特許第6244489号(P6244489)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社化研の特許一覧 ▶ 国立大学法人お茶の水女子大学の特許一覧

特許6244489トリチウム放射能量計測装置及び方法、被験者のトリチウムによる放射能量の計測方法、及び一対の呼気バッグとトリチウム捕集装置
<>
  • 特許6244489-トリチウム放射能量計測装置及び方法、被験者のトリチウムによる放射能量の計測方法、及び一対の呼気バッグとトリチウム捕集装置 図000002
  • 特許6244489-トリチウム放射能量計測装置及び方法、被験者のトリチウムによる放射能量の計測方法、及び一対の呼気バッグとトリチウム捕集装置 図000003
  • 特許6244489-トリチウム放射能量計測装置及び方法、被験者のトリチウムによる放射能量の計測方法、及び一対の呼気バッグとトリチウム捕集装置 図000004
  • 特許6244489-トリチウム放射能量計測装置及び方法、被験者のトリチウムによる放射能量の計測方法、及び一対の呼気バッグとトリチウム捕集装置 図000005
  • 特許6244489-トリチウム放射能量計測装置及び方法、被験者のトリチウムによる放射能量の計測方法、及び一対の呼気バッグとトリチウム捕集装置 図000006
  • 特許6244489-トリチウム放射能量計測装置及び方法、被験者のトリチウムによる放射能量の計測方法、及び一対の呼気バッグとトリチウム捕集装置 図000007
  • 特許6244489-トリチウム放射能量計測装置及び方法、被験者のトリチウムによる放射能量の計測方法、及び一対の呼気バッグとトリチウム捕集装置 図000008
  • 特許6244489-トリチウム放射能量計測装置及び方法、被験者のトリチウムによる放射能量の計測方法、及び一対の呼気バッグとトリチウム捕集装置 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6244489
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】トリチウム放射能量計測装置及び方法、被験者のトリチウムによる放射能量の計測方法、及び一対の呼気バッグとトリチウム捕集装置
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/167 20060101AFI20171127BHJP
   G01T 7/02 20060101ALI20171127BHJP
   G01T 1/204 20060101ALN20171127BHJP
【FI】
   G01T1/167 K
   G01T7/02 B
   G01T1/167 J
   !G01T1/204 A
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-30118(P2017-30118)
(22)【出願日】2017年2月21日
【審査請求日】2017年2月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000140627
【氏名又は名称】株式会社化研
(73)【特許権者】
【識別番号】305013910
【氏名又は名称】国立大学法人お茶の水女子大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001922
【氏名又は名称】特許業務法人 日峯国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 剛士
(72)【発明者】
【氏名】川上 智彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 剣一
(72)【発明者】
【氏名】今成 慶
(72)【発明者】
【氏名】古田 悦子
【審査官】 右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60-36979(JP,A)
【文献】 特開平8-43382(JP,A)
【文献】 特開平9-138225(JP,A)
【文献】 特開2007-127585(JP,A)
【文献】 特開2007-183136(JP,A)
【文献】 特許第5904511(JP,B2)
【文献】 国際公開第99/15912(WO,A1)
【文献】 古田敏城 他,呼気測定によるトリチウム体内汚染の推定,保健物理,日本保健物理学会,1971年,vol.6, no.3,pp.149-151
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/167
G01T 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼気バッグと、トリチウムのトリチウム放射能強度計測装置と、トリチウムを含む呼気を捕集する呼気バッグとトリチウム放射能強度計測装置とを結ぶ呼気導排出系統と、からなり、トリチウムを含む呼気バッグが、呼気バッグごとに呼気導排出系統に着脱自在に取り付けられ、トリチウム捕集手段が、呼気バッグからの呼気中に水滴を形成する水滴形成手段と、呼気バッグからの呼気と当該水滴とを接触させて水滴中にトリチウムを取り込むトリチウム取り込み手段と、トリチウムを取り込んだ、呼気中の水滴を集合して捕集水とする捕集水生成手段と、から形成され、捕集水生成手段が、呼気バックごとに呼気導排出系統に着脱自在に取り付けられ、トリチウム放射能強度計測装置が、トリチウム捕集手段に捕集された捕集水中のトリチウム放射能強度を測定することを特徴とするトリチウム放射能量測定装置。
