部材と被駆動回転部材との間を接続するために角度を付けて間隔を空けた開口を有する環状フランジを有する可撓性継手の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に
図1と
図2を参照すると、内側カムシャフト12aと外側カムシャフト12bとを有する同心カムシャフト12を含む可変カムタイミング(VCT)組立体10の部分が示されている。一次回転運動は、スプロケットリング52の組立体を通して同心カムシャフト12に、外側カムシャフト12bと動作可能に関連付けられた環状フランジ16に伝達することができる。二次回転運動、又は内側カムシャフト12aと外側カムシャフト12bとの間の位相調整された相対回転運動は、カム位相器又は他の機械式アクチュエータ22によって提供することができる。カム位相器22は、適切に機能するために精密な許容公差及び位置合わせを必要とする。同心カムシャフト12の内側カムシャフト12aと外側カムシャフト12bとの間の不整列は、カム位相器22の適切な機能を妨げる問題を生じることがある。可撓性継手14は、同心カムシャフト12の内側カムシャフト12a及び外側カムシャフト12bと、カム位相器22との間の不整列を補償するために設けることができる。環状フランジ16は、外側カムシャフト12bと動作可能に関連付けることができる。可撓性継手14は、環状フランジ16にねじ込む前に、可撓性継手14の本体14bの開口14dと、座金20とを通過する少なくとも1つのねじ締結具18によって環状フランジ16に接続することができる。機械式アクチュエータ又はカム位相器22は、内側カムシャフト12aと動作可能に関連付けることができる。例えば排気カムシャフトのために、一例としてかつ限定なしに、
図1と
図2に最善に示されているようにナット34によって固定される前に、可撓性継手14の反対側から、可撓性継手14の本体14bの開口14cと、座金26と、内側カムシャフト12aに支承される内側プレート28と、ハウジング32と、外側プレート30とを通過する少なくとも1つのねじ締結具24によって、可撓性継手14をアクチュエータ22に接続することができる。ロータ36は、内側カムシャフト12aにプレスして、ピン38で固定することができる。ロータ36は、内側プレート28、ハウジング32、及び外側プレート30の間に収容することができる。
【0011】
次に
図2を参照すると、ロータ36は、ベーンチップシール40及びベーンチップシールスプリング(図示せず)を含むことができる。スプールバルブ組立体42及びスプールバルブスプリング44は、ロータ36内に配置することができる。ロックピン46及びロックピンスプリング48は、ロックピンプラグ50によってロータ36内に組み込まれ適所に保持されることができる。次に
図2と
図4を参照すると、外側カムシャフト12bと関連付けられた駆動回転部材15bの組立体を画定するために、スプロケットリング52を締結具54によって環状フランジ16に組み立てることができる。ソレノイド56は、排気カムシャフトハウジング32の外側プレート30に接続することができる。次に
図3を参照すると、エンコーダシャフト58をアクチュエータ22と反対側の同心カムシャフト12の端部に接続することができる。カムセンサ位置ホイール60は、エンコーダシャフト58に隣接して配置された同心カムシャフト12に止めねじ62によって接続することができる。
【0012】
次に
図1〜
図4を参照すると、駆動回転部材15bと被駆動回転部材15aとの間で回転トルクを伝達するための組立体10が開示されており、ここで、可撓性継手14は、駆動回転部材15b及び被駆動回転部材15aの共通の回転軸線と一致する回転軸線と、当該共通の回転軸線の周りに少なくとも部分的に延在する外周縁14aとを含む。可撓性継手14は、回転トルクが可撓性本体14bを通して駆動回転部材15bと被駆動回転部材15aとの間で伝達されるように、駆動回転部材15b及び被駆動回転部材15aに対して可撓性本体14bを通して接続するために可撓性本体14b内に互いに角度的に間隔を空けた位置に形成された複数の開口14c、14dを有する可撓性本体14bを含むことができる。可撓性本体14bは、駆動回転部材15bと被駆動回転部材15aとの間のねじれ剛性結合を維持しつつ、直角度及び軸方向の不整列に対する調整を許容する。
