(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来の道路、街路、避難場所などに設置される屋外照明器具は、通常時には商用電源を用いて夜間に必要な照明光を発しているが、災害発生等によって停電状態になると発光することができなくなる。そのため、これらの照明器具には、蓄電池等を内蔵して停電時に非常用の明かりを確保するものがある。しかし、相当の重量を有する蓄電池等を備える必要があるため、照明器具全体の重量も重くなり、取付け・保守交換が困難になる。そのため、地上に近い位置に設置するように構成され、冠水などの水害等に対して脆弱となり、また施工性に制限が加わるものが多かった。
【0003】
前述のように通常用の電源配線と非常用の蓄電池とを備えた照明装置として、例えば特開2008−234381号公報に記載された屋外照明装置がある。
この屋外照明装置は、夜間、明け方、昼間、薄暮の各明るさレベルを検出するフォトスイッチを備え、夜間であることを検出したときには商用電源を光源に接続して点灯させる。また、薄暮や明け方であることを検出したときには、商用電源よりも電圧の低い充電池を光源に接続して夜間よりも30〜50%低い減光点灯を行う。また、昼間であることを検出したときには、充電池を充電回路に接続して充電を行うように構成されている。
この照明装置は、充電池のサイズを抑制するため、出力電圧の低いものを使用するとともに充電池の稼働時間を短く抑えており、夜間照明として十分な点灯時間や明るさを確保するように構成されたものではない。
【0004】
また、太陽光パネルなどを用いたソーラ照明器具は、日照時には十分な発光を行うことができるが、商用電源を併用しない構成では夜間等において十分な照明光を発するために大容量の蓄電池を備える必要がある。このように太陽光パネルとともに大容量蓄電池を含めて構成すると、専用の大型ポール等を設置する必要があり、大掛かりな施工を要することから、多数の照明器具を設置する場合には設置スペースやコスト上の問題が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の照明器具は上記のように構成されているので、供給が途絶えた商用電源に替えて使用する蓄電池等を内蔵した場合には外形や重量の増大が避けられず、簡便にポール等に取付けることができなくなり、取付け方法や設置スペース等に制約が生じるという問題点があった。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、小型軽量化を図るとともに、数日の間、夜間に非常点灯を行うことができる非常用照明器具を提供することを目的とする。
特に、商用電源の停電時に使用する蓄電池を備えた非常用照明器具において、蓄電池は通常時に商用電源により充電されるようにし、小型軽量の蓄電池でもって災害発生時の停電時に発光体を夜間に発光できることとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、商用電源を入力として充電され前記商用電源の停電時に使用する蓄電池と、
前記商用電源の電力供給の有無を検出するAC電源検出部と、
非常用照明器具の周辺の明るさを検知する光センサと、
前記商用電源の停電でない状態で夜間に必要な照明光を発光する第1の発光体と、
前記商用電源の停電状態で発光する非常用発光体と、
前記第1の発光体の点灯及び前記非常用発光体の点灯を制御する制御部と、
を備え、
前記光センサ及び前記制御部は、前記商用電源供給時及び前記商用電源停電時のいずれのときも、常に前記蓄電池の電力にて稼働し、
前記制御部は、
前記AC電源検出部の検出により前記商用電源の停電でない状態において、前記光センサから出力された検知信号が示す前記周辺の明るさの変化に応じて、夜間に前記第1の発光体を点灯させ、
前記AC電源検出部の検出により前記商用電源の停電状態において、前記光センサからの検知信号に応じて夜間に前記蓄電池からの電力にて前記非常用発光体を点灯させ、
更に、
前記商用電源の停電日が継続して2日以上において、前記光センサからの検知信号に基づき夜間に前記非常用発光体を点灯し段階的または徐々に前記非常用発光体の明るさを抑制した調光レベルまで低下させる制御、及びまたは、前記非常用発光体を高い調光レベルから低い調光レベルへ移行する制御において前記高い調光レベルでの発光時間を短縮させる制御によって、前記蓄電池の電力消費を抑制した前記非常用発光体の点灯制御を行う、
ことを特徴とする非常用照明器具である。
【0009】
また、前記光センサ及び前記制御部は、前記商用電源供給時及び前記商用電源停電時のいずれのときも、常に前記蓄電池の電力にて稼働する、
