(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6244480
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】板金曲げ機械
(51)【国際特許分類】
B21D 5/04 20060101AFI20171127BHJP
B21D 37/04 20060101ALI20171127BHJP
B21D 5/02 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
B21D5/04 F
B21D37/04 N
B21D5/02 G
B21D37/04 R
【請求項の数】15
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-565145(P2016-565145)
(86)(22)【出願日】2015年4月28日
(65)【公表番号】特表2017-514696(P2017-514696A)
(43)【公表日】2017年6月8日
(86)【国際出願番号】EP2015059158
(87)【国際公開番号】WO2015165883
(87)【国際公開日】20151105
【審査請求日】2016年12月28日
(31)【優先権主張番号】14166583.6
(32)【優先日】2014年4月30日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】507385752
【氏名又は名称】サルヴァニーニ イタリア エッセ.ピ.ア.
【氏名又は名称原語表記】SALVAGNINI ITALIA S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】クリンゲスベルガー,ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】クンツェ,ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】ホッホヴァルナー,ラインハルト
【審査官】
豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第5802906(US,A)
【文献】
特開平6−190448(JP,A)
【文献】
特開2002−79328(JP,A)
【文献】
特開2003−211223(JP,A)
【文献】
特開平4−158926(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 5/01 − 5/04
B21D 37/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向(A)に沿って延出し、加工対象物(50)を曲げるべく移動可能な主曲げ工具手段(2;6)と、当該主曲げ工具手段(2;6)と関連付けられるとともに当該手段に対して平行で、曲げ機械(1)の作業領域(W)を通って延出するとともに、後者から少なくとも第1端部(4)において側方に突出する案内手段(3)と、前記案内手段(3)上にスライド可能に取り付けられるとともに、前記加工対象物(50)に対する部分的曲げを行うために前記主曲げ工具手段(2;6)と関連付けられる少なくとも1つの副工具(41,42)を支持するシャトル手段(21,22,23)と、を有する板金曲げ機械であって、前記シャトル手段(21,22,23)は、前記長手方向(A)において、当該シャトル手段(21,22,23)が前記作業領域(W)の内部でかつ前記副工具(4)が前記主曲げ工具手段(2;6)上に取り付けられる第1動作位置(P1)と、前記シャトル手段(21,22,23)が前記作業領域(W)の外側でかつ前記案内手段(3)の前記第1端部(4)に位置する第1非動作位置(R1)との間で移動可能であり、前記シャトル手段が、シャトル(21,22,23)の第1セット(11)を含み、各シャトル(21,22,23)が、各副工具(41,42)を取り付け、前記シャトル(21,22,23)が、選択可能な数のシャトル(21,22,23)を備える第1シャトルコンボイ(13)を形成するべく互いに接続可能であり、前記第1シャトルコンボイ(13)は、前記主曲げ工具手段(2;6)上に所定の組み合わせの副工具(41,42)を取り付けるために前記第1非動作位置(R1)と前記第1動作位置(P1)との間で移動可能である曲げ機械。
【請求項2】
前記案内手段(3)は、前記曲げ機械から側方に突出するとともに前記第1端部(4)の反対側の第2端部(5)を有し、前記シャトル手段(21,22,23)は、シャトル(21,22,23)の第2セット(12)を含み、各シャトル(21,22,23)は、各副工具(41,42)を取り付け、前記第2セット(12)の前記シャトル(21,22,23)は、選択可能な数のシャトル(21,22,23)を備える第2シャトルコンボイ(14)を形成するべく互いに接続可能であり、かつ、前記第2シャトルコンボイ(14)が前記作業領域(W)の内側で前記副工具(41,42)の各組み合わせが前記主曲げ工具手段(2;6)に取り付けられる第2動作位置(P2)と、前記第2シャトルコンボイ(14)が前記作業領域(W)の外側で前記案内手段(3)の前記第2端部(5)に位置する第2非動作位置との間で移動可能である請求項1に記載の曲げ機械。