【請求項2】
呼気バッグと、トリチウムのトリチウム放射能強度計測定装置と、トリチウムを含む呼気を捕集する呼気バッグとトリチウム放射能強度計測装置とを結ぶ呼気導排出系統と、からなり、トリチウムを含む呼気バッグが、被験者ごとに呼気導排出系統に着脱自在に取り付けられ、トリチウムを捕集するトリチウム捕集手段が、呼気バックごとに呼気導排出系統に着脱自在に取り付けられ、呼気導排出系統を流過する、水滴中に呼気バッグ中のトリチウムを取り込み、トリチウム放射能強度計測装置が、トリチウム捕集手段に捕集された捕集水中のトリチウム放射能強度を計測することで、多数の呼気バッグについてトリチウム放射能強度を連続して測定することを特徴とするトリチウム放射能量測定装置。
【請求項3】
請求項2に記載されたトリチウム放射能量測定装置において、水滴形成手段が、水滴供給手段とガラス繊維を内蔵したデニューダ管とから形成されて、呼気バッグからの呼気が、デニューダ管を移動中に水滴に接触させて冷却させ、呼気中の水蒸気を凝結させ、前記水滴に一体化することを特徴とするトリチウム放射能量測定装置。
【請求項4】
請求項2に記載されたトリチウム放射能量測定装置において、トリチウム放射能強度計測装置が、捕集水に液体シンチレータが加えられた液体についてトリチウム放射能強度を計測することでトリチウム放射能強度を計測することを特徴とするトリチウム放射能量測定装置。
【請求項5】
請求項1に記載されたトリチウム放射能量測定装置において、水滴形成手段が、呼気バッグからの呼気を加熱して水蒸気を生成する手段と冷却された固体シンチレータが充填された容器とから形成されて、水蒸気が固体シンチレータに接触することで凝固され、水滴が固体シンチレータ表面に生成されることを特徴とするトリチウム放射能量測定装置。
【請求項6】
請求項2に記載されたトリチウム放射能量測定装置において、固体シンチレータ表面に水滴形態で生成された捕集水について固体シンチレータによって直接的にトリチウム放射能強度を計測することを特徴とするトリチウム放射能量測定装置。
【請求項7】
呼気バッグと、トリチウムのトリチウム放射能強度計測装置と、トリチウムを含む呼気を捕集する呼気バッグとトリチウム放射能強度計測装置とを結ぶ呼気導排出系統と、からなり、トリチウム捕集手段が、呼気バッグからの呼気中に水滴を形成する水滴形成手段と、呼気バッグからの呼気と当該水滴とを接触させて水滴中にトリチウムを取り込むトリチウム取り込み手段と、呼気中に、トリチウムを取り込んだ水滴を集合して捕集水とする捕集水生成装置と、から形成される被験者のトリチウムによる放射能量の測定装置に用いられる一対の呼気バッグとトリチウムを含有可能な捕集水生成装置であって、トリチウム放射能強度計測装置が、トリチウム捕集手段に捕集された捕集水中のトリチウム放射能強度を測定する、被験者のトリチウムによる放射能量の計測装置に用いられる一対の呼気バッグとトリチウムを含有する捕集水生成装置であって、トリチウムを含む呼気バッグが、呼気バッグごとに呼気導排出系統に着脱自在に取り付けられ得て、捕集水生成装置が、呼気バックごとに呼気導排出系統に着脱自在に取り付けられ得ることを特徴とする一対の呼気バッグとトリチウムを含有可能な捕集水生成装置。
【請求項8】
呼気バッグと、トリチウムのトリチウム放射能強度計測装置と、トリチウムを含む呼気を捕集する呼気バッグとトリチウム放射能強度計測装置とを結ぶ呼気導排出系統からなり、トリチウムを含む呼気バッグが、呼気バッグごとに呼気導排出系統に着脱自在に取り付けられ、トリチウムを捕集するトリチウム捕集手段が、呼気バックごとに呼気導排出系統に着脱自在に取り付けられ、トリチウム捕集手段が、呼気バッグからの呼気中に水滴を形成する水滴形成手段と、呼気バッグからの呼気と当該水滴とを接触させて水滴中にトリチウムを取り込むトリチウム取り込み手段から形成され、トリチウム放射能強度測定装置が、トリチウム捕集手段に捕集された捕集水中のトリチウム放射能強度を測定することを特徴とするトリチウム放射能量の測定方法。
【請求項9】
呼気バッグと、トリチウムのトリチウム放射能強度計測装置と、トリチウムを含む呼気を捕集する呼気バッグとトリチウム放射能強度計測装置とを結ぶ呼気導排出系統と、からなり、トリチウム捕集手段が、呼気バッグからの呼気中に水滴を形成する水滴形成手段と、呼気バッグからの呼気と当該水滴とを接触させて水滴中にトリチウムを取り込むトリチウム取り込み手段と、トリチウムを取り込んだ水滴を集合して捕集水とする捕集水生成装置と、から形成され、トリチウムを含む呼気バッグ及び捕集水生成装置が、被験者ごとに呼気導排出系統に着脱自在に取り付けられ、トリチウム放射能強度測定装置が、トリチウム捕集手段に捕集された捕集水中のトリチウム放射能強度を測定することで、多数の呼気バッグについてトリチウム放射能強度を連続して測定することを特徴とする被験者のトリチウムによる放射能量の測定方法。
【請求項10】
請求項9に記載された被験者のトリチウムによる放射能量の測定方法において、水滴形成手段が、水滴供給手段とガラス繊維を内蔵したデニューダ管とから形成されて、呼気バッグからの呼気を、デニューダ管を移動中に水滴に接触させて冷却させ、呼気中の水蒸気を凝結させ、前記水滴に一体化させ、トリチウム放射能強度測定装置で、捕集水に液体シンチレータが加えられた液体についてトリチウム放射能強度を計測することでトリチウム放射能強度を計測することを特徴とする被験者のトリチウムによる放射能量の測定方法。
【請求項11】
