(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ガスデマンドと前記ガス目標供給量との差分、および、前記電力デマンドと前記電力目標供給量との差分が所定の範囲内に収まるように前記ガス式給湯熱源機および前記電気式給湯熱源機の運転負荷を決定することを特徴とする請求項4に記載の給湯装置。
前記運転制御部は、前記ガスデマンドが前記ガス目標供給量を上回り、かつ、前記電力デマンドが前記電力目標供給量を上回る場合、または、前記ガスデマンドが前記ガス目標供給量未満であり、かつ、前記電力デマンドが前記電力目標供給量未満である場合、前記ガスデマンドと前記ガス目標供給量との差分、および、前記電力デマンドと前記電力目標供給量との差分が所定の範囲内に収まるように前記ガス式給湯熱源機および前記電気式給湯熱源機の運転負荷を決定することを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の給湯装置。
前記給湯装置の運転制御部は、前記装置通信部が前記運転制御情報を受信すると、該運転制御情報に基づいて前記ガス式給湯熱源機の運転負荷を決定し、決定した該ガス式給湯熱源機の運転負荷に基づいて、前記電気式給湯熱源機の運転負荷を決定することを特徴とする請求項7に記載の給湯システム。
前記管理サーバの管理通信部は、前記合計ガスデマンドが前記ガス目標供給量未満である場合に前記運転制御情報として運転促進情報を送信し、該合計ガスデマンドが該ガス目標供給量を上回る場合に該運転制御情報として運転抑制情報を送信し、
前記給湯装置の運転制御部は、
前記装置通信部が前記運転促進情報を受信すると、前記ガス式給湯熱源機の運転負荷を増加させるとともに、前記電気式給湯熱源機の運転負荷を低下させ、
前記装置通信部が前記運転抑制情報を受信すると、前記ガス式給湯熱源機の運転負荷を低下させるとともに、前記電気式給湯熱源機の運転負荷を増加させることを特徴とする請求項8に記載の給湯システム。
前記給湯装置の運転制御部は、前記装置通信部が前記運転制御情報を受信すると、該運転制御情報に基づいて前記電気式給湯熱源機の運転負荷を決定し、決定した該電気式給湯熱源機の運転負荷に基づいて、前記ガス式給湯熱源機の運転負荷を決定することを特徴とする請求項11に記載の給湯システム。
前記管理サーバの管理通信部は、前記合計電力デマンドが前記電力目標供給量未満である場合に前記運転制御情報として運転促進情報を送信し、該合計電力デマンドが該電力目標供給量を上回る場合に該運転制御情報として運転抑制情報を送信し、
前記給湯装置の運転制御部は、
前記装置通信部が前記運転促進情報を受信すると、前記電気式給湯熱源機の運転負荷を増加させるとともに、前記ガス式給湯熱源機の運転負荷を低下させ、
前記装置通信部が前記運転抑制情報を受信すると、前記電気式給湯熱源機の運転負荷を低下させるとともに、前記ガス式給湯熱源機の運転負荷を増加させることを特徴とする請求項12に記載の給湯システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記給湯装置で利用されるエネルギーとしてのガスや電力は、時間帯、外気温度、季節等によって需要が異なる。例えば、電力は、昼間の時間帯において相対的に需要が多くなり、深夜の時間帯において相対的に需要が少なくなる。したがって、ガス供給会社や電力供給会社といったエネルギー供給事業者は、需要が最も多くなる時間帯(ピーク時)に対応できる設備を保有する必要がある。
【0006】
そうすると、ピーク時より需要が少ない時間帯においては、設備の一部を停止させることになり、設備全体の稼働率が低下するという問題がある。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑み、エネルギー供給事業者の設備全体の稼働率の向上を促すことが可能な給湯装置、および、給湯システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の給湯装置は、ガス式給湯熱源機と、電気式給湯熱源機と、要求湯水量および要求湯温に基づいて決定される要求熱量を満たすように、前記ガス式給湯熱源機および前記電気式給湯熱源機それぞれの運転負荷を決定し、決定した該運転負荷で該ガス式給湯熱源機および該電気式給湯熱源機の運転を制御する運転制御部と、を備え、前記運転制御部は、前記要求熱量を満たす前記ガス式給湯熱源機および前記電気式給湯熱源機それぞれの運転負荷を仮決定し、仮決定した運転負荷の前記ガス式給湯熱源機のガス消費量であるガスデマンドと、所定のガス目標供給量とに基づいて、該ガス式給湯熱源機および前記電気式給湯熱源機の運転負荷を決定することを特徴とする。
【0009】
また、前記運転制御部は、前記ガスデマンドが前記ガス目標供給量を上回る場合、該ガス式給湯熱源機の運転負荷を前記ガス目標供給量となる運転負荷に低下させるとともに、前記電気式給湯熱源機の運転負荷を増加させ、前記ガスデマンドが前記ガス目標供給量未満である場合、該ガス式給湯熱源機の運転負荷を前記ガス目標供給量となる運転負荷に増加させるとともに、前記電気式給湯熱源機の運転負荷を低下させるとしてもよい。
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の他の給湯装置は、ガス式給湯熱源機と、電気式給湯熱源機と、要求湯水量および要求湯温に基づいて決定される要求熱量を満たすように、前記ガス式給湯熱源機および前記電気式給湯熱源機それぞれの運転負荷を決定し、該決定した運転負荷で該ガス式給湯熱源機および該電気式給湯熱源機の運転を制御する運転制御部と、を備え、前記運転制御部は、前記要求熱量を満たす前記ガス式給湯熱源機および前記電気式給湯熱源機それぞれの運転負荷を仮決定し、仮決定した運転負荷の前記ガス式給湯熱源機のガス消費量であるガスデマンドと、所定のガス目標供給量と、仮決定した運転負荷の前記電気式給湯熱源機の電力消費量である電力デマンドと、所定の電力目標供給量と、に基づいて、該ガス式給湯熱源機および該電気式給湯熱源機の運転負荷を決定することを特徴とする。
