(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について
図1〜
図6に従って説明する。
図1に示すように、ブラシレスモータ1のモータケース2は、有底筒状に形成されたケースハウジング3と、同ケースハウジング3のフロント側の開口部を閉塞するフロントカバー4とを有している。ケースハウジング3の内周面にはステータ5が固定されている。ステータ5のステータコア6は、鋼板よりなるステータコア片6aを複数積層して形成されている。
【0013】
ステータ5の内側には、
図1に示すように、ロータ8が配設され、回転軸10に貫挿固着されている。回転軸10は、本実施形態では非磁性体の金属のシャフトであって、ケースハウジング3の底部及びフロントカバー4に設けられた軸受け12,13により回転可能に支持されている。回転軸10に固着されたロータ8は、ランデル型構造のロータである。
【0014】
ロータ8は、
図2に示すように、周方向に複数の第1爪状磁極20を有する第1ロータコア21と、同第1ロータコア21と相対向して配置され、周方向に前記第1爪状磁極20間に配置される複数の第2爪状磁極30を有する第2ロータコア31と、第1ロータコア21と第2ロータコア31との間に配設される環状磁石41(
図3及び
図5参照)を備えている。
【0015】
(第1ロータコア21)
第1ロータコア21は、
図3に示すように、鋼板よりなるロータコア片PC1(
図1、2、4においては図示略)が複数積層されて形成された第1コアベース22を有し、回転軸10に固着されている。
【0016】
その第1コアベース22の外周面22aには等間隔に7個の第1アーム部23が径方向に延出形成されている。各第1アーム部23の先端部には軸方向であって第2ロータコア31に向かって第1爪状磁極20が延出形成されている。各第1爪状磁極20は、第2ロータコア31側の鋼板よりなるロータコア片PC1のみを、その形状を変え外周に第1アーム部23から第1爪状磁極20を相当する部位を延出し、プレス機等で折り曲げて形成されている。
【0017】
この第1爪状磁極20の周方向の幅は、隣り合う第1爪状磁極20との間隔に比べて小さくなるように形成されている。これによって、第1コアベース22には、周方向に、第1爪状磁極20が軸方向に向かって櫛歯状に配置される。
【0018】
各第1爪状磁極20は、軸方向から見ると扇状に形成され、各第1爪状磁極20の外周面20a及び内周面20bは第1コアベース22と同心円となる。第1爪状磁極20の内周面20bの内径は、第1アーム部23の長さ分だけ第1コアベース22に外径に比べて長くなっている。そして、各第1爪状磁極20は、
図3において、その周方向の時計回りの第1側面20c及び反時計回りの第2側面20dは平面であって回転軸10の中心軸線Cと直交するようになっている。従って、各第1爪状磁極20は、
図4に示すように、径方向から見ると軸方向に長い長方形状となる。
【0019】
(第2ロータコア31)
第2ロータコア31は、
図3に示すように、第1ロータコア21と同一形状であって、鋼板よりなるロータコア片PC2(
図1、2、4においては図示略)が複数積層されて形成された第2コアベース32を有し、回転軸10に固着されている。
【0020】
その第2コアベース32の外周面32aには等間隔に7個の第2アーム部33が径方向に延出形成されている。各第2アーム部33の先端部には軸方向であって第1ロータコア21に向かって第2爪状磁極30が延出形成されている。各第2爪状磁極30は、第1ロータコア21側の鋼板よりなるロータコア片PC2のみを、その形状を変え外周に第2アーム部33から第2爪状磁極30を相当する部位を延出し、プレス機等で折り曲げて形成されている。
【0021】
この第2爪状磁極30の周方向の幅は、隣り合う第2爪状磁極30との間隔に比べて小さくなるように形成されている。これによって、第2コアベース32には、周方向に、第2爪状磁極30が軸方向に向かって櫛歯状に配置される。
【0022】
また、各第2爪状磁極30は、軸方向からの平面視で扇状に形成され、各第2爪状磁極30の外周面30a及び内周面30bは第2コアベース32と同心円となる。そして、第2爪状磁極30の内周面30bの内径は、第2アーム部33の長さ分だけ第2コアベース32に外径に比べて長くなっている。そして、各第2爪状磁極30は、
図3において、その周方向の時計回りの第1側面30c及び反時計回りの第2側面30dは平面であって回転軸10の中心軸線Cと直交するようになっている。従って、各第2爪状磁極30は、
図4に示すように、径方向から見ると軸方向に長い長方形状となる。
【0023】
