【実施例】
【0058】
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明する。ところが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0059】
<実施例1>
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器および冷却器を取り付けた1Lの反応器に、窒素を通過させながら、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)716gを入れて満たし、反応器の温度を25℃に合わせた後、TFDB57.64g(0.18mol)を溶解して、この溶液を25℃に維持した。ここに6FDA23.99g(0.054mol)とCBDA7.06g(0.036mol)を投入した後、一定の時間攪拌して溶解および反応させた。その後、溶液の温度を15℃に維持した後、TPC18.27g(0.09mol)を添加し、25℃で12時間反応させて、固形分濃度13重量%および粘度860poiseのポリアミック酸溶液を得た。
【0060】
前記ポリアミック酸溶液にピリジン34.17g、無水酢酸44.12gを投入して30分間攪拌した後、再び70℃で1時間撹拌して常温に冷やし、これをメタノール20Lで沈殿させた。そして、沈殿した固形分を濾過して粉砕した後、100℃、真空で6時間乾燥させて、95gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。
【0061】
ポリアミド−イミド固形分粉末に対する粒度分析の結果、平均粒度が70〜80μmであり、分子量分析の結果、重量平均分子量が174,000であった。
【0062】
上記と以下の記載において、ポリアミド−イミド固形分粉末に対する平均粒度分析は、粒度分析器(Particle size analyzer、S3500、Microtrac)を用いて3回測定した平均値を使用した。このとき、試料は、沈殿した固形分を乾燥させて得た共重合パウダーを使用した。重量平均分子量の分析は、沈殿した固形分を乾燥させて得た共重合パウダーをN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に約1%の濃度で溶解し、0.45μmのPTFEシリンジフィルターで濾過した後、注入してGPC(Gel Permeation Chromatography)分析によって重量平均分子量を測定することにより行った。
【0063】
前記95gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを768gのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶かして11wt%の溶液を得た。そして、こうして得られた溶液をステンレス板に塗布した後、100μmにキャスティングして150℃の熱風で1時間、200℃の熱風で1時間、300℃の熱風で30分乾燥させた後に、徐々に冷却して板から分離することにより、10μmのポリアミド−イミドフィルムを得た。その後、最終熱処理工程として、さらに300℃で10分間熱処理した。
【0064】
<実施例2>
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器および冷却器を取り付けた1Lの反応器に、窒素を通過させながら、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)744gを入れて満たし、反応器の温度を25℃に合わせた後、TFDB57.64g(0.18mol)を溶解し、この溶液を25℃に維持した。ここに6FDA31.99g(0.072mol)とCBDA7.06g(0.036mol)を投入した後、一定の時間攪拌して溶解および反応させた。その後、溶液の温度を15℃に維持した後、TPC14.62g(0.072mol)を添加し、25℃で12時間反応させて、固形分濃度13重量%および粘度830poiseのポリアミック酸溶液を得た。
【0065】
前記ポリアミック酸溶液にピリジン34.17g、無水酢酸44.12gを投入して30分攪拌した後、再び70℃で1時間撹拌して、常温に冷やし、これをメタノール20Lで沈殿させた。そして、沈殿した固形分を濾過して粉砕した後、100℃、真空で6時間乾燥させて、104gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。
【0066】
ポリアミド−イミド固形分粉末に対する粒度分析の結果、平均粒度が70〜80μmであり、分子量分析の結果、重量平均分子量が163,000であった。
【0067】
前記104gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを841gのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶かして11wt%の溶液を得た。そして、こうして得られた溶液をステンレス板に塗布した後、100μmにキャスティングして150℃の熱風で1時間、200℃の熱風で1時間、300℃の熱風で30分乾燥させた後に、徐々に冷却して板から分離することにより、10μmのポリアミド−イミドフィルムを得た。その後、最終熱処理工程として、さらに300℃で10分間熱処理した。
【0068】
<実施例3>
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器および冷却器を取り付けた1Lの反応器に、窒素を通過させながら、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)803gを入れて満たし、反応器の温度を25℃に合わせた後、TFDB57.64g(0.18mol)を溶解して、この溶液を25℃に維持した。ここに6FDA47.98g(0.108mol)とCBDA7.06g(0.036mol)を投入した後、一定の時間攪拌して溶解および反応させた。その後、溶液の温度を15℃に維持した後、TPC7.31g(0.036mol)を添加し、25℃で12時間反応させて、固形分濃度13重量%および粘度815poiseのポリアミック酸溶液を得た。
