【課題を解決するための手段】
【0006】
実施例1において、医療装置リードは、リード本体と、導電体と、管状導体要素とを備える。前記リード本体は、近位端部、遠位端部、および前記近位端部と遠位端部との間に延びる導体管腔を有する管状部材を含み、前記管状部材は電気絶縁材から製造されている。前記導電体は、前記導体管腔内において前記管状部材の近位端部から前記管状部材の遠位端部に向かって延在する。前記管状導体要素は、前記リード本体の管状部材上において、その近位端部と遠位端部との間に配置されている。前記管状導体要素は、該要素の電気的性質に影響を与えるように、該要素内に形成された1つ以上の切れ込み(kerfs)を有し、前記導電体は前記管状導体要素に電気的に結合されている。
【0007】
実施例2では、実施例1の医療装置リードにおいて、前記1つ以上の切れ込みは、前記管状導体要素を通過する電流がらせん経路に沿って伝わるように、らせんパターンに形成されている。
【0008】
実施例3では、実施例1または2の医療装置リードにおいて、前記1つ以上の切れ込みは一定ピッチを有する。
実施例4では、実施例1または2の医療装置リードにおいて、前記1つ以上の切れ込みは可変ピッチを有する。
【0009】
実施例5では、実施例1乃至4のいずれかの医療装置リードにおいて、前記第1セグメントは前記医療装置リードの電極を画定する。
実施例6では、実施例1乃至5のいずれかの医療装置リードにおいて、前記管状導体要素は、第1セグメントと、前記第1セグメントから遠位方向に延びる第2セグメントとを備え、前記1つ以上の切れ込みは、前記第1セグメントおよび前記第2セグメントの電気的性質に影響を与えるように、前記第1セグメントおよび前記第2セグメントの各々に形成されており、前記第1セグメントは前記第2セグメントよりも高い電気インピーダンスを有する。
【0010】
実施例7では、実施例6の医療装置リードは、前記第1セグメント上に配置された絶縁材の層をさらに備える。
実施例8では、実施例6または7の医療装置リードにおいて、前記第1セグメントは、電磁エネルギーの外部供給源の存在下において、前記管状導体要素における誘導電流を抑制するように作用可能である。
【0011】
実施例9では、実施例1乃至5のいずれかの医療装置リードにおいて、前記管状導体要素は、第1セグメント、第2セグメント、および第3セグメントを含み、前記第2セグメントは前記第1セグメントから遠位方向に延び、前記第3セグメントは前記第2セグメントから遠位方向に延び、前記1つ以上の切れ込みは、前記第1セグメント、前記第2セグメントおよび前記第3セグメントの各々において形成されており、前記第1セグメントおよび前記第2セグメントの各々における1つ以上の切れ込みは、前記第1セグメントおよび前記第2セグメントが前記第3セグメントよりも高い電気インピーダンスを有するように構成されている。
【0012】
実施例10では、実施例9の医療装置リードは、前記管状導体要素の第1セグメントおよび第2セグメントが、電磁エネルギーの外部供給源の存在下において、前記管状導体要素における誘導電流を抑制するように作用可能であるように、前記管状導体要素の第1セグメントおよび第2セグメント上に配置された絶縁材の層をさらに備える。
【0013】
実施例11では、実施例10の医療装置リードにおいて、前記管状導体要素の第3セグメントの外面は、第3セグメントがショック電極として作動可能となり得るように絶縁されていない。
【0014】
実施例12では、実施例9乃至11のいずれかの医療装置リードにおいて、前記導電体は、前記管状導体要素の第1セグメントと第2セグメントと間の移行部に配置された接続位置において、前記管状導体要素に機械的かつ電気的に結合されている。
【0015】
実施例13では、実施例9乃至11のいずれかの医療装置リードにおいて、前記第1セグメント、前記第2セグメントおよび前記第3セグメントは導体材料の単一チューブから形成されている。
【0016】
実施例14では、実施例9乃至11のいずれかの医療装置リードにおいて、前記第1セグメント、前記第2セグメントおよび前記第3セグメントのうちの1つ以上は、導体材料の別個のチューブから形成され、その後に溶接接合によって接合されている。
【0017】