しかも、各第2爪状磁極30の時計回りの第1側面30cは、それぞれ相対向する各第1爪状磁極20の時計回りの第1側面20cと平行に対峙する。同様に、各第2爪状磁極30の反時計回りの第2側面30dは、それぞれ相対向する各第1爪状磁極20の反時計回りの第2側面20dと平行に対峙する。
【0024】
第2ロータコア31は、第1ロータコア21と、
図5に示すように、環状磁石41を挟んで重ね合わされる。詳述すると、第2ロータコア31は、軸方向に延びた各第2爪状磁極30が、第1ロータコア21の各第1爪状磁極20の間にそれぞれ嵌合するように、第1ロータコア21に対して、重ね合わされる。このとき、第1及び第2爪状磁極20,30の周方向の幅は、それぞれ隣り合う第1及び第2爪状磁極20,30の周方向の間隔よりも小さいため、隣り合う第1爪状磁極20と第2爪状磁極30の周方向の両側面が離間されるようになっている。
【0025】
また、第1ロータコア21と第2ロータコア31が環状磁石41を介して挟持固定されている状態で、第1爪状磁極20の先端面20eは第2コアベース32の反対向面32cと、第2爪状磁極30の先端面30eは第1コアベース22の反対向面22cとそれぞれ同一平面上にあるように形成されている。
【0026】
(環状磁石41)
図3及び
図5に示すように、第1ロータコア21と第2ロータコア31の間に挟持された環状磁石41は、軸方向の両側面41a,41bが第1及び第2コアベース22,32の対向面22b,32bに当接されている。環状磁石41の外周面41cは、第1及び第2コアベース22,32の外周面22a,32aと中心軸線Cを中心とした同心円で形成され、その環状磁石41の外径は第1及び第2コアベース22,32の外径と同一となるように形成されている。
【0027】
環状磁石41は、軸方向に磁化され、第1コアベース22側をN極、第2コアベース32側をS極となるように磁化されている。従って、この環状磁石41によって、第1ロータコア21の各第1爪状磁極20はN極(第1の磁極)として機能し、第2ロータコア31の各第2爪状磁極30は、S極(第2の磁極)として機能する。
【0028】
(第1及び第2極間磁石43,44)
第1爪状磁極20の第1側面20cと第2爪状磁極30の第1側面30cとの間には、軸方向に長い四角柱状の第1極間磁石43がそれぞれ挟持固着されている。各第1極間磁石43は、周方向に磁化され、N極として機能している第1爪状磁極20側を同極のN極となるように、また、S極として機能している第2爪状磁極30側を同極のS極となるようにそれぞれ磁化されている。
【0029】
一方、第1爪状磁極20の第2側面20dと第2爪状磁極30の第2側面30dとの間には、軸方向に長い四角柱状の第2極間磁石44がそれぞれ挟持固着されている。各第2極間磁石44は、周方向に磁化され、N極として機能している第1爪状磁極20側を同極のN極となるように、また、S極として機能している第2爪状磁極30側を同極のS極となるようにそれぞれ磁化されている。
【0030】
つまり、第1極間磁石43と第2極間磁石44は、その磁化方向が周方向において逆方向に磁化されている。
(内側補助磁石46)
環状磁石41の内側には、
図3及び
図5に示すように、円筒形状の内側補助磁石46が設けられている。内側補助磁石46は、外周面46aが環状磁石41の内周面41dに固着されているとともに、内周面46bが回転軸10に固着されている。内側補助磁石46は、軸方向が環状磁石41よりも長く、第1及び第2コアベース22,32の対向面22b,32bの軸芯側に形成した環状凹部H1,H2に嵌合固着されている。内側補助磁石46は、軸方向に磁化され、第1ロータコア21(第1コアベース22)側をN極、第2ロータコア31(第2コアベース32)をS極となるように磁化されている。
【0031】
(外側補助磁石47)
環状磁石41の外周面41cと、第1及び第2爪状磁極20,30の内周面20b,30bの基端部との間には、
図3及び
図5に示すように、同環状磁石41の軸方向の長さと同じに形成されたリング形状の外側補助磁石47が設けられている。外側補助磁石47は、外周面47aが第1及び第2爪状磁極20,30の内周面20b,30bと固着されているとともに、内周面47bが環状磁石41の外周面41cと固着されている。
【0032】
外側補助磁石47は、軸方向に磁化され、第1ロータコア21(第1コアベース22)側をN極、第2ロータコア31(第2コアベース32)側をS極となるように磁化されている。また、外側補助磁石47の起磁力は、第1及び第2極間磁石43,44の起磁力に比べて大きくしている。
【0033】
