特許第6244409号(P6244409)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6244409アンビルおよびカートリッジに対するステープルライン補強
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6244409
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】アンビルおよびカートリッジに対するステープルライン補強
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20171127BHJP
【FI】
   A61B17/072
【請求項の数】10
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-132204(P2016-132204)
(22)【出願日】2016年7月4日
(62)【分割の表示】特願2014-216989(P2014-216989)の分割
【原出願日】2010年10月12日
(65)【公開番号】特開2016-172093(P2016-172093A)
(43)【公開日】2016年9月29日
【審査請求日】2016年7月4日
(31)【優先権主張番号】12/579,605
(32)【優先日】2009年10月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507362281
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ディー. イングマンソン
(72)【発明者】
【氏名】サチン シャー
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ マクネリス
【審査官】 後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−307393(JP,A)
【文献】 特開2009−189848(JP,A)
【文献】 特開2010−240395(JP,A)
【文献】 特表平11−508791(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/109125(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/068−17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステープルカートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリを有する外科用ステープラのための外科用バットレスであって、
前記外科用バットレスは、本体部分を含み、
前記外科用バットレスは、前記本体部分の長手方向に沿ったエッジにおいて、少なくとも1つの遠位くぼみと少なくとも1つの第1の近位くぼみと少なくとも1つの第2の近位くぼみとを画定し、
前記少なくとも1つの第1の近位くぼみは、前記少なくとも1つの第2の近位くぼみから軸方向の距離の分だけずらされており、
前記少なくとも1つの第1の近位くぼみは、前記ステープルカートリッジアセンブリの近位取り付けポイントと位置が揃うように配置されており、
前記少なくとも1つの第2の近位くぼみは、前記アンビルセンブリの近位取り付けポイントと位置が揃うように配置されており、
前記外科用バットレスは、前記ステープルカートリッジアセンブリまたは前記アンビルアセンブリのいずれかと実質的に重なるように構成されている、外科用バットレス。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第1の近位くぼみは、前記本体部分に画定されている、請求項1に記載の外科用バットレス。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第2の近位くぼみは、前記本体部分に画定されている、請求項1に記載の外科用バットレス。
【請求項4】
前記少なくとも1つの遠位くぼみは、前記本体部分に画定されている、請求項1に記載の外科用バットレス。
【請求項5】
前記本体部分は、生体適合性がありかつ生体吸収性がある材料から作成されている、請求項1に記載の外科用バットレス。
【請求項6】
前記本体部分は、前記本体部分の近位エッジに形成されたくぼみを画定する、請求項1に記載の外科用バットレス。
【請求項7】
前記くぼみは、V型のプロファイルを有するノッチである、請求項に記載の外科用バットレス。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第1の近位くぼみおよび前記少なくとも1つの第2の近位くぼみのうちの少なくとも1つは、前記本体部分の前記長手方向に沿った相対すエッジに画定された一対のくぼみである、請求項1に記載の外科用バットレス。
【請求項9】
ヘッド部分およびネック部分をさらに含む、請求項1に記載の外科用バットレス。
【請求項10】
ステープルカートリッジアセンブリと、
アンビルアセンブリと、
請求項1に記載の外科用バットレスと
を備えた外科用ステープラであって、
前記外科用バットレスは、前記ステープルカートリッジアセンブリまたは前記アンビルアセンブリの上に配置されており、
前記外科用ステープラは、前記外科用バットレスに係合されたアンカをさらに備えている、外科用ステープラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(1.技術分野)
本開示は、外科用ステープリング装置に関し、より詳細には、アンビルおよびステープルカートリッジに対する取り外し可能の外科用バットレスを含む外科用ステープリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術の背景)
1つ以上の列の締め具を順次または同時に使用して体組織のセグメントを結合するために使用される外科用ステープリング器具は、当技術分野において周知である。締め具は通常、外科用ステープルの形であるが、2部ポリマー締め具も利用され得る。かかるデバイスは一般的に、接合される身体組織をそれらの間で締め付けるための1対の顎を含む。通常、顎部材のうちの一方は、少なくとも2つの横列に配列された複数のステープルを収納するステープルカートリッジを含み、一方、他方の顎部材はアンビルを有し、該アンビルは、ステープルがステープルカートリッジから駆動されるときステープルレグを形成するための表面を画定する。
【0003】
ステープリング器具が作動するとき、長手方向に動くカムは、顎のうちの一方のステープル駆動部材と接触し、ステープルプッシャに作用して、ステープルをステープルカートリッジから順次または同時に排出する。ブレードがステープル列の間を移動して、ステープルの列の間のステープルされた組織を長手方向に切断し得、かつ/または開き得る。かかる器具は、例えば特許文献1および特許文献2に開示されている。
【0004】