【0013】
次に
図6を参照すると、組立体10は、一例としてかつ限定なしにロータ36のような駆動回転部材15bと、内側カムシャフト12aのような被駆動回転部材15aとの間で回転トルクを伝達することができ、ここで、可撓性継手14は、ロータ36のような駆動回転部材15b及び内側カムシャフト12aのような被駆動回転部材15aの共通の回転軸線と一致する回転軸線と、当該共通の回転軸線の周りに少なくとも部分的に延在する外周縁14aとを含む。可撓性継手14は、回転トルクが可撓性本体14bを通してロータ36のような駆動回転部材15bと内側カムシャフト12aのような被駆動回転部材15aとの間で伝達されるように、ロータ36のような駆動回転部材15b及び内側カムシャフト12aのような被駆動回転部材15aに対して可撓性本体14bを通して接続するために可撓性本体14b内に互いに角度的に間隔を空けた位置に形成された複数の開口14c、14dを有する可撓性本体14bを含むことができる。可撓性本体14bは、ロータ36のような駆動回転部材15bと、内側カムシャフト12aのような被駆動回転部材15aとの間のねじれ剛性結合を維持しつつ、直角度及び軸方向の不整列に対する調整を許容する。少なくとも1つの駆動締結具24は、ロータ36のような駆動回転部材15bに対して接続するために、可撓性本体14bの複数の開口の一方14cを通して係合可能であることができ、また少なくとも1つの被駆動締結具18は、内側カムシャフト12aのような被駆動回転部材15aに対して接続するために、可撓性本体14bの複数の開口の他方14dを通して係合可能であることができる。
【0014】
再び
図1〜
図4を参照すると、可撓性本体14bは、回転軸線に沿って可撓性本体14bのより大きな半径方向寸法に対して比較的小さな軸方向寸法を有するプレート形状を有することができる。可撓性本体14bは、軸方向に延在するディスク又は円筒状の周縁面14aを有する半径方向に延在するプレート形状を有することができる。カム位相器又は機械式アクチュエータ22は、少なくとも部分的にロータ36を囲むハウジング28、30、32を含むことができる。同心カムシャフト12は、内側カムシャフト12aと外側カムシャフト12bとを含むことができ、一方のカムシャフト12a又は12bは被駆動回転部材15aを画定し、他方のカムシャフト12b又は12aは駆動回転部材15bに関連付けられる。可撓性本体14bは、カム位相器22の少なくとも一部分と同心カムシャフト12の少なくとも一部分との間に接続することができる。
図1〜
図4に示したように、可撓性本体14bは、カム位相器22のハウジング部分28と、同心カムシャフト12の外側カムシャフト12bと関連付けられたフランジ16との間に接続することができる。少なくとも1つの駆動締結具24は、一例としてかつ限定なしに外側カムシャフト12bと関連付けられたフランジ16のような駆動回転部材15bに対して接続するために、可撓性本体14bの複数の開口の一方14cを通して係合可能であることができ、少なくとも1つの被駆動締結具18は、内側カムシャフト12aと関連付けられたロータ36を囲むカム位相器22のハウジング部分28を通して、一例としてかつ限定なしに内側カムシャフト12aのような被駆動回転部材15aに対して接続するために、可撓性本体14bの複数の開口の他方14dを通して係合可能であることができる。これにより、可撓性継手14の可撓性本体14bは、外側カムシャフト12bに接続されたフランジ16とカム位相器22のハウジング28、30、32との間に配置され、ここで、ハウジング28、30、32内に位置するロータ36は、内側カムシャフト12aに接続される。
【0015】
再び
図6を参照すると、可撓性本体14bは、カム位相器22のロータ36と、同心カムシャフト12の内側カムシャフト12aとの間に接続することができる。言い換えれば、可撓性継手14は、駆動回転部材15bと被駆動回転部材15aとの間に、あるいは