次に、上記のように構成した第1実施形態の作用効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、複数の第1爪状磁極20を有した第1ロータコア21と複数の第2爪状磁極30を有した第2ロータコア31との間に環状磁石41を配置した状態で、第1ロータコア21に対して、第2ロータコア31を、各第2爪状磁極30をそれぞれ対応する各第1爪状磁極20間に配置した。そして、第1爪状磁極20と第2爪状磁極30との間に、第1及び第2爪状磁極20,30と同極極となるように磁化された第1及び第2極間磁石43,44を設けた。
【0034】
従って、環状磁石41によって、ロータ8内に界磁巻線が無くすことができ、それに伴って、モータ1内に界磁巻線に電力を供給する電力供給装置が不要となることから、ブラシレスモータ1全体が小型になるとともに、安価に製造できる。
【0035】
しかも、第1及び第2極間磁石43,44によって、第1ロータコア21の各第1爪状磁極20と第2ロータコア31の各第2爪状磁極30との間の漏れ磁束を減らすことができ、環状磁石41の磁束をブラシレスモータ1の出力に有効に利用することができる。
【0036】
さらに、第1及び第2爪状磁極20,30間に、第1及び第2極間磁石43,44を配置したため、第1及び第2爪状磁極20,30は第1及び第2極間磁石43,44にて強固に支持固定された状態となるため、第1及び第2爪状磁極20,30の数を簡単な構造で増やすことができ、多極化が可能となる。
【0037】
(2)上記実施形態によれば、環状磁石41の内側に、第1ロータコア21(第1コアベース22)側をN極に、第2ロータコア31(第2コアベース32)側をS極に磁化した内側補助磁石46を設けた。従って、環状磁石41の内径側の第1コアベース22から回転軸10を介して第2コアベース32を経由する
図6に示す短絡磁束φ1が、この内側補助磁石46によって減少し、環状磁石41の磁束を有効利用することができ、ブラシレスモータ1の出力を向上させることができる。
【0038】
また、内側補助磁石46の軸方向の長さを、環状磁石41よりも長くし、第1及び第2コアベース22,32内まで、内側補助磁石46を配置した。従って、内径側の短絡磁束φ1(トルクを発生させない軸方向短絡磁束)をさらに減少させることができ、環状磁石41の磁束をブラシレスモータ1の出力に有効に利用することができる。
【0039】
さらに、回転軸10は、非磁性体の金属シャフトで形成されているため、内径側の短絡磁束φ1をさらに減少させることができる。
(3)上記実施形態によれば、環状磁石41の外周面41cと第1及び第2爪状磁極20,30の基端内周面20b,30bとの間に、第1及び第2アーム部23,33を覆うように、第1ロータコア21側をN極に第2ロータコア31側をS極に磁化した外側補助磁石47を設けた。従って、環状磁石41の外径側の第1コアベース22から第2コアベース32を経由する
図6に示す短絡磁束φ2(トルクを発生させない軸方向短絡磁束)が、この外側補助磁石47によって減少し、磁束を有効利用することができ、ブラシレスモータ1の出力を向上させることができる。
【0040】
(4)上記実施形態によれば、第1及び第2爪状磁極20,30は、径方向から見て軸方向に長い長方形状であって、各第1爪状磁極20の第1側面20cと各第2爪状磁極30の第1側面30c、及び、各第1爪状磁極20の第2側面20dと各第2爪状磁極30の第2側面30dを、平行に対峙するようにそれぞれ形成した。
【0041】
従って、第1及び第2極間磁石43,44は、軸方向に長い四角柱形状の安価に形成できる磁石を用いることができる。
(5)また、上記実施形態によれば、第1及び第2極間磁石43,44を、例えばフェライト磁石で形成し、環状磁石41を、例えばネオジ磁石で形成して、漏れ磁束を減らすだけの第1及び第2極間磁石43,44の起磁力を、環状磁石41の起磁力よりも小さくすることで、低コスト化が図れる。
【0042】
(6)また、上記実施形態によれば、第1及び第2爪状磁極20,30を、第1及び第2ロータコア21,31を形成する鋼板よりなるロータコア片PC1,PC2の一部を折り曲げて形成した。
【0043】
従って、第1及び第2爪状磁極20,30の製法が簡単で短時間で製作でき、コストの低減を図ることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を
図7、
図8に従って説明する。
【0044】
本実施形態は、第1実施形態で示した外側補助磁石47の磁化方法が相違する。そのため、説明の便宜上、相違する外側補助磁石の部分について詳細に説明し、その他、第1実施形態と共通部分は符号を同じにして詳細な説明は省略する。
【0045】
図7に示すように、外側補助磁石50は、周方向にN極、S極が交互に磁化されている。そして、