比較的薄いかまたは脆弱な組織をステープルするとき、空気または流体の漏れに対してステープルラインを効果的にシールすることが重要である。さらに、組織における裂けまたはステープルが組織の中を引かれることを防止するために、ステープルを組織に対して補強することがたびたび必要である。裂けまたは引き込まれを防止する1つの方法は、ステープルと下にある組織との間に、生体適合性の布補強材料または「バットレス」を配置することを含む。この方法では、バットレス材料の層が組織に対して配置され、組織は、従来の方法でステープルされる。より最近の方法では、バットレスの層が、組織をステープルする前に、ステープリング器具自体に位置決めされる。一部の外科用ステープラは、締め具またはクリップを利用して、バットレス材料をステープラの顎のそれぞれに一時的に接続する、すなわち一方は、ステープルカートリッジアセンブリに配置され、他方は、アンビルアセンブリに配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第3,079,606号明細書
【特許文献2】米国特許第3,490,675号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
1つ以上の異なるアセンブリの要件を満足する特徴を同時に組み込むステープルライン補強プロファイルを提供することが本出願の望みである。外科用ステープルカートリッジアセンブリおよび/または外科用アンビルカートリッジアセンブリ上で使用され得る単一プロファイルバットレスを提供することも望ましい。したがって、前記の望みを満足することが本開示の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(概要)
本開示は、外科用バットレスを含む外科用ステープリング装置に関する。
【0008】
本開示の局面にしたがって、外科用ステープリング装置が提供され、該外科用ステープリング装置は、第1の組織接触面を画定するカートリッジアセンブリであって、該カートリッジアセンブリの中に複数の外科用締め具を収納し、少なくとも1つの遠位取り付けポイントおよび少なくとも1つの近位取り付けポイントを画定する、カートリッジアセンブリと、第2の組織接触面を画定するアンビルセンブリであって、該カートリッジアセンブリに対して可動的に固定され、少なくとも1つの遠位取り付けポイントおよび少なくとも1つの近位取り付けポイントを画定し、該アンビルアセンブリの該少なくとも1つの近位取り付けポイントは、該カートリッジアセンブリの該少なくとも1つの近位取り付けポイントからある軸方向の距離だけずらされている、アンビルセンブリと、該第1の組織接触面および該第2の組織接触面のそれぞれに解放可能に固定された外科用バットレスであって、該カートリッジアセンブリの第1の長さおよび第2の長さのいずれかの該第1の組織接触面ならびに該アンビルアセンブリの該第1の長さおよび該第2の長さのいずれかの該第2の組織接触面のうちの少なくとも1つと実質的に重なるように構成されている本体部分を含む、外科用バットレスとを含む。
【0009】
各外科用バットレスは、該カートリッジアセンブリおよび該アンビルアセンブリの該遠位取り付けポイントと位置が揃う遠位取り付け特徴、ならびに第1の近位取り付け特徴と該第1の近位取り付け特徴からある軸方向の距離だけずらされた第2の近位取り付け特徴とを画定する。該第1の近位取り付け特徴は、該カートリッジアセンブリの該近位取り付けポイントと位置が揃っており、該第2の近位取り付け特徴は、該アンビルセンブリの該近位取り付けポイントと位置が揃っている。
【0010】
前記カートリッジアセンブリの前記組織接触面に対して配置された前記外科用バットレスと前記アンビルセンブリの前記組織接触面に対して配置された前記外科用バットレスとは、実質的に同じ長さを有する。
【0011】
各外科用バットレスは同じ構成を有し得る。各外科用バットレスは生体適合性がありかつ生体吸収性のある材料から作成され得る。
【0012】
外科用ステープリング装置は、前記カートリッジアセンブリおよび前記アンビルセンブリの前記組織接触面に対して外科用バットレスを保持する縫合糸をさらに含み得る。
【0013】
外科用ステープリング装置は、前記カートリッジアセンブリおよび前記アンビルセンブリのそれぞれに対して前記外科用バットレスの遠位端部分を保持する縫合糸をさらに含み得、該縫合糸は、該外科用バットレスの前記遠位取り付け特徴を該カートリッジアセンブリおよび該アンビルセンブリのそれぞれの前記遠位取り付けポイントと位置が揃うように維持する。
【0014】
外科用ステープリング装置は、前記カートリッジアセンブリおよび前記アンビルセンブリのそれぞれに対して前記外科用バットレスの近位端部分を保持する縫合糸をさらに含み得、縫合糸は、該外科用バットレスの前記第1の近位取り付け特徴を該カートリッジアセンブリおよび該アンビルアセンブリの前記近位取り付けポイントと位置が揃うように維持し、かつ縫合糸は、該外科用バットレスの前記第2の近位取り付け特徴を該アンビルアセンブリの該近位取り付けポイントと位置が揃うように維持する。
【0015】
本開示の別の局面にしたがって、外科用ステープリング装置が提供され、該外科用ステープリング装置は、第1の組織接触面を画定するカートリッジアセンブリであって、該カートリッジアセンブリの中に複数の外科用締め具を収納し、第1の長さかまたは該第1の長さよりも長い第2の長さである、カートリッジアセンブリと、第2の組織接触面を画定するアンビルセンブリであって、該カートリッジアセンブリに対して可動的に固定され、それぞれが該カートリッジアセンブリの長さと対応する該第1の長さかまたは該第2の長さである、アンビルアセンブリと、該第1の組織接触面および該第2の組織接触面のうち少なくとも1つに解放可能に固定された外科用バットレスであって、該外科用バットレスは、ヘッド部分、ネック部分、および本体部分を含む、外科用バットレスとを含む。該ヘッド部分は、該ネック部分によって該本体部分の遠位端に接続されている。該外科用バットレスは、該カートリッジアセンブリの該第1の長さおよび該第2の長さのいずれかの該第1の組織接触面ならびに該アンビルアセンブリの該第1の長さおよび該第2の長さのいずれかの該第2の組織接触面のうちの少なくとも1つと実質的に重なるように構成されている。
【0016】
前記外科用バットレスの前記本体部分は、該本体部分の近位エッジに形成されたくぼみを画定し得、該くぼみは、該近位エッジを長手方向に2等分する。前記くぼみはv型のプロファイルを有するノッチであり得る。
【0017】
前記外科用バットレスの前記本体部分は、少なくとも1対の相対する近位くぼみを画定し得、該少なくとも1対の相対する近位くぼみのそれぞれは、該外科用バットレスの近位エッジの近くの該本体部分の相対する横の側面に形成され得る。前記少なくとも1対の相対する近位くぼみは、v型プロファイルを有するノッチであり得る。
【0018】
前記外科用バットレスの前記本体部分は、1対の相対する遠位くぼみをさらに画定し得、該1対の相対する遠位くぼみのそれぞれは、該本体部分の遠位エッジの近くの該本体部分の相対する横の側面に形成され得る。
【0019】
前記1対の相対する遠位くぼみは、長手方向に先細りとなり得る。前記外科用バットレスの前記本体部分の遠位エッジは弓形であり得る。前記外科用バットレスの前記本体部分の遠位エッジは、該本体部分の残りの横方向の幅寸法よりも小さな横方向の幅寸法を有し得る。前記ヘッド部分は実質的に長方形の形状を有し得る。
