特許第6244427号(P6244427)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6244427
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】イオン交換膜
(51)【国際特許分類】
   B01J 41/12 20170101AFI20171127BHJP
   B01D 71/62 20060101ALI20171127BHJP
   B01J 47/12 20170101ALI20171127BHJP
   C08G 61/08 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   B01J41/12
   B01D71/62
   B01J47/12
   C08G61/08
【請求項の数】12
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2016-176355(P2016-176355)
(22)【出願日】2016年9月9日
(65)【公開番号】特開2017-119269(P2017-119269A)
(43)【公開日】2017年7月6日
【審査請求日】2016年9月9日
(31)【優先権主張番号】104143991
(32)【優先日】2015年12月28日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蔡 政修
(72)【発明者】
【氏名】蔡 麗端
(72)【発明者】
【氏名】王 邱董
(72)【発明者】
【氏名】蘇 秋琿
(72)【発明者】
【氏名】林 月微
【審査官】 菊地 寛
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−513705(JP,A)
【文献】 特開2009−256654(JP,A)
【文献】 米国特許第8223472(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 41/12
B01D 71/62
B01J 47/12
C08G 61/08
C08G 2/00
C08G 61/00
C08J 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーと架橋剤との反応生成物を含むイオン交換膜であって、前記ポリマーが以下の:
【化1】
で示される第1の繰り返し単位と、以下の:
【化2】
で示される第2の繰り返し単位と、を含み、
ここで、R+は、
【化3】
であり、
-は、F-、Cl-、Br-、I-、OH-、HCO3-、HSO4-、SbF6-、BF4-、H2PO4-、H2PO3-、またはH2PO2-であり、
Xは、以下:
【化4】
(式中、iおよびjは、それぞれ独立して0、または1から6までの整数であり、Yは、−O−、−S−、−CH2−、または−NH−である)
であり、
1は、それぞれ独立してC1-8アルキル基であり、ならびに
2およびR3は、それぞれ独立して水素またはC1-8アルキル基であり、かつ
前記架橋剤は、少なくとも2つのイミド基を有する化合物であるイオン交換膜。
【請求項2】
前記イミド基がマレイミド基である請求項1記載のイオン交換膜。
【請求項3】
1が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロペンチル、ヘプチル、またはオクチルである請求項1または2記載のイオン交換膜。
【請求項4】
2およびR3が、それぞれ独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロペンチル、ヘプチル、またはオクチルである請求項1から3のいずれか1項に記載のイオン交換膜。
【請求項5】
前記第1の繰り返し単位が、以下:
【化5】
(式中、R+は、
【化6】
であり、
-は、F-、Cl-、Br-、I-、OH-、HCO3-、HSO4-、SbF6-、BF4-、H2PO4-、H2PO3-、またはH2PO2-であり、
iおよびjは、それぞれ独立して0、または1から6までの整数であり、ならびに
2およびR3は、それぞれ独立して、水素またはC1-8アルキル基である)
である請求項1〜4のいずれか1項に記載のイオン交換膜。
【請求項6】
前記第1の繰り返し単位が、以下:
【化7】
(式中、A-は、F-、Cl-、Br-、I-、OH-、HCO3-、HSO4-、SbF6-、BF4-、H2PO4-、H2PO3-、またはH2PO2-であり、
Xは、以下:
【化8】
(ここで、iおよびjは、それぞれ独立して0、または1から6までの整数であり、Yは、−O−、−S−、−CH2−、または−NH−である)
であり、ならびに
2およびR3は、それぞれ独立して水素またはC1-8アルキル基である)
である請求項1〜5のいずれか1項に記載のイオン交換膜。
【請求項7】
