【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.平成27年12月8日付で、株式会社Z会が「入会案内書2016 中学受験 コース」、「入会案内書2016 小学生タブレットコース」を配布。 2.平成27年12月6日付で、株式会社Z会が https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.zkai.shotabtrialにてアプリケーションを配布することにより、出願に係る発明の内容について公開。 3.平成27年12月7日付で、株式会社Z会が「2016年度版 新3年生新年度ご案内」、「2016年度版 新4年生 新年度ご案内」を配布。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも一の学習者端末は、前記複数の領域のうち前記所定領域を除くいずれかの領域に対するユーザ操作を受け付け、選択された領域がこれまで経由したことのある領域であるか否かを前記所定領域に係る情報に基づき判定し、経由済みの領域である場合は前記選択された領域に関連付けられた関連情報を前記表示部が表示することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の学習支援システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら通信教育では通常、学習者は自宅等において一人で学習するため、孤独に陥り、学習者の学習意欲が低下する可能性があった。
【0005】
従って上記のような問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、学習者の学習意欲を向上させることが可能な学習支援システム、学習支援方法、及びサーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の一実施形態に係る学習支援システムは、
ネットワークにより接続されたサーバと少なくとも一の学習者端末とを備えた学習支援システムであって、
前記サーバは、
各学習者の学習の進捗状況に基づき各学習者にポイントを付与し、各学習者に付与された前記ポイントに基づき、複数の領域に区分された全体領域の中の所定領域に各学習者を対応付け、学習者分布を決定する制御部と、
を備え、
前記少なくとも一の学習者端末は、
前記サーバから自己が対応付けられた前記所定領域及び前記学習者分布に係る情報を受信する通信部と、
前記情報に基づき、前記所定領域及び前記学習者分布を前記全体領域とともに表示する表示部と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
また本発明の一実施形態に係る学習支援システムは、
前記複数の領域は順番が対応付けられており、
前記制御部は、前記学習者が提出物を提出した場合に前記ポイントを該学習者に付与し、該学習者が所定量のポイントを獲得する毎に該学習者を次の順番の領域に前記学習者を対応付け、
前記表示部は、前記サーバから受信した前記ポイントに係る情報に基づき自己の保有するポイントを表示することを特徴とする。
【0008】
また本発明の一実施形態に係る学習支援システムは、
前記表示部が、第一所定期間に獲得した総ポイント及び、前記第一所定期間とは異なる第二所定期間に獲得した総ポイントを表示することを特徴とする。
【0009】
また本発明の一実施形態に係る学習支援システムは、
前記表示部が、前記学習者分布を色彩により表示することを特徴とする。
【0010】
また本発明の一実施形態に係る学習支援システムは、
前記表示部がさらに、前記所定領域に関連付けられた関連情報を表示することを特徴とする。
【0011】
また本発明の一実施形態に係る学習支援システムは、
前記複数の領域には地名が対応付けられ、前記表示部は前記全体領域を地図により表示し、
前記関連情報は、地理的情報であることを特徴とする。
【0012】
また本発明の一実施形態に係る学習支援システムは、
前記少なくとも一の学習者端末が、前記複数の領域のうち前記所定領域を除くいずれかの領域に対するユーザ操作を受け付け、選択された領域がこれまで経由したことのある領域であるか否かを前記所定領域に係る情報に基づき判定し、経由済みの領域である場合は前記選択された領域に関連付けられた関連情報を前記表示部が表示することを特徴とする。
【0013】
また本発明の一実施形態に係る学習支援システムは、
前記表示部が、自己の受講開始日から所定範囲内の学習者のみの学習者分布を表示することを特徴とする。
【0014】
また本発明の一実施形態に係る学習支援システムは、