請求項1に記載されたトリチウム放射能量測定装置において、水滴形成手段が、呼気バッグからの呼気を加熱して水蒸気を生成する手段と冷却された固体シンチレータが充填された容器とから形成されて、水蒸気を固体シンチレータに接触することで固体シンチレータ表面に水滴として凝固、捕集して、固体シンチレータ表面に生成された捕集水について固体シンチレータによって直接的にトリチウム放射能強度を計測することを特徴とする放射能量測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリチウム放射能強度計測装置及び方法、被験者のトリチウムによる放射能量の計測装置及び方法、並びに一対の呼気バッグとトリチウム捕集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在実施されている「原発事故現場」における処理作業や、今後予定される原子炉の廃棄処理作業では、作業者は、作業用マスクを着用するものの、作業中の呼吸による放射性物質、特にトリチウムの吸引が懸念される。
【0003】
このため、従来、「空気中の放射性濃度」から、作業者の呼吸による被ばく量を算定することが行われてきた。あるいは呼気中放射性物質濃度測定器による放射能濃度測定もされてきたが、従来の測定器では、特に、被験者のトリチウムによる放射能量を計測に関しては感度不足のために作業現場で使用することについて問題があった。
【0004】
水中に含まれる多くのγ核種やα核種は、水処理や除染によって除去され、作業環境を確保できる状況にあるが、トリチウムに関しては水として存在することから除去することが極めて困難で、呼吸によって容易に内部被ばくを起こす核種として管理することが求められる。
【0005】
このため、従来、おおよそ10リットルの呼気を少量の水にバブリングさせて吸収し、液体シンチレータ混合後、液体シンチレータカウンターによって測定する方法で体内のトリチウム量を測定していた。
【0006】
特許文献1には、大気試料中のトリチウムの気体成分は、供給された吸収液とともにデニューダ管内を移動する間に、大気試料と吸収液は接触を繰り返しして、トリチウム水は吸収液中に捕集されることが記載されている。
【0007】
特許文献2には、放射性物質を含む液体サンプルを気化させて気化ガスを生じさせ、空間内に固体のシンチレータと一緒に閉じ込め、相互作用状態を形成し、気体粒子気化からの放射線によりシンチレータで生じた光を検出することで、放射線測定することが記載されている。
【0008】
特許文献3には、測定対象のガスをサンプリングし、水蒸気を分離し、水蒸気をキャリアガス中、例えば純度の高い窒素ガスに放出し、水蒸気を含むキャリアガスから試料水を採取し、試料水のトリチウムを検出することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−127585号公報
【特許文献2】特許第5904511号公報
【特許文献3】特開2007−183136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
福島原発事故関連施設やトリチウム研究施設などでは、トリチウム(水)が周囲に存在する環境で作業が行われている。トリチウムは、同位体置換反応を起こすため、体内摂取では、内部被ばくによる健康影響が懸念される。しかし、体内の摂取量を検査する迅速な測定法が存在しなかった。上述したように、従来、おおよそ10リットルの呼気を少量の水にバブリングさせて吸収し、液体シンチレーションを混合後、液体シンチレータカウンターによって測定する方法で体内のトリチウム量を求めていた。この方法であると、捕集後直ちに測定することが困難である。また、捕集装置に呼気を吹き込むために時間を要することから、大人数を対象にすると何台もの捕集装置を必要、あるいは、1台の装置の前に、作業者の列ができる状態であった。
【0011】
特許文献1あるいは2に記載された技術によれば、大気中のトリチウムを捕集してトリチウム放射能強度を計測することができるが、大人数の被験者を対象にして、トリチウム捕集後直ちに測定する方法についてまでは記載がなされていない。
【0012】
特許文献3に記載された技術によれば、水蒸気をキャリアガス中、例えば純度の高い窒素ガスに放出することを行っており、キャリアガスの使用が必須となっている。
【0013】
本発明は、かかる点に鑑み大人数の被験者を対象にして、呼気中におけるトリチウムを測定対象として、キャリアガスなどの測定のためのガスを加えることがなく、少量の呼気量についてトリチウム捕集を迅速に行い、トリチウム捕集後直ちに測定することを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、呼気バッグと、トリチウムのトリチウム放射能強度計測装置と、トリチウムを含む呼気を捕集する呼気バッグとトリチウム放射能強度計測装置とを結ぶ呼気導排出系統と、からなり、トリチウムを含む呼気バッグが、呼気バッグごとに呼気導排出系統に着脱自在に取り付けられ、トリチウム捕集手段が、呼気バッグからの呼気中に水滴を形成する水滴形成手段と、呼気バッグからの呼気と当該水滴とを接触させて水滴中にトリチウムを取り込むトリチウム取り込み手段と、トリチウムを取り込んだ水滴を集合して捕集水とする捕集水生成手段と、から形成され、捕集水生成手段が、呼気バックごとに呼気導排出系統に着脱自在に取り付けられ、トリチウム放射能強度計測装置が、トリチウム捕集手段に捕集された捕集水中のトリチウム放射能強度を測定することを特徴とするトリチウム放射能量測定装置を提供する。
【0015】
