【文献】
BLANGETTI, M. et al.,Organic Letters,2009年,Vol. 11, No. 17,pp. 3914-3917
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む、胃腸管の潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、またはヘリコバクターピロリ(H.pylori)による胃腸管損傷の予防または治療用薬学組成物。
請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む、5−HT受容体またはムスカリン性アセチルコリン受容体媒介疾患の予防または治療用薬学組成物。
前記5−HT受容体またはムスカリン性アセチルコリン受容体媒介疾患は、憂鬱症、躁鬱症、精神分裂症、自閉症、強迫神経症、不安障害、偏頭痛、高血圧、摂食障害、過敏性大腸症候群(Irritable bowel syndrome;IBS)、消化性潰瘍、糖尿病性神経病症、喘息、または過敏性膀胱(overactive bladder)であることを特徴とする、請求項15に記載の薬学組成物。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、下記化学式1で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:
[化学式1]
前記化学式1において、
R
1、R
2およびR
3は、互いに独立に、水素またはハロゲンであり、
R
4およびR
5は、互いに独立に、水素、ハロゲン、C
1−4アルキル、C
1−4アルコキシ、C
1−4ハロアルキル、またはC
1−4ハロアルコキシであり、
ただし、R
1、R
2およびR
3が同時に水素であることはなく、R
4およびR
5が同時に水素であることはない。
【0021】
好ましくは、R
1、R
2およびR
3は、互いに独立に、水素、フルオロ、またはクロロであってもよい。
【0022】
また好ましくは、R
4およびR
5は、互いに独立に、水素、クロロ、フルオロ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、またはジフルオロメトキシであってもよい。
【0023】
一実施例によれば、前記化合物は、下記化学式1−1で表される:
[化学式1−1]
前記化学式1−1において、R
1、R
2およびR
3は、互いに独立に、水素またはハロゲンであってもよい。ただし、R
1、R
2およびR
3は、同時に水素であることはない。
【0024】
好ましくは、R
1、R
2およびR
3は、互いに独立に、水素、フルオロ、またはクロロであってもよい。
【0025】
また好ましくは、R
1は、ハロゲンであり、R
2およびR
3は、互いに独立に、水素、またはハロゲンであってもよい。
【0026】
さらに好ましくは、R
1は、フルオロであり、R
2およびR
3は、互いに独立に、水素、フルオロ、またはクロロであるか;またはR
1は、クロロであり、R
2およびR
3は、水素であってもよい。
【0027】
前記化学式1−1において、R
4およびR
5は、互いに独立に、水素、ハロゲン、C
1−4アルキル、C
1−4アルコキシ、C
1−4ハロアルキル、またはC
1−4ハロアルコキシであってもよい。ただし、R
4およびR
5は、同時に水素であることはない。
【0028】
好ましくは、R
4およびR
5は、互いに独立に、水素、クロロ、フルオロ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、またはジフルオロメトキシであってもよい。
【0029】
また好ましくは、R
4は、水素であり、R
5は、クロロ、フルオロ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、またはジフルオロメトキシであるか;またはR
4およびR
5は、互いに独立に、クロロまたはフルオロであってもよい。
【0030】
また好ましくは、R
1は、フルオロであり、R
2およびR
3は、互いに独立に、水素またはフルオロであり、R
4は、水素であり、R
5は、クロロまたはトリフルオロメチルであってもよい。
【0031】
一実施例によれば、前記化合物は、下記化学式1−2〜1−4で表される群より選択されるいずれか1つであってもよいが、これに制限されるわけではない:
[化学式1−2]
[化学式1−3]
[化学式1−4]
前記化学式1−2〜1−4において、R
1〜R
5は、先に定義した通りである。
【0032】
前記化学式1で表される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩の代表的な例は、次の通りである:
1)1−(5−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−クロロフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
2)1−(5−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
3)1−(5−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−メトキシフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
4)1−(5−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−ジフルオロメトキシフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
5)1−(5−(2−クロロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−メトキシフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
6)1−(5−(2−フルオロ−4−クロロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−クロロフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
7)1−(5−(2−フルオロ−4−クロロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
8)1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
9)1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
10)1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−メチルフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
11)1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−メトキシフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
12)1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−ジフルオロメトキシフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
13)1−(5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
14)1−(5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−((3−クロロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
15)1−(5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
16)1−(5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−((3−メチルフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
17)1−(5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−((3−メトキシフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
18)1−(5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−((3−クロロ−4−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
19)1−(5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−((3,4−ジフルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
20)1−(5−(2−フルオロ−6−クロロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
21)1−(5−(2−フルオロ−6−クロロフェニル)−1−((3−クロロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
22)1−(1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
23)1−(1−((3−クロロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
24)1−(1−((3−トリフルオロメチルフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
25)1−(1−((3−メトキシフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
26)1−(1−((3,4−ジフルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
27)1−(1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−5−(2,3,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
28)1−(1−((3−クロロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−5−(2,3,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
29)1−(1−((3−トリフルオロメチルフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−5−(2,3,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