ことを特徴とする非常用照明器具である。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、蓄電池は通常時に商用電源により充電され、災害発生時の停電時には蓄電池でもって発光体を夜間に発光でき、小型軽量の蓄電池でもって非常用照明器具を軽量に構成することができることから、多様な場所に設置することが可能になるとともに施工性を良好にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
災害発生時などに停電状態が数日に亘って継続する場合、夜間に非常用照明器具を点灯
させ、電力供給が復旧するまで十分な明るさを維持するには容量の大きな蓄電池が必要に
なる。そのため、非常用照明器具は、外形が大きくなるとともに重量も相当重くなること
から、簡便に取り付けることが難しいものになる。
【0013】
本発明は、商用電源の停電時に使用する蓄電池を備えた非常用照明器具において、蓄電池を電源として点灯される発光体を備え、蓄電池は通常時に商用電源により充電され、商用電源停電時には、制御部が光センサからの検知信号に応じて夜間に発光体を点灯させ、光センサ及び制御部は商用電源停電時に蓄電池の電力にて稼働できることとする。
【0014】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
災害で停電発生時の初日の夜は、避難等で混乱状態になることが想定されるため、適切な明るさを確保して安全・安心が得られることを優先する必要がある。その後、数日間継続して停電状態が続く場合、各設備の復旧が進行することによって物理的に、また精神的に落ち着きを取り戻してくることから、夜間の明るさを停電の発生初日に比べて減光しても差し支えない状況になる。そこで、停電が発生してから2日目以降は、非常用照明器具において蓄電池の消費電力を抑制する制御を行う。
この制御により、非常用照明器具に備える蓄電池の容量を小さく抑えることが可能になり、非常用照明器具を小型軽量に構成することが容易になる。また、非常用照明器具を簡便に電柱やポール等に取付けることができ、特に屋外に設置する場合には施工性が向上し、また、設置コストを抑えることが可能になる。
停電初日以降の消費電力を抑制する制御としては、調光レベルを低下させることや、明るく点灯する時間を短く抑えることなどがあり、またさらに、これらの制御を組み合わせることが考えられる。
【0015】
(実施例)
本発明の実施例を図に基づいて説明する。
図1は、この実施例による非常用照明器具の外観図である。この図は、非常用照明器具を電柱等に取付けた状態を側方視したものである。
図示した非常用照明器具1は、LED照明器具2とコントロールボックス3とからなり、LED照明器具2は、例えばコントロールボックス3の筐体を介して電柱4に取付けられる。コントロールボックス3の筐体は、例えば複数の取付けバンド5によって電柱4に取付け固定される。LED照明器具2は、発光体として例えば複数個の高輝度発光ダイオード(以下、LEDと記載する)を備え、各LEDの発した光が任意の範囲を照射するように構成されている。コントロールボックス3は、後述するようにLED照明器具2へ点灯電力を供給する構成を有している。
【0016】
図2は、
図1に示した非常用照明装置の回路構成を示す説明図である。図示した非常用照明器具1には、商用電源であるAC電源100が外部から供給される。
図1のLED照明器具2は、AC駆動用LED電源回路18、AC点灯用LED19、非常点灯用LED20によって構成されている。
また、
図1のコントロールボックス3は、外部から商用電源であるAC電源100が供給され、AC電源100の供給をオン・オフさせるAC電源スイッチ10、AC電源検出回路11、蓄電池充電回路12、蓄電池13、光センサ14、調光・電源制御部15、点検スイッチ16、DC駆動用LED電源回路17によって構成されている。なお、前述のAC駆動用LED電源回路18をコントロールボックス3に備えてもよい。
【0017】
AC電源100は、AC電源スイッチ10、AC電源検出回路11、蓄電池充電回路12に供給される。
AC電源スイッチ10は、例えば開閉スイッチからなり、AC駆動用LED電源回路18に供給されるAC電源100の配線接続を開閉するように配設されている。また、AC電源スイッチ10は、調光・電源制御部15によって接点の開閉動作が制御される構成を有している。
AC電源検出回路11は、非常用照明器具1に供給されるAC電源100の有無を検出し、この検出結果を示す検出信号を調光・電源制御部15へ送出する構成を有している。また、AC電源検出回路11は、AC電源スイッチ10の開閉状態によらず、AC電源100の供給状態を検出するように接続構成されている。
蓄電池充電回路12は、AC電源100を入力して蓄電池13を充電する直流電圧・電流を生成し、適当な値の充電電流を適宜蓄電池13へ供給する構成を有し、例えばAC電源スイッチ10の開閉状態によらず、AC電源100が供給されるように接続構成されている。