実施例15では、実施例9乃至14のいずれかの医療装置リードにおいて、前記第3セグメントにおける切れ込みは、それぞれ前記管状導体要素のまわりに部分的に周方向に延び、かつ前記第3セグメントの長さに沿って分散した一連の切れ込みを含み、前記第3セグメントにおける各切れ込みは、電流が前記第3セグメントを通る非直線流路をとるようにさせるために、隣接する切れ込みから周方向に偏倚されている。
【0018】
実施例16において、医療装置リードは、リード本体と、導電体と、管状導体要素とを備える。前記リード本体は、近位端部および遠位端部、並びに前記近位端部と遠位端部との間に延びる導体管腔を有する管状部材を含み、前記管状部材は電気絶縁材から製造されている。前記導電体は、前記導体管腔内において前記管状部材の近位端部から前記管状部材の遠位端部に向かって延在する。前記管状導体要素は、前記リード本体の管状部材上において、その近位端部と遠位端部との間に配置されている。前記管状導体要素は、第1セグメントと、前記第1セグメントから遠位方向に延びる第2セグメントと、前記第2セグメントから遠位方向に延びる第3セグメントとを含み、前記セグメントの各々は、各セグメントの電気インピーダンスに影響を与えるように、所定の形態でそのセグメント内に半径方向に形成された1つ以上の切れ込みを備える。第1セグメントおよび第2セグメントの各々における1つ以上の切れ込みは、第1セグメントおよび第2セグメントが第3セグメントよりも高い電気インピーダンスを有するように構成され、前記導電体は前記管状導体要素に機械的かつ電気的に結合されている。前記管状導体要素の第1セグメントおよび第2セグメント上には絶縁材の層が配置されている。前記管状導体要素の第1セグメントおよび第2セグメントは、電磁エネルギーの外部供給源の存在下において、前記管状導体要素における誘導電流を抑制するように作用可能である。前記管状導体要素の第3セグメントの外面は、第3セグメントがショック電極として作動可能となり得るように絶縁されていない。
【0019】
実施例17では、実施例16の医療装置リードにおいて、前記導電体は、前記管状導体要素の第1セグメントと第2セグメントと間の移行部に配置された接続位置において、前記管状導体要素に機械的かつ電気的に結合されている。
【0020】
実施例18では、実施例16または17のいずれかの医療装置リードにおいて、前記第1セグメントおよび第2セグメントにおける切れ込みは、それらのセグメントの長さに沿って、らせんパターンに形成されている。
【0021】
実施例19では、実施例16乃至18のいずれかの医療装置リードにおいて、前記第1セグメントにおける切れ込みは、前記第1セグメントの長さに沿って一定のピッチを有する。
【0022】
実施例20では、実施例16乃至19のいずれかの医療装置リードにおいて、前記第2セグメントにおける切れ込みは、前記第2セグメントの長さに沿って一定のピッチを有する。
【0023】
実施例21では、実施例16乃至18のいずれかの医療装置リードにおいて、前記第1セグメントおよび第2セグメントのうちの一方または双方における切れ込みは、各セグメントの長さに沿って変化するピッチを有する。
【0024】
実施例22では、実施例21の医療装置リードにおいて、前記第1セグメントおよび第2セグメントのうちの一方または双方における切れ込みのピッチは、前記結合位置からの距離とともに減少する。
【0025】
実施例23では、実施例16乃至22のいずれかの医療装置リードにおいて、前記第3セグメントにおける切れ込みは、それぞれ前記管状導体要素のまわりに部分的に周方向に延び、かつ前記第3セグメントの長さに沿って分散した一連の切れ込みを含み、前記第3セグメントにおける各切れ込みは、電流が前記第3セグメントを通る非直線流路をとるようにさせるために、隣接する切れ込みから周方向に偏倚されている。
【0026】
実施例24では、実施例16乃至23のいずれかの医療装置リードにおいて、前記第1セグメント、前記第2セグメントおよび前記第3セグメントは、導体材料の単一チューブから形成されている。
【0027】
実施例25では、実施例16乃至23のいずれかの医療装置リードにおいて、前記第1セグメント、前記第2セグメントおよび前記第3セグメントのうちの1つ以上は、導体材料の別個のチューブから形成され、その後に溶接接合によって接合されている。
【0028】