【請求項3】
更に、前記シャトル(21,22,23)を前記案内手段(3)に沿って移動させるための駆動手段(15,16)を有し、特に、前記駆動手段(15,16)はシャトル(21,22,23)の前記セット(11,13)の前記シャトル(21,22,23)の少なくとも1つに接続されている請求項1又は2に記載の曲げ機械。
【請求項4】
前記駆動手段(15,16)は、アクチュエータ手段(19,20)によって移動するとともに前記少なくとも1つのシャトル(21)に接続されている駆動ベルト手段(17,18)を含む請求項3に記載の曲げ機械。
【請求項5】
各シャトル(21,22,23)は、前記シャトル(21,22,23)を互いに接続して前記シャトルコンボイ(13,14)を形成するべく隣接のシャトル(21,22,23)の各接続手段(31,32,33)に係合又は係合解除するための接続手段(31,32,33)を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の曲げ機械。
【請求項6】
更に、前記シャトル(21,22,23)を接続又は接続解除するべく前記シャトル(21,22,23)の接続手段(31,32,33)に選択的に作用するロック/ロック解除手段(35,36)を有する請求項5に記載の曲げ機械。
【請求項7】
前記接続手段は、前記各シャトル(21,22,23)の側方から突出する接続ピン(31)と、前記シャトル(21,22,23)の反対側に形成されるとともに隣接するシャトル(21,22,23)のロックピン(31)を受けるように構成された接続凹部(32)と、当該接続凹部(32)にスライド可能に関連付けられるとともに当該接続凹部(32)に挿入されたときに、前記接続ピン(31)に係合又は係合解除するべく選択的に移動可能なロック部材(33)とを有し、前記ロック部材(33)は前記ロック/ロック解除手段(35,36)によって移動する請求項6に記載の曲げ機械。
【請求項8】
更に、前記端部(4,5)において前記案内手段(3)に固定されるとともに、前記セット(11,12)の前記シャトル(21,22,23)の少なくとも1つを前記案内手段(3)に対してブロックするように構成された保持手段(37)を有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の曲げ機械。
【請求項9】
前記シャトル(21,22,23)の前記セット(11,12)は、前記移動方向(A)に沿ってアラインメントされ前記端部(4,5)の端から前記作業領域(W)に向かって、前記案内レール(3)に対してブロックされるべく前記保持手段(37)によって係合可能な保持シャトル(23)と、少なくとも1つの中間シャトル(22)と、前記案内レール(3)によって移動するべく前記駆動手段(15,16)に接続された駆動シャトル(21)とを有する請求項3又は4に従属する請求項8に記載の曲げ機械。
【請求項10】
前記シャトルコンボイ(13,14)は少なくとも1つの前記駆動シャトル(21)を有する請求項9に記載の曲げ機械。
【請求項11】
前記シャトル(21,22,23)は、それぞれ異なるサイズを有する複数の副工具(41,42)を支持している請求項1〜10のいずれか一項に記載の曲げ機械。
【請求項12】
前記第1セット(11)のシャトルは、第1サイズを有する第1副工具(41)を備え、前記第2セット(12)のシャトルは、第2サイズを有する第2副工具(42)を備えている請求項2に記載の曲げ機械。
【請求項13】
前記主曲げ工具手段は、前記加工対象物(50)に下から上に接触するように構成された下側曲げ工具(2)および/又は前記加工対象物(50)に上から下に接触するように構成された上側曲げ工具(6)を有する請求項1〜12のいずれか一項に記載の曲げ機械。
【請求項14】
前記案内手段(3)は、前記下側曲げ工具(2)又は前記上側曲げ工具(6)に接続された案内レールを含む請求項13に記載の曲げ機械。
【請求項15】
前記案内手段(3)は、前記上側曲げ工具(6)又は前記下側曲げ工具(2)に接続された別の案内レールを含み、前記シャトル手段は、前記別の案内レールにスライド可能に取り付けられるとともに各副工具(41,42)を支持する少なくとも1つの別のセットのシャトル(21,22,23)を含み、前記別セットの前記シャトル(21,22,23)は、選択可能な数のシャトル(21,22,23)を有する別のシャトルコンボイを形成するべく互いに接続可能である請求項14に記載の曲げ機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半完成品又は完成品を製造するために、金属片、部分、プレートおよびシートを曲げる又は折りたたむように構成された曲げ機械に関する。詳しくは、本発明は、加工対象物に対して部分的な曲げ加工を行うのに適した副又は追加の曲げ工具を自動的に取り付け又は取り外すためのシステムを備えた曲げ機械に関する。
【背景技術】
【0002】