【0020】
各外科用バットレスは、生体適合性がありかつ生体吸収性のある材料から作成され得る。
【0021】
本開示のさらなる局面にしたがって、外科用ステープリング装置における使用のための外科用バットレスが提供される。該外科用バットレスは、本体部分と、ネック部分と、該ネック部分によって該本体部分の遠位端に接続されたヘッド部分とを含み、該本体部分は、少なくとも1対の相対する近位くぼみを画定し、該少なくとも1対の相対する近位くぼみのそれぞれは、該本体部分の近位エッジの近くの該本体部分の相対する横の側面に形成される。
【0022】
前記少なくとも1対の相対する近位くぼみのそれぞれは、v型プロファイルを有するノッチであり得る。前記本体部分は、1対の相対する遠位くぼみをさらに画定し得、該1対の相対する遠位くぼみのそれぞれは、該本体部分の遠位エッジの近くの該本体部分の相対する横の側面に形成され得る。
【0023】
前記外科用バットレスの前記本体部分は、該本体部分の近位エッジに形成された近位エッジくぼみをさらに画定し得、該近位エッジくぼみは、該近位エッジを長手方向に2等分する。前記外科用バットレスの前記本体部分の遠位エッジは弓形であり得る。前記外科用バットレスの前記本体部分の遠位エッジは、該本体部分の残りの横方向の幅寸法よりも小さな横方向の幅寸法を有し得る。前記ヘッド部分は実質的に長方形の形状を有し得る。
【0024】
前記外科用バットレスは、生体適合性がありかつ生体吸収性のある材料から作成され得る。
【0025】
本開示のさらに別の局面にしたがって、任意の数の長さのカートリッジアセンブリおよび該カートリッジアセンブリの長さと対応する任意の数の長さのアンビルアセンブリを有する外科用ステープリング装置との使用のために外科用バットレスが提供され、該カートリッジアセンブリおよび該アンビルアセンブリのそれぞれは、それぞれの並置された組織接触面を画定し、該カートリッジアセンブリは、該アンビルアセンブリのステープル形成ポケットに押し当てて形成するための、該カートリッジアセンブリのステープルスロットの中に格納された複数のステープルを含む。外科用バットレスは、本体部分であって、任意の長さのカートリッジアセンブリに対する該カートリッジアセンブリの該ステープルスロットのすべての上に重なること、および/または任意の長さのアンビルアセンブリに対する該アンビルアセンブリの該ステープル形成ポケットのすべての上に重なることを行なうように構成され、かつ、寸法とされる、本体部分を含む。外科用バットレスは、該本体部分から延びるネック部分と、該ネック部分に接続され、該本体部分の遠位端と相対するヘッド部分とをさらに含み、該本体部分は、少なくとも1対の相対する近位くぼみを画定し、該少なくとも1対の相対する近位くぼみのそれぞれは、該本体部分の近位エッジの近くの該本体部分の相対する横の側面に形成される。
【0026】
例えば、本発明は以下を提供する。
【0027】
(項目1)
外科用ステープリング装置であって、該外科用ステープリング装置は、
第1の組織接触面を画定するカートリッジアセンブリであって、該カートリッジアセンブリの中に複数の外科用締め具を収納し、少なくとも1つの遠位取り付けポイントおよび少なくとも1つの近位取り付けポイントを画定する、カートリッジアセンブリと、
第2の組織接触面を画定するアンビルセンブリであって、該アンビルアセンブリは、該カートリッジアセンブリに対して可動的に固定され、少なくとも1つの遠位取り付けポイントおよび少なくとも1つの近位取り付けポイントを画定し、該アンビルアセンブリの該少なくとも1つの近位取り付けポイントは、該カートリッジアセンブリの該少なくとも1つの近位取り付けポイントからある軸方向の距離だけずらされている、アンビルセンブリと、
該第1の組織接触面および該第2の組織接触面のそれぞれに解放可能に固定された外科用バットレスであって、該カートリッジアセンブリの第1の長さおよび第2の長さのいずれかの該第1の組織接触面ならびに該アンビルアセンブリの該第1の長さおよび該第2の長さのいずれかの該第2の組織接触面のうちの少なくとも1つと実質的に重なるように構成されている本体部分を含む、外科用バットレスと
を備え、
各外科用バットレスは、該カートリッジアセンブリおよび該アンビルアセンブリの該遠位取り付けポイントと位置を揃えるための遠位取り付け特徴を画定し、
各外科用バットレスは、第1の近位取り付け特徴と該第1の近位取り付け特徴からある軸方向の距離だけずらされた第2の近位取り付け特徴とを画定し、
該第1の近位取り付け特徴は、該カートリッジアセンブリの該近位取り付けポイントと位置が揃っており、
該第2の近位取り付け特徴は、該アンビルセンブリの該近位取り付けポイントと位置が揃っている、
装置。
【0028】
(項目2)
上記カートリッジアセンブリの上記組織接触面に対して配置された上記外科用バットレスと上記アンビルセンブリの上記組織接触面に対して配置された上記外科用バットレスとは、実質的に同じ長さを有する、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリング装置。
【0029】
(項目3)
各外科用バットレスは同じ構成を有する、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリング装置。
【0030】
(項目4)
各外科用バットレスは生体適合性がありかつ生体吸収性のある材料から作成される、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリング装置。
【0031】
(項目5)
上記カートリッジアセンブリおよび上記アンビルセンブリの上記組織接触面に対して外科用バットレスを保持する縫合糸をさらに備えている、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリング装置。
【0032】
(項目6)
上記カートリッジアセンブリおよび上記アンビルセンブリのそれぞれに対して上記外科用バットレスの遠位端部分を保持する縫合糸をさらに備え、該縫合糸は、該外科用バットレスの上記遠位取り付け特徴を該カートリッジアセンブリおよび該アンビルセンブリのそれぞれの上記遠位取り付けポイントと位置が揃うように維持する、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリング装置。
【0033】
(項目7)
上記カートリッジアセンブリおよび上記アンビルセンブリのそれぞれに対して上記外科用バットレスの近位端部分を保持する縫合糸をさらに備え、縫合糸は、該外科用バットレスの上記第1の近位取り付け特徴を該カートリッジアセンブリおよび該アンビルアセンブリの上記近位取り付けポイントと位置が揃うように維持し、かつ縫合糸は、該外科用バットレスの上記第2の近位取り付け特徴を該アンビルアセンブリの該近位取り付けポイントと位置が揃うように維持する、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリング装置。
【0034】
(項目8)
外科用ステープリング装置であって、該外科用ステープリング装置は、