【0011】
また、前記運転制御部は、前記ガスデマンドが前記ガス目標供給量を上回り、前記電力デマンドが前記電力目標供給量未満である場合、前記ガス式給湯熱源機の運転負荷を低下させ、前記電気式給湯熱源機の運転負荷を増加させ、前記ガスデマンドが前記ガス目標供給量未満であり、前記電力デマンドが前記電力目標供給量を上回る場合、前記ガス式給湯熱源機の運転負荷を増加させ、前記電気式給湯熱源機の運転負荷を低下させるとしてもよい。
【0012】
また、前記ガスデマンドと前記ガス目標供給量との差分、および、前記電力デマンドと前記電力目標供給量との差分が所定の範囲内に収まるように前記ガス式給湯熱源機および前記電気式給湯熱源機の運転負荷を決定するとしてもよい。
【0013】
また、前記運転制御部は、前記ガスデマンドが前記ガス目標供給量を上回り、かつ、前記電力デマンドが前記電力目標供給量を上回る場合、または、前記ガスデマンドが前記ガス目標供給量未満であり、かつ、前記電力デマンドが前記電力目標供給量未満である場合、前記ガスデマンドと前記ガス目標供給量との差分、および、前記電力デマンドと前記電力目標供給量との差分が所定の範囲内に収まるように前記ガス式給湯熱源機および前記電気式給湯熱源機の運転負荷を決定するとしてもよい。
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の給湯システムは、管理サーバと、1または複数の給湯装置とを備えた給湯システムであって、前記管理サーバは、所定の管理範囲全体のガス消費量である合計ガスデマンドを導出する合計ガスデマンド導出部と、前記合計ガスデマンド導出部が導出した前記合計ガスデマンドと、所定のガス目標供給量とに基づいて運転制御情報を前記1または複数の給湯装置に送信する管理通信部と、を備え、前記給湯装置は、前記運転制御情報を受信する装置通信部と、ガス式給湯熱源機と、電気式給湯熱源機と、要求湯水量および要求湯温に基づいて決定される要求熱量を満たすように、前記ガス式給湯熱源機および前記電気式給湯熱源機それぞれの運転負荷を決定し、決定した該運転負荷で該ガス式給湯熱源機および該電気式給湯熱源機の運転を制御する運転制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、前記給湯装置の運転制御部は、前記装置通信部が前記運転制御情報を受信すると、該運転制御情報に基づいて前記ガス式給湯熱源機の運転負荷を決定し、決定した該ガス式給湯熱源機の運転負荷に基づいて、前記電気式給湯熱源機の運転負荷を決定するとしてもよい。
【0016】
また、前記管理サーバの管理通信部は、前記合計ガスデマンドが前記ガス目標供給量未満である場合に前記運転制御情報として運転促進情報を送信し、該合計ガスデマンドが該ガス目標供給量を上回る場合に該運転制御情報として運転抑制情報を送信し、前記給湯装置の運転制御部は、前記装置通信部が前記運転促進情報を受信すると、前記ガス式給湯熱源機の運転負荷を増加させるとともに、前記電気式給湯熱源機の運転負荷を低下させ、前記装置通信部が前記運転抑制情報を受信すると、前記ガス式給湯熱源機の運転負荷を低下させるとともに、前記電気式給湯熱源機の運転負荷を増加させるとしてもよい。
【0017】
また、前記管理サーバの管理通信部は、前記合計ガスデマンドが前記ガス目標供給量を上回る場合に前記運転制御情報として運転抑制情報を送信し、前記装置通信部が前記運転抑制情報を受信した場合に前記ガス式給湯熱源機の運転負荷を低下させると所定のインセンティブが付与されること、または、該装置通信部が該運転抑制情報を受信した場合に該ガス式給湯熱源機の運転負荷を低下させないと所定のペナルティが課されることが予め定められており、前記給湯装置の運転制御部は、前記装置通信部が前記運転抑制情報を受信すると、前記インセンティブ、または、前記ペナルティに基づいて、前記ガス式給湯熱源機の運転負荷を決定し、決定した該ガス式給湯熱源機の運転負荷に基づいて、前記電気式給湯熱源機の運転負荷を決定するとしてもよい。
【0018】
上記課題を解決するために、本発明の他の給湯システムは、管理サーバと、1または複数の給湯装置とを備えた給湯システムであって、前記管理サーバは、所定の管理範囲全体の電力消費量である合計電力デマンドを導出する合計電力デマンド導出部と、前記合計電力デマンド導出部が導出した前記合計電力デマンドと、所定の電力目標供給量とに基づいて運転制御情報を前記1または複数の給湯装置に送信する管理通信部と、を備え、前記給湯装置は、前記運転制御情報を受信する装置通信部と、ガス式給湯熱源機と、電気式給湯熱源機と、要求湯水量および要求湯温に基づいて決定される要求熱量を満たすように、前記ガス式給湯熱源機および前記電気式給湯熱源機それぞれの運転負荷を決定し、決定した該運転負荷で該ガス式給湯熱源機および該電気式給湯熱源機の運転を制御する運転制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0019】
また、前記給湯装置の運転制御部は、前記装置通信部が前記運転制御情報を受信すると、該運転制御情報に基づいて前記電気式給湯熱源機の運転負荷を決定し、決定した該電気式給湯熱源機の運転負荷に基づいて、前記ガス式給湯熱源機の運転負荷を決定するとしてもよい。
【0020】
また、前記管理サーバの管理通信部は、前記合計電力デマンドが前記電力目標供給量未満である場合に前記運転制御情報として運転促進情報を送信し、該合計電力デマンドが該電力目標供給量を上回る場合に該運転制御情報として運転抑制情報を送信し、前記給湯装置の運転制御部は、前記装置通信部が前記運転促進情報を受信すると、前記電気式給湯熱源機の運転負荷を増加させるとともに、前記ガス式給湯熱源機の運転負荷を低下させ、前記装置通信部が前記運転抑制情報を受信すると、前記電気式給湯熱源機の運転負荷を低下させるとともに、前記ガス式給湯熱源機の運転負荷を増加させるとしてもよい。