図8に示すように、外側補助磁石50は、軸方向の長さが環状磁石41と同じであって、その内周面50aが環状磁石41の外周面41cと、外周面50bが第1及び第2爪状磁極20,30の内周面20b,30bに固着されている。
【0046】
そして、周方向にN極、S極が交互に磁化され外側補助磁石50は、外周面でN極に磁化されたN極部分51が、第1ロータコア21のN極として機能している第1爪状磁極20の内周面20bの基端部に固着し、外周面でS極に磁化されたS極部分52が、第2ロータコア31のS極として機能している第2爪状磁極30の内周面30bの基端部に固着するようになっている。
【0047】
次に、上記のように構成した第2実施形態の作用効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、環状磁石41の外周側に、周方向にN極、S極が交互に磁化された環状の外側補助磁石50を設置した。
【0048】
そして、外側補助磁石50のN極に磁化されたN極部分51を、同極の第1爪状磁極20の内周面20bに当接し、外側補助磁石50のS極に磁化されたS極部分52を、同極の第2爪状磁極30の内周面30bに当接した。
【0049】
従って、外側補助磁石50は、環状磁石41の短絡磁束を抑制するとともに、外側補助磁石50の磁束をブラシレスモータ1の出力に有効に利用することができる。
(2)また、上記第2実施形態によれば、第1実施形態の作用効果で説明した(1)(2)(4)〜(6)と同様な作用効果を得ることができる。
【0050】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を
図9〜
図12に従って説明する。
本実施形態は、第1実施形態で示した第1及び第2極間磁石43,44と外側補助磁石47の構成が相違する。そのため、説明の便宜上、相違する第1及び第2極間磁石と外側補助磁石の部分について詳細に説明し、その他、第1実施形態と共通部分は符号を同じにして詳細な説明は省略する。
【0051】
図9、
図10に示すように、第1爪状磁極20の第1側面20cと第2爪状磁極30の第1側面30cとの間に挟持固着されていた各第1極間磁石43は、径方向に第1及び第2コアベース22,32の外周面22a,32aに当接するまで延出形成されている。
【0052】
また、第1爪状磁極20の第2側面20dと第2爪状磁極30の第2側面30dとの間に挟持固着されていた各第2極間磁石44は、径方向に第1及び第2コアベース22,32の外周面22a,32aに当接するまで延出形成されている。
【0053】
そして、第1及び第2極間磁石43,44を形成することで、第2爪状磁極30、第2アーム部33(
図11参照)、環状磁石41(
図11参照)、第1コアベース22、第1及び第2極間磁石43,44にて囲まれ、第1ロータコア21側が開口した空間が形成される。その空間内には、
図9に示すように、第1背面補助磁石61がそれぞれ嵌合固着される。
【0054】
第1背面補助磁石61は、径方向に磁化され、第2爪状磁極30の内周面30bに当接する側を、第2爪状磁極30と同極のS極に、第1コアベース22に当接する側を同第1コアベース22と同極のN極となるように磁化されている。
【0055】
同様に、第1爪状磁極20、第1アーム部23(
図11参照)、環状磁石41(
図11参照)、第2コアベース32、第1及び第2極間磁石43,44にて囲まれ、第2ロータコア31側が開口した空間が形成される。その空間内には、
図10に示すように、第2背面補助磁石62がそれぞれ嵌合固着されている。
【0056】
第2背面補助磁石62は、径方向に磁化され、第1爪状磁極20の内周面20bに当接する側を、第1爪状磁極20と同極のN極に、第2コアベース32に当接する側を同第2コアベース32と同極のS極となるように磁化されている。
【0057】
つまり、第1コアベース22の部分A1(
図9参照)は、
図12(a)に示すように、ステータ5側がS極の第1背面補助磁石61として機能する第2爪状磁極30と、第1背面補助磁石61によってN極の突極として機能する第1爪状磁極20とが、周方向に交互に配置された所謂コンシクエントポール構造のロータを形成する。
【0058】
また、第2コアベース32の部分A3(
図9参照)は、
図12(c)に示すように、ステータ5側がN極の第2背面補助磁石62として機能する第1爪状磁極20と、第2背面補助磁石62によってS極の突極として機能する第2爪状磁極30とが、周方向に交互に配置された所謂コンシクエントポール構造のロータを形成する。
【0059】
さらに、環状磁石41の部分A2(
図9参照)は、