前記表示部が、学習の進捗スピードに係る情報を表示することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の一実施形態に係る学習支援方法は、
ネットワークにより接続されたサーバと少なくとも一の学習者端末とを備えた学習支援システムによる学習支援方法であって、
前記サーバが、
各学習者の学習の進捗状況に基づき各学習者にポイントを付与し、各学習者に付与された前記ポイントに基づき、複数の領域に区分された全体領域の中の所定領域に各学習者を対応付け、学習者分布を決定するステップと、
前記少なくとも一の学習者端末が、
前記サーバから自己が対応付けられた前記所定領域及び前記学習者分布に係る情報を受信するステップと、
前記情報に基づき、前記所定領域及び前記学習者分布を前記全体領域とともに表示するステップと、
を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の一実施形態に係るサーバは、
ネットワークにより接続されたサーバと少なくとも一の学習者端末とを備えた学習支援システムにおけるサーバであって、
各学習者の学習の進捗状況に基づき前記学習者に付与するポイントに係るポイント情報を記憶する記憶部と、
各学習者に付与された前記ポイントに基づき、複数の領域に区分された全体領域の中の所定領域に各学習者を対応付け、学習者分布を決定する制御部と、
前記少なくとも一の学習者端末に、自己が対応付けられた前記所定領域及び前記学習者分布に係る情報を送信し、前記情報に基づき、前記所定領域及び前記学習者分布を前記全体領域とともに表示させる通信部と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一実施形態に係る学習支援システム、学習支援方法、及びサーバによれば、学習者の学習意欲を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
(実施の形態)
図1は本発明の一実施形態に係る学習支援システム10の概要図である。本発明の一実施形態に係る学習支援システム10は、サーバ1と複数の学習者端末2a〜2cとを備える。以下、複数の学習者端末2a〜2cを区別しない場合には、これらをまとめて学習者端末2と記す。サーバ1と複数の学習者端末2とは、例えばインターネット等のネットワークNにより接続される。なお
図1では、簡便のため学習者端末2を3台示しているが、学習者端末数はこれに限られず、任意の台数の学習者端末2が備えられてもよく、一台であってもよい。
【0021】
サーバ1は、例えば通信教育の運営者が管理するサーバ装置等の情報処理装置であって、通信教育の利用者(以下、学習者という。)が各々保有する学習者端末2に対して通信教育に係るサービスを提供する。学習者端末2は、学習者が用いるタブレット端末、スマートフォン、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置であって、サーバ1から提供されるサービスを実行する。このようにサーバ1及び学習者端末2が協働して、学習者端末2を保有する学習者に通信教育を提供し、学習を支援する。
【0022】
ここで本実施形態に係る学習支援システム10による学習支援の概要について説明する。本システムでは、学習者が学習して解答等を提出する等のアクション(以下、学習アクションという。)を行なった場合、当該学習者にサーバ1が1ポイント付与する。すなわちサーバ1は、各学習者の学習の進捗状況(到達度)に基づき各学習者にポイントを付与する。
【0023】
そして学習者が獲得した年間の獲得ポイントに応じて、双六の駒を進める形式にて学習の進捗状況を可視化する。具体的には、学習者が所定量のポイント(例えば48ポイント)を獲得する毎に、複数の領域に区分された全体領域のうち、スタートの領域からゴールの領域に向けて学習者を示すオブジェクト(以下、駒ともいう。)を1領域ずつ進める。学習者は、学習者端末2により表示された全体領域及び自己の駒が位置する領域(以下、所定領域又は現在地ともいう。)により、自己の学習の進捗状況を把握することができる。
【0024】
また学習者端末2は、自己以外の他の学習者の情報も同時に表示する。具体的には各領域に位置する同学年の他学習者の人数分布が把握可能なように表示される。これにより、各学習者が他者の存在を意識できて孤独感が低減されると共に、他の学習者の到達度を各学習者に把握させることで一定の競争意識を働かせ、学習意欲を向上させることができる。
【0025】
本実施の形態では一例として、各領域が地名に対応付けられる場合について説明する。この場合、例えば全体領域を日本地図に対応させ、各領域を47都道府県に対応させる。そして例えばスタートの領域は沖縄県とし、ゴールの領域は北海道とする。学習者端末2は、日本地図を表示し、学習者は自己の駒が位置する都道府県により自己の学習の進捗状況を把握できる。