公知の曲げ機械又はプレスブレーキは、両工具間に挿入された加工対象物を変形するために、上側工具又はパンチを、下側工具又はダイ、に対して縦方向に移動させる機械式、油圧式、空気圧式、又はサーボ電気式に作動するプレスを有する。前記上側パンチは、加工対象物に対して、これを工具形状によって規定される角度で変形し曲げる力を加える。前記下側ダイは、機械フレームに固定されており、これは、前記加工対象物を曲げるために前記上側パンチと協働する長手方向開口又は通路を有する。
【0003】
前記上側パンチは、前記加工対象物を折り曲げ線に沿って変形させるリニア曲げブレードを備えることがある。前記パンチは、垂直方向に沿って直線移動するか、もしくは、水平軸心周りで回転可能である。前記加工対象物は、適当なクランプ手段によって機械作業テーブル上に固定締結されている。
【0004】
曲げ機械のいくつかは可動下側ダイを備え、これは、前記加工対象物を曲げるために前記上側パンチと共に移動する各リニア曲げブレードを有する。前記上側パンチと前記下側ダイとは、更に、前記加工対象物を、異なる作業工程において各曲げラインに沿って変形させるべく、互いに独立して別々に作動することも可能である。
【0005】
加工対象物を部分的に曲げるために、特に、小さなフラップ、タブ、等のような加工対象物の寸法(幅)よりも短い長さを有する折り曲げを行うためには、前記曲げブレードに、当該曲げブレードにではなく加工対象物に当接してこれを曲げる副又は追加の曲げ工具を取り付ける必要がある。これら副曲げ工具(工具組み合わせ、コンフィギュレーション、又は構成)のサイズ(幅)は、実行されるべき折り曲げの長さに応じて選択される。副工具のサイズは標準化されており、従って通常は、所望の長さを実現するには、異なるサイズを有する工具を互いに隣接して配置する必要がある。前記加工対象物に対して適切に作用するためには、前記副工具を、前記曲げブレードに沿って正確に位置決めする必要がある。
【0006】
副工具が曲げブレードに手動で取り付けられる曲げ機械が知られているが、そのような手作業には、経験豊富な作業者と時間を必要とするという欠点がある。具体的には、副工具を取り付け又は取り外すためには、曲げ機械を極めて長い時間、停止させなければならず、それによって製造が中断し、その結果、機械の生産高が低下する。更に、副工具の取り付け・取り外しは、加工対象物製造サイクルの開始前にのみ可能であって、製造サイクル中には不可能である。
【0007】
副工具を自動的に取り付け/取り外すためのシステムが知られており、これらシステムは、必要な副工具を支持して曲げブレードに沿って移動するキャリッジを有する。従って、必要な副工具を迅速かつ正確に曲げブレード上に位置決めすることができる。しかしながら、副工具の選択とキャリッジへの取り付けと固定は、作業者によって手動で行われなければならず、この作業には時間がかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、金属片、部分、プレートおよびシートを曲げる又は折りたたむための曲げ機械、特に、部分的な曲げを行うため主曲げ工具に取り付けられる副曲げ工具を備えることが可能な公知の曲げ機械を改善することにある。
【0009】
本発明の別の課題は、機械の休止時間を低減するべく、部分曲げのための前記副曲げ工具を主曲げ工具に対して自動的、迅速かつ正確に取り付け、取り外すことが可能な曲げ機械を実現することにある。
【0010】
更に別の課題は、部分曲げのために必要な前記副曲げ工具を自動的に選択し主曲げ工具に取り付けられる曲げ機械を実現することにある。
【0011】
更に別の課題は、単純で経済的な構造を有し、かつその作動が効果的で信頼性の高い副曲げ工具を位置決めするための手段を備える曲げ機械を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
これらおよびその他の課題は、主請求項と、本発明のその他の特徴を記載する従属請求項とによる曲げ機械によって実現される。
【0013】
本発明による曲げ機械は、長手方向に沿って延出し、加工対象物を曲げるべく移動可能な主曲げ工具手段と、当該主曲げ工具手段と関連付けられるとともに当該手段に対して平行な案内手段と、前記案内手段上にスライド可能に取り付けられるとともに、前記加工対象物に対する部分的曲げを行うために前記主曲げ工具手段と関連付けられる少なくとも1つの副工具を支持するシャトル手段とを有している。前記案内手段は、前記曲げ機械の作業領域を通って延出するとともに、後者から少なくとも第1端部において側方に突出する。
【0014】
前記シャトル手段は、前記長手方向において、当該シャトル手段が前記作業領域の内部でかつ前記副工具が前記主曲げ工具手段上に取り付けられる第1動作位置と、前記シャトル手段が前記作業領域の外側で、前記案内手段の前記第1端部に位置する第1非動作位置との間で移動可能である。前記シャトル手段は、シャトルの第1セットを含み、各シャトルは、各副工具を取り付け、前記シャトルが、選択可能な数のシャトルを備える第1シャトルコンボイを形成するべく互いに接続可能である。前記第1シャトルコンボイは、前記主曲げ工具手段上に所定の組み合わせの副工具を取り付けるために前記第1非動作位置と前記第1動作位置との間で移動可能である。