【0018】
蓄電池13は、繰り返し充電が可能な2次電池からなり、蓄電池充電回路12に接続されるとともに、自身に蓄積されている直流電力をDC駆動用LED電源回路17へ供給するように接続されている。
光センサ14は、非常用照明器具1の周辺、即ち、
図1のコントロールボックス3の外部に設けられている。詳しくは、例えば当該非常用照明器具1を屋外に設置する場合には、コントロールボックス3上方の空の明暗を検知することができるように、コントロールボックス3の筐体上面等に配設される。またさらに、光センサ14は、LED点灯照明器具2の照明光に反応しないように備えられ、当該照明光が照射されない位置に設置される。
また、光センサ14は、蓄電池13に蓄えられている電力を用いて稼動し、検知結果を示す出力信号(検知信号)を調光・電源制御部15へ入力するように配線接続されている。
【0019】
調光・電源制御部15は、例えば、制御プログラム等を格納する不揮発性メモリ、上記の制御プログラムを用いて所定の制御を行うプロセッサ、このプロセッサがデータや制御信号を入出力する際の同期等を行う入出力回路などによって構成され、AC電源検出回路11や光センサ14などから出力された信号の意を、上記の制御プログラム等を用いて判断し、DC駆動用LED電源回路17の動作を制御するように構成されている。
また、調光・電源制御部15は、AC電源100の供給の有無によらず動作することができるように、例えば蓄電池13から供給される直流電力を用いて稼働する構成を有している。
【0020】
またさらに、調光・電源制御部15には、点検スイッチ16が接続されている。
点検スイッチ16は、例えば、AC電源100によってAC点灯用LED19が点灯しているときに、当該点検スイッチ16の操作に応じて、AC電源スイッチ10を開状態とするとともに蓄電池13に蓄えられている電力をDC駆動用LED電源回路17へ供給し、非常点灯用LED20を点灯させる制御を調光・電源制御部15に行わせるもので、当該調光・電源制御部15に含まれるプロセッサ等の所定の制御ポートなどに、パルス信号、もしくは有意を示す電位を入力するように接続構成されている。
【0021】
DC駆動用LED電源回路17は、出力端子が非常点灯用LED20に接続されており、調光・電源制御部15の制御に応じて、蓄電池13からの直流電力を用いて非常点灯用LED20を点灯させる電圧・電流を生成する構成を有している。
AC駆動用LED電源回路18は、出力端子がAC点灯用LED19に接続されており、AC電源スイッチ10を介して入力したAC電源100を用いてAC点灯用LED19を点灯させる電圧・電流を生成する構成を有している。
AC点灯用LED19、ならびに非常点灯用LED20は、それぞれ複数個の高輝度LEDを接続させたもので、どちらも
図1のLED照明機器2に備えられている。
【0022】
次に動作について説明する。
初めに、AC電源100が途絶えて蓄電池13に蓄えられている電力を用いて非常点灯用LED20を点灯させる際に行われる調光レベルの制御を説明する。
図3は、非常点灯を行う際の調光レベルの制御を示す説明図である。この図は、非常点灯の経過時間を横軸とし、非常点灯用LED20の調光レベルを縦軸に示したもので、点灯させてからの経過時間に応じて変化させた調光レベルを示している。
【0023】
図3(a)は、屋外に設置する一般的な非常用照明器具の調光レベル制御を示したもので、停電発生に応じて蓄電池を使用して点灯を行うとき、例えば日没から就寝前までの夜間時間帯(期間T1)では100%の調光レベルで点灯させ、就寝時間等となる深夜から日の出までの時間帯(期間T2)になると30%の調光レベルに減光して点灯させる。このように調光レベルを制御することにより、停電期間中の電力消費を抑制して数日間にわたって蓄電池を使用した夜間照明を行う。この調光レベルの制御では、毎日同様な調光レベルの制御が行われるため、各停電継続日において同様な電力量が消費される。
【0024】
図3(b)は、屋外に設置するこの実施例による非常用照明器具1の調光レベルの制御例を示したもので、AC電源100の電力供給が停止した初日には期間T1において100%の調光レベルで点灯を行い、期間T2になると30%の調光レベルに減光して点灯を行う。
AC電源100の電力供給が停止した2日目には、期間T1において30%の調光レベルで点灯を行い、期間T2になると10%の調光レベルに減光して点灯を行う。このように停電発生から2日目になると、初日よりも調光レベルを低下させて点灯を行い、2日目の電力消費量を初日よりもさらに抑制する。
【0025】
図3(c)は、屋外に設置するこの実施例による非常用照明器具1の調光レベルの他の制御例を示したもので、AC電源100の電力供給が停止した初日には、