前記第2の繰り返し単位が、以下:
【化9】
である請求項1〜6のいずれか1項に記載のイオン交換膜。
【請求項8】
前記ポリマーが、以下:
【化10】
で示される第3の繰り返し単位をさらに含む請求項1〜7のいずれか1項に記載のイオン交換膜。
【請求項9】
前記第3の繰り返し単位と前記第1の繰り返し単位および前記第2の繰り返し単位の合計との比が、0.1:100から5:100の間である請求項8記載のイオン交換膜。
【請求項10】
前記第1の繰り返し単位と前記第2の繰り返し単位との比が、1:99から99:1の間である請求項1〜9のいずれか1項に記載のイオン交換膜。
【請求項11】
前記架橋剤が、以下:
【化11】
(ここで、Zは以下:
【化12】
であって、
式中、Y1は、単結合、−O−、−S−、−CH2−、または−NH−であり、R4は、それぞれ独立して水素またはC1-4アルキル基であり、n≧1であり、xは、1から12までの整数であり、ならびに、yおよびzは、それぞれ独立して1から5までの整数である)
である請求項1〜10のいずれか1項に記載のイオン交換膜。
【請求項12】
前記架橋剤が、化合物(a)と化合物(b)との反応生成物であって、
前記化合物(a)は、以下:
【化13】
(ここで、Zは以下:
【化14】
であって、
式中、Y1は、単結合、−O−、−S−、−CH2−、または−NH−であり、R4は、それぞれ独立して水素またはC1-4アルキル基であり、n≧1であり、xは、1から12までの整数であり、ならびに、yおよびzは、それぞれ独立して1から5までの整数である)
であり、化合物(b)は、以下の式(I):
【化15】
または式(II):
【化16】
(ここで、R5は、それぞれ独立して水素またはC1-4アルキル基であり、および、R6は、それぞれ独立して水素またはC1-4アルキル基である)
で示される構造を有する請求項1〜11のいずれか1項に記載のイオン交換膜。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はイオン交換膜に関する。
【背景技術】
【0002】
イオン交換膜は、電気透析精製(electrodialysis purification)、燃料電池、電気めっき、および食品産業などに広く用いられている。
【0003】
イオン交換膜は、膜本体となる負荷電基(negatively charged groups)または正荷電基(positively charged groups)を有するポリマー材と、電位または化学ポテンシャルの下で移動可能な(migratable)陽イオンまたは陰イオンと、を含む。陽イオン交換膜は、ポリマー上に固定された負荷電基と、移動可能な陽イオンとを有する。同様に、陰イオン交換膜は、ポリマー上に固定された正荷電基と、移動可能な陰イオンとを有する。一般に、イオン交換膜の特性は、固定されている荷電基の数、タイプおよび分布によって決まる。従来のポリマー材で作られた陰イオン交換膜は、従来のポリマー材が溶解性、機械的強度、および溶媒選択性に劣るために、イオン交換膜燃料電池への使用には適さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第8223472号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のポリマー材は溶解性、機械的強度、および溶媒選択性に劣るため、従来のポリマーで作製されたイオン交換膜は機械的強度、寸法安定性およびイオン伝導率に劣るものであった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態において、ポリマーと架橋剤との反応生成物を含むイオン交換膜が提供される。該ポリマーは第1の繰り返し単位および第2の繰り返し単位を含み、ここで、第1の繰り返し単位は、
【化1】
であってもよく、
第2の繰り返し単位は、
【化2】
であってもよく、
ここで、R+は、
【化3】
であってもよく、
-は、F-、Cl-、Br-、I-、OH-、HCO3-、HSO4-、SbF6-、BF4-、H2PO4-、H2PO3-、またはH2PO2-であってもよく、
Xは、
【化4】
(式中、iおよびjは、それぞれ独立して0、または1から6までの整数であってもよく、Yは、−O−、−S−、−CH2−、または−NH−であってもよい)であってもよく、
1は、それぞれ独立してC1-8アルキル基であってもよく、ならびに