【0026】
次に、学習支援システム10の各構成要素について具体的に説明する。
【0027】
(サーバ1の構成)
まずサーバ1について説明する。
図2に、サーバ1のブロック図を示す。サーバ1は、サーバ通信部11と、サーバ記憶部12と、サーバ制御部13とを備える。サーバ通信部11と、サーバ記憶部12と、サーバ制御部13とは、バス14によりそれぞれ接続されている。なおサーバ1はこれらの各構成要素を複数設けてもよく、サーバ1の各機能に応じて適宜使い分けてもよい。またサーバ1自体を複数のサーバ装置により構成してもよい。
【0028】
サーバ通信部11は、外部装置と無線又は有線によって通信し、情報の送受信を行うインターフェースである。本実施形態において、サーバ通信部11は、ネットワークNを介して、学習者端末2との間で情報を相互に送受信可能である。
【0029】
サーバ記憶部12は、例えば一次記憶装置及び二次記憶装置を含み、通信教育の提供及び制御に必要な種々の情報及びプログラムを記憶する。例えばサーバ記憶部12は、学習者に係る情報(以下、学習者情報という。)と、学習者が対応付けられる所定領域に係る情報(以下、領域情報という。)とを記憶する。
【0030】
(学習者情報)
学習者情報は、各学習者に固有の任意の情報を含む。本実施形態において、学習者情報は、例えば
図3に示すように、学習者IDと、学年と、受講開始日と、年間獲得ポイントと、月間獲得ポイントと、領域IDとを含む。つまり各学習者IDに、学年と、受講開始日と、年間獲得ポイントと、月間獲得ポイントと、領域IDとが対応付けられている。
【0031】
学習者IDは、学習者を一意に識別可能な情報である。学年は、学習者の就学段階である。受講開始日は、学習者が通信教育の教材(コース)受講を開始した年月日である。
【0032】
年間獲得ポイントは、学習者が現在の年度に獲得した合計のポイント数である。当該値は年度毎に0にリセットされる。なお年間獲得ポイントは、本発明の第一所定期間に獲得した総ポイントに対応する。なお第一所定期間は1年間に限らず、1年より長くても短くてもよい。例えば第一所定期間を半年としてもよい。
【0033】
月間獲得ポイントは、学習者が現在の月に獲得した合計のポイント数である。当該値は月毎に0にリセットされる。なお月間獲得ポイントは、本発明の第二所定期間に獲得した総ポイントに対応する。なお、第二所定期間は1ヶ月に限らず、1ヶ月より長くても短くてもよい。例えば第一所定期間を2ヶ月としてもよい。ここで本実施の形態では、月間獲得ポイントは、当該月の学習分のみに係る獲得ポイントとしている。例えば先行して学習した翌月の学習分に係るポイントは含まれない。同様に、先月の学習分に係るポイントは含まれない。すなわち、月間獲得ポイントは、当該月の学習分の進捗状況を表す数値としている。このように月間獲得ポイントを設定することにより、月間の目標管理を行いやすくしている。また、当該月の学習分に係るポイントに限定することで、ある月に取り組むべき学習教材を、当該月に学習する習慣(例えば4月号の教材を、4月に取り組む学習習慣)を身につけさせることができる。
【0034】
領域IDは、領域を一意に識別可能な情報であり、学習者情報に含まれる領域IDにより、各学習者が対応付けられている所定領域が特定される。例えば
図3において、学習者IDが「U001」の学習者は、領域IDが「R006」の領域に対応付けられていることを示す。
【0035】
(領域情報)
領域情報は、各領域に固有の任意の情報を含む。本実施形態において領域情報は、例えば
図4に示すように、領域IDと、領域名と、順番と、学習者数と、学習者数の評価と、関連情報とを含む。つまり各領域IDに、地理的名称と、学習者数と、学習者数の評価と、関連情報とが対応付けられている。なお領域情報は、学習者の学年毎に設けられる。
図4に示す領域情報は、小学2年生の領域情報である。
【0036】
領域名は、各領域の名称を示す情報である。本実施の形態では、各領域が47都道府県に対応するため、領域名は都道府県名である。
【0037】
順番は、各学習者が対応付けられる所定領域を決める経路(駒を進める経路)を示す情報である。本実施の形態では、1から47までの順番に沿って、スタートの沖縄県(領域ID:R001)からゴールの北海道(領域ID:R047)まで学習者の駒を進める。
【0038】
学習者数は、各領域に対応付けられている学習者の人数の情報である。
【0039】