30)1−(1−((3−メトキシフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−5−(2,3,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
31)1−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;
32)1−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−((3−トリフルオロメチルフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン;および
33)1−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−((3−メトキシフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン。
【0033】
前記化学式1で表される化合物またはその塩は、非対称原子を含む置換基を有してもよいし、この場合、化学式1の化合物またはその塩は、(R)、(S)、またはラセミ体(RS)などの光学異性体として存在できる。したがって、異なって表記しない限り、前記化学式1の化合物またはその塩は、(R)、(S)、またはラセミ体(RS)などの光学異性体を全て含む。
【0034】
前記化学式1で表される化合物は、薬学的に許容可能な塩の形態であってもよい。前記塩は、通常の酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、または硝酸のような無機酸から誘導された塩および酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ−安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンジスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、またはトリフルオロ酢酸のような有機酸から誘導された塩を含む。好ましくは、前記塩は、塩酸塩またはフマル酸塩であってもよい。
【0035】
前記化学式1で表される化合物は、一例として、下記反応式1のような方法により製造される。
[反応式1]
【0036】
前記反応式1において、R
1〜R
5は、先に定義した通りである。
【0037】
また、前記反応式1の前記化学式2で表される化合物は、下記反応式2または3のような方法により製造される。
[反応式2]
[反応式3]
【0038】
前記反応式2および3において、R
1〜R
3は、先に定義した通りであり、Acは、アセチルを意味する。
【0039】
まず、前記化学式2の化合物を製造可能な前記反応式2で表される方法は、段階I−1〜I−3により行われる。
【0040】
前記段階I−1は、前記化学式7で表されるジメチル2−(メトキシメチレン)マロネートをトシルメチルイソシアネートと反応させて、前記化学式8で表される化合物を製造する段階であって、ピロール環化反応段階である。前記反応は、アセトニトリルなどの有機溶媒中で行われる。
【0041】
前記I−2は、前記化学式8で表される化合物を臭素化して、前記化学式9で表される化合物を製造する段階である。前記臭素化は、前記化学式8で表される化合物のピロールの水素位置に臭素を導入可能なN−ブロモスクシンイミド(NBS)などの試薬を用いて行われる。また、前記反応は、テトラヒドロフランなどの有機溶媒中で行われる。
【0042】
前記I−3は、前記化学式9で表される化合物と前記化学式10で表される化合物とを金属触媒下で反応させて、前記化学式2で表される化合物を製造する段階である。前記金属触媒としては、通常のパラジウム(Pd)触媒を使用することができ、その非制限的な例として、Pd(PPh
3)
4、Pd(OAc)
2、PdCl
2、PdCl
2(PPh
3)
4、PdBr
2、Pd(acac)
2、Pd
2(dba)
3、Pd(dba)
2などを使用することができる。ここで、Phはフェニル、acacはアセチルアセトネート、dbaはジベンジリデンアセトンを意味する。また、前記反応は、メタノール、エタノール、タートブタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、水などの極性溶媒中で行われる。
【0043】
あるいは、前記化学式2の化合物は、前記反応式3により製造され、前記反応式3で表される方法は、段階II−1〜II−4により行われる。
【0044】
前記II−1は、前記化学式11で表される化合物を前記化学式7で表されるジメチル2−(メトキシメチレン)マロネートと反応させて、前記化学式12で表される化合物を製造する段階である。前記反応は、メタノール、エタノール、タートブタノールなどのアルコール溶媒中で1〜4時間行われる。
【0045】
前記II−2は、前記化学式12で表される化合物を酢酸無水物(Ac
2O)と反応させて、前記化学式13で表される化合物を製造する段階であって、ピロール環化反応段階である。前記反応は、トリエチルアミンなどの塩基の存在下で1〜2時間行われる。
【0046】
前記II−3は、前記化学式13で表される化合物を加水分解して、前記化学式14で表される化合物を製造する段階である。前記段階により、ピロールにヒドロキシ基が導入される。また、前記加水分解は、水酸化ナトリウムなどの塩基を用いて10分〜30分間行われる。
【0047】
前記II−4は、前記化学式14で表される化合物をメチル化して、前記化学式2で表される化合物を製造する段階である。前記メチル化は、トリメチルシリルジアゾメタン(TMS−CH
2N
2)などのメチル化剤を用いるか、または水酸化ナトリウムの存在下でジメチルスルフェートと反応させて行われる。また、前記反応は、ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテルなどの有機溶媒中で1〜48時間行われる。
【0048】
次に、前記反応式1により、前記化学式1で表される化合物が製造される。前記反応式1で表される方法は、段階III−1〜III−4により行われる。
【0049】
前記段階III−1は、前記化学式2で表される化合物を前記化学式3で表される化合物と反応させて、下記化学式4で表される化合物を製造する段階であって、前記化学式2で表される化合物のピロール基に置換されたフェニルスルホニル基を導入する段階である。前記反応は、水素化ナトリウムの存在下、ジメチルホルムアミドなどの有機溶媒中で20〜30分間行われる。
【0050】
前記段階III−2は、前記化学式4で表される化合物を還元させて、前記化学式5で表される化合物を製造する段階である。前記還元は、ジイソブチルアルミニウムヒドリド(DIBAL)などの還元剤を用いて、テトラヒドロフランなどの有機溶媒中で行われる。
【0051】
前記段階III−3は、前記化学式5で表される化合物を酸化させて、前記化学式6で表される化合物を製造する段階である。前記化学式5で表される化合物のアルコール基の酸化は、ピリジニウムクロロクロメート(PCC)などの酸化剤を用いて、ジクロロメタンなどの有機溶媒中で30分〜2時間行われる。
【0052】
前記段階III−4は、前記化学式6で表される化合物をメチルアミンと反応させて、前記化学式1で表される化合物を製造する段階であって、還元性アミン化(Reductive amination)反応段階である。前記還元性アミン化は、水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤を用いて、テトラヒドロフランなどの有機溶媒中で30分〜1時間行われる。
【0053】
必要に応じて、前記のように製造された化学式1で表される化合物に塩酸、フマル酸などのような酸を加えて、塩酸塩、フマル酸塩のような薬学的に許容可能な酸付加塩を製造することができる。例えば、前記化学式1で表される化合物をジクロロメタンなどのような有機溶媒中で酸溶液と1〜2時間反応させて、酸付加塩を製造することができる。
【0054】
一方、本発明は、前記化学式1で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む、胃腸管の潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、またはヘリコバクターピロリ(H.pylori)による胃腸管損傷の予防または治療用薬学組成物を提供する。
【0055】
また、本発明は、前記化学式1で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む、5−HT受容体またはムスカリン性アセチルコリン受容体媒介疾患の予防または治療用薬学組成物を提供する。この時、前記5−HT受容体またはムスカリン性アセチルコリン受容体媒介疾患は、前記5−HT受容体またはムスカリン性アセチルコリン受容体媒介疾患は、憂鬱症、躁鬱症、精神分裂症、自閉症、強迫神経症、不安障害、偏頭痛、高血圧、摂食障害、過敏性大腸症候群(Irritable bowel syndrome;IBS)、消化性潰瘍、糖尿病性神経病症、喘息、または過敏性膀胱(overactive bladder)であってもよい。
【0056】
前記薬学組成物は、通常使用される賦形剤、崩壊剤、甘味剤、滑沢剤、または香味剤などの薬学的に許容可能な担体を含むことができ、通常の方法により、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤および懸濁剤、乳剤またはシロップ剤のような経口用製剤;または注射剤などの非経口投与用製剤に製剤化される。前記製剤は、多様な形態、例えば、単回投与型または数回投与型の投与形態(dosage form)に製剤化される。
【0057】
前記組成物は、経口投与するか、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、直腸および局所投与を含む非経口で投与される。前記組成物は、好ましくは、経口投与される。したがって、前記組成物は、錠剤、カプセル剤、水性液剤または懸濁剤などの多様な形態に製剤化される。経口用錠剤の場合、ラクトース、トウモロコシデンプンなどの担体、およびマグネシウムステアレートのような滑沢剤が通常加えられる。経口投与用カプセル剤の場合、ラクトースおよび/または乾燥トウモロコシデンプンが希釈剤として使用できる。経口用水性懸濁剤が必要な場合、活性成分を乳化剤および/または懸濁化剤と結合させることができる。必要な場合、特定の甘味剤および/または香味剤を加えることができる。筋肉内、腹腔内、皮下および静脈内投与の場合、活性成分の滅菌溶液が通常製造され、溶液のpHを好適に調節し緩衝させなければならない。静脈内投与の場合、溶質の総濃度は、製剤に等張性が付与されるように調節されなければならない。本発明に係る組成物は、pHが7.4の塩水のような薬剤学的に許容される担体を含む水溶液剤の形態であってもよい。前記溶液は、局所注射(local bolus injection)で患者の筋肉内血流に導入される。
【0058】