【0015】
前記シャトル手段は、更にシャトルの第2セットを含み、各シャトルは、各副工具を取り付け、前記シャトルが、選択可能な数のシャトルを備える第2シャトルコンボイを形成するべく互いに接続可能であり、かつ、前記第2シャトルコンボイが前記作業領域の内側で前記副工具が前記主曲げ工具手段に取り付けられる第2動作位置と、前記第2シャトルコンボイが前記作業領域の外側で前記曲げ機械から側方に突出する案内手段の第2端部に位置する第2非動作位置との間で移動可能である。
【0016】
前記曲げ機械は、更に、前記シャトルを前記案内手段に沿って移動させるための駆動手段を有する。
【0017】
前記シャトルは、異なるそれぞれのサイズを有する複数の副工具を支持している。特に、前記第1セットのシャトルは、第1サイズを有する第1副工具を備え、前記第2セットのシャトルは、第2サイズを有する第2副工具を備えている。
【0018】
本発明による前記曲げ機械によれば、手作業を必要とすることなく、単数又は複数の副曲げ工具を主曲げ工具手段に対して自動的、迅速かつ正確に取り付けおよび/又は取り外すことが可能である。具体的には、前記副曲げ工具を取り付けた前記シャトルは、前記曲げ機械の制御ユニットによって制御される駆動手段によって前記主曲げ工具手段に関連付けられる前記案内手段に沿って移動され位置決めされる。更に、前記主曲げ工具手段に取り付けられる副工具の組み合わせは、単一のシャトルコンボイ又は両方のシャトルコンボイを使用して自動的に実現される。
【0019】
具体的には、第1幅を有する単数又は複数の第1副工具および/又は第2幅を有する単数又は複数の第2副工具を使用して部分曲げ長さを行うことができる。換言すると、本発明の前記曲げ機械に依れば、前記シャトルコンボイのシャトルを自動的に選択し配置することによって所望の長さの副曲げ工具組み合わせを設定することが可能である。
【0020】
本発明の曲げ機械において、前記副工具は、自動的かつ迅速に取り付けおよび取り外し可能である。このような自動的手続きに必要な機械休止時間は短く、従って、加工対象物製造の開始前だけでなくその製造サイクル中においても実行するこができる。換言すると、同じ加工対象物に対する全長曲げと部分曲げとを含む製造サイクルを機械の生産高を低減させることなく、本発明の曲げ機械によって行うことができる。
【0021】
本発明のこれらおよびその他の特徴は、添付の図面を参照して、非限定的な例として提供される好適実施例の以下の記載から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明による曲げ機械の作動構成の概略部分前面図
【
図2】
図1の機械のII−IIに沿った長手方向断面図
【
図4】副工具を取り付けたシャトルの第1セットを図示する
図3の拡大詳細図
【
図5】作動位置にある副工具を取り付けたシャトルコンボイを図示する
図3の別の拡大詳細図
【
図6】副工具を取り付けた前記第1セットのシャトルを図示する
図2の拡大詳細図
【
図9】非動作位置にある前記第1セットのシャトルの平面図
【
図10】非動作位置にある前記第1セットのシャトルの斜視図
【
図11】作動段階の前記第1セットのシャトルの平面図
【
図12】作動段階の前記第1セットのシャトルの平面図
【
図13】作動段階の前記第1セットのシャトルの平面図
【
図14】作動段階の前記第1セットのシャトルの平面図
【
図15】作動段階の前記第1セットのシャトルの平面図
【
図16】作動段階の前記第1セットのシャトルの平面図
【
図17】作動段階の前記第1セットのシャトルの平面図
【
図19】接続手段が係合解除位置にあるシャトルの斜視図
【
図20】接続手段が係合位置にあるシャトルの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1〜21を参照すると、本発明による板金パーツを加工するための板金曲げ機械1は、長手方向Aに沿って延出して加工対象物50を変形し曲げるべく移動可能な主曲げ工具手段2を有する。図面に図示されている実施例において、前記主曲げ工具手段2は、下側支持部材61によって前記機械1のフレーム68にヒンジ止めされ、加工対象物50に対して下から上に接触するべく第1軸芯X1周りで回転可能な底側又は下側リニア曲げ工具を有する。前記軸心X1は、水平かつ、前記長手方向Aに対して平行である。前記加工対象物50は、クランプ手段62,63によって固定締結される。前記クランプ手段は、前記加工対象物50のための支持表面Bを形成する固定下側クランプ63に対して縦方向に移動する上側クランプ62を有する(
図7)。
【0024】
前記主曲げ工具手段2と前記クランプ手段62,63とによって、作業領域Wが形成され、その内部に前記加工対象物50が位置決めされ、クランプされ、その後曲げられる。
【0025】
前記曲げ機械1は、更に、前記下側リニア曲げ工具2に対して実質的に反対側で前記加工対象物50に対して上から下に移動する頂部側又は上側リニア曲げ工具6を有する。前記上側曲げ工具6は、前記第1軸芯X1周りで回転するべく上側支持部材64によってヒンジ止めされている。
【0026】
前記両曲げ工具2,6は、曲げ機械全長に渡って延出し、前記加工対象物50に対して全長曲げを行う。