学習者数の評価は、各領域に対応付けられている学習者の人数に基づき決定する情報である。例えば学習者数の評価は、各領域の人数が多いか少ないかを示し、「少ない」、「中程度」及び「多い」の3段階の値とすることができる。3段階で評価する場合、第一閾値(例えば100人)未満であるとき、評価を「少ない」とする。また第一閾値以上で、第二閾値(例えば300人)未満であるとき、評価を「中程度」とする。第二閾値以上であるとき、評価を「多い」とする。なお第一閾値及び第二閾値の値はいずれも一例であり、全体の母数に応じて適宜調整してもよい。なお、学習者数の評価を3段階としたがこれに限られない。2段階でもよく、4段階以上であってもよい。
【0040】
関連情報は、各領域に固有の任意の関連情報である。本実施の形態では、各都道府県の地理的情報等である。
【0041】
サーバ制御部13は、専用又は汎用のプロセッサを含む。サーバ制御部13は、サーバ1全体の動作を制御する。例えばサーバ制御部13は、サーバ通信部11によりネットワークNを介して情報の送受信を行う。またサーバ制御部13は、上述した学習者情報、及び領域情報を、サーバ記憶部12に記憶させる。またサーバ制御部13は、種々の処理を行う。以下、種々の処理について具体的に説明する。
【0042】
サーバ制御部13は、各学習者の学習の進捗状況に基づき各学習者にポイントを付与する。具体的には、学習者が学習して解答等を提出する等の学習アクションを行なった場合、サーバ制御部13は、少なくとも1ポイントを該学習者に付与する。サーバ制御部13は、学習アクションを行なった学習者の学習者IDに対応付けられた年間獲得ポイント及び月間獲得ポイントを更新してサーバ記憶部12に記憶させる。なお付与するポイント数は、学習アクションの種類によって異なる。
【0043】
またサーバ制御部13は、各学習者に付与されたポイントに基づき、所定領域に各学習者を対応付ける。具体的にはサーバ制御部13は、学習者が所定量のポイント(例えば48ポイント)を獲得する毎に、学習者情報に含まれる領域IDを更新する。サーバ制御部13は、スタートの領域(沖縄県、領域ID:R001)からゴールの領域(北海道、領域ID:R047)に向けて、領域情報の順番に沿って所定領域を示す領域IDを更新する。例えばサーバ制御部13は、年間獲得ポイントが0ポイントだった学習者が48ポイント獲得した場合、当該学習者に対応付ける所定領域を、順番が1の沖縄県(領域ID:R001)から順番が2の鹿児島県(領域ID:R002)に更新して、サーバ記憶部12に記憶させる。さらに当該学習者が48ポイント獲得した場合(年間獲得ポイントが96ポイントとなった場合)、当該学習者に対応付ける所定領域を、順番が2の鹿児島県(領域ID:R002)から、順番が3の宮崎県(領域ID:R003)に更新して、サーバ記憶部12に記憶させる。このようにサーバ制御部13は、学習者が所定量のポイントを獲得する毎に、学習者の現在地を次の領域に更新していく。
【0044】
またサーバ制御部13は、学習者情報の領域IDが更新された場合、更新された学習者の学年に係る領域情報を更新する。具体的にはサーバ制御部13は、領域情報の各領域に対応付けられた学習者数を更新する。このように、サーバ制御部13は各領域に対応付けられた学習者数をリアルタイムに更新する。さらにサーバ制御部13は、領域情報の学習者数を更新した場合、学習者数の評価を領域毎に決定する。具体的にはサーバ制御部13は、更新後の各領域の学習者数と、第一閾値及び/又は第二閾値とを比較し、「少ない」、「中程度」又は「多い」の3段階の値のいずれの評価とするかを決定する。決定結果に基づきサーバ制御部13は、領域情報に含まれる学習者数の評価を更新して、サーバ記憶部12に記憶させる。
【0045】
またサーバ制御部13は、学習者端末2からの情報要求に基づき、情報要求に係る学習者の獲得ポイント数、対応付けられた所定領域及び学習者分布に係る情報をサーバ通信部11により学習者端末2に送信する。なお情報要求には学習者を特定する情報(例えば学習者ID等)が含まれ、サーバ制御部13は学習者ID等に基づき、学習者の獲得ポイント数及び学習者が対応付けられた所定領域に係る情報を特定して送信する。学習者分布とは、同学年の全学習者の学習進捗状況の分布である。学習者分布に係る情報とは、各領域の学習者数の評価の情報である。
【0046】
(学習者端末2の構成)
次に、学習者端末2について説明する。
図5に、学習者端末2のブロック図を示す。学習者端末2は、端末通信部21と、端末記憶部22と、表示部23と、入力部24と、端末制御部25とを備える。端末通信部21と、端末記憶部22と、表示部23と、入力部24と、端末制御部25とは、バス26によりそれぞれ接続されている。
【0047】
端末通信部21は、外部装置と無線又は有線によって通信し、情報の送受信を行うインターフェースである。本実施形態において、端末通信部21は、ネットワークNを介して、サーバ1との間で情報を相互に送受信可能である。
【0048】