本発明は、呼気バッグと、トリチウムのトリチウム放射能強度計測定装置と、トリチウムを含む呼気を捕集する呼気バッグとトリチウム放射能強度計測装置とを結ぶ呼気導排出系統と、からなり、トリチウムを含む呼気バッグが、被験者ごとに呼気導排出系統に着脱自在に取り付けられ、トリチウムを捕集するトリチウム捕集手段が、呼気バックごとに呼気導排出系統に着脱自在に取り付けられ、呼気導排出系統を流過する水滴中に呼気バッグ中のトリチウムを取り込み、トリチウム放射能強度計測装置が、トリチウム捕集手段に捕集された捕集水中のトリチウム放射能強度を計測することで、多数の呼気バッグについてトリチウム放射能強度を連続して測定することを特徴とするトリチウム放射能量測定装置を提供する。
【0016】
本発明は、上述されたトリチウム放射能量測定装置において、水滴形成手段が、水滴供給手段とガラス繊維を内蔵したデニューダ管とから形成されて、呼気バッグからの呼気が、デニューダ管を移動中に水滴に接触させて冷却させ、呼気中の水蒸気を凝結させ、前記水滴に一体化することを特徴とする被験者のトリチウムによる放射能量の測定装置を提供する。
【0017】
本発明は、上述されたトリチウム放射能量測定装置において、トリチウム放射能強度計測装置が、捕集水に液体シンチレータが加えられた液体についてトリチウム放射能強度を計測することでトリチウム放射能強度を計測することを特徴とする被験者のトリチウムによる放射能量の測定装置を提供する。
【0018】
本発明は、上述されたトリチウム放射能量測定装置において、水滴形成手段が、呼気バッグからの呼気を加熱して水蒸気を生成する手段と冷却された固体シンチレータが充填された容器とから形成されて、水蒸気が固体シンチレータに接触することで凝固され、水滴が固体シンチレータ表面に生成されることを特徴とするトリチウム放射能量測定装置を提供する。
【0019】
本発明は、上述されたトリチウム放射能量測定装置において、固体シンチレータ表面に水滴形態で生成された捕集水について固体シンチレータによって直接的にトリチウム放射能強度を計測することを特徴とするトリチウム放射能量測定装置を提供する。
【0020】
本発明は、呼気バッグと、トリチウムのトリチウム放射能強度計測装置と、トリチウムを含む呼気を捕集する呼気バッグとトリチウム放射能強度計測装置とを結ぶ呼気導排出系統と、からなり、トリチウム捕集手段が、呼気バッグからの呼気中に水滴を形成する水滴形成手段と、呼気バッグからの呼気と当該水滴とを接触させて水滴中にトリチウムを取り込むトリチウム取り込み手段と、トリチウムを取り込んだ水滴を集合して捕集水とする捕集水生成装置と、から形成される被験者のトリチウムによる放射能量の測定装置に用いられる一対の呼気バッグとトリチウムを含有可能な捕集水生成装置であって、トリチウム放射能強度計測装置が、トリチウム捕集手段に捕集された捕集水中のトリチウム放射能強度を測定する、被験者のトリチウムによる放射能量の計測装置に用いられる一対の呼気バッグとトリチウムを含有する捕集水生成装置であって、トリチウムを含む呼気バッグが、呼気バッグごとに呼気導排出系統に着脱自在に取り付けられ得て、捕集水生成装置が、呼気バックごとに呼気導排出系統に着脱自在に取り付けられ得ることを特徴とする一対の呼気バッグとトリチウムを含有可能な捕集水生成装置を提供する。
【0021】
本発明は、呼気バッグと、トリチウムのトリチウム放射能強度計測装置と、トリチウムを含む呼気を捕集する呼気バッグとトリチウム放射能強度計測装置とを結ぶ呼気導排出系統と、からなり、トリチウムを含む呼気バッグが、呼気バッグごとに呼気導排出系統に着脱自在に取り付けられ、トリチウムを捕集するトリチウム捕集手段が、呼気バックごとに呼気導排出系統に着脱自在に取り付けられ、トリチウム捕集手段が、呼気バッグからの呼気中に水滴を形成する水滴形成手段と、呼気バッグからの呼気と当該水滴とを接触させて水滴中にトリチウムを取り込むトリチウム取り込み手段と、から形成され、トリチウム放射能強度測定装置が、トリチウム捕集手段に捕集された捕集水中のトリチウム放射能強度を測定することを特徴とするトリチウム放射能強度測定方法を提供する。
【0022】
本発明は、呼気バッグと、トリチウムのトリチウム放射能強度計測装置と、トリチウムを含む呼気を捕集する呼気バッグとトリチウム放射能強度計測装置とを結ぶ呼気導排出系統と、からなり、トリチウム捕集手段が、呼気バッグからの呼気中に水滴を形成する水滴形成手段と、呼気バッグからの呼気と当該水滴とを接触させて水滴中にトリチウムを取り込むトリチウム取り込み手段と、トリチウムを取り込んだ水滴を集合して捕集水とする捕集水生成装置と、から形成され、トリチウムを含む呼気バッグ及び捕集水生成装置が、被験者ごとに呼気導排出系統に着脱自在に取り付けられ、トリチウム放射能強度測定装置が、トリチウム捕集手段に捕集された捕集水中のトリチウム放射能強度を測定することで、多数の呼気バッグについてトリチウム放射能強度を連続して測定することを特徴とする被験者のトリチウムによる放射能量の測定方法を提供する。
【0023】
本発明は、上述された被験者のトリチウムによる放射能量の測定方法において、水滴形成手段が、水滴供給手段とガラス繊維を内蔵したデニューダ管とから形成されて、呼気バッグからの呼気を、デニューダ管を移動中に水滴に接触させて冷却させ、呼気中の水蒸気を凝結させ、前記水滴に一体化させ、トリチウム放射能強度測定装置で、捕集水に液体シンチレータが加えられた液体についてトリチウム放射能強度を計測することでトリチウム放射能強度を計測することを特徴とする被験者のトリチウムによる放射能量の測定方法を提供する。