この時、薬学組成物は、治療学的有効量で投与される。したがって、前記薬学組成物に含有される化学式1で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、患者に約0.01mg/kg〜約100mg/kg per dayの有効量で投与される。もちろん、前記容量は、患者の年齢、体重、感受性、症状または化合物の薬効に応じて変更可能である。
【0059】
以下、本発明を実施例および試験例を通じてより詳細に説明する。しかし、これらの実施例および試験例は、本発明を例示するものであり、本発明がこれらに限定されるものではない。
【0060】
下記の実施例で製造された化合物の分析は、次のように行った:核磁気共鳴(NMR)スペクトル分析はブルカー(Bruker)400MHzの分光計上で行い、化学移動(chemical shift)はppmで分析し、カラムクロマトグラフィーはシリカゲル(Merck、70−230mesh)上で行った(W.C.Still,J.Org.Chem.,1978(43)、2923−2925)。また、各実施例の出発物質は公知の化合物でシグマアルドリッチ社から購入した。
【0061】
実施例2:1−(5−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
(段階2−1)2−(2−フルオロフェニル)−2−((3−メトキシ−2−(メトキシカルボニル)−3−オキソプロプ−1−エン−1−イル)アミノ)酢酸の製造
【0062】
2−フルオロフェニルグリシン(200.0g、1.18mol)、ジメチル2−(メトキシメチレン)マロネート(187.2g、1.07mol)、および酢酸ナトリウム(97.0g、1.18mol)をメタノール(1000.0ml)に加えた後、60℃で4時間還流させた。反応混合物を室温に冷却した後、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮した。得られた残渣に水(140.0ml)および1N HCl水溶液(561.0ml)を加えた後、ろ過した。得られた固体を減圧乾燥して、表題化合物301.0gを製造した。(収率:81.8%)
【0063】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):9.97(q,1H),8.1(d,1H),7.46−7.40(m,2H),7.25(t,1H),7.20(t,1H),5.57(d,1H),3.75(s,3H),3.64(s,3H)
【0064】
(段階2−2)メチル4−アセトキシ−1−アセチル−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピロール−3−カルボキシレートの製造
【0065】
前記段階2−1で製造された2−(2−フルオロフェニル)−2−((3−メトキシ−2−(メトキシカルボニル)−3−オキソプロプ−1−エン−1−イル)アミノ)酢酸(301.0g、0.96mol)に酢酸無水物(1440.0ml)モレキュラーシーブ(4Å、96.0g)、トリエチルアミン(960.0ml)を加えた。反応混合物を140℃で1時間還流させた後、0℃に冷却した。反応混合物に、0℃で氷水(2425.0ml)を加えた後、室温で1時間撹拌した後、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出液を無水マグネシウムスルフェート上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:3(v/v))で精製して、表題化合物48.8gを製造した。(収率:15.1%)
【0066】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):7.87(s,1H),7.40−7.38(q,1H),7.30−7.26(q,1H),7.18(t,1H),7.11(t,1H),3.83(s,3H),2.16(s,3H),2.21(s,3H)
【0067】
(段階2−3)メチル5−(2−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−1H−ピロール−3−カルボキシレートの製造
【0068】
前記段階2−2で製造されたメチル4−アセトキシ−1−アセチル−5−(2−フルオロフェニル)−1H−ピロール−3−カルボキシレート(48.8g、152.8mmol)にテトラヒドロフラン(130.0ml)と水(32.5ml)を加えた。反応混合物を0℃に冷却し、水酸化ナトリウム(11.7g、305.6mol)を加えた後、0℃で10分間撹拌した。反応混合物を1N塩酸水溶液を用いて中和させた後、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出液を無水マグネシウムスルフェート上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:4(v/v))で精製して、表題化合物30.5gを製造した。(収率:89.05%)
【0069】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):8.92(s,1H),8.20−8.16(m,2H),7.20(t,1H),7.14−7.06(m,3H),3.87(s,3H)
【0070】
(段階2−4)メチル5−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−カルボキシレートの製造
【0071】
前記段階2−3で製造されたメチル5−(2−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−1H−ピロール−3−カルボキシレート(30.3g、128.7mmol)をジメチルホルムアミド(150.0ml)に溶解した。得られた溶液に、0℃で水素化ナトリウム(60%、流動パラフィン中の分散液)(5.2g、128.7mmol)を加えた後、0℃で30分間撹拌した。反応混合物にジメチルスルフェート(12.2ml、128.7mmol)を加えて、0℃で1時間撹拌した。反応混合物に水を添加し、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出液を無水マグネシウムスルフェート上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:4(v/v))で精製して、表題化合物22.8gを製造した。(収率:71.0%)
【0072】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):8.91(s,1H),8.17−8.15(m,1H),7.32(d,1H),7.22−7.17(m,2H),7.14−7.09(m,1H),3.89(s,3H),3.86(s,3H)
【0073】
(段階2−5)メチル5−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−カルボキシレートの製造
【0074】
前記段階2−4で製造されたメチル5−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−カルボキシレート(22.47g、90.0mmol)をジメチルホルムアミド(113.0ml)に溶解した。得られた溶液に、0℃で水素化ナトリウム(60%、流動パラフィン中の分散液)(4.35g、108.2mmol)を加えた後、0℃で20分間撹拌した。反応混合物に3−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルクロライド(28.77g、108.2mmol)を加えて、室温で30分間撹拌した。反応混合物に水を添加し、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出液を無水マグネシウムスルフェート上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:4(v/v))で精製して、表題化合物28.04gを製造した。(収率:92.2%)
【0075】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):8.01(s,1H),7.84(d,1H),7.66(d,1H),7.58(t,1H),7.53(s,1H),7.44−7.42(m,1H),7.17−7.15(m,2H),6.96(t,1H),3.87(s,3H),3.59(s,3H)
【0076】
(段階2−6)(5−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)メタノールの製造
【0077】
前記段階2−5で製造されたメチル5−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−カルボキシレート(27.7g、60.8mmol)をテトラヒドロフラン(140.0ml)に溶解した。得られた溶液に、0℃でジイソブチルアルミニウムヒドリド(1.0Mテトラヒドロフラン溶液)(182.2ml、182.2mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した。反応混合物に、0℃で水を添加した後、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出液を無水マグネシウムスルフェート上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:4(v/v))で精製して、表題化合物21.55gを製造した。(収率:82.6%)
【0078】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):7.80(d,1H),7.66(d,1H),7.57−7.54(m,2H),7.40(q,1H),7.36(s,1H),7.19−7.12(m,2H),6.98(t,1H),4.57(d,2H),3.46(s,3H)
【0079】
(段階2−7)5−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−カルバアルデヒドの製造
【0080】
前記段階2−6で製造された(5−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)メタノール(21.4g、50.0mmol)をジクロロメタン(214.0ml)に溶解した。得られた溶液にピリジニウムクロロクロメート(32.4g、150.0mmol)を添加し、室温で30分間撹拌した後、セライトパッド(32.4g)でろ過した。得られたろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:2(v/v))で精製して、表題化合物15.1gを製造した。(収率:70.7%)
【0081】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):9.91(s,1H),8.02(s,1H),7.86(d,1H),7.66(d,1H),7.59(t,1H),7.47−7.42(m,1H),7.21−7.15(m,2H),6.95(t,1H),3.60(s,3H)
【0082】