2およびR3は、それぞれ独立して水素またはC1-8アルキル基であってもよい。さらに、架橋剤としては、少なくとも2つのマレイミド基を有する化合物が挙げられる。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、例えば実質的な陰イオン交換膜(intrinsic anion exchange membrane)などのイオン交換膜を提供する。当該イオン交換膜は、イオン交換基(ion exchange group)としての安定な環状共役陽イオン基(cyclic conjugated cationic group)(例えばイミダゾール基)を有するポリマーから製造される。さらに、架橋剤が少なくとも2つのイミド基を有するため、マレイミド基が環状共役陽イオン基と反応することができ、よって膜形成能(film forming ability)が向上する。また、本発明のイオン交換膜は、特定のポリマーおよび架橋剤を用いることにより、高い機械的強度、高い寸法安定性、および高いイオン伝導率を示す。さらに、架橋剤は高分子架橋剤(polymeric cross−linking agent)であり得、ポリマーと高分子架橋剤とが相互侵入高分子網目(interpenetrating polymer network)を形成することができるため、イオン交換膜の機械的強度および寸法安定性が向上する。
【0008】
例示的な実施形態を以下により詳細に記載する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明においては、説明の目的で、開示される実施形態が十分に理解されるよう多数の具体的な詳細が記載される。しかし、これらの具体的な詳細がなしに、1つまたは複数の実施形態が実施されてもよいことは明らかであろう。
【0010】
本発明は、例えば実質的な陰イオン交換膜などのイオン交換膜を提供する。イオン交換膜は、イオン交換基としての安定な環状共役陽イオン基(例えばイミダゾール基)を有するポリマーから製造される。さらに、架橋剤が少なくとも2つのイミド基を有するため、マレイミド基が環状共役陽イオン基と反応することができ、よって膜形成能が向上する。また、本発明のイオン交換膜は、特定のポリマーおよび架橋剤を用いることにより、高い機械的強度、高い寸法安定性、および高いイオン伝導率を示す。さらに、架橋剤は高分子架橋剤であり得、ポリマーと高分子架橋剤とが相互侵入高分子網目を形成することができるため、イオン交換膜の機械的強度および寸法安定性が向上する。
【0011】
イオン交換膜は、ポリマーと架橋剤との反応生成物を含み得る。構造の設計において、ポリマーに安定なカチオン基を導入したことにより、本発明のイオン交換膜は高いイオン伝導性を示す。また、ポリマーに非イオン性基を導入したことで、本発明のイオン交換膜は、高い溶解性も示す。
【0012】
本発明の一実施形態において、本発明のポリマーは、第1の繰り返し単位および第2の繰り返し単位を含む。第1の繰り返し単位は、
【化5】
であってもよく、
ここで、R+は、
【化6】
であってもよく、
-は、F-、Cl-、Br-、I-、OH-、HCO3-、HSO4-、SbF6-、BF4-、H2PO4-、H2PO3-、またはH2PO2-であってもよく、
Xは、
【化7】
(式中、iおよびjは、それぞれ独立して0、または1から6までの整数であってもよく、Yは、−O−、−S−、−CH2−、または−NH−であってもよい)であってもよく、ならびに
2およびR3は、それぞれ独立して水素、またはC1-8アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロペンチル、ヘプチル、もしくはオクチルなど)であってもよい。
【0013】
さらに、第2の繰り返し単位は、
【化8】
(式中、R1は、それぞれ独立してC1-8アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロペンチル、ヘプチル、またはオクチルなどであってもよい)
であってもよい。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、本発明のポリマーの分子量(例えば数平均分子量)は、約100000から250000の間である。
【0015】
本発明の一実施形態において、第1の繰り返し単位は、
【化9】
(ここで、R+は、
【化10】
であってもよく、
-は、F-、Cl-、Br-、I-、OH-、HCO3-、HSO4-、SbF6-、BF4-、H2PO4-、H2PO3-、またはH2PO2-であってもよく、
Xは、
【化11】
(式中、Yは、−O−、−S−、−CH2−、または−NH−であってもよく、iおよびjは、それぞれ独立して0、または1から6までの整数であってもよい)
であってもよく、ならびに、
2およびR3は、それぞれ独立して水素またはC1-8アルキル基であってもよい)
であり得る。
【0016】
本発明の一実施形態において、第2の繰り返し単位は、
【化12】
であってもよい。
【0017】
