(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態の一例(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。また、以下の説明において、上下左右前後の方向は
図1中に示す上下左右前後の方向を基準とする。
【0012】
本実施形態における所謂縦型の電気洗濯機は、次のような構成によって衣類の洗濯および乾燥を行うものである。
【0013】
洗濯水を溜める外槽内に、回転自在に支持された水槽を外槽と同軸に備え、水槽の底面には上面に凹凸を設けた回転翼が回転可能に設けられている。この回転翼と水槽とは、モータなどの駆動手段によって選択的に回転駆動される構成である。
【0014】
さらに、洗剤投入口に給水し、洗剤投入口に投入された洗剤を溶かしつつ外槽の底部まで導入する洗剤給水手段と、前記外槽内に給水する給水手段と、前記外槽内の洗濯水を洗濯機外に排水する排水手段と、前記外槽底面の洗濯水を汲み上げて水槽の上部から洗濯物に降り掛ける洗濯水循環手段と、前記外槽内部の高湿な空気を吸気して水冷除湿した後に加熱して、低湿な空気を水槽内に吹き込んで洗濯物を乾燥させる除湿手段と、前記駆動手段と、前記給水手段と、前記排水手段と、前記洗濯水循環手段と、前記除湿手段と、を駆動制御する制御手段と、を備えている。
【0015】
そして、前記制御手段は次のように洗濯および乾燥工程を制御する。
洗濯工程においては、外槽内に給水することで外槽底面に供給された洗剤を溶かして高濃度の洗剤液を生成する。高濃度の洗剤液を前記洗濯水循環手段によって水槽の上部から洗濯物に降り掛けるように循環させ、回転翼を正逆回転することで回転翼と洗濯物との間に生じる摩擦力ないし凹凸により生じる上下方向の分力、および洗濯水が撹拌されることによって洗濯物を洗浄する。
【0016】
すすぎ工程では、洗濯水を排水したのち水道水を給水し、水道水を前記洗濯水循環手段によって水槽の上部から洗濯物に降り掛けるように循環させ、回転翼を正逆回転することで回転翼と洗濯物との間に生じる摩擦力ないし凹凸により生じる上下方向の分力、および洗濯水が撹拌されることによって洗濯物に付着した洗剤成分を押出す濯ぎを行う。
【0017】
そして乾燥工程では、前記回転翼を正逆回転しつつ前記外槽内部の高湿な空気を吸い出して、水冷除湿した後に加熱して、再度前記外槽内に吹き込みつつ循環して洗濯物を乾燥させる。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係る電気洗濯機の外観を示す斜視図であって蓋体を閉じた状態を示し、
図2は蓋体を開いて洗濯物を出し入れ可能な状態を示している。
図3は電気洗濯機の外観を示す上面図であり、
図4は内部構造を示す縦断面図であって
図3におけるA−A断面を示す。
【0019】
洗濯機本体1の外郭を形成する四角筒状の筐体2の上部には、上面に開口である洗濯物投入口3を備え、洗濯機本体1の上部をなすトップカバー4が載置されている。トップカバーは例えばABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂や、PP(ポリプロピレン)樹脂などで成型されている。
【0020】
トップカバー4の上面には、洗濯物投入口3を覆うように、蓋体支軸6に沿って開閉自在の蓋体5が設けられている。蓋体5は略四角形をなした略薄板状であり、前辺と後辺と右辺と左辺とを備えている。蓋体支軸6は蓋体5の後辺に沿って設けられており、蓋体5の前辺に沿って、操作者が手指を添えるための把手部7が設けられている。
【0021】
トップカバー4の蓋体5よりも後方は、背面カバー4aにより覆われている。
【0022】
トップカバー4の洗濯物投入口3の右側前方には、ロック受け凹部8が開口している。ロック受け凹部8に隣接してロック手段9が設けられている。ロック手段9は、左右方向に移動自在に支持されたロッド9aを図示しないソレノイドあるいはモータといった駆動源によってロック受け凹部8の内部に突き出し、あるいは引き込む動作を制御手段の指示に応じて行う。
【0023】
蓋体5には、ロッド9aが挿入可能なロック受け穴10を側方に設けたロック受け突起11が設けられる。ロック受け突起11は、蓋体5を閉じた際にロック受け凹部8の内部に挿入され、ロック手段9が作用すればロッド9aがロック受け穴10に嵌合して、蓋体5は開かないようロックされる構成である。
【0024】
トップカバー4の前辺の左端側には開閉式の洗剤ケースカバー12に覆われた凹部である洗剤ケース13が設けられており、洗剤投入室、柔軟剤投入室、などに区分けされている。使用者は洗剤ケースカバー12を開いてから洗剤ケース13内に粉末洗剤、液体洗剤