第1の組織接触面を画定するカートリッジアセンブリであって、該カートリッジアセンブリの中に複数の外科用締め具を収納し、第1の長さ、または、該第1の長さよりも長い第2の長さである、カートリッジアセンブリと、
第2の組織接触面を画定するアンビルセンブリであって、該カートリッジアセンブリに対して可動的に固定され、それぞれが該カートリッジアセンブリの長さと対応する該第1の長さ、または、該第2の長さである、アンビルアセンブリと、
該第1の組織接触面および該第2の組織接触面のうち少なくとも1つに解放可能に固定された外科用バットレスであって、該外科用バットレスは、ヘッド部分、ネック部分、および本体部分を含み、該ヘッド部分は、該ネック部分によって該本体部分の遠位端に接続され、該外科用バットレスは、該カートリッジアセンブリの該第1の長さおよび該第2の長さのいずれかの該第1の組織接触面ならびに該アンビルアセンブリの該第1の長さおよび該第2の長さのいずれかの該第2の組織接触面のうちの少なくとも1つと実質的に重なるように構成されている、外科用バットレスと
を備えている、装置。
【0035】
(項目9)
上記外科用バットレスの上記本体部分は、該本体部分の近位エッジに形成されたくぼみを画定し、該くぼみは、該近位エッジを長手方向に2等分する、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリング装置。
【0036】
(項目10)
上記くぼみはv型のプロファイルを有するノッチである、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリング装置。
【0037】
(項目11)
上記外科用バットレスの上記本体部分は、少なくとも1対の相対する近位くぼみを画定し、該少なくとも1対の相対する近位くぼみのそれぞれは、該外科用バットレスの近位エッジの近くの該本体部分の相対する横の側面に形成される、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリング装置。
【0038】
(項目12)
上記少なくとも1対の相対する近位くぼみは、v型プロファイルを有するノッチである、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリング装置。
【0039】
(項目13)
上記外科用バットレスの上記本体部分は、1対の相対する遠位くぼみをさらに画定し、該1対の相対する遠位くぼみのそれぞれは、該本体部分の遠位エッジの近くの該本体部分の相対する横の側面に形成される、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリング装置。
【0040】
(項目14)
上記1対の相対する遠位くぼみは、長手方向に先細りとなる、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリング装置。
【0041】
(項目15)
上記外科用バットレスの上記本体部分の遠位エッジは弓形である、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリング装置。
【0042】
(項目16)
上記外科用バットレスの上記本体部分の遠位エッジは、該本体部分の残りの横方向の幅寸法よりも小さな横方向の幅寸法を有する、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリング装置。
【0043】
(項目17)
上記ヘッド部分は実質的に長方形の形状を有する、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリング装置。
【0044】
(項目18)
各外科用バットレスは、生体適合性がありかつ生体吸収性のある材料から作成される、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリング装置。
【0045】
(項目19)
外科用ステープリング装置における使用のための外科用バットレスであって、該外科用バットレスは、
本体部分と、
ネック部分と、
該ネック部分によって該本体部分の遠位端に接続されたヘッド部分と
を備え、該本体部分は、少なくとも1対の相対する近位くぼみを画定し、該少なくとも1対の相対する近位くぼみのそれぞれは、該本体部分の近位エッジの近くの該本体部分の相対する横の側面に形成される、
外科用バットレス。
【0046】
(項目20)
上記少なくとも1対の相対する近位くぼみのそれぞれは、v型プロファイルを有するノッチである、上記項目のいずれか一項に記載の外科用バットレス。
【0047】
(項目21)
上記本体部分は、1対の相対する遠位くぼみをさらに画定し、該1対の相対する遠位くぼみのそれぞれは、該本体部分の遠位エッジの近くの該本体部分の相対する横の側面に形成される、上記項目のいずれか一項に記載の外科用バットレス。
【0048】
(項目22)
上記外科用バットレスの上記本体部分は、該本体部分の近位エッジに形成された近位エッジくぼみを画定し、該近位エッジくぼみは、該近位エッジを長手方向に2等分する、上記項目のいずれか一項に記載の外科用バットレス。
【0049】
(項目23)
上記外科用バットレスの上記本体部分の遠位エッジは弓形である、上記項目のいずれか一項に記載の外科用バットレス。
【0050】
(項目24)
上記外科用バットレスの上記本体部分の遠位エッジは、該本体部分の残りの横方向の幅寸法よりも小さな横方向の幅寸法を有する、上記項目のいずれか一項に記載の外科用バットレス。
【0051】
(項目25)
上記ヘッド部分は実質的に長方形の形状を有する、上記項目のいずれか一項に記載の外科用バットレス。
【0052】
(項目26)
上記外科用バットレスは、生体適合性がありかつ生体吸収性のある材料から作成される、上記項目のいずれか一項に記載の外科用バットレス。
【0053】
(項目27)
任意の数の長さのカートリッジアセンブリおよび該カートリッジアセンブリの長さと対応する任意の数の長さのアンビルアセンブリを有する外科用ステープリング装置との使用のための外科用バットレスであって、該カートリッジアセンブリおよび該アンビルアセンブリのそれぞれは、それぞれの並置された組織接触面を画定し、該カートリッジアセンブリは、該アンビルアセンブリのステープル形成ポケットに押し当てて形成するための、該カートリッジアセンブリのステープルスロットの中に格納された複数のステープルを含み、外科用バットレスは、
本体部分であって、
任意の長さのカートリッジアセンブリに対する該カートリッジアセンブリの該ステープルスロットのすべての上に重なることと、
任意の長さのアンビルアセンブリに対する該アンビルアセンブリの該ステープル形成ポケットのすべての上に重なることと
のうちの少なくとも1つを行なうように構成され、かつ、寸法とされる、本体部分と、
該本体部分から延びるネック部分と、
該ネック部分に接続され、該本体部分の遠位端と相対するヘッド部分と
を含み、該本体部分は、少なくとも1対の相対する近位くぼみを画定し、該少なくとも1対の相対する近位くぼみのそれぞれは、該本体部分の近位エッジの近くの該本体部分の相対する横の側面に形成される、
外科用バットレス。
【0054】
(摘要)