【0069】
前記ポリアミック酸溶液にピリジン34.17g、無水酢酸44.12gを投入して30分攪拌した後、再び70℃で1時間撹拌して常温に冷やし、これをメタノール20Lに沈殿させた。そして、沈殿した固形分を濾過して粉砕した後、100℃、真空で6時間乾燥させることにより、110gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。
【0070】
ポリアミド−イミド固形分粉末に対する粒度分析の結果、平均粒度が70〜80μmであり、分子量分析の結果、重量平均分子量が157,000であった。
【0071】
前記110gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを890gのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶かして11wt%の溶液を得た。そして、こうして得られた溶液をステンレス板に塗布した後、100μmにキャスティングして150℃の熱風で1時間、200℃の熱風で1時間、300℃の熱風で30分乾燥させた後に、徐々に冷却して板から分離することにより、11μmのポリアミド−イミドフィルムを得た。その後、最終熱処理工程として、さらに300℃で10分間熱処理した。
【0072】
<実施例4>
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器および冷却器を取り付けた1Lの反応器に、窒素を通過させながら、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)846gを入れて満たし、反応器の温度を25℃に合わせた後、TFDB57.64g(0.18mol)を溶解して、この溶液を25℃に維持した。ここに6FDA59.97g(0.135mol)とCBDA7.06g(0.036mol)を投入した後、一定の時間攪拌して溶解および反応させた。その後、溶液の温度を15℃に維持した後、TPC1.83g(0.009mol)を添加し、25℃で12時間反応させて、固形分濃度13重量%および粘度840poiseのポリアミック酸溶液を得た。
【0073】
前記ポリアミック酸溶液にピリジン34.17g、無水酢酸44.12gを投入して30分攪拌した後、再び70℃で1時間撹拌して常温に冷やし、これをメタノール20Lで沈殿させた。そして、沈殿した固形分を濾過して粉砕した後、100℃、真空で6時間乾燥させることにより、114gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。
【0074】
ポリアミド−イミド固形分粉末に対する粒度分析の結果、平均粒度が70〜80μmであり、分子量分析の結果、重量平均分子量が172,000であった。
【0075】
前記114gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを922gのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶かして11wt%の溶液を得た。そして、こうして得られた溶液をステンレス板に塗布した後、100μmにキャスティングして150℃の熱風で1時間、200℃の熱風で1時間、300℃の熱風で30分乾燥させた後に、徐々に冷却して板から分離することにより、11μmのポリアミド−イミドフィルムを得た。その後、最終熱処理工程として、さらに300℃で10分間熱処理した。
【0076】
<実施例5>
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器および冷却器を取り付けた1Lの反応器に、窒素を通過させながら、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)719gを入れて満たし、反応器の温度を25℃に合わせた後、TFDB57.64g(0.18mol)を溶解して、この溶液を25℃に維持した。ここに6FDA23.99g(0.054mol)とCPDA7.57g(0.036mol)を投入した後、一定の時間攪拌して溶解および反応させた。その後、溶液の温度を15℃に維持した後、TPC18.27g(0.09mol)を添加し、25℃で12時間反応させて、固形分濃度13重量%および粘度790poiseのポリアミック酸溶液を得た。
【0077】
前記ポリアミック酸溶液にピリジン34.17g、無水酢酸44.12gを投入し、30分攪拌した後、再び70℃で1時間撹拌して常温に冷やし、これをメタノール20Lに沈殿させた。そして、沈殿した固形分を濾過して粉砕した後、100℃、真空で6時間乾燥させることにより、90gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。
【0078】
ポリアミド−イミド固形分粉末に対する粒度分析の結果、平均粒度が70〜80μmであり、分子量分析の結果、重量平均分子量が151,000であった。
【0079】
前記90gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを728gのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶かして11wt%の溶液を得た。そして、こうして得られた溶液をステンレス板に塗布した後、100μmにキャスティングして150℃の熱風で1時間、200℃の熱風で1時間、300℃の熱風で30分乾燥させた後に、徐々に冷却して板から分離することにより、11μmのポリアミド−イミドフィルムを得た。その後、最終熱処理工程として、さらに300℃で10分間熱処理した。