【0027】
前記加工対象物50に対して部分曲げを行うために、たとえば、小さなフラップ、タブ等を得るために、前記主曲げ工具の代わりに前記加工対象物に当接してこれを曲げる、UC工具としても知られている追加又は副曲げ工具41,42を前記主曲げ工具2上に取り付けることができる。
【0028】
前記曲げ機械1は、前記主曲げ工具手段2と関連付けられるとともにこの手段に対して平行で、かつ、前記曲げ機械1の前記作業領域Wを通って延出し、少なくとも第1端部4において後者から突出する案内手段3を有している。図面に図示されている実施例において、前記案内手段3は、たとえば
図1の前面図において前記機械の右側の第1端部4と、
図1の前面図において前記機械の左側で前記第1端部4の反対側で、前記曲げ機械1から側方に突出する第2端部5を有する。
【0029】
前記案内手段は、前記下側曲げ工具2と関連付けられるとともに、その下側支持部材61に接続されかつ支持される案内レール3を有する。当該案内レール3は、前記下側曲げ工具2に対して隣接しかつ平行である。
【0030】
前記案内レール3にスライド可能に取り付けられるとともに、前記加工対象物50に対して部分曲げを行うべく前記主曲げ工具手段2と関連付けられる少なくとも1つの副工具41,42を支持するシャトル手段21,22,23が設けられている。当該シャトル手段21,22,23は、前記長手方向Aにおいて前記案内レール3に沿って、前記シャトル手段21,22,23が前記作業領域W内にあって、前記副工具40,41が所要の作業位置において前記主曲げ工具手段2に取り付けられる第1動作位置P1と、前記シャトル手段21,22,23が前記作業領域W外にあって案内レール3の端部4に位置する第1非動作位置R1との間で移動可能である。
【0031】
前記シャトル手段は、前記案内レール3にスライド可能に接続されたシャトル21,22,23の第1セット11を含み、各シャトル21,22,23は各副工具41,42を取り付けている。前記シャトル21,22,23は、選択可能な数のシャトル21,22,23を有する第1シャトルコンボイ13を形成するべく互いに接続可能であり、かつ、前記第1動作位置P1と前記第1非動作位置R1との間で移動可能である。
【0032】
前記シャトル手段21,22,23は、更に、各シャトル21,22,23が各副工具41,42を取り付けた、シャトル21,22,23の第2セット12を有する。前記第2セット12のシャトル21,22,23は、選択可能な数のシャトル21,22,23を含み、前記案内レール3に沿って、各動作位置P2と各非動作位置との間で移動可能な第2シャトルコンボイ14を形成するべく互いに接続可能であり、前記各動作位置P2において、前記第2シャトルコンボイ4は前記作業領域W内にあり、各副工具40,41が前記主曲げ工具手段2に取り付けられ(
図1−3)、前記各非動作位置において、前記第2シャトルコンボイ14は前記作業領域W外で前記案内レール3の第2端部5に位置する。
【0033】
各シャトル21,22,23は、角柱形状を有するとともに、その底面に、前記案内レール3に形成された長手溝38にスライド可能に係合するように構成された複数のローラ26を備える本体を有する。前記シャトル本体の上面に、各副工具41,42が固定されている。
【0034】
前記シャトルには異なるサイズの副工具41,42、たとえば、第1幅を有する第1副工具41と第2幅を有する第2副工具42と、を取り付けることができる。
【0035】
図面に図示されている本発明の実施例において、前記シャトルの第1セット11は、前記第1副工具41を備えるものとすることができ、前記シャトルの第2セット12は前記第2副工具42を備えるものとすることができる。
【0036】
各副工具41,42は、前記シャトル本体から前記加工対象物50又は前記クランプ手段62,63に向けて突出する作動部分73,74を有し、前記加工対象物50と作用するための作動部分73a,74aと、前記下側曲げ工具2の作動長手部分2aにスライド可能に係合するように形状構成された接続部分73bを有する。
【0037】
シャトル21,22,23の各セット11,12は、前記移動方向Aに沿ってアラインメントされ、かつ、前記各端部4,5の端から始まって前記作業領域Wに向けて、保持シャトル23と、単数又は複数の中間シャトル22と駆動シャトル21とを含む。
【0038】
図示されている機械の実施例を参照すると、前記第1セット11は、前記保持シャトル23と駆動シャトル21に加えて、12の中間シャトル22を有し、前記第2セット12は、前記保持シャトル23と駆動シャトル21に加えて、10の中間シャトル22を有している。
【0039】
前記曲げ機械は、前記シャトル21,22,23を前記案内レール3に沿って移動させるための駆動手段15,16を有する。具体的には、前記駆動手段15,16は、前記両セット11,12の前記シャトル21,22,23のうちの少なくとも一つに接続されている。
【0040】
特に