第1の組織接触面を画定するカートリッジアセンブリと、第2の組織接触面を画定するアンビルアセンブリと、第1の組織接触面および第2の組織接触面のうち少なくとも1つに解放可能に固定された外科用バットレスとを含む外科用ステープリング装置が提供される。バットレスは、装填ユニットのアンビルとカートリッジとの両方に使用されるためにそろいのプロファイルを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
本開示は、添付の図面を参照してさらに説明され、図面においては、同様の参照番号は、幾つかの図面において同様部品を示す。
図1図1は、本開示の一実施形態による外科用ステープリング装置の斜視図である。
図2図2は、図1の外科用ステープリング装置のDLUの遠位端の上面、分解、斜視図である。
図3図3は、本開示の実施形態によるバットレスの上、平面図である。
図4図4は、図2のDLUのカートリッジの半断面の上面、斜視図である。
図5図5は、図2のDLUのカートリッジアセンブリの斜視図である。
図6図6は、図5のカートリッジアセンブリの遠位端の拡大斜視図である。
図7図7は、図5の詳細の示された領域の拡大図である。
図8図8は、図7の詳細の示された領域の拡大図である。
図9図9は、図2のDLUのアンビルアセンブリの斜視図であり、アンビルアセンブリに固定された図3のバットレスを示す。
図10図10は、図4〜8のDLUのカートリッジアセンブリおよび図9のDLUのアンビルアセンブリの平面であり、カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリの異なる取り付けポイントでの図3のバットレスの取り付けを示す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
外科用ステープリング装置の装填ユニットのアンビルおよびカートリッジに対する本開示のステープルライン補強の実施形態がここで、図面を参照して詳細に説明されるが、図面においては、同様の参照番号は、幾つかの図面の各々において同一または対応する要素を示す。図面および図面に続く説明において、用語「近位の」は、従来のとおり、オペレータに最も近いステープリング装置の端を指し、一方、用語「遠位の」は、オペレータから最も遠い装置の端を指す。
【0057】
図1をここで参照すると、直線状の外科用ステープリング装置が開示され、この装置は概ね10として参照される。簡潔さのために、本開示は、装填ユニット100、例えば1回だけ使用の装填ユニット(「SULU」)または使い捨ての装填ユニット(「DLU」)において利用されるバットレスに主として焦点を当てる。簡明さのために以後は、SULUまたはDLUは、「DLU」と称されるが、DLUまたはSULUのいずれかまたは両方を含むのと理解されるべきである。このタイプの外科用ステープリング器具の典型的な例は、米国特許第7,128,253号に開示されており、米国特許第7,128,253号の開示の全容は、本明細書に参考として援用されている。
【0058】
外科用ステープリング装置10は概ね、ハンドルアセンブリ12とハンドルアセンブリ12から遠位方向に延びる細長い本体14とを含む。DLU100は、細長い本体14の遠位端に解放可能に固定される。DLU100は、複数の外科用締め具またはステープル223(図2を参照)を収納するカートリッジアセンブリ200と、カートリッジアセンブリ200に対して可動的に固定されているアンビルアセンブリ300とを含む。ハンドルアセンブリ12は、固定ハンドル部材22と、可動ハンドル部材24と、バレル部分26とを含む。DLU100の関節運動を容易にするために、関節運動レバー30が、回転部材28の近くの、バレル部分26の前端に取り付けられる。1対のノブ32が、バレル部分26に沿って可動的に位置決めされる。ノブ32は、遠位方向に前進させられ、カートリッジアセンブリ200および/またはアンビルアセンブリ300を近づけるかまたは閉じ、近位方向に引き込められ、カートリッジアセンブリ200および/またはアンビルアセンブリ300を遠ざけるかまたは開く。可能ハンドル部材24の作動は、組織にステープル223のラインを適用する。ステープルされる組織に対してカートリッジアセンブリ200およびアンビルアセンブリ300を正しく配向するために、外科用ステープリング装置10には、バレル部分26の前端に回転部材28がさらに提供される。ステープルで留められる組織に対してカートリッジアセンブリ200およびアンビルアセンブリ300を正しく配向するために、ハンドルアセンブリ12に対する回転部材28の回転は、ハンドルアセンブリ12に対して細長い本体14および装填ユニット100を回転させる。
【0059】
図2に見られるように、カートリッジアセンブリ200は、細長い支持チャネル212を画定するキャリヤ210を含む。キャリヤ210の細長い支持チャネル212は、ステープルカートリッジ220をその中に選択的に受け入れるような大きさおよび構成とされる。ステープルカートリッジ220は、複数の締め具223およびプッシャ226を受け入れるためにそこに形成された保持スロット222を含む。複数の間隔を置いて離れた長手方向のスロットは、ステープルカートリッジ220を貫通し、作動スレッド228の直立したカムウエッジを収納する。中央の長手方向のスロット234は、ステープルカートリッジ220の全長に形成され、かつこれに沿って延び、駆動バー150のナイフブレードがそこを通ることを容易にする。外科用ステープラ10の動作の間、作動スレッド228は、ステープルカートリッジ220の中を通り、カムウエッジを前進させ、プッシャ226と順次接触させ、プッシャ226を保持スロット222内で垂直に動かし、そしてステープル223をスロット222からアンビルアセンブリ300のアンビルプレート310のステープル形成空洞の中に促す。
【0060】
図2に見られるように、カートリッジアセンブリ200は、外科用カートリッジバットレス500を含み、外科用カートリッジバットレス500は、縫合糸「S1、S2」によってステープルカートリッジ220の上面に動作可能に固定され、保持スロット222の少なくとも幾つかおよび/または長手方向のスロット234の全長の少なくとも一部分の上に重なる。第1の縫合糸「S1」は、遠位くぼみまたは取り付けポイント238の対のそれぞれの中を通り、かつカートリッジバットレス500の遠位部分の周り/上を通り、第2の縫合糸「S2」は、近位くぼみまたは取り付けポイント236の対のそれぞれの中を通り、かつカートリッジバットレス500の近位部分の周り/上を通る。各縫合糸「S1、S2」の第1の端は、近位および遠位くぼみまたは取り付けポイント236、238の対のそれぞれ一方のくぼみに固着または固定され得、一方、各縫合糸「S1、S2」の第2の端は、カートリッジバットレス500の遠位部分および近位部分をそれぞれ横切り、近位および遠位くぼみまたは取り付けポイント236、238の対のそれぞれ他方のくぼみに固着または固定される。図10に見られるように、カートリッジアセンブリ200は、遠位くぼみまたは取り付けポイント238の対と近位くぼみまたは取り付けポイント236の対との間に軸方向の距離「D1」を画定する。
【0061】