本発明の実施形態によれば、ポリマーの第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位との比は、所望のポリマーの特性が得られるように調整され得る。例えば、ポリマーの導電性および陰イオン交換能(anion exchange capacity)を高めるために、第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位との比は大きくされ得る。これとは反対に、ポリマーの溶解性、機械的強度、および溶媒選択性を高めるために、第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位との比の値は減少され得る。第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位との比は、約1:99から99:1の間であってもよく、例えば約10:90から90:10の間、約20:80から80:20の間、または約30:70から70:30の間であってもよい。
【0018】
本発明の一実施形態において、本発明のポリマーは、第3の繰り返し単位をさらに含んでもよく、ここで、第3の繰り返し単位は、
【化13】
であり得る。
【0019】
第1の繰り返し単位、第2の繰り返し単位、または第3の繰り返し単位において以下の
【化14】
によって示される部分は、他の第1の繰り返し単位、他の第2の繰り返し単位、または他の第3の繰り返し単位の以下の
【化15】
によって示される部分に結合される。
【0020】
さらに、第1の繰り返し単位、第2の繰り返し単位、および第3の繰り返し単位は、ランダムな方式で配列され得る。例えば、本発明のポリマーは以下の:
【化16】
で示される部分(moiety)、以下の:
【化17】
で示される部分、または以下の:
【化18】
で示される部分を有していてもよい。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、第3の繰り返し単位と、第1の繰り返し単位および第2の繰り返し単位の合計との比は、約0.1:100から5:100の間であり得、例えば約0.5:100から4:100の間、または約0.5:100から3:100の間であってもよい。第3の繰り返し単位の導入により、ポリマーは、より優れた架橋度および機械的強度を備え得る。第3の繰り返し単位と、第1の繰り返し単位および第2の繰り返し単位の合計との比の値が高すぎると、ポリマーの架橋度および分子量が高くなりすぎて、ポリマーは、その後のプロセス溶媒に再溶解(redissolved)され得なくなる。
【0022】
本発明の一実施形態において、架橋剤は、少なくとも2つのイミド基を有する化合物であり得、ここでイミド基としては、フタルイミド基、スクシンイミド基、N−ブロモスクシンイミド基、グルタルイミド、またはマレイミド基であり得る。例えば、架橋剤は、少なくとも2つのマレイミド基を有する化合物(例えば2つのマレイミド基を有する化合物)であってもよい。本発明の一実施形態において、2つのマレイミド基を有する化合物は、以下の:
【化19】
(ここで、Zは、
【化20】
(式中、Y1は、単結合、−O−、−S−、−CH2−、もしくは−NH−であってもよく、R4は、それぞれ独立して水素もしくはC1-4アルキル基であってもよく、n≧1であり、xは、1から12までの整数であってもよく、yおよびzは、それぞれ独立して1から5までの整数であってもよい)
であってもよい)
であり得る。例えば、架橋剤は、
【化21】
であり得る。
【0023】
さらに、本発明の一実施形態において、架橋剤は、少なくとも2つのマレイミド基を有する高分子架橋剤であり得る。高分子架橋剤は、化合物(a)と化合物(b)との反応生成物であり得る。化合物(a)は、
【化22】
であり得、
ここで、Zは、
【化23】
(式中、Y1は、単結合、−O−、−S−、−CH2−、または−NHであってもよく、R4は、それぞれ独立して水素またはC1-4アルキル基であってもよく、n≧1であり、xは1から12までの整数であってもよく、yおよびzはそれぞれ独立して1から5までの整数であってもよい)
であってもよい。
【0024】
化合物(b)は、以下の式(I):
【化24】
または式(II):
【化25】
(ここで、R5は、それぞれ独立して水素またはC1-4アルキル基であり、およびR6は、それぞれ独立して水素またはC1-4アルキル基である)
で表される化合物であり得る。
【0025】
例えば化合物(b)は、
【化26】
であってもよい。
【0026】
高分子架橋剤およびポリマーは相互侵入高分子網目を形成することができるため、機械的強度および寸法安定性が向上される。
【0027】
本発明の一実施形態において、上記ポリマーの製造方法が提供される。方法は、組成物を重合反応、例えば開環メタセシス重合(ROMP)などに付す工程を含む。組成物は、式(III)の構造を有する第1のモノマーと、式(IV)の構造を有する第2のモノマーとを含み得、ここで式(III)および式(IV)の構造は以下:
【化27】
(式中、R+は、
【化28】
であってもよく、
-は、F-、Cl-、Br-、I-、OH-、HCO3-、HSO4-、SbF6-、BF4-、H2PO4-、H2PO3-、またはH2PO2-であってもよく、