(段階2−8)1−(5−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンの製造
【0083】
前記段階2−7で製造された5−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−カルバアルデヒド(14.9g、34.9mmol)をテトラヒドロフラン(74.5ml)に溶解した。得られた溶液にメチルアミン(2.0Mテトラヒドロフラン溶液)(174.2ml、348.4mmol)を加えて、室温で30分間撹拌した。反応混合物に水素化ホウ素ナトリウム(5.27g、139.3mmol)を加えて、室温で30分間撹拌した後、1N塩酸水溶液を用いて中和させ、エチルアセテートで抽出した。抽出物を無水マグネシウムスルフェート上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:2(v/v))で精製して、表題化合物9.2gを製造した。(収率:70.7%)
【0084】
1H−NMR(500MHz,MeOD):8.01(s,1H),7.78−7.72(m,3H),7.55−7.50(m,2H),7.19(t,1H),7.14(t,1H),7.03(t,1H),4.07(s,2H),3.42(s,3H),2.70(s,3H)
【0085】
(段階2−9)1−(5−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0086】
前記段階2−8で製造された1−(5−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン(9.2g、20.8mmol)をジクロロメタン(18.4ml)に溶解した。得られた溶液に塩酸溶液(2.0Mジエチルエーテル溶液)(21.8ml、43.6mmol)を加えて、0℃で1時間撹拌した後、ろ過し、得られた固体を減圧乾燥して、表題化合物9.48gを製造した。(収率:88.5%)
【0087】
分子量478.89
1H−NMR(500MHz,MeOD):8.00(d,1H),7.77−7.71(m,2H),7.68(s,1H),7.55(s,1H),7.50(q,1H),7.18(t,1H),7.71(t,1H),7.03(t,1H),4.02(s,2H),3.42(s,3H),2.67(s,3H)
【0088】
実施例8:1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0089】
(段階8−1)2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−((3−メトキシ−2−(メトキシカルボニル)−3−オキソプロプ−1−エン−1−イル)アミノ)酢酸の製造
【0090】
2,4−ジフルオロフェニルグリシン(150.0g、801.5mmol)、ジメチル2−(メトキシメチレン)マロネート(126.9g、728.6mmol)、および酢酸ナトリウム(65.8g、801.5mmol)をメタノール(800.0ml)に加えた後、60℃で4時間還流させた。反応混合物を室温に冷却した後、減圧濃縮してメタノールを約70%除去した後、ろ過した。得られた固体を減圧乾燥して、表題化合物190.0gを製造した。(収率:79.2%)
【0091】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):8.02−7.99(m,1H),7.45−7.40(m,1H),7.00−6.95(m,2H),5.16(s,1H),3.74(s,3H),3.76(s,3H)
【0092】
(段階8−2)メチル5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−1H−ピロール−3−カルボキシレートの製造
【0093】
前記段階8−1で製造された2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−((3−メトキシ−2−(メトキシカルボニル)−3−オキソプロプ−1−エン−1−イル)アミノ)酢酸(190.0g、577.1mmol)に酢酸無水物(1731.2ml)およびトリエチルアミン(577.1ml)を加えた。反応混合物を140℃で30分間還流させた後、0℃に冷却した。反応混合物に、0℃で氷水(577.1ml)を加えた後、室温で1時間撹拌した後、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出液を無水マグネシウムスルフェート上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた化合物を、シリカゲルを用いてフィルタして固体を除去した後、減圧濃縮した。
【0094】
得られた残渣にテトラヒドロフラン(140.0ml)および水(120.0ml)を加えて、0℃に冷却した後、水酸化ナトリウム(46.17g、1154.2mmol)を添加した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した後、1N塩酸水溶液を用いて中和させた後、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出物を無水マグネシウムスルフェート上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:4(v/v))で精製して、表題化合物22.0gを製造した。(収率:15.1%)
【0095】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):8.80(s,1H),8.17−8.12(m,2H),7.13(d,1H),6.95(t,1H),6.86−6.83(m,1H),3.88(s,3H)
【0096】
(段階8−3)メチル5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−カルボキシレートの製造
【0097】
前記段階8−2で製造されたメチル5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−1H−ピロール−3−カルボキシレート(22.0g、86.9mmol)をテトラヒドロフラン(434.5ml)およびメタノール(173.9ml)に溶解した。反応混合物に(トリメチルシリル)ジアゾメタン(2.0Mジエチルエーテル溶液、173.8ml)を加えて、室温で48時間撹拌した。反応混合物に水を添加し、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出液を無水マグネシウムスルフェート上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:4(v/v))で精製して、表題化合物18.1gを製造した。(収率:75.3%)
【0098】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):8.78(s,1H),8.12(m,1H),7.30(d,1H),6.95(t,1H),6.88(t,1H),3.87(s,3H),3.85(s,3H)
【0099】
(段階8−4)メチル5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−カルボキシレートの製造
【0100】
前記段階8−3で製造されたメチル5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−カルボキシレート(18.0g、67.4mmol)をジメチルホルムアミド(335.0ml)に溶解した。得られた溶液に、室温で水素化ナトリウム(60%、流動パラフィン中の分散液)(4.0g、101.0mmol)を加えて、室温で10分間撹拌した。反応混合物に3−フルオロベンゼンスルホニルクロライド(13.37ml、101.0mmol)を加えて、室温で1時間撹拌した。反応混合物に水を添加し、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出液を無水マグネシウムスルフェート上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:4(v/v))で精製して、表題化合物26.1gを製造した。(収率:91.1%)
【0101】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):7.98(s,1H),7.43−7.39(m,1H),7.30(t,1H),7.23(d,1H),7.15(q,1H),7.67(q,1H),6.91(t,1H),6.77(t,1H),3.87(s,3H),3.61(s,3H)
【0102】
(段階8−5)5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−カルバアルデヒドの製造
【0103】
前記段階8−4で製造されたメチル5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−カルボキシレート(26.0g、61.1mmol)をテトラヒドロフラン(300.0ml)に溶解した。得られた溶液に、0℃でジイソブチルアルミニウムヒドリド(1.0Mテトラヒドロフラン溶液)(183.4ml、183.4mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した後、1N塩酸溶液を用いて中和させ、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出物を無水マグネシウムスルフェート上で乾燥した後、減圧濃縮した。
【0104】
得られた残渣をジクロロメタン(300.0ml)に溶解した後、セライト(26.0g)およびピリジニウムクロロクロメート(39.5g、183.4mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、ろ過して固体を除去し、得られたろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:2(v/v))で精製して、表題化合物17.2gを製造した。(収率:70.9%)
【0105】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):9.89(s,1H),7.99(s,1H),7.45−7.41(m,1H),7.33(s,1H),7.25(d,1H),7.18(q,1H),7.05(s,1H),6.92(t,1H),6.77(t,1H),3.63(s,3H)
【0106】
(段階8−6)1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンの製造
【0107】