、あるいは柔軟剤を所定量投入する。
【0025】
洗剤ケース13は、洗剤・柔軟剤投入口14と接続されており、外槽15内に洗剤や柔軟剤を供給する。
【0026】
トップカバー4のうち蓋体5の後辺よりも後方の上面には、図示しない水道とホースを介して接続される給水口16が設けられている。給水口16には給水電磁弁17が接続され、制御系の指示によって給水を行う。一例として、給水電磁弁17として4方向に給水する四連弁について説明すると、一つ目は洗濯給水電磁弁であり、給水入口に接続されて水槽18内に給水する。二つ目は洗剤給水電磁弁で、洗剤ケース13の洗剤投入室に接続される。三つ目は柔軟剤給水電磁弁で、洗剤ケース13の柔軟剤投入室に接続されている
。四つ目は、除湿機構19に接続されている。
【0027】
トップカバー4の前辺に沿って操作パネル20が設けられており、電源スイッチや、洗濯や乾燥などの工程選択あるいは洗濯時間の設定などの操作を行う操作ボタン、さらに例えば液晶や発光素子などの表示手段が設けられている。
【0028】
洗濯水を溜める外槽15は、筐体2上面の四隅から吊下げられた、ばねと減衰手段とを備えた吊り棒21によって筐体2の中心に位置するよう防振支持されており、外槽15の内部には洗濯と脱水を行う水槽18を回転自在に設け、さらに水槽18の底面には回転翼22が回転自在に設けられている。
【0029】
水槽18の外周壁面および底面には、通水および通風を行うための貫通穴18a、18bが設けられ、水槽18の上端の開口部の外周には、流体を内在した防振手段である流体バランサ23が設けられている。
【0030】
回転翼22の上面には凹凸が設けられ、洗濯水を撹拌するとともに回転翼22の上面に投入されている洗濯物に上下方向ないし回転方向の分力を与えて、洗濯を行う。水槽18と回転翼22とは、駆動機構である例えばインバータ式の駆動モータ24から、減速機構を介して電磁操作クラッチ25によって選択的に回転駆動される。すなわち、駆動モータ24と電磁操作クラッチ25とを制御することにより、水槽18を系止または自由に回転可能に開放した状態で回転翼22の正逆回転を繰り返す洗濯駆動モードと、水槽18と回転翼22とを一体として同一方向に連続的に回転する脱水駆動モードとを切り替えることができる。
【0031】
外槽15の底面には、エアトラップ26が設けられ、内部の圧力がチューブを介して水位センサ27に伝えられることで、外槽15内の洗濯水の水位を検知する。
【0032】
外槽15の外側側面には振動センサ28が設けられ、洗濯時や脱水時の外槽15の振動を検出する。
【0033】
外槽15の上面は槽カバー29で覆われている。槽カバー29の前側から約2/3の範囲には洗濯物投入口3が開口しており、内蓋30によって覆われている。内蓋30は、内蓋30の後方に設けられたヒンジ31のまわりに回転自在に軸支されており、把手部71を持ち上げることで内蓋30のロック(図示せず)が解除されて開く。内蓋30を閉じてから把手部71を下方に押すと、ロックされる構成となっている。
【0034】
槽カバー29の後面側には槽カバー29の上面の下面とを連通する温風吹き出し口32
、給水入口33、循環水入口34が設けられる。槽カバー29の前面側には、洗剤・柔軟剤投入口14が設けられている。
【0035】
外槽15の底面には通水通気口35が開口しており、乾燥ダクト36を介して外槽15の上面に設けられた温風吹き出し口32と接続されている。乾燥ダクト36の途中には、送風ファン37、ヒータ38、糸くずフィルタ39、除湿機構19、温度センサ40が設けられている。送風ファン37に通電して回転させ、ヒータ38に通電して加熱すると、水槽18内に温風が吹き込まれ、洗濯物を加熱して水分を蒸発させる。高温多湿となった空気は水槽18の貫通穴18a、18bを通って外槽15内に出て、通水通気口35を通って乾燥ダクト36に流入する。除湿機構19を流れる冷却水によって水冷除湿され、ヒータ38で再度加熱されて乾いた温風となって温風吹き出し口32から再度水槽18内に吹き込まれて循環する。
【0036】
ゴム製の蛇腹管41a、41b、41c、41d、41e、は、振動変位する外槽15や槽カバー29と、固定された筐体2やトップカバー4などに設けられた給水電磁弁17や乾燥ダクト36、循環ポンプ42などとの接続に用いている。
【0037】
外槽15底面に設けられた通水通気口35と、槽カバー29上面後部に設けられた循環水入口34との間は循環パイプ43により接続されている。循環パイプ43の途中には、洗濯機本体1の底面近傍に設けられた循環ポンプ42と、循環水に含まれる異物を捕集する異物トラップ44が設けられ、排水弁45を介して排水ホース46が接続されている。