Xは、
【化29】
(式中、iおよびjはそれぞれ独立して0、または1から6までの整数であってもよく、Yは、−O−、−S−、−CH2−、または−NH−であってもよい)であってもよく、
1は、それぞれ独立してC1-8アルキル基であってもよく、ならびに
2およびR3は、それぞれ独立して水素またはC1-8アルキル基であってもよい)
であり得る。また、重合反応のあいだに、触媒(例えば第1世代または第2世代のグラブス触媒など)がさらに用いられてもよい。
【0028】
本発明の一実施形態において、第1のモノマーは、
【化30】
(ここで、R+は、
【化31】
であってもよく、
-は、F-、Cl-、Br-、I-、OH-、HCO3-、HSO4-、SbF6-、BF4-、H2PO4-、H2PO3-、またはH2PO2-であってもよく、
Xは、
【化32】
(式中、iおよびjは、それぞれ独立して0、または1から6までの整数であってもよく、Yは−O−、−S−、−CH2−、または−NH−であってもよい)
であってもよく、ならびに
2およびR3は、それぞれ独立して水素、またはC1-8アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロペンチル、ヘプチル、もしくはオクチルなどであってもよい)
であり得る。
【0029】
さらに、第2のモノマーは、
【化33】
であり得る。
【0030】
本発明の一実施形態において、第1のモノマーと第2のモノマーとのモル比は、約1:99から99:1の間、例えば約10:90から90:10の間、約20:80から80:20の間、または約30:70から70:30の間などであり得る。
【0031】
また、本発明の一実施形態において、組成物は第3のモノマーをさらに含んでいてもよく、ここで第3モノマーは、
【化34】
であり得る。第3のモノマーと第1のモノマーおよび第2のモノマーの合計とのモル比は、約0.1:100から5:100の間、例えば約0.5:100から4:100の間、または約0.5:100から3:100の間などであり得る。
【0032】
本発明の一実施形態において、イオン交換膜を製造するための方法は、以下の工程を含む。先ず、前記ポリマーおよび前記架橋剤を含む組成物が準備される。さらには、組成物は溶媒を含んでおり、そして組成物は約5wt%から50wt%の間である固形分を有する。組成物中、架橋剤の重量比は、ポリマーの重量に対して約1wt%から30wt%の間(例えば約5wt%から30wt%の間、または約5wt%から25wt%の間など)である。架橋剤の量が高すぎると、イオン交換膜が脆くなる。一方、架橋剤の量が少なすぎると、イオン交換膜は、低い膜形成能(film forming ability)および機械的強度を示す。
【0033】
次いで、組成物が混合および分散され、そしてコーティングを形成するために基板(例えばガラス基板など)上に塗布される。次いで、コーティングが、大部分の溶媒を除去するために高温で焼成される。次いで、残存溶媒を除去するために、コーティングは高温のオーブン中で焼成される。次に、コーティングが水酸化カリウム水溶液中に1〜3時間浸漬され、続いて脱イオン水に室温(約25℃)で1〜3時間浸漬された。乾燥後、イオン交換膜が得られた。
【実施例】
【0034】
以下に、当該分野において通常の知識を有する者が容易に理解できるよう、例示的な実施形態を詳細に記載する。本発明の概念は、本明細書において述べられるこれら例示的な実施形態に限定されることなく、様々な形で具体化され得る。記載を明確にするために既知の部分についての説明は省かれている。
【0035】
カチオン基含有モノマーの製造
製造例1
ジシクロペンタジエン10mL(0.074mmol)および1−アリルイミダゾール20.15mL(0.186mmol)が高圧反応器に加えられた。180℃で8時間撹拌後、反応物は、分画(fractionation)およびカラムクロマトグラフィー(溶離液として酢酸エチル(EA)およびヘキサン(9:1)を使用して)により精製され、化合物(I)(無色透明の粘性の液体)が得られた。前記反応の合成経路は次のとおりである。
【化35】
【0036】
核磁気共鳴(NMR)分光法により化合物(1)が分析された。その結果は次のとおりである:1H NMR(300MHz,CDCl3):δ7.46(d,J=15.3,1H)、6.98(m,2H)、6.12(m,2H)、3.79(m,2H)、2.66(m,3H)、1.89(m,1H)、1.33(m,2H)、0.62(m,1H)。
【0037】
次いで、化合物(1)0.5g(2.87mmol)およびヨウ化メチル0.268mL(4.30mmol)が反応瓶に加えられた。室温で8時間撹拌後、真空蒸留により残存ヨウ化メチルが除去され、化合物(2)(黄色の粘性液体)が得られた。上記反応の合成経路は次のとおりである。
【化36】
【0038】