【0021】
また、前記管理サーバの管理通信部は、前記合計電力デマンドが前記電力目標供給量を上回る場合に前記運転制御情報として運転抑制情報を送信し、前記装置通信部が前記運転抑制情報を受信した場合に前記電気式給湯熱源機の運転負荷を低下させると所定のインセンティブが付与されること、または、該装置通信部が該運転抑制情報を受信した場合に該電気式給湯熱源機の運転負荷を低下させないと所定のペナルティが課されることが予め定められており、前記給湯装置の運転制御部は、前記装置通信部が前記運転抑制情報を受信すると、前記インセンティブ、または、前記ペナルティに基づいて、前記電気式給湯熱源機の運転負荷を決定し、決定した該電気式給湯熱源機の運転負荷に基づいて、前記ガス式給湯熱源機の運転負荷を決定するとしてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、エネルギー供給事業者の設備全体の稼働率の向上を促すことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0025】
(第1の実施形態:給湯装置100)
図1は、第1の実施形態にかかる給湯装置100を説明する図である。なお、
図1中、ガス、電力の流れを白抜き矢印で示し、水(給水、湯水等)の流れを実線の矢印で示し、信号の流れを破線で示す。
【0026】
図1に示すように、給湯装置100は、ガス式給湯熱源機110と、電気式給湯熱源機120と、貯湯タンク130と、中央制御部150とを含んで構成される。
【0027】
ガス式給湯熱源機110は、例えば、温水ボイラ、温水ヒータ、瞬間湯沸器、GHP(ガスヒートポンプ)給湯器等で構成され、ガスを消費して(燃焼させて)、貯湯タンク130から供給された給水を加熱し、湯水を生成する。
【0028】
電気式給湯熱源機120は、例えば、電気温水器、EHP(電気モータヒートポンプ)給湯器等で構成され、電力を消費して、貯湯タンク130から供給された給水を加熱し、湯水を生成する。
【0029】
貯湯タンク130には、給水が供給されるとともに、ガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120によって生成された湯水が供給される。したがって、貯湯タンク130は、給水と、ガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120によって生成された湯水とを貯湯(貯留)することとなる。こうして、貯湯タンク130に貯湯された湯水(給湯)は、供給先の要求に基づいて供給されることとなる。
【0030】
中央制御部150は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成され、ROMからCPU自体を動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出し、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して給湯装置100全体を管理および制御する。本実施形態において、中央制御部150は、装置通信部152、運転制御部154として機能する。
【0031】
装置通信部152は、ガス供給会社の管理サーバと通信を確立し、ガス供給会社から、所定期間(例えば、1日)におけるガス目標供給量の推移を示すガス目標情報を取得する。ガス目標供給量の推移は、ガス供給会社が保有するガス供給設備の能力、季節、外気温度、給湯装置100が設置される施設が属する地域(町、区、市、都、道、府、県等)等に基づいて設定される。また、装置通信部152は、1日毎に、該当するガス目標情報を取得してもよいし、数日おき、週毎、季節毎にガス目標情報を取得してもよい。
【0032】
運転制御部154は、要求熱量を満たすように、ガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120それぞれの運転負荷を決定し、決定した運転負荷でガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120の運転を制御する。
【0033】
具体的に説明すると、運転制御部154は、まず、要求熱量を満たすガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120それぞれの運転負荷(または運転比率)を仮決定する。ここで、要求熱量は、供給先から要求される湯水の量(要求湯水量)と、湯水の要求温度とを満たすために、貯湯タンク130に投入される熱量(ガス式給湯熱源機110が生成する湯水の熱量および電気式給湯熱源機120が生成する湯水の熱量の合計)である。例えば、要求熱量は、要求湯水量、要求湯温、貯湯タンク130の残量に基づいて決定される。
【0034】
続いて、運転制御部154は、仮決定したガス式給湯熱源機110の運転負荷に基づいてガスデマンドを算出する。ガスデマンドは、仮決定した運転負荷でガス式給湯熱源機110を運転させるために必要なガス消費量である。また、運転制御部154は、仮決定した電気式給湯熱源機120の運転負荷に基づいて電力デマンドを算出する。電力デマンドは、仮決定した運転負荷で電気式給湯熱源機120を運転させるために必要な電力消費量である。
【0035】