なおも図2を参照すると、アンビルアセンブリ300は、複数のステープル変形ポケット/空洞310a(図9を参照)を有するアンビルプレート310と、アンビルプレート310の上面に固定されたカバープレート320とを含む。アンビルアセンブリ300はナイフブレード330をさらに含み、ナイフブレード330は、アンビルプレート310とカバープレート320との間に画定された空洞内に動作可能に挿置される。
【0062】
アンビルプレート310は、近位くぼみまたは取り付けポイント316の対を画定し、近位くぼみまたは取り付けポイント316の対は、アンビルプレート310の近位端の近くに形成され、かつ長手方向のスロット314の両側にそれぞれ1つずつが配置される。アンビルプレート310は、遠位くぼみまたは取り付けポイント318の対を画定し、遠位くぼみまたは取り付けポイント318の対は、アンビルプレート310の遠位端の近くに形成され、かつ長手方向のスロット314の両側にそれぞれ1つずつが配置される。縫合糸「S」を摩擦係合する/または挟むために、近位くぼみまたは取り付けポイント316の対および遠位くぼみまたは取り付けポイント318の対のそれぞれのうち少なくとも1つのくぼみは、束縛プロファイルを有するスロットまたはノッチの形である。アンビルアセンブリ300は、外科用アンビルバットレス500をさらに含み、外科用アンビルバットレス500は、縫合糸「S3、S4」によって、アンビルプレート310の下面に動作可能に固定され、アンビルポケット310aの少なくとも幾つかおよび/または長手方向のスロット314の全長の少なくとも一部分の上に重なる。
【0063】
なおも図2を参照すると、アンビルバットレス500は、縫合糸「S3、S4」によって、アンビルプレート310の下面に固定され、アンビルポケットの少なくとも幾つかおよび/または長手方向のスロット314の全長の少なくとも一部分の上に重なる。特に、アンカ「S3」は、アンビルバットレス500の遠位部分、およびくぼみまたは取り付けポイント318の対応する遠位の対のそれぞれを横切り、アンカ「S4」は、アンビルバットレス500の近位部分、および対応する近位くぼみまたは取り付けポイント316の対のそれぞれを横切る。図10に見られるとおり、アンビルアセンブリ300は、遠位くぼみまたは取り付けポイント318の対と近位くぼみまたは取り付けポイント316の対との間に軸方向の距離「D2」を画定する。
【0064】
外科用ステープリング装置10、カートリッジアセンブリ200および/またはアンビルアセンブリ300の構成および動作についての詳細な論議に関しては、2008年12月23日に出願され、その全容が本明細書に参考として援用された米国特許出願第12/342,400が参照され得る。
【0065】
カートリッジアセンブリ200およびアンビルアセンブリ300のそれぞれに対するバットレス500が、外科用ステープリング装置10によって組織に与えられるラインを補強しかつ封鎖するために提供される。外科用ステープリング装置10が患者の身体内に挿入されかつ操作されるとき、それぞれのバットレスが裂けたりしわが寄ったりする危険なく外科用ステープリング装置10が患者の身体の中を通ることを容易にするために、カートリッジアセンブリ200およびアンビルアセンブリ300は、外科用バットレス500が、カートリッジアセンブリ200およびアンビルアセンブリ300の内向きの面に位置決めされることが可能となるように特に構成される。バットレスが形成される材料は、生体吸収性または生体非吸収性であり得る。バットレス材料を形成するために、天然の、合成の、生体吸収性のおよび生体非吸収性の材料の任意の組み合わせが使用され得ることが理解されるべきである。バットレス材料は、多孔性または非多孔性の層、多孔性および非多孔性の層の組み合わせであり得る。非多孔性バットレス材料は、周囲の組織からの組織内部成長を遅らせるかまたは妨げ、それによって癒着バリアとして作用し、不要な瘢痕組織の形成を防止するために利用され得る。
【0066】
本明細書に開示された外科用ステープリングデバイスとの使用のための外科用バットレス500のさらなる例示的材料は、同一人に譲渡された米国特許第5,542,594号;第5,908,427号;第5,964,774号;および第6,045,560号、ならびに同一人に譲渡され、2006年4月20日に出願された米国出願公開第2006/0085034号;および2006年6月22日に出願された第2006/0135992号に述べられており、それぞれの全容が本明細書に参考として援用されている。
【0067】
一実施形態において、外科用バットレス500は、適切な、生体適合性がありかつ生体吸収性のある材料から作成され得る。外科用バットレス500は、流体を保持しない非吸収性材料からも作成され得、例えば、外科用バットレス500は、「BIOSYNTM」(Tyco Healthcare Group、LP d/b/a COVIDIEN,North Haven、CTから商業的に入手可能な合成ポリエステル)から作成され得、「BIOSYNTM」は、「GLYCOMER631」(ブロックコポリマー)から作られ、「GLYCOMER631」は、グリコリド、ジオキサノンおよびトリメチレンカーボネートから構成される合成ポリエステルである。
【0068】
結果として生じるコポリマーの1つのブロックは、p−ジオキサノン(1,4−ジオキサン−2−オン)およびトリメチレンカーボネート(1,3−ジオキサン−2−オン)に由来するランダムに組み合わされた単位を含む。コポリマーの第2のブロックは、グリコリドおよびp−ジオキサノンに由来するランダムに組み合わされた単位を含む。結果として生じるポリエステルは、約60%グリコリド、約14%ジオキサノン、および約26%トリメチレンカーボネートを有するABAトリブロックターポリマーである。
【0069】
アンビルバットレスおよび/またはカートリッジバットレス500は、アンビルアセンブリ300またはカートリッジアセンブリ200の上に予め(すなわち、製造業者から)装填され得る。アンビルアセンブリ300および/またはカートリッジアセンブリ200に対するさらなるまたは取替えのバットレス500が、必要に応じてまたは望みに応じて、アンビルアセンブリ300またはカートリッジアセンブリ200のいずれかに固定され得る。
【0070】
動作において、DLU100が外科用ステープリング装置10の細長い本体14の遠位端に結合された状態で、かつアンビルおよびカートリッジバットレス500がアンビルアセンブリ300およびカートリッジアセンブリ200に予め装填された状態で、外科用ステープリング装置は、当業者に公知の方法に従って使用される。一旦アンビルアセンブリ300およびカートリッジアセンブリ200が組織に対して締め付けられると、外科用ステープリング装置10が発射される。外科用ステープリング装置10を発射する際に、駆動バー150が、DLU100の最も近位の位置から最も遠位の位置へと前進させられる。そのようにする際に、駆動バー150のナイフブレード156がバットレス500のノッチ528に入り、それによってバットレス500の分割を容易にし、かつブレード156によってバットレス500を押したりまたは丸めたりする事象を低減する。駆動バー150が遠位方向に移動し始めると、ナイフブレード156が実質的に同時に、アンビルアセンブリ300およびカートリッジアセンブリ200の近位アンカ「S2、S4」の中央部分を切り進み、それによってアンビルおよびカートリッジバットレス500の近位端をそこから自由にする。ナイフブレード156が遠位方向に動かされると、ナイフブレード156は、アンビルバットレス500とカートリッジバットレス500との両方を長手方向にスライスしまたは切り、それによって実質的に半分にバットレス500を分割する。