【0038】
循環ポンプ42を運転すると、外槽15内の洗濯水は、外槽15底面の通水通気口35から循環パイプ43を通り、図示しない糸くずフィルタを通って糸くずを除去されたのち
、ノズル47から水槽18内に散布される。
【0039】
次に、
図5から
図8により蓋体5および蓋体支軸6の構造について説明する。
図5は蓋体5を開いた状態を内側からみた斜視図であり、蓋体支軸6の構造が判るように蓋体支軸6近傍のカバーを透過して示している。図中の上下左右前後の表記は洗濯機本体の向きを示しているので、蓋体5を全開した
図5の状態では前辺が図示上方、後辺が図示下方となる。
図6は
図3におけるB−B断面図であり、蓋体支軸6の構造を示している。
図7は
図6のC−C断面図であり、(a)は蓋体5の開状態、(b)は蓋体5の閉状態を
示す。
図8は
図6のD−D断面図であり、蓋体5の開状態を示す。
蓋体5は略左右対称の形状であり、ばねやダンパなどの構成部品は左右対称に一対設けられているので、右側の構成部品にa、左側の構成部品にbを付記して表す。
【0040】
蓋体5は略四辺形をなした蓋ガラス48の下面および前辺、左辺、右辺の端面を覆うように、樹脂製の蓋下面カバー49が設けられている。蓋ガラス48の後辺に沿って蓋後面カバー50が設けられ、蓋ガラス48の後辺を下面から上面まで被るように設けられている。さらに蓋ガラス48の蓋体支軸6の下面を覆うように、蓋下面カバー49よりも左右方向の幅が狭い、蓋ヒンジカバー51が設けられている。
【0041】
蓋下面カバー49の下面には、例えば鉄板を折り曲げた板金部品である、剛性の大なる補強金具52が設けられており、蓋下面カバー49と一体として植立されたボス53にねじ66により締結される。補強金具52の一部は蓋ガラス48から直角に離反する方向に
、かつ蓋体支軸6の回転軸と直交するように折り曲げられ、蓋体支軸6の回転中心となる位置に、左右一対の支軸54a、54bの貫通穴が設けられている。左右一対の支軸54a、54bは、それぞれコイル状の蓋体バネ55a、55bを貫通した状態で補強金具52に取付けられて、蓋体支軸6の回転軸となる。
【0042】
蓋体5の左右両側面よりも内側、かつ蓋ヒンジカバー51の左右端面よりも外側の範囲には一対の上向き略コの字形状をした、内側面と外側面と下面とを備えた、ヒンジ金具56a、56bが設けられている。ヒンジ金具56a、56bの内側面と外側面には、支軸54a、54bの貫通穴と、ばね受け穴67a、67bがそれぞれ貫通して設けられている。
【0043】
左右一対のヒンジ金具56a、56bの内側面と外側面には、それぞれ支軸54a、54bが貫通して支持されており、下面はトップカバー4の左右側面近傍に設けられた凹部57a、57bに対して、ねじにより締結されて固定される。
【0044】
コイル部を備えたねじりバネである一対の蓋体バネ55a、55bのそれぞれ互いに内側に近接した側のばねの一端である第一の延伸部58a、58bは、それぞれ蓋体5の前辺の方向に延伸されて、蓋体5の下面側から補強金具52に対して、蓋体5に開き方向のトルクを付与する向きに当接される。一方、一対の蓋体バネ55a、55bの互いに外側に向いた側の他端は、蓋体バネ55a、55bのコイル部の中心軸から離れる方向に延伸した後、コイル部の中心軸と平行にコイル部から離反する向きに曲げられた、第二の延伸部59a、59bを備える。第二の延伸部59a、59bは、支軸54a、54bに沿って互いに外側に離反する向きに延伸する。第二の延伸部59a、59bは、支軸54a、54bとは異なる位置に開口したばね受け穴67a、67bにおいて、ヒンジ金具56a
、56bの内側面と外側面との両側面を貫通して、2点で支持されている。
【0045】
第二の延伸部59a、59bは、ヒンジ金具56a、56bの内側面と外側面との両側面を貫通して2点で支持される構成なので、蓋体5の開閉動作により蓋体バネ55a、55bにねじりトルクが加わった場合でも、第二の延伸部59a、59bはそれぞれ2点で
、支軸54a、54bと平行を維持したまま安定に支持される。したがって、蓋体バネ55a、55bのばね定数が荷重によらず安定するとともに、第二の延伸部59a、59bが過大に変形して過剰な応力が生じることがないので、信頼性が高いという効果がある。
【0046】
蓋体バネ55a、55bの第二の延伸部59a、59bはヒンジ金具56a、56bを介してトップカバー4に固定されており、蓋体バネ55a、55bの第一の延伸部58a