【0024】
本発明は、上述されたトリチウム放射能量測定装置において、水滴形成手段が、呼気バッグからの呼気を加熱して水蒸気を生成する手段と冷却された固体シンチレータが充填された容器とから形成されて、水蒸気を固体シンチレータに接触することで固体シンチレータ表面に水滴として凝固、捕集して、固体シンチレータ表面に生成された捕集水について固体シンチレータによって直接的にトリチウム放射能強度を計測することを特徴とするトリチウム放射能量測定装置を提供する。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、トリチウムを含む呼気バッグが、呼気バッグごとに呼気系統に着脱自在に取り付けられ、トリチウムを捕集するトリチウム捕集装置が、呼気バックごとに呼気系統に着脱自在に取り付けられ、トリチウム捕集装置が、呼気バッグからの呼気中に水滴を形成する水滴形成手段と、呼気バッグからの呼気と当該水滴とを接触させて水滴中にトリチウムを取り込むトリチウム取り込み手段と、から形成することがなされ得る。これによって、大人数の被験者を対象にして、呼気中におけるトリチウムを測定対象として、測定対象の呼気をキャリアガスとして使用することで、測定のためのガスをキャリアガスとして加えることがなく、少量の呼気量についてトリチウム捕集を迅速に行い、トリチウム捕集後直ちに測定することが可能になり、多数の呼気バッグについてトリチウム放射能強度を連続して測定することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の概念を説明する図。
図2】本発明の第1の実施例の構成を示す図。
図3】水滴の生成と水滴中に呼気中のトリチウムを取り込む概念を示す図。
図4】トリチウムを含んだ捕集水を液体として容器中に収納した状態図。
図5】本発明の第2の実施例の構成を示す図。
図6】一対の呼気バッグ1の取付け状況及び捕集水生成手段13の取付け状況を示す図。
図7】トリチウムを含んだ捕集水をPSペレット表面に液体として付着させた状態図。
図8】トリチウム放射能強度計測の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
【0028】
図1は、本発明の概念をブロックで示す図である。
【0029】
図1において、本発明のトリチウム放射能量測定装置100は、呼気バッグ1と、トリチウム捕集手段2と、トリチウムの放射線濃度を測定するトリチウム放射能強度計測装置3と、トリチウムを含む呼気を捕集する呼気バッグ1とトリチウム放射能強度計測装置3とを結ぶ呼気導排出系統4と、からなる。呼気バッグ1は、少なくとも放射能現場で作業する作業者である被験者5の人数分、用意される。呼気バッグを用いることで、被験者の呼気を個別に捕集、保管することができ、適宜測定時期を設定することができる。
【0030】
トリチウム捕集手段2が、呼気バッグ1からの呼気中に水滴を形成する水滴形成手段11と、呼気バッグ1からの呼気と当該水滴とを接触させて水滴中にトリチウムを取り込むトリチウム取り込み手段12と、トリチウム捕集手段に捕集された捕集水を集合させる捕集水集合手段13とから形成される。なお、トリチウム捕集手段2、水滴形成手段11、トリチウム取り込み手段12、捕集水集合手段13及び計測手段14をそれぞれトリチウム捕集装置2、水滴形成装置11、トリチウム取り込み装置12、捕集水集合装置13及び計測装置段14という場合がある。
【0031】
トリチウム放射能強度計測装置3が、計測手段14から構成され、トリチウム捕集手段13に捕集された捕集水中のトリチウム放射能強度を測定する。計測手段14には、シンチレータ部材から生じた光を検出して、トリチウム放射能強度を計測可能な装置が用いられる。シンチレータ部材は、放射線を受けると発光する性質を持つ。
【0032】
呼気導排出系統4が、呼気バッグ1とトリチウム放射能強度計測装置3とを結ぶ導入系統4Aと、不要となった呼気を含むガスを廃棄する廃棄系統4Bとから構成される。
【0033】
ここでは、呼気導排出系統4が導入系統4A及び廃棄系統4Bを含んだ概念で用いられる。
【0034】
トリチウムを含む呼気バッグ1が、呼気バッグごとに呼気導排出系統4、すなわち導入系統4Aに着脱自在に取り付けられる。このような系統を構成することで、水蒸気を搬送するキャリアガスとしては、測定に使用される呼気自体が用いられ、他のガスをキャリアガスとして使用することを要しない。余分な放射性廃棄物を発生させないで、連続してのトリチウム検出が可能とされる。
【0035】
捕集生成手段13が、呼気導排出系統4に着脱自在に取り付けられる。捕集生成手段13は、被験者5ごとに取り換えるため、ここでは、捕集生成手段13が、呼気バックごとに呼気導排出系統4に着脱自在に取り付けられると称する。
【0036】
以上のように、トリチウム放射能量測定装置100が、トリチウムを含む呼気バッグ1が、呼気バッグごとに呼気導排出系統4に着脱自在に取り付けられ、トリチウム捕集手段2が、呼気バッグからの呼気中に水滴を形成する水滴形成手段11と、呼気バッグからの呼気と当該水滴とを接触させて水滴中にトリチウムを取り込むトリチウム取り込み手段12と、呼気中のトリチウムを取り込んだ水滴を集合して捕集水とする捕集水生成手段13と、から形成され、捕集生成手段13が、呼気バックごとに呼気導排出系統4に着脱自在に取り付けられ、トリチウム放射能強度計測装置3が、トリチウム捕集手段に捕集された捕集水中のトリチウム放射能強度すなわちトリチウム放射能量を測定することで構成される。
【実施例1】
【0037】