図6を参照すると、前記駆動手段15,16は、アクチュエータ手段19,20によって移動するとともに、少なくとも1つのシャトルに接続されたベルト手段17,18を含む。詳しくは、ベルト手段は、それぞれの閉じループを形成するとともに、各プーリ44,45,46,47周りに巻回された第1駆動ベルト17と第2駆動ベルト18とを含む。前記第1駆動ベルト17は、前記第1セット11のシャトルの一つ、具体的には、第1セット11の駆動シャトル21、に接続されている。前記第2駆動ベルト18は、前記第2セット13のシャトルの一つ、具体的には、第2セット13の駆動シャトル21、に接続されている。
【0041】
前記第1駆動ベルト17は、前記案内レール3に回転可能に取り付けられその両側端部4,5に配置された、第1駆動プーリ44と第1受動プーリ45とに巻回されている。前記第1駆動プーリ44は、前記第1駆動ベルト17と前記第1シャトルコンボイ13の各駆動シャトル21とを前記案内レール3に沿って移動させるべく第1アクチュエータ19によって駆動する。前記第1アクチュエータ19は、前記第1端部4において前記案内レール3に固定されている。
【0042】
前記第2駆動ベルト18は、前記案内レール3に回転可能に取り付けられその両側端部4,5に配置された、第2駆動プーリ46と第2受動プーリ47とに巻回されている。前記第2駆動プーリ46は、前記第2駆動ベルト18と前記第2シャトルコンボイ14の各駆動シャトル21とを前記案内レール3に沿って移動させるべく第2アクチュエータ20によって駆動する。前記第2アクチュエータ20は、前記第2端部5において前記案内レール3に固定されている。
【0043】
各シャトル21,22,23は、これらシャトル21,22,23を互いに接続又は接続解除して、所要の数のシャトル、即ち、前記主曲げ工具2に取り付けられるべき所望の数の副工具、を含む前記シャトルコンボイ13,14を形成するべく、隣接するシャトル21,22,23の各接続手段31,32,33に係合又は係合解除するための接続手段31,32,33を有している。
【0044】
尚、各シャトルコンボイ13,14は、各副工具41,42を取り付けた少なくとも1つの駆動シャトル21を含むことができることが銘記される。
【0045】
前記シャトル21,22,23を接続又は接続解除するべく前記シャトル21,22,23の前記接続手段31,32,33に対して選択的に作用するために、ロック/ロック解除手段35,36が案内レール3に関連付けられている。
【0046】
図15,19および20を参照すると、接続手段は、各シャトル21,22,23の一側方から突出する接続ピン31と、前記シャトル21,22,23反対側に形成され、隣接するシャトル21,22,23のロックピン31を受けるように構成された接続凹部32と、前記接続凹部32とスライド可能に関連付けられ、前記接続ピン31が前記接続凹部32に挿入されたときに、前記接続ピンを係合又は係合解除するべく選択的に移動可能なロック部材33とを有している。
【0047】
前記接続ピン31は前記長手方向Aに対して平行で、かつ、ロック位置Dにおいて前記ロック部材33によって係合可能な横ノッチ31aを有する。前記ロック部材33は、前記ロック位置D(
図20)において隣接するシャトルの前記接続ピン31の前記横ノッチ31aに係合するために前記シャトル本体を通って横方向にスライドするスライダを有する。前記ロック部材33は、係合解除位置E(
図19)において前記ロック部材33と前記接続ピン31とを係合解除可能にする開口部33aを有している。前記ロック部材33が前記ロック解除位置Eにある時、シャトルの前記接続ピン31が、前記隣接シャトルの前記接続凹部32から除去又は、当該凹部に挿入可能である。
【0048】
前記ロック部材33は、前記ロック/ロック解除手段35,36によって、横移動、具体的には、前記長手方向Aに対して直行する方向に移動する。
【0049】
前記ロック/ロック解除手段35,36は、単数又は複数のロック解除ユニット35、たとえば、前記案内レール3の各端部4,5に固定され、各ロック解除位置E(
図12)において所定のシャトルの前記ロック部材33を移動させるように構成された三つのユニット、を有する。各ロック解除ユニット35は、前記ロック部材33を前記ロック位置Dから前記ロック解除位置Eへと押す作動端部35aを備える、各第1リニアアクチュエータ、たとえば、空気アクチュエータ、を有する。
【0050】
前記案内レール3の各端部4に沿って互いに離間した複数の前記ロック解除ユニット35により、前記作業領域Wを占有することなく、所望の数のシャトルを有するシャトルコンボイ13,14を構成することが可能である。換言すると、前記曲げ機械1の作業中、前記主曲げ工具2が前記作業領域Wにおいて前記加工対象物50を変形している間、各セット11,12のシャトルは、前記シャトルコンボイの組み合わせのために、前記案内レール3の端部4,5に留まる。
【0051】
前記ロック/ロック解除手段は、更に、前記案内レール3の前記端部4,5に固定され、前記ロック位置Dにおいてシャトル21,22,23の前記ロック部材33を移動し保持するべく構成されたロックユニット36を有する。詳しくは、各ロックユニット36は、前記ロック部材33の各ロック解除端部48aによって、当該ロック部材33を前記ロック解除位置Eからロック位置D(