図5に示したようにロータ36のようなカム位相器組立体22と内側カムシャフト12aとの間に、あるいは
図1〜
図4に示したようにハウジング部分28のようなカム位相器組立体22と外側カムシャフト12bとの間に配置することができる。
図1〜
図4では、一例としてかつ限定なしに、駆動回転部材15bは、フランジ16、スプロケットリング52及び外側カムシャフト12bの組立体を含むことができ、一方、被駆動回転部材15aは、ロータ36を含むカム位相器22、外端プレート30、ハウジング32及び内側プレート28の組立体を含むことができ、ここで、内側カムシャフト12aはロータ36にピン止めされ、可撓性継手14は、カム位相器22の内部プレート28と、外側カムシャフト12bに接続されたフランジ16との間に位置する。
図6では、一例としてかつ限定なしに、駆動回転部材15bは、フランジ16、スプロケットリング52、内側プレート28、ハウジング32、外側プレート30及びロータ36の組立体を含むことができ、一方、被駆動回転部材15aは内側カムシャフト12aを含むことができ、ここで、内側カムシャフト12aは可撓性継手14に接続され、可撓性継手はロータ36に接続される。言い換えれば、可撓性継手14は、
図1〜
図4に示したように外側カムシャフト12bとカム位相器22との間に位置することができるか、あるいは
図6に示したように、可撓性継手14は、内側カムシャフト12aとカム位相器22との間に位置することができる。
【0016】
自動車の内燃機関用の可変カムタイミング組立体10において、可撓性継手14は、駆動回転部材15bと被駆動回転部材15aとの間で回転トルクを伝達する。可撓性継手14は、駆動回転部材15b及び被駆動回転部材15aの共通の回転軸線と一致する回転軸線と、当該共通の回転軸線の周りに少なくとも部分的に延在する外周縁14aとを含む。可撓性継手14は、回転トルクが可撓性本体14bを通して駆動回転部材15bと被駆動回転部材15aとの間で伝達されるように、駆動回転部材15b及び被駆動回転部材15aに対して可撓性本体14bを通して接続するために可撓性本体14b内に互いに角度的に間隔を空けた位置に形成された複数の開口14c、14dを有する可撓性本体14bを含むことができる。可撓性本体14bは、駆動回転部材15bと被駆動回転部材15aとの間のねじれ剛性結合を維持しつつ、直角度及び軸方向の不整列に対する調整を許容する。
【0017】
自動車の内燃機関の少なくとも1つのポペット型弁を操作するための可変カムタイミング組立体10において、可撓性継手14は、被駆動回転部材15aを少なくとも一部画定する内側回転カムシャフト12aを含む同心カムシャフト12と、駆動回転部材15bを少なくとも一部画定する外側回転カムシャフト12bとの間で回転トルクを伝達する。可撓性継手14は、駆動回転部材15b及び被駆動回転部材15aの共通の回転軸線と一致する回転軸線と、当該共通の回転軸線の周りに少なくとも部分的に延在する外周縁14aとを含む。可撓性継手14は、回転トルクが可撓性本体14bを通して駆動回転部材15bと被駆動回転部材15aとの間で伝達されるように、駆動回転部材15b及び被駆動回転部材15aに対して可撓性本体14bを通して接続するために可撓性本体14b内に互いに角度的に間隔を空けた位置に形成された複数の開口14c、14dを有する可撓性本体14bを含むことができる。可撓性本体14bは、駆動回転部材15bと被駆動回転部材15aとの間のねじれ剛性結合を維持しつつ、直角度及び軸方向の不整列に対する調整を許容する。少なくとも1つの駆動締結具18は、駆動回転部材15bに対して接続されるために、可撓性本体14bの複数の開口の一方14dを通して係合可能であり、また少なくとも1つの被駆動締結具24は、ロータ36を囲むカム位相器ハウジング28、30、32を通して被駆動回転部材15aに対して接続されるために、可撓性本体14bの複数の開口の他方14cを通して係合可能である。
【0018】
次に