前記段階8−5で製造された5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−カルバアルデヒド(17.0g、43.0mmol)をメタノール(430.0ml)に溶解した。得られた溶液にメチルアミン(9.8Mメタノール溶液)(87.8ml、860.0mmol)を加えて、室温で30分間撹拌した。反応混合物に水素化ホウ素ナトリウム(16.3g、430.0mmol)を加えて、室温で30分間撹拌した。反応混合物に水を加えた後、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出液を無水マグネシウムスルフェート上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:2(v/v))で精製して、表題化合物15.2gを製造した。(収率:86.1%)
【0108】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):7.39−7.35(m,1H),7.26−7.20(m,2H),7.15(q,1H),7.06(d,1H),6.87(t,1H),6.78(t,1H),3.60(d,2H),3.44(s,3H),2.45(s,3H)
【0109】
(段階8−7)1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0110】
前記段階8−6で製造された1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン(15.0g、36.6mmol)をエチルアセテート(36.6ml)に溶かした後に、塩酸溶液(2.0Mジエチルエーテル溶液)(36.6ml、73.1mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、ろ過し、得られた固体を減圧乾燥して、表題化合物15.1gを製造した。(収率:92.5%)
【0111】
分子量446.87
1H−NMR(500MHz,MeOD):7.69(s,1H),7.58−7.53(m,1H),7.45(t,1H),7.30(d,1H),7.20−7.15(m,2H),7.02−6.94(m,2H),4.07(d,2H),3.46(s,3H),2.71(s,3H)
【0112】
実施例22:1−(1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0113】
(段階22−1)メチル4−アセトキシ−1−アセチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−カルボキシレートの製造
【0114】
シアン化ナトリウム(16.1g、327.9mmol)、塩化アンモニウム(17.5g、327.9mmol)を水(156ml)に加えた後、室温で10分間撹拌した。反応混合物に2,4,6−トリフルオロベンズアルデヒド(50.0g、312.3mmol)のメタノール(156.0ml)溶液を添加した後、室温で24時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮した後、ジクロロメタンで抽出した。得られた抽出液を無水マグネシウムスルフェート上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣に6N塩酸水溶液(312.0ml)を加えて、100℃で48時間還流させた。反応混合物を室温に冷却した後、減圧乾燥して、2,4,6−トリフルオロフェニルグリシンを得た。
【0115】
得られた2,4,6−トリフルオロフェニルグリシン、ジメチル2−(メトキシメチレン)マロネート(61.5g、272.7mmol)および酢酸ナトリウム(24.6g、300.0mmol)をメタノール(300.0ml)に溶解した溶液に添加した後、60℃で4時間還流させた。反応混合物を0℃に冷却した後、ろ過した。得られたろ液に酢酸無水物(900.0ml)およびトリエチルアミン(300.0ml)を加えた。反応混合物を140℃で30分間還流させた後、0℃に冷却した。反応混合物に、0℃で氷水(900.0ml)を加えてから、室温で1時間撹拌した後、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出液を無水マグネシウムスルフェート上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:4(v/v))で精製して、表題化合物10.3gを製造した。(収率:9.3%)
【0116】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):7.86(s,1H),6.75−6.75(q,3H),3.82(s,3H),2.55(s,3H),2.17(s,3H)
【0117】
(段階22−2)メチル4−ヒドロキシ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−カルボキシレートの製造
【0118】
前記段階22−1で製造されたメチル4−アセトキシ−1−アセチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−カルボキシレート(10.0g、28.1mmol)にテトラヒドロフラン(24.0ml)および水(6.0ml)を加えた。反応混合物を0℃に冷却し、水酸化ナトリウム(2.3g、56.3mmol)を添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌した後、1N塩酸水溶液を用いて中和させた後、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出液を無水マグネシウムスルフェート上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:4(v/v))で精製して、表題化合物4.7gを製造した。(収率:61.7%)
【0119】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):8.18(s,1H),7.87(s,1H),7.23(d,1H),6.76(t,3H),3.87(s,3H)
【0120】
(段階22−3)メチル4−メトキシ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−カルボキシレートの製造
【0121】
前記段階22−2で製造されたメチル4−ヒドロキシ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−カルボキシレート(4.5g、16.6mmol)をテトラヒドロフラン(83.0ml)およびメタノール(33.2ml)に溶解した。得られた溶液に(トリメチルシリル)ジアゾメタン(2.0Mジエチルエーテル溶液)(33.2ml)を加えた後、室温で48時間撹拌した。反応混合物に水を添加し、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出液を無水マグネシウムスルフェート上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:4(v/v))で精製して、表題化合物3.9gを製造した。(収率:81.3%)
【0122】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):8.17(s,1H),7.39(d,1H),6.7(t,2H),3.86(s,3H),3.84(s,3H)
【0123】
(段階22−4)メチル1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−カルボキシレートの製造
【0124】
前記段階22−3で製造されたメチル4−メトキシ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−カルボキシレート(3.8g、13.3mmol)をジメチルホルムアミド(150.0ml)に溶解した。得られた溶液に、室温で水素化ナトリウム(60%流動パラフィン中の分散液)(0.78g、20.0mmol)を加えて、室温で10分間撹拌した。反応混合物に3−フルオロベンゼンスルホニルクロライド(2.64ml、20.0mmol)を加えて、室温で1時間撹拌した。反応混合物に水を添加し、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出液を無水マグネシウムスルフェート上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:4(v/v))で精製して、表題化合物4.4gを製造した。(収率:74.1%)
【0125】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):8.01(s,1H),7.47−7.43(m,1H),7.35−7.30(m,2H),7.15(d,1H),6.69(t,2H),3.87(s,3H),3.67(s,3H)
【0126】
(段階22−5)1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−カルバアルデヒドの製造
【0127】
前記段階22−4で製造されたメチル1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−カルボキシレート(4.3g、9.7mmol)をテトラヒドロフラン(100.0ml)に溶解した。得られた溶液に、室温でジイソブチルアルミニウムヒドリド(1.0Mテトラヒドロフラン溶液)(29.1ml、29.1mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、1N塩酸水溶液を用いて中和させた後、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出液を無水マグネシウムスルフェート上で乾燥した後、減圧濃縮した。
【0128】
得られた残渣をジクロロメタン(100.0ml)に溶解させ、セライト(4.3g)およびピリジニウムクロロクロメート(6.3g、29.1mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:2(v/v))で精製して、表題化合物1.8gを製造した。(収率:44.9%)
【0129】
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):9.89(s,1H),8.01(s,1H),7.49−7.45(m,1H),7.37−7.31(m,2H),7.15(d,1H),6.70(t,2H),3.68(s,3H)
【0130】
(段階22−6)1−(1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンの製造
【0131】
前記段階22−5で製造された1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−カルバアルデヒド(1.5g、3.6mmol)をメタノール(35.0ml)に溶解した。得られた溶液にメチルアミン(9.8Mメタノール溶液)(7.4ml、72.6mmol)を加えて、室温で30分間撹拌した。反応混合物に水素化ホウ素ナトリウム(1.4g、36.3mmol)を加えて、室温で30分間撹拌した。反応混合物に水を加えた後、エチルアセテートで抽出した。得られた抽出液を無水マグネシウムスルフェート上で乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1(v/v))で精製して、表題化合物1.2gを製造した。(収率:84.9%)