図12(b)に示すように、第1背面補助磁石61によってステータ5側がN極として機能する第1爪状磁極20と、第2背面補助磁石62によってステータ5側がS極として機能する第2爪状磁極30とが、周方向に交互に配置されたランデル型構造となる。
【0060】
次に、上記のように構成した第3実施形態の作用効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、第2爪状磁極30、第2アーム部33、環状磁石41、第1コアベース22、第1及び第2極間磁石43,44にて囲まれ、第1ロータコア21側が開口した空間を形成し、その空間に、第1背面補助磁石61を嵌合固着した。第1背面補助磁石61は、径方向に磁化され、第2爪状磁極30に当接する側を、同第2爪状磁極30と同極のS極に、第1コアベース22に当接する側を同第1コアベース22と同極のN極となるように径方向に磁化した。
【0061】
従って、第1コアベース22の部分A1が、第1背面補助磁石61によってコンシクエントポール構造なり、環状磁石41の短絡磁束をさらに抑制でき、しかも、同第1背面補助磁石61の磁束を、ブラシレスモータ1の出力に対してより有効に利用することができる。
【0062】
(2)上記実施形態によれば、第1爪状磁極20、第1アーム部23、環状磁石41、第2コアベース32、第1及び第2極間磁石43,44にて囲まれ、第2ロータコア31側が開口した空間を形成し、その空間に、第2背面補助磁石62を嵌合固着した。第2背面補助磁石62は、径方向に磁化され、第1爪状磁極20に当接する側を、同第1爪状磁極20と同極のN極に、第2コアベース32に当接する側を同第2コアベース32と同極のS極となるように径方向に磁化した。
【0063】
従って、第2コアベース32の部分A3が、第2背面補助磁石62によってコンシクエントポール構造なり、環状磁石41の短絡磁束をさらに抑制でき、しかも、同第2背面補助磁石62の磁束を、ブラシレスモータ1の出力に対してより有効に利用することができる。
【0064】
(3)上記実施形態によれば、第1及び第2背面補助磁石61,62は、径方向からみて第1及び第2爪状磁極20,30と同形状であることから、その表面積が第1及び第2極間磁石43,44に比べて遙かに大きくなっている。
【0065】
従って、第1及び第2背面補助磁石61,62の磁束を、ブラシレスモータ1の出力に対して、より有効に利用させることができる。
また、第1及び第2背面補助磁石61,62を、例えばネオジ磁石で形成し、第1及び第2極間磁石43,44を、例えばフェライト磁石で形成して、第1及び第2背面補助磁石61,62の起磁力を、第1及び第2極間磁石43,44よりも起磁力を大きくすることで、コストを抑えながら効果的に出力に寄与する磁束量を増やして出力を向上させることができる。
【0066】
(4)また、上記第3実施形態によれば、第1実施形態の作用効果で説明した(1)(2)(4)〜(6)と同様な作用効果を得ることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を
図13、
図14に従って説明する。
【0067】
本実施形態は、第3実施形態で示したロータ8の構成が相違する。そのため、説明の便宜上、相違するロータコアについて詳細に説明し、その他、第1実施形態と共通部分は符号を同じにして詳細な説明は省略する。
【0068】
図13、
図14に示すように、本実施形態のロータ70は、第3実施形態のロータ8を2組用意し、これを層構造に、1層目のロータ71と、2層目のロータ72として、互いに重なるようにして回転軸10に固着されている。本実施形態では、1層目のロータ71の第2ロータコア31(第2コアベース32の反対向面32c)と、2層目のロータ72の第2ロータコア31(第2コアベース32の反対向面32c)とが当接するとともに、同極の第1及び第2爪状磁極20,30同士が軸方向において重なり合うように相対配置される。
【0069】
そして、本実施形態では、ロータ71側の第1及び第2極間磁石43,44とロータ72側の第1及び第2極間磁石43,44を一体化し1つの第1及び第2極間磁石43,44で構成し、ロータ71とロータ72に連なるように軸方向に嵌着させている。
【0070】
これによって、ロータ71,72よりなるロータ70は、各ロータ71,72の同極の第1及び第2極間磁石43,44が一体として構成されることで、部品点数を減らし、低コスト化が図れる。
【0071】
次に、上記のように構成した第4実施形態の作用効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、2つのロータ71,72を合わせることによって、より高トルクを発生させるロータにでき、さらに軸方向のアンバランスをキャンセルできる。しかも、ロータ71,72は、同じ構造なので、部品点数を減すことができるとともに、製作が容易で、低コスト化が図れる。