図5を参照すると、自動車68の内燃機関66の少なくとも1つのポペット型弁64を操作するための可変カムタイミング組立体10が示されている。可撓性継手14は、内側回転カムシャフト12aと外側回転カムシャフト12bとを含む同心カムシャフト12の間で回転トルクを伝達する。同心カムシャフト12は、駆動回転部材15bと被駆動回転部材15aとを少なくとも一部画定する。カム位相器22は、少なくとも部分的にロータ36を囲むハウジング28、30、32を有することができる。可撓性継手14は、可撓性本体14b内に同心カムシャフト12の回転軸線に対して互いに角度的に間隔を空けた位置に形成された複数の開口14c、14dを有する可撓性本体14bを含むことができる。各々の開口14c、14d用の締結具18、24は、駆動回転部材15b及び被駆動回転部材15aのうちの対応する部材に対して接続するために、反対の軸方向に各々の開口を通して動作可能に延在することができる。言い換えれば、可撓性継手14は、駆動回転部材15b及び被駆動回転部材15aの円周方向に間隔を空けた軸方向に方向付けられたピン又は締結具18、24に接続された可撓性本体14bを有することができる。可撓性本体14bは、回転トルクが可撓性本体14bを通して駆動回転部材15bと被駆動回転部材15aとの間で伝達されるように、カム位相器22の少なくとも一部分と同心カムシャフト12の少なくとも一部分との間に接続することができる。可撓性本体14bは、駆動回転部材15bと被駆動回転部材15aとの間のねじれ剛性結合を維持しつつ、直角度及び軸方向の不整列に対する調整を許容する。可撓性継手14はまた、駆動回転部材15b及び被駆動回転部材15aの共通の回転軸線と一致する回転軸線を含むことができる。
図1〜
図4及び
図6〜
図13に示したように、可撓性継手14は、一例としてかつ限定なしに、内側カムシャフト12aと外側カムシャフト12bとを含む同心カムシャフト12のような駆動回転部材15b及び被駆動回転部材15aの共通の回転軸線を完全に取り囲む外周縁14aを含むことができる。
図5に示したように、可撓性継手14は、直線リンク、又は曲がったリンク、又はアーチ状リンクを有する平坦な形状又は非平坦な形状構造を含むことができる。可撓性継手14は、1つ以上の可撓性本体14bから形成することができる。可撓性継手14は、駆動回転部材15b及び被駆動回転部材15aの回転軸線の周りに少なくとも部分的に延在するか、あるいは完全に取り囲むことができる。
【0019】
示した構造のいずれにおいても、可撓性継手14は、1つ以上の可撓性本体14bから形成することができる。可撓性本体14bは、平坦な形状又は非平坦な形状で形成することができる。可撓性本体14bは、特定の用途の必要性に応じて、直線のリンク形状、又は曲がったリンク形状、又は少なくとも部分的にアーチ状のリンク形状を有することができる。いずれにしろ、可撓性本体14bを画定する材料の軸方向厚さは、可撓性本体14bの非平坦な構造の軸方向全寸法と対照的に、可撓性本体14bに望ましい固有の可撓性特性を提供するために、可撓性本体14bの半径方向又は円周方向の寸法と比較して相対的に小さい。
【0020】
操作時、一次回転運動は、一例としてかつ限定なしに、スプロケットリング52の組立体のような駆動回転部材15bを通して同心カムシャフト12に、同心カムシャフト12の外側カムシャフト12bと動作可能に関連付けられるか又は接続される環状フランジ16に伝達される。内側カムシャフト12aと外側カムシャフト12bとの間の二次回転運動、又は位相調整された相対回転運動は、カム位相器又は他の機械式アクチュエータ22によって提供される。可撓性継手14とカム位相器22は、一例としてかつ限定なしに、内側カムシャフト12aを含む組立体のような被駆動回転部材15aと、一例としてかつ限定なしに、外側カムシャフト12bを含む組立体のような駆動回転部材15bとの間に接続される。可撓性継手14は、駆動回転部材15b及び被駆動回転部材15aに対してカム位相器22の前に又はカム位相器22の後に位置することができる。可撓性継手14が、カム位相器22の前に位置する場合、可撓性継手は、例えば環状フランジ16とスプロケットリング52とを通して駆動回転部材15bに接続することができ、同様に、例えばカム位相器ハウジング組立体28、30、32の部分を通してカム位相器22に接続することができる。