そして、運転制御部154は、算出したガスデマンドと、上記ガス目標供給量とを所定時間間隔(例えば、n分ごと、n時間ごと等)で比較し、ガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120それぞれの運転負荷を決定し、決定した運転負荷でガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120の運転を制御する。
【0036】
図2は、第1の実施形態にかかる運転制御部154による運転負荷の決定処理を説明する図である。なお、
図2中、ガスデマンドを実線で示し、ガス目標供給量を破線で示す。
【0037】
図2に示すように、ガスデマンドが、ガス目標供給量を基準とする所定のガス目標範囲の上限値を上回る場合(
図2では、1時〜4時、8時〜12時、18時〜24時)、運転制御部154は、ガスデマンドとガス目標供給量との差分を算出し、算出した差分でガス式給湯熱源機110が生成できる湯水の熱量(差分熱量S)を導出する。続いて、運転制御部154は、電力デマンドと、電気式給湯熱源機120の最大出力(現在の最大出力)とに基づいて、電気式給湯熱源機120が追加で生成できる湯水の熱量(以下、「電力余力熱量D」と称する)を算出する。そして、運転制御部154は、電力余力熱量Dと、差分熱量Sとを比較する。
【0038】
電力余力熱量D=差分熱量Sである場合、運転制御部154は、電気式給湯熱源機120の運転負荷を最大出力まで増加させるとともに、ガス式給湯熱源機110の運転負荷をガス目標供給量となる運転負荷まで低下させる。また、電力余力熱量D>差分熱量Sである場合、運転制御部154は、電気式給湯熱源機120の運転負荷を差分熱量Sに相当する運転負荷まで増加させるとともに、ガス式給湯熱源機110の運転負荷をガス目標供給量となる運転負荷まで低下させる。
【0039】
一方、電力余力熱量D<差分熱量Sである場合、運転制御部154は、電気式給湯熱源機120の運転負荷を最大出力まで増加させるとともに、ガス式給湯熱源機110の運転負荷を低下させる。電気式給湯熱源機120は、ガス式給湯熱源機110と比較して、応答性が低いため、瞬時に熱量を増加させることは困難である。したがって、電力余力熱量D<差分熱量Sである場合には、ガス式給湯熱源機110の運転負荷を低下させることで、実際のガスの消費量をガス目標供給量に近づける。
【0040】
また、電力余力熱量Dが0である場合、運転制御部154は、ガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120の運転負荷調整を行わない。これにより、給湯装置100が供給する熱量が要求熱量未満となる事態を回避することができる。
【0041】
また、ガスデマンドがガス目標範囲の下限値未満である場合(
図2では、4時〜8時)、運転制御部154は、ガス式給湯熱源機110の運転負荷をガス目標供給量となる運転負荷まで増加させるとともに、電気式給湯熱源機120の運転負荷を低下させる(または、電気式給湯熱源機120を停止させる)。
【0042】
また、ガスデマンドがガス目標範囲内である場合(
図2中、12時〜18時)、運転制御部154は、ガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120の運転負荷の調整は行わない。
【0043】
以上説明したように、本実施形態にかかる給湯装置100によれば、運転制御部154が、ガス供給会社が設定したガス目標供給量を過不足なく消費する運転負荷でガス式給湯熱源機110を運転させることができる。したがって、ガス供給会社が保有するガス供給設備の稼働率が所定値以上となるようにガス目標供給量を設定すれば、ガス供給設備全体の稼働率を向上させることができる。
【0044】
これにより、給湯装置100を備えない地域のガス供給設備と比較して、ガス供給設備自体を縮小することが可能となる。例えば、ガスホルダを縮小できたり、ガスの導管を細くしたりすることができる。したがって、ガス供給設備の建設費用を削減でき、ガスの単価を安くすることが可能となる。そして、結果的に、給湯装置100を備える需要家のガス料金を低下させることができる。
【0045】
また、本実施形態にかかる給湯装置100の適用が増加するほど、ガス目標供給量の変動は小さくなり、最終的には、変動がなくなる(ガス目標供給量が全期間を通じて1の値に収束する)と考えられる。
【0046】
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、運転制御部154が、ガス目標供給量に基づいてガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120の運転負荷を決定する構成を例に挙げた。しかし、運転制御部154は、ガス目標供給量に加えて、電力供給会社が提供する電力目標供給量に基づいて、ガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120の運転負荷を決定してもよい。第2の実施形態では、ガス目標供給量および電力目標供給量に基づいて、ガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120の運転負荷を決定する構成について説明する。
【0047】
第2の実施形態において、装置通信部152は、ガス供給会社の管理サーバと通信を確立し、ガス供給会社から、所定期間(例えば、1日)におけるガス目標供給量の推移を示すガス目標情報を取得するとともに、電力供給会社の管理サーバと通信を確立し、電力供給会社から、所定期間(例えば、1日)における電力目標供給量の推移を示す電力目標情報を取得する。電力供給量の推移は、電力供給会社が保有する電力供給設備の能力、季節、外気温度、給湯装置100が設置される施設が属する地域(町、区、市、都、道、府、県等)等に基づいて設定される。また、装置通信部152は、1日毎に、該当する電力目標情報を取得してもよいし、数日おき、週毎、季節毎に電力目標情報を取得してもよい。