図2は、図1に示される概念が具体的に構成された実施例1を示す。
【0038】
実施例1に示されるトリチウム放射能量測定装置100は、呼気バッグ1と、ネブライザー部21、デニューダ管22、気液分離筒23、水導入系統24、トリチウムを含む呼気を捕集する呼気バッグ1とトリチウム放射能強度計測装置3とを結ぶ呼気導排出系統4、からなる。デニューダ管22及びネブライザー部21は、デニューダ・ネブライザー方式装置を構成する。ネブライザー部21に水導入系統24が接続される。
水導入系統24は、供給される水を貯蔵する水容器25と水導入ポンプ26とこれらとネブライザー部21とを結ぶ配管27から構成される。
【0039】
気液分離筒23には、分離された水を導出する配管31が接続され、この配管31には、水回収ポンプ32、三方弁33及び三方弁33の開口部にそれぞれ接続された回収容器34及び廃液容器36が設けられる。また、気液分離筒23には、廃棄系統4Bが接続され、廃棄系統4Bには、吸引ポンプ41が設けられる。
【0040】
このような構成において、デニューダ・ネブライザー方式装置によってトリチウム捕集手段2が形成される。
【0041】
図3は、デニューダ・ネブライザー方式装置によってトリチウム捕集手段2が形成される様子を示す図である。
【0042】
呼気バッグ1からの呼気11は、吸引ポンプの吸引によってネブライザー部21に導入される。ネブライザー部21では、水導入ポンプ26により導入された水20によって水滴30が形成され、水滴30は、呼気11と共にデニューダ管22に行く。この場合に、水20と呼気中の水分とによって水滴30を形成するようにしてもよい。
【0043】
デニューダ管22の内部には、表面にフッ素加工したガラス繊維22Aが通っており、これにより呼気と水滴との接触面積が増大され、呼気中のトリチウムの取り込み効率が上げられる。
【0044】
呼気は、デニューダ管22内を移動中に水滴に接触して冷却され、呼気中の水蒸気が凝結する。水滴と水滴が分離された呼気とは、気液分離筒23にて気液分離される。気液分離された水滴は、水回収ポンプ32によって吸引され、回収容器34に回収され、捕集水35となる。廃液容器36に廃液37が回収される。
【0045】
この形態によれば、呼気バッグ1からの呼気中に水滴が形成され、水滴中にトリチウムが取り込まれる。形成される水滴の量は、水導入ポンプ6の吸引によって任意に変えられ、呼気中のトリチウムを効率よく回収することができる。
【0046】
また、この形態によれば、トリチウムを含む呼気バッグ1が、呼気バッグごとに呼気導排出系統4に着脱自在に取り付けられ、トリチウム捕集手段2が、呼気バッグからの呼気中に水滴を形成する水滴形成手段11と、呼気バッグからの呼気と当該水滴とを接触させて水滴中にトリチウムを取り込むトリチウム取り込み手段12と、トリチウムを取り込んだ水滴を集合して捕集水とする回収容器34からなる捕集水生成手段13と、から形成され、回収容器34からなる捕集生成手段13が、呼気バックごとに呼気導排出系統4に着脱自在に取り付けられ得る。
【0047】
本例によれば、水滴形成手段が、水滴供給手段とガラス繊維を内蔵したデニューダ管とから形成されて、呼気バッグからの呼気が、デニューダ管を移動中に水滴に接触させて冷却させ、呼気中の水蒸気を凝結させ、前記水滴に、混合、一体化することができる。
【0048】
トリチウム放射能強度計測装置3による計測準備操作は、捕集水に液体シンチレータ(LCS)を加えることでなされる。
【0049】
この捕集原理によって水滴捕集を行うことで、呼気量が少なくて済み、被験者の負担が少ない。かつ捕集した捕集水の量が微量であるため、使用する液体シンチレータ3の使用量を少ないものとすることができ、従来例と比べると、例えば次のようになる。
【0050】
従来技術の場合⇒10mlの液体シンチレータを使用
本例の場合⇒2.5mlの液体シンチレータを使用することで計測可能であり、廃液が少なくて済む。
【0051】
図4は、捕集水35に液体シンチレータを加えることで、液体シンチレータを含有した捕集水38を形成して、捕集水容器39に収納した状態を示す。
【0052】
トリチウム放射能強度計測装置3が、形成された捕集水38中のトリチウム放射能強度すなわちトリチウム放射能量を測定する。トリチウム放射能量が測定されると、放射能被ばく量は容易に求められる。
【0053】
被験者ごとに洗浄用水蒸気発生装置(図示せず)で発生した水蒸気を用いて呼気導排出系統4を洗浄して、次の計測に備える。
【実施例2】
【0054】
図5は、本発明の第2の実施例の構成を示す図である。
【0055】
図1図2に示される構成と同一の構成については、同一の番号を用い、図1図2での説明を援用する。
【0056】
図5において、52は電磁三方弁、53は金属ケース、54は固体シンチレータ(PSペレット)を収納した呼気捕集バイアル、55は断熱材形成の樹脂カバー、56はペルチェ素子、57はファン、58は呼気捕集バイアル温度センサ2、59は圧力センサ、60は電磁弁、61はポンプ、62は積算流量センサ、63は装置内温度センサ1、64は装置筺体、65は冷却ファン、66は洗浄用水蒸気発生装置、67は洗浄用水蒸気発生装置66を電磁三方弁52に接続する配管、68は金属ケース蓋を示す。呼気導排出系統4は、呼気11Aの導入・排出・洗浄に用いられる流路である。
【0057】