端末記憶部22は、例えば一次記憶装置及び二次記憶装置を含み、サーバ1から提供される種々の情報及び情報処理に必要なプログラムを記憶する。例えば、端末記憶部22は、通信教育に係る学習用のアプリケーション(以下、学習アプリケーションともいう。)を記憶する。学習アプリケーションは、例えばネットワークNを介して所定の配信サーバから取得可能である。学習アプリケーションが実行(起動)された状態で、学習者端末2の本実施形態に係る動作が実現される。
【0049】
表示部23は、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等の表示デバイスであって、多様な画面を表示可能である。
【0050】
入力部24は、例えば表示部23と一体的に設けられたタッチパネルを含む入力インターフェースであって、学習者端末2に対する学習者のタップ等の操作(以下、ユーザ操作ともいう。)を受付可能である。
【0051】
端末制御部25は、専用又は汎用のプロセッサを含む。端末制御部25は、学習者端末2全体の動作を制御する。例えば端末制御部25は、端末通信部21によりネットワークNを介して情報の送受信を行う。また端末制御部25は、学習者の操作に応じて学習アプリケーションを実行(起動)する。
【0052】
また端末制御部25は、種々の情報処理を行う。以下、種々の情報処理について具体的に説明する。
【0053】
例えば端末制御部25は、学習アプリケーションのホーム画面を表示部23に表示させる。
図6に、学習者(学習者ID:U001)の学習者端末2に表示されるホーム画面の一例を示す。ホーム画面は各種メニュー30と、学習メニュー31と、メッセージ領域32と、ポイント表示領域33とを含む。
【0054】
各種メニュー30は、例えば「エブリスタディ アドバンスト」「学習カレンダー」、「提起面談」、「成績ランキング」、及び「情報ひろば」等を含み、学習者がユーザ操作を行なった場合、各コンテンツを表示する画面へ遷移する。すなわち、これらの各種メニュー30へのユーザ操作があった場合、端末制御部25は該当するコンテンツ画面を表示部23に表示させる。
【0055】
学習メニュー31は、学習者が学習者端末2上で学習する教材、科目、及び単元等を選択するメニューである。学習メニュー31へのユーザ操作があった場合、端末制御部25は、学習教材、練習問題等を表示部23に表示させる。また端末制御部25は、練習問題等への解答に係るユーザ操作を、入力部24により受付ける。また端末制御部25は、解答提出に係るユーザ操作を、入力部24により受付ける。このようにして学習者は学習者端末2上で学習し、解答提出等の学習アクションを行なう。
【0056】
メッセージ領域32は、通信教育の先生、保護者及び運営者からのメッセージ等を表示する領域である。
【0057】
ポイント表示領域33は、月間獲得ポイントを表示する領域である。学習者は、当該領域を確認することで容易に現時点の学習の進捗を把握することができる。ポイント表示領域33は、タップすることにより、学習進捗を詳細に把握可能な進捗状況画面へ遷移可能である。端末制御部25は、ポイント表示領域33へのユーザ操作があった場合、進捗状況画面を表示部23に表示させる。
【0058】
進捗状況画面は、現時点での学習者分布を含む。ポイント表示領域33へのユーザ操作があった場合、端末制御部25はサーバ1に情報要求を送信し、学習者の獲得ポイント数、学習者が対応付けられた所定領域、及び学習者分布に係る情報を、サーバ1から受信する。
【0059】
端末制御部25は、サーバ1から受信した情報に基づき、学習者の獲得ポイント数、全体領域、所定領域、及び学習者分布を表示部23に表示させる。進捗情報画面はこれらの情報を含む。すなわち端末制御部25は、進捗状況画面を表示部23に表示させることによってこれらの情報を提示する。
【0060】
図7に学習者端末2の表示部23が表示する進捗状況画面の一例を示す。
図7に示す進捗状況画面は、月間獲得ポイント情報41と、年間獲得ポイント情報42と、全体領域43と、各領域44
1〜44
Nと、各プロット45
1〜45
Nと、学習者が対応付けられた所定領域(現在地)を示すオブジェクト46(駒46)とを含む。なお
図7に示す当該進捗状況画面は、学習者IDがU001の学習者に表示する画面である。
【0061】
月間獲得ポイント情報41は、サーバ1から受信した情報に基づき表示される、学習者の月間獲得ポイントに係る情報である。年間獲得ポイント情報42は、サーバ1から受信した情報に基づき表示される、学習者の年間獲得ポイントに係る情報である。
【0062】
図7に示すように全体領域43及び各領域44
1〜44
Nは、それぞれ日本地図及び都道府県の形式で表示される。各領域44
1〜44
Nには、それぞれプロット45
1〜45