図8)へと押すべく、水平かつ前記長手方向Aに対して平行な第2軸芯X2周りで供回りする複数のロックレバー48を有する。前記レバー36は、たとえば単数又は複数の空気シリンダ49を含む移動手段39によって前記第2軸芯X2周りで回転する。
【0052】
前記曲げ機械1は、更に、前記端部4,5において前記案内レール3に固定されるとともに、前記シャトル21,22,23の少なくとも一つを前記案内レール3に対してブロックするように構成された保持手段37を有する。より詳しくは、保持手段は、端部4,5の両最端部に固定されてシャトル21,22,23の各セット11,12の前記保持シャトル23に作用する二つの保持ユニット37を有する。各保持ユニット37は、前記保持シャトル23のシート24に対して選択的に係合又は係合解除するべく第2リニアアクチュエータ56によって駆動する保持ピン55を有する。前記保持ピン55が前記シート24に係合すると、前記保持シャトル23、従って、それに接続された全てのシャトル22,21、が、ロック位置Lにおいて前記案内レール3に固定される。
【0053】
公知であり図示されない前記曲げ機械1の制御ユニットが、前記副工具41,42を位置決めするべく前記曲げ機械1内で、必要数のシャトルを有するシャトルコンボイ13,14を構成し、当該シャトル13,14を移動させるために、駆動手段15,16,ロック/ロック解除手段35,36、および保持手段37の作動を制御する。
【0054】
以上記載した前記曲げ機械1は以下のように機能する。
【0055】
作業サイクルの初めにおいて、前記シャトル21,22,23の前記セット11,12は開始構成にあり、ここでは、各セット11,12のすべてのシャトルが共に互いに接続され端部4,5に位置し、各保持シャトル23は前記ロック位置Lにおいて前記保持ユニット37によってブロックされている(
図9および10)。
【0056】
前記加工対象物50に対して所定の長さを有する部分曲げを実行するための副工具41,42の組み合わせが必要な場合、前記保持ユニット37は前記保持シャトル23を解放し、駆動手段14,15が所定の取り外し位置(
図11)において前記セット11,12のすべてのシャトル21,22,23を前記案内レール3に沿って移動させ、この位置において、所定のロック解除ユニット35が、そのようにして得られたシャトルコンボイ13,14(少なくとも前記駆動シャトル21を含む)を前記セット11,12の残りのシャトル21,22,23(
図12)から接続解除するべく所定のシャトル21,22,23の接続手段31,32,33に対して作用する。
【0057】
詳しくは、前記曲げ機械1の前記制御ユニットは、取り外し位置において、シャトル21,22,23の前記セット11,12を移動し、協働で所定の曲げ長さに応じて前記加工対象物50を曲げるための所要の副工具組み合わせを形成する各副工具41,42を取り付けた多数のシャトル22,22,23を含むシャトルコンボイ13,14を実現するべく所定のロック解除ユニット34を起動させる。
【0058】
図示の例においては、シャトルの前記第1セット11、前記主曲げ工具2に近いロック解除ユニット35が中間シャトル22のロック部材33に作用し(ロック部材33はロック解除位置Eで移動する)、それにより、前記駆動シャトル21と三つの中間シャトル22とを含む第1シャトルコンボイ13が第1セット11の残りのシャトル22,23から分離する。
【0059】
次に、前記ロック解除ユニット35の作動端部35aを前記ロック部材33から係合解除し(
図13)前記第1シャトルコンボイ13(駆動手段15によって移動する)が残りのシャトル22,23を前記案内レール3に沿って、前記第1端部4の端に向けて押し、ここで、前記保持シャトル23は前記保持ユニット37によって係合され保持することができる(
図14)。第1セット11の残りのシャトル22,23が前記案内レール3に固定された状態で、前記第1シャトルコンボイ13は作業領域Wにおいて前記曲げ機械1内で前記案内レール3(
図15)に沿って移動され、これにより、前記加工対象物加工対象物50を必要な曲げラインに沿って曲げるために(
図1)、前記副工具41を前記下側曲げ工具2上に位置決めすることができる。
【0060】
部分曲げが完了すると、前記第1シャトルコンボイ13は、前記作業領域Wから、第1セット11の残りのシャトル22,23に隣接する案内レール3の第1端部4へと戻される(
図16)。次に、前記開始構成の第1セット11の全部のシャトル21,22,23を共に互いに接続するべく、シャトルコンボイの隣接するシャトルの前記接続手段と残りのシャトルとを係合させるべく前記ロックユニット36を起動させる。具体的には、対応のレバー48を備える前記ロックユニット36が前記シャトルコンボイ13に隣接の残りのシャトルのロック部材33を前記ロック解除位置Eから前記ロック位置Dへと押す(
図17および18)。
【0061】
前記曲げ機械1の別の作動サイクルにおいて、協働で異なる副工具組み合わせを形成する各副工具41,42を備える複数のシャトル21,22,23を含む異なるシャトルコンボイ13を作ることによってさまざまな組み合わせの副工具41,42を前記主曲げ工具2上に配置することができる。
【0062】