【0048】
運転制御部154は、ガスデマンドと、上記ガス目標供給量とを所定時間間隔(例えば、n分ごと、n時間ごと等)で比較するとともに、電力デマンドと、上記電力目標供給量とを所定時間間隔(例えば、n分ごと、n時間ごと等)で比較し、ガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120それぞれの運転負荷を決定し、決定した運転負荷でガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120の運転を制御する。以下に、具体的な制御処理について説明する。
【0049】
図3〜
図7は、第2の実施形態にかかる運転制御部154による運転負荷の決定処理を説明する図である。なお、
図3〜
図7中、ガスデマンドを実線で示し、ガス目標供給量を破線で示し、電力デマンドを一点鎖線で示し、電力目標供給量を二点鎖線で示す。
【0050】
なお、ガスはガスホルダや導管内に一時的に溜めておくことができるため、負荷変動(要求熱量の変動)があっても、ガス供給設備の稼働率に対する影響は少ない。一方、電力は電線等に溜めておくことが不可能であるため、負荷変動に応じて、電力供給設備の稼働率を調整する必要がある。したがって、例えば、ガスデマンドとガス目標供給量との差分(以下、「ガス差分」と称する)と、電力デマンドと電力目標供給量との差分(以下、「電力差分」と称する)とが等しい場合(例えば、両方とも1kW)であっても、差分を調整しようとする供給元の設備の稼働率の変動(影響)は、電力の方がガスより数倍大きく、また、電力の方がガスより設備の稼働率の調整が難しい。
【0051】
そこで、本実施形態(
図3〜
図7を含む)では、電力デマンドに所定の係数を乗算した値を電力デマンドとして用い、電力目標供給量に所定の係数を乗算した値を電力目標供給量として用い、所定の係数を乗算した電力デマンドと、所定の係数を乗算した電力目標供給量との差分を補正電力差分として用いることとする。
【0052】
図3に示す時刻T1、T2、T3、T4では、ガスデマンドがガス目標供給量未満であり、電力デマンドが電力目標供給量を上回る。この際、運転制御部154は、ガス式給湯熱源機110の運転負荷を増加させるとともに、電気式給湯熱源機120の運転負荷を低下させる。また、
図4に示す時刻T5、T6、T7、T8では、ガスデマンドがガス目標供給量を上回り、電力デマンドが電力目標供給量未満である。この際、運転制御部154は、ガス式給湯熱源機110の運転負荷を低下させるとともに、電気式給湯熱源機120の運転負荷を増加させる。
【0053】
なお、
図3に示す時刻T1〜時刻T4、
図4に示す時刻T5〜時刻T8において、運転制御部154は、ガス差分と、補正電力差分とが所定の範囲内に収まるように(例えば、ガス差分の95%〜105%の範囲内に補正電力差分が収まるように)、ガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120の運転負荷を決定する。つまり、運転制御部154は、ガス目標供給量とガスデマンドとの乖離、および、電力目標供給量と電力デマンドとの乖離を按分するように、ガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120を制御する。
【0054】
また、
図5に示す時刻T9、T10、T11、T12では、ガスデマンドがガス目標供給量を上回り、電力デマンドが電力目標供給量を上回る。ここで、時刻T9、T10では、ガス差分が補正電力差分よりも小さい。そこで、運転制御部154は、時刻T9、T10において、ガス式給湯熱源機110の運転負荷を増加させるとともに、電気式給湯熱源機120の運転負荷を低下させる。
【0055】
また、時刻T11、T12では、ガス差分が補正電力差分よりも大きい。そこで、運転制御部154は、時刻T11、T12において、ガス式給湯熱源機110の運転負荷を低下させ、電気式給湯熱源機120の運転負荷を増加させる。
【0056】
また、
図6に示す時刻T13、T14、T15、T16では、ガスデマンドがガス目標供給量未満であり、電力デマンドが電力目標供給量未満である。ここで、時刻T13、T14、T15では、ガス差分が補正電力差分よりも大きい。そこで、運転制御部154は、時刻T13、T14、T15において、ガス式給湯熱源機110の運転負荷を増加させるとともに、電気式給湯熱源機120の運転負荷を低下させる。
【0057】
また、時刻T16では、ガス差分が補正電力差分よりも小さい。そこで、運転制御部154は、時刻T16において、ガス式給湯熱源機110の運転負荷を低下させ、電気式給湯熱源機120の運転負荷を増加させる。
【0058】
なお、
図5に示す時刻T9〜時刻T12、
図6に示す時刻T13〜時刻T16においても、運転制御部154は、ガス差分と補正電力差分とが実質的に等しくなるように、ガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120の運転負荷を決定する。
【0059】
運転制御部154が上記
図3〜
図6に示すように、ガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120を制御すると、ガスデマンドおよび電力デマンドは、
図7に示すようになる。具体的に説明すると、
図7に示す時刻T17において、運転制御部154は、ガス差分と補正電力差分とが実質的に等しくなるように、ガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120の運転負荷を決定し、決定した運転負荷でガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120の運転を制御する。そうすると、例えば、