核磁気共鳴(NMR)分光法により化合物(2)が分析された。その結果は次のとおりである:1H NMR(300MHz,CDCl3):δ10.03(d,J=12.0Hz,1H)、7.42(m,2H)、6.21(m,2H)、4.19(m,5H)、2.74(m,3H)、1.99(m,1H)、1.41(m,2H)、0.67(m,1H)。
【0039】
製造例2
ジメチルホルムアミド(DMF)15mLが反応瓶に加えられた。次いで、水素化ナトリウム(NaH)1.7g(0.00427mol)が0℃で反応瓶に添加された。次いで、5−ノルボルネン−2−メタノール2.122g(0.0171mol)が0℃で反応瓶に添加された。撹拌後に、1−メチル−2−(クロロメチル)イミダゾール2g(0.0154mol)が反応瓶に添加された。12時間の撹拌後、水が反応を停止させるために反応瓶に加えられ、そしてその後、反応物がジクロロメタンを用いて抽出された。濃縮後、反応物は分画により精製されて、化合物(3)が得られた。上記反応の合成経路は次のとおりである。
【化37】
【0040】
核磁気共鳴(NMR)分光法により化合物(3)が分析された。その結果は次のとおりである:1H NMR(300MHz,CDCl3):δ6.90(s,2H)、6.10−5.76(m,2H)、4.59−4.81(m,2H)、3.71(s,3H)、3.51−3.00(m,2H)、2.86−2.69(m,2H)、2.33(m,1H)、1.84−1.66(m,1H)、1.41−1.10(m,2H)、0.47−0.43(m,1H)。
【0041】
次いで、化合物(3)2g(9mmol)が反応瓶に添加され、そしてジクロロメタン中に溶解された。次いで、ヨウ化メチル1mL(17mmol)が反応瓶に添加された。室温で12時間撹拌後、残存ヨウ化メチルおよび溶媒が除去され、化合物(4)(黄色の粘性液体)が得られた。上記反応の合成経路は次のとおりである。
【化38】
【0042】
核磁気共鳴(NMR)分光法により化合物(4)が分析された。その結果は次のとおりである:1H NMR(300MHz,CDCl3):δ7.45(s,2H)、6.18−5.84(m,2H)、4.90(s,2H)、3.98(s,6H)、3.68−3.20(m,2H)、2.35(m,1H)、1.86−1.78(m,1H)、1.46−1.14(m,4H)、0.52−0.51(m,1H)。
【0043】
非イオン性基(non−ionic group)を有するモノマーの製造
製造例3
ジシクロペンタジエン13.4mL(0.1mmol)および1−オクテン36mL(0.23mmol)が高圧反応器に加えられた。240℃で12時間撹拌後、反応物は黄色懸濁物質を除去するために中性アルミナを用いてろ過された。次いで、反応物は分画により精製されて、化合物(5)(無色透明の粘性液体)が得られた。上記反応の合成経路は次のとおりである。
【化39】
【0044】
核磁気共鳴(NMR)分光法により化合物(5)が分析された。その結果は次のとおりである:1H NMR(300MHz,CDCl3):δ6.08(m,1H,endo)、6.04(m,1H,exo)、5.90(m,1H,endo)、2.67−2.77(m,2H)、2.48(m,1H,exo)、1.97(m,1H,endo)、1.80(m,1H,endo)、1.14−1.38(m,11H)、0.82−0.90(m,3H)、0.43−0.50(m,1H,endo)。
【0045】
架橋剤の製造
製造例4
2.73gの以下の物質:
【化40】
および
0.37gの以下の物質:
【化41】
が、モル比2:1で反応瓶に加えられた。次いで、ジメチルアセトアミド(DMAc)97gが反応瓶に添加された。100〜150℃で5〜10時間撹拌後、高分子架橋剤(1)が得られた。
【0046】
ポリマーの製造
実施例1
化合物(2)3.08g(9.74mmol)および化合物(5)0.19g(1.08mmol)が、化合物(2)と化合物(5)とのモル比約9:1で窒素雰囲気下反応瓶に加えられた。次いで、ジクロロメタン30mLが反応瓶に添加された。次いで、グラブス溶液(9.2mg、ジクロロメタン6mL中に溶解)が30℃で反応瓶中にゆっくり添加された。4時間撹拌後、得られた反応物がエチルエーテル250mL中にゆっくり添加された。約30分の撹拌および濃縮後、反応物はアセトン100mLで洗浄され、そしてその後固体が収集された。乾燥後、ポリマー(1)(以下の:
【化42】
で示される第1の繰り返し単位と、以下の:
【化43】
で示される第2の繰り返し単位と、を有し、ここで、第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位との比は約9:1であった)を得た。
【0047】
ポリマー(1)の数平均分子量(Mn)は、約110000であり、ポリマー(1)の多分散指数(polydispersity index,PDI)は、約1.4であることが測定された。
【0048】
実施例2