【0071】
さらに、駆動バー150が最も遠位の位置に近づくと、2008年12月23日に出願されその全容が本明細書に参考として援用されている米国特許出願第12/342,400に記述されているように、駆動バー150および/またはナイフブレード156は、縫合糸切断アセンブリまたは縫合糸解放アセンブリと係合し、それによって遠位の縫合糸「S1またはS3」を切断または解放し、したがってバットレス500の遠位端を解放する。
【0072】
図3を参照すると、本開示によるそろいのプロファイルを有する外科用バットレス500の実施形態が例示される。バットレス500は、ヘッド部分510と、本体部分520と、ヘッド部分510と本体部分520とを相互に接続するネック部分530とを含む。
【0073】
上述されたように、バットレス500は、任意の大きさのアンビルアセンブリ300および/またはカートリッジアセンブリ200に取外し可能に固定されるように構成される。バットレス500の本体部分520は、その遠位位置522の近くの横方向のエッジにおいて、1対の相対する遠位くぼみ524を画定する。この1対の相対する遠位くぼみ524は、アンビルアセンブリ300および/またはカートリッジアセンブリ200の遠位端に本体部分520を、縫合糸「S1またはS3」の使用または任意の他のタイプの締め付、例えばステープルの使用によって、固定するために利用され得る。様々な形状を有する様々なタイプのアンビルおよびカートリッジアセンブリに対して適切であるように、本体部分520の遠位部分522は、例えば角付、弓形など、低減された横方向の断面寸法を有する。
【0074】
バットレス500の本体部分520は、その近位端の近くに形成された二対の相対する近位くぼみ526a、526bをさらに画定する。近位くぼみ526a、526bの対のそれぞれは、本体部分520の近位エッジの近くの横側に配置される。かかる近位くぼみ526a、526bは、バットレス500をアンビルアセンブリ300および/またはカートリッジアセンブリ200の近位端に取外し可能に固定するために役立つ。様々なタイプのプロファイルを収容するために、バットレス500の本体部分520には、好ましくは二対の相対するくぼみ、第1の近位の対526aおよび第2の近位の対526b(第1の近位の対526aの遠位に位置する)、が提供されている。近位くぼみ526a、526bの対のそれぞれは、実質的にv型のプロファイルを有しているが、他の形状も想定されている。
【0075】
詳細には、バットレス500が比較的長いアンビルアセンブリ300および/またはカートリッジアセンブリ200に対して使用されるとき、縫合糸「S2またはS4」は、バットレス500の本体部分520の近位端を横切って延び、バットレス500の最も近位のくぼみの対526aの中を通り、アンビルアセンブリ300のくぼみ316および/またはカートリッジアセンブリ200のくぼみ236それぞれに固定される。さらに、バットレス500が比較的短いアンビルアセンブリ300および/またはカートリッジアセンブリ200に対して使用されるとき、縫合糸「S2またはS4」は、バットレス500の本体部分520の近位端を横切って延び、バットレス500の近位くぼみの対のうちの遠位の対526bの中を通り、アンビルアセンブリ300のくぼみ316および/またはカートリッジアセンブリ200のくぼみ236それぞれに固定される。
【0076】
本開示の別の局面に従い、単一のプロファイルまたは構成のバットレス500が、カートリッジアセンブリ200および/またはアンビルアセンブリ300と共に使用され得る。例えば、カートリッジアセンブリ200およびアンビルアセンブリ300と共に使用されるバットレス500はそれぞれ、同じ全長、幅、厚さ、外辺プロファイルおよび構成材料を有し得る。
【0077】
詳細には、図10に見られるように、バットレス500がカートリッジアセンブリ200と共に使用されるとき、縫合糸「S1」は、カートリッジアセンブリ200の遠位端部分を横切って延び得、カートリッジアセンブリ200の遠位くぼみまたは取り付けポイント238の対に捕捉または固定され得るが、ここで縫合糸「S1」は、バットレス500の固定本体部分520の遠位くぼみ524と位置が揃っている。さらに、バットレス500がカートリッジアセンブリ200と共に使用されるとき、縫合糸「S2」は、カートリッジアセンブリ200の近位端部分を横切って延び得、カートリッジアセンブリ200の近位くぼみまたは取り付けポイント236の対のそれぞれに捕捉または固定され得るが、ここで「S2」は、バットレス500の本体部分520の近位くぼみの対のうち最も近位の対526aと位置が揃っている。
【0078】
図10を引き続き参照すると、バットレス500がアンビルアセンブリ300と共に使用されるとき、縫合糸「S3」は、アンビルアセンブリ300の遠位端部分を横切って延び得、アンビルアセンブリ300の遠位くぼみまたは取り付けポイント318の対に捕捉または固定され得るが、ここで縫合糸「S3」は、バットレス500の固定本体部分520の遠位くぼみ524と位置が揃っている。さらに、バットレス500がアンビルアセンブリ300と共に使用されるとき、縫合糸「S4」は、アンビルアセンブリ300の近位端部分を横切って延び得、アンビルアセンブリ300の近位くぼみまたは取り付けポイント316の対のそれぞれに捕捉または固定され得るが、ここで「S4」は、バットレス500の本体部分520の近位くぼみの対のうち遠位の対526bと位置が揃っている。
【0079】
ネック部分530は、ヘッド部分510を本体部分520の遠位端に接続する。概して、ヘッド部分510は、実質的に長方形であり、このヘッド部分510は、アンビルアセンブリ300および/またはカートリッジアセンブリ200の上にバットレス500を正しく配置することを容易にするためのタブとして使用される。アンビルアセンブリ300および/またはカートリッジアセンブリ200の上にバットレス500を配置したあと、ヘッド部分510およびネック部分530は、本体部分520から裂かれるかまたは切取られ得る。特定の実施形態において、ネック部分は、この目的のためにミシン目を有し得る。
【0080】
本体部分520は、その近位エッジにノッチ528をさらに含む。ノッチ528は、長手方向の軸に対して実質的に中央に置かれる。三角またはv型の構成(他の形状が想定されているが)を有するノッチ528は、外科用カートリッジバットレス500の切断の間、ナイフに対する引込みを提供するために利用され得る。
【0081】
1つ以上の様々なアセンブリの要件を同時に満足するそろいのプロファイルのバットレス500は、組立て工程を簡略化し、独特な構成要素の総数を最小限とし、かつそれらに関連する組立てコストを低減するという利点を提供する。
【0082】