【0132】
1H−NMR(500MHz,MeOD):7.51−7.52(m,1H),7.47(s,1H),7.43(t,1H),7.36(d,1H),7.23(d,1H),6.91(t,2H),3.59(s,2H),3.50(s,3H),2.39(s,3H)
【0133】
(段階22−7)1−(1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0134】
前記段階22−6で製造された1−(1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン(1.2g、3.1mmol)をエチルアセテート(5.0ml)に溶解した。得られた溶液に塩酸溶液(2.0Mジエチルエーテル溶液)(3.1ml、6.1mmol)を加えて、室温で1時間撹拌した後、ろ過し、得られた固体を減圧乾燥して、表題化合物1.1gを製造した。(収率:77.6%)
【0135】
分子量464.86
1H−NMR(500MHz,MeOD):7.64(s,1H),7.60−7.56(m,1H),7.49(t,1H),7.37(d,1H),7.26(d,1H),6.95(t,2H),4.08(s,2H),3.52(s,3H),2.70(s,3H)
【0136】
以下の追加の実施例は、先に製造した実施例の製造方法と類似の方法で製造するが、明細書内の反応式1〜3を参照して製造しようとする化合物の構造に合わせて出発物質を適切に代替して、製造した。
【0137】
実施例1:1−(5−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−クロロフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0138】
分子量445.33
1H−NMR(500MHz,CD
3OD):7.69(d,1H),7.66(s,1H),7.54(q,1H),7.49(t,1H),7.40(d,1H),7.28(s,1H),7.21(t,1H),7.15(t,1H),7.08(t,1H),4.05(s,2H),3.44(s,3H),2.70(s,3H)
【0139】
実施例3:1−(5−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−メトキシフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0140】
分子量440.91
1H−NMR(500MHz,CD
3OD):7.67(s,1H),7.50(q,1H),7.38(t,1H),7.15−7.22(m,2H),7.02−7.12(m,3H),6.83(s,1H),4.08(s,2H),3.75(s,3H),3.48(s,3H),2.71(s,3H)
【0141】
実施例4:1−(5−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−ジフルオロメトキシフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0142】
分子量476.9
1H−NMR(500MHz,CD
3OD):7.70(s,1H),7.52−7.55(m,2H),7.46(d,1H),7.33(d,1H),7.18(t,1H),7.11−7.13(m,2H),7.06(t,1H),6.88(t,1H),4.09(s,2H),3.43(s,3H),2.71(s,3H)
【0143】
実施例5:1−(5−(2−クロロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−メトキシフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0144】
分子量457.37
1H−NMR(500MHz,CD
3OD):7.66(s,1H),7.45(t,1H),7.36−7.40(m,2H),7.32(t,1H),7.23(d,1H),7.20(dd,1H),7.04(d,1H),6.82(t,1H),4.08(s,2H),3.76(s,3H),3.41(s,3H),2.71(s,3H)
【0145】
実施例6:1−(5−(2−フルオロ−4−クロロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−クロロフェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0146】
分子量479.77
1H−NMR(500MHz,CD
3OD):7.70−7.72(m,2H),7.52(t,1H),7.44(d,1H),7.31(t,1H),7.27(dd,1H),7.21(dd,1H),7.15(t,1H),4.08(s,2H),3.46(s,3H),2.71(s,3H)
【0147】
実施例7:1−(5−(2−フルオロ−4−クロロフェニル)−4−メトキシ−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0148】
分子量513.33
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):7.81(d,1H),7.69(d,1H),7.59−7.55(m,2H),7.33(s,1H),7.16−7.11(m,2H),7.05(d,1H),3.63(s,2H),3.45(s,3H),2.46(s,3H)
【0149】
実施例9:1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0150】
分子量496.88
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):7.91(d,1H),7.83(d,1H),7.66(t,H),7.53(s,1H),7.18−7.13(q,1H),6.88(t,1H),6.74(t,1H),4.04(s,2H),3.43(s,3H),2.67(s,3H)
【0151】
実施例10:1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−メチルフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0152】
分子量442.91
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):7.78(s,1H),7.46(s,1H),7.36−7.20(m,3H),7.15−7.10(q,1H),6.86(t,1H),6.74(t,1H),4.03(s,2H),3.47(s,3H),2.65(t,3H),2.33(s,3H)
【0153】
実施例11:1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−メトキシフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0154】
分子量458.9
1H−NMR(500MHz,DMSO):7.78(d,1H),7.36(m,1H),7.20−7.05(m,3H),6.87(m,2H),6.74(t,1H),4.03(d,2H),3.75(d,3H),3.42(d,3H),2.65(s,3H)
【0155】
実施例12:1−(5−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−((3−ジフルオロメトキシフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0156】
分子量494.89
1H−NMR(500MHz,CDCl
3):7.41(m,1H),7.36(s,1H),7.31(d,2H),7.15−7.13(m,2H),6.87(t,1H),6.77(t,1H),6.65−6.37(t,1H),3.67(s,2H),3.44(s,3H),2.48(s,3H)
【0157】
実施例13:1−(5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0158】
分子量446.87
1H−NMR(500MHz,CD
3OD):7.74(s,1H),7.53−7.61(m,2H),7.47(t,1H),7.33(d,1H),7.18(d,1H),7.01(t,2H),4.07(s,2H),3.50(s,3H),2.71(s,3H)
【0159】
実施例14:1−(5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−((3−クロロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0160】
分子量463.32
1H−NMR(500MHz,CD
3OD):7.75(s,1H),7.71(d,1H),7.59−7.62(m,1H),7.51(t,1H),7.46(d,1H),7.36(s,1H),7.02(t,2H),4.08(s,2H),3.50(s,3H),2.71(s,3H)
【0161】
実施例15:1−(5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−((3−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0162】
分子量466.85
1H−NMR(500MHz,CD
3OD):8.03(d,1H),7.83(d,1H),7.76(t,1H),7.64(s,1H),7.59(t,1H),6.99(t,1H),4.05(s,2H),3.49(s,3H),2.69(s,3H)
【0163】
実施例16:1−(5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−((3−メチルフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミンフマル酸塩の製造
【0164】
分子量522.52
1H−NMR(500MHz,CD
3OD):7.70(d,1H),7.57(t,1H),7.49(d,1H),7.37(t,1H),7.30(d,1H),7.19(s,1H),6.97(t,2H),6.67(s,2H),4.60(s,3H),4.04(d,2H),3.48(s,3H),2.69(t,3H),2.33(s,3H)
【0165】
実施例17:1−(5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−((3−メトキシフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0166】
分子量458.9
1H−NMR(500MHz,CD