Nが対応付けられて表示される。なお全体領域43及び各領域44
1〜44
Nを表示するための情報は、進捗状況画面を表示させる度にサーバ1が学習者端末2に送信してもよく、あるいは予め学習者端末2の端末記憶部22に記憶していてもよい。
【0063】
プロット45
1〜45
Nは、学習者分布に係る情報、すなわち各領域の学習者数の評価に基づき異なるパターンで表示されるオブジェクトである。端末制御部25は、プロットのパターンを用いて、学習者分布を表示部23に表示させる。このように本実施の形態では、学習者分布を人数そのものではなく、人数に基づき決定した評価に基づき簡易表示にしている。簡易的に表示することによって、学習者は学習者分布を容易に把握することができる。また、詳細な人数を表示しないため、必要以上に競争を煽らず、かつ、家庭での個別学習の場において、共に学ぶ他の学習者の存在を感じて孤独感を和らげることができる。
【0064】
なおプロット45
1〜45
Nの表示を、各領域の学習者数の評価に基づき色分けし、色彩により表示してもよい。例えば、評価が「多い」である場合、赤色のプロットとする。評価が「中程度」である場合、黄色のプロットとする。評価が「少ない」である場合、青色のプロットとする。なお色彩は赤色、黄色、青色に限らず、如何なる色彩であってもよい。
【0065】
学習者が対応付けられた所定領域(現在地:佐賀県)は、オブジェクト46により示される。なお所定領域の表示方法はこれに限られず、所定領域の色を他の領域と変えて示してもよい。あるいは所定領域を表す境界線を太線にする等の強調表示をして示してもよい。
【0066】
また、
図7に示す進捗状況画面は、所定領域に関連付けられた関連情報47を含む。
図7では所定領域である佐賀県に関連付けられた関連情報47が表示されている。
図7に示すように例えば地理的情報(例えば写真、及び文章情報「佐賀県は有明海に面している県の一つ。有明海は「干潟」が有名で、写真のムツゴロウのようにめずらしい生きものが住んでいるよ。」)が表示される。なお関連情報47は、進捗状況画面を学習者端末2に表示させる場合に、サーバ1が学習者端末2に送信してもよく、あるいは予め学習者端末2の端末記憶部22に記憶されていてもよい。
【0067】
さらに
図7に示す進捗状況画面は、努力賞に係るポイント情報48を含む。努力賞は、特定課題を提出することにより付与される、特別ポイントである。当該特別ポイントは別途賞品等と交換できるものであり、学習の目標にすることができる。ポイント情報48は、進捗状況画面を学習者端末2に表示させる場合に、サーバ1が学習者端末2に送信する。
【0068】
図7に示す進捗状況画面において、現在地以外のプロットがユーザ操作により選択された場合(例えばタップされた場合)、所定の遷移画面に遷移する。学習者がこれまで経由したことのある領域のプロットが選択された場合、当該領域の関連情報を表示する画面に遷移する。一方で、学習者がこれまで経由したことのない領域のプロットが選択された場合、所定のメッセージが表示される。学習者端末2の端末制御部25は、学習者がこれまで経由したことのある領域のプロットが選択されるユーザ操作を検知した場合、当該領域の関連情報を表示部23に表示させる。一方、学習者がこれまで経由したことのない領域のプロットが選択されるユーザ操作を検知した場合、所定のメッセージを表示部23に表示させる。例えば学習者IDが「U001」の学習者の現在地はR006(佐賀県)である。そのためこれまで経由した領域である沖縄県(領域ID:R001)から長崎県(領域ID:R005)のプロットが選択された場合、これらの領域の関連情報が表示される。端末制御部25は、経由したことのある領域か否かを、例えば現在地の領域IDの値により判定する。すなわち学習者端末2は、複数の領域のうち所定領域を除くいずれかの領域に対するユーザ操作を受け付け、選択された領域がこれまで経由したことのある領域であるか否かを、所定領域に係る情報(領域ID)に基づき判定する。このように既にサーバ1から受信した所定領域に係る情報を利用して、選択された領域が経由済みの領域であるか否かを判断することで、学習者端末2はサーバ1に新たに問い合わせずに判断可能であり、ユーザ操作に対する応答時間を短縮することができる。またサーバ1への新たな問い合せを行なわないため、通信リソースの消費を低減することができる。
【0069】
図8は、熊本県を示すプロットがタップされた場合の遷移画面である。熊本県(領域ID:R004)は、学習者がこれまで経由したことのある領域である。したがって
図8に示す遷移画面では、選択された領域(熊本県)が関連付けられた関連情報47bが表示される。このように一度経由した領域であれば、当該領域のプロットを選択することで関連情報を表示させることができる。
【0070】