、58bは補強金具52を介して蓋体5に設けられているので、蓋体5は蓋体バネ55a
、55bによって、支軸54a、54bのまわりに蓋体5を開く方向の回転トルクを受ける構成である。
【0047】
支軸54a、54bと同軸に、蓋体5の左右中心に近接して、支軸54a、54bよりも内側に一対の回転ダンパ60a、60bが設けられている。回転ダンパ60a、60bは、ダンパ本体61a、61bと、所定の角度の範囲で回動自在なダンパ軸62a、62bとの間に、例えば粘度の高いシリコングリースなどを封入して粘性抵抗トルクを生じる構成である。ダンパ本体61a、61bは蓋体5と一体として回転するよう蓋下面カバー49に設けられたボスに、ダンパ本体61a、61bから回転軸よりも離れる方向に延伸したダンパストッパ部69a、69bを介してネジ66で締結されて取り付けられている
。ダンパ軸62a、62bは、一例として円筒表面のうち相対する二面を平面状にそぎ落とした略小判状の断面形状としている。
【0048】
一対の回転ダンパ60a、60bの一方は蓋体5の開動作の際に粘性抵抗を生じる第一のダンパ60aであり、他方は蓋体5の閉じ動作の際に粘性抵抗を生じる第二のダンパ60bとすれば、蓋体5の開動作と閉じ動作のいずれの動作の際にも回転ダンパ60a、または回転ダンパ60bによる粘性抵抗が生じる。特に蓋体5が蓋ガラス48を備えた一枚構成であって、樹脂製の蓋体5と比較して質量が大である場合でも、開閉動作の全範囲に回転ダンパ60a、60bによる減衰を付与して蓋体5の開閉動作を低速にでき、蓋体5が急激に閉じたり、あるいは全開の近傍で急激に開いたりすることがないので、スムーズで安定した蓋体5の開閉動作を実現できるので好適である。
【0049】
またさらに、一方の回転ダンパ60aと他方の回転ダンパ60bの粘性抵抗は同一でなくてもよい。
【0050】
トップカバー4の左右中央部には、蓋体支軸6と同軸の位置まで上方に延伸されたダンパ受け部63が設けられており、略小判状をなすダンパ軸62a、62bと互いに回転しないように嵌合する。この、ダンパ受け部63とダンパ軸62a、62bの構成の詳細は後述する。
【0051】
一対の回転ダンパ60a、60bのダンパ軸62a、62bを蓋体5の左右中心に向けて互いに向かい合うように近接して配置したので、一対のダンパ軸62a、62bを、左右中央部に設けた唯一つのダンパ受け部63と嵌合することができる構成である。したがって、蓋体5は、左右両端のヒンジ金具56a、56bと、中央部のダンパ受け部63の3か所で支持されるので、蓋体支軸6の回転軸の精度が出しやすく、また蓋体5のたわみや変形も生じにくいので、蓋体5の開閉動作が安定する、という効果がある。
【0052】
次に、
図9から
図10により、さらに適宜
図2、
図5、
図8を参照しつつ、蓋体5をトップカバー4に取付ける手順について説明する。
図9は、トップカバー4に蓋体5を取付ける際の手順を示す分解斜視図である。
図10は、トップカバー4に蓋体5を取付ける際の回転ダンパ60a、60b近傍の構成を示す、E−E断面図である。
図10(a)は蓋体を取付ける以前の状態であり、
図10(b)は取付後の状態を示す。
【0053】
蓋体5をトップカバー4に取付ける以前の組立状態は、
図5ないし
図9に示すように、蓋ガラス48に取付けた蓋下面カバー49と一体に開操作時の手掛けとなる把手部7が前辺に沿って設けられ、一対の支軸54a、54bと蓋体バネ55a、55bと、一対の回転ダンパ60a、60bと、は補強金具52ないしボス53を介して蓋体5の後辺に沿って蓋下面カバー49に取付けられ、左右両端のヒンジ金具56a、56bと支軸54a、54bを介して開閉時の回動支点である蓋体支軸6となる。左右両端のヒンジ金具56a
、56bよりも内側は蓋ヒンジカバー51によって覆われた形態である。蓋ヒンジカバー51の中央部は切り欠かれており、回転ダンパ60a、60bのダンパ軸62a、62bがそれぞれ内側に向けて露出している。
【0054】
一対のヒンジ金具56a、56bは蓋ヒンジカバー51よりも左右外側に、支軸54a
、54bのまわりに、蓋体バネ55a、55bによって生じる回転トルクを受けつつ回転自在に軸支される構成である。蓋体5は蓋体バネ55a、55bによって、蓋体5を開く方向の回転トルクを支軸54a、54bのまわりに受ける構成なので、
図5ないし
図9に示すように、蓋体5をトップカバー4に取付ける以前の状態においては、ヒンジ金具56a、56bに対して蓋体5は図示しないストッパに当接して全開の位置にある。
【0055】
したがって、
図9ないし