3OD):7.71(d,1H),7.57(t,1H),7.39(t,1H),7.22(d,1H),7.08(d,1H),6.99(t,1H),6.90(s,1H),4.03(d,2H),3.77(s,3H),3.49(s,3H),2.68(d,3H)
【0167】
実施例18:1−(5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−((3−クロロ−4−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0168】
分子量481.31
1H−NMR(500MHz,CD
3OD):7.71(s,1H),7.65−7.57(m,1H),7.58−7.50(m,2H),7.45(t,1H),7.05(t,2H),4.03(s,2H),3.50(s,3H),2.72(s,3H)
【0169】
実施例19:1−(5−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−((3,4−ジフルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0170】
分子量464.86
1H−NMR(500MHz,CD
3OD):7.73(s,1H),7.61(t,1H),7.58−7.02(m,4H),7.02(t,2H),4.07(s,1H),3.50(s,3H),2.71(s,3H)
【0171】
実施例20:1−(5−(2−フルオロ−6−クロロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0172】
分子量463.32
1H−NMR(500MHz,CD
3OD):7.54−7.48(m,3H),7.42(t,1H),7.35(d,1H),7.27(d,1H),7.17(d,1H),7.12(t,1H),3.65(s,2H),3.45(s,3H),2.43(s,3H)
【0173】
実施例21:1−(5−(2−フルオロ−6−クロロフェニル)−1−((3−クロロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0174】
分子量479.77
1H−NMR(500MHz,CD
3OD):7.70(s,2H),7.56−7.55(m,3H),7.51−7.48(m,1H),7.30(d,1H),7.18−7.16(m,1H),4.60(s,2H),4.00(s,3H),2.66(s,3H)
【0175】
実施例23:1−(1−((3−クロロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0176】
分子量481.31
1H−NMR(500MHz,CD
3OD):7.74−7.72(m,2H),7.54(t,1H),7.50(d,1H),7.43(t,1H),6.95(t,1H),4.05(s,2H),3.53(s,3H),2.69(s,3H)
【0177】
実施例24:1−(1−((3−トリフルオロメチルフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0178】
分子量514.87
1H−NMR(500MHz,CD
3OD):8.05(d,1H),7.87(d,1H),7.88−7.78(m,2H),7.69(s,1H),6.94−6.91(m,2H),4.07(s,2H),3.52(s,3H),2.70(s,3H)
【0179】
実施例25:1−(1−((3−メトキシフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0180】
分子量476.90
1H−NMR(500MHz,CD
3OD):7.74(s,1H),7.44(t,1H),7.25(d,1H),7.12(d,1H),6.95−6.91(m,3H),4.07(s,2H),3.80(s,3H),3.52(s,3H),2.71(s,3H)
【0181】
実施例26:1−(1−((3,4−ジフルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0182】
分子量482.85
1H−NMR(500MHz,CD
3OD):7.73(s,1H),7.52−7.48(m,2H),7.41−7.39(m,1H),6.99−6.96(m,2H),4.07(s,2H),3.52(s,3H),2.69(s,3H)
【0183】
実施例27:1−(1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−5−(2,3,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0184】
分子量464.86
1H−NMR(500MHz,CD
3OD):7.61(s,1H),7.60〜7.49(m,3H),7.25(d,1H),4.08(s,2H),3.53(s,3H),2.72(s,3H)
【0185】
実施例28:1−(1−((3−クロロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−5−(2,3,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0186】
分子量481.31
1H−NMR(500MHz,CD
3OD):7.78(s,1H),7.74(d,1H),7.73〜7.48(m,3H),7.42(d,1H),4.08(s,2H),3.53(s,3H),2.72(s,3H)
【0187】
実施例29:1−(1−((3−トリフルオロメチルフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−5−(2,3,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0188】
分子量514.87
1H−NMR(500MHz,CD
3OD):8.55(d,1H),7.87〜7.77(m,3H),7.68(s,1H),7.55〜7.52(m,1H),7.03〜6.99(m,1H),4.09(s,2H),3.52(s,3H),2.71(s,3H)
【0189】
実施例30:1−(1−((3−メトキシフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−5−(2,3,6−トリフルオロフェニル)−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0190】
分子量476.9
1H−NMR(500MHz,CD
3OD):7.77(s,1H),7.54〜7.48(m,1H),7.43(t,1H),7.26(d,1H),7.11(d,1H),7.04〜6.99(m,1H),6.93(s,1H),4.89(s,2H),3.79(s,3H),3.52(s,3H),2.71(s,3H)
【0191】
実施例31:1−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−((3−フルオロフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0192】
分子量446.87
1H−NMR(500MHz,CD
3OD):7.71(s,1H),7.54−7.58(m,1H),7.47(t,1H),7.32(d,1H),7.27−7.30(m,1H),7.18(d,1H),7.08−7.12(m,1H),6.90−6.93(m,1H),4.08(s,2H),3.49(s,3H),2.72(s,3H)
【0193】
実施例32:1−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−((3−トリフルオロメチルフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0194】
分子量496.88
1H−NMR(500MHz,CD
3OD):8.02(d,1H),7.84(d,1H),7.76−7.79(m,2H),7.62(s,1H),7.26−7.30(m,1H),7.05−7.10(m,1H),6.91−6.94(m,1H),4.09(s,2H),3.47(s,3H),2.71(s,3H)
【0195】
実施例33:1−(5−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−((3−メトキシフェニル)スルホニル)−4−メトキシ−1H−ピロール−3−イル)−N−メチルメタンアミン塩酸塩の製造
【0196】
分子量458.9
1H−NMR(500MHz,CD
3OD):7.71(s,1H),7.42(t,1H),7.22−7.27(m,2H),7.07−7.10(m,2H),6.89(t,1H),6.82−6.86(m,1H),4.08(s,2H),3.78(s,3H),3.48(s,3H),2.71(s,3H)
【0197】
試験例1:プロトンポンプ(H
+/K
+−ATPase)活性に対する抑制活性
【0198】
前記実施例2、8および22で製造された化合物のプロトンポンプ(H
+/K
+−ATPase)活性に対する抑制活性を次のように測定した。
【0199】
胃腸管小胞(gastric vesicles)は、豚の胃(hog stomach)から公知の方法(Edd C.Rabon et al.,Preparation of Gastric H
+,K
+−ATPase.,Methods in enzymology,vol.157 Academic Press Inc.,(1988),pp.649−654)により製造した。製造した胃腸管小胞の蛋白質内容物はBicinchoninic Acid(BCA)kit(Thermo社)で定量した。
【0200】
96−ウェルプレートの各ウェルに(所定濃度の試験化合物、0.5%DMSO、2.5mM MgCl
2、12.5mM KCl、1.25mM EDTA、60mM Tris−HCl、pH7.4)80μlを入れた。それぞれのウェルに、胃腸管小胞を含有する反応液(60mmol/l、Tris−HCl緩衝溶液、pH7.4)10μl、アデノシントリホスフェートを含有するトリス緩衝溶液(10mM ATP、Tris−HCl緩衝溶液、pH7.4)10μlを添加した後、37℃で40分間酵素反応させた。50μlのマラカイトグリーン溶液(6.2N硫酸中、0.12%マラカイトグリーン溶液、5.8%アンモニウムモリブデートおよび11%トゥイーン20を100:67:2の比率で混合)を添加して酵素反応を停止させ、15.1%クエン酸ナトリウム50μlを添加した。反応液中のモノホスフェート(Pi)量はマイクロプレートリーダ(micro plate reader、FLUOstar Omega、BMG社)を用いて570nmで測定した。抑制率(%)を対照群の活性値および多様な濃度の試験化合物の活性値から測定し、H
+/K
+−ATPase活性を50%抑制する濃度(IC
50)をSigmaplot8.0プログラムのLogistic4−parameter関数を用いて化合物の各%抑制値から計算した。その結果は下記表1の通りである。
【表1】
【0201】