【0072】
(2)上記実施形態によれば、重なり合うロータ71,72の同極の第1及び第2極間磁石43,44が一体として、1つの永久磁石で兼用できることから、さらに部品点数を減らし、低コスト化が図れる。
【0073】
(3)また、上記第4実施形態によれば、第1実施形態の作用効果で説明した(1)(2)(4)〜(6)と同様な作用効果を得ることができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態を
図15〜
図17に従って説明する。
【0074】
本実施形態は、第3実施形態のロータ8を応用したロータである。そのため、本実施形態では、説明の便宜上、第3実施形態と共通部分は符号を同じにして詳細な説明は省略する。
【0075】
図15に示すように、第1ロータコア21であって第1コアベース22の反対向面22c側には、第1軸側補助磁石81が固着されている。第1軸側補助磁石81は、軸方からみた外形が第1ロータコア21の外形と同じであって、同第1ロータコア21を被覆している。第1軸側補助磁石81は、軸方向に磁化されていて、第1コアベース22に固着されている側を同第1コアベース22と同極のN極に、その反対側をS極になるように磁化されている。
【0076】
図16に示すように、第2ロータコア31であって第2コアベース32の反対向面32c側には、第2軸側補助磁石82が固着されている。第2軸側補助磁石82は、軸方からみた外形が第2ロータコア31の外形と同じであって、第2ロータコア31を被覆している。第2軸側補助磁石82は、軸方向に磁化されていて、第2コアベース32に固着されている側を同第2コアベース32と同極のS極に、その反対側をN極になるように磁化されている。
【0077】
次に、上記のように構成した第5実施形態の作用効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、第1コアベース22の反対向面22c側に第1軸側補助磁石81を固着し被覆した。そして、第1軸側補助磁石81の第1コアベース22側を、同第1コアベース22と同極のN極になるように磁化した。
【0078】
従って、
図17に示すように、第1コアベース22の反対向面22cから第2爪状磁極30に短絡する短絡磁束φ3を抑制できる。
(2)上記実施形態によれば、第2コアベース32の反対向面32c側に第2軸側補助磁石82を固着し被覆した。そして、第2軸側補助磁石82の第2コアベース32側を、同第2コアベース32と同極のS極になるように磁化した。
【0079】
従って、
図17に示すように、第1爪状磁極20から第2コアベース32の反対向面32cに短絡する短絡磁束φ4を抑制できる。
(3)また、上記第5実施形態によれば、第1実施形態の作用効果で説明した(1)(2)(4)〜(6)と同様な作用効果を得ることができる。
【0080】
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記第1〜第5実施形態では、内側補助磁石46を設けたが、この内側補助磁石46を省略してもよい。この場合、環状磁石41が回転軸10まで達し、第1及び第2ロータコア21,31に形成した環状凹部H1,H2が省略されることになる。
【0081】
・上記第1〜第5実施形態では、内側補助磁石46の軸方向の長さを、環状磁石41より長くしたが、同じ長さで実施してもよい。この場合、第1及び第2ロータコア21,31に形成した環状凹部H1,H2が省略されることになる。
【0082】
・上記第1実施形態では、外側補助磁石47を設けたが、この外側補助磁石47を省略してもよい。このとき、併せて、内側補助磁石46を省略して実施してもよいことは勿論である。
【0083】
・上記第1〜第5実施形態では、第1及び第2爪状磁極20,30は、径方向から見て軸方向に長い長方形状であった。これを、第1及び第2爪状磁極20,30の形状を先端にいくほど、先細形状になるように形成してもよい。この場合、第1及び第2爪状磁極20,30の形状に合わせて、第1及び第2極間磁石43,44の形状を変更する必要がある。勿論、その他の形状で実施してもよい。
【0084】
・上記第3実施形態では、第1背面補助磁石61及び第2背面補助磁石62を設けたが、いずれか一方を省略して実施してもよい。
・上記第4実施形態では、第3実施形態のロータ8を2組用意し、これを層構造に、1層目のロータ71と、2層目のロータ71として、互いに重ねて1つのロータ70を構成した。これを、第3実施形態のロータ8を3組用意し、3層構造にして実施してもよい。