実施例26において、植込み型医療装置リード用のフィルタ付き電極部品(filtered electrode component)であって、前記フィルタ付き電極部品は、第1セグメントと、前記第1セグメントから遠位方向に延びる第2セグメントと、前記第2セグメントから遠位方向に延びる第3セグメントとを含む管状導体要素を備え、前記セグメントの各々は、各セグメントの電気インピーダンスに影響を与えるように、所定の形態でそのセグメント内に半径方向に形成された1つ以上の切れ込みを備える。前記第1セグメントおよび前記第2セグメントの各々における1つ以上の切れ込みは、前記第1セグメントおよび前記第2セグメントが前記第3セグメントよりも高い電気インピーダンスを有するように構成され、前記管状導体要素は導電体に対して機械的かつ電気的に結合されるように構成されている。
【0029】
実施例27では、実施例26のフィルタ付き電極部品において、前記第1セグメントおよび前記第2セグメントにおける切れ込みは、それらのセグメントの長さに沿って、らせんパターンに形成されている。
【0030】
実施例28では、実施例26または27のいずれかのフィルタ付き電極部品において、前記第1セグメントおよび前記第2セグメントのうちの一方または双方における切れ込みは、各セグメントの長さに沿って一定のピッチを有する。
【0031】
実施例29では、実施例27または28のいずれかのフィルタ付き電極部品において、前記第1セグメントおよび前記第2セグメントのうちの一方または双方における切れ込みは、各セグメントの長さに沿って変化するピッチを有する。
【0032】
実施例30では、実施例29のフィルタ付き電極部品において、前記第1セグメントおよび前記第2セグメントのうちの一方または双方における切れ込みのピッチは、前記第1セグメントおよび前記第2セグメントのうちの他方からの距離とともに減少する。
【0033】
実施例31では、実施例26乃至30のいずれかのフィルタ付き電極部品において、前記第3セグメントにおける切れ込みは、それぞれ前記管状導体要素のまわりに部分的に周方向に延び、かつ第3セグメントの長さに沿って分散した一連の切れ込みを含み、第3セグメントにおける各切れ込みは、電流が第3セグメントを通る非直線流路をとるようにさせるために、隣接する切れ込みから周方向に偏倚されている。
【0034】
実施例32において、医療装置リード用の電気部品を形成する方法は、管状導体要素を固定具に取り付けることと、1つ以上の切れ込みを、レーザーを用いて、前記管状導体要素の電気的性質に影響を与えるように構成された1つ以上の所定パターンで、前記管状導体要素内に半径方向に切断することとを含む。
【0035】
実施例33では、実施例32の方法において、1つ以上の切れ込みの切断は、第1パターンの切れ込みを前記管状導体要素の第1長さに沿ったらせん経路に切断することと、第2パターンの切れ込みを前記管状導体要素の第2長さに沿った非らせんパターンに切断することとを含む。
【0036】
実施例34では、実施例32または33のいずれかの方法において、1つ以上の切れ込みの切断は、前記管状導体要素の第1セグメント、第2セグメント、および第3セグメントを画定するために、前記第1パターン、前記第2パターンおよび前記第3パターンの切れ込みを切断することを含み、前記第1パターンおよび前記第2パターンは、前記第1パターンおよび前記第2パターンの他方からの距離とともに減少する可変ピッチをそれぞれ有するらせんパターンであり、前記第3パターンは、前記第1セグメントおよび前記第2セグメントが前記第3セグメントの電気インピーダンスよりも高い電気インピーダンスを有するような非らせんパターンである。
【0037】
実施例35では、実施例32乃至34のいずれかの方法において、前記管状導体要素は第1管状導体要素であり、前記方法はさらに、レーザーを用いて、1つ以上の切れ込みを第2管状導体要素の電気インピーダンスに影響を与えるように構成された1つ以上の所定パターンで第2管状導体要素内に半径方向に切断することと、前記第1管状導体要素と前記第2管状導体要素とを機械的かつ電気的に結合させることとを含む。
【0038】
複数の実施形態が開示されているが、本発明のさらに他の実施形態は、当業者には、本発明の例示的実施形態を示し、記載している以下の詳細な説明から明白になるであろう。従って、図面および詳細な説明は、本質的に実例であり、限定するものではないとみなされるべきである。