可撓性継手14が、カム位相器22の後に位置する場合、可撓性継手14は、例えばカム位相器22のロータ36を通して駆動回転部材15bに接続することができ、同様に、例えば内側カムシャフト12aのような被駆動回転部材15aに接続することができる。いずれの場合も、可撓性継手14は、同心カムシャフト12の内側カムシャフト12aと外側カムシャフト12bとの間の不整列を許容するために可撓性接合を提供する。可撓性継手14は、同心カムシャフト12の外側カムシャフト12bに対する内側カムシャフト12aの不整列に適合することができる。可撓性継手14は、カム位相器22と、同心カムシャフト12の内側カムシャフト12a及び外側カムシャフト12bの少なくとも一方との間のねじれ剛性結合を維持しつつ、直角度、及び軸方向の不整列に対する調整を許容する。
【0021】
次に
図7〜
図13を参照すると、可撓性継手14は様々な形状及び形態をとることができる。
図7は、可撓性本体14bを有する非平坦な可撓性継手14の前部斜視図を示しており、可撓性本体14bは、内側環状フランジ14eと、周縁14aを画定する半径方向外側に延在する非平坦なタブ14fとを有する。さらに、可撓性継手14は、駆動回転部材15bと被駆動回転部材15aとの間を接続するために半径方向にかつ角度を付けて間隔を空けた開口14c、14dを有することができる。
図8は、
図7の非平坦な可撓性継手14の背面斜視図を示している。
図9は、周縁14aを有する可撓性本体14bを有する可撓性継手14の平面図を示しており、周縁14aは、駆動回転部材15bと被駆動回転部材15aとの間を接続するために不規則に角度を付けて間隔を空けた開口14c、14dを有する環状フランジ14gによって画定される。
図10は、周縁14aを有する可撓性本体14bを有する可撓性継手14の平面図を示しており、周縁14aは、駆動回転部材15bと被駆動回転部材15aとの間を接続するために半径方向にかつ角度を付けて間隔を空けた開口14c、14dを有する略三角形状のフランジ14hによって画定される。
図11は、周縁14aを有する可撓性本体14bを有する可撓性継手14の平面図であり、周縁14aは、駆動回転部材15bと被駆動回転部材15aとの間を接続するために半径方向にかつ角度を付けて間隔を空けた開口14c、14dを有する環状フランジ14iによって画定される。
図12は、周縁14aを有する可撓性本体14bを有する可撓性継手14の平面図を示しており、周縁14aは、半径方向外側に延在するタブ14kを有する環状フランジ14jによって画定される。さらに、可撓性継手14は、駆動回転部材15bと被駆動回転部材15aとの間を接続するために半径方向にかつ角度を付けて間隔を空けた開口14c、14dを有することができる。
図13は、周縁14aを有する可撓性本体14bを有する可撓性継手14の平面図を示しており、周縁14aは、駆動回転部材15bと被駆動回転部材15aとの間を接続するために角度を付けて間隔を空けた開口14c、14dを有する環状フランジ14lによって画定される。
【0022】
図1〜
図13に示した構造では、可撓性継手14は、本開示の範囲から逸脱することなしに駆動回転部材15b及び被駆動回転部材15aに組み立てられるとき、単一の一体成形の部片、又は多数部片の組立体、又は一体的に動作する複数の個々の部片のいずれかであることができることを認識すべきである。さらに、本明細書に使用されるような被駆動回転部材15aという用語は、内側同心カムシャフト12aに限定されず、被駆動回転部材15aと動作可能に関連付けられるか又はそれに組み立てられる任意の構成要素を含むと考えられることを認識すべきである。同様に、可撓性継手14は、任意の所望の形状又は構造であることができ、図示した特定の幾何学的形状及び構造に限定されると考えるべきでないことを認識すべきである。
【0023】
現在最も実用的かつ好ましい実施形態であると考えられるものに関連して本発明について説明してきたが、本発明は、開示した実施形態に限定されず、反対に、添付した特許請求の範囲の精神及び範囲内に含まれる様々な修正形態及び均等の構成を包含するように最も広義な解釈に準じるべきであることを理解すべきである。