図7に示す時刻T18において、ガス差分と補正電力差分とが実質的に等しくなる。
【0060】
一方、
図7に示す時刻T19において、時刻T18よりも要求熱量が増加したとする。この際、運転制御部154は、要求熱量を満たすように、ガス式給湯熱源機110の運転負荷を増加させるとともに、ガス差分と、補正電力差分とが等しくなるように、電気式給湯熱源機120の運転負荷を増加させる。そして、時刻T20において、ガス差分と補正電力差分とが実質的に等しくなっていなければ、運転制御部154は、ガス差分と補正電力差分とが実質的に等しくなるまで制御を行う。
【0061】
以上説明したように、第2の実施形態では、運転制御部154が、ガス式給湯熱源機110へのガス供給量をガス供給会社が設定したガス目標供給量に近づけるとともに、電気式給湯熱源機120への電力供給量を電力供給会社が設定した電力目標供給量に近づけるように、ガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120の運転負荷を決定する。
【0062】
したがって、ガス供給会社が保有するガス供給設備の稼働率が所定値以上となるようにガス目標供給量を設定すれば、ガス供給設備全体の稼働率を向上させることができる。また、電力供給会社が保有する電力供給設備の稼働率が所定値以上となるように電力目標供給量を設定すれば、電力供給設備全体の稼働率を向上させることができる。
【0063】
これにより、給湯装置100を備えない地域の電力供給設備と比較して、電力供給設備自体を縮小することが可能となる。例えば、送電線を細くすることができる。したがって、電力供給設備の建設費用を削減でき、電力の単価を安くすることが可能となる。そして、結果的に、給湯装置100を備える需要家の電気料金を低下させることができる。
【0064】
また、給湯装置100の適用地域が広がるほど、電力目標供給量の変動は小さくなり、最終的には、変動がなくなる(電力目標供給量が全期間を通じて1の値に収束する)と考えられる。
【0065】
(第3の実施形態:給湯システム200)
図8は、第3の実施形態にかかる給湯システム200を説明する図である。なお、
図8の給湯装置300において、ガス、電力の流れを白抜き矢印で示し、水(給水、湯水等)の流れを実線の矢印で示し、信号の流れを破線で示す。
【0066】
図8に示すように、給湯システム200は、管理サーバ210と、1または複数の給湯装置300とを含んで構成される。なお、上述した給湯装置100と実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0067】
管理サーバ210は、ガス供給会社に設けられ、所定の管理範囲(例えば、町、区、市、都、道、府、県等)全体のガス消費量等を管理する。管理範囲には、給湯装置300を有する設備202と、給湯装置300を有しないもののガスを消費する設備204とが設けられる。以下、管理サーバ210、給湯装置300の具体的な構成について説明する。
【0068】
管理サーバ210は、管理制御部220を含んで構成される。管理制御部220は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成され、ROMからCPU自体を動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出し、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して管理サーバ210全体を管理および制御する。本実施形態において、管理制御部220は、管理通信部222、合計ガスデマンド導出部224、情報生成部226として機能する。
【0069】
管理通信部222は、管理範囲に設けられた全ての設備202、204それぞれと、通信を確立する。管理通信部222は、例えば、設備202、204のガス消費量を受信する。また、管理通信部222は、後述する運転促進情報(運転制御情報)および運転抑制情報(運転制御情報)を送信する。
【0070】
合計ガスデマンド導出部224は、管理通信部222が受信した設備202、204それぞれのガス消費量を合計して、合計ガスデマンド(管理範囲全体のガス消費量)を導出する。
【0071】
情報生成部226は、合計ガスデマンドと、ガス目標供給量とを、所定時間間隔(例えば、n分ごと、n時間ごと等)で比較する。情報生成部226は、合計ガスデマンドがガス目標供給量未満である場合、運転制御情報として運転促進情報を生成する。また、情報生成部226は、合計ガスデマンドがガス目標供給量を上回る場合、運転制御情報として運転抑制情報を生成する。そして、運転制御情報が生成されると、管理通信部222は、運転制御情報を給湯装置300に送信する。
【0072】
給湯装置300は、ガス式給湯熱源機110と、電気式給湯熱源機120と、貯湯タンク130と、中央制御部350とを含んで構成される。
【0073】
中央制御部350は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成され、ROMからCPU自体を動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出し、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して給湯装置300全体を管理および制御する。本実施形態において、中央制御部350は、装置通信部352、運転制御部354として機能する。
【0074】
装置通信部352は、管理サーバ210と通信を確立し、例えば、ガス消費量を送信したり、運転制御情報を受信したりする。
【0075】