さらに、バットレス500は、カートリッジアセンブリ200および/またはアンビルアセンブリ300の上で、またはこれらと共に使用され得る。この態様で、単一プロファイルのバットレス500は、カートリッジアセンブリ200および/またはアンビルアセンブリ300に対して製造、使用される。かくして、バットレス500に対する製造および格納コストは低減され得る。
【0083】
上述のとおり、DLU100は、アンビルアセンブリ300およびカートリッジアセンブリ200の上に予め装填されたアンビル外科用バットレス500と、カートリッジ外科用バットレス500とを含む。アンビルアセンブリ300および/またはカートリッジアセンブリ200にバットレス500を装填する例示的な方法がここで記述される。
【0084】
DLU100の製造工程および/または組立て工程の間、アンビルアセンブリ300および/またはカートリッジアセンブリ200にバットレス500を装填することは、バットレスのノッチ528がアンビルアセンブリ300および/またはカートリッジアセンブリ200の近位端の近くに配置され、かつバットレス500のヘッド部分510がアンビルアセンブリ300および/またはカートリッジアセンブリ200の遠位端から延びるように、アンビルアセンブリ300および/またはカートリッジアセンブリ200の組織接触面の上にバットレス500を配置することを含む。バットレス500がアンビルアセンブリ300および/またはカートリッジアセンブリ200に対してこのように位置決めされた状態で、近位の縫合糸「S2」および/または「S4」が下方へ引かれる。次に、ヘッド部分510を引くことによって、張力が遠位方向にバットレス500に与えられる。次に、遠位の縫合糸「S1」および/または「S3」が下方へ引かれる。このとき、すべての縫合糸「S1〜S4」が、アンビルアセンブリ300および/またはカートリッジアセンブリ200の取り付けポイント316、318、236、238において締められる。縫合糸「S1〜S4」の締め付けのあと、バットレス500のヘッド部分510が解放され得る。次に、DLU100がネスティング(nesting)から除去され得、そしてバットレス500のヘッド部分510およびネック部分530が本体部分520から除去または切断され得る。
【0085】
本開示は、バットレスを形成する方法も想定する。バットレスは、適切な、生体適合性材料または生体適合性がありかつ生体吸収性のある材料から形成される。特定の好ましい実施形態においては、バットレスはそれぞれ、流体を保持しない非吸収性材料から作成される。特定の実施形態におけるバットレスはそれぞれ、「BIOSYN」から作成され、「BIOSYN」は、GLYCOMER631(ブロックコポリマー)から作られ、GLYCOMER631は、グリコリド、ジオキサノンおよびトリメチレンカーボネートから構成される合成ポリエステルである。結果として生じるコポリマーの1つのブロックは、p−ジオキサノン(1,4−ジオキサン−2−オン)およびトリメチレンカーボネート(1,3−ジオキサン−2−オン)に由来するランダムに組み合わされた単位を含む。コポリマーの第2のブロックは、グリコリドおよびp−ジオキサノンに由来するランダムに組み合わされた単位を含む。結果として生じるポリエステルは、約60%グリコリド、約14%ジオキサノン、および約26%トリメチレンカーボネートを有するABAトリブロックターポリマーである。
【0086】
本明細書に開示された外科用ステープリングデバイスとの使用のための例示的な外科用バットレス「B」が、同一人に譲渡された米国特許第5,542,594号;第5,908,427号;第5,964,774号;および第6,045,560号、ならびに同一人に譲渡され、2006年4月20日に出願された米国出願第2006/0085034号;および2006年6月22日に出願された第2006/0135992号に示され、記述されており、これらそれぞれの全容が本明細書に参考として援用されている。
【0087】
バットレスの形状は、生体適合性材料のシートを形成して所望の形状をこのシートに切ることによって形成され得る。バットレスは、所望の形状に成形されもし得る。特定の実施形態において、生体適合性材料のシートが形成され、次にプロファイルまたは形状がローラダイセット(roller die sets)を使用してシートから切り取られる。バットレスを形成する方法は、バットレス材料のシートがツールの1つの側を通して供給されるステップ;ツールは、正確な所望のプロファイルをその上に有するローラダイセットを有するステップ;ダイセットが、バットレス材料のシート上に正確なプロファイルを型押しするステップ;バットレス材料のシートが第2の側からツールの外に出るように、プロファイルはなおも、バットレス材料のシートにゆるく接続されているステップ、に従い得る。次に、所望のプロファイルを有するバットレスが、バットレス材料のシートから引き取られるが、これは、手動で行われ得る。
【0088】
上述の実施形態では、外科用バットレスをアンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリの組織接触面から切断かつ開放するための可動ナイフブレードの使用を組み込む外科用ステープラが、内視鏡的外科用ステープラに関して示され、記述されたが、上述の実施形態のうちの任意のものが、例えば直線状の外科用ステープラおよび横方向の外科用ステープラを含むがこれらに限定されない任意のタイプの外科用ステープラの中に組み込まれ得ることが想定されており、本開示の範囲内である。
【0089】
さらに、バットレス500をアンビルアセンブリ300および/またはカートリッジアセンブリ200に固定するものとして、遠位および近位の縫合糸だけが示され、記述されたが、任意の数の横方向の縫合糸が、アンビルアセンブリおよび/またはカートリッジアセンブリのある長さに沿って提供され、その長さに沿うバットレス500の固定を補佐し得ることが想定されている。
【0090】
本明細書に開示された実施形態に対しては、様々な変更が加えられ得ることが理解される。例えば、ステープリング装置はステープルを使用する必要はなく、当該技術分野で公知であるような2部締め具を使用し得る。さらに、ステープルまたは締め具の直線状の列の長さは、特定の外科処置の要件を満たすように変更され得る。このように、作動シャフトの1回のストロークの長さならびに/または使い捨て装填ユニット内でのステープルおよび/もしくは締め具の直線状の列の長さは、しかるべく変更され得る。したがって、上述は、限定するものとして解釈されるべきではなく、好ましい実施形態の単なる例として解釈されるべきである。当業者は、添付された請求項の範囲および精神内で他の変更を想定する。
【符号の説明】
【0091】
10 外科用ステープリング装置
12 ハンドルアセンブリ
14 細長い本体
22 固定ハンドル部材
24 可動ハンドル部材
26 バレル部分
28 回転部材
30 関節運動レバー
32 ノブ
100 装填ユニット
200 カートリッジアセンブリ
300 アンビルアセンブリ
500 外科用カートリッジバットレス、外科用アンビルバットレス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10