全てのシャトル21,22,23が互いに接続され、案内レール3の第2端部に位置する各開始構成での作動サイクルの始まりにおいて配置されるシャトル21,22,23の第2セット12によって上述したものと同じ作業工程を行うことができる。
【0063】
前記主曲げ工具2上に取り付けられる副工具41,42の前記組み合わせは、単一のシャトルコンボイ(第1副工具41を取り付けた前記第1シャトルコンボイ13又は前記第2副工具42を取り付けた前記大2シャトルコンボイ14)を使用して、或いは、この場合、前記曲げ機械1内部において互いにアラインメント並設配置される両方のシャトルコンボイ13,14を使用して、実現することができる。
【0064】
具体的には、第1幅を有する第1副工具41のいくつか、又は、第2幅を有する第2副工具42のいくつか、或いは、第1副工具41と第2副工具42との組み合わせ、を使用して、部分曲げ長さを行うことができる。
【0065】
図示の例では、前記第1セット11は、40mmに等しい第1幅を有する前記第1副工具41を備える14のシャトル21,22,23を含み、他方、前記第2セット12は、50mmに等しい第2幅を有する前記第2副工具42を備える12のシャトル21,22,23を含む。
【0066】
シャトル21,22,23の前記第1セット11は、最大長560mmの副工具組み合わせを備えることが可能であり、他方、シャトル21,22,23の前記第2セット12は、最大長600mmの副工具組み合わせを備えることが可能である。従って、前記異なるセットセット11,12のシャトル21,22,23を組み合わせることによって、40mmから1160mmの範囲の副工具組み合わせを作り出すことができる。
【0067】
図示されない前記曲げ機械1の変形例に依れば、前記第1副工具41と第2副工具42との両方が、異なる組み合わせおよび配置を有する同じセット11,12のシャトルに取り付けられる。
【0068】
前記曲げ機械1の別の変形例に依れば、更に、各サイズを有する別の副工具を設け、異なる特定の副工具組み合わせを作り出すべく、これらを前記シャトル21,22,23に関連付けることが可能である。
【0069】
本発明の前記曲げ機械1に依れば、手作業を必要とすることなく、単数又は複数の副曲げ工具41,42を主曲げ工具手段2に自動的、迅速かつ正確に取り付け、取り外すことが可能である。具体的には、前記副曲げ工具41,42を取り付けたシャトル21,22,23が、前記曲げ機械1の前記制御ユニットによって制御される駆動手段15,16によって、前記主曲げ工具2に関連付けられる前記案内レール3に沿って移動位置決めされる。更に、前記主曲げ工具2に取り付けられる副工具41,42の組み合わせが、単一のシャトルコンボイ又は両シャトルコンボイ13,14を使用して自動的に実現される。具体的には、第1幅を有する単数又は複数の第1副工具41および/又は第2幅を有する単数又は複数の第2副工具42を使用して部分曲げ長さを行うことができる。換言すると、本発明の前記曲げ機械1に依れば、前記シャトルコンボイ13,14のシャトル21,22,23を自動的に選択し配置することによって所望の長さの副曲げ工具組み合わせを設定することができる。
【0070】
本発明の前記曲げ機械1においては、前記副工具41,42を自動的かつ非常に迅速に取り付け/取り外しすることが可能であることが銘記される。そのような自動手順に必要な機械休止時間は短く、従って、加工対象物製造サイクルの開始前のみならず、その製造サイクル中にも行うことが可能である。換言すると、同じ加工対象物50に対する全長曲げと部分曲げとを含む製造サイクルを、機械生産高の低減無く、本発明の曲げ機械1によって行うことができる。
【0071】
案内手段3、シャトル21,22,23、駆動手段15,16、ロック/ロック解除手段35,36、および保持手段37は、単純な経済的な構造と効果的かつ信頼性の高い作動とを有する、副曲げ工具41,42を選択し位置決めするためのシステムを形成する。
【0072】
図示されない前記曲げ機械1の更に別の変形例に依れば、前記主曲げ工具手段は前記上側曲げ工具6を含み、前記案内手段は、前記上側曲げ工具6に関連付けられるとともに、その上側支持部材64に接続され、かつ支持される案内レール3を含む。この変形例において、前記シャトルコンボイ13,14に取り付けられる前記副曲げ工具41,42は、上から下への移動によって前記加工対象物を部分曲げするための前記上側曲げ工具6に取り付けられている。
【0073】
図示されない前記曲げ機械1の更に別の変形例に依れば、前記主曲げ工具手段は、前記下側曲げ工具2と前記上側曲げ工具6との両方を含み、前記案内手段は、前記下側曲げ工具2に関連付けられるとともに、その下側支持部材2に接続され、かつ支持される案内レール3と、前記上側曲げ工具6に関連付けられるとともに、その上側支持部材64に接続され、かつ支持される別の案内レールとを含む。この変形例において、各副曲げ工具41,42は前記下側曲げ工具2に取り付けられるべく前記シャトルコンボイ13,14に取り付けられ、各工具41,42、それぞれ、下から上と上から下への移動によって前記加工対象物に対して部分曲げを行うために前記上側曲げ工具6に取り付けられる別のシャトルコンボイに取り付けられる。