図10(a)に示すように、蓋体5を全開位置とすれば、ヒンジ金具56a、56bをトップカバー4に対して取付けるのに好適な位置関係となる。トップカバー4には、ヒンジ金具56a、56bを受ける凹部57a、57bを設け、ヒンジ金具56a、56bの前端の凸部64a、64bをトップカバー4の凹部57a、57bの前端に設けた溝68a、68bに差し込んでから、ヒンジ金具56a、56bをトップカバー4の凹部57a、57bの下面に設けたボス65にネジ66止めする。
【0056】
トップカバー4の凹部57a、57bの周囲はトップカバー4の上面と接続された立ち壁と、洗濯物投入口3の側壁をなす下向きの壁、とに囲まれているため平板と比べて剛性が高いので、トップカバー4には例えば鉄板で形成された補強部材などは不要であり、ヒンジ金具56a、56bをタッピンネジでトップカバー4の一部をなすボス65に止めるだけでよく、簡素な構成で十分な強度が得られる。
【0057】
トップカバー4に設けられたダンパ受け部63の詳細について説明すると、ダンパ受け部63は、先に説明したように小判型の形状をしたダンパ軸62a、62bと嵌合するように、上面が開放された略U字形状の溝を設けた。回転ダンパ60a、60bのダンパ軸62a、62bは、蓋体5の取付時に直上から下降させれば、
図10(b)に示すようにダンパ軸62a、62bがダンパ受け部63内に挿入されて嵌合する向きに配置される。ここで、蓋体5が開閉すれば、回転ダンパ本体61a、61bは蓋体5とともに回転し、一方でダンパ軸62a、62bは回転しないので、蓋体5に粘性抵抗を付与して開閉動作を低速にできる。
【0058】
ヒンジ金具56a、56bをトップカバー4の凹部に取付けてネジ止めした後、トップカバー4の凹部を覆うカバーであるヒンジカバー70a、70bを取付ける。ヒンジカバー70a、70bは、例えば樹脂材料の弾性変形を利用した固定爪である、所謂スナップフィットによって固定してもよい。ヒンジカバー70a、70bを取り付けた後の上面はトップカバー4の上面と面一となるようにすれば、段差などが生じないため汚れがつきにくく、かつヒンジ金具56a、56bへの洗剤や水の付着を防止できる。また、ヒンジ金具56a、56bを取り付けるネジ66を隠すことができる。
【0059】
図2、
図8および
図10(b)は、ヒンジ金具56a、56bをトップカバー4の凹部に取付けてネジ止めした後、ヒンジカバー70a、70bを取付けた状態を示している。
【0060】
図2に示すように、蓋体5をトップカバー4に取付けた後に蓋体5の開閉動作に係る固定部と回転部との境界面となるのは、回転ダンパ60a、60bのダンパ軸62a、62bをダンパ受け部63に嵌合している中央部、および蓋ヒンジカバー51の左右外側側面とヒンジカバー70a、70bの内側側面との間のみである。固定部と回転部との境界となる摺動面の数が少ないので、隙間寸法の精度が確保しやすく、互いに当接して摩擦負荷を生じることがないので、隙間寸法を小さくしても蓋体5の開閉動作はスムーズであり、洗剤や水が隙間から蓋体5内部に侵入して支軸54a、54bや蓋体バネ55a、55bに付着することがなく、蓋体5の開閉動作は安定する、という効果がある。
【0061】
ここで、蓋体5の左右方向の幅を、トップカバー4に設けられた凹部57a、57bの左右方向幅よりも大なるものとする。すると、蓋体5を閉じた際には、凹部57a、57bを覆うヒンジカバー70a、70bとトップカバー4との境界は蓋体5の左右側面よりも内側に位置するので、洗剤などがヒンジカバー70a、70bとトップカバー4との境界から侵入しにくい、という効果がある。
【0062】
ここで、第二の延伸部59a、59bは蓋体5の開閉動作の全角度範囲において蓋ヒンジカバー51の内周側に設けられるように配置したので、蓋体5を回動しても蓋体バネ55a、55bの第一の延伸部58a、58bと第二の延伸部59a、59bとはともに蓋ヒンジカバー51ないしヒンジカバー70a、70bの外周に突出することがない。したがって、蓋体5には蓋体バネ55a、55b端部との干渉を防止するための溝などが不要なので、洗剤や水の溝からの浸入を防止して、ばねの錆びを防止できる、という効果がある。
【0063】
次に、
図11を用いて、蓋体5の自重と、蓋体バネ55a、55bによるねじりトルクとの関係について説明する。
【0064】
図11は、蓋体5の開き角度と、蓋体5の重心と、蓋体5先端における開閉力の関係を示す側面図である。
【0065】
図11において、質量mで前後長さLの蓋体5は、重心Gにおいて、重力加速度をgとすれば、力mgを生じる。蓋体5が閉じた際には、蓋体5の角度はθ1であり、前端が水平よりも下がっているので、θ1は負の値、例えば−10゜となる。