試験例2:幽門−結さつ(pylorus−ligated)ラットにおける基礎胃酸分泌(basal gastric acid secretion)に対する抑制活性
【0202】
前記実施例2、8および22で製造された化合物の基礎胃酸分泌に対する抑制活性をシャイラット(shay’s rat)モデルにより測定した(Shay,H.,et al.,1945,gastroenterology,5,p43−61)。雄性スプラーグドーリー(Sprague Dawley、SD)ラット(体重180〜220g)を4群(n=6−7)に分けて、18時間水のみ供給しながら絶食させた。イソフルラン麻酔下、ラットの腹腔を切開して幽門部を結さつした。結さつ直後、対照群は0.5%メチルセルロース(MC)水溶液2mL/kgを十二指腸内に投与し、他の群は0.5%メチルセルロース(MC)水溶液に試験化合物を懸濁させて、2.0mg/kg/2mLの容量で十二指腸内に投与した。結さつから5時間後に、試験動物を致死させて胃の内容物を摘出した。得られた内容物を4,000Xgで10分間遠心分離して、上層液を分離して胃液(gastric juice)を得た。得られた胃液の量とpHを測定し、胃液の酸度をpH7.0までの胃酸の滴定に必要な0.1N NaOHの体積(ueq/mL)で測定した。胃液の酸度に胃液量を乗算して総酸分泌(total acid output)を求めた。試験化合物の%抑制活性は下記式1により計算し、その結果を表2に示した。
【0203】
[式1]
試験化合物の%抑制活性=[(対照群の総酸分泌−試験化合物で処理した群の総酸分泌)/対照群の総酸分泌]X100
【表2】
【0204】
試験例3:インドメタシンによって胃損傷が誘発された(indomethacin induced gastric damage)ラットにおける胃損傷抑制活性
【0205】
前記実施例2および8で製造された化合物の胃損傷に対する抑制活性をインドメタシン(indomethacin)モデルを用いて測定した(Chiou.,et al.,2005,gastroenterology,128,p63−73)。雄性スプラーグドーリー(Sprague Dawley、SD)ラット(体重180〜220g)を5群(n=10)に分けて、24時間水のみ供給しながら絶食させた。対照群は0.5%メチルセルロース(MC)水溶液5mL/kgを経口投与し、他の群は0.5%メチルセルロース(MC)水溶液に試験化合物を懸濁させて、2.0mg/kg/5mLの容量で経口投与した。比較のために、国際特許公開第WO2006/036024号の実施例134の化合物(比較例1)および実施例165の化合物(比較例2)をそれぞれ0.5%メチルセルロース(MC)水溶液に懸濁させて、2.0mg/kg/5mLの容量で経口投与した。経口投与1時間後にインドメタシンを80mg/kg/10mlの容量で経口投与し、4時間30分後に試験動物を致死させて胃を摘出した。摘出した胃の表面を生理食塩水で洗浄した後、胃の大湾部に沿って1/2切開した。切開した胃を固定台に置いてフォーセップを用いて広く広げて固定ピンで固定させた後、胃損傷面積を測定した。試験化合物の%抑制活性は下記式2により計算し、その結果を表3に示した。
【0206】
[式2]
試験化合物の%抑制活性=[1−(試験化合物で処理した群の胃損傷面積%)/(対照群の胃損傷面積%)]X100
【表3】
【0207】
試験例4:ヘリコバクターピロリ(H.pylori)抗菌活性
【0208】
前記実施例8および22で製造された化合物のヘリコバクターピロリ(H.pylori)に対する抗菌活性を、寒天平板希釈法(agar dilution method)による感受性検査を通して最小抑制濃度(MIC)値を測定して評価した。ヘリコバクターピロリ(H.pylori)菌株は慶尚大学医学専門大学院微生物学教室所在のヘリコバクター分離菌株銀行(HpKTCC、KNMRRC)から分譲されて使用した。DMSOに溶解した試験物質を滅菌された緩衝液で2倍階段希釈して検体溶液を準備した。この時、階段希釈した各濃度は、感受性検査に用いられる濃度の10倍ずつとなるように調整して、培地作製時に1/10の容積(volume)で添加できるように調節した。55〜60℃の水槽で加温させながら、10%ウシ血清を添加した滅菌ブルセラ寒天培地(各45ml aliquot)に同一温度に加温した階段稀釈された各濃度の検体溶液5mlずつを添加して、最終試験濃度となるように作製し(試験濃度:5000μg/ml、2500μg/ml、1250μg/ml、625μg/ml、312.5μg/ml、150μg/ml、75μg/ml、37.5μg/ml、18.75μg/ml、9μg/ml、4.5μg/ml、2.25μg/ml)、培地が固まる前に2枚のペトリ皿(petri dish)に分けて分注して、寒天平板培地を作製した。ブルセラ寒天培地に培養したヘリコバクターピロリ(H.pylori)をPBSでそれぞれ細菌浮遊液(5.0×10
8CFU/mL)を作製した後、ステアマルチプル接種ウェル(Steers multiple inoculator well)に分注し、ステアマルチプル接種器(Steers multiple inoculator)を用いて、物質の濃度が低い方から高い方に平板培地表面に菌を接種した。これを37℃の10%CO
2インキュベータで5日間培養した後、肉眼で各菌株の発育の有無を判別して、発育阻止の最低濃度(MIC、菌が観察されない最低濃度)を決定した。その結果を表4および5に示した。
【表4】
【表5】
【0209】
試験例5:100%エタノール(EtOH)によって胃損傷が誘発されたラットにおける胃損傷抑制活性および防御因子(mucus)増強効果
【0210】
前記実施例8で製造された化合物の抑制活性および防御因子増強効果を100%EtOH誘導胃損傷モデルを用いて測定した(Paul V.Tan et al.,2002,Journal of Ethnopharmacology,82,p69−74)。雄性スプラーグドーリー(Sprague Dawley、SD)ラット(体重180〜200g)を24時間水のみ供給しながら絶食させた。対照群は0.5%メチルセルロース(MC)水溶液5mL/kgを経口投与し、他の群は0.5%MC水溶液に試験化合物を懸濁させて、3.0、10.0および30.0mg/kg/5mLの容量で経口投与した。比較のために、国際特許公開第WO2006/036024号の実施例134の化合物(比較例1)、実施例165の化合物(比較例2)、および実施例166の化合物(比較例3)をそれぞれ0.5%MC水溶液に懸濁させて、同一容量で経口投与した。経口投与1時間後、100%EtOH1mLを経口投与し、EtOH投与1時間後、試験動物を致死させて胃を摘出した。計20匹のうちの10匹は胃の粘液をslide glassでかき出してmucus含有量分析してED
50を算出し、その結果を表6に示した。残りの10匹は摘出した胃の表面を生理食塩水で洗浄した後、胃の大湾部に沿って1/2切開した。切開した胃を固定台に置いてフォーセップを用いて広く広げて固定ピンで固定させた後、胃損傷面積を測定してED
50を算出した。その結果は表7に示した。
【表6】
【表7】
【0211】
前記試験例1〜5の結果から、本発明に係る化合物は、優れたプロトンポンプ抑制活性、胃損傷抑制活性および防御因子増強効果を有するだけでなく、優れたヘリコバクターピロリ(H.pylori)除菌活性を有することが分かる。特に、本発明に係る化合物は、構造的に類似の化合物、例えば、ピロールの4番位置に置換基を有しないか、あるいはメチルで置換された化合物に比べて、優れたプロトンポンプ抑制活性および胃損傷抑制活性を有するだけでなく、顕著に優れたヘリコバクターピロリ(H.pylori)除菌活性を有する。
【0213】
前記実施例で製造された化合物がGPCR Targetに対してAgonistまたはantagonistとして作用するかを確認するために、Fluorometric imaging plate reader(FLIPR tetra)装備を用いて、前記実施例で製造された化合物、vehicle controls、reference化合物を入れたassay plateでCalcium Flux assayを行った。
【0214】
Calcium Flux assayは、EurofinsのSafety panel assayのうち、GPCR profiler assayを委託して評価し、Fluo−8AM calcium dyeを用いて、Excitationは470−495nm、Emissionは515−575nmの範囲の波長で測定した。Calcium Flux assayを行うためのGPCR Assay BufferをHanks Balanced Salt Solution(HBSS)に20mMのHEPESと2.5mMのProbenecidを添加して、pHを7.4となるように製造した。GPCR評価のための実施例の化合物は、10mMの濃度でDMSOに希釈してstockを作った後、GPCR Assay Bufferに最終濃度の3倍に相当する濃度に希釈して準備した。GPCR評価のための実施例の化合物に対して、まず、10uMの単一濃度での阻害活性を評価した後、選別されたtargetに対して50%阻害濃度(IC
50)を算出するために、10uMから下位に4倍ずつ希釈して10、2.5、0.62、0.15、0.04、0.01、0.0024、0.0006uMの計8つの濃度で準備して、GPCR対象Calcium Flux assay評価を行った。Agonist、antagonist評価のために、化合物処理前と後にGPCR活性に対する阻害率(%inhibition)を算出して、実施例の化合物の阻害活性を判断した。
【0215】
その結果として、実施例で製造された化合物のalpha−heth−5−HTおよびAcetylcholineの効能を100%とした場合に対する10uMの単一濃度での阻害率(%)を算出して表8に示し、阻害率に優れた実施例で製造された一部の化合物に対する50%阻害濃度(IC
50、uM)を算出して表9に示した。
【表8】
【表9】
【0216】
表8に示されるように、実施例で製造された化合物は、5−HT2A、M1およびM2受容体に対する阻害率が高く、これら受容体の拮抗剤(antagonist)として使用可能であることが分かる。また、表9に示されるように、5−HT2A、M1およびM2受容体に対して阻害率が高い化合物は、3uM以下の少量だけでも前記受容体に対して優れた阻害効果を示すことを確認することができる。
本発明は、4−メトキシピロール誘導体またはその薬学的に許容可能な塩、その製造方法、およびこれを含む薬学組成物を提供する。前記4−メトキシピロール誘導体またはその薬学的に許容可能な塩は、優れたプロトンポンプ抑制活性、胃損傷抑制活性および防御因子増強効果を有するだけでなく、優れたヘリコバクターピロリ(H.pylori)除菌活性を有することによって、胃腸管の潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、またはヘリコバクターピロリ(H.pylori)による胃腸管損傷の予防および治療に有用に適用可能である。さらに、前記4−メトキシピロール誘導体またはその薬学的に許容可能な塩は、GPCRに対する抑制作用を有し、5−HT受容体またはムスカリン性アセチルコリン受容体媒介疾患の予防および治療に有用である。