運転制御部354は、装置通信部352が運転制御情報を受信していない場合、要求熱量を満たすように、ガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120それぞれの運転負荷を決定し、決定した運転負荷でガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120の運転を制御する。
【0076】
一方、装置通信部352が運転制御情報として運転促進情報を受信すると、運転制御部354は、ガス式給湯熱源機110の運転負荷を増加させるとともに、要求熱量を満たすように電気式給湯熱源機120の運転負荷を低下させる。
【0077】
また、装置通信部352が運転制御情報として運転抑制情報を受信すると、運転制御部354は、ガス式給湯熱源機110の運転負荷を低下させるとともに、要求熱量を満たすように電気式給湯熱源機120の運転負荷を増加させる。
【0078】
以上説明したように、本実施形態にかかる給湯システム200によれば、給湯装置300の運転制御部354が、ガス供給会社に設けられた管理サーバ210が送信した運転制御情報に基づいて、ガス式給湯熱源機110の運転負荷を決定する。したがって、ガス供給会社が保有するガス供給設備の稼働率が所定値以上となるようにガス目標供給量を設定すれば、ガス供給設備全体の稼働率を向上させることができる。また、管理サーバ210が管理範囲全体のすべての給湯装置300を一括して制御することができるため、合計ガスデマンドをガス目標供給量に容易に近づけることが可能となる。
【0079】
(第4の実施形態:給湯システム400)
図9は、第4の実施形態にかかる給湯システム400を説明する図である。なお、
図9の給湯装置500において、ガス、電力の流れを白抜き矢印で示し、水(給水、湯水等)の流れを実線の矢印で示し、信号の流れを破線で示す。
【0080】
図9に示すように、給湯システム400は、管理サーバ410と、1または複数の給湯装置500とを含んで構成される。なお、上述した給湯装置100と実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0081】
管理サーバ410は、電力供給会社に設けられ、所定の管理範囲(例えば、町、区、市、都、道、府、県等)全体の電力消費量等を管理する。管理範囲には、給湯装置500を有する設備402と、給湯装置500を有しないものの電力を消費する設備404とが設けられる。以下、管理サーバ410、給湯装置500の具体的な構成について説明する。
【0082】
管理サーバ410は、管理制御部420を含んで構成される。管理制御部420は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成され、ROMからCPU自体を動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出し、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して管理サーバ410全体を管理および制御する。本実施形態において、管理制御部420は、管理通信部422、合計電力デマンド導出部424、情報生成部426として機能する。
【0083】
管理通信部422は、管理範囲に設けられた全ての設備402、404それぞれと、通信を確立する。管理通信部422は、例えば、設備402、404の電力消費量を受信する。また、管理通信部422は、後述する運転促進情報(運転制御情報)および運転抑制情報(運転制御情報)を送信する。
【0084】
合計電力デマンド導出部424は、管理通信部422が受信した設備402、404それぞれの電力消費量を合計して、合計電力デマンド(管理範囲全体の電力消費量)を導出する。
【0085】
情報生成部426は、合計電力デマンドと、電力目標供給量とを、所定時間間隔(例えば、n分ごと、n時間ごと等)で比較する。情報生成部426は、合計電力デマンドが電力目標供給量未満である場合、運転制御情報として運転促進情報を生成する。また、情報生成部426は、合計電力デマンドが電力目標供給量を上回る場合、運転制御情報として運転抑制情報を生成する。そして、運転制御情報が生成されると、管理通信部422は、運転制御情報を給湯装置500に送信する。
【0086】
給湯装置500は、ガス式給湯熱源機110と、電気式給湯熱源機120と、貯湯タンク130と、中央制御部550とを含んで構成される。
【0087】
中央制御部550は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成され、ROMからCPU自体を動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出し、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して給湯装置500全体を管理および制御する。本実施形態において、中央制御部550は、装置通信部552、運転制御部554として機能する。
【0088】
装置通信部552は、管理サーバ410と通信を確立し、例えば、電力消費量を送信したり、運転制御情報を受信したりする。
【0089】
運転制御部554は、装置通信部552が運転制御情報を受信していない場合、要求熱量を満たすように、ガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120それぞれの運転負荷を決定し、決定した運転負荷でガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120の運転を制御する。
【0090】
一方、装置通信部552が運転制御情報として運転促進情報を受信すると、運転制御部554は、電気式給湯熱源機120の運転負荷を増加させるとともに、要求熱量を満たすようにガス式給湯熱源機110の運転負荷を低下させる。
【0091】