一方、
図9は、東京都(領域ID:R035)を示すプロットがタップされた場合の遷移画面である。
図9に示す遷移画面では、東京都を示すプロットがタップされた場合の遷移画面である。東京都は、学習者がこれまで経由したことの無い領域である。したがって
図9に示す遷移画面では、ポップアップウィンドウ49により、所定のメッセージが表示される。所定のメッセージは例えば、「この都道府県には行ったことがないからまだ見られないよ。」等である。
【0071】
次に、本発明の一実施形態に係る学習支援システム10のサーバ1について、
図10に示すフローチャートによりその動作を説明する。
【0072】
はじめにサーバ制御部13は、学習アクションが行なわれたか否かを判定する(ステップS10)。学習アクションがあった場合、学習者のポイントを更新する(ステップS20)。すなわちサーバ制御部13は、学習アクションを行なった学習者の学習者IDに対応付けられた年間獲得ポイント及び月間獲得ポイントを更新してサーバ記憶部12に記憶させる。
【0073】
続いてサーバ制御部13は、学習者が所定量のポイントを獲得したか否かを判定する(ステップS30)。サーバ制御部13は、学習者が所定量のポイント(例えば48ポイント)を獲得する毎に、学習者情報に含まれる領域IDを更新し、現在地を更新する(ステップS40)。
【0074】
続いてサーバ制御部13は、学習者情報の領域IDが更新された場合、領域情報の各領域に対応付けられた学習者数を更新する(ステップS50)。そしてステップS10に戻り、ステップS10からステップS50の処理を繰り返し行う。サーバ制御部13は、学習者端末2からの情報要求を受けた場合、情報要求に係る学習者が対応付けられた所定領域及び学習者分布に係る情報を学習者端末2に送信する。そのため学習者端末2はリアルタイムの学習者分布の情報を得て、進捗状況画面を表示部23により表示することができる。
【0075】
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る学習支援システム10によれば、学習者の学習の進捗状況に基づきポイントを付与し、自己及び他の学習者の進捗状況を、双六の形式で領域に対応付けて表示している。したがってゲーム感覚で楽しみながら学習を進めることが可能であり、また他の学習者とともに学びあう環境も醸成でき、学習者の学習意欲を向上させることができる。
【0076】
また、本発明の一実施形態に係る学習支援システム10によれば、学習者の獲得ポイントを表示している。学習者の駒を次の領域に進めるために必要なポイント数を容易に確認できる。このように自己の努力の成果が数値で目に見える形となるため、学習者の学習意欲をより向上させることができる。
【0077】
また、本発明の一実施形態に係る学習支援システム10によれば、第一所定期間(年間)に獲得した総ポイント及び、第二所定期間(月間)に獲得した総ポイントを表示している。そのため、例えば長期スパンと同時に短期スパンでの自己の学習の進捗状況を把握できる等、進捗状況をより客観的に把握することができ、学習者の学習意欲をさらに向上させることができる。
【0078】
また、本発明の一実施形態に係る学習支援システム10によれば、自己が対応付けられた所定領域の関連情報が表示される。例えば関連情報は地理的情報であり、学習者は進捗状況の把握とともに、地理の学習を楽しみながら行なうことができ、学習者の学習意欲を向上させることができる。
【0079】
なお本実施の形態では、領域情報が順番の情報を含み、各学習者が対応付けられる所定領域を決める経路(駒を進める経路)が特定されていたが、経路の決定はこれに限られない。例えば、学習者の所定領域に隣接する領域(現在地の隣接都道府県)にいずれかを選択できるようにしてもよい。この場合、各学習者の駒の進み方が異なるため、学習者分布は、例えばヒストグラムの形式で表示する。すなわち横軸が年間獲得ポイント数、縦軸が人数のヒストグラムを表示する。また自己が属する位置もヒストグラム上に示す。これにより自己の学習の進捗状況を客観的に把握することができる。
【0080】
なお本実施の形態では、年間の獲得ポイント数に応じて学習者の駒を進めるようにし、また当該獲得ポイントは年度毎に0にリセットするようにしている。このため、受講開始した年は受講開始日により獲得ポイントの差が生じるものの、年度が替わることで獲得ポイントの差が無くなり、学習意欲の低下を抑制することができる。なお受講開始日による獲得ポイント数の相違が大きすぎる場合もあり得る。このような場合、例えば同学年のうち、受講開始日が所定範囲内(例えば所定月数以内)の学習者のみの学習者分布を表示するようにしてもよい。このように学習者分布の表示範囲を限定することで、表示される学習者分布において、受講開始日に起因する獲得ポイント数の相違を減少させ、学習意欲の低下を抑制することができる。また、学習の進捗スピードに係る情報を学習者端末2に表示するようにしてもよい。例えば、「本日はx人を追い抜きました」等を進捗状況画面に表示するようにしてもよい。あるいは進捗スピードに係る情報として、獲得ポイント数(年間獲得ポイント及び月間獲得ポイントの少なくとも一方)の増加率を表示してもよい。このようにすることで学習意欲の低下を抑制することが可能である。