【0066】
ここで、開閉の回転中心である支軸54a、54bから重心Gまでの距離をR1、蓋体バネ55a、55bにより生じる開方向のトルクをT1、蓋体5の先端に生じる閉じ方向の力をF1とすれば、モーメントの釣り合いより、
F1×L=mg×R1−T1 (式1)
すなわち、蓋体5を開くために要する先端力F1は、
F1=(mg×R1−T1)/L (式2)
となる。
または、その時に蓋体バネ55a、55bの生じるトルクT1は、
T1=mg×R1−F1×L (式3)
と表される。
【0067】
ここで、F1の適正な値としては、脱水工程の振動に対しても蓋体5がトップカバー4上に安定して載置されるためには、例えば5Nから7N程度の力が必要となる。蓋体5の質量と重心位置に応じて、蓋体5の開角度がθ1のときにF1が所定の値となるような蓋体バネ55a、55bのトルクT1を求めることができる。
【0068】
蓋体5の角度がθ2、例えば60゜となった際には、自重によるモーメント(mg×R2)とねじりバネによるモーメント(T2)とが釣り合った状態であるとする。すなわち
、蓋体5の開き角度がθ2よりも小なる場合は蓋体5の自重による閉じモーメントが蓋体バネ55a、55bによるモーメントに勝って蓋体5は閉じる。
【0069】
一方で、蓋体5の開き角度がθ2より大なる場合は蓋体バネ55a、55bによるモーメントが蓋体5の自重による閉じモーメントに勝って蓋体5は開く。
【0070】
すなわち、
T2=mg×R2 (式4)
となるように、蓋体5の開き角度がθ2の時の蓋体バネ55a、55bによるモーメントT2を設定すればよい。
【0071】
蓋体5が全開で角度θ3となった際には、蓋体5は鉛直よりも後方に例えば10゜程度倒れた状態となる。この場合、重心Gは支軸54a、54bよりも後方であり、蓋体5は開き方向に先端力F3が生じて全開状態を維持する。
【0072】
このとき、自重によるモーメント(mg×R3)とねじりバネによるモーメント(T3
)とはともに開き方向に生じ、
F3×L=mg×R3+T3 (式5)
として表される。すなわち
F3=(mg×R3+T3)/L (式6)
となる。
【0073】
このモーメント(T3)とは、蓋体5を全開状態としたときに蓋体バネ55a、55bにより生じるモーメントであり、すなわち9ないし
図10に示したように、蓋体5を全開状態のままトップカバー4に取付ける際に蓋体バネ55a、55bによって生じるねじりトルクに他ならない。
【0074】
ここで、蓋体5の開き角度がθ2の時に蓋体5の自重と蓋体バネ55a、55bによるトルクとが釣り合うようにバネ定数を選択するのであるが、θ2としては例えば60゜程度とし、それ以上に蓋体5を開いた場合には、そのままバネのトルクが自重に勝って自動的に開くことが望ましい。そのような特性はバネ定数を比較的小さくすることによって得られるもので、その結果、蓋体5が全開で角度θ3となった際にも蓋体バネ55a、55bによるトルクT3は蓋体5を開く方向に働く。
【0075】
もし、望ましい特性よりもばね定数を大として、一例として蓋体5の開き角度がθ2の時に蓋体5の自重と蓋体バネ55a、55bによるトルクT2とが釣り合い、かつ全開で角度θ3となった際に蓋体バネ55a、55bによるトルクが0であるように設定すると
、蓋体5を開き角度がθ2からわずかに開いた際に、蓋体バネ55a、55bによるトルクは急激に減少するために蓋体5の自重によるモーメントに打ち勝つことができず、蓋体5はばね力で開き方向に移動できずに再び角度θ2に戻ってしまうためである。
【0076】
すなわち、蓋体5の開角度がθ1の時には(式3)により求められるトルクT1を生じ
、蓋体5の開角度がθ2の時には(式4)により求められるトルクT2を生じる特性の蓋体バネ55a、55bとすれば、所謂トグルばねを用いなくとも、蓋体の開閉回動動作中の所定の角度θ2で、開き方向または閉じ方向への付勢力を切り替えることができるので
、部品点数が少なく、構造が簡単でかつ使い易い蓋体5を備えた洗濯機が得られる、という効果がある。
【0077】
図12は洗濯乾燥機の制御装置80のブロック図である。81はマイクロコンピュータで、図示しない各スイッチに接続される操作ボタン入力回路82や水位センサ27、温度センサ40と接続され、使用者のボタン操作や洗濯工程、乾燥工程での各種情報信号を受ける。マイクロコンピュータ81からの出力は、駆動回路83に接続され、給水電磁弁17、排水弁45、駆動モータ24、送風ファン37、ヒータ38、電磁操作クラッチ25