図3(b)に示したものと同様に、期間T1において100%の調光レベルで点灯を行い、以降の期間T2では30%の調光レベルに減光して点灯を行う。
AC電源100の電力供給が停止した2日目には、期間T1において100%の調光レベルで点灯させる時間を初日よりも短時間にする。即ち、2日目の100%調光の期間T3を初日の100%調光の期間T1よりも短縮して、深夜時間帯などの期間を30%調光レベルに減光して点灯させ、2日目の電力消費量を初日よりもさらに抑制する。
【0026】
この実施例による非常用照明器具1は、停電が発生した初日よりも2日目における電力消費量を抑えることにより、蓄電池13を使用することができる期間を引き延ばすものであり、生活に支障が生じない程度、換言すると、夜間の作業や家事などにおいて許容できる程度に調光レベルを低下させる。
図3(b)に例示した制御は、2日目の夜間の調光レベルを全体的に低く抑えるものであり、
図3(c)に例示した制御は、高い調光レベルとする期間を短期に抑えるもので、これらの制御を組み合わせることも可能である。また、ここでは、停電発生から2日目までを例示して説明しているが、停電3日目以降については、上述の2日目の制御を繰り返し行うようにしてもよいし、当該2日目よりもさらに電力消費量を抑制する制御を行ってもよい。
また、
図3(b)に示した制御は、夜間の時間帯を期間T1と期間2に分けて調光レベルを段階的に低減するものであるが、例えば、点灯時間の経過に伴って徐々に調光レベルを低減させ、照明光を暗くするようにしてもよい。このように夜更けになるほど(夜明けが近くなるほど)徐々に明るさを落す場合にも、停電継続2日目の点灯時の明るさを、停電初日よりも抑えて点灯させ、蓄電池13の電力消費を抑制する。
【0027】
図4は、調光・電源制御部の処理動作を示すフローチャートである。
次に、
図4のフローチャートを用いて調光・電源制御部15の制御内容を説明する。
前述のように例えば蓄電池13の電力を用いて動作している調光・電源制御部15は、光センサ14から出力される検知信号を所定の周期で監視し、例えば、前回入力した検知信号と今回入力した検知信号とを比較して、周辺の明るさが暗く変化したか否かを判定する(ステップS101)。
ステップS101の工程において、周辺が暗くなったと判定したときには、AC電源検出回路11から出力される検出信号の内容を用いて、AC電源100が供給されているか否か、即ち、商用電源が停電状態か否かを判定する(ステップS102)。
【0028】
ステップS102の工程において停電状態であると判定したときには、調光・電源制御部15自身に記憶されている停電継続日が2日以上か否かを判定する(ステップS103)。停電継続日が2日以上であると判定したときには、例えば
図3(b)、または
図3(c)に示した2日目の調光レベルの制御を行う、予め調光・電源制御部15自身に記憶設定されている“2日目の非常点灯モード”を起動する(ステップS104)。2日目の非常点灯モードを起動すると、当該2日目の非常点灯モードの内容に則してDC駆動用LED電源回路17を制御し、蓄電池13からの電力を用いて例えば
図3(b)や
図3(c)に示した2日目の夜間時間帯(期間T1)の調光レベルで非常点灯用LED20を点灯させる。
【0029】
また、ステップS103の工程で停電継続日が2日以上ではないと判定したときには、例えば
図3(b)や
図3(c)に示した1日目の調光レベルの制御を行う、予め調光・電源制御部15自身に記憶設定されている“1日目の非常点灯モード”を起動し(ステップS105)、停電継続日が1日目であることを自身に記憶設定する(ステップS106)。1日目の非常点灯モードを起動すると、当該1日目の非常点灯モードとして設定されているようにDC駆動用LED電源回路17を制御し、蓄電池13からの電力を用いて例えば
図3(b)や
図3(c)に示した1日目の夜間時間帯(期間T1)の調光レベルで非常点灯用LED20を点灯させる。
【0030】
前述のステップS102の工程において、停電状態ではないと判定したときには、予め調光・電源制御部15自身に記憶設定されている“通常点灯モード”をセット(例えば、ただちに稼動可能な状態にロード)する(ステップS107)。
ステップS104、ステップS106、および、ステップS107の各工程を処理した後、現在の光センサ14の検知信号が「暗」(非常用照明器具1の周辺や上空が暗いこと)を示しているか否かを判定する(ステップS108)。
光センサ14の検知信号が「暗」を示していると判定したときには、AC電源検出回路11の検出信号から現在停電状態か否かを判定する(ステップS109)。停電状態であると判定したときには、調光・電源制御部15が自ら備える非常時タイマを始動させる。
【0031】