呼気捕集バイアル54は、呼気11Aからトリチウムを含んだ水滴を捕集することで、計測手段14(図1参照)に提供するもので容器形態をなし、図7に示される固体シンチレータ、すなわちペレット状の固体シンチレータ(PSペレットという)81を多数収納する。集合体としたシンチレータ材が形成される。この例では、測定用のバイアルには、廃液の発生しない「プラスチックシンチレータ」が収納され、用いられる。例えば、LSC-LB7を用いる。LSC-LB7は20mlバイアルの他、100ml、145mlのバイアルに使用可能である。これらの容量に限定されない。
【0058】
図6は、一対の呼気バッグ1の取付け状況及び捕集水生成手段13の取付け状況を示す図であり、図6(a)が、呼気バックごとに呼気導排出系統4に着脱自在に取り付けられ得る状態、図6(b)が、回収容器34からなる捕集水生成手段13が、呼気バックごとに呼気導排出系統4に着脱自在に取り付けられ得る状態を示す。
【0059】
図6(a)において、呼気バッグ1には、弁付きカプラ71が取付け可能とされ、被験者5は、その呼気を呼気バッグ1に吐き出して、一方のメス型の弁カプラを取り付け、呼気バック1から吐き出した呼気を呼気バッグ1に保持する。呼気導排出系統4には、他方のオス型の弁カプラが取り付けてある。呼気バッグ1は、着脱自在に呼気導排出系統4に取り付けられ、弁カプラ内蔵の弁体を操作することで、呼気バッグ1と呼気導排出系統4とは連通状態となる。
【0060】
図6(b)において、呼気捕集バイアル54には、一方のメス型の着脱部材76が取り付けられ、呼気捕集バイアル54を内蔵する金属ケース53には、他方のオス型の着脱部材77が取り付けられ、一方の着脱部材76を他方の着脱部材に嵌合することで呼気捕集バイアル54の着脱部75が形成される。呼気捕集バイアル54で形成された捕集水生成手段13が着脱自在に呼気導排出系統4に取り付けられ、呼気捕集バイアル54で形成された捕集水生成手段13と呼気導排出系統4とは連通状態となる。
【0061】
このような構成において、呼気バッグ1が加熱される。加熱温度は、35〜40℃にすれば十分である。装置筐体64の内部温度は、温度センサ1(63)によって計測される。収集された呼気を加熱することで、呼気中の水分が十分に水蒸気とされる。この水蒸気を含む呼気Aを、ポンプ61を使用して呼気捕集バイアル54に着脱部75を介して導入する。
【0062】
図7において、導入された呼気11Aは、PSペレット81に接触することにより、接触面の呼気中の水蒸気の温度が低下し水蒸気は凝結する。PSペレット81、例えば図7に示されるように、円柱形態をなす。この凝結によって、PSペレット表面に水分が付着、集合して、捕集水82となる。
【0063】
呼気バッグからの呼気11Aと当該水滴とが接触することで、水滴中にトリチウムを取り込まれる。
【0064】
この例にあっても、トリチウム捕集手段2が、呼気バッグ1から、呼気中の水蒸気の水分を利用して、呼気11A中に水滴を形成する水滴形成手段11と、呼気バッグからの呼気11Aと当該水滴とを接触させて水滴中にトリチウムを取り込むトリチウム取り込み手段12と、トリチウムを取り込んだ水滴を集合して捕集水とするPSペレット81からなる捕集水生成手段13と、から形成される。
【0065】
このように、水滴形成手段が、呼気バッグからの呼気を加熱して水蒸気を生成する手段と冷却された固体シンチレータが充填された容器とから形成されて、水蒸気が固体シンチレータに接触することで凝固され、水滴が固体シンチレータ表面に生成される。
【0066】
計測手段14は、PSペレット81の固体シンチレータ表面に水滴形態で生成された捕集水について固体シンチレータによって直接的にトリチウム放射能強度を計測する。
【0067】
被験者ごとに洗浄用水蒸気発生装置66で発生した水蒸気を用いて呼気導排出系統4及び呼気捕集バイアル54を洗浄して、次の計測に備える。
【0068】
装置の操作手順は、次の様になる。
1)呼気捕集バイアル54及び呼気バイアル1を装置に設置。5分程待機。

2)呼気バッグ周囲の温度が34℃以上、呼気捕集バイアル周囲を5℃に達したら、ポンプ61にて呼気11Aを回収。

3)積算流量センサ62にて吸気量をカウント。

4)設定吸気量に達したら電磁三方弁(AV−1)52を切替。

5)圧力センサ59が設定値に達したら電磁弁(AV−2)60を閉止。

6)呼気捕集バイアル54及び呼気バイアル1を装置から回収し、ダミーの容器を設置。

7)電磁三方弁(AV−1)52、電磁弁(AV−2)60を切替。

8)洗浄を5分程度行う。
【0069】
捕集効率の見積り:34℃飽和水蒸気を5℃で捕集すると、おおよそ捕集効率は、80%になる。減圧操作時(−20kPa想定)の除去分を考慮すると64%程度の捕集効率になる。
【0070】
捕集水分量の見積り:例えば10リットル呼気中の水分量は、約0.38g、
捕集効率を64%とすると、呼気捕集バイアル54中の水分量
は、おおよそ0.24gとなり、十分に計測ができる量が捕集
される。
【0071】
この例は、PSペレットで構成される固体シンチレータを用いて、トリチウムをPSペレット81の面に直接捕集するものであり、液体シンチレータを使用することを要さず、使用後の液体シンチレータを廃棄処理することを要しない、環境負荷の低減を図るメリットがある。また、直接的に計測できるために、計測に要する時間の短縮につながるとともに、ランニングコストを低減することができる。
【0072】
図8は、本例によるトリチウム放射能強度計測の例を示す。
【0073】
図8は、100mlバイアル中にPSペレットを充填し、各トリチウム濃度のトリチウム水をバイアルに入れ、放射線強度を測定した結果である。縦軸を強度、横軸をトリチウム濃度としときに直線性があることから、トリチウム濃度に対して十分な定量性があるといえる。このことより、PSペレットを使用してトリチウムの濃度測定を行うことができる。