化合物(2)と化合物(5)とのモル比を約8:2としたことを除き、実施例1と同じ方法で、実施例2が行なわれて、ポリマー(2)が得られた(ここで、以下の:
【化44】
で示される繰り返し単位と、以下の:
【化45】
で示される繰り返し単位との比は約8:2であった)。
【0049】
実施例3
実施例3が、化合物(2)と化合物(5)とのモル比を約7:3としたことを除き、実施例1と同じ方法で行なわれて、ポリマー(3)が得られた(ここで、以下の:
【化46】
で示される繰り返し単位と、以下の:
【化47】
で示される繰り返し単位との比は約7:3であった)。
【0050】
実施例4
実施例4が、化合物(2)と化合物(5)とのモル比を約4:6としたことを除き、実施例1と同じ方法で行なわれて、ポリマー(4)が得られた(ここで、以下の:
【化48】
で示される繰り返し単位と、以下の:
【化49】
で示される繰り返し単位との比は約4:6であった)。
【0051】
実施例5
実施例5が、化合物(2)と化合物(5)とのモル比を約2:8としたことを除き、実施例1と同じ方法で行なわれて、ポリマー(5)が得られた(ここで、以下の:
【化50】
で示される繰り返し単位と、以下の:
【化51】
で示される繰り返し単位との比は約2:8であった)。
【0052】
実施例6
化合物(4)3.53g(9.74mmol)および化合物(5)0.19g(1.08mmol)が、化合物(4)と化合物(5)とのモル比約9:1で窒素雰囲気下反応瓶に加えられた。次いで、ジクロロメタン30mLが反応瓶に添加された。次いで、グラブス溶液(9.2mg、ジクロロメタン6mL中に溶解)が30℃で反応瓶中にゆっくり添加された。4時間撹拌後、得られた反応物がエチルエーテル250mL中にゆっくり添加された。約30分の撹拌および濃縮後、反応物はアセトン100mLで洗浄され、そしてその後固体が収集された。乾燥後、ポリマー(6)(以下の:
【化52】
で示される繰り返し単位と、以下の:
【化53】
で示される繰り返し単位と、を有し、ここで、前者の繰り返し単位と後者の繰り返し単位との比は約9:1であった)を得た。
【0053】
実施例7
実施例7が、化合物(4)と化合物(5)とのモル比を約6:4としたことを除き、実施例6と同じ方法で行なわれて、ポリマー(7)が得られた(ここで、以下の:
【化54】
で示される繰り返し単位と、以下の:
【化55】
で示される繰り返し単位との比は約6:4であった)。
【0054】
実施例8
実施例8が、化合物(4)と化合物(5)とのモル比を約3:7としたことを除き、実施例6と同じ方法で行なわれて、ポリマー(8)が得られた(ここで、以下の:
【化56】
で示される繰り返し単位と、以下の:
【化57】
で示される繰り返し単位との比は約3:7であった)。
【0055】
実施例9
化合物(2)3.08g(9.74mmol)、化合物(5)0.19g(1.08mmol)およびジシクロペンタジエン12mg(0.097mmol)が、化合物(2)と化合物(5)とジシクロペンタジエンとのモル比約9:1:0.09で窒素雰囲気下反応瓶に加えられた。次いで、ジクロロメタン30mLが反応瓶に添加された。次いで、グラブス溶液(9.2mg、ジクロロメタン6mL中に溶解)が30℃で反応瓶中にゆっくり添加された。4時間撹拌後、得られた反応物がエチルエーテル250mL中にゆっくり添加された。約30分の撹拌および濃縮後、反応物はアセトン100mLで洗浄され、そしてその後固体が収集された。乾燥後、ポリマー(9)(以下の:
【化58】
で示される第1の繰り返し単位と、以下の:
【化59】
で示される第2の繰り返し単位と、以下の:
【化60】
で示される第3の繰り返し単位と、を有し、ここで、第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位と第3の繰り返し単位との比は約9:1:0.09であった)を得た。
【0056】
陰イオン交換膜の製造
実施例10
100重量部のポリマー(1)(実施例1で製造されたもの)が反応瓶に加えられ、そして667重量部のジメチルアセトアミド(DMAc)中に溶解された。次いで、10重量部の高分子架橋剤(1)(製造例4で製造されたもの)が反応瓶中に添加された。次いで、反応物が、高速ホモジナイザー(high speed homogenizer)を用いて混合および分散され、そしてその後消泡されて、溶液が得られた。次いで、得られた溶液がスピンコーティングによりガラス基板上に塗布されて、コーティングが形成された。次いで、コーティングが、大部分の溶媒を除去するために40〜150℃で焼成された。次いで、残存溶媒を除去するために、コーティングは120〜200℃で1〜6時間焼成された。次いで、コーティング中に溶媒が残存していないことを確実にするために、コーティングは水酸化カリウム水溶液に中に室温で1.5時間浸漬され、続いて脱イオン水中に室温で1.5時間浸漬された。乾燥後、陰イオン交換膜(1)が得られた。次いで、得られた陰イオン交換膜(1)のイオン伝導率(ionic conductivity)が測定された。結果は表1に示されている。