、ロック手段9などに接続され、これらの開閉や回転、通電を制御する。また、使用者に洗濯機の動作状態を知らせるための例えば7セグメント発光ダイオードのような表示器84やブザー85、発光ダイオード87に接続される。前記マイクロコンピュータ81は、電源スイッチ86が押されて電源が投入されると起動し、
図13に示すような洗濯および乾燥の基本的な制御処理プログラムを実行する。
【0078】
ステップS101
電気洗濯機の状態確認及び初期設定を行う。
【0079】
ステップS102操作パネル20の表示器84を点灯し、図示しない操作ボタンスイッチからの指示入力にしたがって洗濯/乾燥コースを設定する。指示入力がない状態では、標準の洗濯/乾燥コースまたは前回実施の洗濯/乾燥コースを自動的に設定する。例えば
、操作ボタンスイッチを指示入力された場合は、乾燥の高仕上げコースを設定する。
【0080】
ステップS103操作パネル20の図示しないスタートスイッチからの指示入力を監視して処理を分岐する。
【0081】
ステップS104 洗剤量を検出する。洗濯水を給水する以前に、水槽18を停止した状態で回転翼22のみを一方向に回転させるよう電磁操作クラッチ25と駆動モータ24とを制御し、回転翼22に生じる回転負荷量に基づいて布量を検出する。検出した布量に基づいて必要な洗剤量を求める。
【0082】
ステップS105 求めた洗剤量を操作パネル20の表示器84に表示する。
【0083】
ステップS106 使用者が、必要な量の洗剤を洗剤ケース13に投入したら、洗剤給水電磁弁17を開き、洗剤ケース13の洗剤投入室に給水する。洗剤投入室に投入された粉末洗剤は、洗剤給水の水とともに洗剤・柔軟剤投入口14から外槽15の底部に落下する。
【0084】
ステップS107 洗剤溶かし水位まで給水したら、洗剤給水を停止する。このときの給水量は例えば10L程度である。
【0085】
ステップS108 水槽18と回転翼22とを一体として一方向に低速度で回転させることによって、水槽18の底面で外槽15の底部に投入された洗剤と洗剤溶かし水とを撹拌して高濃度の洗い水を生成する、洗剤溶かしを行う。
【0086】
ステップS109 前洗いを実行する。この前洗いにおいては、水槽18を停止した状態で回転翼22を正逆回転させる撹拌を間欠的に行い、その間に循環ポンプ42を運転することで外槽15の底部の洗い水をノズル47から洗濯物上に散布する。回転翼22と循環ポンプ42の停止時間中に、水位センサ27の検出信号を参照しながら、洗剤給水電磁弁17および洗濯給水電磁弁17を開いて水位が設定水位を超えないように水を補給する
。この運転を複数回繰り返して、洗濯物を洗い水になじませて回転翼22上に分散させるように行う。
【0087】
ステップS110 本洗いを実行する。この本洗いにおいては、水槽18を停止した状態で回転翼22を正逆回転させながら循環ポンプ42を運転して、外槽15の底部に溜まった洗い水をノズル47から洗濯物に振り掛ける洗い水循環を行う撹拌と、循環ポンプ42を停止して洗い水の循環を止めた状態で回転翼22を正逆回転させる布ほぐし撹拌を繰り返す。回転翼22の正逆回転により、洗濯物は水槽内で円周方向および半径方向に入れ替わり、満遍なく洗浄される。
【0088】
その後、循環ポンプ42を停止して洗い水の循環を止めた状態で、回転翼22の正逆回転を継続して均一化撹拌を行う。
【0089】
ステップS111 第一回の溜めすすぎを実行する。この溜めすすぎでは、まず排水弁45を開いて外槽15の底部に溜まっている洗い水を排水下の地に水槽18と回転翼22を一体として一方向に回転させて洗濯物に含まれている洗い水を遠心脱水する。その後、排水弁45を閉じて水槽18と回転翼22を一体的に一方向に低速回転させながら、洗濯給水電磁弁を開放して水道水をノズル47から回転翼上の洗濯物に振り掛けるように給水する。
【0090】
次に、水槽18と回転翼22の回転を停止した状態で、外槽15の底部の水位が設定した水位を超えないようにすすぎ水を給水する。
【0091】
次に、本洗いと同様に、水槽18を停止した状態で回転翼22を正逆回転させながら、循環ポンプ42を運転して外槽15の底部に溜まったすすぎ水をノズル47から回転翼22上の洗濯物に振り掛けるように循環させる、すすぎ水撹拌すすぎを実行する。
【0092】
次に、回転翼22と循環ポンプ42の運転を停止した状態で、外槽15の底部に溜まるすすぎ水の水位を検出しながら、水位が設定水位を超えないように水を補給する。
【0093】