【0085】
この場合、例えば、
図13において、2層目のロータ72と重なる3層目のロータは、2層目のロータ72側に3層目のロータの第1ロータコア21が当接するとともに、同極の第1及び第2爪状磁極同士が軸方向に重なり合うように相対配置される。このとき、重なり合う同極の第1及び第2極間磁石43,44は1つの永久磁石で構成される。従って、部品点数を減らし、低コスト化が図れる。
【0086】
・上記第4実施形態では、第3実施形態のロータ8を使ってロータ70を構成したが、第1〜第3実施形態及び各別例で示したロータを使用して実施してもよい。
・上記第4実施形態では、重なり合うロータ71,72の同極の第1及び第2極間磁石43,44を一体化して1つの磁石で兼用したが、それぞれ、別々の第1及び第2極間磁石43,44を使用して実施することは勿論可能である。
【0087】
・上記第1〜第5実施形態では、第1ロータコア21及び第2ロータコア31を、鋼板よりなるロータコア片PC1,PC2を積層して形成した。これを、鍛造による一体形成でもよく、また圧粉磁心材料で形成してもよい。例えば、鉄粉等の磁性粉末と樹脂等の絶縁物を混ぜて金型で加熱プレス成形して第1ロータコア21及び第2ロータコア31を作るようにする。
【0088】
この場合、第1ロータコア21及び第2ロータコア31の設計の自由度が高く、製造プロセスが非常に簡単になるとともに、第1ロータコア21及び第2ロータコア31の磁気抵抗を小さくできる。
【0089】
・上記第1〜第5実施形態では、第1及び第2爪状磁極20,30はそれぞれ7個であったが、これに限定されるものでなく、第1及び第2爪状磁極20,30の数を適宜変更して実施してもよい。
【0090】
・第1〜第4実施形態において、第5実施形態で説明した第1軸側補助磁石81及び第2軸側補助磁石82を第1及び第2ロータコア21,31に固着し被覆して実施してもよい。
【0091】
・ところで、これら特許文献のロータにおいては、いずれもロータコア内に界磁巻線を巻装することから、別途にスプリング等の電力供給装置が必要となり、コスト高になっていた。しかも、モータを小型にしようとする場合、界磁巻線及び電力供給装置のスペースの確保が困難になる。
【0092】
また、特許文献2のロータでは、タンデム構造であって、磁石数が倍に増えるといった問題があった。また、特許文献3のロータでは、爪状磁極の磁気飽和を緩和するが、ステータへ渡る磁束としては有効に利用できないといった問題があった。
【0093】
以下の構成の目的は、簡単な構成で小型化でき、爪状磁極間の漏れ磁束を減らし高出力化を可能にすることができるロータ及びモータを提供することにある。
・ロータは、第1コアベースの外周部に、等間隔に複数の第1爪状磁極を軸方向に延出形成した第1ロータコアと、第2コアベースの外周部に、等間隔に複数の第2爪状磁極を軸方向に延出形成し、前記各第2爪状磁極をそれぞれ対応する前記第1ロータコアの各第1爪状磁極間に配置した第2ロータコアと、前記第1ロータコアと第2ロータコアとの間に配置され、前記軸方向に磁化され、前記第1爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2爪状磁極を第2の磁極として機能させる環状磁石と、前記第1爪状磁極と前記第2爪状磁極との間に配置され、前記第1及び第2爪状磁極と同極極となるように磁化された極間磁石とを備えた。
【0094】
同構成によれば、環状磁石によって、ロータ内に界磁巻線が無くすことができ、それに伴って、モータ内に界磁巻線に電力を供給する電力供給装置が不要となり、モータ全体を小型できるとともに、安価に製造できる。また、極間磁石によって、第1爪状磁極と第2爪状磁極との間の漏れ磁束を減らすことができ、環状磁石の磁束をモータの出力に有効に利用することができる。
【0095】
・ロータは、第1コアベースの外周部に、等間隔に複数の第1爪状磁極を軸方向に延出形成した第1ロータコアと、第2コアベースの外周部に、等間隔に複数の第2爪状磁極を軸方向に延出形成し、前記各第2爪状磁極をそれぞれ対応する前記第1ロータコアの各第1爪状磁極間に配置した第2ロータコアと、前記第1ロータコアと第2ロータコアとの間に配置され、前記第1爪状磁極をN極として機能させ、前記第2爪状磁極をS極として機能させる軸方向に磁化された磁石と、前記第1爪状磁極と前記第2爪状磁極との間に配置され、前記第1爪状磁極側をN極、前記第2爪状磁極側をS極となるように磁化された極間磁石とを備えた。
【0096】
以下、他の技術的思想を記載する。