次に、動作中の非常時タイマの示す時間が、このとき起動している“1日目の非常点灯モード”または“2日目の非常点灯モード”に設定されている期間T1を経て調光レベルを低減させる切替時間に成ったか否かを判定する(ステップS110)。切替時間に達したと判定したときには、例えば
図3(b)に示した期間T2や、
図3(c)に示した期間T3の経過した後の期間に示したように、点灯中の非常点灯用LED20の調光レベルを低減する非常時調光度制御を行い(ステップS111)、ステップS101の工程に戻って以降の各工程を繰り返す。
【0032】
ステップS110の工程において、非常時タイマが切替時間に達していないと判定したときには、ステップS101の工程に戻って以降の各工程を繰り返す。
またステップS109の工程において、停電状態ではないと判定したときには、ステップS107の工程で起動させた通常点灯モードの制御を行う。具体的には、AC電源スイッチ10を制御して当該AC電源スイッチ10を閉状態とし、AC駆動用LED電源回路18にAC電源100を供給する。するとAC駆動用LED電源回路18は、所定の直流電圧を生成し、この直流電圧をAC点灯用LED19に供給して発光させ、LED照明器具2を点灯させる。このように通常点灯制御を行い(ステップS112)、ステップS101の工程に戻って以降の各工程を繰り返す。
前述のステップS108の工程において、光センサ14の検知信号は「暗」を示していないと判定したときには、ステップS101の工程に戻って以降の各工程を繰り返す。
【0033】
前述のステップS101の工程において、光センサ14の検知信号から周辺の明るさが「明」から「暗」に変化していないと判定したとき、当該光センサ14の検知信号が「暗」から「明」に変化したか否かを判定する(ステップS113)。具体的には、光センサ14から入力した、前回の検知信号と今回の検知信号とを比較し、周辺の明るさが暗く変化したか否かを判定する。
光センサ14の検知信号が「暗」から「明」に変化したと判定したときには、AC電源検出回路11の検出信号を用いて停電状態か否かを判定する(ステップS114)。停電状態であると判定したときには、予め自身に記憶設定されている“非常消灯モード”を起動させ、このモードの設定に応じてDC駆動用LED電源回路17を制御して非常点灯用LED20を消灯させる。また、自ら記憶している停電継続日数に1日加算して例えば停電継続日を2日目として記憶し、順次停電継続日数を更新する(ステップS115)。この後、ステップS108の工程に移行する。
【0034】
ステップS114の工程において、停電状態ではないと判定したときには、予め記憶設定されている“通常消灯モード”を起動し(ステップS116)、AC電源スイッチ10を開状態に制御してAC点灯用LED19を消灯する。次に、自ら記憶している停電継続日を“0”にリセットし(ステップS117)、ステップS108の工程に移行する。また、通常消灯モードが起動したとき、例えば調光・電源制御部15が蓄電池充電回路12を稼働させて蓄電池13に充電を行う。
前述のステップS113の工程において、光センサ14の検知信号から周辺の明るさが「暗」から「明」に変化していないと判定したときには、ステップS108の工程に移行する。
【0035】
また、ステップS103の工程において、停電継続日が3日目以上となったことを認識したときには、例えば、ステップS104の工程を実行して2日目以降の非常用点灯モードを実行し、その後の各工程を同様に実行・処理する。または、予め3日目以降の非常用点灯モードを記憶設定しておき、ステップS104の工程において、上記の点灯モードを2日目の非常用点灯モードに代えて実行してもよい。
【0036】
この実施例によれば、停電継続日が2日目以降になると調光レベルや点灯時間を抑制して非常点灯用LED20を点灯させるようにしたので、蓄電池13に蓄えられた電力の消費を効率よく抑制することができ、蓄電池13として小型軽量のものを使用することが可能になる。
また、小型軽量の蓄電池13を使用することができることから、非常用照明器具1を軽量に構成することができ、比較的簡素な取付けポール等を用いて設置することが可能になる。また、設置スペースを抑えることができるとともに、設置に要するコストを抑制することができる。
また、停電初日を比較的明るく点灯し、停電が継続して2日目になると照明の明るさや点灯時間を抑えるようにしたので、周辺の状況が安定してから蓄電池13の電力消費を抑えることにより、夜間の作業などに支障が生じることを抑えながら、数日にわたって非常点灯を行うことができる。
【0037】
この実施例で説明した非常用照明器具1は、LED照明器具2を点灯させるように構成したものであるが、蓄電池13から供給される電力を使用して前述のように長時間点灯することができる発光体であれば、どのようなものでも本発明の非常用照明器具に用いることが可能である。