【0081】
なお
図6に示すホーム画面等に、学習者間等(保護者、運営者、講師含め)におけるメッセージ交換機能(いわゆるSNS機能)を設けてもよい。例えば「・・・の問題が難しかった。」等のコメントを入力し所定の宛先に送信する機能、「おめでとう」ボタン等で簡単に返事をする機能等を設けてもよい。当該機能により、学習者同士が共に学び合う環境をより醸成することができる。なおメッセージの宛先(閲覧者)は一人及び複数人(グループ)に設定でき、宛先は事前に友人として登録した学習者としてもよい。このようにすることで、友人同士が共に学び合う環境を醸成できる。また、同一の領域に対応付けられた複数の学習者のグループとしてもよい。この場合、進捗状況が同程度の学習者とメッセージを交換するため、共感性の高いメッセージを交換することができる。なおメッセージの宛先は上記に限られず、任意の学習者(例えば全学習者のグループ)を宛先としてもよい。なお、送信されたメッセージに対する返信は、上記の「おめでとう」ボタン、「いいね」ボタン等の返信ボタンによってのみ返信できるようにしてもよい。また、「これから勉強!」スタンプ、「今日もがんばるぞ」スタンプ等のメッセージスタンプでメッセージ交換可能としてもよい。このように返信ボタン及びメッセージスタンプのみによって返信可能となる制限を設けることにより、メッセージ交換が学習の妨げになることを防ぐことができる。また緩やかに他の学習者等とつながることができるため、他者の存在を意識でき、孤独感を低減することができる。
【0082】
なお、
図7に示す進捗状況画面のオブジェクト46がユーザ操作により選択された場合、当該領域に対応付けられた学習者の人数と、当該領域の中における自己の順位が表示されてもよい。これにより学習者の現在の順位を把握することができ、学習者の競争意識を高めることにより学習意欲を向上させることができる。
【0083】
なお、本実施の形態では、各領域が47都道府県に対応付けられる場合を示したがこれに限られない。例えば各領域を、旧日本地図(戦国時代、江戸時代)の旧地名としてもよい。また米国地図の米国各州としてもよい。また、世界地図の各国としてもよい。また鉄道(Eurostar、マレー鉄道、Amtrak)の駅名でもよい。あるいは、東海道、ルート66等であってもよい。他にも周期表、星座、遺跡、ノーベル賞受賞者等であってもよい。
【0084】
なお、学習者の学年に合わせて、各領域(双六のステージ)の内容を変更するようにしてもよい。例えば各領域を、小学1年生、小学2年生、小学3年生に対してそれぞれ、学習者の住む市町村、都道府県、及び世界各国としてもよい。また、生物の進化、食物連鎖、定点観測歴史めぐり(東京都日本橋の現在→20年前→70年前→100年前等)としてもよい。あるいは、各領域が山地であってもよい。例えば高尾山→奥穂高→槍ヶ岳→冬富士等でもよい。
【0085】
なお、本実施の形態では、学習者が学習アクションを行なった場合、サーバ制御部13は、少なくとも1ポイントを該学習者に付与するとしたが、これに限られない。例えば通常より解答が困難な問題を出題し、所定時間内に全問解答できた場合に追加のポイント(以下、ボーナスポイントという。)を付与するようにしてもよい。あるいはスペシャル問題(特別に困難な問題等)に解答できた場合に、ボーナスポイントを付与するようにしてもよい。ボーナスポイントは、2ポイント以上であってもよい。またこの場合、ボーナスポイント取得者のみが進むことが可能な到達点を設けてもよい。すなわち、ゴールの領域(本実施の形態では北海道)のさらに1つ先の領域を設けてもよい。
【0086】
なお、本実施の形態では、学習の進捗状況に応じてポイントを付与し、双六の形式で学習者の進捗状況を領域により示したがこれに限られない。ポイント数に応じて対象を取得する方式であってもよい。例えばポイント数に応じ、虫を虫かごに入れる、鉱物を宝物箱に入れることができる等であってもよい。また、上記同様、取得する対象の関連情報を表示し、当該関連情報を学習できるようにする。さらにボーナスポイントを取得した場合には、希少価値のある対象(絶滅危惧種等)を取得可能とするようにしてもよい。
【0087】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。