【0074】
本例によれば、次のようなメリットが得られる。
1)個々の被験者の呼気中放射能物質濃度を実測可能である
2)被験者に負担を掛けない、少ない量で計測できる。
3)呼気バッグと計測手段との連結が可能になった。
4)PSペレットを用いての高感度計測が可能になった。
5)結果を得るまでの時間を短縮できる。
6)測定に伴う放射性有機廃液の発生がゼロである。
7)PSペレットは、容易に再使用が可能であり、経済的であり、かつ環境に優しい。
【0075】
以上のトリチウム放射能強度測定装置を用いることで、呼気バッグと、トリチウムのトリチウム放射能強度計測定装置と、トリチウムを含む呼気を捕集する呼気バッグとトリチウム放射能強度計測装置とを結ぶ呼気導排出系統からなり、トリチウムを含む呼気バッグが、被験者ごとに呼気導排出系統に着脱自在に取り付けられ、トリチウムを捕集するトリチウム捕集手段が、呼気バックごとに呼気導排出系統に着脱自在に取り付けられ、呼気導排出系統を流過する水滴中に呼気バッグ中のトリチウムを取り込み、トリチウム放射能強度計測装置が、トリチウム捕集手段に捕集された捕集水中のトリチウム放射能強度を計測することで、多数の呼気バッグについてトリチウム放射能強度を連続して測定することを特徴とする被験者のトリチウムによる放射能量の測定装置が構成される。
【0076】
また、水滴形成手段が、水滴供給手段とガラス繊維を内蔵したデニューダ管とから形成されて、呼気バッグからの呼気が、デニューダ管を移動中に水滴に接触させて冷却させ、呼気中の水蒸気を凝結させ、前記水滴に一体化することを特徴とする被験者のトリチウムによる放射能量の測定装置が構成される。
【0077】
また、トリチウム放射能強度計測装置が、捕集水に液体シンチレータが加えられた液体についてトリチウム放射能強度を計測することでトリチウム放射能強度を計測することを特徴とする被験者のトリチウムによる放射能量の測定装置が構成される。
【0078】
また、水滴形成手段が、呼気バッグからの呼気を加熱して水蒸気を生成する手段と冷却された固体シンチレータが充填された容器とから形成されて、水蒸気が固体シンチレータに接触することで凝固され、水滴が固体シンチレータ表面に生成されることを特徴とする被験者のトリチウムによる放射能量の測定装置が構成される。
【0079】
また、固体シンチレータ表面に水滴形態で生成された捕集水について固体シンチレータによって直接的にトリチウム放射能強度を計測することを特徴とする被験者のトリチウムによる放射能量の測定装置が構成される。
【0080】
また、呼気バッグと、トリチウムのトリチウム放射能強度計測装置と、トリチウムを含む呼気を捕集する呼気バッグとトリチウム放射能強度計測装置とを結ぶ呼気導排出系統と、からなり、トリチウム捕集手段が、呼気バッグからの呼気中に水滴を形成する水滴形成手段と、呼気バッグからの呼気と当該水滴とを接触させて水滴中にトリチウムを取り込むトリチウム取り込み手段と、トリチウムを取り込んだ水滴を集合して捕集水とする捕集水生成装置と、から形成される被験者のトリチウムによる放射能量の測定装置に用いられる一対の呼気バッグとトリチウムを含有可能な捕集水生成装置であって、トリチウム放射能強度計測装置が、トリチウム捕集手段に捕集された捕集水中のトリチウム放射能強度を測定する、被験者のトリチウムによる放射能量の計測装置に用いられる一対の呼気バッグとトリチウムを含有する捕集水生成装置であって、
トリチウムを含む呼気バッグが、呼気バッグごとに呼気導排出系統に着脱自在に取り付けられ得て、捕集水生成装置が、呼気バックごとに呼気導排出系統に着脱自在に取り付けられ得ることを特徴とする一対の呼気バッグとトリチウムを含有可能な捕集水生成装置が構成される。
【符号の説明】
【0081】
1…呼気バッグ、2…トリチウム捕集手段、3…トリチウム放射能強度計測装置、4…呼気バッグ1とトリチウム放射能強度計測装置3とを結ぶ呼気導排出系統、5…被験者、11…水滴形成手段、12…トリチウム取り込み手段、13…捕集水集合手段、14…計測手段、21…ネブライザー部、22…デニューダ管、23…気液分離筒、24…水導入系統、52…電磁三方弁、53…金属ケース、54…固体シンチレータ(PSペレット)を収納した呼気捕集バイアル、55…断熱材形成の樹脂カバー、56…ペルチェ素子、57:…ファン、58…気捕集バイアル温度センサ2、59…圧力センサ、60…電磁弁、61…ポンプ、62…積算流量センサ、63…装置内温度センサ1、64…装置筺体、65…冷却ファン、66…洗浄用水蒸気発生装置、67…洗浄用水蒸気発生装置66を電磁三方弁52に接続する配管、68…呼気バッグを内蔵する装置用金属ケース、100…トリチウム放射能量測定装置。
【要約】
【課題】大人数の被験者を対象にして、呼気中におけるトリチウムを測定対象として、少量の呼気量についてトリチウム捕集を迅速に行い、トリチウム捕集後直ちに測定することを可能にする。
【解決手段】トリチウムを含む呼気バッグが、呼気バッグごとに呼気導排出系統に着脱自在に取り付けられ、トリチウム捕集手段が、呼気バッグからの呼気中に水滴を形成する水滴形成手段と、呼気バッグからの呼気と当該水滴とを接触させて水滴中にトリチウムを取り込むトリチウム取り込み手段と、呼気中に、リチウムを取り込んだ水滴を集合して捕集水とする捕集水生成手段と、から形成され、捕集水生成手段が、呼気バックごとに呼気導排出系統に着脱自在に取り付けられる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8