【0080】
こうして得られたポリアミド−イミドフィルムに対して、熱変形解析法によって50〜300℃で線形熱膨張係数を測定した。その結果、線形熱膨張係数が10.2ppm/℃であることを確認することができた。
【0081】
<実施例6>
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器および冷却器を取り付けた1Lの反応器に、窒素を通過させながら、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)764gを入れて満たし、反応器の温度を25℃に合わせた後、TFDB57.64g(0.18mol)を溶解して、この溶液を25℃に維持した。ここに6FDA31.99g(0.072mol)とCPDA7.57g(0.036mol)を投入した後、一定の時間攪拌して溶解および反応させた。その後、溶液の温度を15℃に維持した後、TPC14.62g(0.072mol)を添加し、25℃で12時間反応させて、固形分濃度13重量%および粘度780poiseのポリアミック酸溶液を得た。
【0082】
前記ポリアミック酸溶液にピリジン34.17g、無水酢酸44.12gを投入して30分攪拌した後、再び70℃で1時間撹拌して常温に冷やし、これをメタノール20Lで沈殿させた。そして、沈殿した固形分を濾過して粉砕した後、100℃、真空で6時間乾燥させることにより、102gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。
【0083】
ポリアミド−イミド固形分粉末に対する粒度分析の結果、平均粒度が70〜80μmであり、分子量分析の結果、重量平均分子量が150,000であった。
【0084】
前記102gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを825gのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶かして11wt%の溶液を得た。そして、こうして得られた溶液をステンレス板に塗布した後、100μmにキャスティングして150℃の熱風で1時間、200℃の熱風で1時間、300℃の熱風で30分乾燥させた後に、徐々に冷却して板から分離することにより、12μmのポリアミド−イミドフィルムを得た。その後、最終熱処理工程として、さらに300℃で10分間熱処理した。
【0085】
<実施例7>
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器および冷却器を取り付けた1Lの反応器に、窒素を通過させながら、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)806gを入れて満たし、反応器の温度を25℃に合わせた後、TFDB57.64g(0.18mol)を溶解して、この溶液を25℃に維持した。ここに6FDA47.98g(0.108mol)とCPDA7.57g(0.036mol)を投入した後、一定の時間攪拌して溶解および反応させた。その後、溶液の温度を15℃に維持した後、TPC7.31g(0.036mol)を添加し、25℃で12時間反応させて、固形分濃度13重量%および粘度790poiseのポリアミック酸溶液を得た。
【0086】
前記ポリアミック酸溶液にピリジン34.17g、無水酢酸44.12gを投入して30分攪拌した後、再び70℃で1時間撹拌して常温に冷やし、これをメタノール20Lで沈殿させた。そして、沈殿した固形分を濾過して粉砕した後、100℃、真空で6時間乾燥させることにより、109gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。
【0087】
ポリアミド−イミド固形分粉末に対する粒度分析の結果、平均粒度が70〜80μmであり、分子量分析の結果、重量平均分子量が151,000であった。
【0088】
前記109gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを882gのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶かして11wt%の溶液を得た。そして、こうして得られた溶液をステンレス板に塗布した後、100μmにキャスティングして150℃の熱風で1時間、200℃の熱風で1時間、300℃の熱風で30分乾燥させた後に、徐々に冷却して板から分離することにより、10μmのポリアミド−イミドフィルムを得た。その後、最終熱処理工程として、さらに300℃で10分間熱処理した。
【0089】
<実施例8>
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器および冷却器を取り付けた1Lの反応器に、窒素を通過させながら、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)849gを入れて満たし、反応器の温度を25℃に合わせた後、TFDB57.64g(0.18mol)を溶解して、この溶液を25℃に維持した。ここに6FDA59.97g(0.135mol)とCPDA7.57g(0.036mol)を投入した後、一定の時間攪拌して溶解および反応させた。その後、溶液の温度を15℃に維持した後、TPC1.83g(0.009mol)を添加し、25℃で12時間反応させて、固形分濃度13重量%および粘度815poiseのポリアミック酸溶液を得た。
【0090】
前記ポリアミック酸溶液にピリジン34.17g、無水酢酸44.12gを投入して30分攪拌した後、再び70℃で1時間撹拌して常温に冷やし、これをメタノール20Lで沈殿させた。そして、沈殿した固形分を濾過して粉砕した後、100℃、真空で6時間乾燥させることにより、112gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。
【0091】