また、装置通信部552が運転制御情報として運転抑制情報を受信すると、運転制御部554は、電気式給湯熱源機120の運転負荷を低下させるとともに、要求熱量を満たすようにガス式給湯熱源機110の運転負荷を増加させる。
【0092】
以上説明したように、本実施形態にかかる給湯システム400によれば、給湯装置500の運転制御部554が、電力供給会社に設けられた管理サーバ410が送信した運転制御情報に基づいて、電気式給湯熱源機120の運転負荷を決定する。したがって、電力供給会社が保有する電力供給設備の稼働率が所定値以上となるように電力目標供給量を設定すれば、電力供給設備全体の稼働率を向上させることができる。また、管理サーバ410が管理範囲全体のすべての給湯装置500を一括して制御することができるため、合計電力デマンドを電力目標供給量に容易に近づけることが可能となる。
【0093】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0094】
例えば、上記第1の実施形態において、運転制御部154は、ガスデマンドがガス目標供給量となるように、ガス式給湯熱源機110の運転負荷を調整する構成を例に挙げて説明した。しかし、運転制御部154は、ガス式給湯熱源機110が消費するガスの消費量(ガス式給湯熱源機110へのガスの供給量)がガス目標供給量となるように、ガス式給湯熱源機110の運転負荷を制御してもよい。
【0095】
また、上記第1、第2の実施形態において、給湯装置100が装置通信部152を備える構成を例に挙げて説明した。しかし、ガス目標情報、電力目標情報が、給湯装置100の不図示のメモリに予め保持されている場合、装置通信部152を備えずともよい。
【0096】
また、上記第2の実施形態において、運転制御部154が、ガス差分と、補正電力差分とが所定の範囲内に収まるように(例えば、ガス差分の95%〜105%の範囲内に補正電力差分が収まるように)、ガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120の運転負荷を決定する構成を例に挙げて説明した。しかし、運転制御部154は、ガス差分と、補正電力差分とが実質的に等しくなるように、ガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120の運転負荷を決定するとしてもよい。
【0097】
また、上記第3の実施形態において、装置通信部352が運転抑制情報を受信した場合、運転制御部354が、必ず、ガス式給湯熱源機110の運転負荷を低下させる構成を例に挙げて説明した。しかし、装置通信部352が運転抑制情報を受信したとしても、運転制御部354は、ガス式給湯熱源機110の運転負荷を低下させずともよい。例えば、運転抑制情報を受信した場合に、ガス式給湯熱源機110の運転負荷を低下させると、インセンティブ(例えば、ガス料金の低減、対価)を得ることができるように構成し、ガス式給湯熱源機110の運転負荷を低下させないと、ペナルティ(例えば、ガス料金の増額)が課されるように構成してもよい。そして、給湯装置300は、インセンティブとペナルティとに基づいて、ガス式給湯熱源機110と電気式給湯熱源機120の運転負荷を決定するとしてもよい。
【0098】
また、管理サーバ210の情報生成部226が、合計ガスデマンドおよびガス目標供給量に基づいて、給湯装置300が有するガス式給湯熱源機110の運転負荷を決定し、運転負荷を示す情報を運転制御情報として生成してもよい。この場合、給湯装置300の装置通信部352が運転制御情報を受信すると、運転制御部354は、運転制御情報に示された運転負荷に基づいてガス式給湯熱源機110の運転を制御するとしてもよい。
【0099】
また、上記第4の実施形態において、装置通信部552が運転抑制情報を受信した場合、運転制御部554が、必ず、電気式給湯熱源機120の運転負荷を低下させる構成を例に挙げて説明した。しかし、装置通信部552が運転抑制情報を受信したとしても、運転制御部554は、電気式給湯熱源機120の運転負荷を低下させずともよい。例えば、運転抑制情報を受信した場合に、電気式給湯熱源機120の運転負荷を低下させると、インセンティブ(例えば、電気料金の低減、対価)を得ることができるように構成し、電気式給湯熱源機120の運転負荷を低下させないと、ペナルティ(例えば、電気料金の増額)が課されるように構成してもよい。そして、給湯装置500は、インセンティブとペナルティとに基づいて、ガス式給湯熱源機110と電気式給湯熱源機120の運転負荷を決定するとしてもよい。
【0100】
また、管理サーバ410の情報生成部426が、合計電力デマンドおよび電力目標供給量に基づいて、給湯装置500が有する電気式給湯熱源機120の運転負荷を決定し、運転負荷を示す情報を運転制御情報として生成してもよい。この場合、給湯装置500の装置通信部552が運転制御情報を受信すると、運転制御部554は、運転制御情報に示された運転負荷に基づいて電気式給湯熱源機120の運転を制御するとしてもよい。
【0101】
また、上記実施形態において、運転負荷を低下させる構成を例に挙げて説明したが、運転負荷の低下には、運転停止も含まれる。
給湯装置100は、ガス式給湯熱源機110と、電気式給湯熱源機120と、ガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120の運転負荷を決定する運転制御部154とを備え、運転制御部154は、要求熱量を満たすガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120それぞれの運転負荷を仮決定し、仮決定した運転負荷のガス式給湯熱源機110のガス消費量であるガスデマンドと、所定のガス目標供給量とに基づいて、ガス式給湯熱源機110および電気式給湯熱源機120の運転負荷を決定する。