【0057】
実施例11〜14
実施例11〜14が、ポリマー(1)をポリマー(2)〜(5)にそれぞれ置き換えたことを除き、実施例10と同じ方法でそれぞれ行なわれて、陰イオン交換膜(2)〜(5)が得られた。次いで、各陰イオン交換膜(2)〜(5)のイオン伝導率がそれぞれ測定された。その結果が表1に示されている。さらに、ASTM D882−02にしたがって、陰イオン交換膜(3)の降伏応力(yield stress)および破断応力(break stress)が測定された。結果が表2に示されている。
【0058】
【表1】
【0059】
表1に示されているように、以下の:
【化61】
で示される繰り返し単位の、以下の:
【化62】
で示される繰り返し単位に対する割合が増大するにしたがって、陰イオン交換膜のイオン伝導率が向上した。
【0060】
実施例15
実施例15が、使用する高分子架橋剤(1)の量を10重量部から7重量部に変更したことを除き、実施例12と同じ方法で行なわれて、陰イオン交換膜(6)が得られた。次いで、ASTM D882−02にしたがって、陰イオン交換膜(6)の降伏応力および破断応力が測定された。結果が表2に示されている。
【0061】
実施例16
実施例16が、使用する高分子架橋剤(1)の量を10重量部から20重量部に変更したことを除き、実施例12と同じ方法で行なわれて、陰イオン交換膜(7)が得られた。次いで、ASTM D882−02にしたがって、陰イオン交換膜(7)の降伏応力および破断応力が測定された。結果が表2に示されている。
【0062】
実施例17
実施例17が、使用する高分子架橋剤(1)の量を10重量部から25重量部に変更したことを除き、実施例12と同じ方法で行なわれて、陰イオン交換膜(8)が得られた。次いで、ASTM D882−02にしたがって、陰イオン交換膜(8)の降伏応力および破断応力が測定された。結果が表2に示されている。
【0063】
【表2】
【0064】
表2に示されるように、高分子架橋剤の濃度が高くなるにしたがって、機械的強度(例えば降伏応力および破断応力)が向上した。表1および表2から明らかなように、本発明の陰イオン交換膜は、優れたイオン伝導率および機械的強度を示すものである。
【0065】
実施例18
100重量部のポリマー(6)(実施例6で製造されたもの)が反応瓶に加えられ、そして667重量部のジメチルアセトアミド(DMAc)中に溶解された。次いで、10重量部の高分子架橋剤(1)(製造例4で製造されたもの)が反応瓶中に添加された。次いで、反応物が、高速ホモジナイザーを用いて混合および分散され、そしてその後消泡され、溶液が得られた。次いで、得られた溶液がスピンコーティングによりガラス基板上に塗布されて、コーティングが形成された。次いで、コーティングが、大部分の溶媒を除去するために40〜150℃で焼成された。次いで、残存溶媒を除去するために、コーティングは120〜200℃で1〜6時間焼成された。次いで、コーティング中に溶媒が残存していないことを確実にするために、コーティングは水酸化カリウム水溶液中に室温で1.5時間浸漬され、続いて脱イオン水中に室温で1.5時間浸漬された。乾燥後、陰イオン交換膜(9)が得られた。次いで、得られた陰イオン交換膜(9)のイオン伝導率および寸法安定性が測定された。結果は表3に示されている。
【0066】
実施例19〜20
実施例19および20が、ポリマー(6)をポリマー(7)または(8)にそれぞれ置き換えたことを除き、実施例18と同じ方法でそれぞれ行なわれて、陰イオン交換膜(10)および(11)が得られた。次いで、各陰イオン交換膜(10)および(11)のイオン伝導率および寸法安定性がそれぞれ測定された。結果が表3に示されている。
【0067】
【表3】
【0068】
表3に示されているように、以下の:
【化63】
で示される繰り返し単位の、以下の:
【化64】
で示される繰り返し単位に対する割合が増大するにしたがって、陰イオン交換膜のイオン伝導率が向上した。さらに、本発明の陰イオン交換膜は、高い寸法安定性も示していた。
【0069】
このように、イオン交換膜が、安定な環状共役陽イオン基(例えばイミダゾール基など)を有するポリマーと、環状共役陽イオン基と反応し得る少なくとも2つの官能基を有する架橋剤と、から製造されることにより、本発明のイオン交換膜は、高い膜形成能、イオン伝導率、機械的強度および寸法安定性を有する。したがって、本発明のイオン交換膜は、燃料電池への使用、または精製および分離装置への使用に適している。
【0070】
開示された方法および物質に各種修飾および変化が加えられ得ることは、明らかであろう。本明細書の記載および実施例は単に例示を目的とするように意図されており、本発明の真の範囲は、以下の特許請求の範囲およびその等価物によって示される。