ポリアミド−イミド固形分粉末に対する粒度分析の結果、平均粒度が70〜80μmであり、分子量分析の結果、重量平均分子量が165,000であった。
【0092】
前記112gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを906gのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶かして11wt%の溶液を得た。そして、こうして得られた溶液をステンレス板に塗布した後、100μmにキャスティングして150℃の熱風で1時間、200℃の熱風で1時間、300℃の熱風で30分乾燥させた後に、徐々に冷却して板から分離することにより、11μmのポリアミド−イミドフィルムを得た。その後、最終熱処理工程として、さらに300℃で10分間熱処理した。
【0093】
<比較例1>
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器および冷却器を取り付けた1Lの反応器に、窒素を通過させながら、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)701gを入れて満たし、反応器の温度を25℃に合わせた後、TFDB57.64g(0.18mol)を溶解して、この溶液を25℃に維持した。ここに6FDA19.99g(0.045mol)とCBDA7.06g(0.036mol)を投入した後、一定の時間攪拌して溶解および反応させた。その後、溶液の温度を15℃に維持した後、TPC20.10g(0.099mol)を添加し、25℃で12時間反応させて、固形分濃度13重量%および粘度870poiseのポリアミック酸溶液を得た。
【0094】
前記ポリアミック酸溶液にピリジン34.17g、無水酢酸44.12gを投入して30分攪拌した後、再び70℃で1時間撹拌して常温に冷やし、これをメタノール20Lで沈殿させた。そして、沈殿した固形分を濾過して粉砕した後、100℃、真空で6時間乾燥させることにより、93gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。
【0095】
ポリアミド−イミド固形分粉末に対する粒度分析の結果、平均粒度が70〜80μmであり、分子量分析の結果、重量平均分子量が178,000であった。
【0096】
前記93gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを752gのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶かして11wt%の溶液を得た。そして、こうして得られた溶液をステンレス板に塗布した後、100μmにキャスティングして150℃の熱風で1時間、200℃の熱風で1時間、300℃の熱風で30分乾燥させた後に、徐々に冷却して板から分離することにより、11μmのポリアミド−イミドフィルムを得た。その後、最終熱処理工程として、さらに300℃で10分間熱処理した。
【0097】
<比較例2>
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器および冷却器を取り付けた1Lの反応器に、窒素を通過させながら、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)725gを入れて満たし、反応器の温度を25℃に合わせた後、TFDB57.64g(0.18mol)を溶解して、この溶液を25℃に維持した。ここに6FDA19.99g(0.045mol)とBPDA10.59g(0.036mol)を投入した後、一定の時間攪拌して溶解および反応させた。その後、溶液の温度を15℃に維持した後、TPC20.10g(0.099mol)を添加し、25℃で12時間反応させて、固形分濃度13重量%および粘度855poiseのポリアミック酸溶液を得た。
【0098】
前記ポリアミック酸溶液にピリジン34.17g、無水酢酸44.12gを投入して30分攪拌した後、再び70℃で1時間撹拌して常温に冷やし、これをメタノール20Lで沈殿させた。そして、沈殿した固形分を濾過して粉砕した後、100℃、真空で6時間乾燥させることにより、94gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。
【0099】
ポリアミド−イミド固形分粉末に対する粒度分析の結果、平均粒度が70〜80μmであり、分子量分析の結果、重量平均分子量が170,000であった。
【0100】
前記94gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを760gのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶かして11wt%の溶液を得た。そして、こうして得られた溶液をステンレス板に塗布した後、100μmにキャスティングして150℃の熱風で1時間、200℃の熱風で1時間、300℃の熱風で30分乾燥させた後に、徐々に冷却して板から分離することにより、10μmのポリアミド−イミドフィルムを得た。その後、最終熱処理工程として、さらに300℃で10分間熱処理した。
【0101】
<比較例3>
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器および冷却器を取り付けた1Lの反応器に、窒素を通過させながら、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)861gを入れて満たし、反応器の温度を25℃に合わせた後、TFDB57.64g(0.18mol)を溶解して、この溶液を25℃に維持した。ここに6FDA63.97g(0.144mol)とCBDA7.06g(0.036mol)を投入した後、一定の時間撹拌して溶解し、25℃で12時間反応させて、固形分濃度13重量%および粘度800poiseのポリアミック酸溶液を得た。
【0102】