・ロータは、第1コアベースの外周部に、等間隔に複数の第1爪状磁極を軸方向に延出形成した第1ロータコアと、第2コアベースの外周部に、等間隔に複数の第2爪状磁極を軸方向に延出形成し、前記各第2爪状磁極をそれぞれ対応する前記第1ロータコアの各第1爪状磁極間に配置した第2ロータコアと、前記第1ロータコアと第2ロータコアとの間に配置され、軸方向に磁化され、前記第1爪状磁極をN極として機能させ、前記第2爪状磁極をS極として機能させる磁石と、前記第2爪状磁極の背面に配置され同第2爪状磁極と前記第1コアベースのそれぞれに固着され、同第2爪状磁極をS極として機能させる第1背面補助磁石と、前記第1爪状磁極の背面に配置され同第1爪状磁極と前記第2コアベースのそれぞれに固着され、同第1爪状磁極をN極として機能させる第2背面補助磁石と、前記第1爪状磁極と前記第2爪状磁極との間に配置された極間磁石とを備え、前記第1背面補助磁石は、同第1背面補助磁石の径方向外側に配置される前記第2爪状磁極の周方向両側に隣り合う前記極間磁石の周方向の間に配置されているとともに、前記第2背面補助磁石は、同第2背面補助磁石の径方向外側に配置される前記第1爪状磁極の周方向両側に隣り合う前記極間磁石の周方向の間に配置されている。
【0097】
同構成によれば、磁石によって、ロータ内に界磁巻線が無くすことができ、それに伴って、モータ内に界磁巻線に電力を供給する電力供給装置が不要となり、モータ全体を小型化できるとともに、安価に製造できる。
【0098】
・上記ロータにおいて、前記極間磁石は前記第1爪状磁極と前記第2爪状磁極のそれぞれに固着されており、前記第1爪状磁極は、同第1爪状磁極の背面の前記第2背面補助磁石と同第1爪状磁極の両隣の前記極間磁石にて囲まれ、前記第2爪状磁極は、同第2爪状磁極の背面の前記第1背面補助磁石と同第2爪状磁極の両隣の前記極間磁石にて囲まれている。
【0099】
・上記ロータにおいて、前記第1及び第2爪状磁極の背面に設けた前記第2及び第1背面補助磁石の起磁力は、前記極間磁石の起磁力よりも大きくした。
同構成によれば、第1及び第2背面補助磁石の起磁力を、極間磁石よりも起磁力を大きくすることで、コストを抑えながら出力に寄与する磁束量を増やすことができる。
【0100】
・上記ロータにおいて、前記極間磁石の起磁力は、前記磁石の起磁力よりも小さくした。
同構成によれば、漏れ磁束を減らすだけの極間磁石の起磁力を、磁石の起磁力よりも小さくすることで、低コスト化が図れる。
【0101】
・上記ロータにおいて、前記極間磁石は、その極間磁石と隣り合う前記第1爪状磁極及び前記第2爪状磁極の延出方向に沿って両爪状磁極の先端から基端まで延びるように設けた。
【0102】
・上記ロータにおいて、前記磁石の内周側又は外周側の少なくともどちらか一方に、前記磁石と同方向に磁極を配置した環状の補助磁石を設置した。
同構成によれば、磁石の内周側に補助磁石を設けた場合には、磁石の内径側を経由する短絡磁束が減少し、磁束を有効利用でき、モータの出力を向上させることができる。また、磁石の外周側に補助磁石を設けた場合には、磁石の外径側を経由する短絡磁束が減少し、磁束を有効利用でき、モータの出力を向上させることができる。
【0103】
・上記ロータにおいて、前記磁石の外周側に、前記第1及び第2爪状磁極と同極となるように径方向に磁極を配置した環状の補助磁石を設置した。
同構成によれば、補助磁石の磁束を出力に有効に利用することができるとともに、磁石の短絡磁束を抑制することができる。
【0104】
・上記ロータにおいて、前記第1及び第2ロータコアは、圧粉磁心で構成された。
同構成によれば、第1ロータコア及び第2ロータコアの設計の自由度が高くなり、製造プロセスが非常に簡単になるとともに、第1及び第2ロータコアの磁気抵抗を小さくできる。
【0105】
・上記ロータにおいて、前記第1及び第2爪状磁極は、径方向から見て軸方向に長い略長方形状とした。
・上記ロータを、2組又は3組で構成した。
【0106】
同構成によれば、複数組にすることにより、より高トルクを発生させるロータにでき、しかも、各ロータは、同じ構造なので、部品点数を減すことができるとともに、製作が容易で、低コスト化が図れる。
【0107】
・上記ロータにおいて、前記第1爪状磁極と前記第2爪状磁極との間には極間磁石が配置されており、前記各ロータの第1及び第2爪状磁極は、径方向から見て軸方向に長い略長方形状であって、第1及び第2爪状磁極間に配置される極間磁石は、各ロータの極間磁石を兼用した。
【0108】
同構成によれば、第1及び第2爪状磁極間に配置される各極間磁石は、それぞれ1つの極間磁石で兼用されるので、部品点数を減すことができ、低コスト化が図れる。
・上記ロータを備えたモータによれば、小型化できるとともに安価に製造できる。