次に、水槽を停止させた状態で回転翼22を正逆回転させながら、循環ポンプ42を運転して、外槽15の底部に溜まったすすぎ水をノズル47から回転翼22上の洗濯物に振り掛けるように循環させる。洗い時と同様に、水槽18内の洗濯物は円周方向と半径方向に入れ替わるので、すすぎ水が洗濯物に満遍なくかかり、洗剤分が希釈される。
【0094】
その後、循環ポンプ42を停止してすすぎ水の循環を止めた状態で、回転翼22の正逆回転を継続して均一化撹拌を行う。
【0095】
ステップS112 第二回の溜めすすぎを実行する。この第二回の溜めすすぎは、柔軟剤給水電磁弁17を開いて洗剤ケース13内の柔軟剤投入室に給水することによって、柔軟剤を外槽15の底部に導入する制御を付加する以外の動作は、第一回の溜めすすぎと同様に行う。
【0096】
ステップS113 最終脱水処理を実行する。最終脱水は、排水弁45を開放としたままの状態で水槽18と回転翼22とを一体として一方向に高速回転させ、水槽18内の洗濯物を遠心脱水する。
【0097】
ステップS114 洗濯乾燥コースが選択されているか否かを確認して、処理を分岐する。
【0098】
ステップS115 洗濯乾燥コースが選択されている場合は、乾燥工程を実施する。乾燥工程においては、排水弁45を開放したまま、洗濯工程と同様に水槽18を停止させた状態で回転翼22を正逆回転させながら、送風ファン37を運転することによって外槽15内の高湿な空気を通水通気口35から乾燥ダクト36内に吸い出し、乾燥ダクト36内を通過するときに乾燥ダクト36内に設置された水冷除湿機構19から流れ落ちる冷却水によって水冷除湿する。その後、糸くずフィルタ39を通して糸くずを除去した後にヒータ38で加熱し、温風吹き出し口32から水槽18内に吹き込む。
【0099】
乾燥は、温度センサ40により温風の温度を監視しながら行い、温度変化の割合が所定の値になった時点で終了する。
【0100】
本実施形態においては、乾燥機能を備えた洗濯乾燥機として説明したが、乾燥機能をもたない電気洗濯機であってもよい。
【0101】
本実施形態によれば、トグルばねを用いなくとも、蓋体の開閉回動動作中の所定の角度で、開き方向または閉じ方向への付勢力を切り替えることができるので、部品点数が少なく、構造が簡単でかつ使い易い蓋体5を備えた洗濯機が得られる、という効果がある。
【0102】
本実施形態によればさらに、蓋体5を回動しても蓋体バネ55a、55bの第一の延伸部58a、58bと第二の延伸部59a、59bとはともに蓋ヒンジカバー51ないしヒンジカバー70a、70bの外周に突出することがないので、蓋体5には蓋体バネ55a
、55bとの干渉を防止するための溝などが不要であり、洗剤や水が溝から浸入してばねが錆びることがない、という効果がある。
【0103】
本実施形態によればさらに、蓋体バネ55a、55bの第二の延伸部59a、59bは
、蓋体バネ55a、55bの軸方向に延伸されており、ヒンジ金具56a、56bの内側面と外側面との両側面を貫通して2点で支持される構成なので、蓋体バネ55a、55bにねじりトルクが加わった場合でも第二の延伸部59a、59bは2点で安定して支持される。したがって、蓋体バネ55a、55bのばね定数が荷重によらず安定するとともに
、蓋体バネ55a、55bの第二の延伸部59a、59bに過大な応力が生じることを防止する効果がある。
【0104】
本実施形態によればさらに、蓋体5は、左右両端のヒンジ金具56a、56bと、中央部のダンパ受け部63の3か所で支持することができるので、蓋体5の回転軸の精度が出しやすく、また蓋体5のたわみや変形も生じにくいので、蓋体5の開閉動作が安定する、という効果がある。
【0105】
本実施形態によれば、トップカバー4の左右両側面に設けた凹部57a、57bは平板状ではなく剛性が高いので、トップカバー4には例えば鉄板で形成された補強部材などは不要であり、簡素な構成で十分な強度が得られる、という効果がある。
【0106】
本実施形態によればさらに、一対の回転ダンパ60a、60bの一方は、蓋体5の開動作の際に粘性抵抗トルクが作用する構成であり、他方は蓋体5の閉じ動作の際に粘性抵抗トルクが作用する構成とすることで、蓋体5の開閉動作を低速化することができ、蓋体5が急激に閉じたり、あるいは全開の近傍で急激に開いたりすることがなく、安定した蓋体5の開閉動作を行える、という効果がある。
【0107】
本実施形態によればさらに、蓋体5の回転支点となるヒンジ金具56a、56bをトップカバー4の左右両側面に設けた凹部57a、57bに収納し、かつヒンジカバー70a
、70bで上面を覆う構成としたので、ヒンジ金具56a、56bに洗剤や水がかかることがなく、ヒンジ金具56a、56bが錆びることがないので、信頼性の高い洗濯機を提供できる、という効果がある。