前記ポリアミック酸溶液にピリジン34.17g、無水酢酸44.12gを投入して30分攪拌した後、再び70℃で1時間撹拌して常温に冷やし、これをメタノール20Lで沈殿させた。そして、沈殿した固形分を濾過して粉砕した後、100℃、真空で6時間乾燥させることにより、118gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。
【0103】
ポリアミド−イミド固形分粉末に対する粒度分析の結果、平均粒度が70〜80μmであり、分子量分析の結果、重量平均分子量が162,000であった。
【0104】
前記118gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを954gのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶かして11wt%の溶液を得た。そして、こうして得られた溶液をステンレス板に塗布した後、100μmにキャスティングして150℃の熱風で1時間、200℃の熱風で1時間、300℃の熱風で30分乾燥させた後に、徐々に冷却して板から分離することにより、10μmポリアミド−イミドフィルムを得た。その後、最終熱処理工程として、さらに300℃で10分間熱処理した。
【0105】
<比較例4>
攪拌機、窒素注入装置、滴下漏斗、温度調節器および冷却器を取り付けた1Lの反応器に、窒素を通過させながら、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)864gを入れて満たし、反応器の温度を25℃に合わせた後、TFDB57.64g(0.18mol)を溶解して、この溶液を25℃に維持した。ここに6FDA63.97g(0.144mol)とCPDA7.57g(0.036mol)を投入した後、一定の時間撹拌して溶解し、25℃で12時間反応させて、固形分濃度13重量%および粘度720poiseのポリアミック酸溶液を得た。
【0106】
前記ポリアミック酸溶液にピリジン34.17g、無水酢酸44.12gを投入して30分攪拌した後、再び70℃で1時間撹拌して常温に冷やし、これをメタノール20Lで沈殿させた。そして、沈殿した固形分を濾過して粉砕した後、100℃、真空で6時間乾燥させることにより、116gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを得た。
【0107】
ポリアミド−イミド固形分粉末に対する粒度分析の結果、平均粒度が70〜80μmであり、分子量分析の結果、重量平均分子量が150,000であった。
【0108】
前記116gの固形分粉末の共重合ポリアミド−イミドを938gのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶かして11wt%の溶液を得た。そして、こうして得られた溶液をステンレス板に塗布した後、100μmにキャスティングして150℃の熱風で1時間、200℃の熱風で1時間、300℃の熱風で30分乾燥させた後に、徐々に冷却して板から分離することにより、11μmのポリアミド−イミドフィルムを得た。その後、最終熱処理工程として、さらに300℃で10分間熱処理した。
【0109】
<物性評価方法>
(1)透過度
実施例および比較例で製造されたフィルムをUV分光計(コニカミノルタCM−3700d)を用いて550nmでの透過度を測定した。
【0110】
(2)黄変度(Yellow Index、YI)
UV分光計(コニカミノルタCM−3700d)を用いて550nmでの黄変度をASTM E313規格で測定した。
【0111】
(3)熱膨張係数(CTE、Coefficient of Thermal Expansion)
TMA(Perkin Elmer社、Diamond TMA)を用いてTMA−Methodに基づいて50〜300℃での熱膨張係数を測定した。10℃/minの昇温速度で100mNの荷重を加えた。
【0112】
(4)厚さの測定
ポリアミド−イミドフィルムの任意の5箇所を選定し、Anritsu Electronic Micrometerで厚さを測定した。装置の偏差は±0.5%以下である。
【0113】
(5)複屈折値
複屈折分析器(Prism Coupler、Sairon SPA4000)を用いて630nmで3回測定し、その平均値を算出した。
【0114】
(6)引張強度(Tensile Strength)
Instron社の5967を用いてASTM−D882の基準に合わせて測定した。試験片の大きさは13mm*100mm、Load cell 1KN、Tension rateは50mm/minにして、試験片ごとに7回測定し、最大値と最小値を除いた平均値で算出した。
【0115】
(7)リタデーション(Retardation)
リタデーション(Retardation)は、OTSUKA ELECTRONICSのRETSを用いて測定した。サンプルは、縦横それぞれ1インチの正方形の形状を有する。この試験片をサンプルホルダーに装着し、モノクロメーターを用いて550nmに固定し、Ro(面方向位相差)を入射角0°で測定して面内複屈折を測定し、Rth(厚さ方向位相差)を入射角45°で測定して厚さ位相差を測定した。
【0116】
Ro=(nx−ny)*d
Rth=[(ny−nz)*d+(nx−nz)*d]/2
ここで、nxはx方向への屈折率であり、nyはy方向への屈折率であり、nzはz方向への屈折率であり、dはポリアミド−イミドフィルムの厚さを10μmに換算して計算した値である。
【0117】
【表1】
表1に示すように、実施例1〜8のポリアミド−イミドフィルムは、比較例1〜4のポリアミド−イミドフィルムに比べて、無色透明でありながら、複屈折値が低く、機械的特性および熱的安定性に優れることが分かった。
【0118】
本発明の単純な変形または変更はいずれも、当該分野における通常の知識を有する者によって容易に実施でき、それらの変形や変更もすべて本発明の範囲に含まれるものというべきである。